JP5596662B2 - 高分子凝集剤 - Google Patents
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Description
また、廃水等の脱水に対しては、ポリアクリルアミド等のノニオン性高分子凝集剤、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムコポリマー等のアニオン性高分子凝集剤が広く使用されている。
これらの高分子凝集剤の製造方法としては、水溶液重合法、薄膜重合法、逆相懸濁重合法、沈殿重合法及び乳化重合法等が知られている。
また、脱水ケーキを焼却処分する際の焼却処分費用の高騰、脱水ケーキをそのまま埋め立て処分する際の埋め立て地の逼迫した状況から、脱水ケーキ含水率の低減を実現することができる高分子凝集剤が望まれている。
本発明の目的は、難脱水性の有機性汚泥等の脱水処理において、緻密で低含水率のフロックを形成させて汚泥の脱水処理効率を大幅に向上できる高分子凝集剤を提供することにある。
−0.40 ≦ ln [η] / ln Vs≦ 0.55 [1]
[式中、[η]は1N−NaNO3水溶液中30℃での固有粘度、Vsは4重量%NaCl水溶液中25℃での、0.5重量%塩水溶液粘度を表す。]
(1)有機性汚泥の脱水処理において緻密で低含水率のフロックを形成する。
(2)形成されたフロックは破壊、再分散されにくいため凝集処理の安定性や処理速度を著しく高めることができる。
(3)脱水工程後のケーキ含水率が低く廃棄物量および焼却処理コストを低減できる。
本発明における水溶性ポリマー(A)は、下記の関係式[1]を満足する。
−0.40 ≦ ln[η] /lnVs ≦ 0.55 [1]
上記関係式[1]中、[η]は1N−NaNO3水溶液中30℃での固有粘度(単位はdl/g)、Vsは後述の方法で測定される4重量%NaCl水溶液中25℃での0.5重量%塩水溶液粘度(単位はmPa・s。以下0.5%塩水溶液粘度ということがある)を表し、ln[η]/lnVsは、[η]の自然対数とVsの自然対数との比を表す。
該比が−0.40未満または0.55を超えると、水溶性ポリマーの凝集性能が悪くなる。
なお、本発明において、水溶性ポリマーもしくは後述の水溶性モノマーとは、水に対する溶解度が2g以上/水100g(20℃)であるものを意味し、また、本発明における凝集性能とは、フロック強度、ろ過速度、フロック緻密性、脱水ケーキ含水率等で評価される高分子凝集剤の性能を意味するものとする。
ここで水溶性ポリマーの水中での拡がりに関しては、溶液中における高分子の拡がりと分子量、固有粘度の関係を表す下記の<桜田−Houwinkの式>を参考にした。(「高分子の分子物性(下)」中島章夫、細野正夫共著、(株)化学同人刊、314−319頁、「レオロジーの世界」尾崎邦宏著、(株)工業調査会刊、86頁等参照)
[η]= KMα <桜田−Houwinkの式>
式中、[η]は固有粘度、Mは高分子の分子量、K、αは高分子の種類、溶媒、温度などにより定まる定数を表す。
式中のαは高分子鎖の形状に関わる因子であるため、<桜田−Houwinkの式>から、ln[η]/lnMが高分子鎖の形状に関わる因子、すなわち高分子鎖の拡がりを表す因子に該当することが導かれる。
高分子凝集剤としての水溶性ポリマーの場合、容易に分子量を測定することができないため、代替指標である0.5%塩水溶液粘度VsをMに置き換え、ln[η]/lnVsを水溶性ポリマーの水中での拡がりを表す因子とした。
ここで、0.5%塩水溶液粘度Vsとは前記のとおり、高濃度(4重量%NaCl)の塩水溶液中における水溶性ポリマーの粘度であり、水溶性ポリマーの分子量を表す代替指標として日常的に用いられるものである。すなわち、高分子凝集剤に用いられる水溶性ポリマーは、水中においてはポリマー鎖に存在するイオン性基による静電的な反発や水和によって該ポリマー鎖が拡がった状態をとっている。一方、高濃度の塩水溶液中では、電解質成分により高分子鎖の静電的な反発や水和が抑えられ、ポリマー鎖が限界まで縮まった状態をとるため、水溶性ポリマーの分子量を表す代替指標となるものと一般的に考えられている。
前記実験と考察の結果、水溶性ポリマーの水中での拡がりを表すln[η]/lnVs比が−0.40〜+0.55の範囲にある水溶性ポリマーがとくに優れた凝集性能を示すことを本発明において見出した。
(a)のオクタノール/水分配係数が1.0以上では、高分子凝集剤として用いた際に形成されるフロックの再分散がより起きにくく、含水率が一層低下しやすく好ましい。また、該係数が6.0以下では水溶性ポリマー(A)の水溶性がさらに良好で汚泥をより十分に凝集させて一層強固なフロックが形成されることから好ましい。
なお、本発明において疎水性モノマーとは、20℃の水への溶解度が2g未満/水100gのモノマーであるものを意味する。
上記(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基および/またはメタアクリロイル基を意味し、以下同様の記載法を用いる。
(a11)(メタ)アクリル酸エステル
炭素数(以下、Cと略記)5以上かつ数平均分子量[以下、Mnと略記、測定は後述の測定条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]500以下、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルケニルエステル、および(メタ)アクリル酸ポリオキシプロピレンエステル:具体例としては、(メタ)アクリル酸−メチル、−エチル、−ブチル、−イソブチルおよび−2−エチルヘキシル、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)(分子量134以上かつMn400以下)のモノ(メタ)アクリル酸エステル;
N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−アルケニル置換(メタ)アクリルアミド、およびN−(ポリ)オキシプロピル置換(メタ)アクリルアミド;例えば、N,N−ジエチル−、N−t−ブチル−、N−2−エチルヘキシル−、N−オクチル−、N−ドデシル−、N−ラウリル−、N−セチル−、N−ステアリル−、N−オレイル−およびN,N−ジ(ポリ)オキシプロピル[(ポリ)オキシプロピル基はプロピレンオキシド(以下POと略記)1〜3モル付加](メタ)アクリルアミド等。
(a21)単環化合物
C8〜13の単環化合物;例えばスチレン、α−およびβ−メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン;
(a22)多環化合物
C12〜15の多環化合物、例えばビニルナフタレン、ビニルナフトール。
(1)式中、R1は下記一般式(2)または(3)で示される基である。
−O−C(=O)R2 (2)
−X1 (3)
(2)式中、R2はC2〜24のアルキル基を表し、該アルキル基としては、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
(3)式中、X1は、C1〜4のアルキル基、ハロゲン原子またはC1〜4のハロゲン化アルキル基を表し、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等;ハロゲン原子としては、F、Cl、Br等;ハロゲン化アルキル基としてはフッ化メチル基、臭化メチル基等が挙げられる。)
(4)式中、R3、R4は下記一般式(5)、(6)、(7)または(8)で示される基であり、R3、R4は互いに同じでも異なっていてもよい。
