JP6507647B2 - 微多孔膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はポリプロピレン系重合体からなる微多孔膜、これから得られる蓄電デバイス、及び上記微多孔膜の製造方法に関する。
合成樹脂製微多孔膜は、各種分離膜や、電池セパレータの材料として利用されている。中でもポリオレフィン系樹脂は、耐薬剤性が高く、様々な方法で多孔化が可能である点で、薬剤に接した状態で使用される各種分離膜や、電池セパレータ微多孔膜の原料として有用である。
ポリオレフィン系樹脂フィルムの多孔化方法は、湿式法と乾式法に大別される。湿式法では、ポリオレフィン系樹脂と、可塑剤、オイル、パラフィンなどとの溶融混合物をフィルム状に展開する。次に、ポリオレフィン以外の成分を抽出し、これら成分が存在した部分を空隙化する。その結果、ポリオレフィン系樹脂が微多孔膜に成形加工される。乾式法では、可塑剤、オイル、パラフィンなどの成分や溶剤を含まない、ポリオレフィン系樹脂を主体とする原料を延伸することによって、ポリオレフィン系樹脂を微多孔膜に成形加工する方法である。乾式法として、ポリオレフィン系樹脂中のラメラ構造の間隙に空隙を発生させる方法と、原料に添加した無機添加剤とポリオレフィン系樹脂との界面に空隙を発生させる方法とが知られている。
電池セパレータ用のポリオレフィン系樹脂製微多孔膜については、特許文献1、2、3に記載されたような、様々な製造方法が知られている。
特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂と共役ジエンポリマーとの混合物からなる原料を、湿式法により微多孔フィルムに加工し、得られた微多孔膜を電池セパレータ材として用いることが記載されている。
特許文献2には、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物を、乾式法により2段階で延伸することによって微多孔フィルムに加工し、得られた微多孔膜を電池セパレータ材として用いることが記載されている。
特許文献3には、ポリオレフィンに低分子量物質を配合した混合物を、乾式法により2段階で延伸することによって微多孔フィルムに加工し、得られた微多孔膜を電池セパレータ材として用いることが記載されている。
ところで、最近の電池性能に対する要求は、ますます高度化している。車両や携帯端末に搭載するためのリチウムイオン電池には、より小型で薄型でありながら高い充放電容量と充放電効率が求められており、しかも、高温での長期使用に耐える安定性や強度も求められている。このため、電池を構成する部材にも、高温環境下での耐久性が求められる。
電池セパレータの高温耐久性の一つに、高温環境に曝されたことによる変形が少ないことが挙げられる。このような変形の少なさは、セパレータ材である微多孔膜の熱収縮性で評価されている。
電池セパレータ材に用いるポリオレフィン系樹脂製微多孔膜で、熱収縮が低減されたものは、特許文献4、5、6に記載されている。
特許文献4には、メルトマスフローレイト(MFR)が2〜30g/10分のアイソタクチックポリプロピレンからなる、熱収縮性の小さい電池セパレータ用微多孔膜が記載されている。
特許文献5には、プロピレン系樹脂微多孔フィルムの養生工程を改良することによって、熱収縮性の小さい電池セパレータ用微多孔膜を製造できることが記載されている。
特許文献6には、超高分子量ポリエチレンを含む原料からなる、熱収縮性の小さい電池セパレータ用微多孔膜が記載されている。
しかしながら、熱収縮性が低く、高温環境下の耐久性に優れた蓄電デバイスセパレータ用ポリオレフィン樹脂製微多孔膜には、未だ改善の余地がある。
特開2004−352834号公報 特開2008−248231号公報 特開平8−20660号公報 特開2012−72380号公報 特開2013−234327号公報 特開2010−7053号公報
そこで本発明の発明者は、熱収縮性がさらに小さく電池セパレータ材として有用なポリオレフィン系樹脂製微多孔膜を、探求した。
その結果、特定のメルトマスフローレイトを有するポリプロピレン系樹脂を原料として用い、乾式法によって、熱収縮性がさらに小さく、電池セパレータ材として有用な微多孔膜を製造することに成功した。
すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が1.0g/10分未満であるポリプロピレン系重合体からなり、105℃で2時間の高温処理をした後の押出方向(MD)の熱収縮率が4%以下である、微多孔膜。
押出方向の熱収縮率(%)=[(L0md−L1md)/L0md]×100
(ただし、L1mdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)であり、
L0mdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)である。)
(発明2)押出方向の熱収縮率が3%以下である、発明1の微多孔膜。
(発明3)105℃で2時間の高温処理をした後の、幅方向(TD)の熱収縮率が0%である、発明1または2の微多孔膜。
幅方向の熱収縮率(%)=[(L0td−L1td)/L0td]×100
(ただし、L1tdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の幅方向の長さ(mm)であり、L0tdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の幅方向の長さ(mm)である。)
(発明4)空孔率が45%以上である、発明1〜3のいずれかの微多孔膜。
(発明5)ポリプロピレン系重合体が、融点が150〜170℃の範囲にあり、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が1.0g/10分未満である、任意にエチレン、炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい、プロピレン主体の重合体である、発明1〜4のいずれかの微多孔膜。
(発明6)蓄電デバイスのセパレータに用いられることを特徴とする発明1〜5のいずれかの微多孔膜。
