JP2019181345A - 架橋型高分子凝集剤およびその製造方法 - Google Patents

架橋型高分子凝集剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水溶液において特定の弾性率を満たす含水物を有する架橋型高分子凝集剤及びその製造方法を提供する。【解決手段】 ゲル状の含水物を有する、架橋型高分子凝集剤であって、前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液の不溶解分である前記ゲル状の含水物に対して、レオメータを用いて25℃にて歪み率依存性測定で測定した場合の貯蔵弾性率G1(Pas)の最大値が下記式(1)を満たす架橋型高分子凝集剤。3<G1<800・・・式(1)【選択図】なし

Description

本発明は、架橋型高分子凝集剤及びその製造方法に関する。詳しくは、水溶液において、所定の粘弾性を満たす含水物を有する架橋型高分子凝集剤及びその製造方法に関する。
近年、水溶性重合体の高分子凝集剤としての用途の場合、有機性汚泥の脱水に関して、発生する汚泥量の増加から脱水処理速度アップのニーズが高まってきており、より強いフロック強度を形成する高分子凝集剤が望まれている。また、脱水ケーキを焼却処分する際の焼却処分費用の高騰、脱水ケーキをそのまま埋め立て処分する際の埋め立て地の逼迫した状況から、脱水ケーキ中含水率の低減を実現することができる高分子凝集剤が望まれている。このような凝集性能を示す高分子凝集剤として、重合体の構造のコントロールによる分岐型または架橋型ポリマーが提案されている。
例えば、特許文献1では、水溶液が所定の粘弾性を有する架橋型水溶性高分子を高分子凝集剤として使用することが提案されている。また特許文献2では、重合性の異なる架橋性単量体を用いた分岐型もしくは架橋型水溶性高分子を高分子凝集剤として使用することが提案されている。
特開2017−100111号公報 国際公開第2017/209105号
しかしながら、特許文献1に記載の高分子凝集剤は、主として逆相乳化重合での製造となるためコストがかかる。また、単に架橋剤を用いるだけの高分子であり、3次元網目構造の水不溶の膨潤ゲルが得られやすく、コントロールされた適度な分岐を有する水溶性あるいは水分散性の重合体を製造するのは困難である。特許文献2に記載の高分子凝集剤は、分岐効果が高く、かつ不溶化物の少ない重合体ではあるが、不溶解分がある程度必要とされる用途には不十分であった。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討の結果次のような結論を得た。すなわち、本発明は、水溶液において特定の弾性率を満たす含水物を有する架橋型高分子凝集剤及びその製造方法である。
[1] ゲル状の含水物を有する、架橋型高分子凝集剤であって、
前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液の不溶解分である前記ゲル状の含水物に対して、レオメータを用いて25℃にて歪み率依存性測定で測定した場合の貯蔵弾性率G1(Pas)の最大値が下記式(1)を満たす架橋型高分子凝集剤。
3<G1<800・・・式(1)
[2] 分子内に下記式(I)由来の構造を有する架橋性単量体(a)成分を含む、前記[1]に記載の架橋型高分子凝集剤。
Figure 2019181345
1、R2:それぞれ独立に炭素−炭素不飽和結合をもたない炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基である。
W:15族の非金属元素である。
X、Y:それぞれ炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基であって、かつそれぞれ炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ持つ。ただし、XとYは異なる構造を有する。
Z:塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである。
[3] 前記架橋性単量体(a)成分の濃度が、0.0035〜0.025質量%である、前記[1]または[2]に記載の架橋型高分子凝集剤。
[4] 前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500g中の不溶解分量が、前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500gに対して60g以上400g以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の架橋型高分子凝集剤。
[5] 分子内に重合性不飽和結合を1つ有する水溶性不飽和単量体(b)由来成分を、一種類もしくは二種類以上をさらに含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の架橋型高分子凝集剤。
[6] 前記架橋性単量体(a)が、下記式(II)で表される構造を有する、前記[2]に記載の架橋型高分子凝集剤。
Figure 2019181345
1、R2:それぞれ独立にCH3またはC25である。
X、Y:下記式で表されるものである。
Figure 2019181345
3: HまたはCH3
4: OまたはNH
5: CnH2n(n=1〜6)
6: 水素原子、メチル基または炭素数1〜6の直鎖、分岐状若しくは環状構造を有するアルキルエステル基である。
