JP2005137972A - ポリオレフィン樹脂製フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂の組成を単純にすることによって、生産工程における均一分散の実現を容易にし、単純な樹脂組成にも関わらず、細孔径が小さいため微細な粒子の捕集が容易で、濾過の際の圧力損失も小さく、更に空隙率が高いため濾過処理量が大きくフィルター性能に優れたポリオレフィン樹脂製フィルターを提供する。
【解決手段】結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成されたフィルターであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製フィルターである。
【選択図】なし


Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂製フィルターに関する。詳しくは、流体(例えば空気、液体)中の微粒子除去に好適な、高性能のポリオレフィン樹脂製フィルターに関する。
最近の半導体工業、精密工業、バイオテクノロジー等の製造工程において、完全清浄空気や高度に清浄化された薬液の必要性が強くなっている。特に、半導体工業においては近来の高集積化に伴い微細な粒子の除去等、装置内部の雰囲気を高度に清浄化することが必要である。清浄空気については、今日エアフィルターを用い空気等を循環させて濾過することで得られている。また、特に半導体工業用分野で使用される薬液についても同様に高度に清浄化することが必要であり、フィルターを用いて薬液を循環させ濾過することで行われている。
このような目的で使用されるフィルターは従来から種々のものが提案され実用化されている。エアフィルターについては、今日最も多く使用されているものとしてガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維にバインダーを加えて抄紙した濾材がある。しかしながら、このような濾材には、濾材中に付着した小さな繊維の存在、または加工のために折り曲げる時の自己発塵の問題、フッ酸等のある種の化学薬品と接触するとガラス及びバインダーの劣化により発塵すること等の問題がある。
耐薬品性を改善したガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等の合成樹脂繊維からなるフィルターも提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これら繊維からなるフィルターには、厚くて、重いという欠点がある。そのために、軽くて、嵩張らず、コンタミの出ない、且つ耐久性のある、細孔径が0.1〜10μmの微粒子を捕集するフィルター及びフィルター用フィルムの出現が期待されていた。
これらの問題を解決するためにポリオレフィン系多孔膜濾材を用いることが提案されており、その製造方法として、一般に次のものが知られている。
(a)高ドラフト比で製膜した結晶性ポリプロピレンのシートを、必要に応じて加熱処理し
、少なくとも一方向に延伸し、結晶ラメラ間をフィブリル化させ多孔膜を得る方法(以下「単成分延伸法」という)。
(b)ポリオレフィン樹脂にシリカやタルク等の無機質充填剤やポリオレフィン樹脂と非相溶性のナイロンやポリエチレンテレフタレート等の有機質充填剤を混合して成形したシートを、少なくとも一方向に延伸し、ポリオレフィン樹脂と充填剤の界面に空隙(細孔)を生じさせる方法(以下「多成分延伸法」という)。
(c)ポリオレフィン樹脂に有機液状体や無機質充填剤等を混合して成形したシートから、該有機液状体や無機質充填剤を抽出し、必要に応じ該抽出の前後に延伸を行う方法(以下「混合抽出法」という)。
上記(a)の単成分延伸法は、高ドラフト比で製膜した膜状成形物を別工程で長時間に渡り熱処理した後、特殊な条件下で多段延伸を行うものであり、方法が特殊なだけでなく、製造に長時間を要し、生産性が低いという課題があった。また、結晶ラメラ間をフィブリル化させるため、細孔径が小さくなり、細孔径をより小さくすることで浄化能力は高まるが、圧力損失が大きくなり、また早期に目詰まりを起こしたり、更に、高配向でかつ高結晶化されたシートを延伸するため、得られたフィルターが裂け易く耐圧が不十分である等の課題を有している。
上記(b)の多成分延伸法は、無機質充填剤混合系と有機質充填剤混合系が知られているが、前者の場合、無機質充填剤の添加量を多くする必要があり、また、無機質充填剤は酸やアルカリに弱くフィルターとして使用できる範囲が狭い等の課題がある。また、後者の有機質充填剤混合系では、ポリオレフィン樹脂への異種ポリマーの微分散が難しく、また、延伸性にも劣ることから、細孔の孔径が小さいフィルターや空隙率の大きいフィルターが得られ難いため、濾過面積が不十分で浄化能力が低下するという課題を有している。
上記(c)の混合抽出法(例えば、特許文献3参照)は、シート中の有機液状体を有機溶媒にて、また、無機質充填剤をアルカリ性溶媒にて抽出する工程、抽出後のシートを洗浄及び乾燥する工程からなり、製造工程が複雑であった。また、単成分延伸法のフィルター同様混合抽出法のフィルターは細孔径が小さくなり、細孔径をより小さくすることで浄化能力は高まるが、圧力損失が大きくなり、早期に目詰まりを起こしたり、更に、耐圧が不十分である等の問題があった。更に、有機液状体を用いる場合は、シート中の有機液状体の含有率が40〜60重量%にも達するため、高速製膜性や延伸性に課題がある他に、各工程でロール等への有機液状物の付着等が発生し、生産性に課題がある。
一方、エチレン−プロピレンブロックコポリマーからなる成分Aとプロピレンホモポリマーまたはランダムコポリマーからなる成分B及び低分子量ポリプロピレンからなる成分Cに、必要に応じ炭酸カルシウムからなる成分Dやベータ球晶成核剤からなる成分Eを添加した高分子性組成物からなる多孔膜及びその製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
これらの技術では、エチレン−プロピレンブロックコポリマーだけでは十分な多孔性及び通気性が得られないため、多成分系によりその改良を図っているが、形成された細孔の径が大きく、濾過性能が不十分で浄化能力が低下するという問題があり、この多孔膜をフィルターとして使用することは難しい。
