JP2019063785A - 水処理剤および水処理方法 - Google Patents

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誠 松本
山白 高嗣
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Abstract

【課題】本発明の目的は、溶解性COD成分、特に除去が困難なノニオン性の溶解性COD成分(非イオン性界面活性剤やポリビニルアルコール等)の除去性能を有し、さらに無機凝結剤の使用量を低減できると共にスラッジの発生量を低減できる水処理剤を提供することにある。【解決手段】下記一般式(1)で表される水溶性アニオンモノマー(a)及び/又は下記一般式(2)で表される水溶性ノニオン性モノマー(b)と、20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの疎水性モノマー(c)とを構成単量体として含有する共重合体(A)を含む水処理剤(P)。【選択図】なし

Description

本発明は、水処理剤および水処理方法に関する。さらに詳しくは、汚泥、各種産業廃水、浄水など溶解性COD成分を含有した水から溶解性COD成分を除去するための水処理剤、および該水処理剤を用いた水処理方法に関する。
従来、工場廃水などに含まれる溶解性COD成分を除去する方法としては、活性炭処理、紫外線照射、オゾン処理、硫酸第一鉄と過酸化水素を組み合わせたフェントン処理などが利用されている。しかし、いずれも処理コストが高く広く普及しているとは言い難い。
また無機凝結剤を添加した後に更に高分子凝集剤を添加して凝集フロックを生成させ、次いで、凝集沈殿又は凝集浮上法で処理する方法が採用されている(特許文献1)。無機凝結剤は荷電中和作用により廃水中の懸濁物の表面電荷を中和し懸濁物同士の反発力を小さくしながら懸濁物を凝結させる作用がある。これに高分子凝集剤を加えて生成させた凝集フロックを固液分離することにより懸濁物を廃水から除去する。しかしながら、このような処理では、汚泥又は工場廃水中の非イオン性界面活性剤やポリビニルアルコール等の水に溶けてもイオンにならない化合物は十分な除去が出来ていないため、処理後の水質に不安を残すという問題があった。また、現在使用されている一次処理時に無機凝結剤を用いる方法では莫大な添加量を必要とするため固液分離後のスラッジ量が増加し処理費用がかさむ問題もある。
近年、廃水規制の強化によるCOD(化学的酸素要求量)の抑制は環境問題における大きなテーマの一つであり、低コストで高いCOD低減効果を有する水処理剤の早期開発が望まれている。これらの要望に応えるべく、より効果的な処理を目的として、種々の高分子水処理剤が開発されている。例えばカチオン性官能基を有した有機系微粒子(特許文献2)、2種のカチオン系高分子を混合した有機凝結剤(特許文献3)、カチオン系単量体と疎水性単量体を共重合させて得られる高分子からなる有機凝結剤(特許文献4)及びビニルフェノールを用いた水処理剤(特許文献5)が提案されている。
特開2015−150489号公報 特許4923834号公報 特許5709086号公報 特許4786569号公報 特開2013−146656号公報
しかしながら、特許文献1〜4はカチオン系高分子であり、アニオン性の溶解性COD成分に対しては効果を示すが、染色工場、製紙工場、半導体工場、自動車工場、食品工場などの多くの工場廃水で問題となっているノニオン系の溶解性COD成分を除去することは困難である。また、特許文献3に記載の方法は非イオン系界面活性剤を含有する廃水のCODを低減しているが、効果が十分とは言い難い。
本発明の目的は、溶解性COD成分、特に除去が困難なノニオン性の溶解性COD成分(非イオン性界面活性剤やポリビニルアルコール等)の除去性能を有し、さらに無機凝結剤の使用量を低減できると共にスラッジの発生量を低減できる水処理剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される水溶性アニオンモノマー(a)及び/又は下記一般式(2)で表される水溶性ノニオン性モノマー(b)と、20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの疎水性モノマー(c)とを構成単量体として含有する共重合体(A)を含む水処理剤(P)及びこれを用いた水処理方法である。
CH=CR−X・Y (1)
[式中、RはH又はメチル基であり、XはCOO、SO 、CSO 又はCONHC(CHCHSO であり、Yは1価の陽イオンを表す。]
CH=CR−CO−(OZ)−OR (2)
[式中、RはH又はメチル基であり、RはHまたは炭素数1〜30のアルキル基であり、Zは炭素数が2又は3のアルキレン基であり、nが2以上の場合、複数のOZは同一でも異なっていてもよく、nは1〜30の整数を表す。]
本発明の水処理剤(P)は、溶解性COD成分含有廃水に添加して処理することで、ノニオン性の溶解性COD成分の除去に優れた効果を有し、廃水中のCODが大幅に低減できる。さらに無機凝結剤の使用量を低減できると共にスラッジの発生量を低減できる。
<共重合体(A)>
本発明の共重合体(A)は、下記一般式(1)で表される水溶性アニオンモノマー(a)及び/又は下記一般式(2)で表される水溶性ノニオン性モノマー(b)と、20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの疎水性モノマー(c)とを構成単量体として含有する共重合体である。
CH=CR−X・Y (1)
CH=CR−CO−(OZ)−OR (2)
本発明において、水溶性とは、20℃の水に対する溶解度が1g以上/水100g(20℃)であることを意味する。20℃の水に対して1g以上/水100gの溶解度を有することは、20℃のイオン交換水100gとモノマー1gとの混合物を24時間静置した後も分離がなく外観が均一透明であること、及び均一部分を高速液体クロマトグラフ等で分析し水層中のモノマー量を定量することで確認する。
上記式(1)中、RはH又はメチル基であり、XはCOO、SO 、CSO 、又はCONHC(CHCHSO であり、Yは1価の陽イオンを表す。
上記式(2)中、RはH又はメチル基であり、RはHまたは炭素数1〜30のアルキル基であり、Zは炭素数が2又は3のアルキレン基であり、OZが複数個ある場合、複数個のOZは同一でも異なっていてもよく、nは1〜30の整数を表す。
炭素数が2のアルキレン基としてはエチレン基が挙げられる。
炭素数が3のアルキレン基としてはプロピレン基(n−プロピレン基、イソプロピレン基)及びイソプロピリデン基等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される水溶性アニオンモノマー(a)のうち、1価の陽イオンであるYがHである場合に好ましいものは、(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリル酸」の表記は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
前記一般式(1)で表される(a)において、H以外の1価の陽イオンとしては例えば、アルカリ金属イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等)及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
これらの1価の陽イオンのうち、(A)の溶解性の観点から好ましくは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン及びアンモニウムイオンであり、更に好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンである。
上記(a)のうち、水処理剤(P)の溶解性COD低減効果及び重合性の観点から、好ましくは(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩であり、アルカリ金属塩である場合に好ましいものはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩及びアンモニウム塩である。更に好ましくは(メタ)アクリル酸のナトリウム塩及び(メタ)アクリル酸のカリウム塩である。
