JP4742213B2 - ポリオレフィン樹脂脂取りフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムに関する。詳しくは、皮脂等の吸脂性、保持性に優れるポリオレフィン樹脂脂取りフィルムに関する。尚、本発明においては、フィルムとはフィルムとシートの総称である。
顔面等に発生する皮脂を除去するために、古くから吸脂性素材を使用した化粧用脂取り紙が広く使用され、多くの種類が市場に出回っている。脂取り紙に使用されている素材としては、一般的に麻、パルプ等の植物性繊維を抄紙した物が使用されている。
この脂取り紙は高い吸脂性を有しているが、素材の繊維質の剛性が高いため、皮膚に対する刺激が強い問題点がある。これを解決する方法として、(a)製造時にロールプレスして繊維の剛性を下げる方法、(b)繊維表面に炭酸カルシウム等の無機粉体を糊剤で塗布して皮膚との摩擦を減らす方法(例えば、特許文献1参照)が知られているが、(a)ではロールプレス加工により繊維が起毛状態となり皮膚への刺激を増す欠点があり、(b)では皮脂の吸脂性が低下する欠点がある。
更に、紙類を素材とする脂取り紙は使用時に皮脂の拭き取り効果の確認が行い難く、使用者の満足度が得られ難い点がある。使用者の要望として自身の顔面からどの位の皮脂が拭き取れたか分かることが重要なポイントとなっており、商品評価に大きな影響を及ぼす。また、薄く抄紙されている構造のため使用するにつれて破れ易くなる問題がある。
それらを解決する方法として、吸脂性を持たせるため多孔化した樹脂製フィルムを脂取りフィルムとして使用する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。脂取りフィルムは表面がなめらかで吸脂性が高く、皮脂分を吸脂することで透明性が向上するので皮脂拭き取り効果が確認し易い。また、脂取り紙に比べ強度が高く使用による破れが少ない点が特徴である。
この脂取りフィルムの製造方法は、ポリオレフィン等の結晶性熱可塑性樹脂に微細孔を付与するための鉱油等の有機質充填剤を添加した材料を溶融混練し製膜した後、延伸することで微細孔を持つ多孔フィルムを得る方法である。高い吸脂性を得るためには空隙率、空孔径の制御が重要であり、有機質充填剤の添加量、加工条件管理が難しい。例えば、脂取りフィルムの空隙率を向上させるために有機質充填剤含有量を多くすると、これらが経時的に多孔フィルム表面に染み出しベタツキが発生、あるいは変色を促進する等の欠点があり、これに対応するため有機質充填剤の除去工程を加えると装置が複雑となり、コストアップとなる問題がある。
特開平06−319664号公報 特開平11−239517号公報
本発明の課題は、上記の問題を解決し、単純組成で多数の微細な細孔を有し、皮脂等の吸脂性、保持性に優れたポリオレフィン樹脂製の脂取りフィルムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成された脂取りフィルムであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有することを特徴とするポリオレフィン樹脂脂取りフィルムによって皮脂等の吸脂性、保持性に優れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
1.結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融し混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物をリップクリアランスを0.2〜1.2mmに調整したTダイより膜状に押出し膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成された脂取りフィルムであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有することを特徴とするポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
2.結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCのメルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.1〜10であることを特徴とする前記1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
3.メルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.2〜5であることを特徴とする前記2項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
4.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10の範囲であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
5.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜3の範囲であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
6.ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)40〜70重量%とポリプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜60重量%とからなることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
7.プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が30〜80重量%である前記1〜6項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
8.プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が40〜70重量%である前記1〜6項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
9.ポリオレフィン樹脂(C)が、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、連続して2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)を製造する工程を含む多段重合法により得られたことを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
