JP2008188544A - 水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、微細な懸濁物(Suspended Solid。以下SSとも言う。)を含む原水から凝集沈澱によってSSを除去し清澄な処理水を得る方法を提供する。
【解決手段】 原水中に、珪酸源とカチオン性樹脂を添加し、pHが6〜10に調整して懸濁物質を凝集沈澱させることを特徴とする水処理方法である。
また、珪酸源が、珪酸又はアルカリ金属珪酸塩であることが好ましく、さらに、SiO換算の珪酸源100質量部に対し、カチオン性樹脂を固形分で10〜100質量部添加することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、微細な懸濁物(Suspended Solid。以下SSとも言う。)を含む原水から凝集沈澱によってSSを除去し清澄な処理水を得る技術に関する。
SSを含み濁った原水を処理して清澄な処理水を得る技術は、上水の処理でも用いられているが、土木・建築、紙パルプ、食品、染色工業などの分野において排水の処理技術としても重要である。処理された排水は、工業用水としてリサイクルできるとともに、環境に排出しても汚染の懸念が少ない。特に多量の水を使用する製紙分野では、低コストで、処理効率の高い水処理技術が強く望まれている。
一般的な処理技術としては、原水に凝集剤を添加してSSを凝集させ、沈澱したSSを分離する凝集沈澱法が広く行われている。凝集剤としては無機系のものと有機系のものがあり、排水の性状に応じて選択され、或いは組み合わせて使用される。
無機系の凝集剤としては、硫酸アルミニウム、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、塩化鉄などが知られている。有機系では、ノニオン性のもの、アニオン性のもの、及びカチオン性のいずれも使用されており、ノニオン系ではポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどが、アニオン性ではポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、マレイン酸共重合体などが、カチオン性ではポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、アミジン系カチオン性樹脂、カチオン変性ポリアクリルアミド、キトサンなどが用いられている。
無機系の凝集剤は凝結剤と呼ばれることもあるが、SS表面の電荷を中和することにより、SS同士の静電気反発を少なくし、凝集させる作用が強い。また、上記有機系の凝集剤はSS間を架橋することにより、大きく沈降速度の速いフロックを形成する効果が強い。
しかしながら、原水の性状は多岐にわたり、凝集剤の選択のみでは対応できないことも多く、またより低コスト化の要望も強いため、種々の改良が行われている。例えば特許文献1においては、製紙白水に4級アンモニウム基を有する陽イオン性界面活性剤とモンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物を添加し、汚濁物質を除去する方法が開示されている。特許文献2にはシリカ含有溶液に長鎖アルキルアミン系の界面活性剤を酢酸処理した有機系の捕集剤とアニオン系の高分子凝集剤を添加してシリカを凝集沈澱せしめる方法が開示されている。特許文献3には特に難沈降性物質を含む排水を高度に処理する際に有効な凝集剤として有機又は無機凝集剤とベントナイトを組み合わせることが記載されている。また特許文献4では荷電中和作用を有する凝集剤と、沈降促進剤と、高分子凝集剤を含有することを特徴とする粉末凝集剤が開示されている。これらの方法は作用の異なる薬剤を効果的に組み合わせて性能、効率、コストを改良する方法ということができるが、さらなる改良が求められている。
製紙業界では古紙パルプ製造工程から排出されるフィルターろ水や、抄紙工程から排出される抄紙ワイヤーろ水など、白水と称する排水が大量に発生する。この中には、パルプの微細繊維以外に、填料、顔料、インク、バインダー樹脂、粘着物などが含まれており、再利用に努めているが、一層の再利用促進のためには効果的な水処理技術の登場が望まれている。
特開平03−119189号公報 特開平07−516814号公報 特開2005−074296号公報 特開2000−135407号公報
本発明は、SSを含む原水から凝集沈澱によってSSを除去し清澄な処理水を得る技術において、効果及びコストに優れた新規な方法を提供しようとするものである。
本発明者は、カチオン性樹脂であるポリアリルアミン、ポリL-シリン塩酸塩、ポリL-アルギニンにより、珪酸モノマーが短時間で重合してカチオン性の有機無機ハイブリッドシリカが短時間で生成することに着目した。
