JP6996383B2 - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法に関するものである。
微多孔膜は、様々な孔径、孔形状、孔数を有し、その特異な構造により発現され得る特性から、ろ過膜、透析膜等のフィルター、電池用セパレータや電解コンデンサー用のセパレータ等の種々の分野に用いられる。これらの中でも、ポリオレフィンを樹脂材料とする微多孔膜は、耐薬品性、絶縁性、機械的強度等に優れ、シャットダウン特性を有するため、二次電池用セパレータとして広く用いられる。
製造された微多孔膜が要求された性能を満たしているか否かの判断の指標の一つとして、微多孔膜表面の外観が挙げられる。即ち、目視あるいはルーペ等で微多孔膜の外観を観察した時、顕微鏡等の微視的な視野の確認では判別困難なレベルの突発的な異常部位が見受けられる場合があり、そのような異常部位は微視的視野よりも大きなマクロレベルでの物性異常が発生しているおそれがある。
さらにポリオレフィン微多孔膜の製造において、歩留まり、品質及び収率の向上は重要である。
そのような微多孔膜の外観を改善する技術として、例えば特許文献1では透気度や透湿度を調整している。
特許文献2には、比較的大きな平均孔径(約3.0μm~約15.0μm)を有する微多孔性膜及び比較的大きな平均孔径を有する微多孔性膜の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、二軸押出機を用いたポリオレフィン微多孔膜の製造方法が記載されている。
特開2001-294695号公報 特表2011-501773号公報 国際公開2009/51281号
特許文献2に記載の製造方法は、原料の選択がポイントの一つであり、PVDFポリマー及び希釈剤に対し、核剤として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸二ナトリウム塩を加えることにより、比較的大きな平均孔径(約3.0μm~約15.0μm)を有する微多孔性膜を製造している。
特許文献2の段落〔0026〕には、前記PVDFポリマーのメルトフローインデックスについて、「メルトフローインデックスは一般的に、約0.13~約6.5g/10分(230℃にて、5kg、ASTM D1238による)で変化した。」と記載されている。しかしながら、同段落に「・・又はメルトフローがより低いほど、得られた物品の強度が増加することが知られているが、本発明ではそれほど限定されない。」と記載されているように、特許文献2において、メルトフローインデックスは、前記PVDFポリマーの一般的な性質に過ぎない。
特許文献3に記載の製造方法は、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法を開示するものであるが、二軸押出機の構成がポイントの一つであり、メルトフローインデックスについては一切記載されていない。
本発明は、前記事情を考慮し、製造工程におけるポリオレフィン溶液の酸化を防止し、表面の外観に優れるポリオレフィン微多孔膜を提供することを目的とする。さらに、ポリオレフィン微多孔膜の製造工程における歩留まり、品質及び収率を改善することを目的とする。
前記の状況の下、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を押出機により混練してポリオレフィン溶液を調製し、次いでこのポリオレフィン溶液を口金からシート状に吐出した後、延伸及び前記可塑剤の除去を行ってポリオレフィン微多孔膜を製造するポリオレフィン微多孔膜の製造方法において、前記押出機から押出されてから、前記口金からシート状に吐出される迄のポリオレフィン溶液のメルトフローインデックス(メルトインデックスあるいはメルトフローレートとも言う)を特定の範囲に調製することにより、前記口金からシート状に吐出されるポリオレフィン溶液の酸化が防がれ、外観が良好なポリオレフィン微多孔膜を製造することができ、さらに製造工程における歩留まり、品質及び収率を改善することができることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を押出機により混練してポリオレフィン溶液を調製し、次いでこのポリオレフィン溶液を口金からシート状に吐出した後、延伸及び前記可塑剤の除去を行う工程を含むポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、
前記押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のメルトインデックス測定法に基づく粘度(MI)に対する、前記口金から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの比が100~140%の範囲内であることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜の製造方法である。
また、本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、下記[1]ないし[8]のいずれか1つ又はそれら要件の2つ以上の組み合わせを具備することが好ましい。
〔1〕 前記押出機において、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤により調製されたポリオレフィン溶液からガスを吸引し排気する。
〔2〕 前記ガスを吸引する時の吸引圧が-10~-100kPaの範囲である。
〔3〕 前記押出機と前記口金との間に配管が設置されている。
〔4〕 前記配管の温度が150~300℃の範囲である。
〔5〕 ポリオレフィン溶液が、前記押出機より押出されてから前記配管を経由して前記口金よりシート状に吐出されるまでの滞留時間が10~120分の範囲である。
〔6〕 前記口金から吐出されたポリオレフィン溶液を測定サンプルとして取り出し、この測定サンプルにおける粘度を時間の経過と共に複数回測定して、これら測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットすると共に近似直線を作成した時、この近似直線における相関係数Rは、0.8以上である。
〔7〕 前記口金からシート状に吐出されポリオレフィン溶液の、前記口金の中央部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIに対する、前記口金の端部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの比が100~130%の範囲内である。
〔8〕 前記ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも一方を含有する。