ポリオレフィン製フィルターのほか、ポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いることが提案されている。ポリテトラフルオロエチレン製フィルターは、樹脂粉末を常温高圧下で圧縮し、ブロックを得、このブロックを炉に入れて樹脂が完全に溶融しないように焼結させ、この焼結体を薄く切削して多孔質フィルムにする方法(以下「焼結法」という)、焼結体を少なくとも一方向に延伸して多孔膜を得る方法(以下「焼結体延伸法」)(例えば、特許文献参照5)や、樹脂粉末に液状滑剤(炭化水素油、石油エーテル等)を添加混合して予備成形体を作り、次いで予備成形体をダイスからフィルム状に押出、327℃以下の未焼結状態において少なくとも一方向に延伸して、樹脂がフィブリル化した多孔膜を得る方法(以下「未焼結体延伸法」という)等によって製法される。焼結法、焼結体延伸法、未焼結体延伸法で製法されたフィルターは、膜圧が薄くなる程、また延伸倍率が大きくなる程、肉眼でも観察できるような穴あき部、ピンホール、ボイド、傷等の欠陥部が増大するといった問題がある。このような多孔膜をフィルターに使用すると、除去すべき微粒子が欠陥部を通過してしまうので、この部分は無孔質のフィルムを貼る対策が必要となる等の欠点がある。
上記のように、従来のフィルターは、一般に、浄化能力が高いと目詰まりが頻繁に起こり易く、通過量が大きいと浄化能力が低いという、通過量と浄化能力のバランスが不十分である。従って、フィルター性能が高く、圧損失の小さい、更に、欠陥部がないフィルターの出現が望まれている。
特開平10−5521号公報 特開平10−33945号公報 特開平10−298340号公報 特開平4−309546号公報 特開平5−202217号公報
本発明は、微細な粒子の捕集が容易で、濾過の際の圧力損失が小さく、したがって濾過処理量が大きく、フィルター性能に優れたフィルム状のポリオレフィン樹脂製フィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成されたフィルターであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製フィルターによって本課題が解決されることを見出しこの知見に基づいて本発明を完成した。尚、本発明において連通した細孔とは、共重合体(B)領域に連続的に形成され、結果的にフィルターの両面をつなぐ経路となる細孔をいう。
本発明は、以下によって構成される。
1.結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成されたフィルターであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製フィルター。
2.結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCのメルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.1〜10であることを特徴とする前記1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
3.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10の範囲であることを特徴とする前記1もしくは2項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
4.膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜3の範囲であることを特徴とする前記1もしくは2項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
5.メルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.2〜5であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
6.ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)40〜70重量%とポリプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜60重量%とからなることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
7.プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が30〜80重量%である前記1〜6項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
8.プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が40〜70重量%である前記1〜7項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
9.ポリオレフィン樹脂(C)が、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、連続して2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)を製造する工程を含む多段重合法により得られたことを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
10.透気抵抗度(ガーレー)が1〜500秒/100ml、細孔径が0.1〜10μm、23℃にて5.3m/秒の流速で空気を透過させた時の圧力損失が100〜1000Paであることを特徴とする前記1〜9項のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターは、特定の加工方法のもと、結晶性ポリプロピレン(A)中にプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)が微分散した特定のポリプロピレン樹脂を用いることにより低温時の延伸性を向上させ、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に共重合体(B)の開裂による細孔を形成させて得られたフィルターである。また、本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターは、従来のような複雑な製造工程を用いないで得られる経済的なフィルターである。更に、細孔が微細であって延伸性及び高空隙率化に優れるため、微細な粒子の捕集が容易で、濾過の際の圧力損失が小さく、したがって濾過処理量が大きいフィルターである。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