前記一般式(1)で表される(a)は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)で表される水溶性ノニオン性モノマー(b)としてはポリエチレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜30)(メタ)アクリレート及びアルコキシ(C1〜30)ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜30)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水溶性ノニオン性モノマー(b)がアルコキシ(C1〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート又はアルコキシ(C1〜30)ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜30)(メタ)アクリレートである場合、水への溶解度はアルコキシ基の炭素数と、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの重合度で調整され、本発明においてアルコキシ基の炭素数が大きい前記(メタ)アクリレートを用いる場合には、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの重合度が大きい(メタ)アクリレートを用いることで水溶性ノニオン性モノマー(b)を選択して用いる。
上記(b)のうち、水処理剤(P)の溶解性COD低減効果および重合性の観点から、好ましくはポリエチレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレート及びアルコキシ(C1〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜30)(メタ)アクリレートであり、更に好ましくはポリエチレングリコール(重合度4〜20)(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜25)ポリエチレングリコール(重合度4〜20)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度4〜20)(メタ)アクリレート及びアルコキシ(C1〜25)ポリプロピレングリコール(重合度4〜20)(メタ)アクリレートである。具体的には、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの重合度は9)、ステアリルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの重合度は25)及びメトキシポリプロピレングリコールメタクリレート(ポリプロピレングリコールの重合度は3)等が挙げられる。
疎水性モノマー(c)としては、20℃の水への溶解度が1g未満/水100gであるモノマーであれば制限無く用いることができる。
(c)としては、例えば以下の(c1)〜(c6)等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
20℃の水に対して1g未満/水100gの溶解度であることは、20℃のイオン交換水100gとモノマー1gとの混合物を24時間静置した後の水層を高速液体クロマトグラフ等で分析し水層中のモノマー量を定量することで確認することができる。
(c1)1価の(メタ)アクリロイル基含有化合物
例えば、脂肪族又は脂環式アルコール(炭素数が3〜30)の(メタ)アクリレート[プロピル−、ブチル−、エチルヘキシル−、オクチル−、ドデシル−、ラウリル−、セチル−、ステアリル−、オレイル−、オクタデシル−又はシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]及びエポキシ基(炭素数が4〜20)含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等]、アルコキシ(炭素数が2〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜20)(メタ)アクリレートのうち20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数が2〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜20)(メタ)アクリレートのうち20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの(メタ)アクリレート及びアルコキシ(炭素数が2〜30)ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜20)(メタ)アクリレートのうち20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びアルコキシ(炭素数が2〜30)ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜20)(メタ)アクリレートの水への溶解度はアルコキシ基の炭素数と、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの重合度で調整されるため、(c1)としてアルコキシ(炭素数が2〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜20)(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数が2〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜20)(メタ)アクリレート及びアルコキシ(炭素数が2〜30)ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜20)(メタ)アクリレートを用いる場合には、アルコキシ基の炭素数とポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの重合度との組み合わせとして20℃における水への溶解度が1g未満/水100gとなる組み合わせを有する(メタ)アクリレートを用いる。
20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの(メタ)アクリレートとしては、ラウロキシポリエチレングリコール(重合度4)モノメタクリレート等が挙げられる。
アルコキシ(炭素数が2〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜20)(メタ)アクリレートのうち20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの(メタ)アクリレートとしては、ラウロキシポリプロピレングリコール(重合度4)モノメタクリレート等が挙げられる。
アルコキシ(炭素数が2〜30)ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計1〜20)(メタ)アクリレートのうち20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの(メタ)アクリレートとしては、ラウロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールの重合度は合計4)モノメタクリレート等が挙げられる。
(c2)炭素数が8〜24のN置換(メタ)アクリルアミド
