JP6852113B2 - 水処理方法及び水処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理方法及び水処理剤に関する。更に詳しくは、汚泥、各種産業廃水及び浄水等、水溶解性COD成分を含有した水から水溶解性COD成分を除去するための水処理方法及び水処理剤に関する。
従来、工場廃水等に含まれる水溶解性COD成分を除去する方法としては、活性炭処理、紫外線照射、オゾン処理、硫酸第一鉄と過酸化水素とを組み合わせたフェントン処理等が利用されている。しかし、いずれも処理コストが高く広く普及しているとは言い難い。
これに対して、いわゆる高分子凝集剤を用いて水溶解性COD成分を除去する方法が提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、従来の処理方法では高分子凝集剤等の水溶解性COD成分低減剤として排水中の水溶解性COD成分の種類の違いに対して広く対応できるものを使用しているものの、排水中の水溶解性CODの種類及び量の変動や排水流量の変動に対して高分子凝集剤を過剰に添加することで対応していたために、高分子凝集剤を実際の最適添加量より過剰に添加すると高分子凝集剤自身が水溶解性COD成分となり、水溶解性COD成分量が増加してしまうという問題があった。
特許第4923834号公報
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、処理対象の水に含まれる水溶解性COD成分の種類及び量や排水量の変動に対して水処理剤の量を過剰に使用して対応しても安定して水溶解性COD成分を低減できる水処理方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000600,000の共重合体(M)を含む水処理剤(P1)と、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤(P2)とを処理対象の水に添加する工程を含み、
前記カチオン性官能基を有するモノマー(m1)が、一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)であり、
前記カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)が、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)及び炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、
前記モノマー(m1)と前記モノマー(m2)のモル比が、15:85〜92:8である水処理方法、および前記水処理剤(P1)と、前記水処理剤(P2)とを含む水処理剤(P)である。

CH =C(R )−CO−X−Q−N (R ・Z (1)
[式中、R は水素原子又はメチル基、3つあるR はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜6のアルキレン基、Z はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]

(CH =C(R )−CH −N (R ・Z (2)
[式中、R は水素原子又はメチル基、2つあるR はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Z はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
本発明の水処理方法は、水処理剤の添加量が過剰となる条件下でも、水溶解性COD成分の上昇を抑制し、安定した水溶解性COD低減効果を発現できる。
TOCとCODの相関を示すグラフである。 水処理剤(P1)の添加量とCODの関係を示すグラフである。
本発明の水処理方法は、カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000600,000の共重合体(M)を含む水処理剤(P1)と、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤(P2)とを処理対象
の水に添加する工程を含む水処理方法である。
本発明における水処理剤(P1)は、カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000600,000の共重合体(M)を含有する。共重合体(M)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
共重合体(M)が有するカチオン性基官能基は、水溶解性COD低減性能の観点から、第一級アミノ基、第二級アミノ基若しくは第三級アミノ基にプロトンが付加したアミニウム基又は第四級アンモニウム基であることが好ましい。
共重合体(M)として、水溶解性COD低減性能の観点から好ましいのは、カチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステルを構成単量体として含む共重合体、カチオン性基を有するアクリル酸アミドを構成単量体として含む共重合体、エピクロルヒドリンとジメチルアミン重縮合物の塩酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合体及びジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体等が挙げられる。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を表す。
共重合体(M)としては、水溶解性COD低減性能の観点から、カチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステルを構成単量体として含む共重合体及びカチオン性基を有するアクリル酸アミドを構成単量体として含む共重合体が好ましく、下記一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は下記一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)を構成単量体として含む共重合体であることが更に好ましい。

CH2=C(R1)−CO−X−Q−N+(R23・Z- (1)

一般式(1)におけるR1は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(1)において3つあるR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基を表す。
炭素数1〜22のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基及びドコシル基等が挙げられる。
2として水溶解性COD低減効果の観点から好ましいのは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及びベンジル基、更に好ましいのはメチル基である。
一般式(1)におけるXは酸素原子又はNH(イミノ基)を表す。
一般式(1)におけるQは炭素数1〜6のアルキレン基を表す。
炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基が挙げられ、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基は直鎖であっても分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数が6以下であると共重合体(M)の水への溶解性が低下し、水処理剤(P1)が優れた水溶解性COD成分の低減効果を発現する。
Qとして共重合体(M)の水溶性の観点から好ましいのは炭素数1〜4のアルキレン基である。
-はブレンステッド酸の共役塩基(アニオン基)又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。
ブレンステッド酸としては無機酸(塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸等)及び有機酸[スルホン酸(メチルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)、カルボン酸(シュウ酸及び酢酸及びマレイン酸等)及びホスホン酸(メチルホスホン酸及びフェニルホスホン酸等)等]等が挙げられる。
