JP6073109B2 - 嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法 - Google Patents

嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6073109B2
JP6073109B2 JP2012248465A JP2012248465A JP6073109B2 JP 6073109 B2 JP6073109 B2 JP 6073109B2 JP 2012248465 A JP2012248465 A JP 2012248465A JP 2012248465 A JP2012248465 A JP 2012248465A JP 6073109 B2 JP6073109 B2 JP 6073109B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treated water
added
cationic
treatment
chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012248465A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014094365A (ja
Inventor
専次 亀山
専次 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to JP2012248465A priority Critical patent/JP6073109B2/ja
Publication of JP2014094365A publication Critical patent/JP2014094365A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6073109B2 publication Critical patent/JP6073109B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法に関する。より詳しくは、本発明は、ウイスキー蒸留工場からの着色成分を含有する蒸留残液廃水に嫌気性生物学的処理を施した0次処理水に、特定のカチオン系凝結剤と特定のカチオン系凝集剤を順番に特定の割合で添加し、該着色成分を効果的に凝集させることにより該0次処理水から凝集物を分離・除去して、該廃水を脱色する方法に関する。
一般に、蒸留酒製造工場、例えば、ウイスキー蒸留工場から排出される蒸留残液廃水は、COD濃度が高く、リン濃度も高い、該廃水を嫌気性生物学的処理、その後必要によりアンモニアや窒素成分を除去するための硝化処理をすることで、CODやBODを低下させることができるが、同時に処理水の色度は上昇する。したがって、工場外の環境を悪化させないために、処理水を河川に放流する前に、脱色処理を施さなければならい場合がある。
脱色処理技術としては、従来、凝集剤添加による沈殿処理、生物学的処理(生物処理)、オゾン(O3)処理、次亜塩素酸ソーダ処理、電気分解等が知られているが、生物学的処理は、蒸留酒製造工場廃水に対する色度低減効果が不十分であり、オゾン処理や電気分解は、十分な色度低減効果を得るためには初期投資額が大きい。また、次亜塩素酸ソーダ処理は、脱色効果は高いものの、ランニングコストが高く、活性汚泥処理に悪影響を及ぼす。また、処理水に塩素が混入し、河川等の魚類等に悪影響を及ぼす。したがって、嫌気性生物学的処理を施した処理水の脱色処理技術としては、凝集剤添加による沈殿処理が適しているといえる。
凝集剤添加による沈殿処理としては、例えば、以下の特許文献1〜3に記載の方法を挙げることができる。
特許文献1には、「廃棄される排水を一旦中和処理及び曝気処理等して固液分離処理した後、分離処理した排水中に無機塩系凝集剤と少量のカチオン系高分子凝集剤とを添加して攪拌処理し、該排水中に含まれる着色物質を凝集沈殿させることにより着色している排水を脱色することを特徴とする着色排水の脱色処理方法」が開示されている(請求項1参照)。特許文献1に記載された発明が解決しようとする課題は、次亜塩素酸ソーダのような塩素を含む漂白剤等を用いずに脱色処理することであり、無機塩系凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が使用され、また、カチオン系高分子凝集剤として、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン等の第二アミンとエピクロロヒドリンとの縮重合体又はその変形物が使用されている(同書段落0012参照)。そして引用文献1に記載された発明においては、無機塩系凝集剤とカチオン系高分子凝集剤は共に、同一の第1脱色反応槽内で着色排水に添加されている(同書段落0016〜0019、図2参照)。
