JP5142210B2 - 汚泥の脱水方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の単量体からなる水溶性高分子水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を連続相とし、これに酸及び疎水性単量体とカチオン性単量体からなる油溶性高分子を必須として含有する油中水型高分子エマルジョンを、水により希釈せず分散液状態のまま汚泥に添加し脱水機により脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法に関する。
高分子凝集剤は、廃水処理薬剤や製紙用添加剤として広範囲に使用され、既に工業的になくてはならない薬剤となっている。前記高分子凝集剤は、水溶性高分子物質から構成されているので水に溶解すると高粘性溶液となり、従来、濃度を0.05〜0.3質量%程度に希釈して排水や汚泥に添加してきた。そのため高粘性液体を攪拌するための特別な溶解装置が必用であり、その設置場所も必用になり設備投資計画に一定の負担を強いているのが現状である。
この高分子凝集剤は、粉末製品が主流であるが、溶解時間が短縮可能などメリットとして油中水型エマルジョンあるいは塩水中分散重合品も並行して発展している。この二つのタイプはパイプライン中で溶解可能など使用方法において工夫が残されていると推定され、今後まだ発展の余地がある。塩水中分散重合品の原液添加法は、特許文献1に開示されている。すなわち、任意形態からなるカチオン性高分子凝集剤希釈水溶液添加後、塩水中分散重合品アニオン性水溶性高分子を原液あるいは分散液の状態で添加し、有機汚泥の脱水を行なう処方である。ただしこのアニオン性水溶性高分子は、中性から酸性の水にのみ溶解する性質のものであり、使い勝手が非常に悪い。
一方、油中水型エマルジョン製品は、重合後親水性界面活性剤を添加し、水への分散性を高めてあるが、多量に添加すると水溶性高分子水への溶解性は向上するが製品の安定性は低下するため添加量を制限してある。そのためこの製品を原液の状態で添加しても汚泥中への溶解、分散が悪く効率的な処理はできない。これに関連した処方は、特許文献2に開示されている。すなわち、スクリュープレス型脱水機により汚泥脱水する場合、油中水型エマルジョン製品あるいは塩水中分散重合品をそのまま、あるいは未溶解粒子の存在する水溶液で汚泥に添加し、脱水機のスクリューにより汚泥と未溶解粒子を混錬し、その溶解により再凝集を行い凝集フロックの高密度化を意図した処方である。またカチオン性あるいは両性水溶性高分子エマルジョンからなる凝集剤を水で希釈せず分散液の状態で汚泥に添加し脱水する処方は、特許文献3に記載されている。汚泥は一般的に高濃度であり、従って分散液を汚泥中に効率的に混合することが重要な条件となる。特許文献3は、凝集剤分散液添加時、強力攪拌すれば良好な凝集状態を得ることができるが、脱水現場では常にこの条件を得ることができるとは限らない。
特開平11−277094号公報 特開平07−031999号公報 特開2005−177666号公報
従来、分散液で市販されている高分子凝集剤を用いて汚泥の脱水を実施する場合、水で希釈し均一な水溶液の状態にした後汚泥に添加していた。しかし本発明者等は、二つの見地から従来の添加法に検討を加えた。すなわち希釈して低濃度で添加することは、脱水機で脱水する場合最も適した凝集状態を提供できるのか、また設備面から希釈装置を省略したら設備投資が削減可能になるのではないかと言う点である。従って本発明の目的は、油中水型高分子エマルジョンを原液で汚泥に添加する、すなわち水で希釈せず分散液の状態で汚泥に添加し脱水する場合、特別な強力攪拌がなくても汚泥中に分散していき良好な凝集状態を得ることができる処方を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下のような発明に達した。すなわち請求項1の発明は、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体5〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、非イオン性単量体0〜95モル%からなる水溶性高分子水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を連続相とし、これに下記一般式(4)及び(5)の構造単位を有する油溶性高分子を必須として含有し、該油溶性高分子が炭素数4〜18のアルキル基を持つアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)スチレンから選択される一種以上50〜95モル%と(メタ)アクリル酸5〜50モル%との共重合物あるいはその共重合物の塩である油中水型高分子エマルジョンを、水により希釈せず分散液状態のまま汚泥に添加し脱水機により脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法である。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
は水素またはCHCOOY、QはSO、CSO
CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基またはCOOYであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