四級化剤としては、メチルクロライド、ジメチル硫酸及びベンジルクロライド等が挙げられる。
-として水処理剤(P1)による水溶解性COD成分の低減効果の観点から好ましいのは、Cl-、HSO4 -及びCH3SO4 -である。
一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。

(CH2=C(R3)−CH22−N+(R42・Z- (2)

一般式(2)におけるR3は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(2)における2つあるR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基を表す。R4における炭素数1〜22のアルキル基としては、一般式(1)のR2において例示したものと同様のものが挙げらる。
4として水溶解性COD低減効果の観点から好ましいのは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及びベンジル基、更に好ましいのはメチル基である。
一般式(2)におけるZ-はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表し、一般式(1)のZ-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)の好ましいものの具体例としては、以下に記載のアミノ基含有(メタ)アクリレート又は以下に記載のアミノ基含有(メタ)アクリルアミドの前記ブレンステッド酸との塩又は前記四級化剤による四級化物等が挙げられる。
尚、本発明において(メタ)アクリレートはメタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドは、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドを意味する。
好ましいアミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、炭素数が4〜10のアミノ基含有(メタ)アクリレートが挙げられ、更に好ましいのはアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートである。
好ましいアミノ基含有(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数が4〜8のアミノ基含有(メタ)アクリルアミドが挙げられ、親水性の観点から更に好ましいのはアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びアミノブチル(メタ)アクリルアミドである。
一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)の内、特に好ましいのは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドである。
カチオン性官能基を有するモノマー(m1)として塩を用いる場合、塩として重合させても重合後に塩を形成さてもよい。
本発明におけるカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)としては、ノニオン性モノマー(m21)及びアニオン性モノマー(m22)が挙げられる。(m2)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ノニオン性モノマー(m21)としては、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)、ビニルアミン系モノマー(m214)、ビニルエーテル系モノマー(m215)、(メタ)アリルアミン系モノマー(m216)、(メタ)アリルエーテル系モノマー(m217)及び不飽和基とエポキシ基を有するモノマー(m218)等が挙げられる。
炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(価数が2〜4)(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)としては、エチレン、ノネン、スチレン及び1−メチルスチレン等が挙げられる。
炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ビニルアミン系モノマー(m214)としては、ビニルアミン、ジビニルアミン及び多価(2価〜5価又はそれ以上)アミン[炭素数が2以上かつ数平均分子量(以下「Mn」と略記)3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(炭素数が4以上かつMn3,000以下)]のポリビニルアミン等が挙げられる。
ビニルエーテル系モノマー(m215)としては、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、多価アルコール〔炭素数が2以上かつMn3,000以下、例えばアルキレン(炭素数2〜6又はそれ以上)グリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,6−ヘキサンジオール等]、ポリオキシアルキレングリコール[例えばポリエチレングリコール(化学式量106以上かつMn3,000以下)、ポリプロピレングリコール(化学式量134以上かつMn3,000以下)、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(Mn3,000以下)]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びデンプン等〕のポリビニルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アリルアミン系モノマー(m216)としては、(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(炭素数が1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、多価(2価〜5価又はそれ以上)アミン[炭素数が2以上かつMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(炭素数が4以上かつMn3,000以下)]のポリ(メタ)アリルアミン等が挙げられる。
(メタ)アリルエーテル系モノマー(m217)としては、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(メタ)アリルエーテル及びポリ(メタ)アリロキシアルカン(炭素数が1〜20)(テトラアリロキシエタン等)等が挙げられる。
不飽和基とエポキシ基を有するモノマー(m218)としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート(Mn6,000以下)等が挙げられる。
アニオン性モノマー(m22)としては炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)及び炭素数2〜24の不飽和スルホン酸(m222)等が挙げられる。
炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸及びマレイン酸とポリエーテルとのモノエステル等が挙げられる。
尚、本発明において酸(無水物)とは、酸及び/又は酸無水物を意味する。
炭素数2〜24の不飽和スルホン酸(m222)としては、炭素数が2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸)、炭素数が6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、炭素数が2〜24のスルホ基含有(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数が2〜20であるスルホアルキル(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシエタン−1−プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタン−1−ブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホ基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−又は3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−又は4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]及びアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等が挙げられる。