−O−C(=O)R6 (6)
−C(=O)NH−R7 (7)
−X2 (8)
(9)式中、R8、R9は前記一般式(5)、(6)、(7)または(8)で示される基であり、R8、R9は互いに同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
(a5)の具体例としては、マレイン酸アルキルエステル(マレイン酸ジエチル、マレイン酸エチルプロピル等)、オレフィン(2−ブテン、2−ペンテン等)、ハロゲン化ビニレン化合物(cis−およびtrans−ジクロロエチレン等)が挙げられる。
(10)式中、R10は前記一般式(5)、(6)または(7)で示される基および、下記一般式(11)で示される基である。
(11)式中、X3は、C1〜4のアルキル基、C6〜15の(ヒドロキシ)アリール基、ハロゲン原子またはC1〜4のハロゲン化アルキル基を表し、例えば前記X1のアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様の基;ハロゲン原子としては、Br等;C6〜15の(ヒドロキシ)アリール基としては、フェニル基、アルキルベンゼンアルキルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アルコキシフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
(a6)の具体例としては、例えば、アリルベンゼン、アリルフェノール、臭化アリルが挙げられる。
<GPC測定条件>
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore
HXL−M、東ソー(株)製
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、
東ソー(株)製
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
(b11)窒素原子含有(メタ)アクリレート
C5〜30のもの、例えばアミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(アルキル基はC1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];
(b12)アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C5〜30のもの、例えばN,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン、ジアリルジアルキル(C1〜12)アンモニウム、ジアリルアルキル(C1〜12)ベンジルアンモニウム、N,N−ジベンジルジアリルアンモニウム等;
(b13)アミンイミド基を有する化合物
C5〜30のもの、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド;
下記のもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
(b21) (メタ)アクリレート
C4以上かつMn5,000以下のもの、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル−、ジエチレングリコールモノ−、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ−およびポリグリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]およびアクリル酸メチル;
(b22) (メタ)アクリルアミドおよびその誘導体
C3〜30のもの、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜3)(メタ)アクリルアミド[N−メチル−およびN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(メタ)アクリルアミドのアルキレンオキシド(C1〜2。以下AOと略記)付加物;
(b23) 前記(b1)および(b22)以外の窒素原子含有エチレン性不飽和化合物
C3〜30のもの、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルカルバゾールおよび2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル−およびヒドロキシエチルマレイミドのAO2〜10モル付加物。
下記のもの、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20)塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
C3〜30のもの、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸、マレイン酸AO付加物モノエステル;
(b32) 不飽和スルホン酸
C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシエタン、−プロパンおよび−ブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(b33) (メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(アルキレン基はC1〜3)硫酸エステル(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜50)硫酸エステル等。
また、該(a)と(b)の重量比は、(A)のポリマー鎖の拡がり抑制および(A)の、水への溶解性の観点から好ましくは3/97〜60/40、さらに好ましくは4/96〜45/55、とくに好ましくは5/95〜30/70である。
架橋性モノマー(x)としては、2個またはそれ以上の不飽和基を有する、以下の(x1)〜(x4)、反応性エポキシ基を2個もしくはそれ以上、または不飽和基と反応性エポキシ基を合計で2個もしくはそれ以上有する(x5)、これらの塩[例えば、塩基性モノマーについては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩等、酸性モノマーについては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン(C1〜20、例えばメチルアミン、エチルアミン、シクロヘキシルアミン等)塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
C5〜30のもの、例えばN,N’−メチレンビスアクリルアミド;
(x2) ポリ(2〜4またはそれ以上)(メタ)アクリレート
C8〜30のもの、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール[ポリ(2〜4)](メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;
