JP2013199545A - 微多孔性フィルム及び電池用セパレータ - Google Patents

微多孔性フィルム及び電池用セパレータ Download PDF

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輝明 真子
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Abstract

【課題】電池作製時において破断や裂けが発生することなく、かつ透過性の良好な微多孔製フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリプロピレンを含む微多孔性フィルムであって、気孔率が35〜50%であり、赤外二色比より算出した配向度が4〜8である微多孔性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、微多孔性フィルム及び電池用セパレータに関する。
微多孔性フィルム、特にポリオレフィン系微多孔性フィルムは、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料などに使用されており、特にリチウムイオン電池用セパレータとして使用されている。また近年、リチウムイオン電池は、携帯電話、ノート型パソコンなどの小型電子機器用途として使用されている一方で、電気自動車やハイブリッド自動車などへの応用も図られている。
ここで、電気自動車やハイブリッド自動車用途に用いられるリチウムイオン電池には、短時間に多くのエネルギーを取り出すための、より高い出力特性が要求される。また、ハイブリッド電気自動車用途に用いられるリチウムイオン電池は、一般に大型でかつ高エネルギー容量であるため、より高い安全性の確保が要求され、更には低コストであることが要求される。このような役割を果たすセパレータとして、特許文献1〜4に記載されたような乾式法による微多孔膜が提案されている。
乾式法は抽出液を使用する湿式法と比較して、製造工程が簡便でコストの面では優れているものの、一方方向にのみ延伸するため、フィルムが裂けやすいという問題がある。近年、リチウムイオン電池の製造工程では、ライン速度の高速化が進んでおり、従来の微多孔性フィルムでは、破断や裂けが発生する問題が発生しており、より機械強度に優れたフィルムの開発が望まれている。
特表2003−519723号公報 特開平11−49882号公報 特開平8−20660号公報 特開平11−297297号公報
上記事情に鑑み、本発明においては、電池作製時において破断や裂けが発生することなく、かつ透過性の良好な微多孔製フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは前述の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレンを含み、特定範囲の気孔率、及び赤外二色比より算出した配向度を有する微多孔性フィルムが、上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
本発明によれば、電池作製時において破断や裂けが発生することなく、かつ透過性の良好な微多孔製フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔微多孔性フィルム〕
本実施形態の微多孔性フィルムは、ポリプロピレンを含む微多孔性フィルムであって、気孔率が35〜50%であり、赤外二色比より算出した配向度が4〜8に調整されている。
本実施形態の微多孔性フィルムは、従来のものと比較して配向度を低く制御しており、裂け易さを改良している。制御する方法としては、ポリプロピレンの重量平均分子量を特定の範囲にすることや、微多孔性フィルムの製造条件を特定の範囲にすることが挙げられる。
微多孔性フィルムの配向度は、赤外二色比より算出した配向度を示し、4〜8である。配向度が、4〜6であればより好ましい。配向度が8以下であれば、引裂き強度が良好となり、4以上であれば、透過性が良好となる。
〔ポリプロピレン〕
本実施形態におけるポリプロピレンとは、プロピレンを単量体成分として含む重合体であり、本発明の特徴及び効果を損なわない範囲であれば、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。ポリプロピレンがコポリマーである場合、ランダムコポリマーであってもよいし、ブロックコポリマーであってもよい。また、コポリマーである場合、共重合成分としては特に限定はなく、例えば、エチレン、ブテン、ヘキセン等が挙げられる。ポリプロピレンがコポリマーである場合、プロピレンの共重合割合は好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