一般式(4)
ここでR10は水素またはメチル基、Pはフェニル基、炭素数7〜18のアリール基、アルキル基、COOR11あるいはCONHR12である。ここでR11、R12は炭素数4〜18のアルキル基。R13は水素または炭素数1〜3のアルキル基をそれぞれ表わす。
一般式(5)
ここでR14は水素またはメチル基、Qはカチオン性基、中和あるいは未中和のカルボキシル基およびCOOR15(R15はオキシアルキレン鎖)から選択される一種をそれぞれ表す。
請求項の発明は、前記油溶性高分子が炭素数4〜18のアルキル基を持つアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)スチレンから選択される一種以上50〜95モル%と下記一般式()で表されるポリオキシエチレン(メタ)アクリレート5〜50モル%との共重合物であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の脱水方法である。
一般式(
ここでR19は水素またはメチル基、R20は水素、炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基、nは2〜100の整数をそれぞれ表す。
請求項の発明は、前記油中水型高分子エマルジョンを重合する際、複数の重合性二重結合を有する単量体、あるいは熱架橋性単量体を共存させることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の脱水方法である。
請求項の発明は、前記油中水型高分子エマルジョンにHLB(疎水性親水性バランス)1〜9の界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の脱水方法である。
請求項5の発明は、前記油中水型高分子エマルジョンにHLB(疎水性親水性バランス)10〜20の界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の脱水方法である。
請求項の発明は、前記油中水型高分子エマルジョンの粘度(B型粘度計により25℃において測定)が、50〜10,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の脱水方法である。
請求項の発明は、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体70〜100モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体0〜30モル%、水溶性非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体混合物を重合した(a)水溶性高分子、(b)アミジン系水溶性高分子、(c)アミン/エピハロヒンドリン縮合物および(d)無機凝集剤から選択される一種以上を汚泥に添加、混合した後、(e)前記油中水型高分子エマルジョンを添加、混合し、脱水することを特徴とする請求項1〜に記載の汚泥の脱水処理方法である。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
は水素またはCHCOOY、QはSO、CSO
CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基またはCOOYであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
本発明の汚泥の脱水方法は、特定の単量体からなる水溶性高分子水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を連続相とし、これに疎水性単量体と油溶性高分子を必須として含有する油中水型高分子エマルジョンを、水により希釈せず分散液状態のまま汚泥に添加し脱水機により脱水することを特徴とする。前記油溶性高分子が炭素数4〜18のアルキル基を持つアルキル(メタ)アクリレート50〜95モル%とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、あるいはポリオキシエチレン鎖を有する単量体5〜50モル%との共重合物であることが好ましい。また前記界面活性剤のHLB(疎水性親水性バランス)が1〜8であるか、10〜20であることが好ましい。さらに前記油中水型エマルジョンの25℃における粘度(B型粘度計により測定)が、50〜10,000mPa・sであることが好ましい。その結果、特別な強力攪拌がなくても汚泥中に分散して行き、良好な凝集状態を得ることができる。さらに無機凝集剤あるいは前記油中水型高分子エマルジョン以外の高分子凝集剤、例えば粉末品の溶解液などと併用することにより更に効果を向上させることができる。
本発明では、特定の単量体組成の重合体からなる油中水型エマルジョンを分散液状態のまま有機汚泥に添加し、脱水機により脱水する。従来、エマルジョンあるいは分散液型高分子凝集剤を用いて汚泥の脱水を実施する場合、水を前記凝集剤に添加し希釈する。この操作により分散型凝集剤は、希釈した時点で分散液が均一な水溶液の状態に変化し、これを汚泥に添加するというのが常識的かつ普通に行なわれている添加法である。しかし本発明者等は、二つの見地から従来の添加法に検討を加えた。すなわち希釈して低濃度で添加することは、脱水機で脱水する場合最も適した凝集状態を提供できるのか、また設備面から希釈装置を省略したら設備投資が削減可能になるのではないかという点である。