本発明によれば、二次電池用セパレータとして好適なポリオレフィン微多孔膜を、歩留まり、品質及び収率が改善された工程にて製造することができる。
ポリオレフィン溶液及びポリエチレン単体の粘度(MI)の時間に対する変化を示すグラフである。 ポリオレフィン溶液の粘度(MI)の経時的変化のバラつきの程度の異なる2例を示すグラフである。 実施例1におけるポリオレフィン溶液の粘度(MI)の時間に対する変化のバラつきの程度をサンプリング箇所ごとに示したグラフである。 比較例1におけるポリオレフィン溶液の粘度(MI)の時間に対する変化のバラつきの程度をサンプリング箇所ごとに示したグラフである。
以下、本発明について好ましい実施形態に基づき説明する。なお、本明細書において、ポリオレフィン微多孔膜とは、ポリオレフィンを主成分として含む微多孔膜をいい、好ましくは、ポリオレフィンを微多孔膜全量に対して90質量%以上含む微多孔膜をいう。また微多孔膜とは、膜内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体及び液体の少なくとも一方が通過可能となっている膜を言う。
一般に、ポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を押出機により混練してポリオレフィン溶液を調製し、次いでこのポリオレフィン溶液を口金からシート状に吐出した後、延伸及び前記可塑剤の除去を行い、その後、最終的に得られた微多孔膜を巻き取り装置により巻き取りを行うことにより製造される。
ポリオレフィン微多孔膜の製造において、上述した工程を実施する各装置は、配置の制約から、口金より前段の工程を実施する装置と、口金より後段の工程を実施する装置に分けることができる。
口金より後段の装置、即ち、口金から巻き取り装置までの装置は、ゲルシートやフィルムを搬送するにあたり、多数のロールを使っているので、各々のロールを互いに平行に配置しないとフィルムそのものが蛇行したり折れやしわが発生したりすることから、口金から巻き取り装置までは装置を一直線上に配置する必要がある。
これに対し、口金より前段の装置、即ち、押出機や当該押出機に原料粉を供給する原料供給部では、樹脂が溶液状あるいは粉体状であり、口金に対して配置の制限がない。
押出機を口金より後段の装置に対して、一直線に並ぶように配置すれば押出機と口金との間は直結できる。しかしながら、このように装置を配置すると、広範なスペースが必要となり工場のスペースを有効活用する点から好ましくない。
そこで、工場のスペースを有効活用するため(できるだけ装置全体の配置スペースを縦、横で同程度の寸法にするため)、例えば押出機とその押出機に原料を供給するホッパー等の原料供給部を、口金より後段の装置に対して垂直方向に配置し、押出機から口金に樹脂溶液を移送する配管を、樹脂溶液を溶液状に維持するための加熱手段等と共に設けることが行われている。そして、この配管に、樹脂溶液から固形異物を除去するためのフィルター装置や、口金に供給する樹脂溶液の量を精密に計量する精密計量装置などを設けている。前記フィルター装置は、微多孔膜が電池内にセパレータとして組み込まれた時、当該微多孔膜に金属粉などが微小量であっても含まれている場合には電極間の短絡につながってしまうおそれがあることから、いわゆる「濾過」工程を幾重にも組み合わせると共に、この「濾過」が数十ナノレベルの異物に対しても有効に働くように設けられている。従って、フィルター装置における樹脂溶液の滞留時間は極めて長い。そのため、樹脂溶液は加熱された状態で前記配管内にて一定時間滞留することになり、その配管内における樹脂の劣化が問題となる。なお、以後前記フィルター装置や精密計量装置などを含めて「配管」と呼ぶこととする。
仮に、工場のスペースが広範であり、押出機を口金より後段の装置に対して、一直線に並ぶように配置できる場合、一応押出機と口金との間は直結できる。
しかしながら、押出機と口金とを直結すると共に、押出機単体で樹脂溶液の吐出量を調整しようとした場合、配管を設置する場合に比してポリオレフィン溶液の吐出量制御が難しいという問題がある。また、押出機と口金とを直結した場合、ポリオレフィン溶液中の異物等を除去する手段を設置できないという問題がある。
しかも、後述するように、使用するポリオレフィン溶液における樹脂の物性等によっては、押出機と口金とを直結したとしても、ポリオレフィン溶液の熱酸化による劣化は起こり得る。
しかしながら、従来、押出機と口金との間に距離を設けることのメリット及びデメリットについては特に検討されていなかった。
これに対し、本発明では、この押出機と口金との間に距離を設けることのデメリットとして、押出機と口金との間におけるポリオレフィン溶液の劣化、特にポリオレフィン溶液の粘度(MI)の変化率に着目した。
ここで、ポリオレフィン溶液の酸化による劣化の要件としては、押出機及び配管内における酸素の存在、押出機及び配管内の温度、配管の長さ及び配管内におけるポリオレフィン溶液の滞留時間、使用する樹脂の特性、例えば酸素との反応性等が挙げられる。
具体的には、次の1)及び2)のとおりである。
1)押出機と口金とが一定以上の長さの配管で連結されている場合
配管の長さが一定以上の長さであると、ポリオレフィン溶液の滞留時間が長くなり、それに伴いポリオレフィン溶液を溶融状態に維持するために加熱する時間が長くなる。このような場合、配管中に酸素が存在すると、配管の加熱により、ポリオレフィン溶液の酸化による劣化が促進される。
2)押出機と口金が配管を経由せず直結されているか、押出機と口金とが長さの短い配管で連結されている場合
2)-1.使用する樹脂が酸素との反応性が高く、劣化し易い場合、押出機と口金との間の滞留時間が短い場合であっても熱酸化による劣化が起こり得る。
2)-2.使用する樹脂の粘度が高い場合、樹脂溶液を流れやすくするために押出機後段から口金までを高温にする必要があり、押出機と口金との間の滞留時間が短い場合であっても高温での熱酸化による劣化が起こり得る。
2)-3.樹脂と可塑剤との混合割合における樹脂濃度が高く、ポリオレフィン溶液の濃度が高い場合、前記2)-2と同様に、押出機後段から口金までを高温にする必要があり、押出機と口金との間の滞留時間が短い場合であっても高温での熱酸化による劣化が起こり得る。
したがって、配管の有無及び配管の長さに関係なく、押出機と口金との間において、ポリオレフィン溶液は条件次第で熱酸化により劣化する。
ポリオレフィン溶液が熱酸化により劣化すると、そのポリオレフィン溶液を用いてポリオレフィン微多孔膜を製造した場合、当該ポリオレフィン微多孔膜の表面の外観に影響を与える。具体的にはポリオレフィン微多孔膜の表面に目視レベルで確認可能な斑状の特異点が形成されて外観不良となるおそれが高くなる。