(発明7)蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、発明6の微多孔膜。
(発明8)蓄電デバイスがキャパシタである、発明6の微多孔膜。
(発明9)発明6の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
(発明10)発明7の微多孔膜を備えるリチウムイオン電池。
(発明11)発明8の微多孔膜を備えるキャパシタ。
(発明12)以下の工程を含む、発明1〜11のいずれかの微多孔膜の製造方法。
(工程1)JIS K6758に準拠して230℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.0g/10分未満であるポリプロピレン系重合体を押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
(工程2)工程1で得られた原反フィルムを熱処理する工程。
(工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.0〜1.1倍に延伸する工程。
(工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に延伸する工程。
(工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
本発明の微多孔膜は低熱収縮性と高空孔率を兼ね備える。したがって本発明の微多孔膜は、高温環境下での形状安定性と優れた物質透過性とを兼ね備える素材である。このような本発明の微多孔膜は、分離膜、蓄電デバイスのセパレータなどの部材に適している。本発明の微多孔膜は高温環境にあっても収縮し難く、高温で使用される電池のセパレータ材として好適である。
本発明の微多孔膜は、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が1.0g/10分未満であるポリプロピレン系重合体からなり、105℃で2時間の高温処理をした後の押出方向(MD)の熱収縮率が4%以下である。
ただし、上記押出方向の熱収縮率(%)は以下の式にて定義される。
押出方向の熱収縮率(%)=[(L0md−L1md)/L0md]×100
(ここで、L1mdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)であり、
L0mdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)である。)
(微多孔膜の原料)
本発明の微多孔膜の原料は、ポリプロピレン系重合体であって、プロピレンの単独重合体あるいはコモノマーを共重合した共重合体がこれに相当する。本発明で使用するポリプロピレン系重合体としては、結晶性が比較的高い、融点が150〜170℃の範囲にあるものが好ましく、融点が155〜168℃の範囲にあるものがさらに好ましい。上記コモノマーは、一般的には、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種である。またこれらと共に、2−メチルプロペン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜8の分岐オレフィン類、スチレン類、ジエン類を共重合したものであってもよい。
上記コモノマーの含有量は、微多孔膜が所望の性質を示す限り、いかなる範囲にあってもよい。好ましくは、高結晶性ポリプロピレン系重合体を与える範囲である、重合体100重量部に対して5重量部以下、特に2重量部以下が好ましい。
また上記ポリプロピレン系重合体のメルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)は1.0g/10分未満、好ましくは0.2〜0.6g/10分である。
本発明の微多孔膜の原料には、結晶核剤や充填剤などの添加剤を配合することができる。添加剤の種類や量は、多孔性を損なわない範囲であれば、制限はない。
(微多孔膜の製造方法)
本発明の微多孔膜は、上述の原料を用いて、いわゆる乾式法によって製造される。本発明の微多孔膜の製造方法は、以下の工程1〜5を含む。
(工程1:製膜工程)
原料を押出成形して原反フィルムを製膜する工程である。JIS K6758に準拠して230℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.0g/10分未満であるポリプロピレン系重合体を押出機に供給し、ポリプロピレン系重合体をその融点以上の温度で溶融混練し、押出機の先端に取り付けたダイスからポリプロピレン系重合体フィルムを押出す。使用される押出機は限定されない。押出機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、タンデム型押出機のいずれもが使用可能である。使用されるダイスはフィルム成形に用いられるものであれば、いずれも使用できる。ダイスとしては、例えば、各種T型ダイス使用することができる。原反フィルムの厚みや形状は特に限定されない。好ましくは、ダイスリップクリアランスと原反フィルム厚さの比(ドラフト比)は100以上、さらに好ましくは150以上である。好ましくは、原反フィルムの厚みは10〜200μm、さらに好ましくは15〜100μmである。
(工程2:熱処理工程)
工程1を終えた原反フィルムを熱処理する工程である。ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃、好ましくは10〜25℃低い温度で、原反フィルムに長さ方向の一定の張力を加える。張力は、好ましくは、原反フィルムの長さが1.0倍を超え1.1倍以下となる大きさである。
(工程3:冷延伸工程)
工程2を終えた熱処理後の原反フィルムを比較的低い温度で延伸する工程である。延伸温度は−5〜45℃、好ましくは5〜30℃である。延伸倍率は、長さ方向に1.0〜1.1、好ましくは1.00〜1.08、さらに好ましくは1.02以上1.05未満である。ただし、延伸倍率は1.0倍より大きい。延伸手段は制限されない。ロール延伸法、テンター延伸法などの公知の手段が使用できる。延伸の段数は任意に設定できる。1段延伸でもよく、複数のロールを経て2段以上の延伸を行ってもよい。冷延伸工程で、原反フィルムを構成するポリプロピレン系重合体の分子が配向する。その結果、分子鎖が密なラメラ部と、ラメラ間の分子鎖が疎な領域(クレーズ)とを有する延伸フィルムが得られる。