特許文献2には、「食品加工着色廃液にカチオン性重縮合物を添加、混合した後、余剰汚泥を混合し、その後カチオン性及び/又は両性重合系高分子を添加、混合し脱水機により脱水することを特徴とする食品加工着色廃液の処理方法」が開示されている(同書請求項1参照)。引用文献2に記載された発明が解決しようとする課題は、塩化第二鉄やポリ塩化アルミニウム等無機系凝集剤と消石灰との組合わせ等を用いた脱色処理では、固液分離後のスラッジが大量に発生し、これを焼却しようとすると塩化水素等腐食性のガスが発生し、多量の燃料が必要なるなどの問題を回避することであり、かかる課題を解決する手段は、特定のカチオン性重縮合物とカチオン系重合系高分子とを組合わせることにより脱色処理することである。使用されるカチオン性重縮合物としては、ジシアンジアミド、シアナミド、グアニジンなどとホルムアルデヒドとの縮合物、あるいは、ジメチルアニリン、ベンジルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物、ジエチレントリアミンやヘキサメチレンジアミンなどのポリアミンとホルムアルデヒドとの縮合物が挙げられている(同書段落00013参照)。また、使用されるカチオン性及び/又は両性重合系高分子としては、アクリル系、ジアリルアミン系、アミジン系あるいはビニルアミン系が挙げられ、ジアリルアミン系として、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物やジアリルモノメチルとアクリルアミドとの共重合物が挙げられている。引用文献2の実施例1〜5では、ジシアンジアミド/ホルムアルデヒド重縮合物に加え、高分子凝集剤リスト(表1)に示すC1〜C−3あるいはA−1〜A2を用いたと記載されているが(同書段落0023参照)、引用文献2には表1等が落丁しており、具体的にどの高分子凝集剤を使用したか不明である。
引用文献2の段落0017〜0018には、「まず着色廃液にカチオン性重縮合物を加え、可溶性着色成分の電荷の中和を行い微細な水不溶化粒子とする。このままの状態では粒子はかなり安定な状態であるので沈殿などなかなか起こらず、分離は難しい。そこで二段階目に使用するカチオン性及び/または両性重合系高分子一部を添加し、微細不溶化粒子を多少成長させ凝集し易くする。この後、食品加工排水汚泥と混合し、カチオン性及び/または両性重合系高分子を添加、混合する。この時汚泥中の粒子が架橋吸着によって凝集フロックを形成する。さらにカチオン性重縮合物によって形成された着色廃液の着色成分からなる微細粒子も汚泥フロックに取りこまれいっしょに凝集し大きな脱水可能なフロックを形成する。汚泥が脱水容易に適度にフロック化するには、汚泥中の親水性コロイド物質の電荷の中和が起き、共存する粗大粒子の架橋吸着作用による凝集が並行して起きる必要がある。食品加工排水汚泥と混合する前に添加する高分子凝集剤の一部は着色排水の不溶化状態によって添加しても、しなくてもよい。その後の処理状態によって決定することが可能である...従って、第一段目のカチオン性重縮合物の分子量は高い必要はないが、第二段目のカチオン性および/または両性重合系高分子の分子量は重要な要素となる。そのため本発明の処理法で使用可能な100万〜2000万で、さらに好ましくは200万〜1500万である。分子量が2000万以上になり、高くなりすぎると上記の凝集機構から考えて、フロックが大きくなり過ぎ返って脱水効率が低下する。」と記載されている。
すなわち、特許文献2においては、一段目で着色廃液にカチオン性重縮合物が添加され、二段階目で使用するカチオン性及び/又は両性重合系高分子一部が添加され、その後、食品加工排水汚泥が混合され、その後、二段目でカチオン性及び/又は両性重合系高分子が添加、混合されている。
特許文献3には、「着色排水に生物学的処理を施して1次処理水を得る生物学的処理工程と、前記1次処理水に対して1000〜5000mg/lの無機凝集剤と、前記無機凝集剤100重量部に対して1〜40重量部の凝結剤と、前記無機凝集剤100重量部に対して0〜1重量部の有機高分子凝集剤と、を前記1次処理水に添加し、生成する凝集汚泥と2次処理水とを分離する凝集沈殿処理工程と、を含むことを特徴とする排水の脱色方法。」が開示されている(同書請求項1参照)。
すなわち、特許文献3に記載された発明においては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸バンド、ポリ硫酸鉄、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤を使用することを教示している(同書段落0017参照)。また、有機高分子凝集剤又は凝結剤として、第2級アミン(ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、ジブチルアミン等)とエピクロロヒドリンとの縮重合体又はその変性物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジシアンジアミド系カチオン性凝結剤、ポリアクリルアミド系カチオン性凝結剤等が挙げられている(同書段落0019参照)。
特開平6−226265号公報 特開2001−162285号公報 特開2003−181491号公報
上記技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、難分解性有機物であることは分かるもののその性状がはっきりしない着色成分を含む、例えば、ウイスキー製造工場等からの蒸留残液廃水の処理において、凝集汚泥量が少なく、かつ、ランニングコストが低く、かつ高い脱色効果を奏する廃水脱色方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験重ねた結果、特定のカチオン系凝結剤とカチオン系凝集剤の組み合わせにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]以下の工程:
着色成分を含有する廃水に嫌気性生物学的処理を施して得た0次処理水に、第一凝集槽内で、カチオン系凝結剤としてポリジアリルジメチル塩化アンモニムを添加し、着色成分の微小フロックを形成させる凝結・1次処理工程、
上記1次処理工程を経た1次処理水に、第二凝集槽内で、カチオン系凝集剤としてジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルを添加し、該微小フロックが集合した粗大フロックを形成させる凝集・2次処理工程、及び