ここで有機無機ハイブリッドシリカとはカチオン性樹脂分子とシリカとが分子レベル、又は10nm未満のナノレベルで結合して、一体化されているものを指す。
本発明者が、さらに検討した結果、カチオン性樹脂は必ずしも上記三種類に限定されることはなく、一般的なカチオン性樹脂はどれも同様の現象を起すことを確認した。
さらに、SSを含む原水中でこの反応を行うと、極めて短時間でSSが凝集沈降することがわかり、凝集沈澱の方法として利用できることを見出し本発明に至った。
凝集沈澱が起こるメカニズムは定かではないが、珪酸モノマーがカチオン性樹脂の作用で重合する際、まず非常に微細な有機無機ハイブリッドシリカの一次粒子が生成し、一次粒子が二次粒子を生成する過程で、周囲のSSを取り込みながら凝集すると考えられる。
本発明は以下の態様を含む。
(1)原水中に、珪酸源とカチオン性樹脂を添加し、pHが6〜10に調整して懸濁物質を凝集沈澱させることを特徴とする水処理方法。
(2)珪酸源が、珪酸又はアルカリ金属珪酸塩である(1)記載の水処理方法。
(3)SiO換算の珪酸源100質量部に対し、カチオン性樹脂を固形分で10〜100質量部添加する(1)又は(2)に記載の水処理方法。
(4)原水が製紙白水である(1)〜(3)のいずれかに記載の水処理方法。
本発明により、SSを含む原水から清澄な処理水を効率的にかつ低コストで得ることができる。特に製紙白水のように量が多く、かつSS濃度も高いために処理コストが問題となる排水の処理に有用である。
本発明で用いる珪酸源とは、モノマー状珪酸又はオリゴマー状珪酸、或いはその混合物か、又は水中で加水分解や中和などにより、モノマー状珪酸又はオリゴマー状珪酸を発生するものである。
モノマー状珪酸、又はオリゴマー状珪酸は、アルコキシシラン又はアルカリ金属珪酸塩などから以下の方法で得ることができる。アルコキシシランから得られる珪酸は、例えば、テトラメトキシシランを加水分解して得られる珪酸が挙げられるが、これに限るものではない。この方法で得られる珪酸は最も安定であるが、コストの点ではアルカリ金属ケイ酸塩から得られる珪酸より劣る。アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシランなどを用いることができ、これらのアルコキシシランが縮合したオリゴマーでもよく、これらのアルコキシシランを単独で又は混合して使用する。これらのアルコキシシランの中ではテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが比較的安価であり好ましい。加水分解はこれらのアルコキシシランを水中に添加し、攪拌することにより行われる。テトラメトキシランは比較的加水分解速度が速いが、それ以外のアルコキシシランは加水分解速度が遅いため、酸触媒または塩基触媒で加水分解を促進することが好ましい。酸触媒の場合にはpHを2以下にすることが好ましく、酸の種類は問わないが、通常塩酸が用いられる。塩基触媒の場合にはpHを9以上にすることが好ましく、塩基の種類は問わないが、通常水酸化ナトリウムやアンモニア水が用いられている。
アルカリ金属珪酸塩から珪酸を得る一例として、アルカリ金属珪酸塩水溶液を水素型陽イオン交換樹脂でイオン交換してpH約2〜4の珪酸溶液を得る方法が挙げられる。この方法で得られる珪酸はアルカリ金属イオンがほとんど除去されているため、ゲル化の進行が遅く比較的安定である利点がある。さらに、アルカリによりpHを8〜9に調整するとさらに安定性が向上する。製造時の条件にもよるが、SiO換算濃度が4〜5%の場合には25℃で約一週間使用しうる。
アルカリ金属珪酸塩としては、SiO/MO(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)モル比として2〜4程度のナトリウム水ガラスを用いるのが価格も安く好ましいが、これに限定されるものではなく、オルト珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムなど市販工業製品として入手できるものを単独あるいは併用して使用することもできる。
イオン交換をする時のアルカリ金属珪酸塩の濃度は、SiO換算濃度として0.1〜7質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。SiO濃度が7質量%を超える場合、イオン交換樹脂塔内での溶液の増粘が著しくなり処理が困難になる。一方、SiO濃度が0.1質量%未満の場合、アルカリ金属珪酸塩水溶液や珪酸の貯蔵用タンクを大きくする必要があるし、添加用ポンプも大型になるなど設備面での負担が増える。