以上より、押出機と口金との間におけるポリオレフィン溶液の熱酸化を抑制することは重要である。そこで、ポリオレフィン溶液の熱酸化を抑制する方法について検討を行った。
ポリオレフィン溶液の物性を表す指標の一つとして、MIがある。ここで、MIについて説明すると、MIは、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂の溶融時の粘度(流動性)を表す方法の一つであり、シリンダー(加熱筒)内で溶融させた試料に、一定の荷重を加えてオリフィスより押出す試料の吐出量(標線間)を10分間あたりの重量(単位:g/10分)に換算して表す流動性の指標である。つまり同一のシリンダー温度および荷重条件であれば、MIの値が高い材料ほど流動性が良いことを示す。なお、本発明では、MIは、JIS K 7210-1(2014)に準じて試験温度及び荷重をそれぞれ230℃、2.16kgf(21.18N)に設定してA法にて測定している(単位:g/10分)。
MIは、測定対象の樹脂の分子量、炭素鎖の長さ及び分岐の度合い、あるいは融点等のパラメータにより一義的に決まる値であり、任意の樹脂について、前記パラメータが全て決まれば、MIも決まることになる。通常、固有のMIをもつ任意の樹脂は、上記パラメータについて変化を受けなければ、その後の処理や経時的な変化に依らず、MIの変化は起こらないと言える。
一方、ポリオレフィン微多孔膜の製造に用いるポリオレフィン樹脂では、MIが時間の経過とともに変化していくものがあることを本発明者等は見いだしていた。その理由としては、ポリオレフィン樹脂の混練時に可塑剤を使用すると、混練後のポリオレフィン溶液(ポリオレフィン樹脂と可塑剤とを混練した混合物)からは、時間の経過と共に可塑剤が外部に染み出していき、外部に染み出した可塑剤がMIを測定するための装置(既述のシリンダー)内部においてポリオレフィン溶液との間の潤滑剤の役割を果たすためと考えられる。
ただし、本発明においては熱酸化による影響を受けなければ、押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のMIと、口金から吐出された直後のシート状のポリオレフィン溶液のMIは、大差ない値となることを本発明者等は確認している。
すなわち、押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のMIに対する、口金から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの比をとり、前記のような可塑剤の僅かな浸み出しも考慮しつつ、特定範囲内とすることが、ポリオレフィン溶液の熱酸化を抑制し、歩留まり、品質及び収率の改善に資することを本発明者等は見いだした。
即ち、本発明は、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を押出機により混練してポリオレフィン溶液を調製し、次いでこのポリオレフィン溶液を口金からシート状に吐出した後、延伸及び前記可塑剤の除去を行ってポリオレフィン微多孔膜を製造するポリオレフィン微多孔膜の製造方法において、
下記式で表される、前記押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のMIに対すると、前記口金から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの比、すなわち
(口金から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMI)÷(押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のMI)×100
を100~140%の範囲内とする。当該比率を、140%以下、好ましくは130%以下、更に好ましくは110%以下とすることで、ポリオレフィン溶液の熱酸化を抑制し、歩留まり、品質及び収率の改善の効果を得ることができる。また、当該比を100%以上、好ましくは101%以上、更に好ましくは104%以上とすることで、良好な口金吐出性を維持することができる。
ポリオレフィン溶液の製造工程において、前述したように、押出機と口金との間に設置される配管が無いか配管の長さが短い場合、特殊な場合(使用する樹脂が劣化し易い、粘度が非常に高い)を除き、熱酸化による劣化に対しては有利であるが、工場のスペースを有効活用する点、ポリオレフィン溶液の吐出量の制御の問題、ポリオレフィン溶液中の異物等の除去の問題等を考慮すると、現実的には、押出機と口金との間に一定以上の配管を設置することが好ましい。押出機から押出されたポリオレフィン溶液は、押出機と口金との間に設置された配管内を経由して口金から吐出されるところ、酸素が含まれている配管内でのポリオレフィン溶液の滞留時間が長いと、ポリオレフィン溶液が加熱される時間が長くなる結果、MIの変化率は大きくなる。ポリオレフィン溶液の酸化を抑制するため、即ちMIの変化率を小さくするためには配管内における滞留時間が短くしたり、加熱温度を低くしたりすること等、配管内における条件を制御する方法は有効であるが、配管内における条件を制御することは制約がある。また配管内で酸素を除去したとしても、酸素の影響を完全に防ぐことは厳しい。そこで、本発明では、後述するように、口金より前段の工程、押出機におけるポリオレフィン溶液の混練過程、具体的には、ポリオレフィン溶液の混練完了後に、ポリオレフィン溶液中に含まれる空気を除去することが好ましい。このようにすることにより、配管内での滞留時間が長い場合であっても、ポリオレフィン溶液に含まれる空気は除去されているため、ポリオレフィン溶液の酸化は抑制され、前述のMIの比は前述の範囲内となる。
MIの経時的変化を図1に示す。図1では、通常の樹脂(ポリエチレン)単体(可塑剤を含まない樹脂単独)ではMIが経時的に変化せず、一方ポリオレフィン溶液では既述のようにMIが経時的に上昇していく。
しかし、既述のMIの経時的変化は、図2に示すように、樹脂劣化が発生した場合バラつきが大きくなる。すなわち、同一の測定サンプルのMIを時間の経過と共に複数回測定した時、それら測定結果を時間と粘度との関係を示すグラフ上にプロットすると、バラつきが小さい場合にはこれらプロット群が概略一直線上に並び、一方バラつきが大きい場合には前記プロット群が任意の直線から外れた分散状態となる。
このバラつきは、図3(b)に示すように、MI測定のためのサンプル採取位置によらず、樹脂劣化が発生した場合大きくなる。すなわち、樹脂劣化が発生している場合には、口金からシート状に吐出されたポリオレフィン溶液のTD方向中央部及び両端部のいずれにおいても、MIの経時変化は、直線では表すことができない程度のばらついた状態となる。