上記(m2)の内、水処理剤(P1)の水溶解性COD低減性能の観点から好ましいのは(m211)、(m212)、(m213)及び(m221)、更に好ましいのは(m211)、(m212)及び(m221)、特に好ましいのはアルキルの炭素数が3〜30のアルキル(メタ)アクリレート、炭素数が8〜10の不飽和炭化水素、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリル酸であり、最も好ましいのはアルキルの炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン及び(メタ)アクリル酸である。
共重合体(M)の構成単量体におけるカチオン性官能基を有するモノマー(m1)とカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)のモル比[(m1):(m2)]は、水処理剤(P1)の水溶解性COD低減性能等の観点から、好ましくは10:90〜99.9:0.1、更に好ましくは12:88〜95:5、特に好ましくは15:85〜90:10、最も好ましくは15:85〜80:20である。この範囲であると、水溶解性COD低減効果に加えてろ液清澄性向上及び脱色効果等が良好になり、また、後述の高分子凝集剤との併用による脱水ケーキの含水率低減効果が良好になる。
カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)として2官能以上の架橋性モノマーを用いる場合、その使用量は、水処理剤(P1)の水溶解性COD低減性能の観点から、カチオン性官能基を有するモノマー(m1)とカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)との合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは0.05〜0.2重量%である。
共重合体(M)の製造方法としては、特に限定はなく、ラジカル重合法、例えば溶液滴下重合、逆相懸濁重合、光重合、沈澱重合及び逆相乳化重合が採用できる。これらの内、重合時の温度制御及び分子量制御の観点から好ましいのは溶液滴下重合である。
溶液滴下重合としては、例えば溶媒の沸点下にモノマー、溶媒及びラジカル重合開始剤の溶液を滴下する方法(例えば特開平6−211942号公報)が挙げられ、溶媒として有機溶媒を使用した場合は、取り扱い危険性及び環境保護の観点等から脱溶媒して必要により水を加えて製造することが好ましい。
共重合体(M)の製造に使用する溶媒としては、例えば水、アルコール(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン(メチルエチルケトン及びアセトン等)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びこれらの混合物等の極性溶媒並びにトルエン及びキシレン等の非極性溶媒等が挙げられる。
これらの内、モノマー及び開始剤の溶解性及び重合後の脱溶媒のしやすさの観点から好ましいのは水とアルコールとの混合溶媒であり、更に好ましいのは水とイソプロピルアルコールとの混合溶媒である。
ラジカル重合法におけるラジカル重合開始剤としては、例えば水溶性アゾ開始剤〔例えばアゾビスアミジノプロパン(塩)[例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド]、アゾビスシアノバレリン酸(塩)及び2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](塩)〕、油溶性アゾ開始剤(例えばアゾビスシアノバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル)、水溶性過酸化物[無機過酸化物(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等)、有機過酸化物(過酢酸、t−ブチルハイドロパーオキシド等)]、油溶性過酸化物(例えばベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド及びジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート)等が挙げられる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム及び重亜硫酸アンモニウム)、還元性金属塩[例えば硫酸鉄(II)]、3級アミン[例えばジメチルアミノ安息香酸(塩)及びジメチルアミノエタノール]、遷移金属塩のアミン錯体[例えば塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体]及び有機性還元剤(例えばアスコルビン酸)等が挙げられる。
また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤及びレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、共重合体(M)として最適な分子量を得る観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜20重量%、更に好ましくは0.005〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%、最も好ましくは0.05〜3重量%である。
また、必要によりラジカル重合用連鎖移動剤を使用してもよい。ラジカル重合用連鎖移動剤としては、特に限定なく、例えば分子内に1つ又は2つ以上の水酸基を有する化合物[化学式量32以上かつMn50,000以下であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(化学式量106以上かつMn50,000以下)及び(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(化学式量120以上かつMn50,000以下)]、分子内に1つ又は2つ以上のアミノ基を有する化合物[例えばアンモニア及び炭素数1〜30のアミン(例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン及びプロパノールアミン)]、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つ又は2つ以上のチオール基を有する化合物等が挙げられる。
これらの内で分子量制御の観点から好ましくは、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つ又は2つ以上のチオール基を有する化合物である。
分子内にチオール基を有する化合物には、以下の(1)〜(2)もの、これらの塩[アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム及びカルシウム)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアミン塩及び無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸)塩]及びこれらの混合物等が含まれる。
(1)1価チオール
炭素数1〜20の脂肪族チオール(例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システイン及び2−メルカプトエチルアミン)、炭素数5〜20の脂環式チオール(例えばシクロペンタンチオール及びシクロヘキサンチオール)及び炭素数6〜12の芳香(脂肪)族チオール(例えばベンゼンチオール、ベンジルメルカプタン及びチオサリチル酸)等が挙げられる。
(2)多価チオール
ジチオール[炭素数2〜40の脂肪族ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−又は1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール及びネオペンタンジチオール等)、炭素数5〜20の脂環式ジチオール(例えばシクロペンタンジチオール及びシクロヘキサンジチオール)及び炭素数6〜16の芳香族ジチオール(例えばベンゼンジチオール及びビフェニルジチオール)等が挙げられる。
