JP2016196538A - ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】分散粒子径が100〜1000nmの範囲のシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を使用することで、自動車分野で樹脂組成物に要求される特性である耐ヒートサイクル性においてクラック成長を抑制を発現することができる樹脂組成物。【解決手段】分散粒子径が100〜1000nmの範囲のシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を0.1〜10質量%含有させるだけで、自動車分野で樹脂組成物に要求される特性である耐ヒートサイクル性に関する靭性を適切に発現することができる組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂に繊維状無機化合物、シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を含有させることで、金属との複合体において、耐ヒートサイクル性に優れた樹脂組成物が得られることに関する、またその成形体や金属との複合体に関する。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その優れた高剛性、耐熱性、耐薬品性、難燃性などから、各種電子・電気部品、自動車内装部品、その他機械部品といった分野の用途として幅広く使用されている。しかしながら、靭性(低温耐衝撃性や耐ヒートサイクル性)に劣る欠点を有しており、これまで先行技術においてエラストマー成分をアロイすることによって靭性(低温耐衝撃性)を改良している例がいくつか報告されている。
例えば、特許文献1にはエラストマー系樹脂の分散粒子径を0.1mm〜3.0mmとすることで、靭性(低温耐衝撃性)を発現させることが開示されている。しかしながら使用されているオレフィン系樹脂はガラス転移温度−20℃程度でありかつ分散粒子径が大きく、自動車分野で求められる耐ヒートサイクル性に関する靭性においては、十分な靭性が確保できず、更に分散粒子径の分布にバラつきがあることで、効果を十分に発揮することが困難であった。
また、特許文献1では耐ヒートサイクル性が十分でないため、ガラス繊維や無機化合物を高充填することで、ヒートサイクル試験時での線膨張率を低減させ、複合体における金属との線膨張率差を少なくすることで、さらにクラック抑制させる技術も開示されている(特許文献2)。確かに、低線膨張率とすることで、ヒートサイクル時の応力集中時の力を低減し、クラック発生を遅らせることができたが、クラック成長を抑制するものではなく、一度クラック発生してしまうと即座にクラックが進行してしまい、技術としては十分なものではなかった。
上記のように、金属との複合体における耐ヒートサイクル性において、クラック成長そのものを抑制するような適切な靭性を付与できる技術はこれまでなかった。
特許第5012007号 特許第4269198号
本発明の目的は、分散粒子径が100〜1000nmの範囲のシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を使用することで、自動車分野で樹脂組成物に要求される特性である耐ヒートサイクル性に関する靭性を適切に発現することができる樹脂組成物を提供することができることであり、またその成形体、さらに金属等との複合体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分散粒子径が100〜1000nmの範囲のシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を含有させるだけで、自動車分野で樹脂組成物に要求される特性である耐ヒートサイクル性に関する靭性を適切に発現することができる組成物を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記1)〜11)である。
1)本発明は、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂40〜90質量%、(B)繊維系無機化合物10〜50質量%、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体0.1〜10質量%からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物に関する。
2)本発明は、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂40〜90質量%、(B)繊維系無機化合物10〜50質量%、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体0.1〜10質量%、(D)オレフィン系樹脂0.1〜10質量%からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物に関する。
3)本発明は、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂25〜60質量%、(B)繊維系無機化合物10〜50質量%、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体0.1〜10質量%、(D)オレフィン系樹脂0.1〜10質量%、(E)非繊維系無機化合物1〜30質量%からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物に関する。
4)本発明は、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を含むポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物であって、該シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体100重量%が、シロキサンゴム重合体(c1)60〜90重量%からなるゴム層と、該ゴムコア層を覆い多官能性単量体系重合体(c2)0.1〜10重量%からなる硬質中間層と、該硬質中間層を覆い、エチレン性不飽和単量体(c3)0〜34.9質量%、及びエポキシ基含有単量体重合体(c4)5〜30重量%からなるシェル層からなる組成物である、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物に関する。
5)本発明は、前記シェル層が、前記エポキシ基含有単量体重合体(c4)5〜20重量%からなる反応性シェル層、及び前記エチレン性不飽和単量体重合体(c3)14.9%〜34.9重量%からなる反応性制御シェル層の2層からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
6)本発明は、非繊維系無機化合物が、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ワラストナイト、の内、1種以上から選択され2種以上組み合わせても良いポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物に関する。
7)本発明は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物で、UL746Aにおける比較トラッキング指数が300V以上のポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物
