JP5594873B2 - ポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法及びポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜 - Google Patents

ポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法及びポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法及びポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜に関する。
ポリオレフィン系多孔質膜に代表される樹脂多孔質膜は、機械的特性、耐薬品性及び電気的特性などに優れ、包装材料用途、メディカル用途及び電気材料用途などに利用されている。それらの中でも、リチウムイオンバッテリーなどに備えられるセパレータの用途では、特定の温度で孔が閉塞する性質(シャットダウン機能)を利用し、樹脂多孔質膜がパソコン及び携帯電話などの民生用機器用途に多用されるようになった。今後、リチウムイオンバッテリーは、ハイブリット自動車(HEV)及び電気自動車(EV)などの動力としての普及が見込まれているが、それにあたってのコストダウンが大きな課題となっている。
ポリオレフィン系多孔質膜に代表される樹脂多孔質膜の製造方法には、大別すると、抽出工程で多孔質化する湿式法と延伸工程で多孔質化する乾式法との二つの方法が挙げられる。前者の方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が挙げられる。特許文献1では、可塑剤等を樹脂と共に練り込んで溶融押し出しした後、抽出槽で可塑剤等を抽出して多孔質化する製造方法が開示されている。
一方、後者の方法としては、例えば、特許文献2に記載の方法が挙げられる。特許文献2では、溶融押し出しした原反にラメラ晶を形成させ、縦一軸延伸によりラメラ晶の間を開裂させて多孔質化する製造方法が開示されている。この方法によれば、湿式法とは異なり抽出工程が不要となり、工程が簡素化できる。また、乾式法を用いた二軸延伸多孔質膜の製造方法として、特許文献3に記載の方法が挙げられる。特許文献3には、公知の縦一軸延伸で得た多孔質膜を熱間で縦方向に緩和しながら横延伸する技術が開示されている。
特開昭58−59072号公報 特開昭62−121737号公報 国際公開第2007/098339号
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、抽出工程において用いられる溶媒のコストが高くなったり、抽出に時間を要して生産性に劣ったりするなどの欠点を有する。また、特許文献2に記載の方法は、多孔質膜の透気性などの主要特性が、縦一軸延伸の高速化(すなわち歪み速度の増大)に伴って低下することから、その高速化を実現することが困難である。さらに、特許文献3に記載の方法は、横延伸時に縦緩和(収縮)を同時に行うため、更に生産性が低下する他、横延伸に特殊な同時二軸延伸機が必要となるため、過大な設備コストを伴うなどの欠点を有する。
上述のように、特許文献1〜3に記載の技術は、いずれも生産性に劣っていることから、より安価な多孔質膜を得ることが困難となっており、特に、車載用途のバッテリーに備えられるセパレータとして用いる場合、より安価に製造できる新たな生産技術が望まれている。
そこで、本発明は、上記事情にかんがみてなされたものであり、多孔質膜を高い生産性により製造できるポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法及びポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも二軸延伸により樹脂多孔質膜を得る必要があるものの、更に検討の余地があることを知見した。具体的には、乾式法の縦一軸延伸で得られた膜は、異方性が大きく、かつ結晶化度も高くなる。このような膜に対して、通常考えられる熱延伸を採用して横方向に延伸すると、破断や延伸ムラなどの問題があることが判明した。そこで、どのようにすれば、均一かつ安定的に横延伸できるか更に検討した。その結果、結晶相の融解に起因して、上記破断や延伸ムラが発生することを突き止めた。そして、横延伸を結晶相の融解が始まる温度よりも低温(ゴム状領域)で行うことにより、上述の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]乾式法により延伸された多孔質膜を製造する方法であって、ポリオレフィン系樹脂から構成される膜をMDに−20℃〜(Tm−50℃)の延伸温度(Tmは前記膜の融点(単位:℃)を示す。)で冷延伸するMD冷延伸工程と、下記式(1)で表される条件を満足する延伸温度において、前記膜を、そのTDに冷延伸するTD冷延伸工程を含む、ポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法。