ラジカル重合用連鎖移動剤を使用する場合の使用量は、共重合体(M)として最適な分子量を得る観点から、構成単量体の合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜3重量%、最も好ましくは0.05〜1重量%である。
溶液滴下重合におけるモノマー溶液中のモノマー濃度は、モノマー溶液の全重量に基づき、好ましくは5〜90重量%、更に好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは15〜75重量%、最も好ましくは25〜70重量%である。
溶液滴下重合における重合温度は、所定温度を一定(例えば所定温度±5℃)に保つようにコントロールすることが分子量制御の点から好ましい。温度は反応槽を適宜加熱、冷却することにより制御することもできるが、溶媒の沸点下で滴下重合することが所定の温度を一定に保ち易いので好ましい。溶媒の沸点は溶媒の種類及び圧力によって調整できる。
重合温度は温度制御の容易さ及び安全性の観点から、好ましくは40〜190℃、更に好ましくは50〜180℃、特に好ましくは60〜170℃、最も好ましくは80〜150℃である。
重合は重合による発熱がなくなった時点で反応終点が確認できるが、重合時間は、重合を完結し、残存モノマーを減少させる観点から、好ましくは発熱により重合開始を確認した時点から1〜24時間であり、更に好ましくは2〜12時間である。上記のモノマー濃度、重合温度及び重合時間は、モノマー組成、重合法及び開始剤種類等によって適宜調整することができる。
重合時の溶媒として有機溶媒を用いる場合は、水処理剤(P1)の使用時における有機溶剤の廃水への混入及び取り扱い危険性の観点から有機溶媒を脱溶媒後に水と置換しておくことが好ましい。脱溶媒は常圧で加熱により行ってもよいし、減圧下で脱溶媒してもよい。水と置換する方法としては、脱溶媒前、脱溶媒途中あるいは脱溶媒後のいずれの段階で水を投入してもよい。
共重合体(M)の重量平均分子量(以下「Mw」と略記)は、共重合体(M)の水への溶解性及び水溶解性COD低減性能の観点から、500〜1,000,000である必要があり、好ましくは5,000〜500,000、更に好ましくは10,000〜250,000、最も好ましくは15,000〜200,000である。
本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、以下の条件で測定される。
測定機:HLC−8220GPC、東ソー(株)製
カラム:TSKgel Guardcolumn PWXL−CP、TSKgel 6000−PWXL−CP、TSKgel 5000−PWXL−CP
溶離液:水/メタノール=8/2(容量比)(NaNO3 0.05M含有)
流量 :1ml/min
サンプル濃度:0.25重量%
注入量:100μl
但し、試料が上記溶離液に溶解しない場合は、溶離液としてジメチルホルムアミド(LiBr 0.01M含有)を用いて以下の条件で測定される。
測定機:HLC−8320GPC、東ソー(株)製
カラム:Guardcolumn α、TSKgel α−M
溶離液:ジメチルホルムアミド(LiBr 0.01M含有)
流量 :1ml/min
サンプル濃度:0.125重量%
注入量:100μl
共重合体(M)のコロイド当量値は、共重合体(M)と水溶解性COD成分と塩(S)との複合体の形成と複合体の水溶解性の観点から、好ましくは1.0〜4.5、更に好ましくは1.2〜4.3である。
コロイド当量値は、共重合体(M)を構成するカチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)のモル比を調整することにより、所望の範囲とすることができる。
共重合体(M)のコロイド当量値は以下に示すコロイド滴定法により求めることができる。尚、以降の測定は室温下(約20℃)で行う。
(1)測定用試料溶液(試料の50ppm水溶液)の調製
共重合体(M)0.2gを精秤し、200mlの三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(長さ40mm、直径5mmの円筒状マグネット、回転数1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解させ、0.2重量%の溶液を調製する。500mlのビーカーに該調製溶液10mlをとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(回転数1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
(2)共重合体(M)のコロイド当量値の測定
測定用試料溶液100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(回転数500rpm)で撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH=3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、赤紫色が30秒間保持される時点を終点とする。
(3)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外は上記(2)と同様の操作を行う。
(4)計算方法
共重合体(M)のコロイド当量値(meq/g)=(1/2)×(試料の滴定量−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
水処理剤(P1)は、操作性(ハンドリング性)の観点から、共重合体(M)の他に、更に水を含むことが好ましく、共重合体(M)の水溶液又は分散液の形態であることが好ましい。
水を含む場合、水溶液又は分散液中の共重合体(M)の含有量は、取り扱い性の観点から好ましくは、水処理剤(P1)の合計重量に基づいて5〜80重量%、更に好ましくは10〜75重量%、特に好ましくは15〜70重量%である。
水処理剤(P1)が、水を含む場合、水処理剤(P1)の20℃でのpHは、共重合体(M)の安定性の観点から2〜10であることが好ましく、更に好ましくは3〜9、特に好ましくは5〜8である。
pHを調整するために、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等)、無機固体酸性物質(酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモン、硫安、重硫安及びスルファミン酸等)、有機酸(シュウ酸、コハク酸及びリンゴ酸等)、無機アルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニア等)及び有機アルカリ性物質(例えばグアニジン等)を添加することができる。
本発明における水処理剤(P2)は、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤である。水処理剤(P2)を用いることにより、水処理剤(P1)が最適添加量より過剰の条件下でも安定して水溶解性COD成分を低減することができる。
塩(S)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ケイ酸塩としては、ケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び縮合ケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等が挙げられる。ケイ酸塩として好ましいのは、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及びケイ酸カルシウム、更に好ましいのはケイ酸ナトリウムである。また、ケイ酸塩の性状は固体でも水溶液でもよく、いわゆる水ガラスといわれるケイ酸ナトリウムの水溶液(1号、2号、3号)等を使用してもよい。
リン酸塩としては、リン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び縮合リン酸(ポリリン酸及びメタリン酸等)のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等が挙げられる。リン酸塩として好ましいのは、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素カリウム及びポリリン酸ナトリウム、更に好ましいのはリン酸三ナトリウムである。