Z:塩素イオン、臭素イオンまたは表されるヨウ素イオンである。
[7] 分子内に下記式(I)由来の構造を有する架橋性単量体(a)成分を含む、架橋型高分子凝集剤成分を水に溶解して均一系で重合を行う、架橋型高分子凝集剤の製造方法。
Figure 2019181345
1、R2:それぞれ独立に炭素−炭素不飽和結合をもたない炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基である。
W:15族の非金属元素である。
X、Y:それぞれ炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基であって、かつそれぞれ炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ持つ。ただし、XとYは異なる構造を有する。
Z:塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである。
[8] さらに、水溶性不飽和単量体(b)を水に溶解して均一系で重合を行う、[7]に記載の架橋型高分子凝集剤の製造方法。
本発明のような、水溶液において特定の弾性率を満たす含水物を有する架橋型高分子凝集剤を用いると、強度が高く、粗大なフロックが形成される。さらに、均一な水溶液系であっても分岐もしくは架橋構造を有する水溶性、水分散性の重合体が得られ、安価な製造に適している。
以下に発明の詳細を説明する。
本発明の高分子凝集剤は、架橋型高分子凝集剤であって、下記条件を満たすゲル状の含水物を有する。
(条件)
前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液の不溶解分であるゲル状の含水物に対して、レオメータを用いて25℃にて歪み率依存性測定で測定した場合の貯蔵弾性率G1(Pas)の最大値が下記式(1)を満たす架橋型高分子凝集剤である。
3<G1<800・・・式(1)
ゲル状の含水物の貯蔵弾性率G1の最大値が3Pas以下であると、架橋型高分子の架橋が不十分であり、その性質は直鎖型高分子の性質に近くなる。その結果、粗大なフロックが形成されない、ろ過速度が向上しない、などの現象が生じる。また、貯蔵弾性率G1の最大値が800Pas以上であると、架橋型高分子の架橋度が高くなり過ぎて、粗大なフロックが形成出来ないなどの現象が生じる。
貯蔵弾性率G1の最大値は、凝集性能(高フロック強度、フロックの粗大化及び脱水ケーキの低含水率化)の観点から、5Pas以上780Pas以下が好ましく、10Pas以上750Pas以下がさらに好ましく、15Pas以上750Pas以下が特に好ましい。
含水物を得る方法としては、特に制限されることはないが、例えば、本発明における架橋型高分子凝集剤の水溶液を所定の篩に通し、篩の上に残存した含水物を取り出して得るなどの方法が挙げられる。
本発明の架橋型高分子凝集剤は、分子内に下記式(I)由来の構造を有する架橋性単量体(a)成分を含む、架橋型高分子凝集剤が望ましい。
Figure 2019181345
1、R2:それぞれ独立に炭素−炭素不飽和結合をもたない炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基である。
W:15族の非金属元素である。
X、Y:それぞれ炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基であって、かつそれぞれ炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ持つ。ただし、XとYは異なる構造を有する。
Z:塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである。
炭素−炭素不飽和結合をもたない鎖状の官能基において、メチル基、エチル基、プロピル基、i‐プロピル基、n−ブチル基、i‐ブチル基、カルボニル基などが挙げられる。
Wは、15族の非金属元素であり、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマスが挙げられる。
炭素‐炭素不飽和結合を少なくとも1つもつ鎖状の官能基とは、(メタ)アクリロイル基、クロトノイル基、ビニルエーテル基などが挙げられる。
分子内に式(I)由来の構造を有することにより、主鎖の伸長と分岐架橋に反応性差があるためその構造制御がきわめて容易になり、その結果均一な水溶液系でも分岐構造を有し、かつ、水に溶けやすいの重合体が容易に製造できる。
本発明における架橋型高分子凝集剤は、下記式(II)由来の構造を有する架橋性単量体(a)を含むことが好ましい。
Figure 2019181345
1、R2は、それぞれ独立にCH3またはC25であり、X、Yは、下記式で表されるものである。
Figure 2019181345
ここで、R3は、水素原子又はメチル基であり、R4はOまたはNHであり、R5はCnH2n(n=1〜6)である。
例えば、XのR3が水素原子、R4がOである(メタ)アクリル基や、XのR3が水素原子、R4がNHである(メタ)アクリルアミド基を有する構造であることが好ましい。
(メタ)アクリル基や(メタ)アクリルアミド基を有する構造であると、共重合性に優れる。
Figure 2019181345
ここで、R6は、水素原子、メチル基または炭素数1〜6の直鎖、分岐状若しくは環状構造を有するアルキルエステル基である。
式(II)由来の構造を有する架橋性単量体(a)を含むことで、架橋型高分子の構造制御がきわめて容易になり、その結果均一な水溶液系でも、所望の貯蔵弾性率を満たす含水物を有する架橋型高分子凝集剤を容易に得ることができる。