8)本発明は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる射出成形によって得られる成形体に関する。
9)本発明は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる射出成形体と金属との複合体に関する。
10)本発明は、金属との複合体が、金属部品とのアウトサート成形、インサート成形、熱融着、超音波融着、振動融着からなる金属複合体に関する。
11)本発明は、樹脂組成物からなり、高圧電装用部品、特にEV/HVのPCU内部品で使用される、射出成形体及び射出成形体と金属との複合体に関する。
本発明の樹脂組成物は、シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を少量添加するだけで、自動車分野で樹脂組成物に要求される特性である耐ヒートサイクル性に関する適切な靭性を付与することができる樹脂組成物を提供できる。また前記樹脂組成物からなる成形体及び金属との複合体は、自動車分野で耐ヒートサイクル性を求められる用途に使用することができる。
金属インサート成形体の図
本発明のポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(B)繊維系無機化合物、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体からなる。また、(D)オレフィン系樹脂、(E)非繊維系無機化合物等を配合してもよい。以下、各成分について説明する。
(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂
本発明に係るポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)とは、下記一般式1に示す繰り返し単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上有する重合度80〜300の重合体であり、共重合成分として下記一般式群2に示す単位があげられるが、これらの共重合成分は10モル%以下が好ましい。
このようなPPS樹脂には、酸素存在下での熱処理により架橋させ溶融粘度を高めた射出成形用の架橋型と、重合系中に塩化リチウム・有機酸塩・水などを添加し、分子量を向上させた射出成形、繊維、フィルム用の直鎖型があるが、本発明の効果を十分に得る観点から、架橋型より伸びや靱性に優れる直鎖型が好ましい。
(式中、Rはアルキル基、ニトロ基、フェニル基、アルコキシ基、カルボン酸基またはその金属塩を示す)
(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂の組成比は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物を100質量%として、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは25〜70質量%、さらに好ましくは25〜60質量%である。90質量%よりも多くなると、衝撃強度や剛性の強化が発現しにくく、20質量%よりも少ないと、PPSの特性である高耐熱や難燃性等が保持することが困難である。
(B)繊維系無機化合物
(B)繊維系無機化合物としては、具体的にはガラス繊維、PAN系又はピッチ系の炭素繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維、ホウ素繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、酸化亜鉛ウィスカー繊維、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物の無機質繊維状物質、及びアラミド繊維等の有機質繊維状物質などが挙げられる。これらを単独で用いても良いし、2種以上混合しても良い。
(B)繊維系無機化合物は、樹脂と無機化合物との界面の接着性を高めたり、作業性を容易にしたりするため、シラン処理剤等の各種表面処理剤で表面処理がなされたものであってもよい。表面処理剤としては特に限定されず、例えばシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、等従来公知のものを使用することができる。中でもエポキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、及び、アミノシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、ポリオキシエチレンシラン、等が樹脂の物性を低下させることが少ないため好ましい。無機化合物の表面処理方法としては特に限定されず、通常の処理方法を利用できる。
本発明において、特にガラス繊維を使用する場合は、樹脂とガラス繊維との密着性を高めるため、ガラス繊維の表面をカップリング剤で処理したものが好ましく、バインダーを用いたものであっても良い。前記カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物が好ましく使用され、また、バインダーとしては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が好ましく使用されるが、これらに限定されるものではない。
本発明に、一般的な強化目的のガラス繊維を用いる場合には、その繊維径は1〜20μmが好ましく、かつ、繊維長は0.01〜50mmが好ましい。繊維径が1μm未満であると、期待するような補強効果が得られない傾向があり、繊維径が20μmを超えると、成形体表面や流動性が低下する傾向がある。また、繊維長が0.01mm未満であると、期待するような樹脂補強効果が得られない傾向があり、繊維長が50mmを超えると、性携帯の表面性や流動性が低下する傾向がある。
(B)繊維系無機化合物の組成比は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物を100質量%として、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。繊維系無機化合物の割合が60質量%よりも多くなると、破壊起点が多くなりその分衝撃強度を保持することが困難になる。また、10質量%よりも少ないと衝撃強度や剛性を強化することができない。
(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体
本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体は、シロキサンゴム重合体(c1)からなるゴムコア層、分子内に2以上のラジカル重合性基を有する多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する多官能性単量体系重合体(c2)からなる硬質中間層、エチレン性不飽和単量体由来のエチレン性不飽和単量体重合体(c3)及び/またはエポキシ基含有単量体由来のエポキシ基含有単量体重合体(c4)からなるシェル層の少なくとも3つの層を含む多層構造重合体を主成分とする組成物であり、基本的には、(c1)からなるゴムコア層、前記ゴムコア層を覆い(c2)からなる硬質中間層、前記硬質中間層を覆い(c3)、及び(c4)からなるシェル層を含んで構成される所謂コアシェル構造を有する多層構造重合体、即ち、ゴム重合体含有多層構造重合体である。このポリシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体は、シロキサンゴム重合体(c1)にグラフトしなかった(c2)、(c3)、(c4)成分からなるフリーな重合体を組成物の構成成分としてもよく、それらの成分がグラフト重合されたポリシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体であることが好ましい。
かかるシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体は、例えば、シロキサンゴム重合体(c1)存在下に、多官能性単量体を主成分とする単量体を重合し多官能性単量体系重合体(c2)を得、さらにエチレン性不飽和単量体、及びエポキシ基含有単量体からなるシェル層用単量体を重合することによりエチレン性不飽和単量体重合体(c3)、及びエポキシ基含有単量体重合体(c4)を得ることにより作製することができる。
かかるシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体は、安定的に粒子を得る観点、及び最終成形体の難燃性や靭性(耐衝撃性、耐ヒートサイクル性)を十分なものとする観点から、その体積平均粒子径は0.008〜2.0μmが好ましく、0.01〜1.5μmがさらに好ましく、特に好ましくは0.10〜1.0μmである。
このようなシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体は、上記重合後には、好ましくは水系ラテックスとして得られ、この水系ラテックスに塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウムなどの二価以上の金属塩を添加することにより凝固した後に熱処理・脱水・洗浄・乾燥し粉体として回収する凝固法や、この水系ラテックスを噴霧乾燥して直接粉体として回収する噴霧乾燥法により、通常粉体として製造される。また、このようにして本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体粉末を得る工程の途中に、さらに好ましくは数回の水洗工程を追加することで、その粉末中の、重合時に用いた乳化剤、分散剤、pH調整剤、重合開始助剤などの副原料に由来する有機ナトリウム塩や有機カリウム塩等のPCに対する触媒的分解作用を有する金属不純物を低減し、例えば、これらの総量が10ppm以下とすると、本発明の樹脂組成物がより高品質もものとなるので好ましい。またさらに、前記水系ラテックスを、20℃における水に対する溶解度が5質量%以上40質量%以下の有機溶媒と混合した後、さらに過剰の水と混合して、シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を緩凝集させこの重合体の緩凝集体を得た後、その緩凝集体を液相から分離・回収し、脱水・乾燥することで粉体として回収する水凝固法により回収する方法がある。
前記エポキシ基含有単量体重合体(c4)は、マトリクス樹脂であるポリフェニレンスルフィド樹脂と反応することで、本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体をそのマトリクス構造に安定的に分散する機能を果たしているので、上述のように粉体として回収されたシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体の状態で、エポキシ基が活性を維持していることが重要である。逆に、エポキシ基が活性を維持しているため、この多層構造重合体同士が強固に接着していまい、粉体としての回収が困難になったり、マトリクス中に一次粒子として分散しにくかったりする問題がある。
こうした問題に対処するために、前記凝固法を用いる場合には、前記シェル層を、前記硬質中間層を覆う前記エポキシ基含有単量体重合体(c4)からなる反応性シェル層、及びこの反応性シェル層を覆う前記エチレン性不飽和単量体重合体(c3)からなる反応性制御シェル層の2層として、このエポキシ基の凝固熱処理工程での失活を防止することが好ましい。
また、前記噴霧乾燥法や前記水凝固法を用いる場合には、前記シェル層の内、前記反応性制御シェル層を重合しなかったり、前記反応性シェル層、及び反応性制御シェル層を重合する順番を逆にしたりすることも好ましい。
このようなシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体の粉体は、それをマトリクス樹脂に配合して樹脂組成物を得る際に、マトリクス樹脂として粉体状のものを用いる場合には、その粉体の体積平均粒子径が、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、さらには50μm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、さらには200μm以下とすることが好ましい。特に、マトリックス樹脂の粉体の平均粒子径に近い、あるいは同様の体積平均粒子径であることが、分級しにくくなるので好ましい。前記粉体としては、本発明の共重合体が緩やかに凝集した状態のものであることが、マトリックス樹脂中で多層構造重合体の一次粒子の状態に容易に分散するので、好ましい。
本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を100重量%として、前記シロキサンゴム重合体(c1)は、本発明に係る樹脂組成物の機械特性を損なわないために、60重量%以上含有していることが好ましく、さらには65重量%以上含有することが好ましい。上限は、マトリクス樹脂中でのシロキサンゴム重合体(c1)成分の分散状態を良好にするために90重量%である。
本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を100重量%として、前記分子内に2以上のラジカル重合性基を有する多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(c2)は、本発明に係る樹脂組成物の耐ヒートサイクル性を発現する構造を損なわないために、好ましくは0.1重量%以上含有していることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上、さらには1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは1〜5重量%であり、この比率は、本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体に対する、重合体(c2)形成用単量体の重さと同じであるとみなした値である。
本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を100重量%として、前記エチレン性不飽和単量体由来の重合体(c3)は、本発明に係る樹脂組成物の耐ヒートサイクル性を発現する構造を損なわないために、また、本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体とマトリクス樹脂との相溶性を確保するために、好ましくは0.5重量%以上含有していることが好ましく、より好ましくは3重量%以上、さらには5重量%以上であり、好ましくは34.9重量%以下、より好ましくは24.5重量%以下、さらには好ましくは15重量%以下であり、この比率は、本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体に対する、前記エチレン性不飽和単量体の重さと同じであるとみなした値である。