(1)ポリオレフィン樹脂
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターには、結晶性ポリプロピレン(A)と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)(以下、単に「共重合体(B)」ということがある)とからなり、結晶性ポリプロピレン(A)のマトリックス中に共重合体(B)が領域として微分散しているポリオレフィン樹脂(C)が使用される。
(i)結晶性ポリプロピレン(A)
結晶性ポリプロピレン(A)は、主としてプロピレン重合単位からなる結晶性の重合体であり、好ましくはプロピレン重合単位が全体の90重量%以上であるポリプロピレンである。具体的には、プロピレンの単独重合体であってもよく、また、プロピレン重合単位90重量%以上とα−オレフィン10重量%以下とのランダムまたはブロック共重合体であってもよい。結晶性ポリプロピレン(A)が共重合体の場合に使用されるα−オレフィンとしては、エチレン(本発明においてはα−オレフィンに含める)、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。このうち、プロピレン単独重合体またはプロピレン重合単位の含量が90重量%以上のプロピレン−エチレン共重合体を用いるのが、製造コストの点から好ましい。
また、結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPは製膜の安定性から0.1〜50g/10分の範囲のものが好ましい。
(ii)プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)
共重合体(B)は、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体である。プロピレン重合単位の含量は、共重合体(B)全体に対し重量基準で30〜80重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは35〜75重量%、更に好ましくは40〜70重量%である。プロピレン重合単位の含量が前記範囲より多過ぎる場合には、結晶性ポリプロピレン(A)のマトリックス中に存在する共重合体(B)領域に細孔が形成され難く、また、プロピレン重合単位の含量が前記範囲より少なすぎる場合には、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)の界面剥離が生じ易くなるため低温延伸性が低下し、細孔径も大きなものとなり易い。
共重合体(B)に使用されるプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。このうちα−オレフィンとしてエチレンを用いたプロピレン−エチレン共重合体が、製造コストの点から好ましく用いられる。
共重合体(B)のメルトフロ−レ−トMFRRCは特に限定されないが、0.1〜20g/10分の範囲が成形加工性に優れるため好適である。
(iii)ポリオレフィン樹脂(C)
ポリオレフィン樹脂(C)は、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)からなる。結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPと共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCとのメルトフローレート比MFRPP/MFRRC(以下、「MFR比」という)は、限定されるものではないが、MFR比が0.1〜10が好ましく、0.2〜5がより好ましい。MFR比が上記の範囲内の場合には、共重合体(B)が結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散するために、低温延伸により微細で連通した細孔が得られる。その結果、微細な細孔同士の接触点が増加するため通気性の大きいフィルターが得られ、更には、微細な粒子の捕集が容易で、濾過の際の圧力損失が小さいフィルターが得られることとなる。また、ポリオレフィン樹脂(C)は延伸性に優れるために空隙率が高く濾過処理量が大きいフィルターが得られ易くなる。該フィルターでは、ASTM F 316法で測定した細孔径が0.1〜1μmの微細な細孔が多数連なっており、微細な細孔が認められるフィルターとなる。
尚、MFR比が10より大きい場合は、MFR比が0.1〜10の場合に比べて、延伸により形成される細孔径は大きく、連通した細孔の割合が低下する傾向がある。更に、濾過処理量と浄化能力の低いフィルターとなる。該フィルターでは、ASTM F 316法で測定した細孔径が0.5〜10μmの細孔が多数連なっているのが認められる。
ポリオレフィン樹脂(C)における、結晶性ポリプロピレン(A)の含量は30〜90重量%、好ましくは40〜70重量%であり、共重合体(B)の含量は10〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。共重合体(B)の含量が10重量%未満の場合には、共重合体(B)領域に形成された細孔の連なりが少なくなり連通した細孔が得られ難く、70重量%を超える場合には、結晶性ポリプロピレン(A)中に存在する共重合体(B)の微分散構造が得られ難くなる。
前記ポリオレフィン樹脂(C)の製造方法は特に限定されず、上記の条件を満足すれば、いかなる製造方法を用いてもよい。例えば、各々別個に重合して得られた結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)とを溶融混練等によって混合することによりポリオレフィン樹脂(C)を製造してもよい。具体的には、チタン担持触媒等のチーグラーナッタ触媒を用いて重合した共重合体(B)や共重合体(B)に該当する市販のエチレン−プロピレンゴムと結晶性ポリプロピレン(A)とを溶融混合する方法が例示できる。
