JP6852113B2 - 水処理方法及び水処理剤 - Google Patents
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Description
これに対して、いわゆる高分子凝集剤を用いて水溶解性COD成分を除去する方法が提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、従来の処理方法では高分子凝集剤等の水溶解性COD成分低減剤として排水中の水溶解性COD成分の種類の違いに対して広く対応できるものを使用しているものの、排水中の水溶解性CODの種類及び量の変動や排水流量の変動に対して高分子凝集剤を過剰に添加することで対応していたために、高分子凝集剤を実際の最適添加量より過剰に添加すると高分子凝集剤自身が水溶解性COD成分となり、水溶解性COD成分量が増加してしまうという問題があった。
前記カチオン性官能基を有するモノマー(m1)が、一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)であり、
前記カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)が、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)及び炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、
前記モノマー(m1)と前記モノマー(m2)のモル比が、15:85〜92:8である水処理方法、および前記水処理剤(P1)と、前記水処理剤(P2)とを含む水処理剤(P)である。
CH 2 =C(R 1 )−CO−X−Q−N + (R 2 ) 3 ・Z − (1)
[式中、R 1 は水素原子又はメチル基、3つあるR 2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜6のアルキレン基、Z − はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
(CH 2 =C(R 3 )−CH 2 ) 2 −N + (R 4 ) 2 ・Z − (2)
[式中、R 3 は水素原子又はメチル基、2つあるR 4 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Z − はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]。
の水に添加する工程を含む水処理方法である。
共重合体(M)が有するカチオン性基官能基は、水溶解性COD低減性能の観点から、第一級アミノ基、第二級アミノ基若しくは第三級アミノ基にプロトンが付加したアミニウム基又は第四級アンモニウム基であることが好ましい。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を表す。
CH2=C(R1)−CO−X−Q−N+(R2)3・Z- (1)
一般式(1)におけるR1は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(1)において3つあるR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基を表す。
炭素数1〜22のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基及びドコシル基等が挙げられる。
R2として水溶解性COD低減効果の観点から好ましいのは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及びベンジル基、更に好ましいのはメチル基である。
一般式(1)におけるXは酸素原子又はNH(イミノ基)を表す。
炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基が挙げられ、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基は直鎖であっても分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数が6以下であると共重合体(M)の水への溶解性が低下し、水処理剤(P1)が優れた水溶解性COD成分の低減効果を発現する。
Qとして共重合体(M)の水溶性の観点から好ましいのは炭素数1〜4のアルキレン基である。
ブレンステッド酸としては無機酸(塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸等)及び有機酸[スルホン酸(メチルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)、カルボン酸(シュウ酸及び酢酸及びマレイン酸等)及びホスホン酸(メチルホスホン酸及びフェニルホスホン酸等)等]等が挙げられる。
四級化剤としては、メチルクロライド、ジメチル硫酸及びベンジルクロライド等が挙げられる。
Z-として水処理剤(P1)による水溶解性COD成分の低減効果の観点から好ましいのは、Cl-、HSO4 -及びCH3SO4 -である。
一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(CH2=C(R3)−CH2)2−N+(R4)2・Z- (2)
一般式(2)におけるR3は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(2)における2つあるR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基を表す。R4における炭素数1〜22のアルキル基としては、一般式(1)のR2において例示したものと同様のものが挙げらる。
R4として水溶解性COD低減効果の観点から好ましいのは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及びベンジル基、更に好ましいのはメチル基である。
