JP5729717B2 - 汚泥の濃縮方法 - Google Patents

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Description

本発明は汚泥の濃縮方法に関する。詳しくは、遠心濃縮装置により脱水用の汚泥を濃縮する際、特定の構造単位からなるカチオン性または両性水溶性高分子を含有する油中水型エマルジョンを使用することを特徴とする汚泥の濃縮方法に関する。
近年地球規模で提唱されているCO低減を実現させるために、排水処理分野ではさまざまな試みが検討されているが、汚泥脱水操作を実施する際、及び下水汚泥を消化タンクに投入する際は汚泥濃度高くすることにより、汚泥脱水時における処理量の向上、含水率の低下及び脱水時に消費される電力コストの低減を図ることが出来る。
また現在、大規模下水処理場等では、遠心濃縮装置を用いて下水混合生汚泥を濃縮後に消化槽に投入することにより消化汚泥の減容化及び消化効率の向上を図っている。
一般に遠心濃縮装置を用いて下水汚泥を濃縮する際には、無薬注もしくはカチオン性水溶性高分子を用いて実施するが、無薬注の場合は遠心分離装置の回転数を上げないと満足な分離ができず、また従来型の粉末状カチオン性水溶性高分子を用いて実施する場合、濾過された濾液に多量の泡が発生して、しばしば濾液の貯留槽のセンサーに誤作動を起こして濃縮操作に支障が生じ、また返送された濾液により曝気槽に泡が生じて生物処理効率の悪化及び余剰汚泥の濃縮性が悪化するケースも多く発生している。
また、遠心濃縮装置による濃縮に従来型の粉末状カチオン性水溶性高分子を使用した場合、各種の汚泥に対する凝集力が十分ではないため良好な処理量が得られない場合が多い。
この発泡の抑制には従来、消泡剤を添加する方法が採られてきたが、この方法を用いる場合、新たに薬品コスト及び消泡剤を添加するポンプ及び装置のコストが生じ、また消泡剤添加の調整管理が必要になるため敬遠される傾向にあり、今後ますます濃縮の際、濾液の発泡性はコストをかけることなく抑制する方法が望まれるようになってきている。
特開平7−195098号公報 特開平9−299998号公報
遠心濃縮装置による濃縮を行う際、カチオン性水溶性高分子を使用すると遠心濃縮装置の回転数の低下が見込め、また回収率、濃縮率の向上が期待されるが、従来型のカチオン性高分子を使用した場合は各種の汚泥性状に対応しきれず、また濃縮した濾液に泡が発生するため、濾液貯留槽におけるセンサーの誤作動、生物処理槽に返送する際に発泡が生じて沈降性の悪化を引き起こす等の支障が生じていた。そのため濾液に発泡を生じさせることなく濃縮用汚泥を高い濃縮率で濃縮させる方法が求められている。本発明は遠心濃縮装置により汚泥濃縮を実施する際に、汚泥を凝集させ分離した濾液の発泡を生じさせることなく、また遠心濃縮装置により、各種汚泥に対応した汚泥濃縮を可能にすることができる汚泥濃縮方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、遠心濃縮装置により脱水用の汚泥を濃縮する際、下記一般式(1)〜(4)のいずれかの構造単位からなるカチオン性または両性水溶性高分子を含有する油中水型エマルジョンを使用することにより、濃縮用汚泥の濃縮性の向上、また凝集させ分離した濾液の発泡性を低減することが可能であることを発見し本発明に到達した。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素原子またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
、Rは水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
一般式(4)
、R10、R11は水素又はメチル基、Zは陰イオンをそれぞれ表わす。
本発明の請求項1〜に記載のカチオン性または両性水溶性高分子を含有する油中水型エマルジョンを濃縮用汚泥に添加し、攪拌して凝集フロックを生成させた後、遠心濃縮装置にて濃縮することにより、濃縮性を向上させることができると共に、濃縮し分離した濾液の発泡を著しく抑制できる。
この濃縮性の向上は、油中水型高分子エマルジョンが各種の架橋型構造を持たせることが可能なため、難凝集性の汚泥に対しても良好な凝集力を発揮することができることに因るものと考えられる。
またこの濾液の発泡を著しく抑制する効果は、従来型である粉末状高分子にはないことを考慮すると、おそらく油中水型エマルジョンに含まれるオイル及びノニオン性界面活性剤に因るものであると考えられる。
本発明の請求項1〜に記載のカチオン性または両性水溶性高分子を含有する油中水型高分子エマルジョンは、分子構造を自在に変化させることが出来るため幅広い汚泥種に対して良好な凝集、濃縮効果を発揮できる。例えば繊維分が少ない、いわゆる難脱水性汚泥の場合には油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を共存させ重合し、製造した架橋型水溶性高分子を使用し、繊維分が多く脱水し易い汚泥に対しては油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を共存させることなく重合し、製造した直鎖型水溶性高分子を使用することで大きな凝集フロックを生成させることができるため濾過速度が速くなり、良好な濃縮性能を得ることができる。