(Tg+20)≦T≦(Tm−30) (1)
(式中、Tは前記延伸温度(単位:℃)を示し、Tgは前記膜のガラス転移温度(単位:℃)を示し、Tmは前記膜の融点(単位:℃)を示す。)
[2]前記TD冷延伸工程における延伸倍率が1.01倍〜3.0倍である、[1]のポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法。
[3]前記ポリオレフィン系樹脂がポリチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる1種以上である、[1]又は[2]の多孔質膜の製造方法。
[4]前記TD冷延伸工程における延伸速度が100〜3000%/分である、[1]〜[3]のいずれか一つの多孔質膜の製造方法。
][1]〜[]のいずれか一つの製造方法により得られるポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜。
本発明のポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法によれば、多孔質膜を高い生産性により製造することが可能となる。また、本発明のポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜は、セパレータ用途に適用可能で安価なものとなる。
本発明における各工程の順番について変形例を示すチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
本実施形態のポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜(以下、単に「多孔質膜」という。)の製造方法は、乾式法により延伸された多孔質膜を製造する方法であって、ポリオレフィン系樹脂から構成される膜をMDに冷延伸するMD冷延伸工程と、下記式(1)で表される条件を満足する延伸温度において、上記膜を、そのTDに冷延伸するTD冷延伸工程を含むものである。
(Tg+20)≦T≦(Tm−30) (1)
ここで、式(1)中、TはTD冷延伸工程における延伸温度(単位:℃)を示す。Tgは上記膜のガラス転移温度(単位:℃)を示し、粘弾性特性を測定した時の損失弾性率のピーク温度から求められる温度である。Tmは上記膜の融点(単位:℃)を示し、DSC(示差走査熱量計)を用いて10℃/分で昇温して得られる融解ピークトップ温度であり、Tgよりも50℃以上高い温度である。また、「TD」は孔を設ける前の膜(以下、「無孔原反」ともいう。)を得る際に、その膜の流れ方向に対して垂直な方向(Transverse Direction)を示す。一方、後述の「MD」は無孔原反の流れ方向(Machine Direction)を示す。
本実施形態の製造方法に用いられる樹脂としては、結晶化速度及び結晶化度を適度に調整できる観点より、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。
(ポリオレフィン系樹脂)
本実施形態に係る「ポリオレフィン系樹脂」は、多孔質膜を構成する成分としてポリエチレン又はポリプロピレンを50質量%以上有する樹脂を意味する。以下、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂について説明する。
(ポリエチレン系樹脂)
ポリエチレン系樹脂とは、主成分としてポリエチレンを50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上含む樹脂である。透気性及びその用途で求められる要求特性に応じて、上述の範囲でポリエチレン系樹脂におけるポリエチレンの配合量を調整することができる。