また、結晶性ポリプロピレン(A)と共重合体(B)とを多段重合により連続的に重合することによってポリオレフィン樹脂(C)を製造してもよい。例えば、複数の重合器を使用し、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、引続き2段目で結晶性ポリプロピレン(A)の存在下に共重合体(B)を製造し、ポリオレフィン樹脂(C)を連続的に製造する方法が挙げられる。この連続重合法は、上記した溶融混合法に比べて製造コストが低く、また、結晶性ポリプロピレン(A)中に共重合体(B)が均一に分散したポリオレフィン樹脂(C)が安定して得られるため好ましい。
本発明において、特に好ましいポリオレフィン樹脂(C)は、上記連続重合法により製造し、前記MFR比を10以下、更に好ましくは0.2〜5の範囲となるように調整したものである。
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターには、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散した共重合体(B)領域に微細な開裂が多数認められる。共重合体(B)が一定以上のプロピレン成分を含有するために結晶性ポリプロピレンと相溶性を有しており、この結晶性ポリプロピレン(A)と相溶性を有する共重合体(B)が、結晶性ポリプロピレン(A)より低強度であるため、延伸応力により共重合体(B)領域で開裂が発生したと推察される。このメカニズムは従来の無機質フィラーや異種ポリマーを混合及び延伸した多成分延伸法と根本的に異なる。その結果、得られたフィルターは、細孔径が小さいため微細な粒子の捕集が容易で、濾過の際の圧損失が小さく、また、空隙率が高いため濾過処理量が大きくすることができる。
尚、本発明において共重合体(B)領域とは、共重合体(B)自体が占める領域、及び共重合体(B)とそれに隣接する物質との境界領域をいう。従って、共重合体(B)領域に生じる細孔には、共重合体(B)自体が占める領域の中で生じる開裂による細孔、及び結晶性ポリプロピレン(A)等と共重合体(B)との境界領域で生じる界面剥離による細孔が含まれる。
前記のようなMFR比を有するポリオレフィン樹脂(C)は、具体的には国際公開第97/19135号パンフレット、特開平8−27238号公報等に記載されている方法により製造することができる。
尚、ポリオレフィン樹脂(C)は前記の方法で製造することができる他に、市販品の中から所望の仕様のものを選択して用いてもよい。
尚、前記MFR比は、通常は結晶性ポリプロピレン(A)のMFRPP及びプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のMFRRCを各々測定することにより求められる。しかし、ポリプロピレン樹脂を多段重合により連続的に製造した場合(最初に結晶性ポリプロピレン(A)を重合し、次いで共重合体(B)を重合する場合)は、共重合体(B)のMFRRCを直接測定できないため、直接測定可能な結晶性ポリプロピレン(A)のMFRPP、得られるポリオレフィン樹脂(C)のメルトフローレートMFRWHOLE及びポリオレフィン樹脂(C)中の共重合体(B)の含有量WRC(重量%)から、下記式によりMFRRCを算出して、MFR比を求めることができる。
log(MFRRC)={log(MFRWHOLE)−(1−WRC/100)log(MFRPP)}/(WRC/100)
(2)ポリオレフィン樹脂製フィルター形成用樹脂組成物
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターを形成するための膜状成形物の成形材料である樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(C)の他に、通常のポリオレフィンに使用される酸化防止剤、中和剤、α晶造核剤、β晶造核剤、界面活性剤等を、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤等が例示できる。
中和剤としてはステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩類が例示でき、無機充填剤及びブロッキング防止剤としては炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が例示でき、滑剤としてはステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド類が例示でき、帯電防止剤としてはグリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル類が例示できる。
α晶造核剤としては、タルク、アルミニウムヒドロキシ−ビス(4−t−ブチルベンゾエート)、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトール、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムジヒドロキシ−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等の公知のα晶造核剤が挙げられる。これらは単独使用でも、2種以上の併用でも良い。
これらの添加剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂製フィルターの要求特性等により適宜選択することができるが、通常前記樹脂組成物全量に対し0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。
また、本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターを形成するための前記樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン以外の単量体との二元以上のランダム重合体やポリエチレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の他のオレフィン樹脂の1種以上を併用しても構わない。
更に、フィルターの柔軟性を付与するためにシングルサイト触媒や公知のマルチサイト触媒で重合されたエチレン−ジエン弾性共重合体、エチレンープロピレン弾性共重合体、スチレン−ブタジエン弾性共重合体等の弾性共重合体を添加しても構わない。