C4以上かつMn6,000以下、例えばジビニルアミン、多価(2価〜5価またはそれ以上)アミン[C2以上かつMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(C4以上かつMn3,000以下)]のポリ(2〜20)ビニルアミン、ジビニルエーテル、多価アルコール〔C2以上かつMn3,000以下、例えばアルキレン(C2〜6またはそれ以上)グリコール[エチレングリコール(以下、EGと略記)、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等]、ポリオキシアルキレン[C2以上かつMn3,000以下、例えばポリオキシエチレングリコール(以下、PEGと略記)(分子量106以上かつMn3,000以下)、ポリオキシプロピレングリコール(分子量134以上かつMn3,000以下)、ポリオキシエチレン(分子量106以上かつMn3,000以下)/ポリオキシプロピレン(分子量134以上かつMn3,000以下)ブロックコポリマー等]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)(2〜50)グリセリン(以下、GRと略記)、ペンタエリスリトール、ソルビトール、デンプン等〕のポリ(2〜20)ビニルエーテル;
C6以上かつMn3,000以下、例えばジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(C1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、多価アミン(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルエーテル、ポリ(2〜20)(メタ)アリロキシアルカン(C1〜20)(テトラアリロキシエタン等);
(x5) 反応性エポキシ基を2個もしくはそれ以上、または不飽和基と反応性エポキシ基を合計で2個もしくはそれ以上有するもの
C8以上かつMn6,000以下、例えばEGジグリシジルエーテル、PEGジグリシジルエーテル、GRトリグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリレート;
上記アゾ化合物における塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)塩およびアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、水溶性ポリマー(A)の水不溶解分低減の観点からアゾ化合物が好ましい。
(d)は、通常重合系の水相に含有させるが、前記重合方法によっては水相(もしくは分散相)および/または油相(もしくは連続相)のいずれに存在させてもよい。
(f)としては、0.01〜100、好ましくは0.05〜50、とくに好ましくは0.1〜10の連鎖移動定数を有するものが挙げられる。
連鎖移動定数の定義は、ジェー・ブランドルプおよびイー・エッチ・インマーグト編「ポリマー・ハンドブック(第4版)」、ジョンウィレー アンド サンズ刊(J.Brandrup and E.H.Immergut編のPolymerHandbook fourth
edition,JOHN WILEY & SONS)の97〜98頁に記載されている。
本発明における連鎖移動定数は、「高分子合成の実験法」[化学同人(株)、1993年刊行]等に記載されている一般的な方法を用いて測定される、60℃のアクリルアミドへの連鎖移動定数であるものとする。
(1)1価チオール
脂肪族チオール(C1〜20のもの、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、メルカプトコハク酸、システイン、システアミン)、脂環含有チオール(C5〜20のもの、例えばシクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール)、芳香族チオール(C6〜12のもの、例えばベンゼンチオール、チオサリチル酸、チオクレゾール、チオキシレノール、チオナフトール)および芳香脂肪族チオール(C7〜20のもの、例えばα−トルエンチオール)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族ジチオール(C2〜40のもの、例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、n−、i−およびsec−プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール、トリエチレングリコールジチオール、EG−ジ−2−メルカプトエチルエーテル)、脂環式ジチオール(C5〜20のもの、例えばシクロペンタンジチオール、シクロヘキサンジチオール)、芳香族ジチオール(C6〜16のもの、例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)および芳香脂肪族ジチオール(C8〜20のもの、例えばキシレンジチオール)が挙げられる。
すなわち、疎水性分散媒(e)および分散剤(c)を重合槽に仕込み、必要に応じて加熱しながら所定の重合温度(通常20〜100℃、好ましくは30〜80℃)に調整した後、槽内を不活性ガス(例えば窒素)で十分置換する。
一方、1個の不飽和基を有しlogPowが1.0〜6.0である疎水性モノマー(a)、1個の不飽和基を有する水溶性モノマー(b)、ラジカル重合開始剤(d)、必要により連鎖移動剤(f)、および必要により架橋性モノマー(x)を加えたモノマー水溶液を調製し、不活性ガスで十分置換した後、撹拌下で重合槽内に投入し、懸濁させながら重合させる。
モノマー水溶液の投入方法としては、一括投入または滴下のいずれでもよい。また、その際モノマー水溶液としては、(a)、(b)、(d)、並びに必要により加える(f)および/または(x)の均一水溶液としてもよいし、別々の水溶液とした上で、滴下直前で混合してもよいし、別々に同時滴下してもよい。モノマー水溶液等を不活性ガスで置換する方法としては、モノマー水溶液等に不活性ガスをバブリング供給する方法、滴下ライン中でスタティックミキサー等により不活性ガスをブレンドする方法等が挙げられ、重合の均一性の観点からスタティックミキサーで不活性ガスをブレンドする方法が好ましい。
なお、ここにおいて疎水性分散媒とは、水に対する溶解度(20℃)が1g未満/水100gである分散媒を意味する。
(1)炭化水素
脂肪族(C5〜12のもの、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン)、脂環含有(C5〜12のもの、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン)および芳香環含有炭化水素(C6〜12のもの、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン)等]等;
(2)ケトン
脂肪族(C3〜10のもの、例えばメチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、脂環含有(C5〜10のもの、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン)および芳香環含有ケトン(C8〜13のもの、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン)等]等;
(3)エーテル
脂肪族(C4〜8のもの、例えばジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル)、環状(C4〜18のもの、例えばテトラヒドロピリン)および芳香環含有エーテル(C7〜12のもの、例えばアニソール)等]等;
(4)エステル