珪酸を得る三番目の方法として、アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを酸性物質で下げる方法が挙げられる。この方法は簡単であるが、珪酸中に多量のイオンを含むため安定性が劣る。それを回避するためにはpHを下げた後、速やかに使用すれば良い。そのためには酸性物質の混合をインラインミキサーで行う方法が好ましい。酸性物質添加後のpHを2〜10にすると、凝集沈澱を行う際のpH調整が容易であるので好ましい。
アルカリ金属珪酸塩水溶液の濃度は、0.1〜7質量%であることが好ましく、1〜5質量%であれば特に好ましい。7質量%を超える場合には酸性物質添加後の安定性が極端に低下し、添加前にゲル化して設備の故障につながる懸念がある。SiO濃度が0.1%未満の場合、アルカリ金属珪酸塩水溶液や珪酸の貯蔵用タンクを大きくする必要があるし、添加用ポンプも大型になるなど設備面での負担が増える。
酸性物質としては、無機酸及び有機酸が使用でき特に限定されない。例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、メタリン酸、縮合リン酸、ホウ酸、炭酸、スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)、カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、サリチル酸など)などが挙げられる。好ましくは、硫酸または塩酸である。また、強酸の酸性塩や、強酸と弱塩基の塩、例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなども使用できる。
上記方法で得られる珪酸を原水に添加する方法の他に、水中で加水分解や中和などによりモノマー状珪酸やオリゴマー状珪酸を生成する物質を原水に添加しても良い。アルコキシシランは水中で加水分解により珪酸を生成するし、アルカリ金属珪酸塩は中和より、モノマー状珪酸又はオリゴマー状珪酸を生成するので、原水に直接添加することができる。ただし、アルコキシシランは加水分解速度が遅いものが多いので、予め加水分解して添加する方法の方が好ましい。
カチオン性樹脂としては分子内に1級〜3級アミノ基、又は4級アンモニウム基を含有する水溶性ポリマーが好ましい。代表的なカチオン性樹脂としては、ポリリシン、ポリアルギニンなどのカチオン性ポリペプチド、キトサン、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、1級〜3級アミノ基や4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレートの重合物、1級〜3級アミノ基や4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体の重合物、ビニルアミン重合物又はその誘導体、アリルアミン重合物又はその誘導体、ジアリルアミン重合物、ジアリルメチルアミン重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物、アクリルアミド−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン性樹脂、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン性樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、アクリロニトリルとN−ビニルホルムアミド共重合体の加水分解物、ポリビニルアミジン系樹脂等のカチオン性樹脂が例示でき、単独又は数種類を組み合わせて使用しても良い。1級〜3級アミノ基を有するカチオン性樹脂については、通常、塩酸塩などの塩の形で供給されているが、フリーのアミンの形でも良い。これらのカチオン性樹脂の中ではポリアリルアミンが少量の添加ですむので好ましい。
上記カチオン性樹脂の分子量に特に限定はなく、1×10〜1×10程度である。一般に、高分子凝集剤においては分子量が高いほうが凝集効果が高いとされているが、分子量が高いと水溶液粘度が高いので、溶解が困難な場合があり、高粘度用ポンプが必要になるなどの問題がある。しかし、本発明では、カチオン性樹脂が直接凝集効果を発揮するわけではなく、有機無機複合シリカの生成過程に随伴してSS分の凝集が起こるため、分子量が1×10〜5×10程度のカチオン性樹脂も好適に使用できる。
原水に珪酸源とカチオン性樹脂を添加する方法は、a)原水に予め製造した珪酸とカチオン性樹脂を添加するか、b)原水に水溶性珪酸塩、及びカチオン性樹脂を添加するか、又はa)とb)の方法を併用することにより行うことができる。a)における珪酸とカチオン性樹脂の混合の順番はどちらが先に添加しても良く、同時に添加しても良い。ただし、原水中に含まれることが多いアニオン性物質によってカチオン性樹脂が消費されることを防止するためには、珪酸の方を先に添加するか、珪酸とカチオン性樹脂を同時に添加することが好ましい。b)の方法においても水溶性珪酸塩、及びカチオン性樹脂の添加順序に特に制限はないが、原水中に含まれることが多いアニオン性物質によってカチオン性樹脂が消費されることを防止するためには、カチオン性樹脂を最後に添加することが好ましい。