上記2次処理工程を経た2次処理水を、固液分離槽内で、凝集汚泥と3次処理水に分離する固液分離工程、
を含む、
嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法。
[2]前記0次処理水に対するポリジアリルジメチル塩化アンモニムの添加量:前記1次処理水に対するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加量の質量比が2:1である、前記[1]に記載の方法。
[3]前記0次処理水に対するポリジアリルジメチル塩化アンモニムの添加量が10〜30mg/Lであり、かつ、前記1次処理水に対するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加量が3〜16mg/Lである、前記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記着色成分を含有する廃水がウイスキー製造工場からの蒸留残液廃水である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
本発明の廃水の脱色方法では、予め嫌気性生物学的処理を施した0次処理水を凝集剤添加による沈殿処理する、すなわち、色度低減効果を阻害し得るCOD(Chemical Oxygen Demand)やBOD(Biochemical Oxygen Demand)等の有機物が十分に除去された0次処理水に対し、2つの別個の凝集槽内で、カチオン系凝結剤としてポリジアリルジメチル塩化アンモニムを添加し、着色成分の微小フロックを形成させる凝結・1次処理工程と、該1次処理水に、カチオン系凝集剤としてジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルを添加し、該微小フロックが集合した粗大フロックを形成させる凝集・2次処理工程を、順番に行うことにより、無機凝結剤を使用せず、凝集汚泥の生成量を十分に低減することでき、ランニングコストが低く、さらに高水準の色度低減効果を発揮することができる。
本発明の脱色方法の廃水処理の概要を説明するブロック図である。 凝結と凝集の概念図。
以下、本発明を実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の脱色方法の廃水処理の概要を説明するブロック図である。着色成分を含む蒸留残液(廃水)を、pH調整槽1内でpH調整し、嫌気性処理装置2に送り、ここで、CODやBODを除去する。その後、硝化槽3でアンモニアや窒素成分を除去するための硝化処理をし、0次処理水を得る。0次処理水に、第一凝集槽4内で、カチオン系凝結剤としてポリジアリルジメチル塩化アンモニムを添加し、着色成分の微小フロックを形成させて、1次処理水を得る。1次処理水に、第二凝集槽5内で、カチオン系凝集剤としてジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルを添加し、該微小フロックが集合した粗大フロックを形成させて、2次処理水を得る。その後、2次処理水を、固液分離槽6内で、凝集汚泥と3次処理水に固液分離し、3次処理水を、工場内排水とともに曝気槽8内で好気性生物学的処理し、余剰汚泥を、沈殿槽9により沈降分離し、処理水を河川に放流する。凝集汚泥と余剰汚泥を、汚泥脱水機10にかけ、その後、乾燥機11により汚泥を乾燥し、乾燥汚泥を得る。乾燥汚泥を、菌体肥料として売却する。
本発明においては、カチオン系凝結剤は、第一凝集槽4内で、添加され、カチオン系凝集剤は、第二凝集槽5内で、添加される。すなわち、カチオン系凝結剤とカチオン系凝集剤添加は、この順番で、かつ、別個の槽内で行われる。
本発明においては、使用する凝結剤は、カチオン系凝結剤であるポリ・ダドマック(登録商標)、すなわち、ポリジアリルジメチル塩化アンモニム(以下、単に「ダドマック」ともいう。)である。ダドマックの平均分子量は約20万であり、ポリマーである。ダドマックの商品名はNH−FLO 45B、製造元はフランスの凝集剤マーカーであるSMFフロージャー社であり、販売元は日本ヘルス工業株式会社である。
ダドマックは、0次処理水中のコロイド粒子を微小フロックにする作用(凝結作用)を有する。
一般に、無機凝結剤としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等がある。PACは清澄性の向上や上澄SSの低減に効果があり、ポリ硫酸第二鉄は、リン低減や硫化水素低減に効果があるものの、添加量が数百ppmと多くなる。したがって、本発明においては無機凝結剤は必要としない。但し、本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない限り、本発明は、無機凝結剤の添加を排除するものではない。
有機凝結剤としては、本発明に使用するダドマックの他、COD低減に効果があるメラニン酸コロイドや脱色に効果があるジシアンジアミドが知られている。有機凝結剤は、無機凝結剤との併用で効果が増大することが知られている。一般に、有機凝結剤の添加量は数十ppmであり、無機凝結剤に比較して、凝集汚泥の発生量を低減できる。本発明においてはダドマック以外の有機凝結剤は必要としない。但し、本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない限り、本発明は、ダドマック以外の有機凝結剤の添加を排除するものではない。