本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を100質量%として、前記エポキシ基含有単量体重合体(c4)は、本発明に係る樹脂組成物の耐ヒートサイクル性を発現する構造を損なわないために、また、本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造体のマトリクスへの分散性を損なわないために、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
(シロキサンゴム重合体(c1))
前記シロキサンゴム重合体(c1)は難燃性を低下させることなく、低温での耐衝撃性を向上させ、特に耐ヒートサイクル性を向上させる成分であり、場合によってはそれ自身を含む樹脂組成物の難燃性を向上させる成分である。前記シロキサンゴム重合体(c1)には、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体などのシロキサンゴム重合体、側鎖アルキル基の一部が水素原子に置換されたポリオルガノハイドロジェンシロキサン等を用いることができる。これらの内、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサンージフェニルシロキサン共重合体が難燃性を付与する上では好ましく、ポリジメチルシロキサンが経済的にも容易に入手できるので最も好ましい。
前記シロキサンゴム重合体(c1)の重量平均分子量は好ましくは、最終成形体の難燃性や耐ヒートサイクル性を十分なものとする観点、及び生産性を確保する観点から、100,000以上、より好ましくは150,000以上、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは700,000以下、さらには300,000以下である。前記重量平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)分析による標準ポリスチレン換算値を用いることができる。
前記シロキサンゴム重合体(c1)は具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアルコキシシラン、1,3,5,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)に代表される環状シロキサンや、好ましくは重量平均分子量が500〜20,000以下の直鎖状、又は分岐状のオルガノシロキサンオリゴマーを主成分とする前記シロキサンゴム重合体(c1)形成用原料を、酸や、アルカリ、塩、フッ素化合物などの触媒を用いて、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法で重合したシロキサンゴム重合体を好ましく例示することができる。前記シロキサンゴム重合体(c1)の原料として、残存揮発性低分子量環状シロキサンがあらかじめ低減された前記直鎖状、又は分岐状のオルガノシロキサンオリゴマーを用いた場合には、形成されたシロキサンゴム重合体(c1)中の残存揮発性低分子量環状シロキサンを低減することが可能でストリッピング等の工程等を省くことができる。
また、前記シロキサンゴム重合体(c1)形成用単量体100重量%中には、ゴム弾性を十分に維持し、かつ架橋構造を形成する観点から、必要に応じてメチルトリエトキシシラン、テトラプロピルオキシシランなどの3官能以上のアルコキシシラン、及びメチルオルソシリケートなどの3官能以上のシランの縮合体からなる群から選ばれる1種以上が、0.1重量%〜10重量%含まれ得る。
さらに、前記シロキサンゴム重合体(c1)形成用原料100重量%中には、ラジカル重合性基をこのシロキサンゴム重合体(c1)に導入することで、本発明に係る前記硬質中間層のシロキサンゴム重合体(c1)への被覆を容易にする観点から、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルフェニルジメトキシメチルシランなどの加水分解性基、及びラジカル重合性基を含有するシラン化合物であるグラフト交叉剤が、0.1重量%〜10重量%含まれていることが好ましい。
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなど、前記3官能以上のアルコキシシランであってかつラジカル重合性基を有するシラン化合物を用いることも出来る。
最終成形体の耐衝撃性を良好に発現させるために、前記シロキサンゴム重合体(c1)は粒子であることが好ましい。かかる粒子は、前述のごときオルガノシロキサンから乳化重合法により製造することができる。乳化重合法に代わって、エマルジョン状態のシロキサンゴム重合体を変性する方法、溶液重合法などにより得た変性若しくは非変性のシロキサンゴム重合体(c1)を高圧ホモジナイザーなどを用いて機械的に強制乳化する方法などによりシロキサンゴム重合体(c1)のエマルジョンを得ることもできる。
このようにシロキサンゴム重合体(c1)が粒子の場合には、安定的に粒子を得る観点、及び最終成形体の難燃性や耐衝撃性、耐ヒートサイクル性を十分なものとする観点から、その体積平均粒子径は0.008〜1.5μmが好ましく、0.01〜1.20μmがさらに好ましく、特に好ましくは0.10〜1.0μmであり、このようにシロキサンゴム重合体(c1)の粒子であるゴム粒子につき、本発明の樹脂組成物やその成型体を電子顕微鏡写真等で観察して測定される該粒子の数平均占有面積が、0.01〜0.12μmであることがより好ましい。前記体積平均粒子径は、例えば、日機装株式会社製のMICROTRACUPA150を用いて測定することができる。
ここで、シロキサンゴム重合体(c1)を重合するに際しては、シード重合法を適用することができる。例えば、ポリブチルアクリレート等の有機重合体をシード粒子として用いる方法、シロキサンゴム重合体ラテックスをシードラテックスとして用いる方法等を好ましく例示することができ、その際、シード粒子のラテックス粒子径は30nm以下が好ましく、より好ましくは25nm以下、さらに好ましくは10nm以下であり、1nm以上、より好ましくは5nm以上である。
前記の変性若しくは非変性の、好ましくは残存揮発性低分子量環状シロキサンがあらかじめ低減された(ポリ)オルガノシロキサンは、必要に応じて前記グラフト交叉剤等と共に、水、界面活性剤などを加え、例えばラインミキサーや循環ポンプなどで一次混合後、高圧ホモジナイザーやコロイダルミルなどにより所望の粒子径になるよう機械的に強制乳化し、ドデシルベンゼンスルホン酸などの酸を加えて0℃以上、好ましくは100℃以下、さらには30℃以下、特に25℃以下で重合し、必要に応じてさらにグラフト交叉剤等と反応させ、しかる後に中和することで生成することができる。
前記環状シロキサン等の重合、又は(ポリ)オルガノシロキサン等の強制乳化重合に際して酸性重合条件を用いる場合には、界面活性剤としては酸性下でも界面活性能が発揮される界面活性剤を用いることが好ましい。その様な界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステルの金属塩、アルキルスルフォン酸の金属塩、アルキルアリールスルホン酸の金属塩などのアニオン系界面活性剤をあげることができる。前記金属塩としては、好ましくはアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、カリウム塩が選ばれる。中でもナトリウム塩が好ましく、さらにはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが最も好ましい。また、ポリオキシエチレンドデシルエーテルに代表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに代表されるポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルに代表されるポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステルなどのノニオン系界面活性剤を使用することができる。あるいはそれらと前記アニオン系界面活性剤とを併用することもできる。