10.透気抵抗度(ガーレー)が1〜2,000秒/100mlである前記1〜9項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
11.ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜70重量%と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜70重量%とからなり、結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートをMFRPPとし、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートをMFRRCとした時、メルトフローレートの比MFRPP/MFRRCが10より大きく1,000以下である前記1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
12.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10の範囲であることを特徴とする前記11項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
13.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜5の範囲であることを特徴とする前記11項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
14.プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が30〜80重量%である前記11〜13項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
15.プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が40〜70重量%である前記11〜13項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
16.ポリオレフィン樹脂(C)が、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、連続して2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)を製造する工程を含む多段重合法により得られたことを特徴とする前記11〜15項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
17.透気抵抗度(ガーレー)が1〜2,000秒/100mlである前記11〜16項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、結晶性ポリプロピレン(A)中にプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)が微分散した特定のポリプロピレン樹脂を用いることにより低温時の延伸性を向上させ、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域にプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)の開裂による細孔を形成させて得られるものであり、単純組成で多数の微細孔を有することにより皮脂等の吸脂性、保持性に優れる脂取りフィルムである。また、本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、樹脂の組成が単純で生産工程における均一分散が容易であるため、優れた特徴を有するにも関わらず、コスト的に有利な脂取りフィルムである。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
(1)ポリオレフィン樹脂
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムには、結晶性ポリプロピレン(A)と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)(以下、「共重合体(B)」ということがある)とからなり、結晶性ポリプロピレン(A)のマトリックス中にプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)が領域として微分散しているポリオレフィン樹脂(C)が使用される。
(i)結晶性ポリプロピレン(A)
結晶性ポリプロピレン(A)は、主としてプロピレン重合単位からなる結晶性の重合体であり、好ましくはプロピレン重合単位が全体の90重量%以上であるポリプロピレンである。具体的には、プロピレンの単独重合体であってもよく、また、プロピレン重合単位90重量%以上とα−オレフィン10重量%未満とのランダムまたはブロック共重合体であってもよい。結晶性ポリプロピレン(A)が共重合体の場合に使用されるα−オレフィンとしては、エチレン(本発明においてはα−オレフィンに含める)、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。このうち、プロピレン単独重合体またはプロピレン重合単位の含量が90重量%以上のプロピレン−エチレン共重合体を用いるのが、製造コストの点から好ましい。
また、結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPは製膜の安定性から0.1〜50g/10分の範囲のものが好ましい。
(ii)プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)
共重合体(B)は、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体である。プロピレン重合単位の含量は、共重合体(B)全体に対し重量基準で30〜80重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは35〜75重量%、更に好ましくは40〜70重量%である。プロピレン重合単位の含量が上記の範囲内であれば、結晶性ポリプロピレン(A)のマトリックス中に存在する共重合体(B)領域に細孔が形成され易く、本発明の目的とする脂取りフィルムとしての特性が得られ易い。