(工程4:温延伸工程)
工程3を終えた延伸フィルムを比較的高い温度で延伸する工程である。延伸温度はポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度、好ましくはポリプロピレン系重合体の融点よりも10〜45℃低い温度である。延伸倍率は、長さ方向に1.5〜4.5倍、好ましくは2.0〜4.0倍、さらに好ましくは2.5〜3.0倍である。延伸手段は制限されない。ロール延伸法、テンター延伸法などの公知の手段が使用できる。延伸の段数は任意に設定できる。1段延伸でもよく、複数のロールを経て2段以上の延伸を行ってもよい。温延伸工程で工程3で生じたクレーズが引き延ばされ、空孔が発生する。
(工程5:弛緩工程)
工程4を終えた温延伸後のフィルムの収縮を防ぐためにフィルムを弛緩させる工程である。弛緩温度は、温延伸の温度よりもやや高い温度であり、0〜20℃高い温度が一般的である。弛緩の度合いは、工程4を終えた延伸フィルムの長さが最終的に0.7〜1.0倍になるように調整される。
本発明の微多孔膜は、低コストの原料からなり、熱収縮率が小さく、空孔率が高い。本発明を特徴づける上記熱収縮率は以下の関係式を用いて求めた値である。
押出方向の熱収縮率(%)=[(L0md−L1md)/L0md]×100(ただし、L1mdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)であり、L0mdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)である。)
幅方向の熱収縮率(%)=[(L0td−L1td)/L0td]×100(ただし、L1tdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の幅方向の長さ(mm)であり、L0tdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の幅方向の長さ(mm)である。)
ただし、上記熱収縮率(%)は、実測値から算出した値の小数点以下1桁を四捨五入して得られた整数値である。
また本発明の微多孔膜の空孔率は以下の関係式を用いて求めた値である。
(空孔率)
幅50mm×長さ120mmの微多孔膜切片について、以下の計算式により算出した値である。
空孔率(%)=[1−(切片重量)/(切片面積×樹脂密度×切片厚み)]×100
本発明の微多孔膜の押出方向の熱収縮率は、4%以下、好ましくは3%以下である。本発明の微多孔膜の幅方向の熱収縮率は、概ね0%、好ましくは0%である。本発明の微多孔膜は実質的に幅方向に熱収縮しない。
本発明の微多孔膜の空孔率は、45%以上、好ましくは48〜60%の範囲にある。
本発明の微多孔膜の例を以下に示す。なお、実施例、比較例で製造した微多孔膜の熱収縮率は、以下の手順で求めた。
(熱収縮率の測定手順)
(1)加熱処理前のフィルム長の測定
プロピレン系樹脂微多孔フィルムから、幅7cm×長さ7cmの正方形片を切り出す。この試験片に対し押出方向、幅方向に5cmの標線を引く。次に試験片に引いた押出方向の標線の長さL0md(mm)、試験片に引いた幅方向の標線の長さL0td(mm)をノギスを用いて小数点以下2桁まで測定する。その後、上記試験片に以下の加熱処理を施す。
(2)加熱処理
上記試験片を内部温度105℃に保たれた恒温槽(トミー精工社製オートクレーブ)内で2時間加熱したあと、室温23℃に30分放置する。
(3)加熱処理後のフィルム長の測定
上記加熱処理の後の試験片について、押出方向の標線の長さL1md(mm)、幅方向の標線の長さL1td(mm)を、加熱前の測定と同様の要領で測定する。
(4)熱収縮率(%)の算出
試験片の熱収縮率を、上記加熱処理前後の試験片の長さの変化率として求める。すなわち、試験片の熱収縮率として、下記式で表される押出方向及び幅方向の熱収縮率(%)を算出し、小数点以下1位の桁を四捨五入して得られた整数値を、各実施例、比較例の押出方向の熱収縮率(%)、幅方向の熱収縮率(%)とした。
押出方向の熱収縮率(%)=[(L0md−L1md)/L0md]×100
幅方向の熱収縮率(%)=[(L0td−L1td)/L0td]×100
(実施例1)
(原料)微多孔膜の原料として、JIS K6758(230℃、21.18N)に従い測定したメルトマスフローレイト(MFR)が0.5g/10分、融点が165℃のプロピレン単独重合体を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に2.9倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.87倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。得られた微多孔膜の熱収縮率と空孔率を上述の方法で測定し、その結果を製造条件と共に表1に示す。
(実施例2)
(原料)実施例1と同じ原料を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比159でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを30℃で長さ方向に1.03倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを145℃で長さ方向に3.0倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.85倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの本発明の微多孔膜が得られた。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(比較例1)
