JP2006114746A - ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ - Google Patents

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淳一 山内
Takashi Niifuku
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Abstract

【課題】単純な樹脂組成にも関わらず電解液保持性に優れ、内部抵抗の少ないポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを優れた生産性をもって提供する。
【解決手段】結晶性ポリプロピレン(A)と、(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する膜状成形物を延伸して形成された、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
【選択図】なし。

Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータに関する。詳しくは、電解液保持性に優れ、内部抵抗が少なく、耐熱性の良好なポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータに関する。
電気二重層キャパシタは、メモリ、アクチュエータ等のバックアップ用として広く利用されている。該キャパシタは、二次電池と比較して1回の充電当たりの充電容量は小さいが、瞬間充放電特性に優れ、1〜10万回の充放電でも特性劣化がないため、VTR、カメラ、腕時計、柱時計等に応用され、車載用途や大型バックアップ電源、平坦化電源等、新しい用途も開発されている。
電気二重層キャパシタは、二次電池のように化学反応を電気エネルギーに変換するものではなく、電極と電解液との界面に生じる電気二重層の大きな静電容量を利用し、この二重層の電荷を電池の充放電と同じように出し入れするものである。その構成は活性炭材料等とフッ素樹脂等の結着剤とによって形成された1対の電極を、多孔膜や不織布等のセパレータを介して対向させ、間に電解液を充填したものである。
電気二重層キャパシタにはセパレータが用いられるが、その役割は、第1に電極同士の物理的接触による短絡防止(セパレート性)、第2に電解液中のイオンの移動を妨げないこと(低い内部抵抗)である。従来の多孔膜セパレータ(例えば、特許文献1参照)は密度が高いため、内部抵抗が高くなる傾向にある。セルロース繊維や種々の合成繊維からなる不織布を用いたセパレータも知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、該セパレータには、セパレート性を保持するために繊維径を小さくしたり、繊維密度を高めたりすると内部抵抗が高くなり、逆に内部抵抗を小さくするために繊維径を大きくしたり、繊維密度を低くすると不織布の孔径が大きくなってセパレート性が不十分になる問題があった。
電気二重層キャパシタは、有機系電解液タイプと水溶液系電解液タイプの2種類に大別される。有機系電解液タイプは、1セルの電圧が2.0V以上と高いため、1.2Vで電気分解する水分を電極材料である活性炭から除去する乾燥処理が不可欠である。この処理を短時間で効率よく行うためには、乾燥温度を高くする必要がある。また、水溶液系電解液タイプについても、組み立て時における接着剤の硬化を短時間で効率よく行うために、熱処理温度を高くする必要がある。従って、このような蓄電デバイスに組み込まれるセパレータにも、120℃以上の耐熱性が求められている。
耐熱性セパレータとしては、一般に繊維材料からなる不織布やフッ素樹脂に代表される耐熱性有機材料の多孔質膜が使用されている。しかし、繊維材料からなる不織布は孔径が大きく、電極から発生する針状の析出物(デンドライト)による短絡が発生する恐れがある。また、耐熱性の有機材料は一般に価格が高価である等の問題がある。
特開2002−260961号公報 特開2002−151040号公報
本発明は、従来の電気二重層キャパシタ用セパレータに関する前記課題を解決すべくなされたものであり、単純な樹脂組成にも関わらず電解液保持性に優れ、内部抵抗の少ないポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを優れた生産性をもって提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形して冷却した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成された電気二重層キャパシタ用セパレータであり、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜70重量%とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜70重量%とからなり、膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10で、膜状成形物の延伸温度が10〜100℃である、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータによって本課題が解決されることを見出しこの知見に基づいて本発明を完成した。尚、本発明において連通した細孔とは、共重合体(B)領域に連続的に形成され、結果的に電気二重層キャパシタ用セパレータの両面をつなぐ経路となる細孔をいう。
本発明は、以下によって構成される。
1.結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形して冷却した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成された電気二重層キャパシタ用セパレータであり、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜70重量%とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜70重量%とからなり、膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10で、膜状成形物の延伸温度が10〜100℃である、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