主成分として用いられるポリエチレンは、より結晶化度の高い無孔原反を得る観点、並びに延伸性の観点から、その密度が、好ましくは0.940〜0.970g/cm3、より好ましくは0.950〜0.967g/cm3、更に好ましくは0.960〜0.964g/cm3の高密度ポリエチレンが特に好適に用いられる。この高密度ポリエチレンは、ホモポリマーポリエチレンであっても、コポリマーポリエチレンであってもよい。コポリマーポリエチレンの場合、コモノマー成分として、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン又は1−デセンが挙げられる。コモノマー成分の含有量は、結晶化度の観点から、好ましくは2モル%以下であり、コポリマーポリエチレンはランダム又はブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、高密度ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)は、機械的強度や成形性などを勘案し、好ましくは5万〜50万、より好ましくは10万〜45万、更に好ましくは20万〜40万である。さらに、Mwと数平均分子量(Mn)とにより求められる分子量分布(Mw/Mn)は特に制限されず、例えば、3〜15程度の範囲であってもよい。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって得られる(以下同様。)。
ポリオレフィン系樹脂の主成分として高密度ポリエチレンを用いる場合、その高密度ポリエチレンに加えて、他のポリオレフィン系樹脂、各種エラストマー類をブレンドすることも可能である。他のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−αポリオレフィン共重合体が挙げられる。また、各種エラストマー類としては、例えば、SEBS、SEPSなどのスチレン系エラストマーの他、エチレン−αポリオレフィン共重合エラストマーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上をブレンドして用いられる。この場合、各樹脂の添加量は、透気性を阻害しない範囲で、目的にあった添加量とすればよい。
(ポリプロピレン系樹脂)
ポリプロピレン系樹脂とは、ポリプロピレンを50質量%以上含む樹脂であり、より結晶化度の高い無孔原反を得る観点から、ポリプロピレンを好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含むものである。
主成分となるポリプロピレンは、その密度が好ましくは0.905g/cm3以上、より好ましくは0.910g/cm3以上、更に好ましくは0.915g/cm3以上である。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリマーポリプロピレンであっても、コポリマーポリプロピレンであってもよい。
コポリマーポリプロピレンの場合、コモノマー成分としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン又は1−デセン等のα−オレフィンが挙げられる。コモノマー成分の含有量は、好ましくは5モル%以下であり、コポリマーポリプロピレンは、ブロック又はランダム共重合体のいずれであってもよい。これらの中でも、より高い透気性が得られる観点から、ホモポリプロピレンを好適に用いることができる。
また、ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、機械的強度や成形性などを勘案し、好ましくは5万〜70万、より好ましくは10万〜60万、更に好ましくは20万〜50万である。さらに、Mwと数平均分子量(Mn)とにより求められる分子量分布(Mw/Mn)は特に制限されず、例えば、3〜15程度の範囲であってもよい。
主成分としてホモポリプロピレンを用いる場合、そのホモポリプロピレンに加えて、他のポリオレフィン系樹脂、各種エラストマー類をブレンドすることも可能である。他のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−αポリオレフィン共重合体が挙げられる。また、各種エラストマー類としては、例えば、SEBS、SEPSなどのスチレン系エラストマーが挙げられる。これらは1種以上を単独で又は2種以上をブレンドして用いられる。この場合、各樹脂の添加量は、高密度ポリエチレンに加えて添加する場合と同様、透気性を阻害しない範囲で、目的にあった添加量とすればよい。
上記ポリオレフィン系樹脂には、樹脂多孔質膜に含まれ得る公知の各種添加剤として、例えば、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、充填剤等を添加することも可能である。
[製造方法]
本実施形態の多孔質膜の製造方法は、上述のMD冷延伸工程に加えて、上記TD冷延伸工程を含むことで、透気性に優れた多孔質膜をより高速で製造することができる。また、本実施形態の多孔質膜の製造方法は、無孔原反を製造する原反製造工程、無孔原反をアニールするアニール工程、膜をMDに熱延伸するMD熱延伸工程及び膜をMDに熱固定するMD熱固定工程からなる群より選ばれる1種以上の工程を有してもよい。また、本実施形態の多孔質膜の製造方法は、膜をTDに熱固定するTD熱固定工程及び/又は膜に表面処理を施す表面処理工程を有してもよい。