ホウ酸塩としては、ホウ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ポリホウ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及びこれらの水和物等が挙げられる。ホウ酸塩として好ましいのは、ホウ酸三ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム及び四ホウ酸ナトリウム、更に好ましいのは四ホウ酸ナトリウム十水和物である。
水処理剤(P2)は、操作性(ハンドリング性)の観点から、塩(S)の他に、更に水を含むことが好ましい。水処理剤(P2)が水を含む場合、水の含有重量は水処理剤(P2)の合計重量に基づいて、好ましくは40〜95重量%、更に好ましくは60〜90重量%である。
水処理剤(P1)及び(P2)には、水溶解性COD成分の除去性能を更に向上させるために、本発明の効果を阻害しない範囲で有機凝結剤及び無機凝結剤を含有することができる。
有機凝結剤としては、エピハロヒドリンとアミンとの重縮合体及びその塩酸塩、エピハロヒドリンとアルキレンジアミンとの重縮合体及びその塩酸塩、ポリエチレンイミン及びその塩酸塩、アルキレンジハライド−アルキレンポリアミン重縮合体及びその塩酸塩、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合体及びその塩酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジン及びその塩酸塩、(ジ)メチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド並びにポリビニルイミダゾリン及びその塩酸塩等が挙げられる。
無機凝結剤としては硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄及び消石灰等の凝結剤が挙げられる。有機凝結剤及び無機凝結剤はそれぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、本発明の水処理剤方法に用いる水処理剤(P1)及び(P2)は必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を含有することができる。
消泡剤としては、シリコーンオイル(例えばMn100〜100,000のジメチルポリシロキサン)、鉱物油(例えばスピンドル油及びケロシン)及び炭素数12〜22の金属石ケン(例えばステアリン酸カルシウム)等が挙げられる。
キレート化剤としては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸(例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸及びトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸[例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)及びイソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)]、炭素数3〜10のヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸及びリンゴ酸)、縮合リン酸(例えばトリポリリン酸及びトリメタリン酸)及びこれらの塩[例えばアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えばメチルアミン、エチルアミン及びオクチルアミン)塩及び炭素数2〜12のアルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン)塩]等が挙げられる。
pH調整剤としては、苛性アルカリ(例えば苛性ソーダ)、アミン(例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン)、無機酸(塩)〔例えば無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸及び炭酸)及びこれらの金属[例えばアルカリ金属(上記に同じ)及びアルカリ土類金属(上記に同じ)]塩(例えば炭酸ソーダ、炭酸カリウム、硫酸ソーダ、硫酸水素ナトリウム及びリン酸1ナトリウム)及びアンモニウム塩(例えば炭酸アンモン及び硫酸アンモン)〕、有機酸(塩)[例えば有機酸(例えばカルボン酸、スルホン酸、フェノール)及びこれらの金属(上記に同じ)塩(例えば酢酸ソーダ、乳酸ソーダ)及びアンモニウム塩(例えば酢酸アンモニウム及び乳酸アンモニウム)]等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール化合物[例えばハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)及び2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)]、含硫化合物〔例えばチオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸及びその塩[例えば金属(上記に同じ)塩及びアンモニウム塩]、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール及びその塩(上記に同じ)、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)〕、含リン化合物[例えばトリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、トリフェニルホスファイト(TPP)及びトリイソデシルホスファイト(TDP)]及び含窒素化合物[アミン(例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール及びN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン)、尿素、グアニジン、グアニジンの上記無機酸塩]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン化合物(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、サリチレート化合物(例えばフェニルサリチレート及び2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート)、ベンゾトリアゾール化合物[例えば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及び(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール]及びアクリル化合物[例えばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート及びメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート]等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル及びソルビン酸が挙げられる。
水処理剤(P1)における上記添加剤の合計使用量は、共重合体(M)の重量に基づいて好ましくは0〜40重量%、更に好ましくは0〜20重量%である。
水処理剤(P1)における上記添加剤のそれぞれの使用量は共重合体(M)の重量に基づいて、消泡剤は好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%であり、キレート化剤は好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%、pH調整剤は好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤はそれぞれ好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
水処理剤(P2)における上記添加剤の合計使用量は、塩(S)の合計重量に基づいて好ましくは0〜40重量%、更に好ましくは0〜20重量%である。