(多官能性単量体系重合体(c2))
前記分子内に2以上のラジカル重合性基を有する窒素原子含有多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(c2)には、前記エチレン性不飽和単量体の重合体(c3)のシロキサンゴム重合体(c1)へのグラフト効率を高める効果があり、これにより前記エチレン性不飽和単量体の使用量少なく抑えることが可能となるので、相対的に本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体中でのシロキサンゴム重合体(c1)成分の割合を高めることができる。この結果、可燃成分であるエチレン性不飽和単量体の使用量を低減することができ、得られる樹脂組成物の難燃性の悪化を抑制、もしくは改善することができる。多官能性単量体由来重合体(c2)として窒素原子含有多官能性単量体由来重合体を用いた場合には、さらには、シロキサンゴム重合体系共重合体自体の耐熱性を向上させることができる。これは前記窒素原子含有多官能性単量体由来の重合体(c2)の耐熱性が高いことに起因すると考えられる。また、アリルメタクリレート、1,3一ブチレングリコールジメタクリレートなどのメタクリレート系の多官能性単量体、ブタジエンなどのジエン類、ジビニルベンゼン等由来の単位を少なくとも有する重合体を用いた場合と比較して難燃性の悪化を抑制、もしくは改善することができる。
このような分子内に2以上のラジカル重合性基を有する窒素原子含有多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(c2)は、後述する窒素原子含有多官能性単量体と、これと共重合可能な後述するその他の単量体と、の混合物である重合体(c2)形成用単量体を、公知のラジカル重合法を用いて重合した重合物である。前記シロキサンゴム重合体(c1)をエマルジョンとして得た場合には、重合体(c2)は、乳化重合法により得ることが好ましく、その際には、公知の重合開始剤、すなわち2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の熱分解型重合開始剤として用いることができる。また、重合温度を比較的低温を含む広い範囲で設定できることから、t一ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t一ブチルハイドロパーオキサイド、ジーt一ブチルパーオキサイド、t一ヘキシルパーオキサイド等の有機過酸化物過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物といった過酸化物、及び必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤を、組み合わせてレドックス型重合開始剤として用いることが好ましく、この場合、必要に応じて硫酸鉄(II)等の遷移金属塩、また必要に応じてエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム等のキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウム等のリン含有化合物等を併用することが好ましい。前記有機過酸化物過酸化水素の中でも、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の芳香族環含有過酸化物を、レドックス型重合開始剤として用いることが好ましい。
重合体(c2)形成用単量体100重量%中の窒素原子含有多官能性単量体の割合は、本発明に係る難燃性発現の観点から、20重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、100重量%が最も好ましい。
前記窒素原子含有多官能性単量体としては、トリアリルアミンなどの三級アミン類、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルーn一プロピルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌル酸骨格を有する化合物、トリアリルシアヌレートに代表されるシアヌル酸骨格を有する化合物、トリ(メタ)アクリロイルヘキサハイドロトリアジン等が挙げられ、中でもイソシアヌル酸骨格を有する化合物、特にトリアリルイソシアヌレート、またはシアヌル酸骨格を有する化合物、特にトリアリルシアヌレートが好ましく、トリアリルイソシアヌレートが最も好ましい。
前記窒素原子含有多官能性単量体と共重合可能な他の単量体としては、後述するエチレン性不飽和単量体と同様のものが用いられるが、その他、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジイソプロペニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルベンゼントリカルボキシレート、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、2,2‘一ジビニルビフェニル、2,4’−ジビニルビフェニル、3,3Lジビニルビフェニル、4,4Lジビニルビフェニル、2,4‘−ジ(2一プロペニル)ビフェニル、4,4Lジ(2一プロペニル)ビフェニル、2,2’−ジビニル−4−エチルー4‘−プロピルビフェニル、3,5,4Lトリビニルビフェニルなどの多官能性単量体も用いることができる。また、前記窒素原子含有多官能性単量体と共重合可能な他の単量体として、良好な難燃性発現のために、スチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートといったアルキル基の炭素数が2以下のアルキル(メタ)アクリレート、2,2’−ジビニルビフェニル、2,4‘−ジビニルビフェニル、3,3Lジビニルビフェニル、4,4Lジビニルビフェニル、2,4’−ジ(2一プロペニル)ビフェニル、4,4‘−ジ(2−プロペニル)ビフェニル、2,2’−ジビニル−4−エチル−4‘−プロピルビフェニル、3,5,4’−トリビニルビフェニル等の非縮合多芳香環含有多官能性単量体を用いても良い。
(エチレン性不飽和単量体重合体(c3))
前記エチレン性不飽和単量体由来の重合体(c3)には、本発明に係るシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体とマトリクス樹脂との相溶性を確保する効果がある。本発明に係る難燃性発現の観点から、重合体(c3)のガラス転移温度は40℃以上とすることが好ましく、60℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。