脂肪族(C3〜10のもの、例えば酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル)、脂環含有(C7〜12のもの、例えば酢酸シクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸メチル)および芳香環含有エステル(C8〜13のもの、例えば安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸n−ブチル、酢酸ベンジル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート)等]等。
ここにおいてHLBとは、Hydrophile−Lipophile Balanceを略記したもので、親水性と親油性とのつり合いを表し、下記の式から求められる[「界面活性剤の合成と其応用」、501頁、1957年槇書店刊;「新・界面活性剤入門」、197−198頁、1992年三洋化成工業(株)刊、等参照]。
HLB=10×(無機性/有機性)
上記式中、( )内は有機化合物の無機性と有機性の比率を表し、該比率は上記文献に記載されている値から計算することができる。
該無水マレイン酸で酸変性されたエチレン・酢酸ビニル共重合体としては、無水マレイン酸をエチレン・酢酸ビニル共重合体に付加したものが挙げられ、無水マレイン酸とエチレン・酢酸ビニル共重合体の重量比は、逆相懸濁粒子の分散安定性および反応物の分子量調整の観点から好ましくは2/98〜30/70、さらに好ましくは5/95〜20/80である。
(c1)と(c2)を併用する場合、粒度分布の観点から好ましい組合せは、多価アルコールの脂肪酸エステルと無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体の組合せ、さらに好ましいのはPEG脂肪酸エステルと無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体の組み合わせである。
ここにおいて両親媒性化合物(g)とは、水およびn−ヘキサンの両方に1g以上(/水またはn−ヘキサン100g)、溶解する化合物であり、(g)としては、下記のC6以下の有機溶媒(g1)、変性シリコーンオイル(g2)および界面活性剤(g3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のものが挙げられる。
アルコール(C1〜6、例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロピルアルコール)、ケトン(C3〜6、例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エーテル[C2〜6、例えばテトラヒドロフラン(THF)]、アミド[C3〜5、例えばジメチルホルムアミド(DMF)]、これらの混合物等;
Mn5,000〜50,000のもの、例えばポリエーテル変性ポリシロキサン[ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン、ポリ(オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレン)変性ポリシロキサン等]、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、およびこれらの混合物;
(g31)ノニオン性界面活性剤
高級脂肪酸エステル(ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレート、オレイン酸ソルビタンエステルエチレンオキシド付加物)、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル(ラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)および長鎖アルキルアルカノールアミド(N,N−ジヒドロキシエチルラウリルアミド等)等;
4級アンモニウム塩(ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等)等;
硫酸エステル(ポリ)オキシエチレン(平均付加モル数1〜30)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシドデシルオキシ硫酸ナトリウム等]エーテルカルボン酸塩(ポリ)オキシエチレン(平均付加モル数1〜30)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、2−ヒドロキシドデシルオキシ酢酸ナトリウム等]、スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等]、リン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(平均付加モル数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩(ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等)等。
およびモノマーのラジカル重合反応を阻害することなく高分子凝集剤としてのポリマーを生成するとの観点から、(a)と(b)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜30%、さらに好ましくは1〜28%、とくに好ましくは5〜25%である。
−0.40 ≦ ln [η] / ln Vs≦ 0.55 [1]
本発明における水溶性ポリマー(A)は、固有粘度[η]と0.5%塩水溶液粘度Vsをともに前記好ましい範囲とすることにより、上記関係式[1]を満足することができるが、該比を前記のさらに好ましい範囲としてより優れた凝集性能を発揮させるとの観点から、前記疎水性モノマー(a)と水溶性モノマー(b)を含有する不飽和モノマーを重合させて(A)を製造するに際して、環構造内に第2級の窒素原子を1個含有する複素環式化合物(h)の存在下で重合させることが、より好ましい。
C2〜20のもの、例えば飽和複素環式化合物(エチレンイミン、アザシクロブタン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等)、不飽和複素環式化合物(ピロール、アザトロピリデン、インドール、イソインドール、カルバゾール等)、およびこれらの誘導体;
C3〜20のもの、例えば飽和複素環式化合物(2−アルキルピラゾリジン、3−アルキルイミダゾリジン、4−アルキルピペラジン等)、不飽和複素環式化合物(イミダゾール、ピラゾール、イミダゾリン、ベンゾイミダゾール、プリン、ポルフィリン、クロリン、コリン等)、およびこれらの誘導体;
C3〜20のもの、例えば環構造内に第2級の窒素原子以外に硫黄原子を有するもの(チアジン、フェノチアジン、イソチアゾリジン、チオモルホリン等)、環構造内に第2級の窒素原子以外に酸素原子を有するもの(モルホリン、イソオキサゾリジン等)、環構造内に第2級の窒素原子以外にセレン原子を有するもの(セレノモルホリン等)、環構造内に第2級の窒素原子以外にテルル原子を有するもの(テルロモルホリン等)、およびこれらの誘導体。
