JP2016128534A - 微多孔膜およびその製造方法 - Google Patents

微多孔膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電池セパレータ材として有用なポリプロピレン製微多孔膜の製造。
【解決手段】
以下の工程を含む、微多孔膜の製造方法。
(工程1)ポリプロピレン系重合体をドラフト比120以上で押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
(工程2)工程1で得られた原反フィルムを熱処理する工程。
(工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.0〜1.10倍に冷延伸する工程。
(工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも15〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に温延伸する工程。
(工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリプロピレン系重合体からなる微多孔膜の製造方法、該製造方法により得られる微多孔膜、該微多孔膜を用いた蓄電デバイスに関する。
合成樹脂製微多孔膜は、各種分離膜や、電池セパレータの材料として利用されている。中でもポリオレフィン系樹脂は、フィルム成形が容易であり、耐薬剤性が高く、合成樹脂の中では比較的低コストで製造できることから、微多孔膜の原料として有用である。特に、PC、携帯端末などの電子機器や、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載するリチウムイオン電池の開発が盛んに行われている近年では、電池部材の低コスト化も求められている。
PC、携帯端末などの電子機器や、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載するリチウムイオン電池の開発が盛んに行われている近年では、電池部材の高品質化と低コスト化の両方が求められている。このため、特にリチウムイオン電池用のセパレータの材料である微多孔膜としては、すぐれたセパレータ機能を発揮し、かつ低コストで製造できるものが、望ましい。この意味で、ポリオレフィン製微多孔膜は、注目される。
電池セパレータは、正負極間のイオン伝導を介在する、電解質に浸された隔壁である。電池セパレータを構成する微多孔膜の空孔の形態は、電池の充放電効率に影響を及ぼす。電池の充放電効率からみれば、セパレータ用微多孔膜にはできるだけ多くの空孔が存在し、しかも、膜を貫く空孔をできるだけ短い時間でイオンが通過する状態がよいとされている。微多孔膜のそのような状態を評価する指標としては、空孔率(膜に形成された孔部の容積の割合)と、通気性(空孔内部の気体分子の移動時間)が用いられる。
特許文献1、2、3には、ポリオレフィンを減量として、空孔率が高く通気性の良い微多孔膜を製造する方法が記載されている。
特許文献1には、超高分子量ポリエチレン、可塑剤、無機微粉体を含む原料を押出成形し、得られた原反フィルムを延伸して微多孔膜を得る方法が記載されている。
特許文献2には、超高分子量ポリオレフィン、熱可塑性エラストマー、溶媒を含む原料を押出成形し、得られた原反フィルムを延伸して微多孔膜を得る方法が記載されている。
特許文献3には、ポリオレフィンと無機充填材を含む原料を押出成形し、得られた原反フィルムを延伸して微多孔膜を得る方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載された製造方法は可塑剤や溶媒を除去する工程が必要であり、製造コストにとっては問題がある。特許文献3に記載された製造方法では特別な無機充填材を必要としており、コスト面でも、また、セパレータの軽量化にとっても、問題がある。
特開2010−7053号公報 特開2000−72908号公報 特開2008−94911号公報
そこで本発明の発明者は、空孔率が高く、通気性に優れるポリオレフィン製微多孔膜の製造方法について、さらに検討した。
その結果、ポリプロピレン系重合体を押出成形して得られた原反フィルムを、特定の条件で延伸する製造方法が有効であることを見いだした。
すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)以下の工程を含む、微多孔膜の製造方法。
(工程1)ポリプロピレン系重合体をドラフト比120以上で押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
(工程2)工程1で得られた原反フィルムを熱処理する工程。
(工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.0〜1.10倍に冷延伸する工程。
(工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも15〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に温延伸する工程。
(工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
(発明2)工程1において、融点が150〜170℃の範囲にあり、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が0.1〜10g/10分の範囲にあり、任意にエチレン、炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい、プロピレン主体の重合体であるポリプロピレン系重合体を押出成形することを特徴とする、発明1の製造方法
(発明3)工程1において、150以上のドラフト比で押出成形することを特徴とする、発明1または2の製造方法。
(発明4)工程3において、長さ方向に1.02〜1.04倍に延伸することを特徴とする、発明1〜3のいずれかの製造方法。
(発明5)工程4において、長さ方向に2.0〜3.5倍に延伸することを特徴とする、発明1〜4のいずれかの製造方法。
(発明6)発明1〜5のいずれかの製造方法により得られる、微多孔膜。