珪酸源とカチオン性樹脂の割合は、SiO換算の珪酸源100質量部に対し、カチオン性樹脂を固形分で10〜100質量部添加することが好ましい。カチオン性樹脂が10質量部より少ないと、複合化されない珪酸の割合が増えるので不経済である。また100質量部より多いと、複合化されないカチオン性樹脂が多量に残存し不経済である。原水中のカチオン樹脂濃度は10ppm〜500ppmが好ましい。
原水中に、珪酸源及びカチオン性樹脂を混合後し、凝集沈澱を行う時のpHは重要であってpH6〜10である必要がある。好ましくはpH7〜9である。pH6未満、或いはpH10より高いと、凝集沈澱が起こらない。理由は定かではないが、一般に低いpH或いは高いpHでは珪酸のゲル化速度が低下することが知られているので、その現象と関係があると推定される。凝集沈澱を行う時のpHを6〜10にする方法はどのような方法でも良い。例えば、予め、珪酸源又はカチオン性樹脂のpHを調整しておき、原水中に添加後にpH6〜10になるようにしても良いし、原水中に珪酸源又はカチオン性樹脂を添加後、pHが6〜10になるように酸やアルカリで調整すれば良い。
酸としては無機有機を問わず使用できる。例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)、リン酸、メタリン酸、カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、サリチル酸など)などが挙げられる。また、強酸の酸性塩や、強酸と弱塩基の塩、例えば硫酸アルミニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなども使用できる。中でも環境への負荷が少ない硫酸または塩酸が好ましい。
アルカリについても無機有機を問わず使用でき、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミンなどが挙げられる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムは環境への負荷が少ないので好ましい。また弱酸と強塩基の塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウムなども使用可能であり、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムはpHが6〜8の間で緩衝作用があるので好都合である。
凝集沈澱を行う設備に制約はなく、タンク、沈降槽、セトラー、ラグーンなどで行うことができる。
尚、凝集沈澱を行う際に、多価のアニオン又はポリアニオンが存在すると、カチオン性樹脂がミクロな層分離を起し、カチオン性有機無機ハイブリッドシリカの形態に影響を与え、凝集沈澱にとって好ましい効果を示す場合がある。多価のアニオンとしては、二価、好ましくは三価以上のアニオンであれば良いが、リン若しくは硫黄原子を含む多価アニオンが好ましく、その例として、リン酸イオン(PO4 3-)、ピロリン酸イオン(P2O7 4-)、リン酸一水素イオン(HPO4 2-)、次リン酸イオン(P2O6 4-)、亜リン酸イオン(HPO3 2-)、ピロ亜リン酸イオン(H2P2O4 2-)、トリポリリン酸イオン(P3O10 5-)、トリメタリン酸イオン(P3O9 3-)、テトラメタリン酸イオン(P4O12 4-)、硫酸イオン(SO4 2-)、亜硫酸イオン(SO3 2-)、チオ硫酸イオン(S2O3 2-)、二チオン酸イオン(S2O6 2-)、三チオン酸イオン(S3O6 2-)、四チオン酸イオン(S4O6 2-)、が挙げられる。
また、ポリアニオンとしては有機の高分子化合物、オリゴマー、低分子化合物に分けられるが、高分子化合物又はオリゴマーとしては、分子内にカルボン酸基やスルホン酸基などのアニオン性官能基を2つ以上有するものであればよく、その例としては、ポリアクリル酸又はその共重合体、ポリメタクリル酸又はその共重合体、ポリスチレンスルホン酸又はその共重合体、ポリビニルスルホン酸又はその共重合体、ポリグルタミン酸、酸化セルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ペクチン、ヒアルロン酸等の天然及び合成のポリアニオンなどがある。これら代表的な有機ポリアニオン以外にも、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、リン酸基、ホウ酸基を有する有機高分子電解質も例示される。