2.結晶性ポリプロピレン(A)のメルトマスフローレイトMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトマスフローレイトMFRRCとのメルトマスフローレイト比MFRPP/MFRRCが10〜1000である前記1項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
3.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜5である前記1または2項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
4.空隙率が60〜70%である前記1〜3項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
5.孔閉塞温度が140℃以上である前記1〜4項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
6.孔閉塞温度が150℃以上である前記1〜4項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、特定の加工方法のもとで、結晶性ポリプロピレン(A)中にプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)(以下、単に「共重合体(B)」ということがある)が微分散した特定のポリプロピレン樹脂を用いることにより低温時の延伸性を向上させ、共重合体(B)領域に共重合体(B)の開裂による細孔を形成させて得られた電気二重層キャパシタ用セパレータである。また、本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、従来のような複雑な製造工程を用いないで得られる経済的な電気二重層キャパシタ用セパレータであり、細孔が微細であって延伸性及び高空隙率化に優れるため、安全性だけでなく高静電容量化や薄肉化の目的に適った電気二重層キャパシタ用セパレータである。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
(1)ポリオレフィン樹脂(C)
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、結晶性ポリプロピレン(A)と、共重合体(B)とからなり、結晶性ポリプロピレン(A)のマトリックス中に共重合体(B)が領域として微分散しているポリオレフィン樹脂(C)が使用される。
(i)結晶性ポリプロピレン(A)
結晶性ポリプロピレン(A)は、主としてプロピレン重合成分からなる結晶性の重合体であり、好ましくはプロピレン重合成分が全体の90重量%以上であるポリプロピレンである。具体的には、プロピレンの単独重合体であってもよく、また、プロピレン重合成分90重量%以上とα−オレフィン重合成分10重量%以下とのランダムまたはブロック共重合体であってもよい。結晶性ポリプロピレン(A)が共重合体の場合に使用されるα−オレフィンとしては、エチレン(本発明ではα−オレフィンに含める)、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。このうち、プロピレン単独重合体またはプロピレン重合成分の含量が90重量%以上のプロピレン−エチレン共重合体を用いるのが、製造コストの点から好ましい。
また、結晶性ポリプロピレン(A)のメルトマスフローレイトMFRPPは製膜の安定性から0.1〜50g/10minの範囲のものが好ましい。
(ii)プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)
共重合体(B)は、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体である。プロピレン重合成分の含量は、共重合体(B)全体に対し重量基準で30〜80重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは35〜75重量%、更に好ましくは40〜70重量%である。プロピレン重合成分の含量が前記範囲であれば、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)との界面剥離が生じにくくなるため低温延伸性が向上し、結晶性ポリプロピレン(A)のマトリックス中に存在する共重合体(B)領域に細孔が形成され易い。
共重合体(B)に使用されるプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。このうちα−オレフィンとしてエチレンを用いたプロピレン−エチレン共重合体が、製造コストの点から好ましく用いられる。
共重合体(B)のメルトマスフローレイトMFRRCは特に限定されないが、0.1〜20g/10minの範囲が成形加工性に優れるため好適である。
(iii)ポリオレフィン樹脂(C)
ポリオレフィン樹脂(C)は、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)からなる。結晶性ポリプロピレン(A)のメルトマスフローレイトMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトマスフローレイトMFRRCとのメルトマスフローレイト比MFRPP/MFRRC(以下、「MFR比」という)は、限定されるものではないが、10より大きく1000以下の範囲が好ましい。
ポリオレフィン樹脂(C)における、結晶性ポリプロピレン(A)の含量は30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%であり、共重合体(B)の含量は30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%である。結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)の含量が上記の範囲であれば連通した細孔が得られ共重合体(B)の分散性も良い。
前記ポリオレフィン樹脂(C)の製造方法は特に限定されず、上記の条件を満足すれば、いかなる製造方法を用いてもよい。例えば、各々別個に重合して得られた結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)とを溶融、混練等によって混合することによりポリオレフィン樹脂(C)を製造してもよい。具体的には、チタン担持触媒等のチーグラーナッタ触媒を用いて重合した共重合体(B)や共重合体(B)に該当する市販のエチレン−プロピレンゴムと結晶性ポリプロピレン(A)とを溶融し混合する方法が例示できる。
