JP2008540794A6 - 押出混練性及び物性に優れる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法 - Google Patents

押出混練性及び物性に優れる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、電池用セパレーターに使用できる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びそれの製造方法に関する。本発明による高密度ポリエチレン微細多孔膜は、重量平均分子量が2×10〜4×10であって、分子量が1×10以下の分子の含量が5重量%以下で、且つ1×10以上の分子の含量が5重量%以下である高密度ポリエチレンから構成されており、穿孔強度が0.22N/μm以上、気体透過度(Darcy’s permeability constant)が1.8×10−5Darcy以上、収縮率が横方向及び縦方向にそれぞれ4%以下である特性を有する。特に、本発明による高密度ポリエチレン微細多孔膜は、押出混練性及び延伸性に優れており、これを使用する電池の性能と安定性を高めると同時に、微細多孔膜の生産性を向上することができる。

Description

本発明は、高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法に関する。さらに具体的には、押出混練性及び延伸性に優れているだけではなく、高い生産性を有し、これを使用する電池の性能と安定性を高めることができる高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法に関する。
ポリオレフィン微細多孔膜は、その化学的安定性と優れた物性により、各種電池用隔離膜、分離用フィルター、及び微細ろ過用分離膜などに広く利用されている。
ポリオレフィンから微細多孔膜を製造する方法は、三つの方法に大別される。第一は、ポリオレフィンを薄い繊維に作って、不織布形態に微細多孔膜を製造する方法であり、第二は、厚いポリオレフィンフィルムを製造した後、低温で延伸し、ポリオレフィンの結晶部分であるラメラ(lamella)の間に微細クラックを誘発させ、微細孔隙を形成させる乾式法であり、第三は、ポリオレフィンを高温で希釈剤(diluent)と混練し単一相を形成して、冷却過程でポリオレフィンと希釈剤を相分離させた後、希釈剤部分を抽出し、ポリオレフィンに孔隙を形成する湿式法である。これらのうち、湿式法は、他の二つの方法に比べ、フィルム厚が薄くて均一であり、薄膜のフィルムを製造することができ、物性にも優れているため、リチウムイオン電池など、2次電池の隔離膜用に広く使用されている。
湿式法による一般的な多孔性フィルムの製造方法は、米国特許第4,247,498号に紹介されているが、この特許には、ポリエチレンとこれに適合した混和性液状化合物(compatible liquid)を使用して、これらの混合物を高温でブレンディングし、熱力学的単一相溶液を調製した後、これを冷却して、冷却過程でポリエチレンと混和性溶媒を個体/液体、または液体/液体相分離し、これを利用してポリオレフィン多孔膜を製造する技術が記載されている。
米国特許第4,335,193号には、ポリオレフィンにジオクチルフタレート(dioctylphthalate)、液状パラフィン(liquid paraffin)などの有機液状化合物(organic liquid)と無機物(inorganic filler)を添加して加工した後、有機液状化合物と無機物を除去して、ポリオレフィン多孔膜を製造する技術が開示されており、このような技術は、米国特許第5,641,565号などにも述べられている。しかしながら、このような方法は、シリカなどの無機物を使用したため、無機物投入及び混練過程が難しく、後工程において、これを抽出、除去するための工程が追加され、工程が複雑となると共に、延伸比を高め難いという短所がある。
米国特許第4,539,256号にも、ポリエチレンと混和性液状化合物を押出加工し延伸した後、抽出して、微細多孔フィルムを製造する基本的な方法が記載されている。
二次電池の本格的な使用と共に、微細多孔膜の生産性とフィルム特性を向上させるための努力が持続的になされてきた。代表的な方法が、重量平均分子量1×10程度の超高分子量ポリオレフィン(UHMWPO)を使用するか、ブレンディングして、組成物の分子量を高め、多孔膜の強度を高める方法である。
これと関連し、米国特許第4,588,633号及び米国特許第4,873,034号には、重量平均分子量5×10以上のポリオレフィンとポリオレフィンを高温で溶かせる溶媒とを使用し、2段階の溶媒抽出過程と延伸過程を経て、微細多孔膜を製造する工程が紹介されている。しかしながら、この方法は、UHMWPOの短所である溶媒との混練性及び押出性を向上させるために、押出過程で過量の溶媒を使用して、これを1段階抽出して延伸した後、再び抽出する段階を経なければならない。
米国特許第5,051,183号には、重量平均分子量7×10以上のUHMWPOを1%以上含有したポリオレフィン10〜50重量%とミネラルオイルなどの溶媒を90〜50重量%含有して、多分散指数(重量平均分子量/数平均分子量)が10〜300の組成物を使用したポリオレフィン微細多孔膜が紹介されている。孔隙を形成する方法は、前記組成物を押出してゲル状のシートを作り、組成物の融点と融点+10℃との間の温度で延伸した後、溶媒を抽出して多孔膜を形成する方法である。しかしながら、この方法は、UHMWPOをブレンディングすると同時に分子量分布が広くなり、分子量の大きいポリオレフィンを過量含有するようになる。このようになると、これらの分子による鎖の絡み合い(chain entanglement)が激しく発生し、延伸性が非常に低下してしまう。即ち、高延伸比及び速い延伸速度における破断や、低延伸比における未延伸現象が発生するようになる。