水溶性ポリマー粒子0.80g(固形分換算)を300mlのガラス製ビーカーにとり、該ポリマーとイオン交換水の重量の合計が200.0gとなるようにイオン交換水をすばやく加え、ガラス棒などを用いて該ポリマーが膨潤して均一分散するまで(約1分)撹拌する。この時、該ポリマーがままこにならないように注意する。その後、透明樹脂フィルムでふたをして室温(約20℃)で約20時間静置した後、板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)1枚付き撹拌棒を取り付けたジャーテスターにセットし、120rpmで1時間撹拌して測定試料の0.4重量%水溶液を調製する。該測定試料を25±2℃に温度調整した後、曳糸性測定器の、吊り下げ糸の下端に取り付けられたガラス製回転楕円体(以下ガラス球という)(短径7mm、長径11mm。長径方向に吊り下げる。)をガラス球の長径上端が測定試料の液面直下に位置するように浸漬し、15秒間保持した後、16mm/秒の速度でガラス球を引き上げ、ポリマー水溶液の糸が切れるまでの、液面からガラス球下端までの距離を測定する。測定試料におけるガラス球の浸漬位置を変更して、測定を10回繰り返し、平均値を算出し、曳糸長L(mm)の値とする。
本発明の高分子凝集剤(P)は、前記関係式[1]を満足する水溶性ポリマー(A)を含有してなる。
本発明の高分子凝集剤は、用途により、適したイオン性のものを用いる。
一般的に、下水汚泥においては、懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中における懸濁粒子表面がマイナス荷電を有していることから、脱水用高分子凝集剤としてはカチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
廃水においては、溶解性有機物等を処理するためにまず無機凝集剤を添加することが多く、その場合、懸濁粒子表面は無機凝集剤で覆われることとなりプラス荷電を有していることから、凝集沈殿処理用高分子凝集剤としては、アニオン性またはノニオン性、およびこれらの混合物が好ましい。
石油の3次回収用としては、比較的大きな分子量を有するものが使用され、アニオン性またはノニオン性、およびこれらの混合物が好ましい。
製紙工程での濾水歩留向上用または紙力増強用としては、カチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
上記のイオン性は、本発明の高分子凝集剤中の、水溶性ポリマー(A)のイオン性に由来するものである。
また本発明の高分子凝集剤が両性高分子凝集剤の場合、該凝集剤中の水溶性ポリマー(A)のカチオンコロイド当量値は、凝集性能の観点から好ましい下限は1.5、より好ましくは1.8、さらに好ましくは2.0、とくに好ましくは2.3、最も好ましくは2.5、凝集性能の観点から好ましい上限は8.0、より好ましくは7.0、さらに好ましくは6.5、とくに好ましくは6.2、最も好ましくは6.0であり;アニオンコロイド当量値は、凝集性能の観点から好ましい下限は−13.0、より好ましくは−10.0、さらに好ましくは−8.0、とくに好ましくは−5.0、最も好ましくは−3.0、凝集性能の観点から好ましい上限は−0.05、より好ましくは−0.1、さらに好ましくは−0.3、とくに好ましくは−0.5、最も好ましくは−1.0である。
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlの三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(長さ40mm、直径5mmの円筒状マグネット、回転数1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解させ、0.2重量%の水溶性ポリマー(A)の水溶液を調製する。500mlのビーカーに該調製水溶液10mlをとり、全体の重量(水溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、水溶性ポリマー(A)の固形分含量は、粉末状の試料約1.0gをシャーレ(直径100mm、深さ10mm)に秤量(W1)して、循風乾燥機中、105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
測定試料100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、赤紫色が30秒間保持される時点を終点として滴定量(単位はml)を求める。
(3)アニオンコロイド当量値の測定
測定試料100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら、N/10水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、さらにN/200メチルグリコールキトサン水溶液5mlを加えた後、5分間撹拌する(その時のpH約10.5)。TB指示薬を2〜3滴加え、上記(2)と同様にして滴定量(単位はml)を求める。
(4)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外は(2)または(3)と同様の操作を行い、滴定量(単位はml)を求める。
(5)計算方法
コロイド当量値(meq/g)=(1/2)×(試料の滴定量−空試験の滴定量)
×(N/400PVSKの力価)
(B)の0.5%塩水溶液粘度(mPa・s)は、凝集性能および工業上の観点から好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜80である。
(B)の0.2%水溶液粘度(mPa・s)は、凝集性能および工業上の観点から好ましくは50〜1,000、さらに好ましくは100〜800である。
(B)の曳糸長L(mm)は、ノニオン性およびアニオン性ポリマーでは、工業上および凝集性能の観点から好ましくは20〜200、さらに好ましくは40〜150、カチオン性および両性高分子凝集剤では、同様の観点から好ましくは5〜100、さらに好ましくは6〜80である。
(B)の曳糸長と固有粘度の比L/[η]は、工業上および凝集性能の観点から好ましくは1〜8、さらに好ましくは1.5〜7、とくに好ましくは2〜5である。
上記添加剤(C)全体の使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて、通常50%以下、(C)の添加効果および凝集性能(とくにフロック強度)の観点から好ましくは1〜40%、さらに好ましくは2〜30%である。
各添加剤の使用量については、上記と同様の重量に基づいて、通常、消泡剤は5%以下、キレート化剤は30%以下、pH調整剤は10%以下、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ5%以下、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ5%以下;上記と同様の観点から好ましくは、消泡剤は1〜3%、キレート化剤は2〜10%、pH調整剤は1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ0.1〜2%である。
また、本発明の高分子凝集剤(P)は、凝集性能(フロック強度、ろ過速度等)向上の観点から、該(P)以外の他の高分子凝集剤(Q)を併用してもよい。該(Q)には特願2011−48186明細書に記載の高分子凝集剤[本明細書では(Q1)と称する]、特願2011−55783明細書に記載の高分子凝集剤[本明細書では(Q2)と称する]等が含まれる。該(Q1)は、水溶性不飽和モノマーを構成単位とする水溶性ポリマー、および1〜8個のカルボキシル基を有する芳香環含有カルボン酸および/またはその塩を含有してなる高分子凝集剤であり、(Q2)は、ハロゲンイオンを対イオンとする3級アミン塩基または4級アンモニウム塩基を有する水溶性不飽和モノマーを必須モノマーとする水溶性不飽和モノマーを含有する不飽和モノマーが、2〜10個のカルボキシル基を有する飽和脂肪族ポリカルボン酸および/またはその塩の存在下で、ラジカル重合されてなる水溶性ポリマーを含有する高分子凝集剤である。