また、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)とを多段重合により連続的に重合することによってポリオレフィン樹脂(C)を製造してもよい。例えば、複数の重合器を使用し、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、引続き2段目で結晶性ポリプロピレン(A)の存在下に共重合体(B)を製造し、ポリオレフィン樹脂(C)を連続的に製造する方法が例示できる。この連続重合法は、上記した溶融混合法に比べて製造コストが低く、また、結晶性ポリプロピレン(A)中に共重合体(B)が均一に分散したポリオレフィン樹脂(C)が安定して得られるため好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータには、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散した共重合体(B)領域に微細な開裂が多数認められる。共重合体(B)が一定以上のプロピレン成分を含有するために結晶性ポリプロピレンと相溶性を有しており、この結晶性ポリプロピレン(A)と相溶性を有する共重合体(B)が、結晶性ポリプロピレン(A)より低強度であるため、延伸応力により共重合体(B)領域で開裂が発生したと推察される。このメカニズムは従来の無機質フィラーや異種ポリマーを混合及び延伸した多成分延伸法と根本的に異なる。その結果、得られた電気二重層キャパシタ用セパレータは、細孔径が小さいため安全性に優れ、また、空隙率が高いため静電容量を高くすることができる。
本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータの空隙率は、特に限定されるものではないが、30〜90%が好ましく、40〜80%がより好ましく、60〜70%が更に好ましい。空隙率が上記の範囲内であれば、電気二重層キャパシタ用セパレータとしての機能が得られる。特に、空隙率が60〜70%の場合は、キャパシタの高静電容量化や高強度化が可能となる。
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、低融点の共重合体(B)中に形成された細孔が温度上昇とともに閉塞するが、マトリックスポリマーである結晶性ポリプロピレン(A)が高融点のために140℃近傍まで孔が閉塞することがなく、十分な耐熱性を有することが認められる。
前記のようなMFR比を有するポリオレフィン樹脂(C)は、具体的には国際公開第97/19135号パンフレット、特開平8−27238号公報等に記載されている方法により製造することができる。
尚、ポリオレフィン樹脂(C)は前記の方法で製造することができる他に、市販品の中から所望の仕様のものを選択して用いてもよい。
尚、前記MFR比は、通常は結晶性ポリプロピレン(A)のMFRPP及びプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のMFRRCを各々測定することにより求められる。しかし、ポリプロピレン樹脂を多段重合により連続的に製造した場合(最初に結晶性ポリプロピレン(A)を重合し、次いで共重合体(B)を重合する場合)は、共重合体(B)のMFRRCを直接測定できないため、直接測定可能な結晶性ポリプロピレン(A)のMFRPP、得られるポリオレフィン樹脂(C)のメルトマスフローレイトMFRWHOLE及びポリオレフィン樹脂(C)中の共重合体(B)の含有量WRC(重量%)から、下記式によりMFRRCを算出して、MFR比を求めることができる。
log(MFRRC)={log(MFRWHOLE)−(1−WRC/100)log(MFRPP)}/(WRC/100)
(2)ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ形成用樹脂組成物
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを形成するための膜状成形物の成形材料である樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(C)の他に、通常のポリオレフィンに使用される酸化防止剤、中和剤、α晶造核剤、β晶造核剤、界面活性剤等を必要に応じて配合することができる。
酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤等が例示できる。
中和剤としてはステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩類が例示でき、無機充填剤及びブロッキング防止剤としては炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が例示でき、滑剤としてはステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド類が例示でき、帯電防止剤としてはグリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル類が例示できる。
α晶造核剤としては、タルク、アルミニウムヒドロキシ−ビス(4−t−ブチルベンゾエート)、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトール、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムジヒドロキシ−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等の公知のα晶造核剤が挙げられる。これらは単独使用でも、2種以上の併用でも良い。
これらの添加剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータの要求特性等により適宜選択することができるが、通常前記樹脂組成物全量に対し0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。