本発明で使用しうる他の有機凝結剤としては、0次処理水中のコロイド粒子を微小フロックにする作用(凝結作用)を有するもので、例えば、第2級アミン(ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、ジブチルアミン等)とエピクロロヒドリンとの縮重合体又はその変性物、ジシアンジアミド系カチオン性凝結剤、ポリアクリルアミド系カチオン性凝結剤等が挙げられる。また、これらの凝結剤の平均分子量は、通常数千〜数万程度である。
本発明においては、0次処理水に対するポリジアリルジメチル塩化アンモニムの添加量は、好ましくは、10〜30mg/Lである。
本発明において使用するカチオン系凝集剤は、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルである。ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルは、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル4級塩化ホモポリマーを主成分とし、製造・販売元日本ヘルス工業株式会社、商品名ヘルスフロックC904であることができる。
ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルは、上記凝結剤により形成された微小フロックを、吸着・架橋を介して集合させて粗大フロックを形成させる作用(凝集作用)を有する。
高分子凝集剤としては、凝集沈殿処理に幅広く対応するカルボン酸系アニオン性高分子凝集剤、pH変動の大きい廃水に有効とされるスルホン酸系アニオン性高分子凝集剤、酸性廃水に効果が大きいとされるノニオン性高分子凝集剤系、無機凝結剤との併用により、難脱水汚泥に効果が大きいとされる両性高分子凝集剤、ベルトプレス脱水機に効果が大きいとされるメタアクリル酸エステル系カチオン性高分子凝集剤、遠心脱水機に効果が大きいとされるアクリル酸エステル系カチオン性高分子凝集剤が知られている。本発明において使用するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルは、前記したメタアクリル酸エステル系カチオン性高分子凝集剤に属する。
本発明においては、上記凝結剤により形成された微小フロックを、吸着・架橋を介して集合させて粗大フロックを形成させる、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル以外の高分子凝集剤の使用を排除するものではない。ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル以外の高分子凝集剤の平均分子量は通常数十万以上である。
本発明においては、前記1次処理水に対するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加量は、好ましくは3〜16mg/Lである。
また、本発明においては、前記0次処理水に対するポリジアリルジメチル塩化アンモニムの添加量:前記1次処理水に対するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加量の質量比は、好ましくは約2:1である。
前記したように、本発明においては、ポリジアリルジメチル塩化アンモニムは、第一凝集槽4内で、添加され、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルは、第二凝集槽5内で、添加される。すなわち、ポリジアリルジメチル塩化アンモニムとジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加は、この順番で、かつ、別個の槽内で行われる。これにより、図2に示すように、0次処理水中のコロイド粒子を微小フロックにする作用(凝結作用)と、前記凝結剤により形成された微小フロックを、吸着・架橋を介して集合させて粗大フロックを形成させる作用(凝集作用)が効果的に行われ、着色成分の凝集、その後の分離による廃水色度低減効果を高めることができる。
本発明においては、着色成分を含有する廃水は、好ましくは、ウイスキー製造工場からの蒸留残液廃水である。ウイスキー工場における蒸留残液(廃水)中の着色成分は、難分解性有機物であることは分かっているものの、その性状ははっきりしない。また、該廃水にはリンが2〜300mg/Lと多く含まれている。
以下の実施例により、本発明の脱色方法は、着色成分を含有する廃水に由来する嫌気性生物学的処理後の廃水の脱色に適用可能であることは明らかである。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]無機(アルミ系)凝結剤と有機凝結剤の選定試験
まず、アルミ系凝結剤の処方(塩化アルミニウムとアニオン高分子凝集剤)と有機凝結剤の処方(ダドマックとカチオン高分子凝集剤C904)のどちらが脱色に適しているのかを検討した。
ウイスキー製造工場から排出された廃水を嫌気処理した後の嫌気処理水でジャーテストを実施した。その結果、アルミ系凝集剤の処方では、脱色の程度が良く、透明感のある上澄み液が得られたが、9%塩化アルミの添加量が1,000mL/mと多いため、凝集汚泥の発生量は多くなった。これに反し、有機凝結剤の処方では、上澄み液の透明度はアルミ系凝結剤の処方より劣っていたものの、脱色の程度は許容しうる範囲であり、アルミ系凝結剤の処方に比較して、薬注量は、ダドマック:10mg/L、カチオン高分子凝集剤C904:3mg/Lと、少ないため、凝集汚泥の発生量は少なくなった。