上記観点から検討を加えた結果、汚泥との適切な攪拌状態を確保することによって希釈して低濃度にした水溶液状態で添加する従来法に較べ、分散状態にある高濃度液状品をそのまま汚泥に添加すると、脱水ケーキの含水率を低下できるなど優れた効果が発現することがわかった。すなわち該分散液あるいは油中水型エマルジョンを汚泥に添加すると攪拌によって粒子表面に徐々に溶解していき、汚泥中の懸濁粒子を凝集させる。一度凝集した汚泥フロックは、後から溶解した水溶性高分子と攪拌によって新しいフロック面が現れ凝集しさらに密度の高い凝集フロックへと進化していく。その結果、これら高密度化した凝集フロックを脱水することによりケーキ脱水率の低下が起こると見られる。
このような上記分散液による添加で「分散粒子が徐々に溶解するため凝集剤が継続的に添加されると同様な効果、攪拌による凝集フロックの新しい凝集面の生成」及び架橋型高分子の懸濁粒子表面での多点結合により汚泥脱水性の改善が発現すると見られる。本発明のもう一つの特長は、高濃度分散液状態において薬注されるため溶解設備を要せず、その結果、汚泥脱水設備のスペースを節約できることである。
溶解装置を省略できる効果としては以下のように考えられる。高分子凝集剤は、廃水処理薬剤や製紙用添加剤として広範囲に使用され、既に工業的になくてはならない薬剤となっているが、前記高分子凝集剤は、水溶性高分子物質から構成されているので水に溶解すると高粘性溶液となり、従来、濃度を0.05〜0.3質量%程度に希釈して排水や汚泥に添加してきた。そのため高粘性液体を攪拌するための特別な溶解装置が必用であり、その設置場所も必用になり設備投資計画に一定の負担を強いている。これら装置と土地が必要なくなるのは、非常に大きなメリットである。
しかし汚泥は一般的に高濃度であり、従って分散液を汚泥中に効率的に混合することが重要な要素となる。そのため油中水型高分子エマルジョン添加時、強力攪拌すれば良好な凝集状態を得ることができるが、脱水現場では常にこの条件を得ることができるとは限らない。本発明ではこの点を改良するため検討を加え、以下に述べるカチオン性油溶性高分子を油中水型高分子エマルジョンに添加しておけば、汚泥への分散性およびエマルジョンの溶解性が改善できることが分かった。
以下油溶性高分子に関して説明する。本発明で使用する油溶性高分子は、疎水性単量体とカチオン性基を有する単量体、アニオン性基を有する単量体、または分子中にポリオキシエチレン鎖を有する単量体との共重合によって製造することができる。疎水性単量体は、スチレンやα−メチルスチレンなど芳香環やアルキル基の付加した芳香環を有する単量体やα−オレフィンなど炭素数6〜20の芳香環あるいは脂肪族ビニル化合物である。また炭素数4〜18のアルキル基を持つアルキル(メタ)アクリレートも使用することができる。
アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては以下のものがある。すなわちアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどである。
カチオン性基を有する単量体は、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドあるいはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどである。ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどである。またジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートなどがあげられる。
アニオン性基を有する単量体の例としては、メタクリル酸あるいはアクリル酸である。また分子中にポリオキシエチレン鎖を有する単量体の例としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレートであり、ポリオキシエチレンの重合度として3〜20である。
これら疎水性単量体とカチオン性基を有する単量体、アニオン性基を有する単量体、あるいは分子中にポリオキシエチレン鎖を有する単量体との共重合の組み合わせのうち、最も好ましいのは疎水性単量体としてアクリル酸2−エチルヘキシルあるいはアクリル酸ラウリル、カチオン性単量体としてジメチルアミノエチルメタクリレート、アニオン性基を有する単量体としてメタクリル酸あるいはアクリル酸、ポリオキシエチレン鎖を有する単量体としてポリオキシエチレン(メタ)アクリレートであり、ポリオキシエチレンの重合度として4〜10であると最も好ましい。
油溶性高分子中の疎水性単量体のモル比は、好ましくは50〜95モル%であり、更に好ましくは50〜80モル%である。一方カチオン性基を有する単量体、アニオン性基を有する単量体、ポリオキシエチレン鎖を有する単量体のモル比は、好ましくは5〜50モル%であり、更に好ましくは20〜50モル%である。