これを解決する方法は、延伸温度を高め、延伸時、組成物に軟質性(soft)を持たせるか、延伸速度を低め、組成物の温度を高めたのと同様な効果を得る方法である。しかしながら、このようにすると、逆に、延伸時、樹脂の配向(orientation)が少なくなり、延伸効果が低下して最終多孔膜の物性が低下する問題が生じる。また、分子量分布の広い樹脂からなるフィルムは、分子量分布の狭い樹脂からなるフィルムに比べ、分子量の少ない分子による欠点が多く存在し、これにより衝撃強度(impact strength)、穿孔強度(puncture strength)などが低下する短所がある。このような現象は、微細多孔膜フィルムにおいても同様であり、分子量分布が広くなると、微細多孔膜フィルムの最も重要な物性の一つである穿孔強度が十分得られない。即ち、物性向上のために添加されたUHMWPOの効果が十分得られなくなる。このような問題点は、類似した技術の日本特開平6−234876号、日本特開平6−212006号、及び米国特許第5,786,396号などにも存在する。
一方、日本特開平9−3228号においても、これと類似した樹脂組成が使用されており、縦方向(MD)及び横方向(TD)の延伸比均衡を合わせて物性を補完する方法が紹介されている。
日本特開平09−259858号では、ポリエチレン微細多孔膜のシャットダウン温度(電池の異常作動により電池内部の温度が上がる場合、発火、爆発などの事故を防止するために、多孔膜が溶融されて孔隙を目詰りさせ、電流をシャットダウンさせる温度)を低めるために、重量平均分子量が5×105 以上のポリエチレン70〜99重量%と、重量平均分子量が1000〜4000の低分子量ポリエチレン1〜30重量%からなる樹脂組成物10〜80重量%と、溶媒20〜90重量%の溶液を調製し、ダイより押出し、冷却してゲル状組成物を形成し、延伸した後、残存溶媒を抽出する方法が紹介されている。この技術では、重量平均分子量が1000〜4000の低分子量ポリエチレンを使用してシャットダウン温度を低めることを特徴としている。しかしながら、この技術にも二つの問題が存在する。即ち、低分子量分子の追加により、分子量が低くなると共に、分子量分布が広くなって、物性が低下してしまう。実施例をみると、このような技術により製造されたポリエチレン多孔膜の引張強度は、1000〜1200kg/cm程度であって、比較的低い水準であることが分かる。また、ポリオレフィンと希釈剤あるいは溶媒を混練する過程は、高い技術を必要とする。商業的に二軸押出機(twin screw extruder)、混練機(kneader)、及びバンバリーミキサー(banbury mixer)などが使用される。上述の技術のように、粘度の差が大きい(重量平均分子量が5×105 以上のポリエチレンと重量平均分子量が1000〜4000の低分子量ポリエチレン)樹脂を溶媒と共にブレンディングする場合、樹脂・溶媒間の混練問題だけではなく、分子量の異なる(溶融状態の粘度に大きな差のある)二つの樹脂間の混練問題も発生する。この場合、最終フィルムにファインゲル(fine gelまたはfish eye)が発生し、フィルムの質が低下する虞がある。これを解決する方法は、溶融物の押出機内の滞留時間を増やす方法があるが、生産性が劣る短所がある。
米国特許第5,830,554号には、分子量分布が広い樹脂から発生する物性及び延伸性の低下問題を解決するために、重量平均分子量が5×10〜25×10で、重量平均分子量と数平均分子量の比が10以下の樹脂を5〜50重量%含有する溶液を押出−延伸−抽出して、ポリオレフィン微細多孔膜を製造する方法が示されている。この方法は、超高分子量樹脂の押出から発生する粘度増加による押出不均一問題を解決するために、多い量の溶媒を使用して(好ましくは、80〜90重量%)、これにより孔隙度が高くなり、多孔性フィルムの引張強度が800kg/cm以上(実施例950〜1200kg/cm)であって、物性もあまり向上しなかった。
米国特許第6,566,012号にも同様に、重量平均分子量が5×10以上の超高分子量ポリオレフィンや重量平均分子量が5×10以上の超高分子量ポリオレフィンを含む樹脂組成物10〜40重量%と90〜60重量%の溶媒を押出−成形−延伸−抽出−熱固定して、電池用分離膜に適合したポリオレフィン微細多孔膜を製造する方法が開示されている。
上述のように、上記従来の技術はいずれも、物性を増加させるために分子量の大きい樹脂を使用したが、使用樹脂の分子量の増加は、付加的に押出負荷増大、溶媒との押出混練性低下、延伸時に延伸機負荷増加、未延伸発生、延伸速度及び延伸比減少による生産性低下などの問題を誘発する。