(原反製造工程)
原反製造工程は、無孔原反を得る工程であれば特に限定されない。例えば、原反製造工程において、原料となるポリオレフィン系樹脂を押出機にて溶融し、Tダイ又はサーキュラーダイ等のダイを用い、そこから流出した溶融樹脂をキャストロール又はロール引取機等のロールで引き取る。この際、溶融段階の樹脂をエアナイフ又はエアリング装置を用い、急冷固化することが望ましい。これによって、ポリオレフィン系樹脂中に、孔形成に重要なラメラ晶を規則的に且つ緻密に配列することができる。
ダイから流出した溶融樹脂をロールで引き取る時のドラフト比((ロールの引き取り速度)/(密度から換算されるダイリップから流出する樹脂の流速))は、好ましくは10〜600倍、より好ましく20〜500倍、更に好ましくは30〜400倍である。ドラフト比は、透気性や成形性の観点から上記範囲であると好ましい。すなわち、ドラフト比が10倍以上であると、透気性に優れ、600倍以下であると、ダイから流出した溶融樹脂を安定的に引き取ることが容易となる。
(アニール工程)
MD延伸工程の前に、アニール工程において無孔原反にアニール処理を施すことより、無孔原反の結晶化度を高めることができ、より透気性の良好な多孔質膜を得ることができるので、本実施形態の製造方法はアニール工程を有すると好ましい。アニール処理の温度範囲は、無孔原反の結晶化度を更に高める観点から、好ましくは(Tm−3℃)〜(Tm−30℃)であり、より好ましくは(Tm−5℃)〜(Tm−20℃)である。
また、アニール処理は、連続方式であってもバッチ方式であってもよい。連続的に行う場合、アニール処理による効果を有効に発揮する観点から、処理時間は好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上、更に好ましくは2分以上である。また、バッチ方式であって、無孔原反をロールに巻き取った状態でアニール処理を施す場合、巻き取った時の直径により、処理時間を適宜変更すると好ましい。最終的には、巻き取った無孔原反のロールの厚み方向両側における透気性などの主要特性が近くなるような処理時間を求めて、アニール処理を施すことが好ましい。
(MD冷延伸工程)
MD冷延伸工程は、公知のものであれば特に限定されないが、MD冷延伸工程では、好ましくはアニール工程を経た無孔原反に対して、MDに冷延伸を施す。これにより、開孔のきっかけとなるクラックを無孔原反に形成させることができるので、本実施形態の製造方法はMD冷延伸工程を有することが好ましい。その冷延伸には複数のロールを用いることが好ましい。この時の延伸倍率は、好ましくは1.05〜3倍、より好ましくは1.1〜2.5倍、更に好ましくは1.2〜2倍である。延伸倍率をこの範囲にすることにより、透気性、得られた多孔質膜の外観(ピンホール等)、及び延伸の安定性が良好となる。
MD冷延伸工程における延伸温度は、好ましくは−20℃〜(Tm−50℃)、より好ましくは0℃〜(Tm−60℃)、更に好ましくは10℃〜(Tm−70℃)である。その延伸温度が−20℃以上であることにより膜の破断をより効果的に防止でき、(Tm−50℃)以下であることにより、一層透気性に優れた多孔質膜が得られる。
複数のロールを用いてMDに冷延伸を施す場合、ロール間での歪み速度(多段延伸する場合は最大値)は、好ましくは20〜10000%/分、より好ましくは50〜5000%/分、更に好ましくは80〜3000%/分の範囲である。この歪み速度が20%/分以上であることにより、多孔質膜の生産性が更に向上し、10000%/分以下であることにより、透気性に更に優れた多孔質膜が得られる。なお、本明細書において、歪み速度は、下記式(2)により求められる。
歪み速度(延伸速度)=S/{2・L/(V1+V2)} (2)
ここで、Sは延伸倍率(%)を示し、V1は低速側のロール速度(m/分)を示し、V2は高速側のロール速度(m/分)を示し、Lはロール間の延伸距離(m)を示す。
(MD熱延伸工程)
MD熱延伸工程では、好ましくはMD冷延伸工程の後、クラックを形成した無孔原反に対してMDに熱延伸を施すことで、そのMDの孔径を拡大し、固定化することができる。したがって、本実施形態の製造方法は、MD熱延伸工程を有することが好ましい。この時の延伸倍率は、MD熱延伸前の速度を基準に、好ましくは1.1〜4倍、より好ましくは1.2〜3.5倍、更に好ましくは1.3〜3倍の範囲である。その熱延伸倍率を1.1倍以上にすることにより、透気性を向上することができ、4倍以下にすることにより、ピンホール及び破断などの発生を更に抑制できる。