このようなエチレン性不飽和単量体由来の重合体(c3)は、後述するエチレン性不飽和単量体を、必要に応じて連鎖移動剤と共に、公知のラジカル重合法を用いて重合した重合物である。前記シロキサンゴム重合体(c1)、及び多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(c2)を含む重合体混合物をエマルジョンとして得た場合には、重合体(c3)は、乳化重合法により得ることが好ましい。前記連鎖移動剤を用いることにより、得られるポリルガノシロキサン含有共重合体の耐熱性や熱安定性、最終成形体の難燃性・耐衝撃性等が改良される場合がある。このような連鎖移動剤としては、不飽和テルペン類、メルカプタン類などが例示されるが、中でも前記メルカプタン類が好ましく、臭気のないシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体、又は本発明に係る樹脂組成物が得られることから、2−エチルヘキシルチオグリコレートが最も好ましい。前記連鎖移動剤の前記エチレン性不飽和単量体に対する使用量は、重合体(c3)のグラフト効率や、マトリクス樹脂中でのシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体の分散性、本発明に係る難撚性・機械的特性の観点から、好ましくは0,01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらには0.1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらには2重量%以下である。
前記エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2一エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ドデシルメタクリルアミド、シクロドデシルメタクリルアミド、アダマンチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、本発明において特に断らない限り、例えば(メタ)アクリルとはアクリル、及び/又は、メタクリルを意味する。
これらの単量体の中でも、前記エチレン性不飽和単量体として好ましいのは、本発明に係る難燃性発現の観点から、スチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が2以下のアルキル(メタ)アクリレートであり、より好ましいのは、単独重合体のガラス転移温度が40℃以上、さらに好ましくは60℃以上、さらには90℃以上である単量体のみを用いる場合であり、そのようなより好ましい単量体としてはスチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルメタクリレート等である。
このような好ましい単量体に必要に応じて、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有ビニル系単量体、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニル系単量体又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、有機フォスフォニウム塩、有機スルフォニウム塩や有機アンモニウム塩、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニル系単量体、オキセタンメタクリレート等のオキセタン環含有ビニル系単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体等の官能基含有ビニル系単量体を併用することもできる。
(エポキシ基含有単量体重合体(c4))
前記エポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられるが、好ましくはグリシジルメタクリレートである。なお、本発明において特に断らない限り、例えば(メタ)アクリルとはアクリル、及び/又は、メタクリルを意味する。
本発明に係る(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体の組成比は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物を100質量%として、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましいのは0.1〜15質量%、さらに好ましいのは0.1〜12質量%である。20質量%よりも多いと、材料そのものの弾性率が大幅に低下してしまい、電気電子部品の構造上必要な剛性を保持できなくなる。また0.1質量%よりも少ないと、耐ヒートサイクル性が発現しがたい。
(D)オレフィン系樹脂
本発明で用いる(D)オレフィン系樹脂としては、具体的にオレフィン系共重合体、及びそれらにエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分を導入して得られるオレフィン系共重合体などが挙げられる。
オレフィン系共重合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレンなどのα−オレフィン単独又は2種以上を重合して得られる重合体、α−オレフィンとアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのα、β−不飽和酸及びそのアルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。
変性オレフィン系共重合体にエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分を導入するための官能基含有成分の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物基を含有する単量体、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する単量体、またはカルボン酸金属錯体などのアイオノマーを含有する単量体が挙げられる。
特に有用なオレフィン系共重合体の具体的な例としては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体の亜鉛錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のマグネシウム錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のナトリウム錯体などを挙げることができる。
とりわけ好ましいのは、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
(D)オレフィン系共重合体の組成比は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物を100質量%として、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。さらに好ましいくは1〜10質量%である。1質量%よりも少ないと、衝撃改質効果が得られない。また20質量%よりも多いと製品設計上必要な剛性が得難い。
(E)非繊維系無機化合物
(E)非繊維系無機化合物としては、具体的にはマイカ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化銅、亜酸化銅、等の珪酸塩鉱物や金属水酸化物や金属酸化物や、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、等の金属窒化物、炭化ケイ素等の金属炭化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、ダイヤモンド、等の絶縁性炭素材料、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等の金属水酸化物、を例示することができる。