これらの方法のうち、凝集性能(フロック強度、ろ過速度等)向上の観点から好ましいのは粉末状の(P)と(Q)をあらかじめ混合後、水に溶解しこれを汚泥または廃水に添加する方法である。
本発明の高分子凝集剤(P)の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁粒子の含有量、高分子凝集剤(P)の分子量等により異なるが、特に限定はなく、汚泥または廃水中の蒸発残留物重量(以下、TSと略記)に基づいて、通常0.01〜10%、凝集性能の観点から好ましい下限は0.1%、さらに好ましくは0.5%、とくに好ましくは1%、処理費用の観点から好ましい上限は5%、さらに好ましくは3%、とくに好ましくは2%である。
(P)の溶解方法としては、特に限定されることはなく、例えば予め秤り取った水をジャーテスターなどの撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の(P)を徐々に加え、数時間(約2〜4時間程度)かけて溶解させる方法等が採用できる。
粉末状の(P)を水に溶解させる際に、所定量の(P)を一気に加える方法はままこを生じ、完全に水に溶解させることが困難となることから好ましくない。
無機凝結剤(D1)としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄、消石灰等;有機凝結剤(D2)としては、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合物塩酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−マレイン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−シトラコン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−イタコン酸、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−フマル酸共重合体等が挙げられる。
pHの調整方法としては、特に限定されることはなく、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等)等の酸性物質や苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等のアルカリ性物質を用いる方法が挙げられる。また、前記の無機および/または有機凝結剤を汚泥または廃水に予め加えることで、上記pHに調整することもできる。
(1)1個の不飽和基を有しオクタノール/水分配係数(logPow)が1.0〜6.0である疎水性モノマー(a)
(a1−1):メタクリル酸メチル(logPow1.4)
(a1−2):メタクリル酸2−エチルヘキシル(logPow 4.5)
(a1−3):N−t−ブチルアクリルアミド(logPow 1.0)
(a1−4):メタクリル酸ブチル(logPow 2.9)
(a1−5):アクリル酸デシル(logPow 5.5)
(a1−6):N−ラウリルアクリルアミド(logPow 5.8)
(a2−1):スチレン(logPow 3.0)
(a3−1):1−ブテン(logPow 2.4)
(a4−1):イソブテン(logPow 2.4)
(a5−1):シクロヘキセン(logPow 2.9)
(2)1個の不飽和基を有しlogPowが6を超える疎水性モノマー(a’)
(a’−1):メタクリル酸ドデシル(logPow 6.7)
(3)1個の不飽和基を有する水溶性モノマー(b)
(b1−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の78.3%水溶液
(b1−2):N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液
(b1−3):ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの65%水溶液[和光純薬工業(株)製]
(b1−4):2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(b2−1):アクリル酸メチル(logPow 0.8)
(b2−2):アクリルアミドの50%水溶液
(b3−1):アクリル酸の80%水溶液
(5)架橋性モノマー(x)
(x2−1)PEG(Mw600)ジアクリレート[商品名「ライトアクリレート14EG−A」]、 共栄社化学(株)製の1%水溶液
(6)連鎖移動剤(f)
(f−1):1−チオグリセロールの1%水溶液
(f−2):エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテルの1%水溶液
(d−1):アゾビスアミジノプロパン塩酸塩[和光純薬工業(株)製、「V−50」
10時間半減期温度:56℃]の10%水溶液
(d−2):4,4’−アゾビス(4―シアノ吉草酸)[和光純薬工業(株)製、「V
−501」、10時間半減期温度:69℃]の10%水溶液(水酸化ナトリ
ウム水溶液でpH7.0に調整したもの。)
(d−3):過酸化水素水の1%水溶液
(d−4):アスコルビン酸の1%水溶液
(d−5):硫酸鉄(II)の1%水溶液
(d−6):ジクミルパーオキサイド
(e−1):n−デカン
(9)分散剤(c)
(c1−1):PEG(Mn300)のジステアリン酸エステル[商品名「イオネット
DS−300」、三洋化成工業(株)製、HLB7.3、Mn800の
低分子分散剤]
(c2−1):後述する製造例1で得られた高分子分散剤(HLB2.1、
Mw15,000)
(10)両親媒性化合物(g)
(g1−1):メタノール
(g3−1):アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム[商品名「エレ
ミノールMON−7」、三洋化成工業(株)製、HLB21.4]
(h1−1)ピロール
(h2−1)ベンゾイミダゾール
(h3−1)チアジン
(h3−2)フェノチアジン
(12)有機凝結剤(D2)
(D2−1)ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド[商品名「スイフロック
SR−2000」、(株)スイレイ製]
(13)芳香族環含有カルボン酸および/またはその塩[特願2011−48186明
細書に記載の「1〜8個のカルボキシル基を有する芳香環含有カルボン酸およ
び/またはその塩(B)」に該当するもの。本願においては(q)の記号を付
す。]
(q−1):トリメリット酸のナトリウム塩の10%水溶液
水溶性ポリマー(A)からなる高分子凝集剤の固形分含量は前記の方法で評価し、その他の項目は下記の方法で評価した。
なお、下水汚泥等中の蒸発残留物重量(TS)、浮遊物質(SS)、有機分(強熱減量)は、「下水試験方法」(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
ジャーテスター[型式「JMD−6HS−A」、宮本理研工業(株)製、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になるように上下に連続して撹拌棒に取り付けた撹拌装置を用い、500mLビーカーにイオン交換水499gを入れ、水温20〜25℃にて300rpmで撹拌下、固形分1.0gの試料を徐々に加えて、3時間かけて完全に溶解させた。その後、得られた水溶液の一部を200mLトールビーカーに移し、25℃の恒温槽に20分間静置して温度調整した後、B型粘度計[型式「TV−10M」、東機産業(株)製、以下同じ。]でM2ローター、30rpmにて、測定開始300秒後の値を0.2%水溶液粘度とした。