例えば、N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−アルケニル置換(メタ)アクリルアミド、およびN−(ポリ)オキシプロピル置換(メタ)アクリルアミド;例えば、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−2エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミド、N−セチル(メタ)アクリルアミド、N−ステアリル(メタ)アクリルアミド、N−オレイル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ(ポリ)オキシプロピル[(ポリ)オキシプロピル基はPO1〜3モル付加](メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(c3)芳香環含有1価ビニル化合物
(c31)単環化合物(ただし、ハロゲン含有モノマーを含まない。)
炭素数が8〜13の環状化合物であり、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、アリルベンゼン及びアリルフェノール等が挙げられる。
(c32)多環化合物
炭素数が12〜15の多環化合物であり、例えばビニルナフタレン、ナフチルアクリル酸、ビニルナフトール等が挙げられる。
(c4)[モノシクロアルコキシ(炭素数が3〜12)又はモノフェノキシ]ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコールは以下、PPGと略記)(重合度2〜50)の不飽和カルボン酸モノエステル
例えば、脂環式モノオール(炭素数が3〜12)又は1価フェノール(C6〜20)のプロピレンオキシド(以下POと略記)付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−シクロヘキシルPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−フェノキシPPGモノ(メタ)アクリレート等]およびジオール(C2〜20)又は2価フェノール(C6〜20)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−ヒドロキシエチル(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(c5)不飽和アルコール[炭素数が2〜4のもの、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]とモノカルボン酸(炭素数が2〜30)とのエステル(酢酸ビニル等)
(c6)ハロゲン含有モノマー
炭素数が2〜30のハロゲン含有モノマーであり、例えば塩化ビニル、及びクロロメチルスチレン等が挙げられる。
上記(c)のうち、水処理剤(P)の溶解性COD低減性能の観点から、好ましくは(c1)、(c2)及び(c3)、更に好ましくは炭素数が3〜30の脂肪族アルコールの(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数が6〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜10)(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数が6〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜10)(メタ)アクリレート及び(c31)、特に好ましくは炭素数が4〜20の脂肪族アルコールの(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数が8〜30)ポリエチレングリコール(重合度1〜10)(メタ)アクリレート、アルコキシ(炭素数が8〜30)ポリプロピレングリコール(重合度1〜10)(メタ)アクリレート及びスチレンである。
共重合体(A)の構成単量体中の、水溶性アニオンモノマー(a)と水溶性ノニオン性モノマー(b)の合計重量と、疎水性モノマー(c)の重量との比{[(a)+(b)]/(c)}は、水処理剤(P)の溶解性COD低減性能等の観点から好ましくは10/90〜98/2、更に好ましくは30/70〜96/4、特に好ましくは50/50〜92/8、最も好ましくは60/40〜90/10である。
この範囲であると、COD低減、ろ液清澄性向上及び脱色効果等が良好になり、また高分子凝集剤との併用による脱水ケーキの含水率低減効果が良好になる。
水溶性アニオンモノマー(a)と水溶性ノニオン性モノマー(b)の合計重量に基づく(a)の重量%は、水処理剤(P)の溶解性COD低減性能の観点から好ましくは0〜100重量%、更に好ましくは40〜100重量%、特に好ましくは60〜100重量%、最も好ましくは80〜100重量%である。
共重合体(A)の構成単量体には、架橋性モノマー(y)が含まれていても良い。架橋性モノマー(y)としては、下記に例示したものが挙げられるが、架橋性モノマー(y)の水への溶解度の値によって、架橋性モノマー(y)が疎水性モノマー(c)の成分として含まれる場合と、水溶性アニオン性モノマー(a)、水溶性ノニオン性モノマー(b)及び疎水性モノマー(c)以外のモノマー成分として含まれる場合とがある。
架橋性モノマー(y)としては、2価またはそれ以上の不飽和基を有する以下の(y1)〜(y4)、不飽和基を1個以上有しかつ反応性エポキシ基を1個もしくはそれ以上有する以下の(y5)、これらの塩[例えば、塩基性モノマーについては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩、酸性モノマーについては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン(C1〜20のもの、例えばメチルアミン、エチルアミン、シクロヘキシルアミン)塩]及びこれらの混合物が挙げられる。
(y1)多価(価数が2〜4又はそれ以上)(メタ)アクリルアミド
炭素数が5〜30のもの、例えばN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(y2)多価(価数が2〜4又はそれ以上)(メタ)アクリレート
炭素数が8〜30のもの、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(価数が2〜4)(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(y3)多価(価数が2〜4又はそれ以上)ビニル基(2〜20個またはそれ以上)含有モノマー
炭素数が4以上かつMn6,000以下のモノマーであり、例えばジビニルアミン、多価(2価〜5価又はそれ以上)アミン[炭素数が2以上かつMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(炭素数が4以上かつMn3,000以下)]のポリ(炭素数が2〜20)ビニルアミン、ジビニルエーテル、多価アルコール〔炭素数が2以上かつMn3,000以下、例えばアルキレン(炭素数2〜6又はそれ以上)グリコール[エチレングリコール(以下、EGと略記)、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等]、ポリオキシアルキレン[Mn2,000〜3,000、例えばポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(分子量106以上かつMn3,000以下)、PPG(分子量134以上かつMn3,000以下)、ポリオキシエチレン(分子量106以上かつMn3,000以下)/ポリオキシプロピレン(分子量134以上かつMn3,000以下)ブロックコポリマー]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)(炭素数が2〜50)グリセリン(グリセリンは以下、GRと略記)、ペンタエリスリトール、ソルビトール、デンプン〕のポリ(炭素数が2〜20)ビニルエーテル等が挙げられる。
(y4)多価(価数が2〜4又はそれ以上)アリル基(2〜20個またはそれ以上)含有モノマー