(発明7)空孔率が45%以上である、発明6に記載の微多孔膜。
(発明8)通気度が350sec/100mL以下である、発明6または7の微多孔膜。
(発明9)蓄電デバイスのセパレータに用いられることを特徴とする発明6〜8のいずれかの微多孔膜。
(発明10)蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、発明9の微多孔膜。
(発明11)蓄電デバイスがキャパシタである、発明9の微多孔膜。
(発明12)発明9の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
(発明13)発明10の微多孔膜を備えるリチウムイオン電池。
(発明14)発明11の微多孔膜を備えるキャパシタ。
本発明の製造方法で得られた微多孔膜は、空孔率が高く、その一方で通気度は一定値以下に抑えられている。このことは、上記微多孔膜には比較的小型の微孔が多数形成されており、複数の空孔が連結した大型孔の発生が抑えられていると推測される。このような微多孔膜は物質のより高い選択透過性を発揮すると期待できる。
(微多孔膜の原料)
本発明の微多孔膜の原料は、ポリプロピレン系重合体であって、プロピレンの単独重合体あるいはコモノマーを共重合した共重合体がこれに相当する。本発明で使用するポリプロピレン系重合体としては、結晶性が比較的高い、融点が150〜170℃の範囲にあるものが好ましく、融点が155〜168℃の範囲にあるものがさらに好ましい。上記コモノマーは、一般的には、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種である。またこれらと共に、2−メチルプロペン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜8の分岐オレフィン類、スチレン類、ジエン類を共重合したものであってもよい。
上記コモノマーの含有量は、微多孔膜が後述の応力減衰性を示す限り、いかなる範囲にあってもよい。好ましくは、高結晶性ポリプロピレン系重合体を与える範囲である、重合体100重量部に対して5重量部以下、特に2重量部以下が好ましい。
また上記ポリプロピレン系重合体のメルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)は、好ましくは0.1〜10g/10分であり、さらに好ましくは0.4〜5.0g/10分の範囲にある。
本発明の微多孔膜の原料には、結晶核剤や充填剤などの添加剤を配合することができる。添加剤の種類や量は、多孔性を損なわない範囲であれば、制限はない。
(微多孔膜の製造方法)
本発明の微多孔膜は、上述の原料を用いて、以下の工程1〜5を含む乾式法によって製造される。
(工程1:製膜工程)原料を押出成形して原反フィルムを製膜する工程である。原料であるポリプロピレン系重合体を押出機に供給し、ポリプロピレン系重合体をその融点以上の温度で溶融混練し、押出機の先端に取り付けたダイスからポリプロピレン系重合体フィルムを押出す。使用される押出機は限定されない。押出機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、タンデム型押出機のいずれもが使用可能である。使用されるダイスはフィルム成形に用いられるものであれば、いずれも使用できる。ダイスとしては、例えば、各種T型ダイス使用することができる。原反フィルムの厚みや形状は特に限定されない。ダイスリップクリアランスと原反フィルム厚さの比(ドラフト比)は120以上、好ましくは120〜300、さらに好ましくは150〜250である。原反フィルムの厚みは特に限定されないが、一般的には10〜200μm、好ましくは15〜100μmである。
(工程2:熱処理工程)工程1を終えた原反フィルムを熱処理する工程である。ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃、好ましくは10〜25℃低い温度で、原反フィルムに長さ方向の一定の張力を加える。張力は、好ましくは、原反フィルムの長さが1.0倍を超え1.1倍以下となる大きさである。
(工程3:冷延伸工程)工程2を終えた原反フィルムを比較的低い温度で延伸する工程である。延伸温度は−5〜45℃、好ましくは5〜30℃である。延伸倍率は、長さ方向に1.0〜1.1、好ましくは1.00〜1.08、さらに好ましくは1.02以上1.05未満である。ただし、延伸倍率は1.0倍より大きい。延伸手段は制限されない。ロール延伸法、テンター延伸法などの公知の手段が使用できる。延伸の段数は任意に設定できる。1段延伸でもよく、複数のロールを経て2段以上の延伸を行ってもよい。冷延伸工程で、原反フィルムを構成するポリプロピレン系重合体の分子が配向する。その結果、分子差が密なラメラ部と、ラメラ間の分子鎖が疎な領域(クレーズ)とを有する延伸フィルムが得られる。
(工程4:温延伸工程)工程3を終えた延伸フィルムを比較的高い温度で延伸する工程である。延伸温度はポリプロピレン系重合体の融点よりも15〜65℃低い温度、好ましくはポリプロピレン系重合体の融点よりも15〜45℃低い温度である。延伸倍率は、長さ方向に1.5〜4.5倍、好ましくは2.0〜4.0倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍である。延伸手段は制限されない。ロール延伸法、テンター延伸法などの公知の手段が使用できる。延伸の段数は任意に設定できる。1段延伸でもよく、複数のロールを経て2段以上の延伸を行ってもよい。温延伸工程で工程3で生じたクレーズが引き延ばされ、空孔が発生する。
(工程5:弛緩工程)工程4を終えた温延伸後のフィルムの収縮を防ぐためにフィルムを弛緩させる工程である。弛緩温度は、温延伸の温度よりもやや高い温度であり、0〜20℃高い温度が一般的である。弛緩の度合いは、工程4を終えた延伸フィルムの長さが最終的に0.7〜1.0倍になるように調整される。
本発明において、空孔率、通気度は、以下の条件で測定されたものである。
(空孔率)
幅50mmx長さ120mmの微多孔膜切片について、以下の計算式により算出した値である。
空孔率(%)=[1−(切片重量)/(切片面積×樹脂密度×切片厚み)]×100