一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
尚、本発明において(メタ)アクリレートはメタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドは、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドを意味する。
尚、本発明において酸(無水物)とは、酸及び/又は酸無水物を意味する。
溶液滴下重合としては、例えば溶媒の沸点下にモノマー、溶媒及びラジカル重合開始剤の溶液を滴下する方法(例えば特開平6−211942号公報)が挙げられ、溶媒として有機溶媒を使用した場合は、取り扱い危険性及び環境保護の観点等から脱溶媒して必要により水を加えて製造することが好ましい。
これらの内、モノマー及び開始剤の溶解性及び重合後の脱溶媒のしやすさの観点から好ましいのは水とアルコールとの混合溶媒であり、更に好ましいのは水とイソプロピルアルコールとの混合溶媒である。
また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤及びレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内で分子量制御の観点から好ましくは、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つ又は2つ以上のチオール基を有する化合物である。
炭素数1〜20の脂肪族チオール(例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システイン及び2−メルカプトエチルアミン)、炭素数5〜20の脂環式チオール(例えばシクロペンタンチオール及びシクロヘキサンチオール)及び炭素数6〜12の芳香(脂肪)族チオール(例えばベンゼンチオール、ベンジルメルカプタン及びチオサリチル酸)等が挙げられる。
ジチオール[炭素数2〜40の脂肪族ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−又は1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール及びネオペンタンジチオール等)、炭素数5〜20の脂環式ジチオール(例えばシクロペンタンジチオール及びシクロヘキサンジチオール)及び炭素数6〜16の芳香族ジチオール(例えばベンゼンジチオール及びビフェニルジチオール)等が挙げられる。
重合温度は温度制御の容易さ及び安全性の観点から、好ましくは40〜190℃、更に好ましくは50〜180℃、特に好ましくは60〜170℃、最も好ましくは80〜150℃である。
測定機:HLC−8220GPC、東ソー(株)製
カラム:TSKgel Guardcolumn PWXL−CP、TSKgel 6000−PWXL−CP、TSKgel 5000−PWXL−CP
溶離液:水/メタノール=8/2(容量比)(NaNO3 0.05M含有)
流量 :1ml/min
サンプル濃度:0.25重量%
注入量:100μl
但し、試料が上記溶離液に溶解しない場合は、溶離液としてジメチルホルムアミド(LiBr 0.01M含有)を用いて以下の条件で測定される。
測定機:HLC−8320GPC、東ソー(株)製
カラム:Guardcolumn α、TSKgel α−M
溶離液:ジメチルホルムアミド(LiBr 0.01M含有)
流量 :1ml/min
サンプル濃度:0.125重量%
注入量:100μl
コロイド当量値は、共重合体(M)を構成するカチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)のモル比を調整することにより、所望の範囲とすることができる。
(1)測定用試料溶液(試料の50ppm水溶液)の調製
共重合体(M)0.2gを精秤し、200mlの三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(長さ40mm、直径5mmの円筒状マグネット、回転数1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解させ、0.2重量%の溶液を調製する。500mlのビーカーに該調製溶液10mlをとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(回転数1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
(2)共重合体(M)のコロイド当量値の測定
測定用試料溶液100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(回転数500rpm)で撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH=3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、赤紫色が30秒間保持される時点を終点とする。
(3)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外は上記(2)と同様の操作を行う。
(4)計算方法
共重合体(M)のコロイド当量値(meq/g)=(1/2)×(試料の滴定量−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
水を含む場合、水溶液又は分散液中の共重合体(M)の含有量は、取り扱い性の観点から好ましくは、水処理剤(P1)の合計重量に基づいて5〜80重量%、更に好ましくは10〜75重量%、特に好ましくは15〜70重量%である。
pHを調整するために、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等)、無機固体酸性物質(酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモン、硫安、重硫安及びスルファミン酸等)、有機酸(シュウ酸、コハク酸及びリンゴ酸等)、無機アルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニア等)及び有機アルカリ性物質(例えばグアニジン等)を添加することができる。
