JP7343143B2 - ポリスチレン化合物 - Google Patents
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[式中、Tgは2成分の共重合体のガラス転移温度を示し、Tg1及びTg2は、それぞれ第1成分の単独重合体のガラス転移温度及び第2成分の単独重合体のガラス転移温度を示し、W1及びW2は、それぞれ第1成分の重量割合及び第2成分の重量割合を示す。]
[式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を示す。]
[式(3)中、R2は、水素原子又はメチル基を示し、R4はハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子からなる群より選択される少なくとも一種を含む置換基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)を示し、mは0以上4以下の整数を示す。mが2以上である場合、複数のR4は同一であっても異なっていてもよい。]
[式(4)中、R2は、水素原子又はメチル基を示す。]
本実施形態のポリスチレン化合物は、下記式(1)で表される構成単位(第1の構成単位)と、カルボキシル基を有する構成単位(第2の構成単位)と、を有する。ポリスチレン化合物は、第1の構成単位として、一種の構成単位を有していてよく、二種以上の構成単位を有していてもよい。また、ポリスチレン化合物は、第2の構成単位として、一種の構成単位を有していてよく、二種以上の構成単位を有していてもよい。
[式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を示す。]
[式(2)中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Xは単結合又は2価の連結基を示す。]
[式(3)中、R2は、水素原子又はメチル基を示し、R4はハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子からなる群より選択される少なくとも一種を含む置換基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)を示し、mは0以上4以下の整数を示す。mが2以上である場合、複数のR4は同一であっても異なっていてもよい。]
[式(4)中、R2は、水素原子又はメチル基を示す。]
[式(5)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、R7はハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子からなる群より選択される少なくとも一種を含む置換基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)を示し、nは0以上4以下の整数を示す。nが2以上である場合、複数のR7は同一であっても異なっていてもよい。]
[式(6)中、*は結合手を示す。]
本実施形態のポリスチレン化合物は、例えば、スチレン(第1の化合物)と、エチレン性不飽和結合を有する基(以下、「エチレン性不飽和基」という)及びカルボキシル基を有する第2の化合物と、場合により、エチレン性不飽和基を有する第3の化合物(但し、第1の化合物及び第2の化合物を除く)とを含むモノマー成分を、公知の手法により重合させることで得られる。この場合、ポリスチレン化合物における第1の構成単位は第1の化合物由来の構成単位であり、第2の構成単位は第2の化合物由来の構成単位であり、第3の構成単位は第3の化合物由来の構成単位である。重合の形式は、例えば、ラジカル重合であってよい。
[重合体1の合成]
10mL重合管に、4-ビニル安息香酸(以下、「VBA」という)を1.78g、スチレン(以下、「St」という)を0.624g、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という)を29.5mg、及び、テトラヒドロフラン(以下、「THF」という)を6.0mL加え、攪拌し、均一溶液を得た。その後、凍結脱気を4回行い、70℃で48時間攪拌した。これにより、VBAとStとを重合させた。得られた反応溶液を予め冷却しておいたメタノールで急冷し、反応を停止させた。クロロホルム300mLを用いて再沈殿を行い、吸引ろ過により回収した固体を減圧乾燥し、白色の粉末固体として、重合体1(VBAとStのランダム共重合体)を得た。
核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、得られた重合体1におけるVBA由来の構成単位とSt由来の構成単位との合計に占める、VBA由来の構成単位の割合及びSt由来の構成単位の割合を求めた。結果を表1に示す。
重合体の数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを、ポリスチレンを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、分子量分布Mn/Mwを求めた。結果を表1に示す。
重合体1を密閉型アルミニウムパンに秤量し、セイコーインスツルメンツ株式会社製の示差走査熱量測定装置(DSC)(商品名:EXSTAR6000 DSC6200)を用いて、重合体1のTg(Tg実測)を測定した。また、FOXの式に基づき、重合体1のTgの理論値(TgFOX)を算出し、ΔTg(Tg実測-TgFOX)を求めた。結果を表1及び図1に示す。なお、図1の横軸は、VBA由来の構成単位とSt由来の構成単位との合計に占めるVBA由来の構成単位の割合(単位:mol%)を示し、図1の縦軸は、重合体のTg(単位:℃)を示す。
VBAの配合量を1.11gに変更し、Stの配合量を0.782gに変更し、AIBNの配合量を24.1mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例1と同様にして、重合体2(VBAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体2について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
VBAの配合量を0.741gに変更し、Stの配合量を1.04gに変更し、AIBNの配合量を24.7mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したことたこと以外は、実験例1と同様にして、重合体3(VBAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体3について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