透過性の観点からは、ホモポリマーであることが好ましく、ペンタッド分率が90%以上であるホモポリマーがより好ましい。ペンタッド分率は分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクティック連鎖の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ペンダット分率はポリプロピレンの立体規則性の指標であり、90%以上であると延伸時の開孔性が向上し良好な透過性を得ることが出来る。
また、ペンタッド分率が90%以上であれば、原反フィルムの結晶化度が高まり、延伸工程における延伸倍率を低くしても、透過性が良好な微多孔性フィルムが得られ、気孔率と配向度を本発明の範囲内に制御し易くなる。ペンタッド分率は、より好ましくは95%以上であり、更に好ましくは98%以上である。
また、ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、0.1〜2g/10分であることが好ましく、0.3〜1.0g/10分であることがより好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることで、成形加工時の樹脂の溶融粘度が生産性に適した値となる傾向にあり、一方、2g/10分未満とすることで、機械的強度が十分な範囲となり実用上問題が発生しにくい傾向にある。
本実施形態におけるポリプロピレンは、上記の成分の他に本発明の特徴及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の付加的成分、例えば、オレフィン系エラストマー、酸化防止剤、金属不活性化剤、熱安定剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリマー、可塑剤(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、無機又は有機の充填材や強化材(ポリアクリロニトリル繊維、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等を含有してもよい。これらの付加的成分の総含有量は、ポリプロピレン100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
〔微多孔性フィルムの製造方法〕
本実施形態の微多孔性フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、(A)ポリプロピレンを含むフィルム(以下、「原反フィルム」とも言う。)を、−20℃以上90℃未満の温度で延伸する冷延伸工程と、(B)前記冷延伸工程において延伸されたフィルムを90℃以上160℃未満の温度で延伸する熱延伸工程と、を含むことが好ましい。また、延伸倍率は、冷延伸工程では少なくとも一方向に1.03倍〜1.5倍、熱延伸工程では少なくとも一方向に1.05倍〜3.0倍とすることが好ましい。
本実施形態におけるポリプロピレンを含む原反フィルムの製造方法としては、Tダイ押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形、スカイフ法等のシート成形方法を採用し得る。中でも、本実施形態の微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から、Tダイ押出成形が好ましい。
一方、延伸工程においては、ロール、テンター、オートグラフ等により一軸方向及び/又は二軸方向に延伸する方法を採用し得る。特に、本実施形態の微多孔性フィルムに要求される物性や用途の観点から、ロールによる2段階以上の一軸延伸が好ましい。
原反フィルムの製造方法において、押出し後のドロー比、即ち、フィルムの巻取速度(単位:m/分)をポリプロピレンの押出速度(ダイリップを通過する溶融樹脂の流れ方向の線速度。単位:m/分)で除した値は、好ましくは10〜500、より好ましくは30〜300、更に好ましくは50〜200である。また、原反フィルムを巻き取る際のフィルムの巻取速度は、好ましくは約2〜400m/分、より好ましくは10〜200m/分である。ドロー比を上記範囲とすることは、得られる微多孔性フィルムの透過性を向上させる観点から好適である。微多孔性フィルムの配向度を本発明の範囲内にするためには、用いるポリプロピレンのMFRに応じてドロー比を変更することが望ましい。例えば、MFRが0.1〜1.0のポリプロピレンの場合、ドロー比を50〜100にすることが好ましく、MFRが1.0〜5.0のポリプロピレンの場合、ドロー比を100〜200にすることが好ましい。
(熱処理工程)