また、MD熱延伸工程における延伸温度は、好ましくは(Tm−30℃)〜(Tm−5℃)、より好ましくは(Tm−25℃)〜(Tm−5℃)、更に好ましくは(Tm−20℃)〜(Tm−5℃)である。その延伸温度が(Tm−30℃)以上であると透気性が更に良好となる。また、その延伸温度が(Tm−5℃)以下であることにより、ピンホール、破断及びロール融着などの問題の発生をより抑制することができる。
また、複数のロールを用いてMDに熱延伸を施す場合、ロール間での歪み速度(多段延伸する場合は最大値)は、好ましくは20〜10000%/分、より好ましくは50〜5000%/分、更に好ましくは80〜3000%/分の範囲である。MD冷延伸工程と同様に、歪み速度が20%/分以上であることにより、多孔質膜の生産性が更に向上し、10000%/分以下であることにより、透気性に更に優れた多孔質膜が得られる。
(MD熱固定工程)
本実施形態の製造方法は、MDの熱収縮、及び後述のTD冷延伸工程においてテンター内で発生するボーイング現象(延伸時に起こる歪み)を低減するなどの目的で、MD熱延伸工程における延伸温度以上の温度で、MD熱延伸工程を経た膜に対して、実質的に延伸することなく、加熱処理を行い熱固定を施すMD熱固定工程を有することが望ましい。このMD熱固定工程において、複数のロールを用いて、その間に速度差を設け、シワ等の外観不良が発生しない範囲で膜をMDに緩和(収縮)させることも、多孔質膜のMDへの熱収縮を抑制する観点から効果的である。
(TD冷延伸工程)
本実施形態の製造方法は、好ましくは上述の各工程を経た膜に対して、テンター等のTDへの延伸設備を用いて冷延伸を施すTD冷延伸工程を有する。これにより、膜のTDの孔径が拡大し、縦一軸延伸により得られる多孔質膜よりも平均孔径を大きくすることが可能となる。その結果、優れた透気性を多孔質膜に付与することができると共に突刺強度も改善される。
TD冷延伸工程におけるTDへの延伸倍率は、好ましくは1.01倍〜3.0倍、より好ましくは1.05倍〜2倍、更に好ましくは1.1倍〜1.5倍である。その延伸倍率を1.01倍以上にすることにより多孔質膜の透気性が更に良好となり、3.0倍以下とすることにより突刺強度が一層向上するので、上記数値範囲に調整することにより、それらの特性のバランスに優れた多孔質膜が得られる。
一般的にTDへの延伸倍率を大きくすれば、TDの配向度の増加に伴って異方性も小さくなる結果、膜の突刺強度のような機械的強度は増加挙動を示すと考えられる。しかしながら、多孔質膜については、TDへの特定の延伸倍率までは一般論に従った挙動を示すものの、TDへの特定の延伸倍率よりも大きくなると、気孔率(又は空孔率)が増大する影響により、実質的に機械的強度を支えるネットワークが減少する結果、機械的強度は低下する。そこで、TDへの延伸倍率を決定するにあたっては、その用途で要求される透気性と機械的強度とを勘案して決定することが望ましく、上記数値範囲が好ましい。
また、TDへの延伸を安定的に行うためには、冷間で延伸処理を施すことが重要であり、その延伸を安定的に行う観点から、TD冷延伸工程における延伸温度は、上記式(1)を満足する温度Tである。その延伸温度Tは、好ましくは(Tg+40℃)〜(Tm−40℃)である。
本実施形態において、TDに冷延伸を施す時の延伸速度は、特に透気性に対して影響はなく、生産性を重視する観点から速い方が好ましい。ただし、延伸速度が速過ぎた場合、テンタークリップの近傍などで膜破断が発生し得る。したがって、延伸速度は、好ましくは10〜5000%/分、より好ましくは50〜4000%/分、更に好ましくは100〜3000%/分である。
(TD熱固定工程)
本実施形態の製造方法は、TDの熱収縮を抑制するために、好ましくはTD冷延伸工程を経た膜に対して、実質的に延伸することなく、加熱処理を行って熱固定を施すTD熱固定工程を有することが好ましい。このときの処理温度は、TDの熱収縮の抑制及び膜破断の抑制の観点から、TD冷延伸工程における延伸温度以上、かつ(Tm−5℃)以下の範囲が好ましい。このTD熱固定工程において、TDの熱収縮をより効果的に抑制する観点から、膜をTDに緩和することも可能である。
(表面処理工程)
本実施形態の製造方法は、多孔質膜のコーティング剤又は溶媒との親和性などを改良する目的で、コロナ処理機、プラズマ処理機、オゾン処理機、火炎処理機などの公知技術を用いて、好ましくはTD熱固定工程を経た膜に、表面処理を施すことも可能である。
上述の各工程を経て、本実施形態の多孔質膜が得られる。
(厚さ)