共重合体(B)に使用されるプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。このうちα−オレフィンとしてエチレンを用いたプロピレン−エチレン共重合体が、製造コストの点から好ましく用いられる。
共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCは特に限定されないが、0.1〜20g/10分の範囲が成形加工し易いため好適である。
(iii)ポリオレフィン樹脂(C)
ポリオレフィン樹脂(C)は、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)からなる。結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPと共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCとのメルトフローレート比MFRPP/MFRRC(以下、「MFR比」という)は、特に限定されないが、成形加工性の観点から0.1〜1,000が好ましい。
中でも、MFR比が、0.1〜10、特に0.2〜5の場合には、共重合体(B)が結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散するために微細で連通した細孔が得られ易く、微細な細孔同士の接触点が増加し、高い吸脂性、保持性が得られ易い。また、延伸性に優れるために空隙率の高いポリオレフィン樹脂脂取りフィルムが得られ、吸脂性も一層大きくなる。
MFR比が10より大きく1,000以下の場合は、延伸により形成される細孔の孔径は、MFR比が、0.1〜10の場合に比べて大きく、連通した細孔の割合が低下する傾向があるが、樹脂組成物が製膜条件や延伸条件の変動の影響を受け難いため、特性の安定したポリオレフィン樹脂脂取りフィルムが得られ易い。
ポリオレフィン樹脂(C)における、結晶性ポリプロピレン(A)の含量は30〜90重量%、共重合体(B)の含量は10〜70重量%である。共重合体(B)の含量が10重量%未満の場合には、共重合体(B)領域に形成された細孔の連なりが少なくなることから本発明の連通した細孔が得られ難く、70重量%を超える場合には、結晶性ポリプロピレン(A)中に存在する共重合体(B)の微分散構造が得られ難くなる。
尚、MFR比が、0.1〜10の場合は、ポリオレフィン樹脂(C)における、結晶性ポリプロピレン(A)の含量は40〜70重量%が好ましく、共重合体(B)の含量は30〜60重量%が好ましい。
また、MFR比が10より大きく1,000以下の場合は、ポリオレフィン樹脂(C)における、結晶性ポリプロピレン(A)の含量は30〜70重量%が好ましく、40〜60重量%がより好ましく、共重合体(B)の含量は30〜70重量%が好ましく、40〜60重量%がより好ましい。結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)の含量が上記の範囲であれば連通した細孔が得られ共重合体(B)の分散性も良い。
前記ポリオレフィン樹脂(C)の製造方法は特に限定されず、上記の条件を満足すれば、いかなる製造方法を用いてもよい。例えば、各々別個に重合して得られた結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)とを溶融混練等によって混合することによりポリオレフィン樹脂(C)を製造してもよい。具体的には、チタン担持触媒等のチーグラーナッタ触媒を用いて重合した共重合体(B)や共重合体(B)に該当する市販のエチレン−プロピレンゴムと結晶性ポリプロピレン(A)とを溶融混合する方法が例示できる。
また、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)とを多段重合により連続的に重合することによってポリオレフィン樹脂(C)を製造してもよい。例えば、複数の重合器を使用し、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、引続き2段目で結晶性ポリプロピレン(A)の存在下に共重合体(B)を製造し、ポリオレフィン樹脂(C)を連続的に製造する方法が例示できる。この連続重合法は、上記した溶融混合法に比べて製造コストが低く、また、結晶性ポリプロピレン(A)中に共重合体(B)が均一に分散したポリオレフィン樹脂(C)が安定して得られるため好ましい。
本発明において、特に好ましいポリオレフィン樹脂(C)は、上記連続重合法により製造し、前記MFR比を10以下、更に好ましくは0.2〜5の範囲となるように調整したものである。MFR比をこの範囲とすることにより、結晶性ポリプロピレン(A)中に共重合体(B)が均一にかつ微細に分散するため、ポリオレフィン樹脂(C)の延伸処理を行う際に、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散した共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔が生じ、その結果、皮脂等の吸脂性、保持性に優れたポリオレフィン樹脂脂取りフィルムが得られる。
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムには、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散した共重合体(B)領域に微細な開裂が多数認められる。結晶性ポリプロピレン(A)と相溶性を有する共重合体(B)が、結晶性ポリプロピレン(A)より低強度であるため、延伸応力により共重合体(B)領域で開裂が発生したと推察される。このメカニズムは従来のポリオレフィン樹脂にシリカ、タルク等の無機質充填剤やポリオレフィンと非相溶性のナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の有機質充填剤を混合して成形したフィルムを、少なくとも一方向に延伸し、マトリックスポリマーと充填剤の界面に空隙(細孔)を生じさせる方法と根本的に異なるところであり、その結果、得られたポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、平均細孔径が小さく、皮脂等の吸脂性、保持性が高いものであり、混合された充填剤の流出の無いものとなっている。