本発明において、式(II)由来の架橋性単量体(a)の構造が、下記式(III)であることが好ましい。
Figure 2019181345
ここで、R10及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖又は分岐のあるアルキル基であり、R7は、水素原子又はメチル基であり、R8はOまたはNHであり、R9はCnH2n(n=1〜6)であり、R12は、水素原子、メチル基または炭素数1〜6の直鎖、分岐状若しくは環状構造を有するアルキルエステル基である。
式(II)由来の構造が、式(III)であることにより、反応性差が顕著に現れ、分岐/架橋度のコントロールが容易となる。
本発明における架橋性単量体(a)としては、以下式(III−1)〜(III−12)で示される各単量体が例示できる。これらは単独で使用しても良く、二種類以上で併用しても良い。
Figure 2019181345
本発明の架橋性単量体成分の濃度は、0.0035〜0.025質量%であることが好ましく、0.0040〜0.020質量%であることがより好ましく、0.0045〜0.015質量%であることがさらに好ましい。
前記濃度が、0.0035質量%以上であると、架橋型高分子の架橋が十分であり、0.0025質量%以下であると、架橋型高分子の架橋度が高くなり過ぎない。
本発明の架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500g中の不溶解分量は、前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500gに対して60g以上400g以下であることが好ましく、70g以上350g以下であることがより好ましく、80g以上300g以下であることがさらに好ましい。
架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500g中の不溶解分量は、前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500gに対して60g以上であると、架橋型高分子の架橋が十分であり、400g以下であると、不溶解分と溶解分のバランスがいい。
本発明の架橋型高分子凝集剤の製造方法は、前記架橋性単量体(a)と、分子内に重合性不飽和結合を1つ有する水溶性不飽和単量体(b)を水に溶解して均一系で重合を行う架橋型高分子凝集剤の製造方法である。
本発明における架橋性単量体(a)の製造方法としては、特に制限されることはないが、例えば、以下のような方法が上げられる。
まず、重合性不飽和結合を有する3級アミンを有機溶剤に溶解させた溶液(A)と、重合性不飽和結合を有するハロゲン化物を有機溶剤に溶解させた溶液(B)をそれぞれ準備する。次に、溶液(A)をビーカー中で撹拌した状態で、滴下漏斗を用いて溶液(B)をビーカーに滴下し、そのまま撹拌し続ける。その際、撹拌時間や滴下時のビーカーの温度は任意に設定して良い。
架橋性単量体(a)の添加量は、凝集性能(高フロック強度、フロックの粗大化、及び脱水ケーキの低含水率化)および得られるポリマーの水に対する溶解性の観点から、水溶性不飽和単量体(b)の100質量%に対して、0.001質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.003質量%以上0.7質量%以下がさらに好ましく、0.005質量%以上0.5質量%以下が特に好ましい。
本発明における架橋型高分子凝集剤は、分子内に重合性不飽和結合を1つ有する水溶性不飽和単量体(b)を1種類もしくは2種類以上含むことが望ましい。水溶性不飽和単量体(b)は、水100g(20℃)に対する溶解度が5g以上の不飽和単量体を意味し、下記が挙げられる。
水溶性不飽和単量体(b)は、例えば下記が挙げられる。
(b1)ノニオン性モノマー
下記の(b1−1)〜(b1−3)及びこれらの混合物が例示される。
(b1−1)水酸基またはニトリル基含有(メタ)アクリレート
例えば、炭素数5〜25の水酸基含有化合物[具体的には、(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリグリセロールモノ(メタ)アクリレート等]、またはニトリル基含有化合物[2−シアノエチル(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
(b1−2)(メタ)アクリルアミド化合物
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−、エチル−およびイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル−、ジエチル−およびジイソプロピル(メタ)アクリルアミド]およびN−アルキロール、(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチロール(メタ)アクリルアミド等]が挙げられる。
(b1−3)(b1−1)および(b1−2)以外の窒素原子含有ビニルモノマー
例えば、アクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミドおよびN−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
(b2)カチオン性モノマー