前記ポリオレフィン樹脂(C)と上記添加剤を配合する方法は特に限定されず、例えばヘンシェルミキサー(商品名)等の高速撹拌機付混合機及びリボンブレンダー並びにタンブラーミキサー等の通常の配合装置により配合する方法(ドライブレンド)が例示でき、更に通常の単軸押出機または二軸押出機等を用いてペレット化する方法が例示できる。
(3)ポリオレフィン樹脂製フィルターの形成
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターは、ポリオレフィン樹脂(C)を主成分とした前記樹脂組成物を溶融混練し膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成することができる。その工程は、製膜工程と延伸工程からなる。
(i)製膜工程
前記樹脂組成物から膜状成形物を得るための製膜工程には、公知のインフレーションフィルム成形法、Tダイフィルム成形法、カレンダー成形法等の方法が用いられるが、膜厚さの精度が高く多層化が容易なTダイフィルム成形法が好適に用いられる。
前記樹脂組成物は、180℃以上の押出成形温度で製膜することができるが、ダイス内圧力を低減させ後述のドラフト比を低減させる目的と、マトリックスとなる結晶性ポリプロピレン(A)の剛性を向上させて結晶性ポリプロピレン(A)中に分散した共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔が生じさせ易くするため、220〜300℃の押出成形温度が好適に用いられる。
溶融混練された前記樹脂組成物は、ダイリップより押し出されるが、この際、ダイリップを通過する樹脂組成物の流れ方向(MD)の線速度VCLと膜状成形物の流れ方向(MD)の線速度Vの比で定義されるドラフト比(VCL/V)が本願発明を達成するための重要な要因である。一般に熱可塑性樹脂フィルムの成形時にはドラフト比は10〜50程度である。本発明においては、該樹脂組成物を製膜する際のドラフト比は1〜10、好ましくは1〜3であり、これによって得られる膜状成形物は延伸性に優れ、延伸によって微細な連通した細孔が形成され易くなる。
また、マトリックスとなる結晶性ポリプロピレン(A)の剛性を向上させて結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に均一かつ微細な細孔を生じさせ易くするため、ダイリップより押出される膜状成形物の冷却は、徐冷とすることが望ましく、冷却ロールの温度を60〜120℃、更に好ましくは70〜110℃の範囲で冷却することが望ましい。60℃未満のロール温度では所期の多孔化が得られ難く、120℃を超えると溶融樹脂がロールへ密着し易く生産性に劣る等の課題がある。
製膜工程で得られた膜状成形物の厚さは特に限定されるものではないが、次の延伸工程における延伸及び熱処理条件とフィルターの要求特性によって決定され、20μm〜2mm、好ましくは50μm〜500μm程度であって、製膜速度は1〜100m/分の範囲が好適に用いられる。これらの厚さの膜状成形物は、インフレーション成形装置をはじめとして、前記冷却ロールとエアー吹き出し口を有するエアーナイフ、前記冷却ロールと一対の金属ロール、前記冷却ロールとステンレスベルト等の組み合わせからなるTダイフィルム成形装置やカレンダー成形装置等の各種製膜装置により得られる。
更に、本発明においては、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、公知の無機質充填剤、有機質充填剤等を含有した樹脂組成物を本発明のポリオレフィン樹脂製フィルター形成用樹脂組成物と共押出しして膜状成形物とすることができる。
尚、得られた膜状成形物には、次の延伸工程に供する前に、結晶化度を更に向上させるために熱処理を施しても構わない。熱処理は、例えば、加熱空気循環オーブンまたは加熱ロールにより、80〜150℃程度の温度で1〜30分間程度加熱することにより実施される。
(ii)延伸工程
前記製膜工程で製膜された膜状成形物は、次いで少なくとも縦(MD)方向もしくは横(TD)方向のいずれか一方向に延伸され、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散した共重合体(B)領域に連通した細孔が形成される。この点が、本発明の製造方法と、従来技術である単成分延伸法、多成分延伸法及び混合抽出法等とが根本的に異なるところである。これにより本発明の製造方法は、混合抽出法のような複雑な抽出及び乾燥工程等の製造工程や、結晶性ポリオレフィン(A)のラメラ結晶間のフィブリル化により細孔を発現させる単成分延伸法に見られる製膜後の熱処理による結晶化工程等を必ずしも必要とせず、結晶性ポリオレフィン(A)と充填剤の界面に空隙を生じさせる多成分延伸法の場合の延伸性不良や平均細孔径が大きくなり易く空隙率が低い等の課題を大幅に改善し、任意の平均細孔径や空隙率を有するフィルターを優れた生産性を以って提供することを可能にする。
延伸の方法は、一方向に延伸する一軸延伸法の他に、一方向に延伸した後、もう一方の方向に延伸する逐次二軸延伸法、縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法、更に、一軸方向に多段延伸を行う方法、逐次二軸延伸や同時二軸延伸の後に更に延伸を行う方法等が挙げられ、何れの方法を用いても良い。尚、膜状成形物は前記製膜工程においてドラフトされるため、例え低ドラフト比で製膜された膜状成形物であっても、結晶性ポリプロピレン(A)中に微分散する共重合体(B)は樹脂の流れ方向つまり縦(MD)方向に沿って配向しており、一段目の延伸は横方向への一軸延伸法もしくは縦横方向への同時二軸延伸法により行うことが望ましいが、一段目に縦方向への延伸を行い二段目に横方向へ延伸を行う逐次二軸延伸法でも構わない。
この一段目の延伸温度は、共重合体(B)の融点Tmαより低いことが好ましく、10〜100℃の温度範囲が好適に用いられるが、更に本発明では、ポリオレフィン樹脂(C)を特定の組成とすることによりこれらの低温領域における延伸性に優れることを見出した。また、延伸倍率は、特に限定はなく必要に応じ行われる二段目の延伸条件はフィルターの要求特性から決定され、通常1.5倍〜7倍の範囲である。
延伸倍率が上記の範囲であれば優れた特性を持つフィルターが得られ、延伸切れの多発による生産性低下の恐れもない。また、同時二軸延伸の場合には、面積倍率(=縦延伸倍率×横延伸倍率)は2〜50倍が好ましく、更に好ましくは4〜40倍である。面積倍率がこの範囲であれば優れた特性を持つフィルターが得られ、延伸切れの多発による生産性低下の恐れもない。