こうして得られたポリオレフィン系多孔質膜の厚さは特に制限はなく、その用途において求められる厚さであればよいが、一般的には、5〜50μm、より好ましくは8〜40μm、更に好ましくは10〜30μmである。
(透気度)
本実施形態のポリオレフィン系多孔質膜の透気度は特に制限はないが、透気性及び突刺強度のバランスを勘案して、膜の厚さ20μm換算で、10〜600sec/100ccであると好ましく、30〜500sec/100ccであるとより好ましく、50〜400sec/100ccであると更に好ましい。透気度は、下記実施例に記載の方法に準じて測定される。
(突刺強度)
本実施形態のポリオレフィン系多孔質膜の突刺強度は特に制限はなく、その用途において求められるものであればよいが、一般的には、膜の厚さ20μm換算で、1mN以上であると好ましく、2mN以上であるとより好ましく、3mN以上であると更に好ましい。突刺強度は、下記実施例に記載の方法に準じて測定される。
本実施形態の多孔質膜の製造方法により、従来の公知技術よりも高い多孔質膜の生産性が得られ、多孔質膜の透気性及び強度特性も改善される。また、本実施形態によれば、TDへの延伸を施して多孔質膜を得ることにより、その孔径を大きくすることができる。その結果、各用途で要求される多孔質膜の透気性を確保すると共に、公知の縦一軸延伸法よりも高速且つ安定的に多孔質膜を生産することが可能である。また、本実施形態の多孔質膜は、透気性と強度特性とのバランスに優れた安価な多孔質膜となる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の別の実施形態において、各工程の順番が図1に示すような順番であってもよい。なお、図中、一重線に囲まれた工程は省略してもよい。これらによっても、多孔質膜を高い生産性により製造することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、各種の物性の測定方法及び縦一軸延伸により膜を製造する方法は、下記のとおりである。
(厚さ)
多孔質膜の厚さは、JIS K 7130(1992)A−2法に準拠し、ダイヤルゲージにて測定した。
(ガラス転移温度Tg)
膜のガラス転移温度Tgは、粘弾性スペクトロメータ(製品名「EXSTAR DMS6100」、SIIナノテクノロジー社製)を用いて測定した。引張モード(昇温速度=2℃/分、周波数=1Hz)にて縦一軸延伸(MDへ延伸)された膜についてTDの測定を行い、損失弾性率E”のピークトップ温度を求め、それをガラス転移温度Tgとした。
(融点Tm)
アニール処理を施した無孔原反の融点を、示差走査熱量計(製品名「EXSTAR6000」、SIIナノテクノロジー社製)を用いて測定した。昇温速度10℃/分で加熱したときの融解ピークのトップ温度を測定して、融点Tmとした。
(透気度)
JIS P―8117に準拠し、ガーレー透気度計(東洋精機社製)を用いて、多孔質膜の透気度を測定し、膜の厚さ20μm換算での透気度を求めた。その透気度の測定結果から、下記の基準に従って、多孔質膜の透気性を評価した。
300sec/100cc以下:◎
301〜600sec/100cc:○
601〜800sec/100cc:△
801sec/100cc以上:×
(突刺強度)
カトーテック社製のハンディー圧縮試験機(製品名「KES−G5」)を用い、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度=2mm/secの条件にて、多孔質膜の突刺強度を測定し、膜の厚さ20μm換算での突刺強度を求めた。その突刺強度の測定結果から、下記の基準に従って、多孔質膜の機械的強度特性を評価した。
4.00mN以上:◎
3.00〜3.99mN:○
2.00〜2.99mN:△
1.99mN以下:×
(生産性の評価)
MD熱延伸工程の延伸速度(歪み速度)の結果から、下記の基準に従って、多孔質膜の生産性を評価した。
300%/分以上:◎
200〜299%/分:○
100〜199%/分:△
99%/分以下:×
(TD延伸性の評価)
TDに延伸した後の膜の外観を目視にて確認し、TD延伸性を評価した。破膜や延伸斑が認められない場合を「○」、延伸斑のみが認められ破膜が認められない場合を「△」、破膜が認められる場合を「×」と評価した。
(ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜の製造方法)