上記のようにして製造された原反フィルムには、後述する冷延伸工程の前に必要に応じて熱処理(アニール)を施すことが好ましい。アニールの方法としては、例えば、原反フィルムを加熱ロール上に接触させる方法、巻き取る前に加熱気相中に曝す方法、原反フィルムを芯体上に巻き取り加熱気相又は加熱液相中に曝す方法、並びにこれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。これらのアニールの条件は、例えば、120℃以上160℃未満の加熱温度で、10秒間〜100時間アニールすることが好ましい。加熱温度が120℃以上であると、得られる微多孔性フィルムの透過性が更に良好となる傾向にあり、160℃未満であると、原反フィルムを芯体上に巻き取った状態でアニールしてもフィルム同士が融着し難くなる傾向にある。
微多孔性フィルムの配向度を本発明の範囲内にするためには、アニール温度を135℃〜155℃にすることが望ましい。 このような温度範囲でアニールを行うと、原反フィルムの結晶化度が高まり、延伸工程における延伸倍率を低くしても、透過性が良好な微多孔性フィルムが得られ、気孔率と配向度を本発明の範囲内に制御し易くなる。
(冷延伸工程)
次に、冷延伸工程について説明する。
冷延伸工程においては、ポリプロピレンを含むフィルムを、−20℃以上90℃未満の温度で延伸する。
冷延伸工程においては、上記のようにして原反フィルムに熱処理を施した後、好ましくは−20℃以上90℃未満に保持した状態で、少なくとも一方向に1.03倍〜1.5倍に冷延伸することが好ましい。
冷延伸工程における冷延伸の延伸温度は、好ましくは−20℃以上90℃未満、より好ましくは0℃以上50℃以下の温度である。−20℃以上で延伸することにより、微多孔性フィルムが破断し難くなり、90℃未満で延伸することにより、得られる微多孔性フィルムの透過性がより良好となる。ここで、冷延伸の延伸温度は冷延伸工程におけるフィルムの表面温度を示す。また、フィルムの表面温度は、非接触系の熱電対を延伸ロール機内に設けることにより測定することができる。
冷延伸工程における冷延伸の延伸倍率は、好ましくは1.03倍以上1.5倍以下であり、より好ましくは1.05倍以上1.3倍以下である。延伸倍率が、1.03倍以上であれば、透過性が良好となり、1.5倍以下では配向度を本発明の範囲内に制御し易くなる。より好ましい延伸倍率は、1.05倍〜1.3倍である。原反フィルムの冷延伸は、少なくとも一方向に行い、二方向に行ってもよいが、好ましくは、フィルムの押出し方向(以下「MD方向」とも言う。)にのみ一軸延伸を行う。
本実施形態における冷延伸工程においては、原反フィルムを、0℃以上50℃以下の温度で、MD方向に1.05倍〜1.3倍に一軸延伸することが特に好ましい。
(熱延伸工程)
次に、熱延伸工程について説明する。
熱延伸工程においては、前記冷延伸工程において延伸されたフィルムを90℃以上160℃未満の温度で延伸する。
熱延伸工程においては、上記のようにして冷延伸を行った後、フィルムを90℃以上160℃未満に保持した状態で、少なくとも一方向に1.05倍以上3.0倍以下に熱延伸することが好ましい。
熱延伸の延伸温度は、好ましくは90℃以上160℃未満、より好ましくは120℃以上150℃以下の温度である。90℃以上で熱延伸すると、フィルムが破断し難くなり、160℃未満で熱延伸すると、得られる微多孔性フィルムの透過性が良好となる。ここで、熱延伸の延伸温度は熱延伸工程におけるフィルムの表面温度を示す。
熱延伸工程における熱延伸の延伸倍率は、好ましくは1.05倍以上3.0倍以下であり、より好ましくは1.5倍以上2.5倍以下である。熱延伸工程における延伸倍率が1.05倍以上であると、透過性の良好な微多孔性フィルムが得られる傾向にあり、3.0倍以下であると、配向度を本発明の範囲内に制御し易くなる。熱延伸は、少なくとも一方向に対して行い、二方向に行ってもよいが、好ましくは冷延伸の延伸方向と同じ方向に行い、より好ましくは冷延伸の延伸方向と同じ方向にのみ一軸延伸を行う。
本実施形態における熱延伸工程においては、冷延伸工程により冷延伸されたフィルムを、100℃以上150℃以下の温度で、MD方向に1.5倍〜2.5倍に一軸延伸することが特に好ましい。
本実施形態の微多孔性フィルムの製造方法は、微多孔性フィルムに要求される良好な透過性や用途の観点から、冷延伸工程と熱延伸工程との2段階の延伸工程を含む。微多孔性フィルムの製造方法が延伸工程を1段階で行う方法である場合、得られる微多孔性フィルムは、要求される良好な透過性を満たし難くなる。なお、本実施形態の微多孔性フィルムの製造方法は、上述の各延伸工程に加えて、更なる延伸工程を含んでもよい。
(熱固定工程)
本実施形態の微多孔性フィルムの製造方法は、熱延伸工程を経て得られた微多孔性フィルムに対して、好ましくはアニール温度より0℃以上40℃未満高い温度で熱処理を施す熱固定工程を含むことが好ましい。この熱固定の方法としては、熱固定後の微多孔性フィルムの長さが、熱固定前の微多孔性フィルムの長さに対して3〜50%減少する程度熱収縮させる方法(以下、この方法を「緩和」と言う。)、延伸方向の寸法が変化しないように熱固定する方法等が挙げられる。この熱固定によって寸法安定性のより一層良好な、即ち熱収縮率の小さい微多孔性フィルムとすることができる。