水処理剤(P2)における上記添加剤のそれぞれの使用量は共重合体(M)の重量に基づいて、消泡剤は好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%であり、キレート化剤は好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%、pH調整剤は好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤はそれぞれ好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
水処理剤(P1)は、各種工場廃水(紙パルプ、染色、自動車、金属加工、製鉄、食品、砂利採取、半導体関連及びクリーニング工業等の工場からの廃水)や下水等又は工場廃水等の処理で生じた有機性汚泥又は無機性汚泥に添加することで、従来にない特異的な水溶解性COD低減効果やろ液の清澄性向上効果(脱色)、ケーキ発生量及びケーキ含水率の低減効果を示す。
水処理剤(P2)は、排水中に過剰に添加された(P1)中の共重合体(M)を析出させ、水溶解性COD低減効果を安定させる。更に、(P1)の添加量が少ない場合においても、溶解している水溶解性COD成分と(P1)中の共重合体(M)の複合体を析出させ、水溶解性COD低減効果を示す。
本発明の水処理方法は、水処理剤(P1)及び水処理剤(P2)を処理対象の水(汚泥及び廃水等)を添加する工程を含む水処理方法であり、具体的には下記のような方法(1)〜(3)が挙げられる。
(1)汚泥又は廃水に、水処理剤(P1)及び(P2)を添加・混合し、必要によりpH調整した後、析出物を固液分離する方法。
(2)汚泥又は廃水に、水処理剤(P1)及び(P2)を添加・混合し、必要によりpH調整した後、更に高分子凝集剤を添加・混合する工程を行って粗大フロックを形成させた後、更に固液分離する工程を行う方法。
(3)汚泥又は廃水に、水処理剤(P1)及び(P2)を添加・混合し、更に有機凝結剤及び/又は無機凝結剤を添加・混合し、必要に応じてpH調整した後、更に高分子凝集剤を添加・混合する工程を行って粗大フロックを形成させた後、更に固液分離する工程を行う方法。
上記各方法において、水処理剤(P1)と水処理剤(P2)を処理対象の水に添加する方法は、特に限定されず、水処理剤(P1)と水処理剤(P2)とを処理対象の水に別々に添加してもいいし、水処理剤(P1)と水処理剤(P2)とを予め混合して水処理剤(P)として添加してもよい。
水処理剤(P1)と水処理剤(P2)とを予め混合する場合、共重合体(M)と水処理剤(P2)に含まれる塩(S)とがコンプレックスを形成し白濁することがあるが、使用直前に均一に分散させることで問題なく使用できる。
水処理剤(P1)と水処理剤(P2)との混合方法は特に限定されず、例えば、バケツ等の容器中で撹拌機を使用して混合してもよい。
処理対象の水に水処理剤(P1)及び水処理剤(P2)を添加した後の処理対象の水のpHは、好ましくは1〜9、更に好ましくは2〜7、特に好ましくは3〜6である。この範囲であると水溶解性COD低減等の本発明の効果をより発揮させることができる。
上記処理方法(1)〜(3)の内で、より粗大なフロックが形成され固液分離が容易になる観点から好ましいのは(2)及び(3)の処理方法である。
固液分離の工程を行う方法としては、例えば、重力沈降、膜ろ過、カラムろ過、加圧浮上、濃縮装置(例えばシックナー等)及び脱水装置(例えば、遠心分離器、ベルトプレス脱水機及びフィルタープレス脱水機等)等が利用できる。尚、汚泥又は廃水のpHが低く、水処理剤(P1)中の共重合体(M)が溶解しない場合は、水処理剤(P1)の添加前に汚泥又は廃水のpHを4〜9に調整しておくことが好ましい。
処理方法(3)における有機凝結剤及び無機凝結剤としては水処理剤(P1)及び(P2)に含まれていてもよい有機凝結剤及び無機凝結剤として例示したもの同じものが挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
有機凝結剤又は無機凝結剤を使用する場合、その添加方法は特に限定されず、有機凝結剤と無機凝結剤の併用の場合は、いずれかを先に添加しても、同時に添加しても、予め混合したものを添加してもよい。
上記処理方法(2)及び(3)で使用する高分子凝集剤としては特に限定はなく、公知の高分子凝集剤として常用されているMwが1,000,000を超えるものを使用でき、カチオン性、ノニオン性、アニオン性、両性のいずれの高分子凝集剤でもよく、またこれらを組み合わせて使用することもできる。
カチオン性高分子凝集剤としては、ポリエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリルアミドのマンニッヒ変性物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物の単独重合体又は(メタ)アクリルアミド等の他の単量体との共重合体及びその他前記のカチオン性モノマー(m11)を構成単位として含む共重合体等でMwが1,000,000を超えるものが挙げられる。
ノニオン性高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド等でMwが1,000,000を超えるものが挙げられる。
アニオン性高分子凝集剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリルアミドの加水分解物、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体及びその他前記のアニオン性モノマー(m22)を含む(共)重合体等でMwが1,000,000を超えるものが挙げられる。
両性高分子凝集剤としては、カチオン性モノマー[ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物及びその他前記のカチオン性モノマー(m11)等]とアニオン性モノマー[(メタ)アクリル酸(塩)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸(塩)等]及び必要によりノニオン性モノマー(アクリルアミド等)との共重合体等でMwが1,000,000を超えるものが挙げられる。
水処理剤(P1)を添加する場合、そのまま添加してもよいが、更に水で希釈したものを添加してもよい。水処理剤(P1)を水で希釈する場合、共重合体(M)の濃度は水処理剤(P1)と希釈水の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
希釈する場合の希釈方法は特に限定はされないが、例えば予め計量した水を公知の撹拌装置(ジャーテスター等)を用いて撹拌しながら所定量の共重合体(M)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌する方法等が採用できる。
水処理剤(P1)の使用量は、処理対象水の種類、処理対象の水に懸濁している粒子の含有量及び水溶解性COD成分量等によって異なり、特に限定はされないが、水溶解性COD低減性能の観点から、処理対象の水に添加される共重合体(M)の重量が処理対象の水1Lに対して、好ましくは1mg〜10gとなる量であり、更に好ましくは3mg〜8g、特に好ましくは5mg〜5g、最も好ましくは5mg〜3gとなる量である。
水処理剤(P2)の添加重量は、処理剤(P1)中の共重合体(M)の重量に対する処理剤(P2)中の塩(S)の重量比率[(S)/(M)]が0.2〜30となる量が好ましく、更に好ましくは0.5〜20、特に好ましくは1.5〜11となる量である。
上記処理方法(3)の水処理方法において、更に無機凝結剤及び/又は有機凝結剤を廃水に添加する場合のこれらの使用量は、汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の大きさ、廃水中のトータルスラッジ及び水溶解性COD成分量等によって異なる。
無機凝結剤の使用量は、廃水の重量に対して、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.005〜0.8重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。0.001重量%以上であれば水溶解性COD低減性能が更に良好となり、1重量%以下であればスラッジ発生量が低減できる。
有機凝結剤の使用量は、水溶解性COD低減性能の観点から、廃水の重量に対して、好ましくは0.0001〜0.5重量%、更に好ましくは0.0003〜0.3重量%、特に好ましくは0.0005〜0.1重量%である。
上記処理方法(2)及び(3)において、本発明の水処理剤で処理後の汚泥又は廃水に高分子凝集剤を添加する方法としては特に限定はなく、高分子凝集剤をそのまま添加してもよいが、均一混合の観点から好ましいのは高分子凝集剤を水溶液にした後に汚泥又は廃水に添加する方法である。高分子凝集剤を水溶液として用いる場合、高分子凝集剤の濃度は、好ましくは0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記有機凝結剤の場合と同様である。特に粉末状の高分子凝集剤を水に溶解する際、一度に高分子凝集剤を加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため、徐々に加えることが好ましい。
上記処理方法(2)及び(3)において、汚泥又は廃水に添加する際の高分子凝集剤の使用量は、汚泥又は廃水の種類、懸濁している粒子の含有量及び高分子凝集剤の分子量等によって異なるが、一般的な凝集性能の観点から、汚泥又は廃水の重量に基づいて好ましくは0.0001〜0.5重量%、更に好ましくは0.0002〜0.3重量%、特に好ましくは0.0003〜0.2重量%、最も好ましくは0.0004〜0.1重量%である。
本発明における水溶解性CODの除去効果を確認するために(P1)及び(P2)で処理した排水のCODを直接測定してもよいが、排水処理の分野でCODのモニタリングの代替手段として常用されおり、CODの測定より簡便なTOC(全有機炭素)によってもCODの除去効果を評価可能である。以下の実施例においてはCODとTOC併記した。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を表す。
<製造例1>
撹拌機、温度センサー、冷却管、滴下ロート及びマントルヒーターを備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール(以下「IPA」と略記)190部、イオン交換水69部を投入し、撹拌下、加熱し還流させた。滴下口から開始剤溶液としてIPA80部、イオン交換水20部、アゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」と略記)0.7部の混合溶液を、もう一方の滴下口からモノマー溶液として(m11−1)352部、(m2−2)48部、IPA180部、イオン交換水60部の均一混合液を、フラスコ内を80〜85℃で撹拌下、それぞれ4時間でフラスコ内に同時に滴下した。滴下後、同温度で2時間熟成し、IPA80部、イオン交換水20部、AIBN2.0部の均一混合液を、80〜85℃のフラスコ内に1時間で滴下し180分同温度で熟成した。その後、イオン交換水465部をフラスコ内に投入し、100℃まで昇温してIPAを除去し、共重合体(M−1)を含有する水処理剤(P1−1)1000部を得た。(P1−1)の固形分含量は40.0重量%、pHは4.5で、共重合体(M−1)のMwは180,000、コロイド当量値は4.1であった。
<製造例2〜9及び比較製造例1>
使用する原料の種類と使用量を表1に記載のものに代えたこと以外は製造例1と同様にして、水処理剤(P1−2)〜(P1−9)及び比較用の水処理剤(P1’−1)を得た。得られた水処理剤の固形分濃度、重合体(M)中の(m1)と(m2)のモル比、重合体(M)のコロイド当量値及びMwを表1に示す。
表1に記載の原料及び記号等の内容は次の通りである。
(1)カチオン性官能基を有するモノマー(m1)
(m11−1):ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド四級塩
(m11−2):ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド四級塩
(m11−3):ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド四級塩
(m11−4):ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド四級塩
(m12−1):ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
(2)カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)
(m2−1):アクリルアミド
(m2−2):スチレン
(m2−3):ラウリルメタクリレート
(m2−4):アクリル酸
Figure 0006852113
<製造例10>
キシダ化学より購入したケイ酸ナトリウム溶液3号を固形分濃度が20重量%となるようイオン交換水に溶解し、水処理剤(P2−1)とした。
<製造例11>
リン酸3ナトリウム(富士フイルム和光純薬製、試薬)を固形分濃度が15重量%となるようイオン交換水に溶解し、水処理剤(P2−2)とした。
<製造例12>
四ホウ酸ナトリウム十水和物(富士フイルム和光純薬製、試薬)を固形分濃度が20重量%となるようイオン交換水に溶解し、水処理剤(P2−3)とした。
<製造例13>
製造例1で得られた水処理剤(P1−1)17.35部と製造例10で得られた水処理剤(P2−1)82.65部を容器に計量し、混合した。得られた白色懸濁液を水処理剤(P1−1)と水処理剤(P2−1)とを予め混合した水処理剤(P−1)とした。
<実施例1>
アニオン性界面活性剤を含有するA化学工場排水500mlをビーカーに採取し、撹拌下、予めイオン交換水で50倍に希釈した水処理剤(P1−1)の水溶液(固形分濃度=0.8重量%)を6.56g(固形分=52.5mg)を添加し、1分間撹拌して排水1Lに対する(P1−1)の固形分の添加量が105mgである溶液とした後、水処理剤(P2−1)を0.9375g[排水1Lに対する(P2−1)の固形分の添加量=375mg]添加した。3分後、撹拌を継続しながら、1重量%硫酸水溶液を滴下してpHを7.0に調整して、続いて、撹拌しながら、高分子凝集剤としてのサンフロックCE−706Pの0.2重量%水溶液を固形分濃度が10ppmになる量添加し、3分間撹拌後、5分間静置した。静置した上澄み液をろ紙(No.5C)でろ過したろ液について、CODをJIS K0102:2016に記載のCODMn分析方法準じて、TOCを(株)アナリティクイエナジャパン製multi N/C 3100を用いて測定した。CODは23mg/L、TOCは32mg/Lであった。
尚、用いた高分子凝集剤としてのサンフロックCE−706PのMwは、本発明における上記測定方法では分子量が高すぎて測定できず、固有粘度から換算したMwは約900万であった。
<実施例2〜7>
水処理剤(P1)及び(P2)の種類及び添加量を表2に記載のものに代える以外は実施例1と同様に処理して上澄み液のCOD及びTOCを測定した。結果を表2に示す。
尚、表2並びに後述の表3及び表4に記載された水処理剤(P1)及び(P2)の添加量は、排水1Lに対する(P1)又は(P2)の固形分の量(単位:mg)である。
<比較例1>
実施例1において、水処理剤(P1−1)、(P2−1)、1重量%硫酸水溶液及びサンフロックCE−706Pを添加せず、A工場排水そのもののCOD及びTOCを測定した。CODは79mg/L、TOCは120mg/Lであった。
<比較例2〜7>
水処理剤(P1)の添加量を表2に記載のものに代え、水処理剤(P2)を用いない以外は実施例1と同様に処理して上澄み液のCOD及びTOCを測定した。
比較例1〜4におけるTOCの値に対してCODの値をプロットしたグラフを図1に示す。図1からTOCはCODと高い相関関係にあり、CODの代替指標となり得ることが分かる。
実施例1〜5及び比較例1〜6について、(P1)の固形分の添加量に対してCODの値をプロットしたグラフを図2に示す。(P2)を使用しない比較例の場合、(P1)の添加量が210mgまではCODが減少し、更に添加量を増やすとCODが上昇しており、(P1)の添加量に最適点があることが分かる。これに対して、(P2)を併用した実施例の場合、最適添加量を超える量の(P1)を使用してもCODの上昇は認められず、安定したCOD低減効果を発現していることが分かる。
実施例1〜7及び比較例2〜7について、得られたCOD及びTOCの値から、COD除去率及びTOC除去率を下記の式に基づいて算出し、排水の水溶解性COD成分の除去性能を評価した。得られた結果を表2に示す。
COD除去率(%)=(処理前のCODの値−処理後のCODの値)/処理前のCODの値×100
TOC除去率(%)=(処理前のTOCの値−処理後のTOCの値)/処理前のTOCの値×100