尚、本発明において共重合体(B)領域とは、共重合体(B)自体が占める領域、及び共重合体(B)とそれに隣接する物質との境界領域をいう。従って、共重合体(B)領域に生じる細孔には、共重合体(B)自体が占める領域の中で生じる開裂による細孔、及び結晶性ポリプロピレン(A)等と共重合体(B)との境界領域で生じる界面剥離による細孔が含まれる。
前記のようなMFR比を有するポリオレフィン樹脂(C)は、具体的には国際公開WO97/19135号パンフレット、特開平8−27238号公報等に記載されている方法により製造することができる。
尚、ポリオレフィン樹脂(C)は前記の方法で製造することができる他に、市販品の中から所望の仕様のものを選択して用いてもよい。
尚、前記MFR比は、通常は結晶性ポリプロピレン(A)のMFRPP及び共重合体(B)のMFRRCを各々測定することにより求められるが、ポリプロピレン樹脂を多段重合により連続的に製造した場合(最初に結晶性ポリプロピレン(A)を重合し、次いで共重合体(B)を重合する場合)は、共重合体(B)のMFRRCを直接測定できないため、直接測定可能な結晶性ポリプロピレン(A)のMFRPP、得られるポリオレフィン樹脂(C)のメルトフローレートMFRWHOLE及びポリオレフィン樹脂(C)中の共重合体(B)の含有量WRC(重量%)から、下記式により求めることができる。
log(MFRRC)={log(MFRWHOLE)−(1−WRC/100)log(MFRPP)}/(WRC/100)
(2)ポリオレフィン樹脂脂取りフィルム形成用樹脂組成物
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを形成するための膜状成形物の成形材料である樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(C)を主成分とするが、更に通常のポリオレフィンに使用される酸化防止剤、中和剤、α晶核剤、β晶核剤、ヒンダードアミン系耐候剤、紫外線吸収剤、防曇剤や帯電防止剤等の界面活性剤、無機充填剤、滑剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤、防黴剤、ケイ光剤、顔料等を必要に応じて配合することができる。尚、本発明において主成分とは最も多い成分をいう。
酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤等が例示できる。
中和剤としてはステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩類が例示でき、無機充填剤及びブロッキング防止剤としては炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が例示でき、滑剤としてはステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド類が例示でき、帯電防止剤としてはグリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル類が例示できる。
α晶造核剤としては、タルク、アルミニウムヒドロキシ−ビス(4−t−ブチルベンゾエート)、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトール、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムジヒドロキシ−2,2'−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等の公知のα晶造核剤が挙げられる。これらは単独使用でも、2種以上の併用でも良い。
これらの添加剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの使用目的等により適宜選択することができるが、通常前記樹脂組成物全量に対し0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。
また、本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを形成するための前記樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン以外の単量体との二元以上のランダム重合体やポリエチレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の他のオレフィン樹脂の1種以上を併用しても構わない。
更に、前記樹脂組成物の軟化温度を低下させたり柔軟性を向上させるためにシングルサイト触媒や公知のマルチサイト触媒で重合されたエチレン−ジエン弾性共重合体、エチレン−プロピレン弾性共重合体、スチレン−ブタジエン弾性共重合体等の弾性共重合体を添加しても構わない。
前記ポリオレフィン樹脂(C)と上記添加剤を配合する方法は特に限定されず、例えばヘンシェルミキサー(商品名)等の高速撹拌機付混合機及びリボンブレンダー並びにタンブラーミキサー等の通常の配合装置により配合する方法(ドライブレンド)が例示でき、更に通常の単軸押出機または二軸押出機等を用いてペレット化する方法が例示できる。
(3)ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの形成
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、ポリオレフィン樹脂(C)を主成分とした前記樹脂組成物を溶融押出して、低ドラフト比で膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を100℃以下の温度で少なくとも一方向に延伸することにより形成することができる。その工程は、製膜工程と延伸工程からなる。尚、主成分とは一番多い成分である。
(i)製膜工程
前記樹脂組成物から膜状成形物を得るための製膜工程には、公知のインフレーションフィルム成形法、Tダイフィルム成形法、カレンダー成形法等の方法が用いられるが、膜厚さの精度が高く多層化が容易なTダイフィルム成形法が好適に用いられる。
前記樹脂組成物は、180℃以上の押出成形温度で製膜することができるが、ダイス内圧力を低減させ後述のドラフト比を低減させる目的と、マトリックスポリマーである結晶性ポリプロピレン(A)の剛性を向上させて結晶性ポリプロピレン(A)中に分散した共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔が生じさせ易くするため、220〜300℃の押出成形温度が好適に用いられる。