炭素数が6以上かつMn3,000以下のモノマーであり、例えばジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(炭素数が1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、多価アミン(上記のもの)のポリ(炭素数が2〜20)(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(炭素数が2〜20)(メタ)アリルエーテル及びポリ(炭素数が2〜20)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数が1〜20)(テトラアリロキシエタン等)等が挙げられる。
(y5)不飽和基を1個以上有し、かつ反応性エポキシ基を1個もしくはそれ以上有するもの
炭素数が6以上かつMn6,000以下のモノマーであり、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリレート及びグリシジルPEG(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記構成単量体に、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により併用してもよい(y)の量は、構成単量体の合計重量に基づいて、水処理剤(P)の溶解性COD低減性能の観点から好ましくは0.001〜1%、更に好ましくは0.01〜0.5%、特に好ましくは0.05〜0.2%である。
[共重合体(A)]
共重合体(A)の製造方法としては、特に限定はなく、ラジカル重合法、例えば溶液滴下重合、逆相懸濁重合、光重合、沈澱重合及び逆相乳化重合が採用できる。これらのうち重合時の温度制御並びに分子量制御の観点から好ましくは溶液滴下重合である。
溶液滴下重合としては、例えば溶媒の沸点下にモノマー、溶媒及びラジカル重合開始剤の溶液を滴下する方法(例えば特開平6−211942号公報)を用いて製造することができ、溶媒として有機溶媒を使用した場合は、取り扱い危険性および環境保護の観点等の必要により脱溶媒し水を加えて製造する。
使用する溶媒としては、例えば水、アルコール(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン(メチルエチルケトン及びアセトン等)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、これらの混合物等の極性溶媒、トルエン及びキシレンなどの非極性溶媒等が挙げられる。
これらのうち、モノマーおよび開始剤の溶解性及び重合後の脱溶媒のしやすさの観点から好ましくは水とアルコールとの混合溶媒である。更に好ましくは水とイソプロピルアルコールとの混合溶媒である。
上記ラジカル重合法におけるラジカル重合開始剤としては、例えば水溶性アゾ開始剤〔例えばアゾビスアミジノプロパン(塩)[例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド]、アゾビスシアノバレリン酸(塩)及び2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](塩)〕、油溶性アゾ開始剤(例えばアゾビスシアノバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル)、水溶性過酸化物[無機過酸化物(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等)及び有機過酸化物(過酢酸、t−ブチルハイドロパーオキシド等)]、油溶性過酸化物(例えばベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド及びジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート)等が挙げられる。
上記の過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム及び重亜硫酸アンモニウム)、還元性金属塩[例えば硫酸鉄(II)]、3級アミン[例えばジメチルアミノ安息香酸(塩)及びジメチルアミノエタノール]、遷移金属塩のアミン錯体[例えば塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体および塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体]及び有機性還元剤(例えばアスコルビン酸)等が挙げられる。
また、アゾ開始剤、過酸化物開始剤およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の開始剤を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、(A)として最適な分子量を得る観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0.001%以上、更に好ましくは0.005%以上、特に好ましくは0.01%以上、最も好ましくは0.05%以上であり、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である。
また、必要によりラジカル重合用連鎖移動剤を使用してもよい。ラジカル重合用連鎖移動剤としては、特に限定なく、例えば分子内に1つ又は2つ以上の水酸基を有する化合物[分子量32以上かつMn50,000以下であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量106以上かつMn50,000以下)及び(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(分子量120以上かつMn50,000以下)]、分子内に1つ又は2つ以上のアミノ基を有する化合物[例えばアンモニア及びアミン(炭素数が1〜30の化合物であり、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン及びプロパノールアミン)]、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物等が挙げられる。
これらのうちで分子量制御の観点から好ましくは、次亜リン酸ナトリウム及び分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物である。
分子内にチオール基を有する化合物には、以下のもの、これらの塩[アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム及びカルシウム)塩、アンモニウム塩、アミン(炭素数は1〜20)塩及び無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸)塩]及びこれらの混合物等が含まれる。
(1)1価チオール
脂肪族チオール[炭素数は1〜20であり、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システイン及び2−メルカプトエチルアミン]、脂環式チオール(炭素数は5〜20であり、例えばシクロペンタンチオール及びシクロヘキサンチオール)及び芳香(脂肪)族チオール(炭素数は6〜12であり、例えばベンゼンチオール、ベンジルメルカプタン及びチオサリチル酸)等が挙げられる。
(2)多価チオール
ジチオール[脂肪族(炭素数は2〜40)ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール及びネオペンタンジチオール等)、脂環式(炭素数は5〜20)ジチオール(例えばシクロペンタンジチオール及びシクロヘキサンジチオール)及び芳香族(C6〜16)ジチオール(例えばベンゼンジチオール及びビフェニルジチオール)等が挙げられる。
ラジカル重合用連鎖移動剤を使用する場合の使用量は、(A)として最適な分子量を得る観点から、モノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0.001%以上、更に好ましくは0.005%以上、特に好ましくは0.01%以上、最も好ましくは0.05%以上であり、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以下である。