MIの時系列変化のバラつきが大きい場合、ポリオレフィン溶液において、局所的な物性変動(強度変化等)が起こっていると考えられ、このようなバラつきが大きいポリオレフィン溶液を用いてフィルムを作製すると、その外観が不良となる(後述する比較例1参照)。
これに対し、MIの時系列変化のバラつきが小さい場合、このようなバラつきが小さいポリオレフィン溶液を用いてフィルムを作製すると、その外観が良好となる(後述する実施例1~5参照)。
なお、図2及び図3から明らかなように、MIのバラつきは、MIの変化率と同様、ポリオレフィン溶液の混練完了後に、ポリオレフィン溶液中に含まれる空気を除去することにより制御することができる。
そのようなポリオレフィン溶液のMIの時系列変化のバラつき度合いを示す具体的な指標として、本発明では後述の実施例や図2及び図3にも示すように、時間とMIとの相関関係をプロットしたグラフにおいて、当該相関関係に関する一次近似直線を引いて、この一次近似直線における相関係数Rを用いている。この相関係数Rは、0.8以上であり、上限は0.99以下である。相関係数Rは、好ましくは0.85以上0.98以下、更に好ましくは0.89以上0.97以下の範囲である。この相関係数Rが既述の範囲内の場合には、MIの経時変化が均一に起こっており、そのような原料を用いて製造したフィルムの外観が極めて良好になる。その理由としては、ポリマー溶液が均一に混練されていることにより、混練ムラや口金端部のコゲにより発生する欠点のない外観良好なフィルムを得ることが出来るためと推測する。
本発明において、前記のMIに関するパラメータを満たすポリオレフィン溶液は、適宜条件を設定の上、下記a)ないしi)工程を経ることにより製造することができる。
a)前記ポリオレフィン樹脂を押出機内に供給する。
b)供給された前記ポリオレフィン樹脂を加熱する。
c)加熱された前記ポリオレフィン樹脂に可塑剤を添加し混合・混練してポリオレフィン溶液を調整する。
d)前記ポリオレフィン溶液を調製後、前記押出機内のガス(空気)を吸引し排気する。
e)混練後の前記ポリオレフィン溶液を押出機から押し出し、前記口金からシート状に吐出する。
f)シート状に押出された前記ポリオレフィン溶液を冷却してゲルシートを形成する。
g)前記ゲルシートを延伸する。
h)延伸後のゲルシートから可塑剤を除去して微多孔膜(フィルム)を形成する。
i)前記フィルムを乾燥させる。
以下、各工程順に説明する。
a)ポリオレフィン樹脂を押出機内に供給する。
本工程ではポリオレフィン樹脂を、押出機の原料投入部より押出機内に供給する。この樹脂投入の際に、ポリオレフィン溶液の酸化の原因となる空気が混入する。なお、この空気の混入を防ぐことは作業工程上困難であるため、本発明では、後述する工程にて、空気を排気する工程を設けている。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンを好ましく用いることができる。例えば、ポリエチレンは、ポリオレフィン微多孔膜全量に対して、50質量%以上含むことができる。ポリエチレンとしては、特に限定されず、種々のポリエチレンを用いることができ、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が用いられる。なお、ポリエチレンは、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンと他のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂は、高密度ポリエチレン(HDPE)(密度:0.920g/m以上0.970g/m以下)を含有することできる。高密度ポリエチレンを含有すると、溶融押出特性に優れ、均一な延伸加工特性に優れる。原料として用いられる高密度ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)は、例えば1×10以上1×10未満程度である。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で測定される値である。高密度ポリエチレンの含有量は、例えば、ポリオレフィン樹脂全体100質量%に対して、50質量%以上である。高密度ポリエチレンの含有量は、その上限が、例えば100質量%以下であり、他の成分を含む場合は、例えば90質量%以下である。
また、ポリオレフィン樹脂は、超高分子量ポリエチレン(UHMwPE)を含むことができる。原料として用いられる超高分子量ポリエチレンは、重量平均分子量(Mw)が1×10以上(100万以上)であり、好ましくは1×10以上8×10以下である。超高分子量ポリエチレンのMwが前記範囲である場合、成形性が良好となる。超高分子量ポリエチレンは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができ、例えばMwの異なる二種以上の超高分子量ポリエチレン同士を混合して用いてもよい。
超高分子量ポリエチレンは、例えば、ポリオレフィン樹脂全体100質量%に対して、例えば0質量%以上70質量%以下含むことができ、好ましくは10質量%以上60質量%以下である。超高分子量ポリエチレンの含有量が10質量%以上60質量%以下である場合、得られるポリオレフィン微多孔膜のMwを後述する特定の範囲に容易に制御しやすく、かつ押出し混練性等の生産性に優れる傾向がある。また、超高分子量ポリエチレンを含有した場合、ポリオレフィン微多孔膜を薄膜化した際にも高い機械的強度を得ることができる。
ポリオレフィン樹脂として、高密度ポリエチレン及び超高分子量ポリエチレンの両方を含む場合、高密度ポリエチレンに対する超高分子量ポリエチレンの比率は、均一混練性の観点から、好ましくは5~60質量%、より好ましくは5~50質量%、特に好ましくは10~40質量%である。
ポリプロピレンとしては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα-オレフィン及びジオレフィンとの共重合体(プロピレン共重合体)の少なくとも一方、或いはこれらの混合物のいずれでも良いが、機械的強度及び貫通孔径の微小化等の観点から、プロピレンの単独重合体を用いることが好ましい。ポリプロピレンの含有量としては、ポリオレフィン樹脂全体100質量%に対し2.5質量%以上とすることが耐熱性向上の点から好ましい。また、ポリオレフィン樹脂全体100質量%に対し15質量%以下とすることが、シャットダウン温度が高くなることを抑える点から好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて、ポリエチレン及びポリプロピレン以外のポリオレフィン及びその他の樹脂成分を含むことができる。その他の樹脂成分としては、例えば、耐熱性樹脂等を用いることができる。また、ポリオレフィン微多孔膜は、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤や充填剤、結晶造核剤、結晶化遅延剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