中でも電気絶縁性やシランカップリング剤による樹脂界面との接着性向上の観点から、タルク、マイカ、等の珪酸塩鉱物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、等の金属窒化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等の金属水酸化物、ダイヤモンド、等の絶縁性炭素材料、をより好ましく用いることができる。これらは単独あるいは複数種類を組み合わせて用いることができる。
(E)非繊維系無機化合物の形状については、種々の形状のものを適応可能である。例えば粒子状、微粒子状、ナノ粒子、凝集粒子状、チューブ状、ナノチューブ状、ワイヤ状、ロッド状、針状、板状、不定形、ラグビーボール状、六面体状、大粒子と微小粒子とが複合化した複合粒子状、液体、など種々の形状を例示することができる。またこれら(E)非繊維系無機化合物は天然物であってもよいし、合成されたものであってもよい。天然物の場合、産地等には特に限定はなく、適宜選択することができる。これら(E)非繊維系無機化合物は、1種類のみを単独で用いてもよいし、同組成物で形状、平均粒子径、種類、表面処理剤等が異なる2種以上を併用してもよい。
また、樹脂と無機化合物との界面の接着性を高めたり、作業性を容易にしたりする目的のシラン処理剤等の各種表面処理剤としては特に限定されず、例えばシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、等従来公知のものを使用することができる。中でもエポキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、及び、アミノシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、ポリオキシエチレンシラン、等が樹脂の物性を低下させることが少ないため好ましい。無機化合物の表面処理方法としては特に限定されず、通常の処理方法を利用できる。
(E)非繊維系無機化合物の組成物中の質量%は、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは1〜30質量%である。より好ましい範囲は1〜20質量%である。1質量%よりも少ないと、繊維による大幅な剛性や衝撃向上効果がみられない。40質量%よりも多いと無機充填材起因の応力集中箇所が無数に発生しやすくなり、強度が確保できない点から好ましくない。
本件の耐ヒートサイクル性に適切な靭性を付与できる技術については、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物全般に有効である。例えば、特許文献:特許第5117482号に記載されているポリフェニレンスルフィド系樹脂をベースとして、他熱可塑性樹脂を1μm以下のサイズで分散させたマトリクス中に無機化合物を合計で60〜75wt%と高充填する系においても、本件のシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を少量、例えば0.1〜5wt%添加するだけで、ヒートサイクル性に適切な靭性を付与できることが期待される。さらに、ポリシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体は耐トラッキング性付与にも効果が期待できることが予想される。
次に、参考例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、参考例中の各種物性値に関しては、以下のような方法で測定した。
(体積平均粒子径)シードポリマー、シロキサンゴム重合体粒子および多層構造重合体の体積平均粒子径をラテックスの状態で測定した。測定装置として、日機装株式会社製のMICROTRACUPA150を用いて体積平均粒子径(μm)を測定した。
(重量平均分子量)ポリマーを、約0.2%のテトラヒドロフラン(THF)溶液とし、その溶液をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析することにより重量平均分子量(Mw)を決定した。GPC分析においては東ソー(株)社製HLC−8220GPCシステムを使用し、カラムはTSK Guardcolumn Super HZ−HおよびTSKgel Super HZM−H(東ソー(株)製)を用い、THFを溶出液とし、ポリスチレン換算で解析した。
[参考例1:シロキサンゴム重合体粒子の製造例]
イオン交換水200重量部、アルキル基の平均鎖長が12のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)1重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)1重量部、平均分子量2000の末端ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(DHPDMS)97.5重量部、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(DSMA)2.5重量部からなる混合物を、ホモミキサーにより10000rpmで5分間攪搾後、高圧ホモジナイザーに500barの圧力下で3回通過させてシロキサンエマルジョンを調製した。このエマルジョンを速やかに撹搾機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5ロフラスコに一括して仕込んだ。系を撹搾しながら、30℃で6時間反応させた。その後、23℃に冷却して20時間放置後、系のpHを3重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で6.8にして重合を終了し、シロキサンゴム重合体粒子を含むラテックスをえた。重合転化率は97%、シロキサンゴム重合体粒子のラテックスの体積平均粒子径は0.28μm、シロキサンゴム重合体成分の重量平均分子量は23万であった。
[参考例2:シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体(C−1)の製造)
撹搾機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口および温度計を備えた5ロフラスコに、イオン交換水240重量部(オルガノシロキサン粒子を含むラテックスからの持ち込み分を含む)、及び上記で得たシロキサンゴム重合体粒子のラテックスを固形分相当で70重量部を仕込み、系を撹搾しながら窒素気流下に重合である温度60℃まで昇温した。その温度に到達してから1時間後に、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.25重量部、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA)0.002重量部、及び硫酸第一鉄0.0005重量部を添加したのち、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)1重量部、及びクメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.05重量部からなる混合物を一括で追加し、30分間撹搾を続けた。
その後、さらにクメンハイドロパーオキサイドを0.04重量部添加して30分間撹搾した後、グリシジルメタクリレート(GMA)10重量部、2−エチルヘキシルチオグリコレート(2EHTG)0.04重量部、及びCHP0.1重量部からなる混合物を20重量部/時間の追加速度で滴下追加し、続いて、メチルメタクリレート(MMA)20重量部、2−エチルヘキシルチオグリコレート(2EHTG)0.08重量部、及びCHP0.2重量部からなる混合物を20重量部/時間の追加速度で滴下追加し、その後さらに2時間撹搾を続け、さらにCHP0.05重量部を添加してから30分間撹搾を続けることによってシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体(C−1)のラテックスを得た。グラフト成分すべての重合転化率は100%であり、ラテックスの体積平均粒子径は0.30μmであった。