本発明で使用するカチオン性または両性水溶性高分子の油中水型高分子エマルジョンは300万〜1500万の重量平均分子量のものが好ましく、幅広い汚泥種に対して良好な凝集をさせることができるが、各種余剰汚泥や下水混合生汚泥等にはおおよそ300〜800万の分子量のものが適合する。また、低い添加量においての濃縮を目的とする場合は600〜1000万の分子量を有するカチオン性または両性水溶性高分子を含有する油中水型エマルジョンを使用することが好ましい。尚、本発明における平均分子量を求める際は光散乱分析法を用いて測定を行った。
また、カチオン性または両性水溶性高分子の油中水型高分子エマルジョンのカチオン度としては主に各種余剰汚泥、下水混合生汚泥に対しては40〜100モル%のものが使用可能ではあるが、60〜100モル%のものを使用したほうが低添加量で良好な濃縮効果を出す場合もある。
本発明で用いるカチオン性あるいは両性水溶性高分子を含有する油中水型エマルジョンのうち、一般式(1)あるいは(2)で表される水溶性高分子は、製造時以下のカチオン性単量体を使用する。すなわちジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等、ジアリルアルキルアミン等の3級塩、塩化メチル等のハロゲン化アルキル等、あるいは塩化ベンジルなどのハロゲン化アリール化合物による前記3級アミン単量体の4級化物等があげられ、これらのカチオン性ビニル系単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また必用に応じて共重合されるノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられる。
本発明においては両性高分子を使用しても良好な濃縮効果を達成できる場合があるが、カチオン性単量体としてはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートたとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の塩化メチル等のハロゲン化アルキルあるいは塩化ベンジル等のハロゲン化アリール化合物等による前記3級アミン単量体4級化物等カチオン性水溶性高分子と同様である。アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアクリルアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等があげられる。
また両性高分子は必要に応じてノニオン性単量体を共重合したものであっても良い。ノニオン性単量体としては、前述のものと同様である。また本発明で使用する両性高分子の水溶性を阻害しない範囲でアクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル等の油溶性単量体も使用できる。
一般式(3)あるいは(4)で表されるポリビニルアミンおよびポリビニルアミン繰り返し単位を有する水溶性共重合物も使用することができる。ポリビニルアミン系水溶性高分子の製造法に関しては、特開平6−65329号公報に開示されている。本発明で使用するポリビニルアミンおよびポリビニルアミン繰り返し単位を有する水溶性共重合物は、N−ビニルホルムアミド重合物あるいは共重合体を重合体中のホルミル基を酸あるいは苛性アルカリにより変性することにより容易に得ることができる。すなわちN−ビニルホルムアミドと他の共重合可能な単量体とのモル比が、通常50:50〜100:0の混合物、好ましくは、80:20〜100:0の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合することにより製造される。
また、酸性変性に使用される変性剤としては、強酸性に作用する化合物ならばいずれも使用することが可能であり、例えば、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、スルファミン酸、アルカンスルホン酸等が挙げられる。変性剤の使用量は、重合体中のホルミル基に対して、通常0.1〜2倍モルの範囲から目的の変性率に応じて適宜選択される。苛性アルカリとしては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが使用される。また、変性反応は通常40〜100℃の条件で実施される。重合体中のビニルアミン繰り返し単位は、10〜100モル%であり、好ましくは30〜100モル%であり、更に好ましくは40〜100モル%である。