溶融混練された前記樹脂組成物は、ダイリップより押し出されるが、この際、ダイリップを通過する樹脂組成物の流れ方向(MD)の線速度VCLと膜状成形物の流れ方向(MD)の線速度Vの比で定義されるドラフト比(VCL/V)が本願発明を達成するための重要な要因である。一般に熱可塑性樹脂フィルムの成形時にはドラフト比は10〜50程度である。本発明においては、該樹脂組成物を製膜する際のドラフト比は1〜10が好ましく、MFR比が0.1〜10に場合はドラフト比は1〜3がより好ましく、MFR比が10より大きく1,000以下の場合はドラフト比は1〜5がより好ましく、これによって得られる膜状成形物は延伸性に優れ、延伸によって微細な連通した細孔が形成され易くなる。
また、マトリックスポリマーである結晶性ポリプロピレン(A)の剛性を向上させて結晶性ポリプロピレン(A)中に分散した共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔を生じさせ易くするため、ダイリップより押出される膜状成形物の冷却は、徐冷とすることが望ましく、インフレーション成形の場合には冷却時のエアー風量を低減させ、Tダイフィルム成形法では冷却ロールの温度を60〜120℃、更に好ましくは70〜110℃の範囲で冷却することが望ましい。冷却ロールの温度が上記の範囲内であれば、所期の多孔化が得られ易く、溶融樹脂がロールへ密着してフィルムの生産性を損なうこともない。
製膜工程で得られた膜状成形物の厚さは特に限定されるものではないが、次の延伸工程における延伸及び熱処理条件とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの要求特性によって決定され、20μm〜2mmが好ましく、50μm〜500μmが更に好ましく、製膜速度は1〜100m/分の範囲が好適に用いられる。これらの厚さの膜状成形物は、前記冷却ロールとエアー吹き出し口を有するエアーナイフ、前記冷却ロールと一対の金属ロール、前記冷却ロールとステンレスベルト等の組み合わせからなる各種製膜装置により得られる。
更に、本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、公知の無機質充填剤、有機質充填剤等を含有した樹脂組成物を本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム形成用樹脂組成物と共押出しして膜状成形物としても構わない。この場合、充填剤等を含有した樹脂組成物を構成するポリマーは、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂が相溶性の観点から望ましい。
尚、得られた膜状成形物には、次の延伸工程に供する前に、結晶化度を更に向上させるために熱処理を施しても構わない。熱処理は、例えば、加熱空気循環オーブンまたは加熱ロールにより、80〜150℃程度の温度で1〜30分間程度加熱することにより実施される。
(ii)延伸工程
前記製膜工程で製膜された膜状成形物は、次いで少なくとも縦(MD)方向もしくは横(TD)方向のいずれか一方向に延伸され、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散した共重合体(B)領域に連通した0.01〜10μm程度の細孔が形成される。この点が、本発明の製造方法が、従来技術である単成分延伸法、多成分延伸法及び混合抽出法等と根本的に異なるところである。これにより本発明の製造方法は、混合抽出法のような複雑な抽出及び乾燥工程等の製造工程や、結晶性ポリオレフィン(A)のラメラ結晶間のフィブリル化により細孔を発現させる単成分延伸法に見られる製膜後の熱処理による結晶化工程等を不要とするだけでなく、マトリックスポリマーと充填剤の界面に空隙を生じさせる多成分延伸法の場合の延伸性不良や平均細孔径が大きくなり易く空隙率が低く皮脂等の吸脂性、保持性が低い等の課題を大幅に改善し、任意の平均細孔径、空隙率を有するポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを優れた生産性を以って提供することを可能にする。
延伸の方法は、一方向に延伸する一軸延伸法の他に、一方向に延伸した後、もう一方の方向に延伸する逐次二軸延伸法、縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法、更に、一軸方向に多段延伸を行う方法、逐次二軸延伸や同時二軸延伸の後に更に延伸を行う方法等が挙げられ、何れの方法を用いても良い。尚、膜状成形物は前記製膜工程においてドラフトされるため、例え低ドラフト比で製膜された膜状成形物であっても、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散する共重合体(B)は流れ方向に沿って配向しており、一段目の延伸は横方向への一軸延伸法もしくは縦横方向への同時二軸延伸法により行うことが望ましい。
この一段目の延伸温度は、共重合体(B)の融点Tmαより低いことが好ましく、10〜100℃の温度範囲が好適に用いられるが、更に本発明では、ポリオレフィン樹脂(C)を特定の組成とすることによりこれらの低温領域における延伸性に優れることを見出した。また、延伸倍率は、特に限定はなく必要に応じ行われる二段目の延伸条件やポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの要求特性から決定されるが、縦延伸の場合、通常1.5〜7倍である。延伸倍率がこの範囲であれば優れた特性を持つポリオレフィン樹脂脂取りフィルムが得られ、延伸切れの多発による生産性低下の恐れもない。また、同時二軸延伸の場合には、面積倍率(=縦延伸倍率×横延伸倍率)は2〜50倍が好ましく、更に好ましくは4〜40倍である。面積倍率がこの範囲であれば優れた吸脂性と保持性を持つポリオレフィン樹脂脂取りフィルムが得られ、延伸切れの多発による生産性低下の恐れもない。
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、必要に応じ二段目の延伸を行うが、二段目の延伸温度は、結晶性ポリプロピレン(A)の融点Tmcより10℃以上低いことが好ましい。また、該延伸温度が共重合体(B)の融点Tmαより高い場合には、空隙率がそれほど増加せず、得られるポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの厚さが低減する傾向がある。更に、該延伸温度がTmαより低い場合には、空隙率が増加するが、厚さがあまり低減しない傾向がある。