また、本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを形成するための前記樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン以外の単量体との二元以上のランダム重合体やポリエチレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の他のオレフィン樹脂の1種以上を併用しても構わない。
更に、電気二重層キャパシタ用セパレータに柔軟性を付与するためにシングルサイト触媒や公知のマルチサイト触媒で重合されたエチレン−ジエン弾性共重合体、エチレンープロピレン弾性共重合体、スチレン−ブタジエン弾性共重合体等の弾性共重合体を添加しても構わない。
前記ポリオレフィン樹脂(C)と上記添加剤を配合する方法は特に限定されず、例えばヘンシェルミキサー(商品名)等の高速撹拌機付混合機及びリボンブレンダー並びにタンブラーミキサー等の通常の配合装置により配合する方法(ドライブレンド)が例示でき、更に通常の単軸押出機または二軸押出機等を用いてペレット化する方法が例示できる。
(3)ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータの形成
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、ポリオレフィン樹脂(C)を主成分とした前記樹脂組成物を溶融混練、膜状溶融物とし、該膜状溶融物をドラフト比1〜5の範囲で膜状成形物に成形して冷却した後、その膜状成形物を100℃以下の温度で少なくとも一方向に延伸することにより形成することができる。その工程は、製膜工程と延伸工程からなる。
(i)製膜工程
前記樹脂組成物から膜状成形物を得るための製膜工程には、公知のインフレーションフィルム成形法、Tダイフィルム成形法、カレンダー成形法等の方法が用いられるが、膜厚さの精度が高く多層化が容易なTダイフィルム成形法が好適に用いられる。
前記樹脂組成物は、180℃以上の押出成形温度で製膜することができるが、ダイス内圧力を低減させ後述のドラフト比を低減させる目的と、マトリックスポリマーである結晶性ポリプロピレン(A)の剛性を向上させて結晶性ポリプロピレン(A)中に分散した共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔が生じさせ易くするため、220〜300℃の押出成形温度が好適に用いられる。
溶融混練された前記樹脂組成物は、ダイリップより押し出されるが、この際、ダイリップを通過する樹脂組成物の流れ方向(MD)の線速度VCLと膜状成形物の流れ方向(MD)の線速度Vの比で定義されるドラフト比(VCL/V)が本願発明を達成するための重要な要因である。一般に熱可塑性樹脂フィルムの成形時にはドラフト比は10〜50程度である。本発明においては、該樹脂組成物を製膜する際のドラフト比は1〜10、好ましくは1〜5でありこれによって得られる膜状成形物は延伸性に優れ、延伸によって微細な連通した細孔が形成され易くなる。
また、マトリックスポリマーである結晶性ポリプロピレン(A)の剛性を向上させて結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔を生じさせ易くするため、ダイリップより押出される膜状成形物の冷却は、徐冷とすることが望ましい。そのため、冷却ロールの温度を好ましくは60〜120℃、より好ましくは70〜110℃にして膜状成形物を冷却する。冷却ロールの温度が上記の範囲であれば、所期の多孔化が容易で、溶融樹脂がロールへ密着して生産性を低下させる等の問題もない。
製膜工程で得られた膜状成形物の厚さは特に限定されるものではないが、次の延伸工程における延伸及び熱処理条件と電気二重層キャパシタ用セパレータの要求特性によって決定され、20μm〜2mm、好ましくは50〜500μm程度であって、製膜速度は1〜100m/分の範囲が好適に用いられる。これらの厚さの膜状成形物は、インフレーション成形装置をはじめとして、前記冷却ロールとエアー吹き出し口を有するエアーナイフ、前記冷却ロールと一対の金属ロール、前記冷却ロールとステンレスベルト等の組み合わせからなるTダイフィルム成形装置やカレンダー成形装置等の各種製膜装置により得られる。
更に、本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、公知の無機質充填剤、有機質充填剤等を含有した樹脂組成物を本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ形成用樹脂組成物と共押出しして膜状成形物としても構わない。
尚、得られた膜状成形物には、次の延伸工程に供する前に、結晶化度を更に向上させるために熱処理を施しても構わない。熱処理は、例えば、加熱空気循環オーブンまたは加熱ロールにより、80〜150℃程度の温度で1〜30分間程度加熱することにより実施される。
(ii)延伸工程
前記製膜工程で製膜された膜状成形物は、次いで少なくとも縦(MD)方向または横(TD)方向のいずれか一方向に延伸され、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔が形成される。この点が、本発明の製造方法と、従来技術である単成分延伸法、多成分延伸法及び混合抽出法等が根本的に異なるところである。これにより本発明の製造方法は、混合抽出法のような複雑な抽出及び乾燥工程等の製造工程や、結晶性ポリオレフィン(A)のラメラ結晶間のフィブリル化により細孔を発現させる単成分延伸法に見られる製膜後の熱処理による結晶化工程等を不要とするだけでなく、マトリックスポリマーと充填剤の界面に空隙を生じさせる多成分延伸法の場合の延伸性不良や平均細孔径が大きくなり易く空隙率が低い等の問題点を大幅に改善し、任意の平均細孔径や空隙率を有する電気二重層キャパシタ用セパレータを優れた生産性を以って提供することを可能にする。
延伸の方法は、一方向に延伸する一軸延伸法の他に、一方向に延伸した後、もう一方の方向に延伸する逐次二軸延伸法、縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法、更に、一軸方向に多段延伸を行う方法、逐次二軸延伸や同時二軸延伸の後に更に延伸を行う方法等が挙げられ、何れの方法を用いても良い。尚、膜状成形物は前記製膜工程においてドラフトされるため、例え低ドラフト比で製膜された膜状成形物であっても、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散する共重合体(B)は樹脂の流れ方向つまり縦(MD)方向に沿って配向しており、一段目の延伸は横方向への一軸延伸法または縦横方向への同時二軸延伸法により行うことが望ましいが、一段目に縦方向への延伸を行い二段目に横方向へ延伸を行う逐次二軸延伸法でも構わない。