本発明者らは、上述の従来技術の問題点を解決するために鋭意研究した結果、超高分子量ポリエチレンの使用などを通じて分子量を増大させることなく、一般的な分子量のポリエチレンを使用しても、ポリエチレンに含まれている低分子量ポリエチレン分子及び超高分子量ポリエチレン分子の含量を特定含量以下に維持して、延伸条件を調節することにより、ポリエチレンに欠点が形成されることを防止すると共に延伸効率を高めて、セパレーターとしての特性を十分奏することができることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、分子量増加による問題を改善すると同時に、電池用微細多孔膜にも使用できる、優れた物性及び均一な孔隙構造を有する高密度ポリエチレン微細多孔膜を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記高密度ポリエチレン微細多孔膜を、経済的な工程を通じて高い生産性で製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるポリエチレン微細多孔膜は、重量平均分子量が2×10〜4×10であって、分子量が1×10以下の分子の含量が5重量%以下で、且つ1×10以上の分子の含量が5重量%以下である高密度ポリエチレン(成分I)20〜50重量%と、希釈剤(diluent;成分II)80〜50重量%とからなる組成物から
(a)重量平均分子量が2×10〜4×10であって、分子量が1×10以下の分子の含量が5重量%以下で、且つ1×10以上の分子の含量が5重量%以下である高密度ポリエチレン(成分I)20〜50重量%と、希釈剤(diluent;成分II)80〜50重量%とからなる組成物を溶融押出し、シートに成形するステップと、
(b)前記シートの結晶部分の30〜80重量%が溶ける温度範囲で、前記シートをテンタータイプの同時延伸により縦方向及び横方向にそれぞれ4倍以上、総延伸比25〜50倍になるように延伸して、フィルムに成形するステップと、
(c)前記フィルムを、延伸が終わり且つ延伸中の張力がそのまま保持される状態で冷却するステップと、
(d)前記フィルムから希釈剤を抽出するステップと、
(e)前記フィルムの結晶部分の10〜30重量%が溶ける温度範囲で、前記フィルムを熱固定するステップと、から製造され、穿孔強度が0.22N/μm以上、気体透過度(Darcy’s permeability constant)が1.8×10−5Darcy以上、収縮率が横方向及び縦方向にそれぞれ4%以下であることを特徴とする。
以下、本発明のさらに具体的に説明する。
上述のように、本発明によると、分子量増加による問題を改善すると同時に、電池用微細多孔膜に適用できるように、押出混練性及び延伸性に優れた高密度ポリエチレン微細多孔膜及びその製造方法が提供される。
本発明に使用されるポリエチレンからポリエチレン微細多孔膜を製造する基本理論は、以下のようである。
ポリエチレンと類似した分子構造を有する低分子量有機物質(以下、希釈剤という)は、ポリエチレンが溶ける高温でポリエチレンと熱力学的単一相を形成する。これらの熱力学的単一相をなしたポリエチレンと希釈剤溶液を常温に冷却させると、冷却過程でポリエチレンと希釈剤の相分離が起こる。相分離される各相は、ポリエチレンの結晶部分であるラメラを中心に形成されたポリエチレン多含有相(polyethylene rich phase)と、常温でも希釈剤に溶けている少量のポリエチレンと希釈剤とから形成された希釈剤多含有相(diluent rich phase)からなる。冷却後、希釈剤を有機溶剤で抽出すると、ポリエチレン多孔膜が形成される。
したがって、微細多孔膜の基本構造は、相分離過程で決定される。即ち、相分離後に形成された希釈剤多含有相の大きさ及び構造が、最終微細多孔膜の孔隙大きさ及び構造を決定付ける。また、微細多孔膜の基本物性は、希釈剤が抽出される過程で形成されるポリエチレンの結晶構造に影響を受ける。
本発明者らは、長い研究の結果、次のような事実を見出した。即ち、優れた微細多孔膜を製造するためには、希釈剤多含有相になるべく少ない量のポリエチレンが存在することが好ましく、希釈剤が抽出される過程でポリエチレンに欠点が生じてはいけないということで、これに最も大きい影響を与えるのは、ポリエチレンに含まれている低分子量ポリエチレン分子であるということである。
これに基づき、低分子量物質の少ないポリエチレンを使用して製品を生産した結果、従来の発明より分子量が少ない樹脂でも、優れた物性及び均一な孔隙構造を有するポリエチレン微細多孔膜を製造することができるようになり、加工性も大いに向上した。
一般に、商業的に使用されるポリエチレンは、必然的に分子量分布が存在して、重量平均分子量が1×10を超えるポリエチレンにも、分子量が数千の分子が一部存在する。商業的にポリエチレンの一般的用途であるブローンフィルムとブローモルディングなどの用途では、低分子量分子は、分子量の大きい樹脂の加工性を向上させる役割をするため、これらの低分子量物質は、ポリエチレン生産工程中、意図的に作られてきた。しかしながら、ポリエチレン微細多孔膜を製造する工程では、これらの低分子量物質は、ポリエチレン多含有相において、ポリエチレン結晶部分であるラメラの完成度を劣らせて、ラメラ間を連結するタイ分子の数を低減させ、ポリエチレン全体の強度を低下させるようになる。また、希釈剤と親和力が高く、希釈剤多含有相にたくさん存在するようになり、抽出後、孔隙の界面部分に存在し、これは、孔隙の界面を不完全にして孔隙度を低下させる要因として作用する。このような現象は、1×10以下の分子から現れて、その含量が5重量%を超過する場合、大きく現れる。
分子量分布の存在によるまた他の問題は、超高分子量分子の存在である。即ち、重量平均分子量1×10程度のポリエチレンにおいても、分子量が1×10を超える超高分子量分子が存在する。このような超高分子量分子の存在は、シートの強度を増加させるが、過量の超高分子量分子の存在は、希釈剤との大きい粘度差による混練性低下に起因するゲル発生などの問題を誘発させ、また押出されるシートの表面形状を粗くする。このような問題は、分子量が1×10を超える超高分子量分子が5%以上存在する場合に大きく現れるため、分子量が1×10を超える超高分子量分子は、5%以下であることが好ましい。
本発明による高密度ポリエチレン微細多孔膜は、重量平均分子量が2×10〜4×10であって、分子量が1×10以下の分子の含量が5重量%以下で、且つ1×10以上の分子の含量が5重量%以下である高密度ポリエチレン(成分I)20〜50重量%と、希釈剤(diluent;成分II)80〜50重量%とからなる組成物を溶融押出し、シート状の成形物を形成した後、これを延伸してフィルムを製造し、前記フィルムを、延伸が終わり且つ延伸中の張力がそのまま保持される状態で冷却して、希釈剤を抽出した後、乾燥及び熱固定して製造される。特に、本発明の高密度ポリエチレン微細多孔膜は、穿孔強度が0.22N/μm以上、気体透過度(Darcy’s permeability constant)が1.8×10−5Darcy以上、収縮率が横方向及び縦方向にそれぞれ4%以下であることを特徴とする。
従来技術で通常的に使用されるポリオレフィン微細多孔膜の素材としては、各種ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)とポリプロピレンなどがある。しかしながら、高密度ポリエチレンを除いたポリエチレンとポリプロピレンの場合は、ポリマーの構造規則性(structural regularity)を低下させ、樹脂自体の結晶部分のラメラ完成度を低下させて、厚さを薄くする。また、重合反応中、コモノマーが存在するようになると、コモノマーの反応性がエチレン対比、劣るため、低分子量の分子が多く生産される。
従って、前記高密度ポリエチレンは、好ましくは、コモノマーの含量が2重量%以下であることが好ましい。前記コモノマーとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1などのαオレフィンが使用できるが、より好ましくは、反応性が相対的に高いプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、または4−メチルペンテン−1が好ましい。
一方、多孔膜の最終物性のためには、分子量の大きい高密度ポリエチレンを使用することが好ましいが、分子量が大きい場合、押出過程において、粘度増加による押出機の負荷増加、希釈剤との大きい粘度差による混練性低下が発生し、押出されるシートの表面形状も粗くなる。これを解決する方法は、押出温度を高めるか、二軸コンパウンダーの二軸構造(screw configuration)を、剪断率(shear rate)が高くなるように作ることであるが、この場合、樹脂の劣化(deterioration)が発生し、物性が低下する。
また、樹脂の分子量増加は、分子間の絡み合い増加により、シートの剛性が増加して、これにより延伸時、負荷が増加して、シートを固定するクリップで滑りが発生し得る。また、シートの強度増加により、低延伸比において未延伸が発生し得る。しかしながら、延伸比の増加は、生産される微細多孔膜の収縮率が高くなり、延伸機クリップの負荷も増加するため、大きく高めることが難しい。これを解決する方法は、延伸温度を高め、延伸時、シートに軟質性を持たせるか、延伸速度を低め、組成物の温度を高めたのと同様な効果を得る方法である。しかしながら、このようにすると、逆に、延伸時、樹脂の配向(orientation)が少なくなり、延伸効果が低下して最終多孔膜の物性が低下する問題が生じる。延伸速度の減少は、生産性も低下させるため、好ましくない。
延伸過程で現れるもう一つの問題は、延伸が終わって、延伸時の張力がなくなった後のフィルムの収縮である。即ち、延伸されたフィルムは、残留応力により延伸張力がなくなった後、フィルムが冷却されるまで収縮が発生する。この収縮は、フィルムの特性に二つの悪い影響を及ぼす。一つは、フィルムの収縮によりポアーが目詰まって、分離膜の最も重要な物性の一つの気体透過度が低下することである。気体透過度の低いフィルムを電池に使用する場合、電池の充放電サイクル特性を低下させるようになる。フィルム冷却時、収縮が与えるもう一つの影響は、フィルムの実際延伸を減少させることである。フィルムの物性のうち、剛性は、延伸によるポリマー分子の方向性により大きく増加される。したがって、実際延伸比の減少は、延伸時、分子の方向性を少なくして、フィルムの物性を低下させるようになる。
本発明では、延伸後、延伸中の張力と延伸比がそのまま維持された状態でフィルムを冷却させると、延伸後、フィルムの収縮を低減できるため、実際延伸比が大きくなり、延伸効果が極大化されることを見出し、それにより、生産されたフィルムの透過度を増加させることができると共に、物性が増加され、非常に優れたフィルムが製造できることが分かった。このような物性は、分子量の低い高密度ポリエチレンを使用しても容易に達成できる。
即ち、本発明のように、延伸中の張力と延伸比がそのまま維持された状態でフィルムを冷却させる場合、張力と延伸比がそのまま維持されていない状態で冷却させた場合に比べ、フィルムの透過度及び物性において優れた特性を有することが分かった。即ち、上記の工程を経ることにより、押出過程における押出負荷増加、希釈剤との混練性低下、及び押出シートの表面不良などを引き起こしやすい重量平均分子量が4×10を超過する高密度ポリエチレンを使用することなく、十分なフィルム物性を得ることができる。また、重量平均分子量が4×10を超過する高密度ポリエチレンに比べ、残留応力が小さくて最終製品の収縮率も小さくなり、気体透過度も増加するようになる。