ポリエチレン系樹脂として、製品名「サンテックHD S160S」(MI=0.8g/10分、密度=0.960g/cm3、旭化成ケミカルズ(株)社製)を用いた。そのポリエチレン系樹脂を、φ40mmの単軸押出機(プラスチック工学研究所製、L/D=32)にて200℃の設定温度で溶融させ、190℃のTダイ(リップクリアランス=7mm)より押し出した。その溶融樹脂をエアナイフで冷却しながら115℃に設定されたキャストロールで引き取った。この時のドラフト比は300倍であり、厚さが23μmの無孔原反を得た。
次に、この無孔原反に対して、120℃の熱風乾燥機で3時間のアニール処理を施した後、MDへの冷延伸、MDへの熱延伸、MDへの熱固定(熱緩和)を更に施して、3種類の多孔性のポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−1、PE−2及びPE−3を得た。なお、各膜の製造条件並びに厚さ、Tg及びTmは、表1に示すとおりであった。
(ポリプロピレン系縦一軸延伸多孔質膜の製造方法)
ポリプロピレン系樹脂として、製品名「プライムポリプロ E111G」(MI=0.5g/10分、密度=0.910g/cm3、プライムポリマー(株)社製)を用いた。そのポリプロピレン系樹脂を、φ40mmの単軸押出機(プラスチック工学研究所製、L/D=32)にて260℃の設定温度で溶融させ、260℃のTダイ(リップクリアランス=5mm)より押し出した。その溶融樹脂をエアナイフで冷却しながら130℃に設定されたキャストロールで引き取った。この時のドラフト比は150倍であり、厚さが23μmの無孔原反を得た。
次に、この無孔原反に対して、150℃の熱風乾燥機で3時間のアニール処理を施した後、MDへの冷延伸を一段で、次いでMDへの熱延伸を三段(等歪み速度)で施した。その後、MDへの熱固定(熱緩和)を更に施して、1種類のポリプロピレン系縦一軸延伸多孔質膜PP−1を得た。なお、その膜の製造条件並びに厚さ、Tg及びTmは、表1に示すとおりであった。
Figure 0005594873
(実施例1)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2をテンター延伸機にて、60℃の温度、1.03倍の条件でTDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例2)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2をテンター延伸機にて、60℃の温度、1.1倍の条件で、TDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例3)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2をテンター延伸機にて、60℃の温度、1.18倍の条件でTDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例4)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2をテンター延伸機にて、60℃の温度、1.38倍の条件でTDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例5)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2をテンター延伸機にて、25℃の温度、1.18倍の条件でTDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例6)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2をテンター延伸機にて、100℃の温度、1.18倍の条件でTDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例7)
MDへの冷延伸からTDへの熱固定までの各工程における延伸速度を、実施例4におけるものに対して2.5倍に増速した以外は実施例4と同様にして、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(実施例8)
ポリプロピレン系縦一軸延伸多孔質膜PP−1をテンター延伸機にて、90℃の温度、1.2倍の条件でTDに冷延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリプロピレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの冷延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(比較例1)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−1を比較例1の膜とした。各種評価の結果を表2に示す。