水溶性アニオンモノマー(a)を塩として用いる場合、塩として重合させても重合後に塩を形成させてもいずれでもよいが、重合時の疎水性モノマー(c)との相溶性の観点から、重合後に塩基(水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)を添加することにより塩を形成させるのが好ましい。
溶液滴下重合におけるモノマー溶液中のモノマー濃度は、モノマー溶液の全重量に基づき、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上、特に好ましくは15%以上、最も好ましくは25%以上であり、好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下、特に好ましくは75%以下、最も好ましくは70%以下である。
5%以上であれば残存モノマーが低減でき、90%以下であれば重合時の温度コントロールを行いやすい。
溶液滴下重合における重合温度は、所定温度を一定(例えば所定温度±5℃)に保つように、コントロールするのが分子量制御の点から好ましい。温度は反応槽を適宜加熱、冷却することにより制御することもできるが、溶媒の沸点下で滴下重合するのが所定の温度を一定に保ち易いとの観点から好ましい。溶媒の沸点は溶媒の種類および圧力によって調整できる。
重合温度は温度制御の容易さおよび安全性の観点から、好ましくは30〜190℃、更に好ましくは40〜180℃、特に好ましくは45〜170℃、最も好ましくは50〜150℃である。
重合は重合による発熱がなくなった時点で反応終点が確認できるが、重合時間は、重合を完結し、残存モノマーを減少させるとの観点から、好ましくは発熱により重合開始を確認した時点から1〜24時間であり、更に好ましくは2〜12時間である。上記のモノマー濃度、重合温度及び重合時間は、モノマー組成、重合法及び開始剤種類等によって適宜調整することができる。
重合時の溶媒として有機溶媒を用いる場合は、水処理剤(P)の使用時における有機溶剤の廃水への混入及び取り扱い危険性の観点から有機溶媒を脱溶媒後に水と置換しておくのが好ましい。脱溶媒は常圧で加熱により行ってもよいし、減圧下で脱溶媒してもよい。水と置換する方法としては、脱溶媒前、脱溶媒途中あるいは脱溶媒後のいずれの段階で水を投入してもよい。
(A)は水に不溶でも可溶でもどちらでも構わないが、水処理剤(P)の溶解性及びCOD低減性能の観点から、20℃のイオン交換水に対して1g以上/水100g可溶することが好ましい。
(A)が水に可溶する場合、(A)の重量平均分子量[Mw]は、水処理剤(P)の溶解性及びCOD低減性能の観点から、上限は好ましくは1,000以上、更に好ましくは2,000以上、特に好ましくは4,000以上であり、下限は好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下、特に好ましくは600,000以下、最も好ましくは400,000以下である。
なお、本発明における重量平均分子量[Mw]の測定は後述の測定条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。
上記重量平均分子量[Mw]は、公知の方法、例えば(A)を構成する全モノマーの重量に対する、重合時に用いるラジカル重合用連鎖移動剤(c)の重量比で制御され、(c)の重量比が増えるほど[Mw]は小さくなる。
本発明の水処理剤(P)は、さらに水を含むことが好ましく、(A)の水溶液又は分散液の形態であることが好ましい。さらに水を含む場合、該水溶液又は分散液中の(A)の含有量(重量%)は、取り扱い性の観点から好ましくは5〜80%、更に好ましくは7〜75%、特に好ましくは10〜70%である。
本発明の水処理剤(P)が、さらに水を含む場合、水処理剤(P)のpHは、(A)の安定性の観点から好ましくは2〜10、更に好ましくは3〜9、特に好ましくは5〜8である。(A)を塩とし、pHを調整するために、重合したのち、無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸)、無機固体酸性物質(例えば酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモン、硫安、重硫安及びスルファミン酸)及び有機酸(例えばシュウ酸、コハク酸及びリンゴ酸)を添加しても良い。水溶液のpHをコントロールするために無機アルカリ性物質(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニア)及び有機アルカリ性物質(例えばグアニジン)を添加しpHを調整することもできる。なお、上記pHは、(A)を含有する水溶液の原液についての室温(20℃)でのpHメーター等を用いた測定値である。
本発明の水処理剤(P)は、溶解性COD成分の除去性能をさらに向上させるために、本発明の効果を阻害しない範囲で凝結剤(有機および無機凝結剤)を併用することができる。
有機凝結剤としては、エピクロルヒドリンとジメチルアミン重縮合物(塩酸塩)、ポリアリルアミン(塩酸塩)、ポリエチレンイミン(塩酸塩)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合体、ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体等の公知の凝結剤が挙げられる。
また、無機凝結剤としては硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄及び消石灰等の公知の凝結剤が挙げられる。
また、本発明の水処理剤(P)は必要に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び防腐剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を併用することができる。
消泡剤としては、シリコーンオイル(例えばMn100〜100,000のジメチルポリシロキサン)、鉱物油(例えばスピンドル油及びケロシン)及び炭素数12〜22の金属石ケン(例えばステアリン酸カルシウム)等が挙げられる。
キレート化剤としては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸(例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸及びトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸[例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)及びイソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)]、炭素数3〜10のヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸及びリンゴ酸)、縮合リン酸(例えばトリポリリン酸及びトリメタリン酸)及びこれらの塩[例えばアルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えばメチルアミン、エチルアミン及びオクチルアミン)塩及び炭素数2〜12のアルカノールアミン(例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン)塩]等が挙げられる。