一般式(4)で表されるポリビニルアミジンおよびビニルアミジン繰り返し単位を有する水溶性共重合物は、以下のようなものである。N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリル共重合体を酸により加水分解し、一級アミノ基を生成させ、そのご隣接するアクリロニトリルのシアノ基と反応することにより生成する。すなわちN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルのモル比が、通常50:50〜60:40の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合する。その後、酸により加水分解する。酸性変性に使用される変性剤としては、強酸性に作用する化合物ならばいずれも使用することが可能であり、塩酸やスルファミン酸等が挙げられる。変性剤の使用量は、重合体中のホルミル基に対して、通常0.1〜2倍モルの範囲から目的の変性率に応じて適宜選択される。また、変性反応は通常40〜100℃の条件で実施される。重合体中のアミジン繰り返し単位は、20〜100モル%であり、好ましくは30〜100モル%であり、更に好ましくは40〜100モル%である。
油中水型エマルジョンの製造方法としては、カチオン性単量体、アニオン性単量体及び非イオン性単量体からなる単量体混合物を水、水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合する。
また、分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類或いは灯油、軽油、中油等の鉱油、或いはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度等の特性を有する炭化水素系合成油、或いはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB3〜11のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
重合後は、転相剤と呼ばれる親水性界面活性剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行ない、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノ二オン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系等である。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行なう。特に油中水型エマルジョン重合法を適用する場合は、20〜80℃、好ましくは20〜60℃の範囲で行なう。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性或いは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルプロピオネート、4、4’−アゾビス−(4−メトキシ−2、4−ジメチル)バレロニトリル等が挙げられる。
水溶性アゾ開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。またレドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム或いはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
単量体の重合濃度は20〜50質量%の範囲であり、好ましくは25〜40質量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
上記に述べたカチオン性水溶性高分子あるいは両性水溶性高分子は、カチオン性構成単位の全構成単位に対する割合が40〜100モル%であることが好ましい。例えば余剰汚泥の割合が高い下水混合生汚泥ではSS当たりカチオン要求量が高いため、カチオン当量値(以下Cvと記す)が高いカチオン性水溶性高分子が適す。また余剰汚泥の比率が低い下水混合生汚泥の場合は、SS当たりのカチオン要求量が低いためCvが低いものが適す。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水溶性高分子の塩水溶液粘度(4%食塩水中に高分子濃度が0.5%になるように完全溶解したときの粘度を25℃において回転粘度計にて測定)は5mPa・S以上、120mPa・S以下、好ましくは10mPa・S以上、80mPa・S以下であればその効果を発揮することが出来る。これを重量平均分子量で表わせば300万〜1000万であり、好ましくは300万〜800万である。一般に塩水溶液粘度が低いカチオン性水溶性高分子または両性水溶性高分子は弱攪拌条件に適合し、塩水溶液粘度が高いカチオン性水溶性高分子または両性高分子は強攪拌条件に適合する。
また汚泥濃度によっても適合する塩水溶液粘度の汚泥脱水組成物を任意で使い分けることができる。すなわち汚泥濃度が高く、比較的弱い攪拌条件の場合には分散性の良好な低い塩水溶液粘度のカチオン性水溶性高分子及び両性水溶性高分子からなる組成物が適し、汚泥濃度が低く比較的強い攪拌条件では塩水溶液粘度の比較的高いカチオン性水溶性高分子または両性水溶性高分子が適す。