二段目の延伸倍率は、ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの透気抵抗度により決定されるが、一般に1.5〜7倍であり、延伸倍率が上記の範囲内であれば、延伸効果が十分で、延伸切れによる生産性の低下もない。
上記の延伸工程で細孔が形成され多孔質となった膜状成形物は、次いで熱処理されることが好ましい。この熱処理は、形成された細孔を保持するための熱固定を主なる目的とするものであり、通常、加熱ロール上、加熱ロール間または熱風循環炉を通すことによって行なわれる。
この熱処理(熱固定)は、延伸状態を保持したまま多孔質となった膜状成形物を結晶性ポリプロピレン(A)の融点Tmcより5〜60℃低い温度に加熱し、緩和率を0〜50%とすることにより実施される。加熱温度が上記の範囲内であれば、形成された細孔が閉塞することもなく、熱固定が不十分で後に細孔が閉鎖したり、ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムとして使用する際に温度変化により熱収縮を起こす恐れもない。
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、生産性の観点から10〜200μm程度が好ましい。厚さが上記の範囲内であれば、皮脂等の吸脂性、保持性が良好で、生産性も良好である。
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムには、必要に応じ、界面活性剤処理、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、スルホン化処理、紫外線処理、放射線グラフト処理等の親水化処理を施すことができ、また各種塗膜を形成することができる。
また、本発明により得た、フィルム1枚を脂取りフィルムとして用いても良いが、複数枚積層して用いてもよく、強度を補うため等の理由により適宜他のフィルムと積層して用いても良い。
このような方法によって得られたポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは、単純組成で多数の微細な細孔を有することにより優れた皮脂等の吸脂性、保持性の実現が可能となる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
また、実施例及び比較例で用いたポリオレフィン樹脂(C)は、連続重合法により1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を重合し、2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)(プロピレン−エチレン共重合体)を重合することによって得た。
尚、実施例及び比較例における測定及び評価は、下記方法により実施した。
(1)空隙率:脂取りフィルムから100×100mmのサンプルを切り出し、重量と厚さを測定して嵩比重を求め、延伸前の多孔化されていない膜状成形物100×100mmについて(株)東洋精機製作所製の自動比重計DENSIMETER D−S(商品名)を用いて真比重求め、下記計算式より空隙率求めた。
空隙率(%)=(1−嵩比重/真比重)×100
(2)最大細孔径:縦(MD)及び横(TD)の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、細孔の長軸方向の長さの最大値をもって最大細孔径とした。
(3)メルトフローレート(MFR):JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件にて測定した。
(4)透気抵抗度(ガーレー):通気性を示す指標であって、JIS P 8117に準拠し、B型ガーレーデンソメーター(テスター産業(株)製)により空気100mlが通過する時間を測定した。
(5)延伸性:寸法が幅40mm、長さ100mmの、長さ方向を縦方向(MD)または横方向(TD)とする試験片を膜状成形物から調製した。試験片を、延伸温度23℃、変形速度200%/秒の条件で、長さ方向に0.5倍毎に一軸延伸を行い、延伸破断しない延伸倍率を可延伸倍率とし、延伸性を評価した。可延伸倍率が高いほど延伸性が優れ、多孔化し易い膜状成形物ほど、高空隙率化が容易である。
(6)吸脂率:脂取りフィルムから100×100mmのサンプルを切り出し、重量を測定した後、市販の菜種油(25℃)に浸漬させた。30分間静置後、フィルムを取り出し、余分な菜種油をペーパーウエスで拭き取り、浸漬後の重量を測定し、下記計算式より吸脂率求めた。
吸脂率(%)=(浸漬後の重量増加分)/(浸漬前の重量)×100
(7)吸脂後の表面性(透明性)変化:吸脂率測定と同様な操作で吸脂させた後のフィルムにおいて透明性の変化を目視観察した。
○:透明性が大きく変化
×:透明性無し、あるいは、変化が少ない
1)ポリオレフィン樹脂脂取りフィルム樹脂組成物の作成
表1の実施例1に示すポリオレフィン樹脂(C)に、フェノール系酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1重量%、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1重量%、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量%配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合後、2軸押出機(口径50mm)を用いて溶融混練してペレット化し、ポリオレフィン樹脂脂取りフィルム形成用樹脂組成物を得た。
2)ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの作成
[製膜工程/未延伸膜状成形物の作成]
リップ幅120mmのTダイを装備した20mm押出機を用い、前記のペレット状の樹脂組成物を、押出温度280℃、吐出量4kg/hで溶融し、クリアランスを0.2mmに調整したTダイのリップより膜状に押出し、80℃の冷却ロール上で冷却固化し、幅100mm、厚さ200μmの膜状成形物を作成した。尚、溶融状態にある膜状成形物を冷却固化する際に冷却ロールとの非接触面はエアーナイフにより空冷を実施した。
3)[延伸工程/ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの作成]