低分子化合物としては、例えばクエン酸、オキサル酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ酢酸、ニトリロスルホン酸、β-アラニン-N,N-ジ酢酸、4−アミノ安息香酸-N,N-ジ酢酸、β-アミノエチルスルホン酸-N,N-ジ酢酸、β-アミノエチルホスホン-N,N-ジ酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチ
ルエーテルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などの2つ以上のカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基を有する化合物が挙げられる。
以下に、本発明の更に詳しい説明を実施例により行うが、本発明はそれらによって限定されるものではない。尚、%は質量%を意味する。
実施例1
ポリアリルアミン塩酸塩〔日東紡(株)製、PAA−HCl−3L、分子量15,000、濃度50%〕48mgを水で50gに希釈し、次いで1M水酸化ナトリウムでpHを7に調整した。SiO濃度1%の三号珪酸ソーダ水溶液(東曹産業(株)製)8gに水42gを加えて希釈し、さらに1M塩酸を添加してpHを8.8に調整し、珪酸水溶液を得た。製紙白水のモデルとして、カオリンを250ppm含む懸濁液300gを500mlビーカーに入れ、マグネチックスターラーで300回転/分で攪拌しながら、まず珪酸水溶液を一時に加え、10秒後に上記のポリアリルアミン塩酸塩水溶液を一時に添加した。10秒間攪拌した後、攪拌を停止し、60秒後にデカンテーションで50mlの上澄み液を採取し、セントラル科学(株)から販売されているHACH 2100AN Turbidimeterにより濁度を測定した。この時のpHは8.4であった。同様に、上記1M塩酸添加量を調節することにより、凝集沈澱時のpHを6.8、9.4に変化させた実験も合わせて行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いたカオリンを250ppm含む懸濁液300gを500mlビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら、水100gを追加し、次いで1M水酸化ナトリウムでpHを8.4に調整した。さらにマグネチックスターラーで300回転/分で20秒間攪拌した後、60秒間静置し、デカンテーションで50mlの上澄み液を採取し、濁度及びpHを測定した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1で用いたポリアリルアミン塩酸塩48mgを水100gに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.6に調整した。実施例1と同様に、カオリンを250ppm含む懸濁液300gを500mlビーカーに入れ、マグネチックスターラーで300回転/分で攪拌しながら、前記ポリアリルアミン塩酸塩水溶液を一時に添加した。10秒間攪拌した後、攪拌を停止し、60秒後にデカンテーションで50mlの上澄み液を採取し、濁度及びpHを測定した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1で用いたSiO濃度1%の三号珪酸ソーダ水溶液8gに水92gを加えて希釈し、さらに1M塩酸を添加してpHを8.5に調整して珪酸水溶液を得た。実施例1と同様に、カオリンを250ppm含む懸濁液300gを500mlビーカーに入れ、マグネチックスターラーで300回転/分で攪拌しながら、前記珪酸水溶液を添加し、10秒間攪拌した後、攪拌を停止し、60秒後にデカンテーションで50mlの上澄み液を採取し、濁度及びpHを測定した。結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、珪酸水溶液を得るときのpH調整用1M塩酸の添加量を増やして、凝集沈澱を行う時のpHが5.5になるよう調整したこと以外は実施例1と同じ操作を行った。上澄み液の濁度及びpHを測定し、結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、三号珪酸ソーダ水溶液のpH調整を行わずそのまま用いて、凝集沈澱を行う時のpHが10.3になるようにしたこと以外は実施例1と同じ操作を行った。上澄み液の濁度及びpHを測定し、結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、SiO濃度1%の三号珪酸ソーダ水溶液の量を4g、16g、32gとし、それぞれに水を加えてどれも50gになるようにし、1M塩酸でpHを調整して凝集沈澱を行う時のpHが8.4になるよう調整したこと以外は同じ操作を行った。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で用いた、SiO濃度1%の三号珪酸ソーダ水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕が充填されたカラムに通じてSiO濃度1%、pH3.2の珪酸水溶液を調製した。この珪酸8gに水42gを加えて希釈し、さらに1M水酸化ナトリウムを添加してpHを8.8に調整し、珪酸水溶液としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