以下の表1に、凝結剤としてダドマックを選択した場合と、無機凝結剤(PAC:ポリ塩化アルミニウム)を選択した場合の比較結果を示す。ここで、薬品添加量比及び汚泥発生量比は、ダドマックを1とした場合の比である。また、廃水の色度はどちらも低下した、表1の結果から、ダドマックを選択した方が、薬品添加量及び汚泥発生量の両者を低減できることが分かる。
Figure 0006073109
ランニングコストを比較した結果、有機凝結剤処方のランニングコストはアルミ系凝結剤処方のランニングコストの約40%となることが分かった。
[実施例2]ダドマックと組合わせる凝集剤の選択
有機凝結剤としてダドマックを選択した場合と、無機凝結剤をさらに添加し、かつ、凝集剤をアニオン高分子凝集剤とした場合の比較結果を以下の表2に示す。ここで、薬品添加量比及び汚泥発生量比は、ダドマックを1とした場合の比である。また、廃水の色度はどちらも低下した、表2の結果から、ダドマックを選択した方が、薬品添加量及び汚泥発生量の両者を低減できることが分かる。
Figure 0006073109
[実施例3]ダドマック添加量とカチオン高分子凝集剤C904の添加量の質量比の検討
色度1,545(ユニット)の嫌気処理水に、ダドマックとカチオン高分子凝集剤C904の添加量比を変化させて、処理水の色度の変化を調べた。
結果を以下の表3に示す。
Figure 0006073109
表3から、ダドマックとカチオン高分子凝集剤C904の組合わせを用いる場合、添加量比約2:1で色度(ユニット)を良く低下させることが分かった。
本発明の脱色方法は、無機凝集剤を使用せず、凝集汚泥の生成量を十分に低減することでき、ランニングコストが低く、さらに高水準の色度低減効果を発揮することができるので、ウイスキー蒸留工場からの着色成分を含有する蒸留残液廃水に好適に利用可能である。
1 pH調整槽
2 嫌気性処理装置
3 硝化槽
4 第一凝集槽
5 第二凝集槽
6 固液分離槽
7 原水槽
8 曝気槽
9 沈殿槽
10 汚泥脱水機
11 乾燥機

Claims (3)

  1. 以下の工程:
    着色成分を含有する蒸留残液廃水に嫌気性生物学的処理を施して得た0次処理水に、第一凝集槽内で、カチオン系凝結剤としてポリジアリルジメチル塩化アンモニムを添加し、該着色成分の微小フロックを形成させる凝結・1次処理工程、
    上記1次処理工程を経た1次処理水に、第二凝集槽内で、カチオン系凝集剤としてジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルを添加し、該微小フロックが集合した粗大フロックを形成させる凝集・2次処理工程、及び
    上記2次処理工程を経た2次処理水を、固液分離槽内で、凝集汚泥と3次処理水に分離する固液分離工程、
    を含む、
    嫌気性生物学的処理を施した蒸留残液廃水の脱色方法であって、前記着色成分を含有する蒸留残液廃水がウイスキー製造工場からの蒸留残液廃水である、方法
  2. 前記0次処理水に対するポリジアリルジメチル塩化アンモニムの添加量:前記1次処理水に対するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加量の質量比が2:1である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記0次処理水に対するポリジアリルジメチル塩化アンモニムの添加量が10〜30mg/Lであり、かつ、前記1次処理水に対するジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルの添加量が3〜16mg/Lである、請求項1又は2に記載の方法。
JP2012248465A 2012-11-12 2012-11-12 嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法 Expired - Fee Related JP6073109B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248465A JP6073109B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248465A JP6073109B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014094365A JP2014094365A (ja) 2014-05-22
JP6073109B2 true JP6073109B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=50937934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012248465A Expired - Fee Related JP6073109B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6073109B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105906136B (zh) * 2015-11-03 2018-11-13 云南全成环境工程有限公司 酿造白酒高浓度废水处理方法
CN106242171A (zh) * 2016-08-23 2016-12-21 浙江华昌纺织有限公司 印染废水处理方法
JP6738492B2 (ja) * 2017-07-04 2020-08-12 オルガノ株式会社 水処理方法および水処理装置