pH調整剤としては、苛性アルカリ(例えば苛性ソーダ)、アミン(例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン)、無機酸(塩)〔例えば無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸及び炭酸)及びこれらの金属[例えばアルカリ金属(上記に同じ)及びアルカリ土類金属(上記に同じ)]塩(例えば炭酸ソーダ、炭酸カリウム、硫酸ソーダ、硫酸水素ナトリウム及びリン酸1ナトリウム)及びアンモニウム塩(例えば炭酸アンモン及び硫酸アンモン)〕、有機酸(塩)[例えば有機酸(例えばカルボン酸、スルホン酸、フェノール)及びこれらの金属(上記に同じ)塩(例えば酢酸ソーダ、乳酸ソーダ)及びアンモニウム塩(例えば酢酸アンモニウム及び乳酸アンモニウム)]等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール化合物[例えばハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)及び2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)]、含硫化合物〔例えばチオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸及びその塩[例えば金属(上記に同じ)塩及びアンモニウム塩]、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール及びその塩(上記に同じ)、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)〕、含リン化合物[例えばトリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、トリフェニルホスファイト(TPP)及びトリイソデシルホスファイト(TDP)]及び含窒素化合物[アミン(例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール及びN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン)、尿素、グアニジン、グアニジンの上記無機酸塩]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン化合物(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、サリチレート化合物(例えばフェニルサリチレート及び2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート)、ベンゾトリアゾール化合物[例えば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及び(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール]及びアクリル化合物[例えばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート及びメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート]等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル及びソルビン酸が挙げられる。
上記添加剤の全体の使用量は、(A)の重量に基づいて好ましくは0〜40%、更に好ましくは0〜20%である。
各添加剤の使用量は(A)の重量に基づいて、消泡剤は好ましくは0〜5%、更に好ましくは1〜3%であり、キレート化剤は好ましくは0〜30%、更に好ましくは2〜10%、pH調整剤は好ましくは0〜10%、更に好ましくは1〜5%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ好ましくは0〜5%、更に好ましくは0.1〜2%である。
本発明の水処理剤(P)は、各種工場廃水(紙パルプ、染色、自動車、金属加工、製鉄、食品、砂利採取、半導体関連及びクリーニング工業等の工場からの廃水)や下水等又は該工場廃水等の処理で生じた有機性汚泥又は無機性汚泥に添加することで、従来にない特異的なCOD低減効果やろ液の清澄性向上効果(脱色)、ケーキ発生量及びケーキ含水率の低減効果を示す。
本発明の水処理方法は、前記の水処理剤(P)と汚泥又は廃水とを混合する工程を含む水処理方法であり、水処理剤(P)を用いた水処理方法としては、下記のような方法が挙げられる。
(1)汚泥または廃水に、(P)を添加、撹拌して混合し、(A)が不溶化するpHに調整した後、析出物を固液分離する方法。
(2)汚泥または廃水に、(P)を添加、撹拌して混合し、さらに高分子凝集剤を添加、撹拌して混合し、粗大フロックを形成させ固液分離する方法。
(3)汚泥または廃水に、(P)を添加、撹拌して混合し、さらに有機凝結剤及び/又は無機凝結剤を添加、撹拌して混合し、必要に応じてpH調整した後、さらに高分子凝集剤を添加、撹拌し、粗大フロックを形成させ固液分離する方法。
これらの処理方法(1)〜(3)のうちで、より粗大なフロックが形成され固液分離が容易になる観点から好ましくは(2)及び(3)の処理方法である。
固液分離の方法としては、例えば、重力沈降、膜ろ過、カラムろ過、加圧浮上、濃縮装置(例えばシックナー等)及び脱水装置(例えば、遠心分離器、ベルトプレス脱水機及びフィルタープレス脱水機等)等が利用できる。なお、汚泥または廃水のpHが低く(A)が溶解しない場合は、有機凝結剤の添加前に汚泥または廃水のpHを調整しておくことが好ましい。
該処理方法(3)で無機凝結剤を使用する場合、該無機凝結剤としては前記の無機凝結剤が挙げられ、2種類以上併用することもできる。有機凝結剤についても前記他の有機凝結剤を併用することもできる。これら併用の場合のいずれにおいてもその添加方法は特に限定されず、有機凝結剤と無機凝結剤の併用の場合は、いずれかを先に逐次添加、同時に添加、又は予め混合したものを添加、のいずれでもよく、本発明の水処理剤と他の有機凝結剤の併用の場合も同様である。
上記処理方法(2)、(3)で使用する高分子凝集剤としては特に限定はなく、カチオン性、ノニオン性、アニオン性、両性のいずれでもよく、またこれらを組み合わせて使用することもできる。
カチオン性高分子凝集剤としては、ポリエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリルアミドのマンニッヒ変性物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級化物の単独重合体又は(メタ)アクリルアミド等の他の単量体との共重合体及びその他前記のカチオン性モノマー(a)を構成単位として含む(共)重合体等が挙げられる。
ノニオン性高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
アニオン性高分子凝集剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリルアミドの加水分解物、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリル酸ナトリウム・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム共重合体及びその他前記のアニオン性モノマー(c)を含む(共)重合体等が挙げられる。
両性高分子凝集剤としては、カチオン性モノマー[ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級化物及びその他前記のカチオン性モノマー(a)等]とアニオン性モノマー[(メタ)アクリル酸(塩)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸(塩)及びその他前記のアニオン性モノマー(c)等]及び必要によりノニオン性モノマー(アクリルアミド等)との共重合体が挙げられる。
これらの中で、(A)との荷電中和性能を有し、析出を促進するとの観点から好ましくはカチオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤である。
また、併用する有機凝結剤や無機凝結剤等を、(A)の荷電当量を上回って添加する場合はアニオン性高分子凝集剤および両性高分子凝集剤が好ましい。
上記高分子凝集剤の分子量は、1N−NaNO3水溶液中30℃で測定した固有粘度で表され、カチオン性高分子凝集剤は凝集性能(フロック粒径およびフロック強度)の観点から、好ましくは2〜30dl/g、更に好ましくは3〜20dl/gであり、ノニオン性高分子凝集剤は同様の観点から、好ましくは5〜40dl/g、更に好ましくは8〜30dl/gであり、アニオン性高分子凝集剤は同様の観点から、好ましくは2〜40dl/g、更に好ましくは4〜30dl/gである。