下記の(b2−1)〜(b2−5)、及びこれらの塩が例示できる。これらの塩のとしては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、第4級アンモニウム塩(例えばメチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩、およびこれらの混合物)が挙げられる。
(b2−1)3級アミノ基含有(メタ)アクリレート
例えば、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等、およびN−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のN−モルホリノアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(b2−2)3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド化合物
例えば、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等、およびN−モルホリノエチル((メタ)アクリルアミド等のN−モルホリノアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
(b2−3)1級または2級アミノ基を有するビニル化合物
例えばビニルアニリン、アリルアミン、N−メチルビニルアミン等の、炭素数3〜12のアミノ基を有するビニル化合物が挙げられる。
(b2−4)アミンイミド基を有する化合物
例えば、1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミドおよび1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、が挙げられる。
(b2−5)(b2−1)〜(b2−4)以外の窒素原子含有ビニル化合物
例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピペリジン、ビニルピラジンおよびビニルモルホリン等が挙げられる。
(b3)アニオン性モノマー
例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)又はアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の塩、アンモニウム塩および炭素数1〜20のアミン類、およびこれらの混合物が挙げられる。
(b3−1)不飽和カルボン酸(無水物も含む)
例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸又はアリル酢酸等のモノカルボン酸、ジ(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸が挙げられる。
(b3−2)不飽和スルホン酸
例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有する不飽和炭化水素、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、またはp−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等の、スルホン酸基を有する(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびp−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する(メタ)アクリルアミド、炭素数5〜20の(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等が挙げられる。
上記(b)の中で好ましいのは、より高分子量にできる観点から(b1−1)、(b2−1)、(b2−2)、(b3−1)および(b3−2)の内のスルホン酸基含有(メタ)アクリレートおよびスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドであり、最も好ましいのは(b1−2)の内の(メタ)アクリルアミド、(b1−3)の内のアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、(b2−1)の内のN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびこれらの塩、(b3−1)の内の(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸およびこれらのアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、(b3−2)の内の2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩である。
また、これらの(b)は、単独で重合してもよく、任意に共重合してもよい。
上記(b)は、必要によりその他のモノマー(x)を併用してもよく、その場合(x)の割合(モル%)は、モノマー(b)と(x)の全モル数に対して、通常0以上、好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.5以上であり、通常40以下、好ましくは20以下さらに好ましくは10以下である。
ここにおいてその他のモノマーとは、水(20℃)100gに対する溶解度が5g未満のモノマーを意味する。