本発明のフィルターは、必要に応じ二段目の延伸を行うが、二段目の延伸温度は、結晶性ポリプロピレン(A)の融点Tmcより10℃以上低いことが好ましい。また、該延伸温度が共重合体(B)の融点Tmαより高い場合には、空隙率がそれほど増加せず、得られるフィルターの厚さが低減する傾向がある。更に、該延伸温度がTmαより低い場合には、空隙率が増加するが、厚さがあまり低減しない傾向がある。
二段目の延伸倍率は、フィルターの要求特性により決定され、通常1.5倍〜7倍の範囲である。延伸倍率が上記の範囲内であれば、延伸効果が十分で、延伸切れにより生産性が低下する恐れがない。
上記の延伸工程で細孔が形成され多孔質となった膜状成形物は、次いで熱処理されることが好ましい。この熱処理は、形成された細孔を保持するための熱固定を主なる目的とするものであり、通常、加熱ロール上、加熱ロール間または熱風循環炉を通すことによって行なわれる。
この熱処理(熱固定)は、延伸状態を保持したまま多孔質となった膜状成形物を結晶性ポリプロピレン(A)の融点Tmcより5〜60℃低い温度に加熱し、緩和率を0〜50%とすることにより実施される。加熱温度が上記の上限温度より高いと、形成された細孔が閉塞することもあり、また、温度が上記の下限温度より低いと熱固定が不十分となり易く、後に細孔が閉鎖したり、またポリオレフィン樹脂製フィルターとして使用する際に温度変化により熱収縮を起こし易くなる。
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターは、23℃にて5.3m/秒の流速で空気を透過させた時の圧力損失が100〜1000Paであることが好ましく、圧力損失が上記の範囲内であれば、フィルターとしての性能に優れる。
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターの厚さは、特に限定されるものではないが、生産性の観点から5〜100μmが好ましく、10〜50μmが更に好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターには、必要に応じ、界面活性剤処理、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、スルホン化処理、紫外線処理、放射線グラフト処理等の親水化処理を施すことができ、また各種塗膜を形成することができる。
また、本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターは、フィルター自体の補強や浄化能力の向上等の公知の特性付与を目的として、不織布、織布や他素材の多孔膜等を積層して用いても構わない。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
また、実施例及び比較例で用いたポリオレフィン樹脂(C)は、連続重合法により1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を重合し、2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)(プロピレン−エチレン共重合体)を重合することによって得た。
尚、実施例及び比較例で用いた測定方法及び評価方法は下記の通りである。
(1)空隙率:フィルター100×100mmから嵩比重を求め、また、延伸前の多孔化されていない膜状成形物サンプル100×100mmから(株)東洋精機製作所製の自動比重計DENSIMETER,D−Sにて真比重を求め、下記式より空隙率を求めた。
空隙率(%)=(1−嵩比重/真比重)×100
(2)細孔径:ASTM F 316に準拠し、PMI社製のPerm−Porometerを用いてフィルターの孔径を測定し、平均流量細孔径を細孔径とした。
(3)メルトフローレート(MFR):JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件にて測定した。
(4)透気抵抗度(ガーレー):通気性を示す指標であって、JIS P 8117に準拠し、B型ガーレーデンソメーター(テスター産業(株)製)により空気100mlが通過する時間を測定した。
(5)圧力損失(ΔP):フィルターを150mmφに切り出し、142mmφの円形ホルダーに固定する。次に、円形ホルダーの入口側をゲージ圧で0.01MPaに加圧し、出口側から出る空気の流量を流量計で調整し、フィルターを通過する空気の流速を5.3cm/秒に設定し、この時の圧力損失を微差圧計(差圧計トランスミッタKH62、長野計器(株)製)で測定した。
(6)濾過精度(Z):フィルターを150mmφに切り出し、142mmφの円形ホルダーに固定する。円形ホルダーの入口側をゲージ圧で0.01MPaに調整し、流量を450NL/分(NLは0℃、101.3kPaにおけるリットルを意味する)で一定に保ち空気を流す。次に、DOP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)粒子をフィルター入口側に投入し、自動粒子測定器(パーティクルカウンター、リオン(株)製)により、フィルター前後の0.3μm以上の粒子数を測定し、捕集効率を算出する。
(7)延伸性:寸法が幅40mm、長さ100mmの、長さ方向を縦方向(MD)または横方向(TD)とする試験片を膜状成形物から調製した。試験片を、延伸温度23℃、変形速度200%/秒の条件で、長さ方向に0.5倍毎に一軸延伸を行い、延伸破断しない延伸倍率を可延伸倍率とし、延伸性を評価した。可延伸倍率が高いほど延伸性が優れ、多孔化し易い膜状成形物ほど、高空隙率化が容易である。
1)フィルター形成用組成物の作成
表1の実施例1に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い、組成物の重量基準でフェノール系酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1重量%、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1重量%、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量%配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合後、2軸押出機(口径50mm)を用いて溶融し混練してペレット化し、フィルター形成用組成物を得た。