塩(S)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
リン酸塩としては、リン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び縮合リン酸(ポリリン酸及びメタリン酸等)のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等が挙げられる。リン酸塩として好ましいのは、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素カリウム及びポリリン酸ナトリウム、更に好ましいのはリン酸三ナトリウムである。
ホウ酸塩としては、ホウ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ポリホウ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及びこれらの水和物等が挙げられる。ホウ酸塩として好ましいのは、ホウ酸三ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム及び四ホウ酸ナトリウム、更に好ましいのは四ホウ酸ナトリウム十水和物である。
無機凝結剤としては硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄及び消石灰等の凝結剤が挙げられる。有機凝結剤及び無機凝結剤はそれぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル及びソルビン酸が挙げられる。
水処理剤(P1)における上記添加剤のそれぞれの使用量は共重合体(M)の重量に基づいて、消泡剤は好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%であり、キレート化剤は好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%、pH調整剤は好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤はそれぞれ好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
水処理剤(P2)における上記添加剤のそれぞれの使用量は共重合体(M)の重量に基づいて、消泡剤は好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%であり、キレート化剤は好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%、pH調整剤は好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤はそれぞれ好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
水処理剤(P2)は、排水中に過剰に添加された(P1)中の共重合体(M)を析出させ、水溶解性COD低減効果を安定させる。更に、(P1)の添加量が少ない場合においても、溶解している水溶解性COD成分と(P1)中の共重合体(M)の複合体を析出させ、水溶解性COD低減効果を示す。
(1)汚泥又は廃水に、水処理剤(P1)及び(P2)を添加・混合し、必要によりpH調整した後、析出物を固液分離する方法。
(2)汚泥又は廃水に、水処理剤(P1)及び(P2)を添加・混合し、必要によりpH調整した後、更に高分子凝集剤を添加・混合する工程を行って粗大フロックを形成させた後、更に固液分離する工程を行う方法。
(3)汚泥又は廃水に、水処理剤(P1)及び(P2)を添加・混合し、更に有機凝結剤及び/又は無機凝結剤を添加・混合し、必要に応じてpH調整した後、更に高分子凝集剤を添加・混合する工程を行って粗大フロックを形成させた後、更に固液分離する工程を行う方法。
水処理剤(P1)と水処理剤(P2)との混合方法は特に限定されず、例えば、バケツ等の容器中で撹拌機を使用して混合してもよい。
有機凝結剤又は無機凝結剤を使用する場合、その添加方法は特に限定されず、有機凝結剤と無機凝結剤の併用の場合は、いずれかを先に添加しても、同時に添加しても、予め混合したものを添加してもよい。
アニオン性高分子凝集剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリルアミドの加水分解物、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体及びその他前記のアニオン性モノマー(m22)を含む(共)重合体等でMwが1,000,000を超えるものが挙げられる。
希釈する場合の希釈方法は特に限定はされないが、例えば予め計量した水を公知の撹拌装置(ジャーテスター等)を用いて撹拌しながら所定量の共重合体(M)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌する方法等が採用できる。
有機凝結剤の使用量は、水溶解性COD低減性能の観点から、廃水の重量に対して、好ましくは0.0001〜0.5重量%、更に好ましくは0.0003〜0.3重量%、特に好ましくは0.0005〜0.1重量%である。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記有機凝結剤の場合と同様である。特に粉末状の高分子凝集剤を水に溶解する際、一度に高分子凝集剤を加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため、徐々に加えることが好ましい。