また、本発明では、前記のポリオレフィン樹脂及び後述する可塑剤に加えて、結晶造核剤を含有してもよい。結晶造核剤としては、特に限定されず、公知の化合物系、微粒子系結晶造核剤等が使用できる。核剤としては、核剤を予めポリオレフィン樹脂に混合、分散したマスターバッチであってもよい。核剤を含有する場合、超高分子量ポリエチレンを含有しなくても、高い機械的強度と低い応力拡散係数(K値)を得ることができる。
なお、ポリオレフィン樹脂組成物は、結晶造核剤を含有しない場合、ポリオレフィン樹脂は、前記の超高分子量ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含有することが好ましい。また、ポリオレフィン微多孔膜は、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン及び結晶造核剤を含んでもよい。これらを含むことにより、突刺強度をより向上させ、かつ、K値をより低下させることができる。
b)供給された前記ポリオレフィン樹脂を加熱する。
本工程では、供給されたポリオレフィンが押出機内部で加熱される。具体的な加熱温度は、使用するポリオレフィンの種類によって異なるが、例えば、ポリエチレンの場合は140~250℃、特に150~250℃であるのが好ましく、ポリプロピレンの場合は160~250℃、特に180~250℃であることが好ましい。
c)加熱されたポリオレフィン樹脂に可塑剤を添加し混合・混練する。
可塑剤としては、前記ポリオレフィン樹脂に対して良溶媒であれば制限されないが、例えばノナン、デカン、デカリン、p-キシレン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族又は環式の炭化水素、或いは沸点がこれらに対応する鉱油留分等を用いることができる。前述した可塑剤としては、25℃における粘度が0.03~0.5Pa・s、特に0.05~0.2Pa・sであるのが好ましい。25℃における粘度が0.03Pa・s未満では、不均一吐出を生じ、混練が困難であり、一方0.5Pa・sを超えると、後工程での脱可塑剤が容易でなくなる。可塑剤の中では、ポリオレフィンとの相溶性の観点から、流動パラフィン、デカリン、pキシレンが好ましい。
ポリオレフィン樹脂と可塑剤(総量)との配合割合は、ポリオレフィン樹脂と可塑剤との合計を100質量%として、ポリオレフィン樹脂が10~50質量%、好ましくは15~40質量%であり、可塑剤が50~90質量%、好ましくは60~85質量%である。ポリオレフィンが10質量%未満では(可塑剤が90質量%を超えると)、シート状に成形する際に、口金出口で、スウェルやネックインが大きくシートの成形が困難となる。一方、ポリオレフィン樹脂が50質量%を超えると(可塑剤が50質量%未満では)、均一な溶液の調製が困難となる。
d)前記ポリオレフィン溶液を調製後、前記押出機内のガス(空気)を吸引し排気する。
ポリオレフィン樹脂と可塑剤の混練完了時、調製されたポリオレフィン溶液は、高温状態になっているため、押出機への原料投入の際に混入した空気の存在により、酸化反応が起こり得る状態にある。本工程では、この酸化反応の原因となる空気を吸引し排気することが好ましい。押出機内の空気は、原料の混練開始とともに、原料である樹脂と混在する状態になるが、混練が進むにつれて、押出機内の圧力により気泡同士が徐々に凝集し、混練完了時(押出機の最終段)には、一か所に集まる。このため、空気の排気は、押出機内にて気泡が集まる場所、即ち、混練が完了する最終段に、ベント孔を形成し、排気筒を介して真空ポンプで押出機内を排気する。このようにして、ポリオレフィン溶液に含まれていた空気が排気される。
さらに、ガスの吸引は、好ましくは-10~-300kPa、より好ましくは-50~-200kPa、特に好ましくは-50~-100kPaの範囲の吸引圧で吸引し排気することが好ましい。このような範囲の吸引圧で吸引することにより、ポリオレフィン樹脂溶液に含まれる空気が酸化に影響を及ぼさない程度に排気される。
e)混練後の前記ポリオレフィン溶液を押出機から押し出し、前記ポリオレフィン溶液を前記押出機と前記口金との間に設置された配管を経由して前記口金からシート状に吐出する。
前記ポリオレフィン溶液は、前記押出機から押出された後、前記口金からシート状に吐出されるまでの間、配管を経由する。このときの配管の温度は150~300℃、特に180~250℃の範囲であることが好ましい。配管の温度を150℃以上に設定することにより、ポリオレフィン溶液の溶融状態を維持できる。また配管の温度を300℃以下に設定することにより、ポリオレフィン溶液の劣化が最小限に抑制できる。
またポリオレフィン溶液の配管内での滞留時間は10~120分、特に10~90分の範囲に設定されていることが好ましい。滞留時間を10分以上に設定することにより、ポリオレフィン溶液が配管を滞留する過程において、ポリオレフィン溶液の不純物を除く処理等を十分に行うことができる。また滞留時間を120分以下にすることによりポリオレフィン溶液の劣化を最小限度に抑制できる。
混合・混練された前記ポリオレフィン溶液を、口金を介して吐出する。口金から吐出されたポリオレフィン溶液は、混練完了時に、ポリオレフィン溶液内の空気を既に排気し終えているため、口金から吐出された時のMIは、押出機から押出された直後のMIと同じ程度(本発明で規定する範囲)となる。すなわち、配管内での樹脂の劣化が抑制されている。
押出機からポリオレフィン樹脂を押し出す時の押し出し速度は、20cm/分乃至10m/分である。
口金としては、通常長方形の口金形状をしたシート口金が用いられる。シート口金を用いた場合の口金ギャップは通常0.1~5mmであり、押出し成形時には140~250℃に加熱される。
f) 口金よりシート状に吐出されたポリオレフィン溶液を、冷却することにより、ゲル状シートを形成する。
ゲル状シートの形成方法として、例えば日本国特許第2132327号公報及び日本国特許第3347835号公報に開示の方法を利用することができる。冷却は少なくともゲル化温度までは50℃/分以上の速度で行うのが好ましい。冷却は25℃以下まで行うのが好ましい。冷却により、成膜用溶剤によって分離されたポリオレフィンのミクロ相を固定化することができる。冷却速度が前記範囲内であると結晶化度が適度な範囲に保たれ、延伸に適したゲル状シートとなる。冷却方法としては冷風、冷却水等の冷媒に接触させる方法、冷却ロールに接触させる方法等を用いることができるが、冷媒で冷却したロールに接触させて冷却させることが好ましい。