2)フィルターの作成
[製膜工程/未延伸膜状成形物の作成]
リップ幅120mmのTダイを装備した20mm押出機を用い、前記のペレット状の樹脂組成物を、押出温度280℃、吐出量4kg/hで溶融し、リップクリアランスを0.20mmに調整したTダイより膜状に押出し、80℃の冷却ロール上で冷却固化し、幅100mm、厚さ200μmの膜状成形物を作成した。尚、溶融状態にある膜状成形物を冷却固化する際に冷却ロールとの非接触面はエアーナイフにより空冷を実施した。
得られた膜状成形物の延伸性の評価結果を表1に示した。
3)[延伸工程/フィルターの作成]
前記膜状成形物を、縦方向(MD方向)を拘束しながら、延伸温度23℃、変形速度200%/秒、延伸倍率3倍の条件で横方向(TD方向)に延伸したのち、更に、延伸温度100℃、変形速度1,000%/秒、延伸倍率3倍の条件で縦方向(MD方向)に延伸しポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。得られたフィルターの特性を表1に示した。
表1の実施例2に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表1に示した。
表1の実施例3に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表1に示した。
表1の実施例4に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表1に示した。
表1の実施例5に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。尚、実施例5では、横方向への延伸時に、延伸倍率3倍の条件で延伸切れが多発したため延伸倍率2.5倍にて延伸しポリオレフィン樹脂製フィルターとした。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表1に示した。
(比較例1)
ポリオレフィン樹脂(C)に代えて表1の比較例1に示すポリオレフィン樹脂を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表1に示した。
(比較例2)
表1の比較例2に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを作成した。比較例2では、横方向への延伸時に、延伸倍率1.5倍未満で延伸切れが発生して延伸性に劣り、横延伸倍率1.2倍程度の僅かな延伸ではフィルターとしての特性は得られなかった。
(比較例3)
ポリオレフィン樹脂(C)に代えて、プロピレン単独重合体(MFRが2.5g/10minの結晶性ポリプロピレン)50重量%とエチレン単独重合体(MFRが0.75g/min(温度190℃、荷重21.18N)のHDPE)50重量%を用いた以外は、実施例1に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを作成したが、横方向への延伸時に、延伸倍率1.5倍未満で延伸切れが発生し延伸性に劣っていた。横延伸倍率1.2倍程度の僅かな延伸ではフィルターとしての特性は得られなかった。
製膜工程において、ダイのリップクリアランスが0.6mmとなるように調整した以外は実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
製膜工程において、ダイのリップクリアランスが1.2mmとなるように調整した以外は実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
(比較例4)
製膜工程において、ダイのリップクリアランスが2.0mmとなるように調整した以外は実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
横延伸倍率を5倍、縦延伸倍率を6倍とした以外は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
横延伸温度を80℃とした以外は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
(比較例5)
横延伸温度を120℃とした以外は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
縦方向への延伸は実施せず、横方向への延伸だけを行った他は、実施例4に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表2に示した。
表3の実施例11に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いTダイのリップクリアランスが0.4mmとなるように調整し、縦方向の延伸温度を80℃とした以外は実施例1と同様に実施した。尚、実施例11では、横方向への延伸時に、延伸倍率3倍の条件で延伸切れが多発したため延伸倍率2.5倍にて延伸しポリオレフィン樹脂製フィルターとした。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表3に示した。
表3の実施例12に示すポリオレフィン樹脂(C)を用い横延伸倍率を3倍とした他は、実施例11に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表3に示した。
表3の実施例13に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた他は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表3に示した。
表3の実施例14に示すポリオレフィン樹脂(C)を用いた他は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表3に示した。
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを0.2mmとした他は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表4に示した。
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを1.2mmとした他は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表4に示した。