(通気度)
一定容積(100mL)の空気が微多孔膜を通過する時間(秒)で表す。微多孔膜をJIS P8117に準拠した方法で、幅50mm×長さ120mmの微多孔膜片を、23℃±2℃の温度下、50%±5%の湿度下で、ガーレー試験機により測定した値である。
本発明の製造方法により、上記空孔率が45%以上、上記通気度が350sec/mL以下の微多孔膜が得られる。典型的には、上記空孔率は45〜55%の範囲にあり、上記通気度は150〜350sec/mLの範囲にある。
以下に本発明の製造方法の例を示す。原料であるポリプロピレン系重合体として以下の商品を用いた。
ポリプロピレン系樹脂1:日本ポリプロ社製商品「ノバテックEA9FTD」(融点165℃、MFR0.5)
ポリプロピレン系樹脂2:日本ポリプロ社製商品「ノバテックEA9HD」(融点165℃、MFR0.5)
ポリプロピレン系樹脂3:日本ポリプロ社製商品「ノバテックFY6H」(融点165℃、MFR2)
ポリプロピレン系樹脂4:日本ポリプロ社製商品「ノバテックEA7AD」(融点158℃、MFR1.5)
以下の実施例1〜8の微多孔膜の製造方法により、微多孔膜を製造した。なお、なお通気度の測定には、東洋精機製作所社製の通気度計(ガーレ式デンソメータ)を用いた。
(実施例1)
(原料)プロピレン重合体1を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に2.9倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.87倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の空孔率と通気度を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例2)
(原料)プロピレン重合体1を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に3.0倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の空孔率と通気度を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例3)
(原料)プロピレン重合体1を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に2.8倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.85倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の空孔率と通気度を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例4)
(原料)プロピレン重合体2を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に3.3倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の空孔率と通気度を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例5)
(原料)プロピレン重合体3を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に3.0倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の空孔率と通気度を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例6)
(原料)プロピレン重合体3を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.04倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に3.0倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の空孔率と通気度を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例7)
(原料)プロピレン重合体4を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比205でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.07倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを128℃で長さ方向に3.2倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の熱収縮率と空孔率を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例8)
(原料)プロピレン重合体4を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比205でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.07倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを128℃で長さ方向に3.2倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.92倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の熱収縮率と空孔率を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
比較のため、以下の比較例1〜3の微多孔膜の製造方法により、微多孔膜を製造した。なお、なお通気度の測定には、東洋精機製作所社製の通気度計(ガーレ式デンソメータ)を用いた。
(比較例1)