g)ゲル状シートを延伸する。
ゲル状シートの延伸は、湿式延伸ともいう。湿式延伸は、少なくとも一軸方向に行う。ゲル状シートは成膜用溶剤を含むので、均一に延伸できる。ゲル状シートは、加熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法、又はこれらの組合せにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸、逐次延伸及び多段延伸(例えば同時二軸延伸及び逐次延伸の組合せ)のいずれでもよい。
湿式延伸における、最終的な面積延伸倍率(面倍率)は、例えば、一軸延伸の場合、3倍以上が好ましく、4倍以上30倍以下がより好ましい。また、二軸延伸の場合、最終的な面積延伸倍率は9倍以上が好ましく、16倍以上がより好ましく、25倍以上がさらに好ましい。湿式延伸における最終的な面積延伸倍率の上限は100倍以下が好ましく、64倍以下がより好ましい。また、湿式延伸における最終的な延伸倍率はMD方向(機械方向:長手方向)及びTD方向(幅方向:横手方向)のいずれでも3倍以上が好ましく、MD方向とTD方向とで互いに同じでも異なってもよい。延伸倍率を5倍以上とすると、突刺強度の向上が期待できる。なお、本ステップにおける延伸倍率とは、本ステップ直前のゲル状シートを基準として、次ステップに供される直前のゲル状シートの延伸倍率のことをいう。また、TD方向は、微多孔膜を平面でみたときにMD方向に直交(交差)する方向である。
延伸温度は、ポリオレフィン樹脂の結晶分散温度(Tcd)~(Tcd)+30℃の範囲内にすることが好ましく、結晶分散温度(Tcd)+5℃~結晶分散温度(Tcd)+28℃の範囲内にすることがより好ましく、(Tcd)+10℃~(Tcd)+26℃の範囲内にすることが特に好ましい。延伸温度が前記範囲内であるとポリオレフィン樹脂延伸による破膜が抑制され、高倍率の延伸ができる。ここで結晶分散温度(Tcd)とは、ASTM D4065に基づいて動的粘弾性の温度特性測定により求められる値をいう。前記の超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン以外のポリエチレン及びポリエチレン組成物は、約90~100℃の結晶分散温度を有する。従って、ポチエチレンを原料として用いた場合の延伸温度は、例えば、90℃以上130℃以下とすることができる。
以上のような延伸によりポリエチレンラメラ間に開裂が起こり、ポリエチレン相が微細化し、多数のフィブリルが形成される。フィブリルは三次元的に不規則に連結した網目構造を形成する。延伸により機械的強度が向上するとともに細孔が拡大するが、適切な条件で延伸を行うと、貫通孔径を制御し、さらに薄い膜厚でも高い空孔率を有する事が可能となる。このため、より安全で高性能な電池用セパレータに好適である。
h)次いで、前記延伸後のゲル状シートから成膜用溶剤を除去して微多孔膜(フィルム)とする。成膜用溶剤の除去は、洗浄溶媒を用いた洗浄により行う。ポリオレフィン相は成膜用溶剤相と相分離しているので、成膜用溶剤を除去すると、微細な三次元網目構造を形成するフィブリルからなり、三次元的に不規則に連通する孔(空隙)を有する多孔質の膜が得られる。洗浄溶媒及びこれを用いた成膜用溶剤の除去方法は公知であるので説明を省略する。例えば日本国特許第2132327号明細書や特開2002-256099号公報に開示の方法を利用することができる。
i)成膜用溶剤を除去した微多孔膜を、加熱乾燥法又は風乾法により乾燥する。
乾燥温度はポリオレフィン樹脂の結晶分散温度(Tcd)以下であるのが好ましく、特にTcdより5℃以上低いのが好ましい。乾燥は、微多孔膜フィルムを100質量%(乾燥重量)として、残存洗浄溶媒が5質量%以下になるまで行うのが好ましく、3質量%以下になるまで行うのがより好ましい。残存洗浄溶媒が前記範囲内であると、後段の微多孔膜フィルムの延伸工程及び熱処理工程を行ったときにポリオレフィン微多孔膜の空孔率が維持され、透過性の悪化が抑制される。
また、乾燥後のフィルムポリオレフィン微多孔膜は、熱処理が行われてもよい。熱処理によって結晶が安定化し、ラメラが均一化される。熱処理方法としては、熱固定処理及び熱緩和処理の少なくとも一方を用いることができる。熱固定処理とは、膜のTD方向の寸法が変わらないように膜のTD方向両端部を保持しながら加熱する熱処理である。熱固定処理は、テンター方式又はロール方式により行うのが好ましい。熱緩和処理とは、膜を加熱中にMD方向やTD方向に熱収縮させる熱処理である。例えば、熱緩和処理方法としては特開2002-256099号公報に開示の方法があげられる。熱処理温度はポリオレフィン樹脂の(Tcd)~(Tm:融点)の範囲内が好ましい。
また、熱処理後のポリオレフィン微多孔膜に対して、さらに、架橋処理及び親水化処理を行うこともできる。例えば、微多孔膜に対して、α線、β線、γ線、電子線等の電離放射線の照射することに、架橋処理を行う。電子線の照射の場合、0.1~100Mradの電子線量が好ましく、100~300kVの加速電圧が好ましい。架橋処理により微多孔膜のメルトダウン温度が上昇する。また、親水化処理は、モノマーグラフト、界面活性剤処理、コロナ放電等により行うことができる。モノマーグラフトは架橋処理後に行うのが好ましい。
以上説明した本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法により得られたポリオレフィン微多孔膜は、表面の外観に優れ二次電池のセパレータとして好適である。
以下、本発明を実施例等によりさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
・測定方法と評価方法
[メルトフローレイト(MI)]
JIS K 7210-1(2014)に準じて試験温度及び荷重をそれぞれ230℃、2.16kgf(21.18N)に設定してA法にて測定した(単位:g/10分)。
MIは、以下の項目について評価した。
・押出機吐出 MIの平均値(g/10min)
押出機により溶融・混連した後に吐出されるポリオレフィン溶液を測定サンプルとして採取すると共に、この測定サンプルのMIを1分毎に測定して、吐出後10分までのMIについて平均値(A)を求めた。
・押出機吐出 MIの傾き(g/min
押出機により溶融・混連した後に吐出されるポリオレフィン溶液を測定サンプルとして採取し、この測定サンプルにおけるMIを時間の経過と共に複数回測定し、これらの測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットし、傾きを求めた。