VBAの配合量を0.667gに変更し、Stの配合量を1.09gに変更し、AIBNの配合量を24.7mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例1と同様にして、重合体4(VBAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体4について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
VBAの配合量を1.48gに変更し、AIBNの配合量を16.4mgに変更し、THFの配合量を3.3mLに変更したこと、及び、Stを用いなかったこと以外は、実験例1と同様にして、重合体5(VBAの単独重合体)を得た。また、得られた重合体5について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
VBAを用いなかったこと、及び、Stの配合量を1.46gに変更し、AIBNの配合量を23.3mgに変更し、THFの配合量を4.7mLに変更したこと以外は、実験例1と同様にして、重合体6(Stの単独重合体)を得た。また、得られた重合体6について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
10mL重合管に、メタクリル酸(以下、「MA」という)を0.646g、Stを0.751g、AIBNを24.9mg、及び、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という)を5.0mL加え、攪拌し均一溶液を得た。その後、凍結脱気を4回行い、70℃で48時間攪拌した。これにより、MAとStとを重合させた。得られた反応溶液を予め冷却しておいたメタノールで急冷し、反応を停止させた。クロロホルム300mLを用いて再沈殿を行い、吸引ろ過により回収した固体を減圧乾燥し、白色の粉末固体として、重合体7(MAとStのランダム共重合体)を得た。
MAの配合量を0.861gに変更し、Stの配合量を0.522gに変更し、AIBNの配合量を24.6mgに変更し、DMFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例7と同様にして、重合体8(MAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体8について、実験例7と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。
MAの配合量を0.259gに変更し、Stの配合量を1.25gに変更し、AIBNの配合量を25.2mgに変更し、DMFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例7と同様にして、重合体9(MAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体9について、実験例7と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。
MAの配合量を1.03gに変更し、AIBNの配合量を19.9mgに変更し、DMFの配合量を6.0mLに変更したこと、及び、Stを用いなかったこと以外は、実験例7と同様にして、重合体10(MAの単独重合体)を得た。また、得られた重合体10について、実験例7と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。
10mL重合管に、VBAを1.11g、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)を0.751g、AIBNを24.6mg、及び、THFを5.0mL加え、攪拌し、均一溶液を得た。その後、凍結脱気を4回行い、70℃で24時間攪拌した。これにより、VBAとMMAとを重合させた。得られた反応溶液を予め冷却しておいたメタノールで急冷し、反応を停止させた。クロロホルム300mLを用いて再沈殿を行い、吸引ろ過により回収した固体を減圧乾燥し、白色の粉末固体として、重合体11(VBAとMMAのランダム共重合体)を得た。
VBAの配合量を1.48gに変更し、MMAの配合量を0.50gに変更し、AIBMの配合量を24.5mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例11と同様にして、重合体12(VBAとMMAのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体12について、実験例11と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。
VBAの配合量を0.667gに変更し、MMAの配合量を1.05gに変更し、AIBNの配合量を24.5mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例11と同様にして、重合体13(VBAとMMAのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体13について、実験例11と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。
VBAを用いなかったこと、及び、MMAの配合量を1.50gに変更し、AIBNの配合量を24.6mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例11と同様にして、重合体14(MMAの単独重合体)を得た。また、得られた重合体14について、実験例11と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。
Claims (3)
- 下記式(1)で表される第1の構成単位と、カルボキシル基を有する第2の構成単位と、下記式(6)で表される末端構造と、を有するポリスチレン化合物であって、
前記第2の構成単位は、下記式(4)で表される構成単位であり、
前記ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準とする前記第2の構成単位の含有割合が、50mol%以上80mol%以下であり、
前記第1の構成単位と前記第2の構成単位との合計に占める、前記第2の構成単位の割合が50~80mol%であり、
前記第2の構成単位が有するカルボキシル基を除き、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む官能基を有しない、ポリスチレン化合物(ただし、前記第1の構成単位として、下記式(1)中のR1がメチル基であるものを有する場合を除く。)。
- 数平均分子量が10,000以上500,000以下である、請求項1に記載のポリスチレン化合物。
- 前記第1の構成単位及び前記第2の構成単位とは異なる第3の構成単位を有しないか、又は、前記ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準とする前記第3の構成単位の含有割合が10mol%以下である、請求項1又は2に記載のポリスチレン化合物。
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