本発明のカチオン性水溶性高分子あるいは両性水溶性高分子は、繊維分が少ない、いわゆる難脱水性汚泥の場合には油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を共存させ重合し架橋型水溶性高分子を使用し、効果を更に高めることができる。この架橋性単量体は、高分子の分子構造を改質する目的で添加するため構造改質剤とも呼ばれているが、以下のようなものが使用される。N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸―1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシランなどがあるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。またギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤を併用して使用することも架橋性を調節する手法として効果的である。これら架橋性単量体は、重合する単量体総量に対し質量換算で0.0005〜0.01%、また好ましくは0.001〜0.005モル%存在させる。
本発明において用いる油中水型高分子エマルジョンを汚泥に添加する際は、任意に希釈した水溶液にすることが適しており、添加時の溶液量や粘性を考慮すると0.2〜0.5質量%溶液の形で添加する方法が好ましい。
ここで汚泥の濃縮機に関して説明をする。現状ではベルト濃縮機と遠心濃縮機の2機種が主流であり、脱水機と同じく、ベルト濃縮機の場合は凝集混合槽で汚泥と凝集剤を凝集混合させてからベルト濃縮機へ供給し濃縮後、他の汚泥と混合し脱水操作を実施する。この様な機械濃縮設備は下水処理場のように大量の汚泥を効率的に処理する場合、次の汚泥脱水を効率よく処理することが利点であり他業種の処理施設では一般的ではない。ベルト濃縮機の場合は混合生汚泥、余剰汚泥など汚泥の種類にかかわらず汚泥凝集混合槽で汚泥と凝集剤を混合させてから濃縮機に供給する。凝集剤添加量は対汚泥固形分0.2〜0.4%程度である。
従来、下水処理場の余剰汚泥は無薬注の条件により濃縮設備によって濃縮していたが、高分子凝集剤を対汚泥固形分0.1〜0.3質量%程度添加し濃縮走査をすると濃縮効率が向上することが分かった。その後濃縮された汚泥に高分子凝集剤を添加し、脱水機に供給し脱水すれば回収率を向上させることが期待でき、その結果電気代を節約することが期待できる。さらに回収率の向上によって返流水の負荷が軽減されることによって、生物処理のブロアーの電気代も軽減することが期待できる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(汚泥脱水剤組成物の調製)下記表1のような組成の高分子を一定比率で混合し、汚泥脱水剤組成物を調製した。
(表1)
モル比;全モノマーに対するモル比。MBAAのみ全モノマーの質量に対する
割合(ppm)、Cv:カチオン当量値(meq/g)、Av:アニオン当量値
(meq/g)、EM:エマルジョンタイプ、P:粉末タイプ、EC;油中水型
エマルジョンカチオン性水溶性高分子、
ECX、EAX;油中水型エマルジョン両性水溶性高分子、C1〜C3;粉末
状高分子(従来型、カチオン性)、
ECX:カチオンとアニオンのモル比が1より大きい油中水型エマルジョン両
性水溶性高分子、
EAX:カチオンとアニオンのモル比が1より小さい油中水型エマルジョン両
性水溶性高分子、
AAm:アクリルアミド、AAc:アクリル酸
DAA:トリメチルエチルアクリレートアンモニウムクロリッド
DAM:トリメチルエチルメタクリレートアンモニウムクロリッド
MBAA:メチレンビスアクリルアミド
0.5%塩粘度:0.5%塩水溶液中に4質量%完全溶解後にB型粘度計により25℃の条件において測定された粘度
A下水処理場より発生する下水余剰汚泥(汚泥性状がpH6.4、SS:9500mg/L、TS:10,000mg/L、VSS:81.4%/SS)について遠心濃縮機を対象としたテーブル試験を実施した。現行無薬注処理を実施しているがSS回収率が70%と低くて汚泥流量が上がらない及び返流水負荷が高くて汚泥状態が悪化、結果遠心濃縮機の操業時間が長くなりエネルギーコストと人件費の高騰になる問題がある。今回油中水型エマルジョン及び粉末型ポリマーを使用して遠心濃縮テーブル試験を実施した。
試験条件として、サンプル40ml採取して各種ポリマー溶解液を所定量添加、
遠心脱水機にて3,000rpm、60秒間遠心分離し、分離液の濾液量とSSを測定、濾液発泡性の有無を観察し、汚泥回収率及び汚泥濃縮度を算出した。
その結果、濃縮性においてはEC−5、EC−6による濃縮効果が最も優れ、0.25%/TSの添加率の条件において良好なフロック形成と汚泥回収率が得られ、濃縮倍率が4.60倍であった。架橋性単量体であるメチレンビスアクリルアミドの含有量が多いEC−6は、汚泥回収率は最も優れ、濃縮倍率では5.06倍という高い値を示したものの、必要添加量が多くなる傾向が見られた。また両性ポリマーではカチオンリッチ(アニオンに比べカチオンの割合が高い)両性であればアニオンリッチ両性に比べ良好な濃縮結果を示したがEC−5、EC−6には及ばなかった。また架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−4のポリマーは比較的少ない添加量で凝集する傾向が見られたが濃縮性はEC−5、EC−6には及ばなかった。また、濾過後の濾液の発泡性を上記方法により確認した結果、すべてのポリマーにおいて泡の厚さが2mm以下であり、発泡性は殆ど無かった。これらの結果を表−2に示す。