(比較例2)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2を比較例2の膜とした。各種評価の結果を表2に示す。
(比較例3)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−3を比較例3の膜とした。各種評価の結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリエチレン系縦一軸延伸多孔質膜PE−2を、その融点Tm近傍の温度である120℃でTDに熱延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、ポリエチレン系二軸延伸多孔質膜を得た。TDへの熱延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。
(比較例5)
ポリプロピレン系縦一軸延伸多孔質膜PP−1を比較例5の膜とした。各種評価の結果を表2に示す。
(比較例6)
ポリプロピレン系縦一軸延伸多孔質膜PP−1を、その融点Tm近傍の温度である140℃でTDに熱延伸し、更に、TDに熱固定(熱緩和)して、多孔性のポリプロピレン系の膜を得た。TDへの熱延伸及び熱緩和の条件、並びに各種評価の結果を表2に示す。なお、この比較例6において、各種物性はバラツキが大きく、信頼性のあるデータを採取できなかった。
Figure 0005594873
表2に示す結果からも明らかなように、融点近傍の熱間でTDに延伸した場合、膜に破膜や延伸ムラが発生し、良好な二軸延伸の多孔質膜を得ることはできなかった。一方、上記式(1)を満足する温度でTDに冷延伸することで、均一な二軸延伸の多孔質膜を得ることができた。
また、表2の比較例1、2及び3に示したように、MDの延伸速度(歪み速度)を増大して生産性を高くするにつれて、多孔性の縦一軸延伸膜は、透気度が悪化し、比較例3では1914sec/100ccまで顕著に悪化した。ところが、この膜に対して、更にTDへの冷延伸を施すことによって、実施例7に示すように透気度を231sec/100ccまで下げることが可能となった。このように、高速化で悪化した多孔性の縦一軸延伸膜の透気性を、TDに冷延伸することにより改善することができ、その結果、従来の縦一軸延伸では到達困難であった、良好な特性を有する多孔質膜の高速領域での生産が可能となった。
更に多孔性の縦一軸延伸膜と本発明による二軸延伸多孔質膜とを、それらの突刺強度について比較すると、比較例1(179sec/100cc)と実施例3(170sec/100cc)とでは同等の透気性を有するが、比較例1では突刺強度が2.77mNであるのに対し、実施例3では3.84mNであり、本発明の多孔質膜の方が突刺強度に優れ、透気性との物性バランスが良好であった。
本発明は、透気性と強度バランスとに優れた多孔質膜を高い生産性で提供できることから、医療用分離膜用途、食品包装用途、バッテリー用途、生理用品用途、光反射フィルムなどの光学用途などの分野で好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 乾式法により延伸された多孔質膜を製造する方法であって、
    ポリオレフィン系樹脂から構成される膜をMDに−20℃〜(Tm−50℃)の延伸温度(Tmは前記膜の融点(単位:℃)を示す。)で冷延伸するMD冷延伸工程と、下記式(1)で表される条件を満足する延伸温度において、前記膜を、そのTDに冷延伸するTD冷延伸工程を含む、ポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法。
    (Tg+20)≦T≦(Tm−30) (1)
    (式中、Tは前記延伸温度(単位:℃)を示し、Tgは前記膜のガラス転移温度(単位:℃)を示し、Tmは前記膜の融点(単位:℃)を示す。)
  2. 前記TD冷延伸工程における延伸倍率が1.01倍〜3.0倍である、請求項1に記載のポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂がポリチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 前記TD冷延伸工程における延伸速度が100〜3000%/分である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法により得られるポリオレフィン系二軸延伸多孔質膜。
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