汚泥または廃水に水処理剤(P)を添加する際のpHは、(A)の親水性の観点からpH4.5以上が好ましい。(P)を添加撹拌後、pHを4.5以下に調整、あるいは(A)の荷電を中和して(A)を疎水化することにより溶解性COD低減等の本発明の効果をより発揮させることができる。すなわち、アニオン基によって水和していた(A)が、上記作用によって疎水化し、吸着していたCOD成分を不溶化させることができる。
水処理剤(P)を汚泥または廃水に添加する方法としては、均一混合の観点から(A)を水溶液にした後に汚泥または廃水に添加して十分に撹拌することが好ましいが、(A)をそのまま汚泥または廃水に添加して撹拌、混合してもよい。(A)を水溶液として用いる場合は、(A)の濃度は好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
(A)の溶解方法および溶解後の希釈方法は特に限定はされないが、例えば予め秤りとった水を、後述のジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の(A)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解させる方法等が採用できる。
水処理剤(P)の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の含有量及びCOD成分量等によって異なり、特に限定はされないが、COD低減性能の観点から、共重合体(A)の使用量が廃水及び汚泥の重量に対して、好ましくは0.0001%以上となる量であり、更に好ましくは0.0003%以上、特に好ましくは0.0005%以上であり、1%以下、更に好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.3%以下である。
本発明の水処理方法において、さらに無機及び/又は有機凝結剤を廃水に添加する場合の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の大きさ及び廃水中のTS並びにCOD成分量等によって異なる。
無機凝結剤は、廃水の重量に対して、下限は好ましくは0.001%以上、更に好ましくは0.005%以上、特に好ましくは0.01%以上であり、上限は好ましくは1%以下、更に好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.5%以下である。0.001%以上であればCOD低減性能が良好であり、1%以下であればスラッジ発生量が低減できる。
有機凝結剤では、COD低減性能の観点から、廃水の重量に対して下限は好ましくは0.0001%以上、更に好ましくは0.0003%以上、特に好ましくは0.0005%以上であり、同様の観点から好ましい上限は0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下、特に好ましくは0.1%以下である。
上記(2)、(3)の処理方法において、本発明の水処理剤で処理後の汚泥または廃水に高分子凝集剤を添加する方法としては特に限定はなく、高分子凝集剤をそのまま添加してもよいが、均一混合の観点から好ましくは高分子凝集剤を水溶液にした後に該汚泥または廃水に添加する方法である。高分子凝集剤を水溶液として用いる場合、高分子凝集剤の濃度は、好ましくは0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はなく、上記有機凝結剤の場合と同様である。特に粉末状の高分子凝集剤を水に溶解する際、一度に高分子凝集剤を加えるとままこを生じて水に溶解しにくくなるため好ましくない。
上記(2)、(3)の処理方法において、汚泥または廃水に添加する際の高分子凝集剤の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の含有量および高分子凝集剤の分子量等によって異なり、とくに限定はされないが、汚泥または廃水の重量に基づいて凝集性能の観点から、好ましくは0.0001%以上、更に好ましくは0.0002%以上、特に好ましくは0.0003%以上、最も好ましくは0.0004%以上であり、同様の観点から、好ましくは0.5%、更に好ましくは0.3%、特に好ましくは0.2%、最も好ましくは0.1%である。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
実施例におけるTOCは(株)アナリティクイエナジャパン製multi N/C 3100を用いて測定した。
CODはJIS K−0102(1998年度版)に記載のCODMn分析方法に準じてCODMnを測定した。
GPC測定は次の測定条件に従って測定した。
<GPC測定条件>
GPC機種:HLC−8320GPC、東ソー(株)製
カラム :TSK gel G60000 +TSK gel G−3000、東ソー(株)製
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリエチレンオキシド(TSKstandard POLYETHYLENE OXIDE)、東ソー (株)製
(A)のpH5.020℃の水に対する溶解度は、塩酸を用いてpHを5.0に調整した20℃のイオン交換水100gを200mlビーカーにとり、(A)5gを添加し、室温20℃でマグネチックスターラーで1時間攪拌した。1時間後、G3ガラスフィルターでろ過し、ろ液を130℃、90分の条件で乾燥した時の蒸発残留物が1%以上であることを確認した。
実施例に使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
(1)水溶性アニオンモノマー
(a−1):メタクリル酸
(a−2):2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(2)水溶性ノニオン性モノマー
(b−1):メトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は9、20℃の水への溶解度が1g以上/水100g)(新中村化学社製:M−90G)
(b−2):ステアリルポリエチレングリコールメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は25、20℃の水への溶解度が1g以上/水100g)(BASF社製:SPEGMA1100)
(b−3):メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート
(ポリプロピレングリコールの重合度は3、20℃の水への溶解度が1g以上/水100g)(新中村化学社製:M−30PG))
(3)疎水性モノマー
(c−1):ラウリルメタクリレート(20℃の水への溶解度が1g未満/水100g)
(c−2):ステアリルメタクリレート(20℃の水への溶解度が1g未満/水100g)
(c−3):スチレン(20℃の水への溶解度が1g未満/水100g)
(c−4):ブチルメタクリレート(20℃の水への溶解度が1g未満/水100g)
(c−5):ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
(ポリエチレングリコールの重合度は4、20℃の水への溶解度が1g未満/水100g)(日油社製:ブレンマーPLE−200)
(c−6):ラウロキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート
(ポリプロピレングリコールの重合度は4、20℃の水への溶解度が1g未満/水100g)
なお、前記疎水性モノマーの20℃の水への溶解度は、20℃のイオン交換水100gと疎水性モノマー1gとの混合物を24時間静置した後、水層を高速液体クロマトグラフ等で分析し水層中のモノマー量を定量し、水溶液中のモノマー濃度を計算することで確認した。
(4)高分子凝集剤
(F−1):サンフロックCDS−019(三洋化成工業(株)製カチオン高分子凝集剤)
<製造例1>