上記と同じ撹拌装置を用い、500mLビーカーにイオン交換水477.5gを入れ、水温20〜25℃にて200rpmで撹拌下、固形分2.5gの試料を徐々に加えて、4時間かけて完全に溶解させた。その後、塩化ナトリウム20gを入れ、さらに30分間撹拌して溶解させた。その後、得られた塩水溶液(塩化ナトリウムの濃度は4%)の一部を200mLトールビーカーに移し、25℃の恒温槽に20分間静置して温度調整した後、B型粘度計でM1ローター、60rpmにて、測定開始300秒後の値を0.5%塩水溶液粘度とした。
上記の0.5%塩水溶液粘度を測定した際に調整して水溶液全量を、あらかじめ重量(W3)を測定したふるい(目開き180μm)に全量移し、ろ過した。ろ過後、水道水の流水(流速:約10L/min)でふるい上の残分を3分間洗浄した。洗浄後、ふるいの枠に付着している水分を布などでふき取り、重量(W4)を測定し、次式から水不溶解分量を計算した。
水不溶解分量(g)=(W4)−(W3)
上記の式から求めた水不溶解分量に基づき、下記の基準に従って水溶解性を評価した。
<評価基準>
◎ 水溶解性が非常に良好 (水不溶解分≦5)
○ 良好 (5<水不溶解分≦15)
△ やや悪い (15<水不溶解分≦30)
× 悪い (30<水不溶解分)
300mlのビーカーに汚泥200mlを入れ、上記(1)と同じ撹拌装置にセットした。ジャーテスターの回転数を300rpmとし、徐々に汚泥を撹拌しながら、所定の濃度の高分子凝集剤の水溶液を所定の方法で添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を目視にて観察した。続いて回転数を650rpmに変え、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を再度目視にて観察した。
上記(4)における回転数300rpmおよび650rpmでのフロック粒径を比較し、フロック粒径の変化からフロック強度を下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎ 非常に強固 (粒径に変化なし)
○ 強固 (ごく一部細分化)
△ やや弱い (部分的に細分化)
× 弱い (全体的に細分化)
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、および300mlが計測できるメスシリンダーを用いてろ過装置をセットした。上記(4)のフロック粒径試験後の汚泥をヌッチェろ過面上に一気に全量投入して濾過し、ストップウォッチを用いて投入直後から10秒後および60秒後までに通過したろ液量を測定した。
上記(6)のろ液量計測後のフロック約10gを目皿750μmの篩い上に取り分け、スパーテルで薄く伸ばした後、25℃で5分間静置する。その後、フロック約3gをシャーレに秤量(W5)して、循風乾燥機中、105±5℃、8時間で乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W6)として、次式からろ過後フロックのソリッド率を算出した。該ソリッド率が小さいほどフロックの緻密度が高いことを示すことから、該ソリッド率(%)をフロックの緻密性の指標として評価した。
ろ過後フロックの緻密性(%)=[(W5)−(W6)]×100/(W5)
ろ過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(1kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布に付着した脱水ケーキをスパーテルで剥離させた場合の脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:非常に剥がれやすい(ろ布に付着物なし)
○:剥がれやすい (ろ布に付着物わずかにあり)
△:多少剥がれにくい (ろ布に付着物あり、わずかにろ布内部にまで付着物あり)
×:剥がれにくい (ろ布内部にまで付着物多い)
上記(8)のろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3gをシャーレに秤量(W7)して、循風乾燥機中、105±5℃、8時間で乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W8)として、次式からケーキ含水率を算出した。
脱水ケーキ含水率(%)=[(W7)−(W8)]×100/(W7)
ステンレス製オートクレーブに、エチレン・酢酸ビニル共重合体[商品名「AC−POLY−400」、Honeywell(株)製、酢酸ビニル単位含量14%]171部、無水マレイン酸17.1部、キシレン117.7部を仕込み、100℃まで加熱して均一溶液とし、ポリマー溶液を調製した。別の容器に、ラジカル重合開始剤(d−6)11.8部、キシレン11.8部、n−ドデカンチオール0.092部を仕込み、均一混合して開始剤溶液とした。
150℃に加熱した前記ポリマー溶液に上記開始剤溶液を0.4部/分(ここにおいて「部」を「g」と読み替えた場合はg/分を示す。)の滴下速度で1時間かけて投入し、その後同温度で3時間反応させた後、キシレンを3〜20kPaの減圧下、140〜160℃、2時間でストリッピングして、高分子分散剤(c2−1)(無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体)を得た。
実施例1[高分子凝集剤(P−1)の製造](水溶液重合)
撹拌機を備えた反応容器に、表1に従って、疎水性モノマー(a1−1)、水溶性モノマー(b1−1)、緩衝剤、複素環式化合物(h3−2)、およびイオン交換水を配合したモノマー水溶液[水相(1)]を系内が均一溶液になるまで混合、撹拌した。撹拌下、モノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら硫酸を用いて3.0に調整した。
次に、0℃の恒温水槽中で溶液温度を5℃に調整し、系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した(気相酸素濃度約5ppm)。その後、ラジカル重合開始剤(d−2)、(d−3)、(d−4)、(d−5)、およびイオン交換水を表1に基づいて配合した開始剤水溶液[水相(2)]を加えた原料混合液について、溶液温度5℃で重合を開始させ、重合により発生する熱により溶液温度が上昇し、溶液温度が70℃に達した時点で90℃の恒温槽内に反応容器を入れて10時間保温し重合を完結させた。なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。
その後、得られた含水ゲルを取り出し、ミートチョッパー機[型番「12VR−400K」、ROYAL(株)製、目皿の目開き6mm]により混合、混練、さらにミンチ状に細断し、80℃の熱風で2時間乾燥後、ジューサーミキサーで粉砕して、水溶性ポリマー(A−1)を含有してなる粉末状の高分子凝集剤(P−1)920部を得た(収率92%、固形分含量95%)。配合組成等を表1に示す。
実施例1において、モノマー水溶液を表1、4に基づいて配合したモノマー水溶液に代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。連鎖移動剤を使用する場合は、開始剤水溶液[水相(2)]中に配合した。各高分子凝集剤の配合組成等を表1、4に示す。