実施例4
テトラメトキシシラン(関東化学製)608mgをpH2の塩酸10gに混合し、10分放置して加水分解を行った。これに水40gを混合し、さらに1M水酸化ナトリウムを添加してpHを8.8に調整し、珪酸水溶液とした。ジアリルジメチルアンモニウムクロライド〔センカ(株)製、ユニセンスCP−101、分子量30,000、濃度30%〕240mgを水で50gに希釈した。カオリンを250ppm含む懸濁液300gを500mlビーカーに入れ、マグネチックスターラーで300回転/分で攪拌しながら、前記珪酸水溶液を添加して混合し、続いて前記ジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を一時に添加した。10秒間攪拌した後、攪拌を停止し、60秒後にデカンテーションで50mlの上澄み液を採取し、濁度を測定した。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1で用いたポリアリルアミン塩酸塩80mgを水50gに溶解した。カオリンを250ppm含む懸濁液300gを500mlビーカーに入れ、マグネチックスターラーで300回転/分で攪拌しながら、SiO濃度0.16%の三号珪酸ソーダ水溶液50gを添加して混合し、続いて前記ポリアリルアミン塩酸塩水溶液を一時に添加した。さらに1M塩酸でpHを8.4に調整し、10秒間攪拌した後、攪拌を停止し、60秒後にデカンテーションで50mlの上澄み液を採取し、濁度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008188544
実施例1が示しているように、カオリンを含む懸濁液に、珪酸とカチオン樹脂の両方を添加すると、短時間でカオリンが凝集沈殿し、清澄な処理水が得られた。一方、珪酸とカチオン樹脂の片方を欠く場合にはほとんど効果がなかった(比較例2、比較例3)。また、凝集沈澱を行う時のpHの影響を調べた結果、pHが6〜10の範囲で効果的に凝集沈澱が起こった。凝集沈澱時のpHが6未満(比較例4)やpHが10を超える(比較例5)場合にはほとんど効果がなかった。
珪酸としては、水溶性珪酸を酸で処理して得られたものばかりでなく、水溶性珪酸塩水溶液を水素型イオン交換樹脂で処理して得られたものや(実施例3)、テトラメトキシシランを加水分解して得られたものでも、効果が見られた(実施例4)。また実施例5のように、カオリンを含む懸濁液に、珪酸源として水溶性珪酸塩水溶液を添加し、pHを調整することで珪酸を発生させても良かった。
本発明は、SSを含む原水からSSを除去し、清澄な処理水を得たい場合に有効に利用できる。SSを含む原水は、土木・建築、紙パルプ、食品、染色工業などの分野において多量に発生しており、その処理技術として利用できる。特に、多量の工業用水が必要な製紙業界において有用である。

Claims (4)

  1. 原水中に、珪酸源とカチオン性樹脂を添加し、pHが6〜10に調整して懸濁物質を凝集沈澱させることを特徴とする水処理方法。
  2. 珪酸源が、珪酸又はアルカリ金属珪酸塩である請求項1記載の水処理方法。
  3. SiO換算の珪酸源100質量部に対し、カチオン性樹脂を固形分で10〜100質量部添加する請求項1又は請求項2に記載の水処理方法。
  4. 原水が製紙白水である請求項1〜3のいずれかに記載の水処理方法。
JP2007026813A 2007-02-06 2007-02-06 水処理方法 Pending JP2008188544A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011132605A1 (ja) * 2010-04-20 2011-10-27 デュプロ精工株式会社 脱墨装置及び古紙再生処理装置
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JP2019214037A (ja) * 2018-06-07 2019-12-19 三洋化成工業株式会社 水処理方法及び水処理剤

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