(原料)プロピレン重合体4を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ23μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.07倍に冷延伸した(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に3.2倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの比較用の微多孔膜が得られた。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(比較例2)
(原料)プロピレン重合体4を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比114でTダイから押出し、厚さ23μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.07倍に冷延伸した(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に2.6倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの比較用の微多孔膜が得られた。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(比較例3)
(原料)プロピレン重合体4を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比114でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.07倍に冷延伸した(工程4)得られた延伸フィルムを128℃で長さ方向に3.2倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの比較用の微多孔膜が得られた。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
Figure 2016128534
比較例1では、工程4の温延伸を所定の温度よりも高い温度で行った。そこで得られる微多孔膜の通気性が低く、所望の微多孔膜が得られなかった。比較例2、3では、工程1のドラフト比が小さすぎる。得られた微多孔膜は空孔率が低く通気性も劣る。本発明の微多孔膜には比較的孔径の小さい微孔が高密度に存在していると予測される。このような微孔形態は、微多孔膜の厚み当たりの通気度にも反映している。
本発明の製造方法で得られた物質に対する高い選択透過性を発揮する微多孔膜は、より付加価値の高い物質透過性材料として利用できる。また、本発明の微多孔膜の製造方法では巨大孔のような欠陥の発生が抑えられていると考えられるから、物質透過性が安定に維持でき、機械的強度も安定な材料が生産されていると考えられる。得られた微多孔膜は、高いイオン伝道性や強度など、高性能、信頼性が求められる電池やキャパシタなどの蓄電デバイスのセパレータとして有用である。得られた微多孔膜は、特に、低コスト、性能、高耐久性が求められるリチウムイオン電池セパレータに適している。

Claims (14)

  1. 以下の工程を含む、微多孔膜の製造方法。
    (工程1)ポリプロピレン系重合体をドラフト比120以上で押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
    (工程2)工程1で得られた原反フィルムを熱処理する工程。
    (工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.0〜1.10倍に冷延伸する工程。
    (工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも15〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に温延伸する工程。
    (工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
  2. 工程1において、融点が150〜170℃の範囲にあり、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が0.1〜10g/10分の範囲にあり、任意にエチレン、炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい、プロピレン主体の重合体であるポリプロピレン系重合体を押出成形することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程1において、150以上のドラフト比で押出成形することを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 工程3において、長さ方向に1.02〜1.04倍に延伸することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 工程4において、長さ方向に2.0〜3.5倍に延伸することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られる、微多孔膜。
  7. 空孔率が45%以上である、請求項6に記載の微多孔膜。
  8. 通気度が350sec/100mL以下である、請求項6または7に記載の微多孔膜。
  9. 蓄電デバイスのセパレータに用いられることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の微多孔膜。
  10. 蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、請求項9に記載の微多孔膜。
  11. 蓄電デバイスがキャパシタである、請求項9に記載の微多孔膜。
  12. 請求項9に記載の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
  13. 請求項10に記載の微多孔膜を備えるリチウムイオン電池。
  14. 請求項11に記載の微多孔膜を備えるキャパシタ。
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