カチオン性油溶性高分子は前記単量体混合物を調整後、通常の重合法によって行なうことが出来る。重合法としては溶液重合、塊状重合、懸濁重合などがあげられる。好ましい方法は重合操作、取り扱いが容易な溶液重合である。溶液重合の場合、単量体濃度は質量%で20〜80%、好ましくは40〜60%で重合する。その場合の重合溶媒は非極性の有機溶媒が好ましい。すなわち芳香族や脂肪族炭化水素であり、特に好ましいのは油中水型エマルジョン重合に分散媒として使用する沸点190°Cないし230°Cのパラフィンあるいはイソパラフィンが好ましい。
本発明の油溶性高分子の添加法は、任意に使用することができる。すなわち油溶性高分子を重合後、油中水型高分子エマルジョンに適切な量を加え分散する。あるいは特にカチオン性油溶性高分子を添加する場合は、単量体油中水型分散液に予めカチオン性油溶性高分子中のアミノ基に比例した量の酸を添加しておき、重合後カチオン性油溶性高分子を添加することもできる。好ましくは予め酸を添加しておき、重合後カチオン性油溶性高分子を添加する。その他の油溶性高分子を使用する場合は、特に制限はない。
上記のように添加する酸は、カチオン性油溶性高分子のアミノ基を中和、解離させカチオン性油溶性高分子の分散性を増強させ、分散安定剤としての機能を向上させるためである。またもう一つの目的として重合後の油中水型分散液pHを調整し水溶性高分子の劣化防止などである。このような目的で使用する酸は、水相内水溶性高分子や分散液形態保持に悪影響を及ぼすことがなければどのようなものを用いても良い。具体的には、こはく酸、酢酸、クエン酸、アジピン酸などがあげられる。
添加する酸の量は、カチオン性油溶性高分子の分子中アミノ基に対し、重合前の油中水型単量体分散液あるいは重合後の油中水型高分子分散液に30モル%以上添加する。また好ましくは30モル%以上、1000モル%以下であり、更に好ましくは50モル%以上、500モル%以下である。
また上記酸は、アニオン性基を有する単量体で代替することができる。すなわち両性水溶性高分子を製造する場合は、カルボキシル基あるいはスルホン基を含有する単量体を中和することなしに原料として使用する。これらアニオン性基を有する単量体の酸の量で不足する場合は、追加の酸として上記こはく酸、酢酸、クエン酸、アジピン酸などを追加する。アニオン性水溶性高分子を製造する場合も同様な操作を行なうことができる。
また油中水型高分子エマルジョンの製造方法としては、イオン性単量体、あるいはイオン性単量体、共重合可能な単量体及びこれら単量体に対し生成した重合体が水溶性を保つモル比で添加した架橋性単量体を含有する単量体混合物を水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させ重合することにより合成する。
また分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物があげられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB1〜8のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレ−ト、ソルビタンモノステアレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−トなどがあげられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
この場合、高HLB界面活性剤により乳化させ油中水型エマルジ
ョンを形成させ重合したエマルジョンは、このままで水となじむので転相剤を添
加する必用がない。これら界面活性剤のHLBは、9〜20のもの、好ましくは
11〜20のものを使用する。そのような界面活性剤の例としては、カチオン性
界面活性剤やHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル系、ポリオキシエチレンアルコールエ
−テル系などである。
低HLBの界面活性剤により乳化、重合した場合は重合後転相剤と呼ばれる親水性界面化成剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行い、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル系、ポリオキシエチレンアルコールエ−テル系などである。
重合は窒素雰囲気下にて、重合開始剤、例えば2、2’−アゾビ
ス(アミジノプロパン)二塩化水素化物または2、2’−アゾビス〔2−(5−
メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物のような水溶
性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム
併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹拌下ラジカル重合を行
う。
重合時使用する一般式(1)で表される単量体としては、三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。また一般式(2)で表されるジメチルジアリルアンモニウム系単量も使用可能であり、その例としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。