比較試験として、従来品である粉末状カチオン性水溶性高分子を用いて濃縮試験を実施した。これらの結果を表3に示す。特に脱水濾液の発泡性において油中水型エマルジョン高分子と比較して際立って多量に発生する事が確認された。
(表2)実施例1
(表3)比較試験1
B下水処理場より発生する下水余剰汚泥(汚泥性状がpH5.2、SS:5500mg/L、TS:6500mg/L、VSS:80.5%/SS)について遠心濃縮機を対象としたテーブル試験を実施した。A下水処理場と同様に現行無薬注処理を実施しているがSS回収率が低くて汚泥流量が上がらない、また返流水負荷が高くて汚泥状態が悪化、その結果遠心濃縮機の操業時間が長くなりエネルギーコストと人件費の高騰になる問題がある。今回油中水型エマルジョン及び粉末型ポリマーを使用して遠心濃縮テーブル試験を実施した。
試験条件として、サンプル40mL採取して各種ポリマー溶解液を所定量添加、
遠心脱水機にて3,000rpm、60秒間遠心分離し、分離液の濾液量と
SSを測定、濾液発泡性の有無を観察し、汚泥回収率及び汚泥濃縮度を算出した。
その結果、濃縮性においてはEC−5が最も優れ、0.31%/Sの添加率の条件において良好なフロック形成と汚泥回収率が得られ、6.90倍の濃縮倍率が得られたが、架橋性単量体であるメチレンビスアクリルアミドの含有量が多いEC−6は、汚泥回収率は最も優れるものの、必要添加量が多くなる傾向が見られた。
また実施例1の余剰汚泥と違い両性ポリマーの凝集性は不良であった。また架橋性単量体を含まないEC−1〜EC−5のポリマーは比較的少ない添加量で凝集する傾向が見られ、添加量0.3%/TSにおける濃縮倍率は2.50倍の濃縮倍率が得られたが濃縮性でEC−6には及ばなかった。
また、濾過後の濾液の発泡性を上記方法により確認した結果、すべてのポリマーにおいて泡の厚さが2mm以下であり、発泡性は殆ど無かった。これらの結果を表4に示す
比較試験として、従来品である粉末状カチオン性水溶性高分子を用いて濃縮試験を実施した。これらの結果を表5に示す。実施例1と同様、特に脱水濾液の発泡性において油中水型エマルジョン高分子と比較して際立って多量に発生する事が確認された。
(表4)実施例2







(表5)比較試験2
本発明の汚泥濃縮方法は下水処理場、し尿処理場、各種処理場等より発生する脱水用汚泥を遠心濃縮装置にて濃縮する際に凝集性が良好なため、濃縮性を向上させることができると共に、濾液の発泡を抑制することができるため、濾液貯留槽のセンサーの誤作動の防止、また生物処理槽に返送された際の発泡を抑制することができる。またエマルジョンタイプであるため粉塵がなく、取り扱いが簡単であり、汚泥濃縮操作及び排水処理操作、また作業環境を大幅に改善することができ、産業上の利用価値は非常に高い。















Claims (3)

  1. 遠心濃縮装置により脱水用の汚泥を濃縮する際、下記一般式(1)〜(4)から選択される一種以上の構造単位60〜100モル%からなるカチオン性または両性水溶性高分子を含有する油中水型エマルジョンであり、該油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を重合する単量体総量に対し質量換算で0.0005〜0.01%共存させ重合した油中水型エマルジョンを使用することを特徴とする汚泥の濃縮方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素原子またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    、Rは水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    一般式(4)
    、R10、R11は水素又はメチル基、Zは陰イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記両性水溶性高分子が、下記一般式(5)の構造単位を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の濃縮方法。
    一般式(5)
    12は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOO、R13は水素またはCOO 、Y およびY は水素イオンまたは陽イオンをそれぞれ表す。
  3. 前記カチオン性または両性水溶性高分子の重量平均分子量が300万〜1500万であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の濃縮方法。
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