その他のモノマー(x)としては、例えば以下のものが挙げられる。
下記の(x1)〜(x5)、及びこれらの混合物
(x1)C4〜23の(メタ)アクリレート
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートおよびシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の炭素数6〜20のエポキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
(x2)ポリプロピレングリコール
例えば、不飽和カルボン酸モノエステルモノオールまたはジオールのプロピレンオキシド(以下、POと略記)の付加物が挙げられる。具体的には、モノオール(エタノール、プロパノール、ブタノール等)をPOに付加した(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシプロピレンオキシド、エトキシプロピレンオキシド、プロポキシプロピレンオキシド、ブトキシプロピレンオキシドおよびシクロヘキソキシプロピレンオキシドおよびフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)クリレート]等が考えられる。
(x3)不飽和炭化水素
例えば、エチレン、ノネン、スチレン、1−メチルスチレン等炭素数2〜30の不飽和炭化水素が挙げられる。
(x4)不飽和アルコール
例えば、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール等の炭素数3〜20の不飽和アルコールや、酢酸ビニル等のこれらのアルコール由来のエステルが挙げられる。
(x5)ハロゲン含有化合物
例えば塩化ビニル、臭化ビニル等が挙げられる。
本発明における重合の方法としては、特に制限されることはないが、例えば、バルク重合、水溶液重合、沈殿重合、懸濁重合、乳化重合、さらにはマイクロエマルション重合等が挙げられる。このうち、最も簡易で安価に製造出来るという観点から、水溶液系での重合が好ましい。
本発明の重合方法においては、まず、架橋性単量体(a)を水中に溶解させ、所望により水溶性不飽和単量体(b)も水中に溶解させる。次に、重合開始剤および必要に応じて連鎖移動剤などを加えた後、窒素ガスを吹き込んで反応性単量体溶液とする。この反応性単量体溶液について、加えた重合開始剤が熱重合開始剤であればウォーターバスによる熱重合を実施し、加えた重合開始剤が光重合開始剤であればUVやケミカルランプによる光重合を実施する。
本発明の重合方法を行うことにより、簡便で安価に架橋型高分子凝集剤が製造出来る。
また、通常のラジカル開始剤による重合が使え、ラジカル開始剤としては一般的なアゾ系開始剤や過酸化物系開始剤、光増感剤を用いた光重合開始剤、レドックス開始剤等が例示される。アゾ系開始剤や過酸化物系開始剤、光増感剤を用いた光重合開始剤、レドックス開始剤等は単独でもよいしこれらを併用してもよい。
アゾ系開始剤や過酸化物系開始剤としては、例えば、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−イソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−ミリスチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、アセチルパーオキサイドなどが挙げられる。これらは併用することも出来る。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは併用することも出来る。
レドックス系の開始剤としては、例えば、過酸化水素/第一鉄塩、過硫酸塩/酸性亜硫酸ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド/第一鉄塩、過酸化ベンゾイル/ジメチルアニリン、過酸化物(過酸化水素、ヒドロペルオキシド、など)/有機金属アルキル(トリエチルアンモニウム、トリエチル硼素、ジエチル亜鉛、など)、酸素/有機金属アルキルなどが挙げられる。
重合開始剤の添加量は、本発明の凝集剤、紙力増強剤等として最適な分子量を得る観点から架橋性単量体(a)、水溶性不飽和単量体(b)、及び必要によりその他モノマー(x)の合計重量に基づいて、0.0001質量%以上0.05質量%以下が好ましく、0.0005質量%以上0.02質量%以下がさらに好ましく、0.001質量%以上0.01質量%以下が特に好ましい。
また、必要により連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、特に制限されることはないが、例えば、有機酸[4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸、11−ドデセン酸、p−ビニルベンゾイック酸、p−アリルベンゾイック酸、3−ビニルフェニル酢酸、4−ビニルフェニル酢酸、4−アリルフェニル酢酸]、無機酸[硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、ジ亜リン酸、ホスホン酸]、分子内に1つまたは2つ以上の水酸基を有する化合物[例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体]、分子内に1つまたは2つ以上のアミノ基を有する化合物[例えば、アンモニア、アミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンおよびプロパノールアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン]、分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物、等が挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合の使用量としては、本発明の架橋型高分子凝集剤、紙力増強剤等として最適な分子量を得る観点から、架橋性単量体(a)、水溶性不飽和単量体(b)及びその他モノマー(x)の合計重量に基づいて、0.0001質量%以上0.05質量%以下が好ましく、0.0005質量%以上0.02質量%以下がさらに好ましく、0.001質量%以上0.01質量%以下が特に好ましい。
さらにリビングラジカル重合法と併用してもよい。リビングラジカル重合法としては、特に制限されないが、例えば、ニトロキシド化合物を用いた方法、遷移金属錯体を用いた方法、付加開裂型の連鎖移動剤を用いた方法などが挙げられる。
重合する際のモノマー水溶液中のモノマー濃度としては、水溶液重合では前記モノマー水溶液の質量に基づいて、20質量%以上80質量%以下が好ましく、25質量%以上75質量%以下がさらに好ましく、30質量%以上70質量%以下が特に好ましい。
得られた重合体は水溶液のまま、あるいはそれを希釈して使用に供してもよいし、得られた重合体を一度粉末化し、使用時に水溶液にすることもできる。
本態様の重合体が水溶液の状態である場合、この重合体の25℃にて回転粘度計で測定される粘度は、5mPa・s以上10000mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以上9000mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以上8000mPa・s以下が更に好ましい。
重合体の粘度が、5mPa・s以上10000mPa・s以下であると、汚泥との親和性が高く、粗大で強固なフロックを形成することが出来る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の「%」は、特に断らない限りは質量%を示す。
実施例および比較例における、架橋型高分子凝集剤の0.5%粘度、0.5%塩粘度、0.5質量%水溶液の不溶解分量、含水物の貯蔵弾性率の測定値は、粉末状の架橋型高分子凝集剤を対象に、以下に示す方法で測定することによって得られた。
(0.5%粘度の測定)
サンプル2.5gを水に溶解し、0.5%ポリマー水溶液500gを調製した。このポリマー水溶液に対し、B型粘度計(東機産業社製)を用い、温度25℃、回転速度60rpmの条件で、5分後のポリマー水溶液の粘度を測定した。
(0.5%塩粘度の測定)
サンプル2.5gを4%の塩化ナトリウム水溶液に溶解し、0.5%ポリマー水溶液500gを調製した。このポリマー水溶液に対し、B型粘度計(東機産業社製)を用い、温度25℃、回転速度60rpmの条件で、5分後のポリマー水溶液の塩粘度を測定した。
(0.5質量%水溶液の不溶解分量の測定)
先に得られた0.5%ポリマー水溶液の全量(500g)を、直径20cm、目開き180μm四方の篩で濾過し、水分を拭き取り、篩の上に残った不溶解分を集め、その質量を測定した。
(ゲル状含水物の貯蔵弾性率)
先に得られた篩の上に残った架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液の不溶解分であるゲル状含水物に対して、レオメータ(HAAKE社製MARSIII)を用いて、歪み率依存性測定法で貯蔵弾性率を測定した。具体的には、温度25℃、治具パラレルプレート(20mmφ、刻み付)、周波数1Hzにおいてひずみ率0.001%から10%をかけた場合の貯蔵弾性率G1(Pas)を測定した。
<合成例1>
臭化アリル10.0gおよびテトラヒドロフラン(THF)40.0gを100mLビーカーに投入し、臭化アリルのTHF溶液を得た。得られた臭化アリルのTHF溶液を100mLの滴下漏斗に移液した。次に、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMPAA)10.85gおよびテトラヒドロフラン(THF)40.0gを200mLナスフラスコに投入し、DMPAAのTHF溶液を得た。
さらに、DMPAAのTHF溶液をマグネティックスターラーで撹拌しながら、臭化アリルのTHF溶液を20分かけてDMPAAのTHF溶液中に滴下し、滴下終了後、2時間撹拌を続け、沈殿物を得た。撹拌終了後、12時間静置し、上澄みを除去した後、THF200mLでデカンテーションした。
その後、得られた沈殿物を減圧乾燥し、白色〜淡黄色の架橋性単量体(a)を得た。
[試験1:カチオン型高分子凝集剤の製造]
以下に示す方法によって、各実施例および各比較例のカチオン型高分子凝集剤を製造した。また、表1および以下の記述における重合性単量体および共重合可能な単量体成分の略語の内容は、次に示す通りである。
AAm:アクリルアミド(和光純薬社製)
DME:ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩(大阪有機社製)
MBAAM:メチレンビスアクリルアミド(東京化成社製)
<実施例1−1>
AAm250.0g、および架橋性単量体(a)0.015gを1000mL褐色瓶に投入し、全単量体濃度50%、総質量500gになるように蒸留水を加え、単量体反応液(AAm/架橋性単量体(a)=99.99/0.01(%))を調製した。