両性水溶性重合体を製造する場合には、前記カチオン性と非イオン性単量体に加えて、さらに一般式(3)で表されるアニオン性単量体を共重合する。その例としては、スルホン基でもカルボキシル基でもさしつかいなく、両方を併用しても良い。スルホン基含有単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などである。またカルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。
非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピペラジンなどがあげられる。
本発明で使用する油中水型高分子エマルジョンは、架橋性単量体あるいは熱架橋性単量体を共存させ架橋性水溶性高分子とすることもできる。そのような架橋性単量体の例としてメチレンビスアクリルアミドやエチレングルコ−ルジ(メタ)アクリレ−トなどの複数の重合性二重結合を有する単量体、あるいはN、N−ジメチルアクリルアミド単量体などの熱架橋性単量体があげられる。添加量としては単量体混合物全モル数に対し0.0005〜0.1モル%であり、好ましくは0.0010〜0.05%であり、更に好ましくは0.0015〜0.03%である。また、重合度を調節するためイソプロピルアルコールを対単量体0.1〜5質量%など併用すると効果的である。
本発明で使用する油中水型高分子エマルジョンは、液粘性があまり高いと汚泥中に分散しにくくなり好ましくない。そのため油中水型高分子エマルジョンは、数10〜20,000mPa・sであることが好ましいが、さらに好ましくは50〜10,000mPa・sである。また油中水型高分子エマルジョンを構成するカチオン性及び/又は両性水溶性重合体の分子量としては、300万〜2000万であることが好ましいが、さらに好ましくは500万〜1000万である。また本発明の汚泥脱水方法は、無機凝集剤あるいは本発明で使用する油中水型高分子エマルジョン以外の高分子凝集剤と併用することにより更に効果を向上させることができる。すなわち単独の高分子凝集剤を使用している汚泥脱水現場において、既存使用の高分子凝集剤の一部を本発明で使用する油中水型高分子エマルジョンにより置き換えることにより、含水率の向上、汚泥処理量の増加、高分子凝集剤の総添加量の減少などが期待できる。添加順序としては、(a)比較的高カチオン性水溶性高分子、(b)アミジン系水溶性高分子、(c)アミン/エピハロヒンドリン縮合物および(d)無機凝集剤から選択される一種以上を汚泥に添加、混合した後、本発明の(e)前記油中水型高分子エマルジョンを添加することが好ましい。すなわち前記(a)〜(d)の凝集剤を添加し、汚泥をある程度の強度に凝集させた後、本発明の(e)前記油中水型高分子エマルジョンを添加すると、良好に(e)前記油中水型高分子エマルジョンが分散して行き、更に強固で締まったフロック状態になり、脱水性が向上する。
本発明で使用する油溶性高分子は、油中水型高分子エマルジョンを水により希釈する場合、水とのなじみが向上し油溶性高分子無添加時より希釈液を早く調製することができる。一方、本発明のように油中水型高分子エマルジョンを希釈せず分散液の状態で汚泥などに添加する場合、汚泥中の水分により直接希釈されることになるが、エマルジョン粒子表面には油の膜が存在し、水とは混じりにくく水溶性高分子は、簡単には溶解していかない。これを助けるのが所謂転相剤であるが、これら転相剤は、一般的にはHLBの高い、すなわち親水性界面活性剤であり、低分子の化合物である。親水性界面活性剤は油とは混じらず、エマルジョン粒子表面から剥離していく油の膜を水中に分散させていくのを助ける。本発明で使用する油溶性高分子は、油の中にも溶解していくのでエマルジョン粒子表面の油の膜中にも存在すると推定される。そのため水で希釈する場合は、希釈液が早く調製でき、また希釈せず分散液の状態で汚泥などに添加する場合も汚泥中の水分によって速やかに希釈、溶解していき、その結果優れた凝集効果を発現するものと思われる。この現象は、後に述べる実施例の結果を見ても明らかである。
適用可能な汚泥は、製紙排水、化学工業排水、食品工業排水などの生物処理したときに発生する余剰汚泥、あるいは都市下水の生汚泥、混合生汚泥、余剰汚泥、消化汚泥などの汚泥である。本発明で使用する油中水型高分子エマルジョンの汚泥への添加量としては、分散液中重合体の汚泥固形分への比率は、質量%で0.1〜2.0%であることが好ましいが、さらに好ましくは0.2〜1.0%である。
(実施例)以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
(合成例1)攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン24.75gにジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMMと略記)5.48g(30モル%)、ラウリルアクリレート(炭素数12、以下LAと略記)19.52g(70モル%)、3−メルカプト1,2−プロパンジオール0.25g、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.5g(対単量体2質量%)を仕込み溶解させた。単量体溶液の温度を70〜73℃に保ち、窒素置換を30分行い、重合反応を開始させた。反応温度を71±2℃で5時間重合させ反応を完結させた。