70℃に加温しミスト状に噴霧した前記ラテックスに、90℃に加温しミスト状に噴霧した10重量%塩化カルシウム水溶液を固形分で4重量部相当となるように接触させて凝固スラリーを得た。得られた凝固スラリーをスチーム加熱により95℃まで加熱し、5分間保持した後、50℃まで冷却して脱水、樹脂量の15倍の水で2回洗浄後、乾燥させてシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体C−1の粉体を得た。
以下に、実施例、比較例において使用した樹脂、及び原料類を示す。
[ポリフェニレンスルフィド樹脂 A−1]:DIC社製 直鎖状PPSニートレジン 品名FZ−2100
[繊維系無機化合物 B−1]:日東紡社製 エポキシ系カップリング剤による表面処理ガラス繊維 品名CS3J−953
[シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体 C−1]:参考例2で得られたGMA変性比率10wt%のシロキサンゴム重合体含有多層構造重合体
[オレフィン系樹脂 D−1]:住友化学社製 GMA変性PE 品名ボンドファスト グレードBF−E
[非繊維系無機化合物 E−1]:丸尾カルシウム社製 炭酸カルシウム 品名スーパー#2000 平均粒子径1.1μm
表1に示した配合組成(単位:重量%)に従い、予めドライブレンドしたものを、ベント式44mmφ同方向2軸押出機(TEX44、日本製鋼所(株)製)を用い、前記ドライブレンド物をホッパー孔から供給し、シリンダー温度設定を310〜280℃にて溶融混練を行い、ペレット化した。得られたペレットを用いて、シリンダー温度310℃/金型温度130℃に設定した東芝機械株式会社製のIS−75E−2A、直圧式射出成形機(型締力:75t)で、各種評価項目に適した成形体を作製し、下記に示す評価方法にて評価した。
評価結果を表1に示す。
<耐ヒートサイクル性>
図1に示す金属インサート成形体を3個作製し、−40℃〜150℃(各1時間保持)を繰り返し、ヒートサイクル試験を実施した。図1中のA部分にクラックインするまでのサイクル回数とA−B間で破断してしまうまでの回数で以下のように評価した。
「クラックイン」
○:クラックインするまでのサイクル回数が300〜1000回
×:クラックインするまでのサイクル回数が300回以下
「破断」
○:破断するまでのサイクル回数が500〜1000回
×;破断するまでのサイクル回数が500回以下


表2に示した配合組成(単位:重量%)に従い、予めドライブレンドしたものを、ベント式44mmφ同方向2軸押出機(TEX44、日本製鋼所(株)製)を用い、前記ドライブレンド物をホッパー孔から供給し、シリンダー温度設定を310〜280℃にて溶融混練を行い、ペレット化した。得られたペレットを用いて、シリンダー温度310℃/金型温度130℃に設定した東芝機械株式会社製のIS−75E−2A、直圧式射出成形機(型締力:75t)で、各種評価項目に適した成形体を作製し、下記に示す評価方法にて評価した。
<引張強度>
ASTM D 638に準拠したダンベル試験片を用いて、引張試験を実施した。
<曲げ強度>
ASTM D 790に準拠したバー試験片を用いて、曲げ試験を実施した。

Claims (11)

  1. (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂40〜90質量%、(B)繊維系無機化合物10〜50質量%、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体0.1〜10質量%からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
  2. (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂40〜90質量%、(B)繊維系無機化合物10〜50質量%、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体0.1〜10質量%、(D)オレフィン系樹脂0.1〜10質量%からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
  3. (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂25〜60質量%、(B)繊維系無機化合物10〜50質量%、(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体0.1〜10質量%、(D)オレフィン系樹脂0.1〜10質量%、(E)非繊維系無機化合物1〜30質量%からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3記載の(C)シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体を含むポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物であって、該シロキサンゴム重合体含有多層構造重合体100重量%が、シロキサンゴム重合体(c1)60〜90重量%からなるゴム層と、該ゴムコア層を覆い多官能性単量体系重合体(c2)0.1〜10重量%からなる硬質中間層と、該硬質中間層を覆い、エチレン性不飽和単量体(c3)0〜34.9質量%、及びエポキシ基含有単量体重合体(c4)5〜30重量%からなるシェル層からなる組成物である、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
  5. 前記シェル層が、前記エポキシ基含有単量体重合体(c4)5〜20重量%からなる反応性シェル層、及び前記エチレン性不飽和単量体重合体(c3)14.9%〜34.9重量%からなる反応性制御シェル層の2層からなるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
  6. 請求項3記載の非繊維系無機化合物が、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ワラストナイト、の内、1種以上から選択され2種以上組み合わせても良い、請求項3記載のポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物。
  7. 請求項3〜6記載のポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物で、UL746Aにおける比較トラッキング指数が300V以上のポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物
  8. 請求項1〜7記載の樹脂組成物からなる射出成形によって得られる成形体。
  9. 請求項1〜7記載の樹脂組成物からなる射出成形体と金属との複合体。
  10. 請求項9記載の金属との複合体が、金属部品とのアウトサート成形、インサート成形、熱融着、超音波融着、振動融着からなる金属複合体。
  11. 請求項1〜7記載の樹脂組成物からなり、高圧電装用部品、特にEV/HVのPCU内部品で使用される、請求項8〜10記載の射出成形体及び射出成形体と金属との複合体。
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