近似直線の算出方法
最小二乗法により偏差平方の和が最小となるよう、下記式を用いて直線の傾きbと切片aを決定した。
y=bx+a
b=S(xy)/S(xx)
a=(y平均値)-b(x平均値)
S(xy)=Σ(x-(x平均値))(y-(y平均値))
S(xx)=Σ(x-(x平均値))
S(yy)=Σ(y-(y平均値))
(xi, yi):測定値
b:傾き
a:切片
・押出機吐出 MIのR
押出機より吐出されるポリオレフィン溶液のMIを時間の経過と共に複数回測定して、これらの測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットすると共に近似直線を作成し、この近似直線におけるプロットの相関係数Rを求めた。
相関係数の算出方法
下記式を用いて相関係数Rを求めた。
=(S(xy)/√(S(xx)・S(yy)))
S(xy)=Σ(x-(x平均値))(y-(y平均値))
S(xx)=Σ(x-(x平均値))
S(yy)=Σ(y-(y平均値))
・口金吐出 中央部のMIの平均値(g/10min)
押出機を経由し、口金から吐出されるポリオレフィン溶液を口金中央部より20mm幅でサンプルとして切り取り、このサンプルのMIを1分毎に測定して、吐出後10分までの平均値(B)を求めた。
・口金吐出 中央部 MIの傾き(g/min
押出機を経由し、口金から吐出されるポリオレフィン溶液を口金中央部より20mm幅でサンプルとして切り取り、このサンプルにおけるMIを時間の経過と共に複数回測定し、これらの測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットし、傾きを求めた。
・口金吐出 中央部 MIのR
口金中央部より吐出されるポリオレフィン溶液を20mm幅でサンプルとして切り取り、このサンプルにおけるMI測定を時間の経過と共に複数回測定して、これらの測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットすると共に近似直線を作成し、この近似直線におけるプロットの相関係数Rを求めた。
・口金吐出 端部 MIの平均値(g/10min)
押出機を経由し、口金から吐出されるポリオレフィン溶液について、TD方向におけるエッジを含む両端部から20mm幅でサンプルとして切り取り、このサンプルのMIを1分毎に測定して、吐出後10分までの平均値(C)を求めた。
・口金吐出 端部 MIの傾き(g/min
押出機を経由し、口金から吐出されるポリオレフィン溶液について、TD方向におけるエッジを含む両端部から20mm幅でサンプルとして切り取り、MIを時間の経過と共に複数回測定し、これらの測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットし、傾きを求めた。
・口金吐出 端部 MIのR
口金端部より吐出されるポリオレフィン溶液を20mm幅でサンプルとして切り取り、このサンプルにおけるMIを時間の経過と共に複数回測定して、これらの測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットすると共に近似直線を作成し、この近似直線におけるプロットの相関係数Rを求めた。
・押出機-口金(中央) MIの比(%)
押出機吐出 MIの平均値(A)に対する、口金吐出 中央部MIの平均値(B)の比をとり押出機-口金(中央)間のMIの比を求めた。式で表すと以下のとおりである。
(MIの比)=(口金中央部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの平均値(B))÷(押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のMIの平均値(A))×100
・押出機-口金(端部) MIの比(%)
押出機吐出 MIの平均値(A)に対する、口金吐出 端部MIの平均値(C)の比をとり押出機-口金(端部)間のMIの変化率を求めた。式で表すと以下のとおりである。
(MIの比)=(口金端部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの平均値(C))÷(押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のMIの平均値(A))×100
・シート中央部-端部 MIの比(%)
口金吐出 中央部MIの平均値(B)に対する、口金吐出 端部MIの平均値(C)の比をとり口金(中央部)-口金(端部)間のMIの比を求めた。式で表すと以下のとおりである。
(MIの比)=(口金端部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの平均値(C))÷(口金中央部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの平均値(B))×100 。
[外観]
微多孔膜を95mm×95mmに切り出し、照明付き拡大鏡ルーペ(PEAK社製、ILLUMINATING LUPE)の上に皺なく広げ、透過光で微多孔膜を観察した。長径0.3cm以上の透明な斑点を数え、斑点の数が3個以内の物を◎(優)、3個を超え5以内のものを○(良)、5個を超え10個以内のものを△(可)、10個を超えたものを×(不可)と評価した。
[口金の汚れ状況]
200時間口金よりポリオレフィン樹脂組成物を吐出させた後に、口金に付着したコゲを観察した。口金下面に付着するコゲつきに関して、コゲ付きが軽微なもの(口金下面の面積に対してコゲの付着面積が30%以下)を○、コゲ付きがみられるもの(口金下面の面積に対してコゲの付着面積が30~50%)を△、コゲ付きが強いもの(口金下面の面積に対してコゲの付着面積が50%以上)を×と評価した。
(実施例1~5及び比較例1)
表1に示す組成及び条件にて、ポリオレフィン樹脂と可塑剤である流動パラフィンと酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]メタン(ポリオレフィン樹脂100質量部当たり0.3質量部)を二軸押出機にて、溶融混練し、ポリオレフィン樹脂組成物を調製し、二軸押出機からT形状の口金に供給し、押し出した。押出し成形体を、冷却ロールで引き取りながら冷却し、ゲル状シートを形成した。ゲル状シートを、テンター延伸機により110℃でMD方向及びTD方向ともに5倍で同時二軸延伸(湿式延伸)した。延伸ゲル状シートを20cm×20cmのアルミニウム枠板に固定し、25℃に温調した塩化メチレン浴中に浸漬し、100rpmで3分間揺動しながら流動パラフィンを除去し、室温で風乾し、乾燥膜を得た。乾燥膜を、バッチ式延伸機を用いて、126℃で表1に記載の乾式延伸倍率にてMD方向、TD方向に乾式延伸した。次に、この膜をテンター法により、126℃で8%収縮させながら熱緩和処理を行った。得られたポリオレフィン微多孔質膜の評価結果を表1に併せて記載した。なお、表1中、UHMwPEは、Mwが2.0×10の超高分子量ポリエチレンを示し、HDPEは、Mwが6.0×10の高密度ポリエチレンを示す。溶融混練物(樹脂組成物)中の樹脂濃度(wt%)とは、ポリオレフィン樹脂と可塑剤の合計に対するポリオレフィン樹脂の含有量を示す。PE滞留時間(分)は、押出機より押出されてから口金に到達するまでの時間とし、「ポリマーラインの総体積/吐出量」にて算出する。総面倍率は、湿式延伸前のゲル状シートを基準として、乾式延伸後(熱固定処理前)のポリオレフィン微多孔膜の面積延伸倍率を示す。