さらに、光開始剤としてDAROCUR−1173(以下、「D−1173」と略す。)(Ciba社製)、および連鎖移動剤として次亜リン酸(以下、「HPA」と略す。)(関東化学社製)を、単量体反応液の総質量に対して、それぞれ20ppmおよび60ppmとなるように投入し、これに窒素ガスを15分間吹き込みながら溶液温度を25℃に調節した。その後、単量体反応液をステンレス反応容器に移し、ケミカルランプを0.2W/m2の照射強度で20分間照射し、重合を行った。これにより、含水ゲル状の重合体を得た。
この含水ゲル状の重合体を容器から取り出し、小型ミートチョッパーを使用して解砕した。これを温度70℃で16時間乾燥後、粉砕して粉末状の重合体(A−1)を得た。
<実施例1−2>
HPA量を30ppmに変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、重合体(A−2)を得た。
<実施例1−3>
架橋性単量体(a)の投入量を0.0375g(AAm/架橋性単量体(a)=99.985/0.015(%))に変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、重合体を得た。
<実施例1−4>
AAm45g、80wt%のDME水溶液318.75g、および架橋性単量体(III−1)0.035gを1000mL褐色瓶に投入し、全単量体濃度60%、総質量500gになるように蒸留水を加え、単量体反応液(AAm/DME/架橋性単量体(III−1)=14.998/84.990/0.012(%))を調製した。
さらに、光開始剤としてD−1173、および連鎖移動剤として次亜リン酸を、単量体反応液の総質量に対して、それぞれ130ppmおよび30ppmとなるように投入し、これに窒素ガスを15分間吹き込みながら溶液温度を25℃に調節した。
その後、単量体反応液をステンレス反応容器に移し、ケミカルランプを0.2W/m2の照射強度で20分間照射し、重合を行った。これにより、含水ゲル状の重合体を得た。
この含水ゲル状の重合体を容器から取り出し、小型ミートチョッパーを使用して解砕した。これを温度70℃で16時間乾燥後、粉砕して粉末状の重合体(A−3)を得た。
<比較例1−1>
架橋性単量体(a)の投入量を0.075g(AAm/架橋性単量体(a)=99.97/0.03(%))に変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、重合体(B−1)を得た。
<比較例1−2>
架橋性単量体(a)の投入量を0.25g(AAm/架橋性単量体(a)=99.9/0.1(%))に変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、重合体を得た。
<比較例1−3>
架橋性単量体をMBAAMに変更(AAm/MBAAM=99.9966/0.0034)した以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、重合体(B−2)を得た。
<比較例1−4>
架橋性単量体(a)の投入量を0.14g(AAm/DME/架橋性単量体(III−1)=14.970/84.940/0.090(%))に変更した以外は、実施例1−4と同様の操作を行い、重合体(B−3)を得た。
実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−4で得られた各(共)重合体について、0.5%粘度、0.5%塩粘度、0.5質量%水溶液の不溶解分量および含水物の貯蔵弾性率G1(Pas)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2019181345
[試験2:汚泥処理]
汚泥のモデルサンプルとして、1%のカオリナイト水溶液を用意し、このカオリナイト水溶液300mLを500mLのビーカーに採取した。次いで、表2に示す種類の重合体を蒸留水にて0.5%ポリマー水溶液とし、このポリマー水溶液を表2に示す添加量にてカオリナイト水溶液に添加した。次いで、このカオリナイト水溶液を金属製のスパチュラで10回転攪拌し、フロックを生成させ、前記フロックを2mm四方の目の篩にかけて、網目を通過したものは、フロック粒径が2mm未満、通過しなかったものは、フロック粒径が2mm以上であると判定した。また、フロックの沈降時間を判定した。フロックの粒径および沈降時間を表2に示す。
Figure 2019181345
さらに、汚泥のサンプルとして、ある下水処理場の消化汚泥を用意し、この消化汚泥300mLを500mLのビーカーに採取した。次いで、表3に示す種類の重合体を蒸留水にて0.5%ポリマー水溶液とし、このポリマー水溶液を表3に示す添加量にて消化汚泥に添加した。次いで、この消化汚泥を、スリーワンモーターを用いて回転数800rpmで20秒撹拌した後、さらにスパチュラで10回転撹拌し、フロックを生成させ、前記フロックを15mm四方の目の篩にかけて、フロックが網目を通過したものは、フロック粒径が15mm未満、通過しなかったものは、フロック粒径が15m以上であると判定した。
また、フロック強度を以下の通り判定した。フロックの粒径および強度を表3に示す。
(フロック強度)
A:フロックを手でつぶすと、跳ね返るような弾力を感じる。
B:フロックを手でつぶすと、跳ね返らず弾力を感じない。
Figure 2019181345