(原料)微多孔膜の原料として、JIS K6758(230℃、21.18N)に従い測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.5g/10分、融点が158℃のプロピレン−エチレン共重合体を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比205でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを25℃で長さ方向に1.07倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを128℃で長さ方向に3.2倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの比較用の微多孔膜が得られた。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
(比較例2)
(原料)比較例1と同じ原料を使用した。(工程1)単軸押出機で溶融混練した原料をドラフト比205でTダイから押出し、厚さ22μmの原反フィルムを製造した。(工程2)次いで、原反フィルムを150℃で熱処理した。(工程3)原反フィルムを25℃で長さ方向に1.04倍に冷延伸した。(工程4)得られた延伸フィルムを128℃で長さ方向に3.2倍に温延伸した。(工程5)得られた延伸フィルムの長さが0.88倍になるように150℃で弛緩させた。こうして最終厚みが20μmの比較用の微多孔膜が得られた。評価結果を製造条件と共に表1に示す。
Figure 0006507647
実施例1、2で得られた本発明の微多孔膜は、比較例1、2に比べて熱収縮性が低減されている。しかも、実施例1、2で得られた本発明の微多孔膜は、低熱収縮性と孔空孔率とのバランスからみても比較例1、2よりも優れている。
本発明の微多孔膜は、熱収縮性が低減されており、しかも十分な多孔性を有する。このような本発明の微多孔膜は、高温環境下での耐久性と、イオン電導性とに優れるから、過酷な環境下で使用される工業製品に適している。本発明の微多孔膜は、例えば車両用電池のセパレータ、屋外で使用されるキャパシタのセパレータの材料として有用である。しかも本発明の微多孔膜の製造コストは低いから、近年のリチウムイオン電池部材への要求も満たしている。

Claims (12)

  1. メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が1.0g/10分未満であるポリプロピレン系重合体からなり、105℃で2時間の高温処理をした後の押出方向(MD)の熱収縮率が4%以下である、微多孔膜。
    押出方向の熱収縮率(%)=[(L0md−L1md)/L0md]×100
    (ただし、
    L1mdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)であり、
    L0mdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の押出方向の長さ(mm)である。)
  2. 押出方向の熱収縮率が3%以下である、請求項1に記載の微多孔膜。
  3. 105℃で2時間の高温処理をした後の、幅方向(TD)の熱収縮率が0%である、請求項1または2に記載の微多孔膜。
    幅方向の熱収縮率(%)=[(L0td−L1td)/L0td]×100
    (ただし、
    L1tdは105℃で2時間加熱処理した後の微多孔膜の幅方向の長さ(mm)であり、L0tdは105℃で2時間加熱処理する前の微多孔膜の幅方向の長さ(mm)である。
  4. 空孔率が45%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微多孔膜。
  5. ポリプロピレン系重合体が、融点が150〜170℃の範囲にあり、メルトマスフローレイト(MFR、JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠した条件で測定)が1.0g/10分未満である、任意にエチレン、炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい、プロピレン主体の重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微多孔膜。
  6. 蓄電デバイスのセパレータに用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微多孔膜。
  7. 蓄電デバイスがリチウムイオン電池である、請求項6に記載の微多孔膜。
  8. 蓄電デバイスがキャパシタである、請求項6に記載の微多孔膜。
  9. 請求項6に記載の微多孔膜を備える蓄電デバイス。
  10. 請求項7に記載の微多孔膜を備えるリチウムイオン電池。
  11. 請求項8に記載の微多孔膜を備えるキャパシタ。
  12. 以下の工程を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の微多孔膜の製造方法。
    (工程1)JIS K6758に準拠して230℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.0g/10分未満であるポリプロピレン系重合体を押出成形して原反フィルムを製膜する工程。
    (工程2)工程1で得られた原反フィルムを、原反フィルムの長さ方向の原反フィルムの長さが1.0倍を超え1.1倍以下となる一定の大きさの張力を加え、ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度で熱処理する工程。
    (工程3)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5〜45℃で、長さ方向に1.02倍以上1.05倍未満に延伸する工程。
    (工程4)工程3を終えた延伸フィルムを、ポリプロピレン系重合体の融点よりも5〜65℃低い温度で、長さ方向に1.5〜4.0倍に延伸する工程。
    (工程5)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、加熱下、長さが0.7〜1.0倍になるように弛緩させる工程。
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