撹拌機、温度センサー、冷却管、滴下ロート及びマントルヒーターを備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール(以下「IPA」と略記)190部、イオン交換水69部を投入し、撹拌下、加熱し還流させた。滴下口から開始剤溶液としてIPA80部、イオン交換水20部、アゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と略記)0.7部の混合溶液を、もう一方の滴下口からモノマー溶液として(m11−1)352部、(m2−2)48部、IPA180部、イオン交換水60部の均一混合液を、フラスコ内を80〜85℃で撹拌下、それぞれ4時間でフラスコ内に同時に滴下した。滴下後、同温度で2時間熟成し、IPA80部、イオン交換水20部、AIBN2.0部の均一混合液を、80〜85℃のフラスコ内に1時間で滴下し180分同温度で熟成した。その後、イオン交換水465部をフラスコ内に投入し、100℃まで昇温してIPAを除去し、共重合体(M−1)を含有する水処理剤(P1−1)1000部を得た。(P1−1)の固形分含量は40.0重量%、pHは4.5で、共重合体(M−1)のMwは180,000、コロイド当量値は4.1であった。
使用する原料の種類と使用量を表1に記載のものに代えたこと以外は製造例1と同様にして、水処理剤(P1−2)〜(P1−9)及び比較用の水処理剤(P1’−1)を得た。得られた水処理剤の固形分濃度、重合体(M)中の(m1)と(m2)のモル比、重合体(M)のコロイド当量値及びMwを表1に示す。
(1)カチオン性官能基を有するモノマー(m1)
(m11−1):ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド四級塩
(m11−2):ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド四級塩
(m11−3):ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド四級塩
(m11−4):ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド四級塩
(m12−1):ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
(2)カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)
(m2−1):アクリルアミド
(m2−2):スチレン
(m2−3):ラウリルメタクリレート
(m2−4):アクリル酸
キシダ化学より購入したケイ酸ナトリウム溶液3号を固形分濃度が20重量%となるようイオン交換水に溶解し、水処理剤(P2−1)とした。
リン酸3ナトリウム(富士フイルム和光純薬製、試薬)を固形分濃度が15重量%となるようイオン交換水に溶解し、水処理剤(P2−2)とした。
四ホウ酸ナトリウム十水和物(富士フイルム和光純薬製、試薬)を固形分濃度が20重量%となるようイオン交換水に溶解し、水処理剤(P2−3)とした。
製造例1で得られた水処理剤(P1−1)17.35部と製造例10で得られた水処理剤(P2−1)82.65部を容器に計量し、混合した。得られた白色懸濁液を水処理剤(P1−1)と水処理剤(P2−1)とを予め混合した水処理剤(P−1)とした。
アニオン性界面活性剤を含有するA化学工場排水500mlをビーカーに採取し、撹拌下、予めイオン交換水で50倍に希釈した水処理剤(P1−1)の水溶液(固形分濃度=0.8重量%)を6.56g(固形分=52.5mg)を添加し、1分間撹拌して排水1Lに対する(P1−1)の固形分の添加量が105mgである溶液とした後、水処理剤(P2−1)を0.9375g[排水1Lに対する(P2−1)の固形分の添加量=375mg]添加した。3分後、撹拌を継続しながら、1重量%硫酸水溶液を滴下してpHを7.0に調整して、続いて、撹拌しながら、高分子凝集剤としてのサンフロックCE−706Pの0.2重量%水溶液を固形分濃度が10ppmになる量添加し、3分間撹拌後、5分間静置した。静置した上澄み液をろ紙(No.5C)でろ過したろ液について、CODをJIS K0102:2016に記載のCODMn分析方法準じて、TOCを(株)アナリティクイエナジャパン製multi N/C 3100を用いて測定した。CODは23mg/L、TOCは32mg/Lであった。
尚、用いた高分子凝集剤としてのサンフロックCE−706PのMwは、本発明における上記測定方法では分子量が高すぎて測定できず、固有粘度から換算したMwは約900万であった。
水処理剤(P1)及び(P2)の種類及び添加量を表2に記載のものに代える以外は実施例1と同様に処理して上澄み液のCOD及びTOCを測定した。結果を表2に示す。
尚、表2並びに後述の表3及び表4に記載された水処理剤(P1)及び(P2)の添加量は、排水1Lに対する(P1)又は(P2)の固形分の量(単位:mg)である。
実施例1において、水処理剤(P1−1)、(P2−1)、1重量%硫酸水溶液及びサンフロックCE−706Pを添加せず、A工場排水そのもののCOD及びTOCを測定した。CODは79mg/L、TOCは120mg/Lであった。
水処理剤(P1)の添加量を表2に記載のものに代え、水処理剤(P2)を用いない以外は実施例1と同様に処理して上澄み液のCOD及びTOCを測定した。
COD除去率(%)=(処理前のCODの値−処理後のCODの値)/処理前のCODの値×100
TOC除去率(%)=(処理前のTOCの値−処理後のTOCの値)/処理前のTOCの値×100
但し、上記式における処理前のCODの値及びTOCの値は、比較例1に記載の通り、それぞれ79mg/L及び120mg/Lである。
また、下記式から算出される処理対象の排水に対する水処理剤(P1)の過剰添加率及び(P1)に対する(P2)の重量比率を表2に記載した。
(P1)の過剰添加率(重量%)=[(P1)の添加量−(P1)の最適添加量]/(P1)の最適添加量×100
表3に記載の水処理剤(P1)それぞれについて最適添加量を予め求めた後、その最適添加量と表3に記載の過剰添加量の場合についてそれぞれ実施例1と同様に処理して上澄み液のCOD及びTOCを測定した。COD及びTOCの測定値、(P1)の過剰添加率、COD除去率、TOC除去率及び(P1)に対する(P2)の重量比率を表3に示す。