前記膜状成形物を、縦方向(MD方向)を拘束しながら、延伸温度23℃、変形速度200%/秒、延伸倍率3倍の条件で横方向(TD方向)に延伸したのち、更に、延伸温度100℃、変形速度1,000%/秒、延伸倍率3倍の条件で縦方向(MD方向)に延伸しポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。得られたポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表1に示した。
表1の実施例2に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表1に示した。
表1の実施例3に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表1に示した。
表1の実施例4に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表1に示した。
表1の実施例5に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。尚、実施例5では、横方向への延伸時に、延伸倍率3倍の条件で延伸切れが多発したため延伸倍率2.5倍にて延伸しポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表1に示した。
(比較例1)
ポリオレフィン樹脂(C)に代えて表1の比較例1に示すポリオレフィン樹脂を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。ポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表1に示した。
(比較例2)
表1の比較例2に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを作成した。比較例2では、横方向への延伸時に、延伸倍率1.5倍未満で延伸切れが発生して延伸性に劣り、横延伸倍率1.2倍程度の僅かな延伸ではポリオレフィン樹脂脂取りフィルムとしての特性は得られなかった。
製膜工程において、ダイのリップクリアランスが0.6mmとなるように調整した以外は実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
製膜工程において、ダイのリップクリアランスが1.2mmとなるように調整した以外は実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
(比較例3)
製膜工程において、ダイのリップクリアランスが2.0mmとなるように調整した以外は実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
横延伸倍率を5倍、縦延伸倍率を6倍とした以外は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
横延伸温度を80℃とした以外は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
(比較例4)
横延伸温度を120℃とした以外は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
縦方向への延伸は実施せず、横方向への延伸だけを行った他は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表2に示した。
表3の実施例11に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いTダイのリップクリアランスが0.4mmとなるように調整し、縦方向の延伸温度を80℃とした以外は実施例1と同様に実施した。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表3に示した。
表3の実施例12に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。尚、実施例12では、横方向への延伸時に、延伸倍率3倍の条件で延伸切れが多発したため延伸倍率2.5倍にて延伸しポリオレフィン樹脂脂取りとした。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表3に示した。
表3の実施例13に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表3に示した。
表3の実施例14に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表3に示した。
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを0.2mmとした他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表4に示した。
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを1.2mmとした他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表4に示した。
縦方向への延伸は実施せず、横方向への延伸だけを行った他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表4に示した。
延伸工程において、一段目の延伸を延伸温度23℃にて縦方向に3倍延伸し、二段目の延伸を延伸温度80℃にて横方向に3倍延伸した以外は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性とポリオレフィン樹脂脂取りフィルムの特性を表4に示した。
(比較例5)
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを2.0mmとした他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。膜状成形物の延伸性と脂取りフィルムの特性を表4に示した。
(比較例6)
製膜工程において、冷却ロールの温度を30℃とした他は実施例11に準じてポリオレフィン樹脂脂取りフィルムを得た。ただし、延伸倍率3倍の条件で延伸切れが多発したため延伸倍率2.5倍にて延伸した。膜状成形物の延伸性と樹脂脂取りフィルムの特性を表4に示した。
(比較例7)
市販の脂取り紙(商品名あぶらとり紙、資生堂(株)製、厚さ25μm)ついて上記方法により脂取りフィルムの特性を評価したところ、吸脂率は高いが、ペーパーウエスの拭き取り加減により値の変動が大きい。また、吸脂後の表面性(透明性)の変化が少ない結果となった。
(表1)