この一段目の延伸温度は、共重合体(B)の融点Tmαより低い、10〜100℃の温度範囲が用いられる。本発明では、ポリオレフィン樹脂(C)を特定の組成とすることによりこれらの低温領域における延伸性に優れることを見出した。また、延伸倍率は、特に限定はなく必要に応じ行われる二段目の延伸条件や電気二重層キャパシタ用セパレータの要求特性から決定され、通常1.5倍〜7倍の範囲である。
延伸倍率が上記の範囲であれば優れた特性を持つ電気二重層キャパシタ用セパレータが得られ、延伸切れの多発による生産性低下の恐れもない。また、同時二軸延伸の場合には、面積倍率(=縦延伸倍率×横延伸倍率)は2〜50倍が好ましく、更に好ましくは4〜40倍である。面積倍率がこの範囲であれば優れた特性を持つ電気二重層キャパシタ用セパレータが得られ、延伸切れの多発による生産性低下の恐れもない。
本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータは、必要に応じ二段目の延伸を行うが、二段目の延伸温度は、結晶性ポリプロピレン(A)の融点Tmcより10℃以上低いことが好ましい。また、該延伸温度が共重合体(B)の融点Tmαより高い場合には、空隙率がそれほど増加せず、得られる電気二重層キャパシタ用セパレータの厚さが低減する傾向がある。更に、該延伸温度がTmαより低い場合には、空隙率が増加するが、厚さがあまり低減しない傾向がある。
二段目の延伸倍率は、電気二重層キャパシタ用セパレータの要求特性により決定されるが、1.5倍〜7倍の範囲が好ましい。延伸倍率が上記の範囲内であれば、延伸効果が十分となり、延伸切れによって生産性が低下する恐れもない。
上記の延伸工程で細孔が形成され多孔質となった膜状成形物は、次いで熱処理されることが好ましい。この熱処理は、形成された細孔を保持するための熱固定を主なる目的とするものであり、通常、加熱ロール上、加熱ロール間または熱風循環炉を通すことによって行なわれる。
この熱処理(熱固定)は、延伸状態を保持したまま多孔質となった膜状成形物を結晶性ポリプロピレン(A)の融点Tmcより5〜60℃低い温度に加熱し、緩和率を0〜50%とすることにより実施される。加熱温度が上記の範囲であれば、形成された細孔が閉塞することがなく、また、熱固定が不十分で後に細孔が閉塞したり、ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータとして使用する際に温度変化により熱収縮を起こす恐れがない。
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータの厚さは、特に限定されるものではないが、生産性の観点から5〜200μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータには、必要に応じ、界面活性剤処理、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、スルホン化処理、紫外線処理、放射線グラフト処理等の親水化処理を施すことができ、また各種塗膜を形成することができる。
また、本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、セパレータ自体の補強や静電容量の向上等の公知の特性付与を目的として、不織布、織布や他素材の多孔膜等を積層して用いても構わない。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
また、実施例及び比較例で用いたポリオレフィン樹脂(C)は、連続重合法により1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を重合し、2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)(プロピレン−エチレン共重合体)を重合して得られた。
尚、実施例及び比較例で用いた測定方法及び評価方法は下記の通りである。
(1)空隙率:電気二重層キャパシタ用セパレータサンプル100×100mmから嵩比重を求め、また、延伸前の多孔化されていない膜状成形物サンプル100×100mmから(株)東洋精機製作所製の自動比重計DENSIMETER,D−Sにて真比重を求め、下記式より空隙率を求めた。
空隙率(%)=(1−嵩比重/真比重)×100
(2)メルトマスフローレイト(MFR):JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件にて測定した。但し、エチレン単独重合体は、温度190℃、荷重2.16kgの条件にて測定した。
(3)透気抵抗度(ガーレー):通気性を示す指標であって、JIS P 8117に準拠し、B型ガーレーデンソメーター(テスター産業(株)製)により空気100mlが通過する時間を測定した。
(4)孔閉塞温度:サンプルを直径76mm(3インチ)の円形ホルダーに固定し、120〜170℃の温度範囲で5℃刻みで温度を変えた恒温槽に1時間放置して熱処理し、透気抵抗度(ガーレー)を測定し、10,000秒/100mlとなる温度を孔閉塞温度Tとした。
(5)延伸性:寸法が幅40mm、長さ100mmの、長さ方向を縦方向(MD)または横方向(TD)とする試験片を膜状成形物から調製した。試験片を、延伸温度23℃、変形速度200%/秒の条件で、長さ方向に0.5倍毎に一軸延伸を行い、延伸破断しない延伸倍率を可延伸倍率とし、延伸性を評価した。可延伸倍率が高いほど延伸性が優れ、多孔化し易い膜状成形物ほど、高空隙率化が容易である。
1)電気二重層キャパシタ用セパレータ形成用樹脂組成物の作成
表1の実施例1に示すポリオレフィン樹脂(C)に、フェノール系酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1重量%、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1重量%、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量%配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合後、2軸押出機(口径50mm)を用いて溶融混練してペレット化し、電気二重層キャパシタ用セパレータ形成用樹脂組成物を得た。
2)電気二重層キャパシタ用セパレータの作成