そこで、本発明では、前記高密度ポリエチレンの低分子量部分と超高分子量部分が十分少ない、即ち、重量平均分子量が1×10以下の分子の含量が5重量%以下で、且つ1×10以上の分子の含量が5重量%以下である高密度ポリエチレンを使用する場合、重量平均分子量が4×10以下であっても、延伸後、延伸時の張力と延伸比をそのまま維持して冷却工程を適用する場合、電池用分離膜などに使用できるほど、十分な物性を持たせることができることが分かった。ここで、前記高密度ポリエチレンの重量平均分子量が2×10未満では、十分な物性を有しないため、本発明で使用される高密度ポリエチレンは、2×10〜4×10の重量平均分子量を有するものが選択される。このような分子量と分子量分布を有する高密度ポリエチレンは、延伸性にも優れており、低倍率延伸でも優れた孔隙構造を有して、延伸クリップの負荷が少なく容易に延伸可能であり、生産性も増大されて、重量平均分子量が4×10を超過する高密度ポリエチレンに比べ、残留応力が小さく、最終製品の収縮率も低減するという長所がある。
本発明で使用される希釈剤としては、押出加工温度で樹脂と単一相をなすあらゆる有機液状化合物が可能である。その例としては、ノナン、デカン、デカリン、パラフィンオイルなどの脂肪族あるいは環式炭化水素と、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステルがある。好ましくは、人体に無害で、沸点が高く、揮発性成分の少ないパラフィンオイルが好ましく、さらに好ましくは、40℃における動粘度が20〜200cStであるパラフィンオイルが好ましい。パラフィンオイルの動粘度が200cStを超過すると、押出工程における動粘度が高く、負荷上昇、シート及びフィルムの表面不良などの問題が生じ、抽出工程では、抽出が難しくなり生産性が低下して、残留オイルによる透過度減少などの問題が発生する。パラフィンオイルの動粘度が20cSt未満であると、押出機内において、ポリエチレンメルトとの粘度差により、押出加工時、混練が難しくなる。
本発明で使用される高密度ポリエチレンと希釈剤の組成は、高密度ポリエチレンが20〜50重量%であり、希釈剤が80〜50重量%であることが好ましい。前記高密度ポリエチレンの含量が50重量%を超過すると(即ち、希釈剤が50重量%未満であると)、孔隙度が減少して孔隙大きさが小さくなり、孔隙間の相互連結(interconnection)が少なく、透過度が非常に低下する。その反面、前記高密度ポリエチレンの含量が20重量%未満であると(即ち、希釈剤が80重量%を超過すると)、ポリエチレンと希釈剤の混練性が低下し、ポリエチレンが希釈剤に熱力学的に混練されず、ゲル状に押出されて、延伸時、破断及び厚さ不均一などの問題を引き起こす可能性がある。
前記組成物には、必要に応じて、酸化安定剤、UV安定剤、帯電防止剤などの、特定機能の向上のための一般添加剤をさらに添加することができる。
前記組成物は、希釈剤とポリエチレンとの混練のためにデザインされた二軸コンパウンダー、混練機、あるいはバンバリーミキサーなどを利用して溶融押出して、シート状の成形物を製造する。ポリエチレンとオイルは、予めブレンディングされてコンパウンダーに投入されるか、分離された供給機からそれぞれ投入される。溶融物からシート状の成形物を製造する方法としては、一般的なキャスティング(casting)あるいはカレンダリング(calendaring)方法のいずれも使用できる。
次に、延伸過程は、テンタータイプの同時延伸により行うことが好ましい。ロールタイプの延伸は、延伸過程でフィルム表面にスクラッチなどの欠点が生じえる。ここで、延伸比は、縦方向及び横方向にそれぞれ4倍以上であり、総延伸比は、25〜50倍であることが好ましい。一方向の延伸比が4倍未満である場合は、一方向の配向が十分ではなく、且つ縦方向及び横方向間の物性均衡が崩れ、引張強度及び穿孔強度などが低下する。また、総延伸比が25倍未満であると、未延伸が発生し、50倍を超過すると、延伸中、破断が発生する可能性が高く、最終フィルムの収縮率が増加する短所がある。
この時、前記延伸温度は、使用されたポリエチレンの融点と希釈剤の濃度及び種類によって異なる。最適延伸温度は、前記フィルム成形物内のポリエチレンの結晶部分の30〜80重量%が溶ける温度範囲から選択することが好ましい。前記延伸温度が、前記フィルム成形物内のポリエチレンの結晶部分の30重量%が溶ける温度より低い温度範囲から選択されると、フィルムの軟質性が乏しく延伸性が劣化し、延伸時に破断が発生する可能性が高く、且つ未延伸も発生する。その反面、前記延伸温度が、結晶部分の80重量%が溶ける温度より高い温度範囲から選択されると、延伸が容易で且つ未延伸発生は少ないが、部分的な過延伸により厚さにばらつきが生じ、樹脂の配向効果が少なく物性が非常に劣るようになる。一方、温度による結晶部分の溶ける程度は、フィルム成形物のDSC(differential scanning calorimeter)分析から得られる。
このようにテンタータイプの同時延伸機で延伸されたフィルムは、テンターのクリップが延伸されたフィルムを放す前、即ち、延伸時の張力と延伸比をそのまま維持した状態で冷却される。冷却温度は、延伸されたフィルムの結晶化温度以下に低くなければならなく、常温よりは高くなければならない。冷却温度が結晶化温度より高い場合は、冷却効果がなく、常温より低い場合は、別途の空気冷却機が必要となるが、それによるさらなる効果は得られない。冷却時間は、5〜30秒が好ましい。5秒以下では、十分な冷却効果が得られなく、30秒を超えると、冷却効率対比、延伸機の長さが長くならなければならないという短所がある。
冷却されたフィルムは、有機溶媒を使用して抽出及び乾燥する。本発明で使用可能な有機溶媒は、特に限定されず、樹脂押出に使用された希釈剤を抽出できる溶剤なら使用可能であるが、好ましくは、抽出効率が高く、乾燥が速いメチルエチルケトン、メチレンクロライド、ヘキサンなどが好ましい。抽出方法は、浸漬方法、溶剤スプレー方法、超音波法などの一般的な溶媒抽出方法を独立的にあるいは組み合せて使用できる。抽出時、残留希釈剤の含量は、1重量%以下でなければならない。残留希釈剤が1重量%を超えると、物性が低下し且つフィルムの透過度が減少する。
残留希釈剤の量(抽出率)は、抽出温度と抽出時間により大きく左右される。抽出温度は、希釈剤と溶剤の溶解度増加のために、高いことが好ましいが、溶剤の沸き(boiling)による安定性問題を考慮すると、40℃以下が好ましい。抽出温度が希釈剤の凝固点以下であると、抽出効率が大きく低下するため、希釈剤の凝固点よりは必ず高い必要がある。抽出時間は、生産されるフィルムの厚さにより異なるが、10〜30μm厚の一般的な微細多孔膜を生産する場合、2〜4分が好ましい。
乾燥されたフィルムは、最後に、残留応力を除去し最終フィルムの収縮率を減少させるために、熱固定過程を経る。熱固定は、フィルムを固定させて熱を加え、収縮しようとするフィルムを強制に固定し、残留応力を除去することである。熱固定温度は、高いほど収縮率を低めるに有利であるが、高すぎる場合は、フィルムが部分的に溶けて、形成された微細多孔が目詰まって、透過度が低下する。好ましい熱固定温度は、フィルムの結晶部分の10〜30重量%が溶ける温度範囲で選択することが好ましい。前記熱固定温度が、前記フィルムの結晶部分の10重量%が溶ける温度より低い温度範囲から選択されると、フィルム内のポリエチレン分子の再配列(reorientation)が十分ではなくて、フィルムの残留応力除去効果が得られなく、フィルムの結晶部分の30重量%が溶ける温度より高い温度範囲で選択されると、部分的溶融により微細多孔が目詰まって、透過度が低下される。
ここで、熱固定時間は、熱固定温度が高い場合は、相対的に短くして、熱固定温度が低い場合は、相対的に長くすることができる。テンタータイプの連続式熱固定装置を使用する場合、熱固定時間は、好ましくは20秒〜2分程度が好ましい。最も好ましくは、フィルムの結晶部分の10〜15重量%が溶ける温度範囲では1〜2分、15〜30重量%が溶ける温度範囲では20秒〜1分程度が好ましい。
上述のように製造される本発明の高密度ポリエチレン微細多孔膜は、次のような物性を有する。
(1)穿孔強度が0.22N/μm以上である。
穿孔強度は、鋭い物質に対するフィルムの強度を示すもので、電池用セパレーターとして使用される場合、穿孔強度が十分ではないと、電極の表面異常や、電池使用中に電極表面から発生するデンドライト(dendrite)によりフィルムが破れて、短絡(short)が生じえる。商業的に使用される電池用セパレーターは、破断点重量が350g以下である場合、短絡による安全性が問題となる。本発明による穿孔強度が0.22N/μmを超えるフィルムは、現在商業的に広く使用されているセパレーターフィルムのうち、最も薄い16μm厚のフィルムが使用される場合、破断点重量が350g以上で、全用途に安全に使用できる。
(2)気体透過度(Darcy’s permeability constant)が1.8×10−5Darcy以上である。
気体透過度は、高ければ高いほどよく、1.8×10−5Darcy以上である場合、多孔膜としての効率が非常に高くなり、電池内のイオン透過度及び充放電特性がよくなる。即ち、本発明による気体透過度が1.8×10−5Darcy以上のフィルムは、電池の高効率充放電など、充放電特性と低温特性、及び寿命に優れている。
(3)収縮率が横方向及び縦方向にそれぞれ4%以下である。
収縮率は、フィルムを105℃で10分間放置した後測定するもので、収縮率が高いと、電池の充放電時に発生する熱による収縮可能性が高くなり、電池の安定性を損なうようになる。収縮率は、低ければ低いほどよく、本発明によるフィルムは、収縮率が4%以下で、電池の自己発熱によりセパレーターが収縮され、電極が互いに当接し短絡が生じることを防ぎ、電池用セパレーターとして安全に使用できる。
このような物性的特性の他にも、本発明の高密度ポリエチレン微細多孔膜は、押出混練性及び延伸性に優れている。
以下、実施例を通じて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
ポリエチレンの分子量及び分子量分布の測定は、Polymer Laboratory社の高温GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定された。
希釈剤の粘度は、Cannon社のCAV−4自動動粘度計(Automatic Viscometer)で測定された。
ポリエチレンと希釈剤は、Φ=30mmの二軸コンパウンダーで混練された。押出温度は、160〜240℃であって、残留時間は、3分であった。押出された溶融物は、T字形ダイより押出されて、キャスティングロールにより厚さ600〜1200μmのシートに成形されて、これらは延伸に使用された。溶融及び混練不良によるゲルの存在有無を調べるために、200μm厚のフィルムを別に製作して、2000cm面積中のゲルの数を数えた。高品質の微細多孔膜の製造のためには、ゲルの数が2000cm当り20個以下でなければならない。
成形されたシートは、温度による結晶部分の溶ける現象を分析するために、DSC分析を行った。分析条件は、サンプル重量5mg、スキャン速度10℃/minであった。
シートの延伸は、テンタータイプの連続式延伸機で、延伸比、延伸温度、延伸速度を変化させながら同時延伸により進行されて、延伸温度は、DSC結果に基づいて、フィルム成形物内のポリエチレン結晶部分が30〜80重量%溶ける温度範囲で決定された。延伸の安定性は、30分間連続して延伸し、破断あるいはクリップにおける滑りが発生するかどうかにより延伸性を判断した。即ち、30分間延伸に問題がない場合を延伸性‘良’と表示して、30分間の連続延伸時、破断あるいはクリップにおける滑りにより1回以上の問題が発生する場合を‘不良’と表示した。
シートの冷却は、延伸機テンター内/外に設けられたAir nozzleを利用して行った。
希釈剤の抽出は、メチレンクロライドを利用し、浸漬方式により行った。
熱固定は、希釈剤が抽出されたフィルムを空気中で乾燥させた後、フィルムをテンタータイプの連続式フレームに固定させて、熱風オーブンで温度と時間を変化させながら行った。
製造されたフィルムは、微細多孔膜において最も重要な物性である引張強度、穿孔強度、気体透過度及び収縮率を測定し、その結果を表1に示した。
*物性測定方法
(1)引張強度は、ASTM D882で測定した。
(2)穿孔強度は、直径0.5mmのピンが120mm/minの速度でフィルムを破断させる時の強度で測定した。
(3)気体透過度は、孔隙測定機(porometer:PMI社のCFP-1500-AEL)で測定された。一般に、気体透過度は、Gurley numberで表示されるが、Gurley numberは、フィルム厚の影響が補正されず、フィルム自体の孔隙構造による相対的透過度が分かり難い。これを解決するために、本発明では、Darcy’s透過度常数を使用した。Darcy’s透過度常数は、下記数学式1から得られて、本発明では、窒素を使用した。
[数学式1]
C=(8FTV)/(πD(P−1))
ここで、C=Darcy透過度常数
F=流速
T=サンプル厚
V=気体の粘度(0.185 for N2)
D=サンプル直径
P=圧力
本発明では、100〜200psi領域で、Darcy’s透過度常数の平均値を使用した。
(4)収縮率は、フィルムを105℃で10分間放置した後、縦方向及び横方向の収縮を%で測定した。
(実施例1)
成分Iとして、重量平均分子量が3.0×10であって、分子量が10以下の分子の含量が4.2重量%で、且つ分子量が10以上の分子の含量が2.7重量%である、コモノマーを含んでいない高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が95cStであるパラフィンオイルが使用された。成分Iと成分IIの含量は、それぞれ30重量%、70重量%であった。
延伸は、ポリエチレンの結晶部分が30重量%溶ける温度である115℃で、延伸比36倍(縦方向×横方向=6×6)、延伸速度2.0m/minで行われた。冷却は、延伸されたフィルムの張力と延伸比が維持された状態で90℃で10秒間行われた。希釈剤が抽出されたフィルムは、空気中で乾燥過程を経た後、フレームに固定し、フィルムの結晶部分が20重量%溶ける温度である120℃で30秒間熱固定した。得られた最終フィルムの厚さは、16±1μmであった。
(実施例2)
成分Iとして、重量平均分子量が4.0×10であって、分子量が10以下の分子の含量が3.9重量%で、且つ分子量が10以上の分子の含量が4.2重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が0.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸後、冷却が90℃で15秒間であることを除いては、実施例1と同様に行った。実施例1のように、延伸時、結晶部分が溶ける比率を30重量%に合わせるために、延伸温度は114.5℃とした。
(実施例3)
成分Iとして、重量平均分子量が4.0×10であって、分子量が10以下の分子の含量が3.9重量%で、且つ分子量が10以上の分子の含量が4.2重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が0.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が95cStであるパラフィンオイルが使用された。成分Iと成分IIの含量は、それぞれ20重量%、80重量%であった。
延伸は、ポリエチレンの結晶部分が60重量%溶ける温度である117℃で、延伸比49倍(縦方向×横方向=7×7)、延伸速度2.0m/minで行われた。延伸後、冷却は、80℃で15秒間行われた。熱固定温度は、結晶が溶ける程度を10重量%に合わせるために、117℃として、時間は、80秒であった。
(実施例4)
成分Iとして、重量平均分子量が3.5×10であって、分子量が10以下の分子の含量が4.5重量%で、且つ分子量が10以上の分子の含量が3重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が1.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が160cStであるパラフィンオイルが使用された。成分Iと成分IIの含量は、それぞれ30重量%、70重量%であった。
延伸は、ポリエチレンの結晶部分が80重量%溶ける温度である120℃で、延伸比25倍(縦方向×横方向=5×5)、延伸速度2.0m/minで行われた。延伸後、冷却は、100℃で10秒間行われた。熱固定温度は、結晶が20重量%溶ける程度である119℃として、時間は、20秒であった。
(実施例5)
成分Iとして、実施例4で使用された高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が30cStであるパラフィンオイルが使用された。成分Iと成分IIの含量は、それぞれ50重量%、50重量%であった。