Figure 0006996383000001
(評価)
実施例1~5の製造方法は、樹脂組成物のMIの変化率が所定の範囲を満たしているため、前記押出機から押出されてから、前記口金からシート状に吐出される迄の工程において、ポリオレフィン溶液の酸化が抑制されており、得られた微多孔膜の表面の外観は良好である。また口金端部の汚れ等がなく、製造工程における歩留まり、品質及び収率が向上している。
一方、比較例1の製造方法は、樹脂組成物のMIの変化率が所定の範囲を満たしていないため、前記押出機から押出されてから、前記口金からシート状に吐出される迄の過程において、ポリオレフィン溶液の酸化が進行し、得られた微多孔膜の表面の外観は不良である。また口金端部の汚れが発生しており、製造工程における歩留まり、品質及び収率が低下している。
図1は、通常の樹脂(ポリエチレン)単体(可塑剤を含まない樹脂単独)とポリオレフィン溶液とについてMIの経時変化を表したものであり、この結果から、通常の樹脂単体(可塑剤を含まない樹脂単独)ではMIが経時的に変化せず、一方ポリオレフィン溶液では既述のようにMIが経時的に上昇していくことがわかる。
図2は、ポリオレフィン溶液におけるMIのばらつきが大きい例と小さい例とを模式的に示したグラフである。
実施例1及び比較例1で調製したポリオレフィン溶液について、各サンプル取得場所におけるMIの経時的変化に対する押出機内におけるガスの排気の影響について各サンプルMI測定より検証を行った。結果を図3(a)及び(b)に示す。なお、図3(a)は実施例1のポリオレフィン溶液に対応し、図3(b)は比較例1のポリオレフィン溶液に対応している。図3の結果から、ポリオレフィン溶液のMIは、サンプルの取得場所に関係なく、経時的に上昇していくが、押出機でのポリオレフィン溶液混練完了後に、押出機内のガスの吸引を行わないと、ポリオレフィン溶液の酸化が促進され、ポリオレフィン溶液のMIの値のバラつきが経時的に且つTD方向において大きくなる。これに対し、押出機でのポリオレフィン溶液混練完了後に、押出機内でのガスの吸引を行うと、ポリオレフィン溶液の酸化が抑制され、ポリオレフィン溶液のMIの値のバラつきが小さくなる。以上より、ポリオレフィン溶液のMIの値のバラつきを小さくするために、ポリオレフィン溶液混練完了後に、押出機内でのガスの吸引を行うことが有効であることが確認された。
以上から、本実施形態の製造方法によれば、製造の工程におけるポリオレフィン溶液の酸化が抑制されているため、表面の外観が良好なポリオレフィン微多孔膜を、歩留まり、品質及び収率が向上した工程にて製造することができることが明らかである。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、製造工程におけるポリオレフィン溶液の酸化が抑制されているため、表面の外観が良好なポリオレフィン微多孔膜を、歩留まり、品質及び収率が向上した工程にて製造することができるため、二次電池用セパレータ用のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法として好適である。

Claims (5)

  1. ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を押出機により混練してポリオレフィン溶液を調製し、次いでこのポリオレフィン溶液を口金からシート状に吐出した後、延伸及び前記可塑剤の除去を行う工程を含むポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、
    前記押出機から押出された直後のポリオレフィン溶液のメルトインデックス測定法に基づく粘度(MI)に対する、前記口金から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの比が100~140%の範囲内であり、
    前記押出機において、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤により調製されたポリオレフィン溶液からガスを吸引し排気し、前記ガスを吸引する時の吸引圧が-10~-100kPaの範囲であり、
    前記押出機と前記口金との間に配管が設置されており、前記ポリオレフィン溶液が、前記押出機より押出されてから前記配管を経由して前記口金よりシート状に吐出されるまでの滞留時間が10~120分の範囲であることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  2. 前記配管の温度が150~300℃の範囲であることを特徴とする請求項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  3. 前記口金から吐出されたポリオレフィン溶液を測定サンプルとして取り出し、この測定サンプルにおける粘度を時間の経過と共に複数回測定して、これら測定結果を時間と粘度との相関関係を表すグラフにプロットすると共に近似直線を作成した時、この近似直線における相関係数Rは、0.8以上となることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  4. 前記口金からシート状に吐出されポリオレフィン溶液の、前記口金の中央部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIに対する、前記口金の端部から吐出された直後のポリオレフィン溶液のMIの比が100~130%の範囲内であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂はポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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