但し、上記式における処理前のCODの値及びTOCの値は、比較例1に記載の通り、それぞれ79mg/L及び120mg/Lである。
また、下記式から算出される処理対象の排水に対する水処理剤(P1)の過剰添加率及び(P1)に対する(P2)の重量比率を表2に記載した。
(P1)の過剰添加率(重量%)=[(P1)の添加量−(P1)の最適添加量]/(P1)の最適添加量×100
Figure 0006852113
<実施例8〜16>
表3に記載の水処理剤(P1)それぞれについて最適添加量を予め求めた後、その最適添加量と表3に記載の過剰添加量の場合についてそれぞれ実施例1と同様に処理して上澄み液のCOD及びTOCを測定した。COD及びTOCの測定値、(P1)の過剰添加率、COD除去率、TOC除去率及び(P1)に対する(P2)の重量比率を表3に示す。
尚、表3の各実施例及び後述の表4の各比較例において左の列に最適添加量の場合の結果を、右の列に過剰添加の場合の結果を記載した。
また、実施例8においては、実施例5における水処理剤(P1−1)と(P2−1)の添加順序を入れ替えて実施例5と同様に処理した。
<実施例17>
実施例5で別々に添加した(P1−1)及び(P2−1)を、製造例13で製造した水処理剤(P1−1)及び(P2−2)を予め混合した水処理剤(P−1)に代えた以外は実施例5と同様に処理した。表3における(P−1)の固形分量852mgの内訳は(P1−1)=252mg、(P2−1)=600mgである。結果を表3に示す。
<実施例18>
高分子凝集剤「サンフロックCE−706P」を使用しない以外は実施例5と同様に処理した。結果を表3に示す。
<比較例8〜15>
水処理剤(P1)の種類と添加量を表4に記載のものに代え、水処理剤(P2)を用いない以外は実施例1と同様に処理した。結果を表4に示す。
<比較例16〜19>
水処理剤(P2)の種類と添加量を表4に記載のものに代え、水処理剤(P1)を用いない以外は実施例1と同様に処理した。結果を表4に示す。
<比較例20〜22>
水処理剤(P1)及び(P2)の種類と添加量を表4に記載のものに代える以外は実施例1と同様に処理した。結果を表4に示す。
尚、表4における水処理剤(P1’−2)及び(P1’−3)の内容は以下の通りである。
(P1’−2):三洋化成工業(株)製カチオン高分子凝集剤「サンフロックCES−668」(本発明における上記測定方法では分子量が高すぎてMwは測定不可:固有粘度から換算したMwは約400万)
(P1’−3):ポリアリルアミン塩酸塩[日東紡(株)製「PAA−HCl−3L」]
Figure 0006852113
Figure 0006852113
実施例8〜18においてはいずれの水処理剤(P1)及び(P2)の組み合わせにおいても(P1)の最適添加量場合及び(P1)の20重量%過剰添加率の場合のいずれにおいてもCOD除去率及びTOC除去率に優れ、(P1)の過剰添加条件でも安定して水溶解性COD成分の除去効果があることが分かる。これに対して、水処理剤(P2)を用いない比較例8〜15では(P1)の20重量%過剰添加率の場合のCOD除去率及びTOC除去率が激減しており、また、水処理剤(P1)を用いない比較例16〜19ではCOD除去率及びTOC除去率が非常に低く、水溶解性CODの除去効果がほとんどないことが分かる。更に、本発明における(P1)の条件を満たさない水処理剤を用いた比較例20〜22では(P1)の最適添加量の場合及び(P1)の20重量%過剰添加率の場合いずれにおいても水溶解性COD成分が増加しており、COD除去効果がないことが分かる。
本発明の水処理方法は、従来の方法と比較して、幅広い領域の水処理剤の添加量で水溶解性COD成分の除去を実現できることから、下水又は工場廃水等の有機性成分を含有する廃水の処理方法として使用することができる。
また、土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理及び製紙工程での排水処理方法としても好適に用いられる。

Claims (4)

  1. カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000600,000の共重合体(M)を含む水処理剤(P1)と、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤(P2)とを処理対象の水に添加する工程を含み、
    前記カチオン性官能基を有するモノマー(m1)が、一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)であり、
    前記カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)が、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)及び炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、
    前記モノマー(m1)と前記モノマー(m2)のモル比が、15:85〜92:8である水処理方法。

    CH =C(R )−CO−X−Q−N (R ・Z (1)
    [式中、R は水素原子又はメチル基、3つあるR はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜6のアルキレン基、Z はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]

    (CH =C(R )−CH −N (R ・Z (2)
    [式中、R は水素原子又はメチル基、2つあるR はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Z はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
  2. 前記共重合体(M)のコロイド当量値が、1.0〜4.5である請求項1に記載の水処理方法。
  3. 水処理剤(P1)と水処理剤(P2)とを処理対象の水に添加する工程を行った後、更に重量平均分子量が1,000,000を超える高分子凝集剤を添加する工程と、固液分離する工程とを含む請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. カチオン性官能基を有するモノマー(m1)及びカチオン性官能基を有しないモノマー(m2)を重合させてなる重量平均分子量が10,000600,000の共重合体(M)を含む水処理剤(P1)と、ケイ酸塩、リン酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(S)を含む水処理剤(P2)とを含み、前記カチオン性官能基を有するモノマー(m1)が、一般式(1)で表されるカチオン性モノマー(m11)及び/又は一般式(2)で表されるカチオン性モノマー(m12)であり、
    前記カチオン性官能基を有しないモノマー(m2)が、炭素数4〜30のアルキル(メタ)アクリレート(m211)、炭素数2〜30の不飽和炭化水素(m212)、炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド系モノマー(m213)及び炭素数2〜30の不飽和カルボン酸(無水物)(m221)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、
    前記モノマー(m1)と前記モノマー(m2)のモル比が、15:85〜92:8である水処理剤(P)。

    CH =C(R )−CO−X−Q−N (R ・Z (1)
    [式中、R は水素原子又はメチル基、3つあるR はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Xは酸素原子又はNH、Qは炭素数1〜6のアルキレン基、Z はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]

    (CH =C(R )−CH −N (R ・Z (2)
    [式中、R は水素原子又はメチル基、2つあるR はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又はベンジル基、Z はブレンステッド酸の共役塩基又は四級化剤に由来するアニオン基を表す。]
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