撹拌機、温度センサー、冷却管、滴下ロート及びマントルヒーターを備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール(以下IPAと略記)190部、イオン交換水68部を投入し、撹拌下、加熱し還流させた。滴下口から開始剤溶液としてIPA80部、イオン交換水20部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記)2.0部の混合溶液を、もう一方の滴下口からモノマー溶液として(a−1)140部、(b−1)172部、(c−1)88部、IPA180部、イオン交換水60部の均一混合液を、フラスコ内を80〜85℃で撹拌下、それぞれ4時間でフラスコ内に同時に滴下した。滴下後、同温度で2時間熟成し、IPA80部、イオン交換水20部、AIBN2.0部の均一混合液を、80〜85℃のフラスコ内に1時間で滴下し180分同温度で熟成した。その後、水1000部をフラスコ内に投入し、水酸化ナトリウム(48%含有)136部を1時間で滴下した。続いて、100℃まで昇温してIPAを除去し、共重合体(A1)を含有してなる水処理剤(P−1)1680部を得た。該水溶液は、固形分含量26.8%、pH7.2、(A1)の重量平均分子量[Mw]は30,000であった。
<製造例2〜10>
[水処理剤(P−2)〜(P−10)の製造]
実施例1において、モノマー溶液の配合組成、開始剤溶液中のAIBNの重量、重合槽溶液組成及び水酸化ナトリウム水溶液(48%含有)を表1に基づいて代えたこと以外は実施例1と同様にして、各水処理剤を得た。結果を表1に示す。
Figure 2019063785
<製造例9>
比較用として以下の方法で水処理剤(RP−1)を得た。
Sigma−Aldrichより購入したポリ(4−ビニルフェノール)(Mw〜11000)をイオン交換水に分散させ、水酸化ナトリウム水溶液(48%)を添加して溶解させ、PVP純分5重量%、pH12.0のポリビニルフェノール水溶液を得た。これを水処理剤(RP−1)とした。
<製造例10>
比較用として以下の方法で水処理剤(RP−2)を得た。
特公昭64−10278に準じて合成し、純分10重量%のメラミン・アルデヒド酸コロイド溶液を得た。これを水処理剤(RP−2)とした。
<製造例11>
比較用として以下の方法で水処理剤(PR−3)を得た。
特許4786569号公報の製造例1に準じて合成し、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DAM)とスチレンの共重合物を19%の濃度で含む水溶液を得た。これを水処理剤(RP−3)とした。
<TOC除去評価>
<実施例1〜10、比較例1〜4>
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンセチルエーテルの混合物(三洋化成工業(株)製;エマルミン140)を100mg/Lとなるように水道水に溶解させたものを対象水とした。この対象水のTOCは75ppmであった。
(P−1)〜(P−10)、(RP−1)〜(RP−3)は固形分濃度が5重量%となるように予め水道水で希釈しておいた。
対象水500mLをビーカーに採取し、撹拌下、それぞれに(P−1)〜(P−10)、 (RP−1)〜(RP−3)の固形分濃度5重量%の水溶液を表2に示す薬剤添加量となるように添加し、3分撹拌した。続いて硫酸バンド(8重量%水溶液)を有姿で表2に示す添加量となるように添加し、3分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.5〜7.5に調整した。続いて、撹拌を継続したまま、高分子凝集剤としてサンフロックCDS−019(F−1)の0.2%水溶液を固形分濃度10ppmとなるように添加し3分間撹拌した。上澄み液をNo.5Cろ紙でろ過し、ろ液のTOCを測定した。
(P−1)〜(P−10)、(RP−1)〜(RP−3)を水処理剤として用いたものをそれぞれ実施例1〜10及び比較例1〜3とした。比較例4は硫酸バンドと高分子凝集剤(F−1)のみを使用して同様の操作を行った。
得られたTOCの値から、TOC除去率を下記の式に基づいて算出し、非イオン性界面活性剤の除去性能を評価した。得られた結果を表2に示した。
TOC除去率=(処理前のTOC値−処理後のTOC値)/処理前のTOC値×100
Figure 2019063785
<実施例11〜20、比較例5〜7>
対象廃水を、非イオン性界面活性剤を含むCOD220ppmの化学工場廃水に代え、使用薬剤の添加量を表3に記載の薬剤添加量に変更したこと以外は実施例1〜10、比較例1〜4と同様に操作し、得られたCODの値から、COD除去率を下記の式に基づいて算出し、COD低減性能と除去率を評価した。得られた結果を表3に示す。
COD除去率=(処理前のCOD値−処理後のCOD値)/処理前のCOD値×100
Figure 2019063785
<実施例21〜30、比較例8〜10>
ポリビニルアルコールを含むCOD1100ppmの染色工場廃水を対象に評価を行った。対象廃水を、ポリビニルアルコールを含むCOD1100ppmの染色工場廃水に代え、使用薬剤の添加量を表4に記載の薬剤添加量に変更したこと以外は実施例1〜10、比較例1〜4と同様に操作し、得られたCODの値から、COD除去率を下記の式に基づいて算出し、COD低減性能と除去率を評価した。得られた結果を表4に示す。
COD除去率=(処理前のCOD値−処理後のCOD値)/処理前のCOD値×100
Figure 2019063785
表2〜4の結果から、本発明の水処理剤(P)は比較のものに比べて、溶解性COD成分の除去性能に優れていることが分かる。さらに、廃水中のCODが大幅に低減でき、また無機凝結剤の使用量を低減できることが分かる。
本発明の水処理剤は、従来のものと比較して、高いCOD成分の除去効果を示すことから、下水等または工場廃水等の有機性成分を有する廃水の処理剤として使用することができる。
また、その他の用途としては、例えば土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理剤、発生土の土壌改質剤、製紙用薬剤(例えば製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤および紙力増強剤)、原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)、分散剤、スケール防止剤、凝結剤、脱色剤、増粘剤、帯電防止剤および繊維用処理剤が挙げられ、これらのうち特に土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理剤、発生土の土壌改質剤および製紙用薬剤として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される水溶性アニオンモノマー(a)及び/又は下記一般式(2)で表される水溶性ノニオン性モノマー(b)と、20℃の水への溶解度が1g未満/水100gの疎水性モノマー(c)とを構成単量体として含有する共重合体(A)を含む水処理剤(P)。
    CH=CR−X・Y (1)
    [式中、RはH又はメチル基であり、XはCOO、SO 、CSO 又はCONHC(CHCHSO であり、Yは1価の陽イオンを表す。]
    CH=CR−CO−(OZ)−OR (2)
    [式中、RはH又はメチル基であり、RはHまたは炭素数1〜30のアルキル基であり、Zは炭素数が2又は3のアルキレン基であり、nが2以上の場合、複数のOZは同一でも異なっていてもよく、nは1〜30の整数を表す。]
  2. 疎水性モノマー(c)が1価の(メタ)アクリロイル基含有化合物及び芳香環含有1価ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の水処理剤。
  3. 共重合体(A)の構成単量体において、水溶性アニオンモノマー(a)と水溶性ノニオン性モノマー(b)の合計重量と疎水性モノマー(c)の重量との比{[(a)+(b)]/(c)}が、10/90〜98/2である請求項1又は2記載の水処理剤。
  4. 前記共重合体(A)の20℃の水に対する溶解度が1g以上/水100gである請求項1〜3記載の水処理剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の水処理剤と汚泥又は廃水とを混合する工程を含む水処理方法。
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