これを試作−1とする。
(合成例2) 単量体としてDMM3.52g(20モル%)、LA21.48g(80モル%)を用いた以外は実施例1と同様の操作で重合を行なった。これを試作−2とする。
(合成例3)単量体としてDMM12.39g(60モル%)、LA12.61g(40モル%)を用いた以外は実施例1と同様の操作で重合を行なった。これを試作−3とする。
(合成例4) 単量体としてDMM6.40g(30モル%)、アクリル酸2−エチルヘキシル18.60g(70モル%)を用いた以外は実施例1と同様の操作で重合を行なった。これを試作−4とする。
(合成例5)攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン24.75gにポリオキシエチレンメタクリレート(ポリオキシエチレンの重合度6)13.6g(35モル%)、
アクリル酸2−エチルヘキシル18.60g(65モル%)、3−メルカプト1,2−プロパンジオール0.16g、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.5g(対単量体2質量%)を仕込み溶解させた。単量体溶液の温度を70〜73℃に保ち、窒素置換を30分行い、重合反応を開始させた。反応温度を71±2℃で5時間重合させ反応を完結させた。これを試作−5とする。
(合成例6)攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン24.75gにメタクリル酸11.3g(35モル%)、アクリル酸2−エチルヘキシル44.8g(65モル%)、3−メルカプト1,2−プロパンジオール0.28g、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.5g(対単量体2質量%)を仕込み溶解させた。単量体溶液の温度を70〜73℃に保ち、窒素置換を30分行い、重合反応を開始させた。反応温度を71±2℃で5時間重合させ反応を完結させた。これを試作−6とする。
合成例1〜6で作成した油溶性高分子試作−1〜6の各々を表1に記載する油中水型高分子エマルジョンに、液総量に対し1質量%添加し水溶性高分子濃度40質量%の試験用エマルジョン凝集剤EM−1〜EM−6を調整した。なお油溶性高分子試作−1〜6を添加していない油中水型高分子エマルジョンは、それぞれAM−1〜AM−6と試作名を付した。その結果を表1に示す。
(表1)
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DMC:メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
AAM:アクリルアミド、AAC:アクリル酸、
MBA:メチレンビスアクリルアミド(単量体総量に対する質量%)
エマルジョン凝集剤粘度:mPa・s、
下水消化汚泥(pH7.25、ss分25,000mg/L)を用い、本発明の汚泥脱水方法を実施した。高カチオン性高分子凝集剤(メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド単独重合物、重量平均分子量400万)を対汚泥ss分1.0質量%添加してある上記汚泥を11m/hrで攪拌機の付いた凝集混和槽に供給し、EM−を製品濃度(40質量%)のまま分散液状態で4.15L/hr供給し(対ss分0.6質量%)フロック径観察、高効率型ベルトプレス脱水機に送り脱水した。その後ベルトプレス脱水機から排出される脱水ケーキの濾布剥離性及びケーキ含水率を測定した(105℃で20hr乾燥)結果を表に示す。
(比較例)各試料を0.3質量%に溶解した後、凝集混和槽から薬注した。すなわち11m/hrで上記汚泥を攪拌機の付いた凝集混和槽に供給し、EM−2の溶解液を550L/hr(対ss分0.6質量%)添加した。その後、実施例と同様にフロック径、濾布剥離性及びケーキ含水率を測定した。同様にEM−4およびEM−6に関しても実施した。また油溶性高分子を添加しない油中水型高分子エマルジョンAM−2、AM−4、AM−6に関しても、製品濃度(40質量%)のままで添加した試験をおこなった。結果を表に示す。
(表
フロック径:mm、ケーキ含水率:質量%、薬注量:対ss質量%
濾布剥離性:○>△>×の順に良いことを示す。
食品余剰汚泥(pH6.24、ss分23,000mg/L)を用い、本発明の汚泥脱水方法を実施した。ポリ鉄対汚泥分散液1000ppmを添加してある上記汚泥を11m/hrで攪拌機の付いた凝集混和槽に供給し、EM−を製品濃度(40質量%)のまま分散液状態で7.0L/hr供給し(対ss分1.10質量%)フロック径観察、スクリュープレス型脱水機に送り脱水した。その後脱水機から排出される脱水ケーキの濾布剥離性及びケーキ含水率を測定した(105℃で20hr乾燥)結果を表に示す。
(比較例)各試料を0.3質量%に溶解した後、凝集混和槽から薬注した。すなわち11m/hrで上記汚泥を攪拌機の付いた凝集混和槽に供給し、EM−1の溶解液を933L/hr(対ss分0.13質量%)添加した。その後、実施例と同様にフロック径、濾布剥離性及びケーキ含水率を測定した。同様にEM−2およびEM−6に関しても実施した。また油溶性高分子を添加しない油中水型高分子エマルジョンAM−1、AM−2、AM−6に関しても製品濃度(40質量%)のままで添加した試験をおこなった。結果を表に示す。