表2より明らかなように、実施例1−1で得られた重合体(A−1)と、実施例1−2で得られた重合体(A−2)を用いてモデル汚泥を凝集した場合(実施例2−1、2−2)は、得られるフロックの粒径が大きく、沈降時間が早く、水切れが良好であった。
また、表3からも明らかなように、実施例1−4で得られた重合体(A−3)を用いて実際の汚泥を凝集処理した場合(実施例2−3)は、得られるフロックの粒径が大きく、強度も高かった。よって、実施例1−1、実施例1−2、および実施例1−4で得られた重合体は、凝集性能に優れていると確認された。
一方、比較例1−1で得られた重合体(B−1)、比較例1−3で得られた重合体(B−2)を用いた場合(比較例2−1、2−2)は、実施例に比べてフロックの粒径が小さく、沈降速度が遅く、水切れが悪かった。さらに、比較例1−4で得られた重合体(B−3)を用いた場合(比較例2−3)は、実施例に比べてフロックの粒径が小さく、強度も低かった。よって、比較例1−1、比較例1−2、比較例1−3で得られた重合体は、実施例に比べて凝集性能に劣っていた。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、粗大なフロックを生成でき、また分岐された重合体は分子量の割に水溶液粘度が低く取扱い性にも優れるので、汚濁水や汚泥と速やかに混合する必要がある架橋型高分子凝集剤や、紙力剤製紙薬剤等の分野で有用である。

Claims (8)

  1. ゲル状の含水物を有する、架橋型高分子凝集剤であって、
    前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液の不溶解分である前記ゲル状の含水物に対して、レオメータを用いて25℃にて歪み率依存性測定で測定した場合の貯蔵弾性率G1(Pas)の最大値が下記式(1)を満たす架橋型高分子凝集剤。
    3<G1<800・・・式(1)
  2. 分子内に下記式(I)由来の構造を有する架橋性単量体(a)成分を含む、請求項1に記載の架橋型高分子凝集剤。
    Figure 2019181345
    1、R2:それぞれ独立に炭素−炭素不飽和結合をもたない炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基である。
    W:15族の非金属元素である。
    X、Y:それぞれ炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基であって、かつそれぞれ炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ持つ。ただし、XとYは異なる構造を有する。
    Z:塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである。
  3. 前記架橋性単量体(a)成分の濃度が、0.0035〜0.025質量%である、請求項1または2に記載の架橋型高分子凝集剤。
  4. 前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500g中の不溶解分量が、前記架橋型高分子凝集剤の0.5質量%水溶液500gに対して、60g以上400g以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋型高分子凝集剤。
  5. 分子内に重合性不飽和結合を1つ有する水溶性不飽和単量体(b)由来成分を、一種類もしくは二種類以上をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の架橋型高分子凝集剤。
  6. 前記架橋性単量体(a)が、下記式(II)で表される構造を有する、請求項2に記載の架橋型高分子凝集剤。
    Figure 2019181345
    1、R2:それぞれ独立にCH3またはC25である。
    X、Y:下記式で表されるものである。
    Figure 2019181345
    3: HまたはCH3
    4: OまたはNH
    5: CnH2n(n=1〜6)
    6: 水素原子、メチル基または炭素数1〜6の直鎖、分岐状若しくは環状構造を有するアルキルエステル基である。
    Z:塩素イオン、臭素イオンまたは表されるヨウ素イオンである。
  7. 分子内に下記式(I)由来の構造を有する架橋性単量体(a)成分を含む、架橋型高分子凝集剤成分を水に溶解して均一系で重合を行う、架橋型高分子凝集剤の製造方法。
    Figure 2019181345
    1、R2:それぞれ独立に炭素−炭素不飽和結合をもたない炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基である。
    W:15族の非金属元素である。
    X、Y:それぞれ炭素、酸素、窒素および水素から選ばれる群からなる原子で構成される直鎖若しくは分岐を有する鎖状の官能基であって、かつそれぞれ炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ持つ。ただし、XとYは異なる構造を有する。
    Z:塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである。
  8. さらに、水溶性不飽和単量体(b)を水に溶解して均一系で重合を行う、請求項7に記載の架橋型高分子凝集剤の製造方法。
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