CN116891282A (zh) * 2023-09-11 2023-10-17 枣庄丰源环保科技有限公司 一种造纸废水脱色、絮凝沉淀的方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5178770A (en) * 1991-07-12 1993-01-12 Nalco Canada Inc. Method of treating bctmp/ctmp wastewater
US5435921A (en) * 1994-05-09 1995-07-25 Nalco Chemical Company Vinylamine polymers and coagulants for removing color from paper mill effluents
US5620629A (en) * 1995-09-28 1997-04-15 Nalco Chemical Company Colloidal silica/polyelectrolyte blends for natural water clarification
US5601725A (en) * 1995-10-23 1997-02-11 Nalco Chemical Company Hydrophobically modified polymers for sludge dewatering
JP3937102B2 (ja) * 1996-10-22 2007-06-27 栗田工業株式会社 脱墨排水の処理方法
JP4004016B2 (ja) * 2001-05-22 2007-11-07 株式会社荏原製作所 浄水の処理方法
JP2003181491A (ja) * 2001-12-14 2003-07-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd 着色排水の脱色方法
JP4021418B2 (ja) * 2004-02-20 2007-12-12 三洋化成工業株式会社 有機凝結剤および高分子凝集剤
JP2012205979A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Sanyo Chem Ind Ltd 高分子凝集剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014094365A (ja) 2014-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Al-Mutairi et al. Coagulant selection and sludge conditioning in a slaughterhouse wastewater treatment plant
EP0952118B1 (en) Water clarification by addition of colloidal silica followed by addition of polyelectrolyte
JP6378342B2 (ja) 有機性廃水の処理方法
JP4004016B2 (ja) 浄水の処理方法
JPH1057967A (ja) 凝集沈殿法による排水処理方法
JP6073109B2 (ja) 嫌気性生物学的処理を施した廃水の脱色方法
JP6738492B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
JP4799888B2 (ja) 醸造廃水の処理方法
WO1994002424A1 (en) Process for purifying sludge containing mainly water
US20220234923A1 (en) Method for removing dissolved organic compounds from wastewater
JP6186944B2 (ja) 製紙排水の処理方法
Teng et al. Coagulation–Flocculation Method for the Treatment of Pulp and Paper Mill Wastewater
JPS58139799A (ja) 汚泥脱水剤
JP5709086B2 (ja) 有機凝結剤
Mohammadi et al. Effect of chitosan as a coagulant aid combined with poly aluminum chloride removing of turbidity from drinking water
JP2003181491A (ja) 着色排水の脱色方法
JPH1147758A (ja) 微細懸濁物含有水の処理方法
JP2001162285A (ja) 食品加工着色廃液の処理方法
KR20060010851A (ko) 다단계 화학처리를 통한 탈수 케이크 함수율 저감방법
JP6550782B2 (ja) 廃水の凝集処理剤および廃水の凝集処理方法
CN114835226A (zh) 一种污水处理沉淀剂
JP2019136643A (ja) 水処理方法、水処理装置および水処理剤
JPH03123699A (ja) 汚泥処理方法
Ghadimkhani et al. Department of Civil-Environmental Engineering, University of Tehran, PO Box 14155-6135, Iran
JPH0448994A (ja) 汚濁水処理の方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6073109

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees