JP2016128535A - 微多孔膜およびその製造方法 - Google Patents

微多孔膜およびその製造方法 Download PDF

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浩之 前原
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孝一 本田
泰弘 山本
Yasuhiro Yamamoto
泰弘 山本
佐藤 斉
Hitoshi Sato
斉 佐藤
陽大 上村
Yodai Uemura
陽大 上村
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Abstract

【課題】 電池セパレータ材として有用なポリプロピレン系樹脂製微多孔膜を提供する。【解決手段】 以下の条件(A)で測定された応力が、条件;[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、[SA(0)−SA(10)]≦3.0、[SA(0)−SA(60)]≦4.5、[SA(0)−SA(120)]≦5.5、を満たして減衰することを特徴とする、プロピレン系重合体からなる微多孔膜による。条件(A):ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒を経過した時点の応力SA(t)(N)を測定した。ただし、SA(0)の値は引っ張り解除の直前に検出される最大応力であり、SA(0)=20Nである。【選択図】 図1

Description

本発明はポリプロピレン系重合体からなる微多孔膜、これから得られる蓄電デバイス、及び上記微多孔膜の製造方法に関する。
合成樹脂製の微多孔膜は、電池やコンデンサ、キャパシタなどの蓄電デバイスの部材であるセパレータ、各種分離膜、特殊包装材などの機能性部材に加工されている。携帯端末や車両への搭載に適した、低コスト、軽量、小型、高性能のリチウムイオン電池の開発が盛んに行われている今日、中でも電池セパレータ材として有用な微多孔膜に対する需要は高い。電池セパレータ材としての微多孔膜には、イオン電導性が高いことに加え、低コストで、軽量、強度や加工性にも優れるものが、求められている。
ポリエチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体などのポリオレフィンは汎用樹脂であり、熱可塑性であって、合成樹脂の中では比較的低温で様々な形状に加工することができる。中でもポリプロピレン系重合体は、溶剤を用いない乾式法により多孔膜に加工することができる。しかもポリプロピレンはポリオレフィンの中では耐熱性、強度が比較的高い。したがって、ポリプロピレン系樹脂からなる微多孔膜を電池セパレータに利用する利点は大きい。
ポリプロピレン系樹脂からなり、電池性能の向上に貢献できる電池セパレータについては様々に検討されている。例えば特許文献1〜5のように、多くのポリプロピレン系樹脂製のセパレータ材が知られている。
特許文献1には、特定の重量分子量とペンタッド分率を示すポリプロピレンからなる微多孔性フィルムを電池セパレータに用いること、得られた電池セパレータは機械的強度と透過性に優れることが、記載されている。特許文献2には、特定のプロピレン含有量とペンタッド分率を示すポリプロピレンからなる微多孔性フィルムを電池セパレータに用いること、得られた電池セパレータは突刺強度と透過性に優れることが、記載されている。
特許文献3には、特定の孔径を有するポリプロピレン製多孔性フィルムを電池セパレータに用いること、得られた電池セパレータは電池寿命や信頼性にとって有利であることが記載されている。
特許文献4には、シンジオタクチックポリプロピレンを微多孔化して電池セパレータに用いること、得られた電池セパレータは高温での寸法安定性に優れることが記載されている。
特許文献5には、幅方向の強度が高く電解質の吸液性に優れる多孔性ポリプロピレンフィルムをセパレータに用いることが記載されている。
また、特許文献6には、電池製造工程における加工適性に優れるポリプロピレン系樹脂製セパレータ材として、湾曲やたるみの少ない多孔性ポリプロピレンフィルムロールが記載されている。特許文献6に記載された多孔性ポリプロピレンフィルムロールは、電池製造工程へのフィルムの導入時に安定走行できるため、電池製造工程の生産性向上に有利である。
ところで、電池セパレータ材として使用できる微多孔膜の強度や加工性は、電池及びこれを用いたセパレータの構造に適したものでなければならない。非特許文献1(特に40頁の図1)に記載されているように、近年注目されているリチウムイオン電池は、正極、負極、セパレータの3つの部材の配置方法により、捲回型と積層型の2種に大別することができる。
捲回型電池に用いられるセパレータ材としては、正極と負極に追従した湾曲形状への加工が容易であること、捲回した状態で形状が長期にわたり過酷な環境下でも安定していることが求められる。このようなセパレータ材として用いられる微多孔膜としては、比較的小さな外力で所定の捲回形状に変形でき、一旦変形した後は高温下でも電解質に浸漬した状態で捲回形状が安定に維持されることが求められる。したがって捲回型電池に用いられるセパレータ材としては、電池の信頼性のため、いわゆる「コシの弱い」微多孔膜が好まれる傾向にある。
これに対して、積層型電池では、正極、負極、セパレータの薄膜面が順番に層状に積載された箱型形状あるいは扁平形状をとる。この構造では、積層方向に垂直な向き、すなわち電池側部の狭い面に加わる外力に対しては比較的強度を得易い。しかし、薄膜の面に垂直な向き、すなわち電池正面と背面の広い面に加わる外力に対しては比較的強度が得難い。積層型電池の全体の強度を得るためには、強度が高く、外力により変形した場合でもすぐに元の形状に回復し易いセパレータを用いることが望まれる。このようなセパレータは、電池の補強部材としても機能すると期待される。したがって、積層型電池では、電池の信頼性のため、セパレータ材として、いわゆる「コシの強い」微多孔膜が望まれる。
ところが、積層型電池に注目した場合、電池の信頼性を向上するために各層の接着方法や積層体の収納構造を改良した技術の例は特許文献7,8,9に見られるものの、セパレータ材の「コシ」の増強に関する工夫は、ほとんど見当たらない。電池に限らず、コンデンサ、キャパシタを含めた蓄電デバイス全体でも、積層型形状に適した「コシの強い」セパレータを与える微多孔膜に関する知見は乏しい。
しかも、そのような「コシの強さ」を評価するための指標は確立されておらず、コシの強い微多孔膜の選別方法も標準化されていない。このため、積層型蓄電デバイスのセパレータとして有用な微多孔膜の評価は、ユーザ毎に独自の経験と観点で行うことが多い。
特開2013−23673号公報 特開2014−70092号公報 特開2013−100487号公報 特開2013−199597号公報 特開2012−117047号公報 特開2011−140633号公報 国際公開第2011/099224号パンフレット 特開2013−16523号公報 特開2011−113826号公報
電子材料 2010年4月号 39−44頁 工業調査会発行
そこで、本発明の発明者は、客観的な指標で特徴つけられる、積層型蓄電デバイスのセパレータ材に適した、いわゆる「コシの強い」微多孔膜を得ることを目標として、鋭意努力した。
その結果、本発明は、特定のポリプロピレン系樹脂からなり、特定の応力減衰傾向を示す微多孔膜が、積層型蓄電デバイスのセパレータとして有望な微多孔膜であるとの知見を得た。すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)以下の条件(A)で測定された応力が、条件;
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、
[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
[SA(0)−SA(120)]≦5.5、
を満たして減衰することを特徴とする、プロピレン系重合体からなる微多孔膜。
条件(A):ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒を経過した時点の応力SA(t)(N)を測定した。ただし、SA(0)の値は引っ張り解除の直前に検出される最大応力であり、SA(0)=20Nである。
(発明2)上記条件(A)で測定された応力が、条件;
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(30)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(90)]<[SA(0)−SA(120)]、
[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
[SA(0)−SA(30)]≦4.0、
[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
[SA(0)−SA(90)]≦5.0、
[SA(0)−SA(120)]≦5.5、
を満たして減衰することを特徴とする、発明1のプロピレン系重合体からなる微多孔膜。
(発明3)以下の条件(A)で測定された応力が、条件;
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、
1.5≦[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
3.0≦[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
4.0≦[SA(0)−SA(120)]≦5.5、
を満たして減衰することを特徴とする、プロピレン系重合体からなる微多孔膜。
条件(A):ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒を経過した時点の応力SA(t)(N)を測定した。ただし、SA(0)の値は引っ張り解除の直前に検出される最大応力であり、SA(0)=20Nである。
(発明4)上記条件(A)で測定された応力が、条件;
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(30)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(90)]<[SA(0)−SA(120)]、
1.5≦[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
2.0≦[SA(0)−SA(30)]≦4.0、
3.0≦[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
3.5≦[SA(0)−SA(90)]≦5.0、
4.0≦[SA(0)−SA(120)]≦5.5、
を満たして減衰することを特徴とする、発明3のプロピレン系重合体からなる微多孔膜。
(発明5)ポリプロピレン系重合体が、融点が150〜170℃の範囲にあり、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が0.2〜5.0g/10分の範囲にある、任意にエチレン、炭素数4〜8のα―オレフィンから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい、プロピレン主体の重合体である、発明1〜5のいずれかに記載の微多孔膜。
(発明6)蓄電デバイスのセパレータに用いられることを特徴とする発明1〜5のいずれかの微多孔膜。
(発明7)蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、発明6の微多孔膜。
(発明8)蓄電デバイスがキャパシタである、発明6の微多孔膜。
(発明9)発明6の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
(発明10)発明7の微多孔膜を備えるリチウムイオン電池。
(発明11)発明8の微多孔膜を備えるキャパシタ。
(発明12)以下の工程を含むことを特徴とする、発明1〜11のいずれかの微多孔膜の製造方法。
(工程1)ポリプロピレン系重合体を押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
(工程2)工程1で得られた原反フィルムを熱処理する工程。
(工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.0〜1.1倍に延伸する工程。
(工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に延伸する工程。
(工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
本発明の微多孔膜には、外力による形状変化が生じ難く、もし一旦変形した場合でも外力が解除された後の形状回復性が高い。このような微多孔膜を積層型の蓄電デバイスのセパレータとして用いた場合、蓄電デバイスの強度向上が期待できる。
本発明の実施例と比較例の微多孔膜の応力の推移を示す図。横軸は時間t(秒)、縦軸は時間t経過までの応力減衰分(N)を示す。最も上の曲線が比較例1の値である。
(微多孔膜の原料)
本発明の微多孔膜の原料は、ポリプロピレン系重合体であって、プロピレンの単独重合体あるいはコモノマーを共重合した共重合体がこれに相当する。本発明で使用するポリプロピレン系重合体としては、結晶性が比較的高い、融点が150〜170℃の範囲にあるものが好ましく、融点が155〜168℃の範囲にあるものがさらに好ましい。上記コモノマーは、一般的には、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種である。またこれらと共に、2−メチルプロペン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜8の分岐オレフィン類、スチレン類、ジエン類を共重合したものであってもよい。
上記コモノマーの含有量は、微多孔膜が後述の応力減衰性を示す限り、いかなる範囲にあってもよい。好ましくは、高結晶性ポリプロピレン系重合体を与える範囲である、重合体100重量部に対して5重量部以下、特に2重量部以下が好ましい。
また上記ポリプロピレン系重合体は、微多孔膜の加工性からみて、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が0.2〜5.0g/10分、特に0.3〜2.0g/10分の範囲にあるものが好ましい。
本発明の微多孔膜の原料には、結晶核剤や充填剤などの添加剤を配合することができる。添加剤の種類や量は、多孔性を損なわない範囲であれば、制限は無い。
(微多孔膜の応力減衰性)
本発明の微多孔膜は、引張力に対する応力が特異な減衰傾向を示す。本発明の微多孔膜の応力は、以下の条件(A)で測定されたものである。
条件(A):ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒を経過した時点の応力SA(t)(N)を測定した。ただし、SA(0)の値は引っ張り解除の直前に検出される最大応力であり、SA(0)=20Nである。
本発明の微多孔膜では、上記(A)により測定される応力は、引っ張り停止からの時間の経過に伴い、SA(0)から減少する。引っ張り停止時の応力SA(0)と、引っ張り停止からt秒後の応力SA(t)の差は、[SA(0)−SA(t)]で表される。引っ張り解除後の時間経過に伴う本発明の微多孔膜の応力の推移は、特異な傾向にある。すなわち、本発明の微多孔膜では、上記条件(A)により測定される応力が、以下の条件を満たして減衰する。
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、
[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
[SA(0)−SA(120)]≦5.5
上の条件を満たすことは、本発明の微多孔膜では、引張力が除かれた後、時間が経過するに従って応力は減少するものの、その減少分は、一定範値以下にあることを示す。すなわち、引張解除から10、60、120秒後の応力(SA(10)、SA(60)、SA(120))のそれぞれと、荷重積載時最大応力SA(0)との差は、それぞれ一定値以下にある。
このような本発明の微多孔膜のうち、以下の条件を満たして減衰するものが好ましい。
[SA(0)− SA(10)]<[SA(0)−SA(30)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(90)]<[SA(0)−SA(120)]、
[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
[SA(0)−SA(30)]≦4.0、
[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
[SA(0)−SA(90)]≦5.0、
[SA(0)−SA(120)]≦5.5
本発明の微多孔膜は、典型的には、上記条件(A)により測定した応力が以下の条件を満たして減衰する。
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、
1.5≦[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
3.0≦[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
4.0≦[SA(0)−SA(120)]≦5.5
このような本発明の微多孔膜のうち、以下の条件を満たして減衰するものが好ましい。
[SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(30)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(90)]<[SA(0)−SA(120)]、
1.5≦[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
2.0≦[SA(0)−SA(30)]≦4.0、
3.0≦[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
3.5≦[SA(0)−SA(90)]≦5.0、
4.0≦[SA(0)−SA(120)]≦5.5
(微多孔膜の製造方法)
本発明の微多孔膜は、上述のポリプロピレン系重合体を原料に用いて、いわゆる乾式法によって製造される。本発明の微多孔膜の製造方法は、以下の工程1〜5を含む。
(工程1:製膜工程)
原料を押出成形して原反フィルムを製膜する工程である。ポリプロピレン系重合体を押出機に供給し、ポリプロピレン系重合体をその融点以上の温度で溶融混練し、押出機の先端に取り付けたダイスからポリプロピレン系重合体フィルムを押出す。使用される押出機は限定されない。押出機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、タンデム型押出機のいずれもが使用可能である。使用されるダイスはフィルム成形に用いられるものであれば、いずれも使用できる。ダイスとしては、例えば、各種T型ダイス使用することができる。原反フィルムの厚みや形状は特に限定されない。好ましくは、ダイスリップクリアランスと原反フィルム厚さの比(ドラフト比)は100以上、さらに好ましくは150以上である。好ましくは、原反フィルムの厚みは10〜200μm、さらに好ましくは15〜100μmである。
(工程2:熱処理工程)
工程1を終えた原反フィルムを熱処理する工程である。ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃、好ましくは10〜25℃低い温度で、原反フィルムに長さ方向の一定の張力を加える。張力は、好ましくは、原反フィルムの長さが1.0倍を超え1.1倍以下となる大きさである。
(工程3:冷延伸工程)
工程2を終えた原反フィルムを比較的低い温度で延伸する工程である。延伸温度は−5〜45℃、好ましくは5〜30℃である。延伸倍率は、長さ方向に1.00〜1.10、好ましくは1.00〜1.05未満、さらに好ましくは1.01〜1.04である。ただし、延伸倍率は1.0倍より大きい。延伸手段は制限されない。ロール延伸法、テンター延伸法などの公知の手段が使用できる。延伸の段数は任意に設定できる。1段延伸でもよく、複数のロールを経て2段以上の延伸を行ってもよい。冷延伸工程で、原反フィルムを構成するポリプロピレン系重合体の分子が配向する。その結果、分子鎖が密なラメラ部と、ラメラ間の分子鎖が疎な領域(クレーズ)とを有する延伸フィルムが得られる。
(工程4:温延伸工程)
工程3を終えた延伸フィルムを比較的高い温度で延伸する工程である。延伸温度はポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度、好ましくはポリプロピレン系重合体の融点よりも10〜45℃低い温度である。延伸槽の温度がこの範囲となるように、延伸ヒータ温度を設定する。延伸倍率は、長さ方向に1.5〜4.5倍、好ましくは2.0〜4.0倍である。延伸手段は制限されない。ロール延伸法、テンター延伸法などの公知の手段が使用できる。延伸の段数は任意に設定できる。1段延伸でもよく、複数のロールを経て2段以上の延伸を行ってもよい。温延伸工程で工程3で生じたクレーズが引き延ばされ、空孔が発生する。
(工程5:弛緩工程)
工程4を終えた温延伸後のフィルムの収縮を防ぐためにフィルムを弛緩させる工程である。弛緩温度は、温延伸の温度よりもやや高い温度であり、0〜20℃高い温度が一般的である。弛緩の度合いは、工程4を終えた延伸フィルムの長さが最終的に0.7〜1.0倍になるように調整される。
(実施例1)
(原料)微多孔膜の原料として、JIS K6758(230℃、21.18N)に従い測定したメルトマスフローレイト(MFR)が0.5g/10分、融点が165℃のプロピレン単独重合体を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比206でTダイから押出して原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを25℃で長さ方向に1.04倍に冷延伸した。(工程4)延伸ヒータ温度を230℃に保ち、得られた延伸フィルムを長さ方向に2.80倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。
(評価)
得られた微多孔膜の空孔率と応力推移を、以下の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(空孔率)
幅50mm×長さ120mmの微多孔膜切片について、以下の計算式により算出した値である。
空孔率(%)=[1−(切片重量)/(切片面積×樹脂密度×切片厚み)]×100
(応力推移)
島津製作所製引張試験機を用い、ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒が経過した時点の応力(t)をSA(t)(N)として測定した。引っ張り解除の直前に検出される最大応力SA(0)(ただしSA(0)=20Nである。)からSA(t)との差(減少分)を算出した。表1には、tが10、30、60、90、120の場合のSA(t)とSA(0)との差を示す。
(実施例2)
実施例1と同じ原料を用いた。実施例1の製造方法に変更を加えた方法により、本発明の微多孔膜を得た。得られた微多孔膜を実施例1と同じ方法で評価した。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同じ原料を用いた。実施例1の製造方法に変更を加えた方法により、本発明の微多孔膜を得た。得られた微多孔膜を実施例1と同じ方法で評価した。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同じ原料を用いた。実施例1の製造方法に変更を加えた方法により、本発明の微多孔膜を得た。得られた微多孔膜を実施例1と同じ方法で評価した。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同じ原料を用いた。実施例1の製造方法に変更を加えた方法により、本発明の微多孔膜を得た。得られた微多孔膜を実施例1と同じ方法で評価した。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(比較例1)
市販の湿式二軸延伸法によるポリエチレン系微多孔膜(膜厚20μm、空孔率39%)について、実施例1と同じ方法で評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2016128535
本発明の微多孔膜は、特定の応力減衰性を示す。このような微多孔膜は、外部からの衝撃や圧力に対する抵抗力が高く、一旦変形した後の形状回復性が優れると推測される。したがって、本発明の微多孔膜はいわゆる「コシの強い」微多孔膜である。しかも、本発明の微多孔膜は、十分な多孔性を有する。また、ポリオレフィンの中でも比較的高融点で強度に優れるポリプロピレン系樹脂を使用している本発明の微多孔膜は、耐熱性やコストでも有利である。このような本発明の微多孔膜は、特に積層型の蓄電デバイスのセパレータ材として有用である。本発明の微多孔膜は、特に、耐久性や薄型化、低コスト化が求められるリチウムイオン電池のセパレータ材として有用である。

Claims (12)

  1. 以下の条件(A)で測定された応力が、条件;
    [SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、
    [SA(0)−SA(10)]≦3.0、
    [SA(0)−SA(60)]≦4.5、
    [SA(0)−SA(120)]≦5.5、
    を満たして減衰することを特徴とする、プロピレン系重合体からなる微多孔膜。
    条件(A):ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒を経過した時点の応力SA(t)(N)を測定した。ただし、SA(0)の値は引っ張り解除の直前に検出される最大応力であり、SA(0)=20Nである。
  2. 上記条件(A)で測定された応力が、条件;
    [SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(30)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(90)]<[SA(0)−SA(120)]、
    [SA(0)−SA(10)]≦3.0、
    [SA(0)−SA(30)]≦4.0、
    [SA(0)−SA(60)]≦4.5、
    [SA(0)−SA(90)]≦5.0、
    [SA(0)−SA(120)]≦5.5、
    を満たして減衰することを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン系重合体からなる微多孔膜。
  3. 以下の条件(A)で測定された応力が、条件;
    [SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(120)]、
    1.5≦[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
    3.0≦[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
    4.0≦[SA(0)−SA(120)]≦5.5、
    を満たして減衰することを特徴とする、プロピレン系重合体からなる微多孔膜。
    条件(A):ASTM D882に準拠した引張試験の条件で、10mm×150mmの微多孔膜切片を、100mm/分の速度で引っ張り、応力が20Nに達した時点で引っ張りを停止した。この時点からt秒を経過した時点の応力SA(t)(N)を測定した。ただし、SA(0)の値は引っ張り解除の直前に検出される最大応力であり、SA(0)=20Nである。
  4. 上記条件(A)で測定された応力が、条件;
    [SA(0)−SA(10)]<[SA(0)−SA(30)]<[SA(0)−SA(60)]<[SA(0)−SA(90)]<[SA(0)−SA(120)]、
    1.5≦[SA(0)−SA(10)]≦3.0、
    2.0≦[SA(0)−SA(30)]≦4.0、
    3.0≦[SA(0)−SA(60)]≦4.5、
    3.5≦[SA(0)−SA(90)]≦5.0、
    4.0≦[SA(0)−SA(120)]≦5.5、
    を満たして減衰することを特徴とする、請求項3に記載のプロピレン系重合体からなる微多孔膜。
  5. ポリプロピレン系重合体が、融点が150〜170℃の範囲にあり、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が0.2〜5.0g/10分の範囲にある、任意にエチレン、炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい、プロピレン主体の重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微多孔膜。
  6. 蓄電デバイスのセパレータに用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微多孔膜。
  7. 蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、請求項6に記載の微多孔膜。
  8. 蓄電デバイスがキャパシタである、請求項6に記載の微多孔膜。
  9. 請求項6に記載の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
  10. 請求項7に記載の微多孔膜を備えるリチウムイオン電池。
  11. 請求項8に記載の微多孔膜を備えるキャパシタ。
  12. 以下の工程を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の微多孔膜の製造方法。
    (工程1)ポリプロピレン系重合体を押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
    (工程2)工程1で得られた原反フィルムを熱処理する工程。
    (工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.0〜1.1倍に延伸する工程。
    (工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に延伸する工程。
    (工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
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