(表
フロック径:mm、ケーキ含水率:質量%、薬注量:対ss質量%
濾布剥離性:○>△>×の順に良いことを示す。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)及び/又は(2)で表される水溶性単量体5〜100モル%、(3)で表される水溶性単量体0〜50モル%、非イオン性水溶性単量体0〜95モル%からなる水溶性高分子水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を連続相とし、これに下記一般式(4)及び(5)の構造単位を有する油溶性高分子を必須として含有し、該油溶性高分子が炭素数4〜18のアルキル基を持つアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)スチレンから選択される一種以上50〜95モル%と(メタ)アクリル酸5〜50モル%との共重合物あるいはその共重合物の塩である油中水型高分子エマルジョンを、水により希釈せず分散液状態のまま汚泥に添加し脱水機により脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    は水素またはCHCOOY、QはSO、CSO
    CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基またはCOOYであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(4)
    ここでR10は水素またはメチル基、Pはフェニル基、炭素数7〜18のアリール基、アルキル基、COOR11あるいはCONHR12である。ここでR11、R12は炭素数4〜18のアルキル基。R13は水素または炭素数1〜3のアルキル基をそれぞれ表わす。
    一般式(5)
    ここでR14は水素またはメチル基、Qはカチオン性基、中和あるいは未中和のカルボキシル基およびCOOR15(R15はオキシアルキレン鎖)から選択される一種をそれぞれ表す。
  2. 前記油溶性高分子が炭素数4〜18のアルキル基を持つアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)スチレンから選択される一種以上50〜95モル%と下記一般式()で表されるポリオキシエチレン(メタ)アクリレート5〜50モル%との共重合物であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の脱水方法。
    一般式(
    ここでR19は水素またはメチル基、R20は水素、炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基、nは2〜100の整数をそれぞれ表す
  3. 前記油中水型高分子エマルジョンを重合する際、複数の重合性二重結合を有する単量体、あるいは熱架橋性単量体を共存させることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の脱水方法。
  4. 前記油中水型高分子エマルジョンにHLB(疎水性親水性バランス)1〜9の界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の脱水方法。
  5. 前記油中水型高分子エマルジョンにHLB(疎水性親水性バランス)10〜20の界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の脱水方法。
  6. 前記油中水型高分子エマルジョンの粘度(B型粘度計により25℃において測定)が、50〜10,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚泥の脱水方法。
  7. 下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体70〜100モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体0〜30モル%、水溶性非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体混合物を重合した(a)水溶性高分子、(b)アミジン系水溶性高分子、(c)アミン/エピハロヒンドリン縮合物および(d)無機凝集剤から選択される一種以上を汚泥に添加、混合した後、(e)前記油中水型高分子エマルジョンを添加、混合し脱水することを特徴とする請求項1〜に記載の汚泥の脱水方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Xは陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    は水素またはCHCOOY、QはSO、CSO
    CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素、メチル基またはCOOYであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
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