熱固定温度は、120℃以上160℃以下であることが好ましく、130℃以上160℃以下であることがより好ましい。ここで、熱固定温度とは、熱固定工程における微多孔性フィルムの表面温度を示す。
上記のように、ポリプロピレンを含むフィルムの製造工程、必要に応じて熱処理工程を経た後、冷延伸工程、熱延伸工程を経て、さらに必要に応じて熱固定工程を経る製造方法により、目的とする微多孔性フィルムを得ることができる。
(重量平均分子量)
本実施形態における微多孔性フィルムの重量平均分子量Mwは70万〜100万であることが好ましい。Mwが70万以上であると、フィルムの強度が良好となり、分子量が100万以下であると、フィルム成形性が良好となる。微多孔性フィルムの重量平均分子量は、より好ましくは80万〜100万である。
ここで、微多孔性フィルムの重量平均分子量を上記範囲に調整する方法としては、例えば、原料に重量平均分子量の高いポリプロピレンを用いること等が挙げられる。なお、後述する実施例に記載されている製造条件により、原料の重量平均分子量を比較的損なわずに微多孔性フィルムを得ることができる。
(気孔率)
本実施形態における微多孔性フィルムの気孔率は35%〜50%であり、より好ましくは38%〜45%である。気孔率が35%以上であると、微多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた場合に、十分なイオン透過性を確保し得る傾向にある。一方、気孔率が50%以下であると、微多孔性フィルムが十分な引裂き強度を確保し得る。
なお、微多孔性フィルムの気孔率は、ポリプロピレンの組成、各延伸工程における延伸温度、延伸倍率等を適宜設定することにより上述の範囲に調整することができる。例えば、気孔率を高くするには、原反フィルムを成形する際のドロー比を高くしたり、延伸倍率を高くしたりすればよい。また、微多孔性フィルムの気孔率は、そのフィルムから10cm×10cm角のサンプルを切り出し、そのサンプルの体積V(cm3)及び質量M(g)と、フィルムを構成する樹脂組成物Acの密度d(g/cm3)とから下記式を用いて算出される。
気孔率(%)={(V−M/d)/V}×100
(透気度)
本実施形態における微多孔性フィルムの透気度は、10秒/100cc〜1000秒/100ccであることが好ましいい。より好ましくは50秒/100cc〜800秒/100cc、更に好ましくは100秒/100cc〜300秒/100ccである。透気度が1000秒/100cc以下であると、微多孔性フィルムが十分なイオン透過性を確保し得る。一方、透気度が10秒/100cc以上であると、欠陥のない、より均質な微多孔性フィルムが得られる。
なお、微多孔性フィルムの透気度は、ポリプロピレンの組成、各延伸工程における延伸温度、延伸倍率等を適宜設定することにより上述の範囲に調整することができる。例えば、透気度を高くするには、延伸倍率を高くしたり、熱固定における緩和倍率を低くすればよい。
(膜厚)
本実施形態における微多孔性フィルムの膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmである。
なお、本明細書中の各物性は、特に明記しない限り、以下の実施例に記載された方法に準じて測定することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において使用した原材料及び各種特性の評価法については以下の通りである。
(1)MFR
JIS K7210に準拠して、温度210℃、荷重2.16kgの条件で測定した値であり、その単位はg/10分である。
(2)ペンタッド分率(%)
微多孔性フィルムのペンタッド分率は、高分子分析ハンドブック(日本分析化学会編集)の記載に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルから、ピーク高さ法によって算出した。13C−NMRスペクトルの測定は、日本電子(株)製ECS−400を使用して、微多孔性フィルムをo−ジクロロベンゼン−dに溶解させ、測定温度130℃、積算回数10000回の条件で行った。
(3)配向度
微多孔性フィルムの配向度は、偏光子を用いた赤外スペクトル測定により求めた。微多孔性フィルムから4cm×4cm角のサンプルを切り出し、赤外スペクトルを測定する際、光路中に設置された偏光子を回転させ、波数841(cm-1)における最大透過率と最小透過率の比(最大透過率/最小透過率)から算出される赤外二色比を配向度とした。
赤外スペクトルの測定は、赤外分光光度計(Thermo Fisher Scientific製 Nicolet iS10)を用い、透過法にて、分解能4cm-1、積算回数16回の条件で行った。
(4)重量平均分子量
微多孔性フィルムの分子量分布は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)から求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnの値として算出した。GPC測定は、東ソー社製のGPS装置(商品名「HLC−8121GPC/HT」)を用いて行った。カラムとしては東ソー社製の商品名「TSKgel GMHHR−H(20)」(2本)を用い、移動相o−ジクロロベンゼン(o−DCB)、カラム温度155℃、流量1.0mL/分、試料濃度0.5mg/mL(o−DCB)、注入量500μL、試料溶解温度160℃、試料溶解時間3時間の条件で行った。分子量の校正は、ポリスチレンで行い、ポリスチレン換算分子量で重量平均分子量Mw及びMnを求めた。
(5)膜厚(μm)
微多孔性フィルムの膜厚は、ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製、商品名「PEACOCK No.25」)を用いて測定した。
(6)透気度(秒/100cc)
微多孔性フィルムの透気度は、JIS P−8117に準拠したガーレー式透気度計により測定した。なお、微多孔性フィルムの膜厚を20μmとした場合の値に換算した値を、微多孔性フィルムの透気度とした。
(7)気孔率(%)
微多孔性フィルムの気孔率は、微多孔性フィルムから10cm×10cm角のサンプルを切り出し、そのサンプルの体積V(cm3)及び質量M(g)と、フィルムを構成する樹脂組成物の密度0.91(g/cm3)とから下記式を用いて算出した。
気孔率(%)={(V−M/0.91)/V}×100
(8)引裂き強度(g)
微多孔性フィルムからMD方向×TD方向=2cm×10cmのサンプルを切り出し、サンプルの中心に、MD方向と平行に幅1.5mmの切れ目を入れた。TD方向への引張試験を測定温度25℃、引張速度10cm/分、チャック間距離3cmの条件で実施し、切れ目を起点に破断した時点の強度を引裂き強度(g)とした。
(9)突刺強度(g)
カトーテック製「KES−G5ハンディー圧縮試験器」(商標)を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突き刺し速度2mm/secの条件で突き刺し試験を行い、最大突き刺し荷重(g)を測定した。
尚、使用したポリプロピレンは以下の通りである。
ポリプロピレン(A) プロピレンホモポリマー、MFR=0.5、ペンタッド分率=96%
ポリプロピレン(B) プロピレンホモポリマー、MFR=1.4、ペンタッド分率=92%
ポリプロピレン(C) プロピレンホモポリマー、MFR=3.0、ペンタッド分率=97%
ポリプロピレン(D) プロピレンホモポリマー、MFR=0.5、ペンタッド分率=93%
〔実施例1〕
ポリプロピレン(A)を、口径20mm、L/D=30の単軸押出機にフィーダーを介して投入し、押出機先端に設置したリップ厚み2.0mmのTダイから押出した。押出機のシリンダー温度(「押出温度」とも言う)は240℃に、Tダイの温度(「成膜温度」とも言う)は、240℃に設定した。押出した後の溶融したポリプロピレン樹脂に直ちに25℃の冷風を当て、次いで、95℃に冷却したキャストロールでドロー比75、巻き取り速度15m/分の条件で巻き取り、原反フィルムを得た。
得られた原反フィルム200mを芯体上に巻き取った状態で、150℃の温度で5時間アニールした後、25℃まで冷却し、25℃の温度でMD方向に1.2倍に一軸延伸(冷延伸工程)し、続いて、130℃の温度でMD方向に2.0倍に一軸延伸(熱延伸工程)し、更に、150℃の温度で0.9倍に緩和させて熱固定を施し、微多孔性フィルムを得た。得られた微多孔性フィルムについて、配向度、重量平均分子量、膜厚、透気度、気孔率、引裂き強度、突刺強度を測定した。その結果を表1に示す。
〔実施例1〜9、比較例1〜4〕
表1に記載した条件以外は実施例1と同様にして、実施例1〜9及び比較例1〜4の微多孔性フィルムを得た。得られた微多孔性フィルムについて、諸物性を評価した結果を表1に示す。実施例1〜9は、いずれも透過性と引裂き強度が良好であるのに対し、比較例1〜3は引裂き強度が劣り、比較例4は透過性が劣る。
Figure 2013199545
本発明の微多孔性フィルムは、電池用セパレータ、より具体的には、リチウム二次電池用セパレータとしての産業上利用可能性を有する。

Claims (3)

  1. ポリプロピレンを含む微多孔性フィルムであって、気孔率が35〜50%であり、赤外二色比より算出した配向度が4〜8である微多孔性フィルム。
  2. 請求項1記載の微多孔性フィルムであって、重量平均分子量Mwが70万〜100万である微多孔性フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の微多孔性フィルムを含む電池用セパレータ。
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