[第1工程] 表1に従って、疎水性モノマー(a1−1)、水溶性モノマー(b1−1)、緩衝剤、およびイオン交換水を配合したモノマー水溶液[水相(1)]を室温(20〜25℃)で調製した。さらにスルファミン酸を用いて水相(1)のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら3.0に調整した。別の容器に、ラジカル重合開始剤(d−1)、イオン交換水を表1に従って配合し、開始剤水溶液[水相(2)]を調製した。該水相(1)、(2)を別々に窒素(純度99.999%以上。以下同じ。)を通気して十分に窒素置換(溶存酸素濃度20ppb以下)した。
これらとは別に、撹拌翼(マックスブレンド翼)を備えた反応槽に、疎水性分散媒(e−1)1,770部、分散剤(c1−1)21.3部および(c2−1)5.3部を仕込み、油相を調製した。撹拌翼を340rpmの回転数にて撹拌しながら、反応槽内を窒素置換(気相酸素濃度10ppm以下)した後、80℃まで昇温して30分間保持した後、重合温度である50℃まで冷却した。重合温度に到達後、0.1kPa圧力条件下で、上記水相(1)、(2)を各々滴下ポンプにて25℃で送液し、スタティックミキサーにて連続的に混合しながら、混合液(モノマー水溶液)を反応槽中に2時間かけて全量滴下投入した。その後2時間、50℃で撹拌を継続し逆相懸濁重合させた。
反応系の温度を55℃として、減圧(3〜20kPa)により共沸脱水させてスラリーを得た。該スラリーを減圧ろ過機に供給し固液分離を行った後、固形分を減圧乾燥機中(1.3kPa、40℃×2時間)で乾燥させ、水溶性ポリマー(A−8)からなる乾燥粒子である高分子凝集剤(P−8)を得た。(P−8)の配合組成等を表1に示す。
実施例1において、モノマー水溶液を表2、3に基づいて配合したモノマー水溶液に代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。連鎖移動剤を使用する場合は、開始剤水溶液[水相(2)]中に配合した。各高分子凝集剤の配合組成等を表2、3に示す。
実施例2で得られた水溶性ポリマー(A−2)の粉末状の樹脂粒子20部に対して、比較例2で得られた水溶性ポリマー(RA−2)20部を配合し、25℃で1時間撹拌混合して、水溶性ポリマー(A−2)と水溶性ポリマー(RA−2)の混合物からなる高分子凝集剤(P−21)を得た。(P−21)の配合組成等を表3に示す。
実施例2で得られた水溶性ポリマー(A−2)の粉末状の樹脂粒子30部に対して、比較例2で得られた水溶性ポリマー(RA−3)10部を配合し、25℃で1時間撹拌混合して、水溶性ポリマー(A−2)と水溶性ポリマー(RA−3)の混合物からなる高分子凝集剤(P−22)を得た。(P−22)の配合組成等を表3に示す。
実施例2で得られた水溶性ポリマー(A−2)の粉末状の樹脂粒子36部に対して、有機凝結剤(D2−1)4部を配合し、25℃で1時間撹拌混合して、水溶性ポリマー(A−2)と有機凝結剤(D2−1)の混合物からなる高分子凝集剤(PD−1)を得た。(PD−1)の配合組成等を表3に示す。
[高分子凝集剤(Q−1)の製造]
実施例1において、モノマー水溶液および開始剤水溶液を以下に基づいて調製したモノマー水溶液および開始剤水溶液に代えたこと以外は実施例1と同様にして、高分子凝集剤(Q−1)を得た。(Q−1)の0.5%塩水溶液粘度は、150mPa・s、0.2%水溶液粘度は500mPa・sであった。
<モノマー水溶液の調製>
水溶性不飽和モノマー(b1−3)1,211部、(b2−2)156部、トリメリット酸のナトリウム塩の10%水溶液(q−1)92.6部、緩衝剤13.6部、およびイオン交換水131部を配合した。
<開始剤水溶液の調製>
ラジカル重合開始剤(d−1)13.8部、(d−3)0.23部、(d−4)0.58部、(d−5)0.55部、連鎖移動剤(f−1)0.55部、およびイオン交換水131部を配合した。
<高分子凝集剤(PQ−1)の製造>
実施例2で得られた水溶性ポリマー(A−2)の粉末状の樹脂粒子32部に対して、高分子凝集剤(Q−1)8部を配合し、25℃で1時間撹拌混合して、(A−2)を含有してなる高分子凝集剤(P−2)と高分子凝集剤(Q−1)の混合物からなる高分子凝集剤(PQ−1)を得た。(PQ−1)の評価結果を表3に示す。
実施例1において、モノマー水溶液を表4に基づいて配合したモノマー水溶液に代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。連鎖移動剤を使用する場合は、開始剤水溶液[水相(2)]中に配合した。各高分子凝集剤の配合組成等を表4に示す。
得られた高分子凝集剤をそれぞれイオン交換水に溶解させて固形分含量0.2%の水溶液とした。消化処理したA市処理場から採取した消化汚泥[pH7.4、TS2.9%、SS2.7%、有機分65%、アルカリ度4,543mg−CaCO3/L]200部を500mLのビーカーに採り、上記高分子凝集剤の各水溶液20部を添加(この時の固形分添加量0.7%/TS)し、性能を評価した。結果を表5、6に示す。
Claims (7)
- 1個の不飽和基を有しオクタノール/水分配係数(logPow)が1.0〜6.0である疎水性モノマー(a)とカチオン性モノマーを含有する水溶性モノマー(b)を含有してなり、該(a)と該(b)との重量比が3/97〜33/67である不飽和モノマーを環構造内に第2級の窒素原子を1個含有する複素環式化合物(h)の存在下で重合させた、下記の関係式[1]を満足する水溶性ポリマー(A)[但し、水溶性モノマーが、水溶性の天然高分子、半合成高分子および合成高分子から選ばれる水溶性ポリマーにグラフト化されたグラフト(共)重合体を除く]を含有してなる高分子凝集剤(P)。
−0.40 ≦ ln[η]/lnVS ≦ 0.55 [1]
[式中、[η]は1N−NaNO3水溶液中30℃での固有粘度、VSは4重量%NaCl水溶液中25℃での0.5重量%塩水溶液粘度を表す。] - (a)が、1個の不飽和基を有しオクタノール/水分配係数(logPow)が1.0〜6.0である疎水性モノマーであり、(b)が、1個の不飽和基を有する水溶性モノマーである請求項1記載の高分子凝集剤。
- (A)を構成する不飽和モノマーの全重量に基づく(a)の含有量が、3〜33%である請求項1または2記載の高分子凝集剤。
- さらに、1個の不飽和基を有する水溶性モノマー(b)のみを重合させた水溶性ポリマー(B)を含有させてなる請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤。
- (P)の重量に基づく(B)の含有量が、70%以下である請求項4記載の高分子凝集剤。
- 1個の不飽和基を有しオクタノール/水分配係数(logPow)が1.0〜6.0である疎水性モノマー(a)と、1個の不飽和基を有する水溶性モノマー(b)を含有してなり、該(a)と該(b)との重量比が3/97〜33/67である不飽和モノマーを、環構造内に第2級の窒素原子を1個含有する複素環式化合物(h)の存在下で重合させることを特徴とする水溶性ポリマー(A)を含有してなる高分子凝集剤(P)の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか記載の高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ固液分離する汚泥または廃水の処理方法。
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