[製膜工程/未延伸膜状成形物の作成]
リップ幅120mmのTダイを装備した20mm押出機を用い、前記のペレット状の樹脂組成物を、押出温度250℃、吐出量4kg/hで溶融し、クリアランスを0.40mmに調整したTダイのリップより膜状に押出し、80℃の冷却ロール上で冷却固化し、幅100mm、厚さ200μmの膜状成形物を作成した。尚、溶融状態にある膜状成形物を冷却固化する際に冷却ロールとの非接触面はエアーナイフにより空冷を実施した。
得られた膜状成形物の延伸性の評価結果を表1に示した。
3)[延伸工程/電気二重層キャパシタ用セパレータの作成]
前記膜状成形物を、縦(MD)方向を拘束しながら、延伸温度30℃、変形速度200%/秒、延伸倍率3倍の条件で横(TD)方向に延伸したのち、更に、延伸温度80℃、変形速度1,000%/秒、延伸倍率3倍の条件で縦(MD)方向に延伸しポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。得られた電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表1に示した。
表1の実施例2に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表1に示した。
表1の実施例3に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表1に示した。
(比較例1)
ポリオレフィン樹脂(C)に代えて表1の比較例1に示すポリオレフィン樹脂を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表1に示した。
(比較例2)
表1の比較例2に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを作成した。比較例2では、横方向への延伸時に、延伸倍率1.5倍未満で延伸切れが発生して延伸性に劣り、横延伸倍率1.2倍程度の僅かな延伸では電気二重層キャパシタ用セパレータとしての特性は得られなかった。
(比較例3)
市販の2次電池に使用されているポリエチレン系セパレータを用い、実施例1に準じて電気二重層キャパシタ用セパレータの特性評価を行ない、結果を表1に示した。
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを0.2mmとした他は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表2に示した。
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを1.2mmとした他は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表2に示した。
延伸工程において、一段目の延伸を延伸温度30℃にて縦方向に3倍延伸し、二段目の延伸を延伸温度80℃にて横方向に3倍延伸した以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表2に示した。
(比較例4)
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを2.0mmとした他は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表2に示した。
(比較例5)
製膜工程において、横延伸温度を130℃とした他は実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータを得た。膜状成形物の延伸性と電気二重層キャパシタ用セパレータの特性を表4に示した。
(表1)
Figure 2006114746
(表2)
Figure 2006114746
本発明のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータは、高空隙率化が可能なため電解液保持性に優れ、高静電容量化が可能であって、内部抵抗の少なく、耐熱性の良好な電気二重層キャパシタ用セパレータとして利用できる。

Claims (6)

  1. 結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形して冷却した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成されたポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータであり、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜70重量%と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜70重量%とからなり、膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10で、膜状成形物の延伸温度が10〜100℃である、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  2. 結晶性ポリプロピレン(A)のメルトマスフローレイトMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトマスフローレイトMFRRCとのメルトマスフローレイト比MFRPP/MFRRCが10より大きく1,000以下である請求項1記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  3. 膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜5である請求項1または2記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  4. 空隙率が60〜70%である請求項1〜3のいずれか1記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  5. 孔閉塞温度が140℃以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  6. 孔閉塞温度が150℃以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ。

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