縦方向への延伸は実施せず、横方向への延伸だけを行った他は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表4に示した。
延伸工程において、一段目の延伸を延伸温度23℃にて縦方向に3倍延伸し、二段目の延伸を延伸温度80℃にて横方向に3倍延伸した以外は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表4に示した。
(比較例6)
製膜工程において、Tダイのリップクリアランスを2.0mmとした他は、実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表4に示した。
(比較例7)
製膜工程において、冷却ロールの温度を30℃とした他は実施例12に準じてポリオレフィン樹脂製フィルターを得た。膜状成形物の延伸性とフィルターの特性を表4に示した。
実施例8で得られたポリオレフィン樹脂製フィルターについて、圧力損失(ΔP)及び濾過精度(Z)を測定した結果、それぞれΔP390Pa、Z99.99%以上であった。フィルターとして圧力損失が小さく、優れた濾過精度を有していた。
実施例15で得られたポリオレフィン樹脂製フィルターについて、圧力損失(ΔP)及び濾過精度(Z)を測定した結果、それぞれΔP780Pa、Z95.99%以上であった。フィルターとして圧力損失が小さく、優れた濾過精度を有していた。
(表1)
Figure 2005137972
(表2)
Figure 2005137972
(表3)
Figure 2005137972
(表4)
Figure 2005137972
本発明のポリオレフィン樹脂製フィルターは、微細な粒子の捕集が容易で、濾過の際の圧力損失が小さく、したがって濾過処理量が大きく、フィルター性能に優れたポリオレフィン樹脂製フィルター用フィルム及びポリオレフィン樹脂製フィルター用フィルムを使用したエアフィルター、バグフィルター、ベントフィルター及び液体用フィルターに好適に使用される。例えば、半導体工業等のクリーンルームや精密電子機器、各種薬品、生化学的物品の製造設備等の内部雰囲気を清浄化するためのエアフィルター濾材、特にULPAまたはHEPAフィルター用濾材及び液体用フィルターに使用できる。

Claims (10)

  1. 結晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン(A)中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とからなるポリオレフィン樹脂(C)を含有する樹脂組成物を溶融し混練して膜状溶融物とし、該膜状溶融物を膜状成形物に成形した後、その膜状成形物を少なくとも一方向に延伸することにより形成されたフィルターであって、ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)30〜90重量%とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜70重量%とからなり、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)領域に連通した細孔を有するポリオレフィン樹脂製フィルター。
  2. 結晶性ポリプロピレン(A)のメルトフローレートMFRPPとプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートMFRRCのメルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.1〜10であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  3. 膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜10の範囲であることを特徴とする請求項1もしくは2のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  4. 膜状溶融物を膜状成形物に成形する際のドラフト比が1〜3の範囲であることを特徴とする請求項1もしくは2のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  5. メルトフローレート比MFRPP/MFRRCが0.2〜5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  6. ポリオレフィン樹脂(C)が結晶性ポリプロピレン(A)40〜70重量%とポリプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30〜60重量%とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  7. プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が30〜80重量%である請求項1〜6のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  8. プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)のプロピレン含量が40〜70重量%である請求項1〜7のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  9. ポリオレフィン樹脂(C)が、1段目で結晶性ポリプロピレン(A)を製造し、連続して2段目でプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)を製造する工程を含む多段重合法により得られたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
  10. 透気抵抗度(ガーレー)が1〜500秒/100ml、細孔径が0.1〜10μm、23℃にて5.3m/秒の流速で空気を透過させた時の圧力損失が100〜1000Paであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のポリオレフィン樹脂製フィルター。
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