JP2018119083A - ポリプロピレン系微多孔膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
電池セパレータの高温耐久性の一つに、高温環境に曝されたことによる変形が少ないことが挙げられる。このような変形の少なさは、電池セパレータ材である微多孔膜の熱収縮性で評価されている。電池セパレータ材に適する、熱収縮が低減されたポリオレフィン系微多孔膜として、出願人は特許文献4で、105℃で2時間の高温処理をした後の押出方向の熱収縮率が4%以下のポリプロピレン系微多孔膜を開示した。
(工程1:製膜工程)ポリプロピレン系重合体を含む原料を押出成形して原反フィルムを製膜する工程、
(工程2:熱処理工程)工程1で得られた原反フィルムを上記ポリプロピレン系重合体の融点よりも低い温度で熱処理する工程、
(工程3:冷延伸工程)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5℃〜45℃で押出方向(MD)に1.0倍〜1.1倍に延伸して、延伸フィルムを得る工程、
(工程4:温延伸工程)工程3を終えた延伸フィルムを上記ポリプロピレン系重合体の融点よりも5℃〜65℃低い温度で押出方向(MD)に2.5倍〜5.0倍に温延伸する工程、
(工程5:弛緩工程)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、温延伸温度より高くフィルムの融点より5℃以上低い温度で、長さが0.85倍〜0.95倍になるように弛緩させて、上記式(1)で定義されるt=105℃における熱収縮率(S(105))が4%超のポリプロピレン系微多孔膜を得る工程、
(工程6:熱処理工程)工程5を経たポリプロピレン系微多孔膜を弛緩工程より高くフィルムの融点より5℃以上低い温度域でロールを介して引張力下に搬送し、該ポリプロピレン系微多孔膜の押出方向の長さを工程5終了時の同長さから最大で20%分を減少させる工程。
(工程7:冷却工程)工程6で得られたポリプロピレン系微多孔膜を自然冷却する工程。
を行い、上記工程7で得られたポリプロピレン系微多孔膜の以下の式(1)定義されるt=105℃における熱収縮率(S(105))が1%以下である、上記(ii)の低熱収縮性ポリプロピレン系微多孔膜の製造方法。
(工程6:熱処理工程)工程5を経たポリプロピレン系微多孔膜を弛緩工程より高くフィルムの融点より5℃以上低い温度域でロールを介して引張力下に搬送し、該ポリプロピレン系微多孔膜の押出方向の長さを工程5終了時の同長さから最大で20%分を減少させる工程。
原料として、日本ポリプロ社製「ノバテックEA7AD」を使用した。これはMFR(JIS K6758(230℃、21.18N)に準拠して測定)が1.50g/10分、融点が158℃のポリプロピレンである。
[参考例1]
こうして熱収縮性改善前の最終厚みが19.4μmのポリプロピレン系微多孔膜が得られた。このポリプロピレン系微多孔膜を参考例1として以下の観点で評価した。結果を表1に示す。
ポリプロピレン系微多孔膜から、押出方向70mm×幅方向70mmの正方形片をサンプル片として切り出す。このサンプル片に対し押出方向(MD)、幅方向(TD)に5cmの標線を引く。次にサンプル片に引いた押出方向の標線の長さLMD(t0)(mm)をノギスで小数点以下2桁まで測定する。次に、上記試験片を内部温度がt℃に保たれた恒温槽(トミー精工社製オートクレーブ)内で2時間加熱したあと、室温23℃に30分放置する。上記t℃における加熱処理の後の試験片について、押出方向の標線の長さLMD(2)(mm)を加熱前の測定と同様の要領で測定する。
ポリプロピレン系微多孔膜から、押出方向120mm×幅方向50mmのサンプル片を切り出す。このサンプルについて以下の式(2)により空孔率(%)を算出する。
一定容積(100mL)の空気が微多孔膜を通過する時間(秒)を通気度と呼ぶ。ポリプロピレン系微多孔膜から得られた押出方向120mm×幅方向50mmのサンプル片について、ガーレー試験機によりJIS P8117に準拠した方法で、23℃±2℃の温度下、50%±5%の湿度下の通気度を測定する。
ポリプロピレン系微多孔膜から、押出方向120mm×幅方向10mmの5枚のサンプル片を切り出す。100℃恒温槽中で、島津製作所製引張試験機(オートグラフ AGS−X)を用いて、サンプル片1枚を押出方向に引張した。引張条件は、初期チャック間距離:50mm、引張速度:50mm/分、引張方向:サンプル片押出(MD)方向とする。サンプル片が破断した時点での引張力(N)を押出方向の破断荷重(N)として測定する。以下の式(3)にしたがってサンプル片の押出方向(MD)の引張強度:TSMD(MPa)を算出した。5枚のサンプルのTSMD(MPa)の平均値を表1に示す。