Figure 0004742213
(表2)
Figure 0004742213
(表3)
Figure 0004742213
(表4)
Figure 0004742213
本発明のポリオレフィン樹脂脂取りフィルムは単純組成で多数の微細な細孔を有しており皮脂等の吸脂性、保持性に優れることより、顔面の皮脂等の拭き取り用の脂取りフィルムに適している。

Claims (15)

  1. 結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融し混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物をリップクリアランスを0.2〜1.2mmに調整したTダイより膜状に押出し膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成された脂取りフィルムであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有し、膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10の範囲であることを特徴とするポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  2. 結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCのメルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.1〜10であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  3. メルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.2〜5であることを特徴とする請求項2記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  4. 膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜3の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  5. ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)40〜70重量%とポリプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜60重量%とからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  6. プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が30〜80重量%である請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  7. プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が40〜70重量%である請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  8. ポリオレフィン樹脂(C)が、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、連続して2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)を製造する工程を含む多段重合法により得られたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  9. 透気抵抗度(ガーレー)が1〜2,000秒/100mlである請求項1〜のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  10. ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜70重量%と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜70重量%とからなり、結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートをMFRPPとし、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートをMFRRCとした時、メルトフローレートの比MFRPP/MFRRCが10より大きく1,000以下である請求項1記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  11. 膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜5の範囲であることを特徴とする請求項10記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  12. プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が30〜80重量%である請求項10又は11記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  13. プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が40〜70重量%である請求項10又は11項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  14. ポリオレフィン樹脂(C)が、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、連続して2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)を製造する工程を含む多段重合法により得られたことを特徴とする請求項1013のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
  15. 透気抵抗度(ガーレー)が1〜2,000秒/100mlである請求項1014のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂脂取りフィルム。
    以 上
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