尚、表3の各実施例及び後述の表4の各比較例において左の列に最適添加量の場合の結果を、右の列に過剰添加の場合の結果を記載した。
また、実施例8においては、実施例5における水処理剤(P1−1)と(P2−1)の添加順序を入れ替えて実施例5と同様に処理した。
実施例5で別々に添加した(P1−1)及び(P2−1)を、製造例13で製造した水処理剤(P1−1)及び(P2−2)を予め混合した水処理剤(P−1)に代えた以外は実施例5と同様に処理した。表3における(P−1)の固形分量852mgの内訳は(P1−1)=252mg、(P2−1)=600mgである。結果を表3に示す。
高分子凝集剤「サンフロックCE−706P」を使用しない以外は実施例5と同様に処理した。結果を表3に示す。
水処理剤(P1)の種類と添加量を表4に記載のものに代え、水処理剤(P2)を用いない以外は実施例1と同様に処理した。結果を表4に示す。
水処理剤(P2)の種類と添加量を表4に記載のものに代え、水処理剤(P1)を用いない以外は実施例1と同様に処理した。結果を表4に示す。
水処理剤(P1)及び(P2)の種類と添加量を表4に記載のものに代える以外は実施例1と同様に処理した。結果を表4に示す。
(P1’−2):三洋化成工業(株)製カチオン高分子凝集剤「サンフロックCES−668」(本発明における上記測定方法では分子量が高すぎてMwは測定不可:固有粘度から換算したMwは約400万)
(P1’−3):ポリアリルアミン塩酸塩[日東紡(株)製「PAA−HCl−3L」]
また、土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理及び製紙工程での排水処理方法としても好適に用いられる。
Claims (4)
- カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000〜600,000の共重合体(M)を含む水処理剤(P1)と、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤(P2)とを処理対象の水に添加する工程を含み、
前記カチオン性官能基を有するモノマー(m1)が、一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)であり、
前記カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)が、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)及び炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、
前記モノマー(m1)と前記モノマー(m2)のモル比が、15:85〜92:8である水処理方法。
CH 2 =C(R 1 )−CO−X−Q−N + (R 2 ) 3 ・Z − (1)
[式中、R 1 は水素原子又はメチル基、3つあるR 2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜6のアルキレン基、Z − はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
(CH 2 =C(R 3 )−CH 2 ) 2 −N + (R 4 ) 2 ・Z − (2)
[式中、R 3 は水素原子又はメチル基、2つあるR 4 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Z − はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。] - 前記共重合体(M)のコロイド当量値が、1.0〜4.5である請求項1に記載の水処理方法。
- 水処理剤(P1)と水処理剤(P2)とを処理対象の水に添加する工程を行った後、更に重量平均分子量が1,000,000を超える高分子凝集剤を添加する工程と、固液分離する工程とを含む請求項1又は2に記載の水処理方法。
- カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000〜600,000の共重合体(M)を含む水処理剤(P1)と、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤(P2)とを含み、前記カチオン性官能基を有するモノマー(m1)が、一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)であり、
前記カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)が、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)及び炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、
前記モノマー(m1)と前記モノマー(m2)のモル比が、15:85〜92:8である水処理剤(P)。
CH 2 =C(R 1 )−CO−X−Q−N + (R 2 ) 3 ・Z − (1)
[式中、R 1 は水素原子又はメチル基、3つあるR 2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜6のアルキレン基、Z − はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
(CH 2 =C(R 3 )−CH 2 ) 2 −N + (R 4 ) 2 ・Z − (2)
[式中、R 3 は水素原子又はメチル基、2つあるR 4 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Z − はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
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