ポリプロピレン系微多孔膜から、押出方向50mm×幅方向120mmの5枚のサンプル片を切り出す。100℃恒温槽中で、島津製作所製引張試験機(オートグラフAGS−X)を用いて、サンプル片1枚を幅方向に引張した。引張条件は、初期チャック間距離:50mm、引張速度:50mm/分、引張方向:サンプル片幅(TD)方向、最大引張力:10N/mm2(フィルム断面積あたりの引張力)とする。サンプル片が破断した時点での引張力(N)を幅方向の破断荷重(N)として測定する。以下の式(4)にしたがってサンプル片の幅方向(TD)の引張強度:TSTD(MPa)を算出した。5枚のサンプルのTSTD(MPa)の平均値を表1に示す。
ポリプロピレン系微多孔膜から、押出方向120mm×幅方向10mmの5枚のサンプル片を切り出す。100℃恒温槽中で、島津製作所製引張試験機(オートグラフ AGS−X)を用いて、サンプル片1枚を押出方向に引張した。引張条件は、初期チャック間距離:50mm、引張速度:50mm/分、引張方向:サンプル片の押出(MD)方向、とする。初期時から破断時までのサンプル片の押出方向の伸び(mm)を測定した。以下の式(5)にしたがってサンプル片の押出方向(MD)の引張伸度:TEMD(%)を算出した。5枚のサンプルのTEMD(%)の平均値を表1に示す。
ポリプロピレン系微多孔膜から、押出方向50mm×幅方向120mmの5枚のサンプル片を切り出す。100℃恒温槽中で、島津製作所製引張試験機(オートグラフ AGS−X)を用いて、サンプル片1枚を幅方向に引張した。引張条件は、初期チャック間距離:50mm、引張速度:50mm/分、引張方向:サンプル片の幅(TD)方向、とする。初期時から破断時までのサンプル片の幅方向の長さを測定した。以下の式(6)にしたがってサンプル片の幅方向(TD)の引張伸度:TETD(%)を算出した。5枚のサンプルのTETD(%)の平均値を表1に示す。
突刺強度の指標として、ポリプロピレン系微多孔膜表面に直径1mmの先端が球面形状の針を侵入速度100mm/分で突刺したときに針に働く最大荷重を(gf)を測定した。この最大荷重が大きいほどポリプロピレン系微多孔膜の突刺強度が高いと評価される。
工程6として、上記ポリプロピレン系微多孔膜を、表1に示す加熱温度に維持されたロールで巻き取りながら搬送することによって加熱した。その押出方向(MD)の長さが表1に示す割合(長さ減少分(%))で加熱前に比べて短くなるように加熱ロールの回転速度を調節した。加熱処理を終えたポリプロピレン系微多孔膜を自然冷却した(工程7)。こうして、工程6の前後で押出方向の長さが適当な割合で減じたポリプロピレン系微多孔膜が得られた。これらを参考例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
上記工程6に替えて、フィルム長さが変化しない熱処理を行なった。すなわち、上記ポリプロピレン系微多孔膜を、表1に示す加熱温度に維持されたロールで巻き取りながら搬送することによって加熱した。その押出方向(MD)の長さが加熱前と同じ(長さ減少割合が0%)になるように加熱ロールの回転速度を調節した。加熱処理を終えたポリプロピレン系微多孔膜を参考例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 以下の式(1)定義されるt=105℃における熱収縮率(S(105))が4%超のポリプロピレン系微多孔膜を製造した後に、加熱処理によって該ポリプロピレン系微多孔膜の熱収縮性を改善する、低熱収縮性ポリプロピレン系微多孔膜の製造方法であって、
(工程1:製膜工程)ポリプロピレン系重合体を含む原料を押出成形して原反フィルムを製膜する工程、
(工程2:熱処理工程)工程1で得られた原反フィルムを上記ポリプロピレン系重合体の融点よりも低い温度で熱処理する工程、
(工程3:冷延伸工程)工程2で得られた熱処理後の原反フィルムを、−5℃〜45℃で押出方向(MD)に1.0倍〜1.1倍に延伸して、延伸フィルムを得る工程、
(工程4:温延伸工程)工程3を終えた延伸フィルムを上記ポリプロピレン系重合体の融点よりも5℃〜65℃低い温度で押出方向(MD)に2.5倍〜5.0倍に温延伸する工程、
(工程5:弛緩工程)工程4で得られた温延伸後のフィルムを、上記温延伸工程の温度よりも高く上記フィルムの融点より5℃以上低い温度で、長さが0.85倍〜0.95倍になるように弛緩させて、上記式(1)で定義されるt=105℃における熱収縮率(S(105))が4%超のポリプロピレン系微多孔膜を得る工程、
(工程6:熱処理工程)工程5を経たポリプロピレン系微多孔膜を上記弛緩工程の温度より高くフィルムの融点より5℃以上低い温度域でロールを介して引張力下に搬送し、該ポリプロピレン系微多孔膜の押出方向の長さを工程5の終了時の長さから最大で20%分を減少させる工程。
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