延伸は、ポリエチレンの結晶部分が50重量%溶ける温度である122℃で、延伸比35倍(縦方向×横方向=7×5)、延伸速度2.0m/minで行われた。延伸後、冷却は、60℃で10秒間行われた。熱固定温度は、結晶が30重量%溶ける程度である122℃として、時間は、20秒であった。
(比較例1)
成分Iとして、重量平均分子量が1.8×10であって、分子量が10以下の分子の含量が22.0重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が0.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸後、冷却をしなかったことを除いては、実施例1と同様に行った。実施例1のように、延伸時、結晶部分が溶ける比率を30重量%に合わせるために、延伸温度は114.5℃として、熱固定温度は、結晶が溶ける程度を20重量%に合わせるために、119℃とした。
(比較例2)
成分Iとして、重量平均分子量が5.7×10であって、分子量が10以下の分子の含量が9.0重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が0.8重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸後、冷却をしなかったことを除いては、実施例1と同様に行った。実施例1のように、延伸時、結晶部分が溶ける比率を30重量%に合わせるために、延伸温度は114.5℃として、熱固定温度は、結晶が溶ける程度を20重量%に合わせるために、119℃とした。
(比較例3)
成分Iとして、重量平均分子量が4.0×10であって、分子量が10以下の分子の含量が3.9重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が0.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が95cStであるパラフィンオイルが使用されて、成分Iと成分IIの含量は、それぞれ60重量%、40重量%であることを除いては、実施例1と同様に行われた。
実施例1のように、延伸時、結晶部分が溶ける比率を30重量%に合わせるために、延伸温度は120℃として、熱固定温度は、結晶が溶ける程度を20重量%に合わせるために、120℃とした。
(比較例4)
成分Iとして、重量平均分子量が4.0×10であって、分子量が10以下の分子の含量が3.9重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が0.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が95cStであるパラフィンオイルが使用されて、成分Iと成分IIの含量は、それぞれ13重量%、87重量%であることを除いては、実施例1と同様に行われた。
実施例1のように、延伸時、結晶部分が溶ける比率を30重量%に合わせるために、延伸温度は112℃として、熱固定温度は、結晶が溶ける程度を20重量%に合わせるために、120℃とした。
(比較例5)
成分Iとして、重量平均分子量が4.7×10であって、分子量が10以下の分子の含量が1.2重量%であり、コモノマーを含んでいない高密度ポリエチレンが使用されて、成分IIとしては、40℃動粘度が30cStであるパラフィンオイルが使用されて、成分Iと成分IIの含量は、それぞれ20重量%、80重量%であった。
延伸は、ポリエチレンの結晶部分が30重量%溶ける温度である113℃で、延伸比49倍(縦方向×横方向=7×7)、延伸速度2.0m/minで行われた。延伸後、冷却は、90℃で10秒間行われた。熱固定温度は、結晶が20重量%溶ける程度である120℃として、時間は、20秒であった。
(比較例6)
成分Iとして、重量平均分子量が3.5×10であって、分子量が10以下の分子の含量が4.5重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が1.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸が、ポリエチレンの結晶部分が5重量%溶ける温度である109℃で行われたことを除いては、実施例1と同様に行われた。熱固定温度も実施例1と同様に、結晶が溶ける程度を20重量%に合わせるために119℃とした。
(比較例7)
成分Iとして、重量平均分子量が3.5×10であって、分子量が10以下の分子の含量が4.5重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が1.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸が、ポリエチレンの結晶部分が85重量%溶ける温度である121℃で行われたことを除いては、実施例1と同様に行われた。熱固定温度も実施例1と同様に、結晶が溶ける程度を20重量%に合わせるために119℃とした。
(比較例8)
成分Iとして、重量平均分子量が3.5×10であって、分子量が10以下の分子の含量が4.5重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が1.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸が、ポリエチレンの結晶部分が40重量%溶ける温度である117℃で行われて、熱固定が、ポリエチレンの結晶部分が35重量%溶ける温度である127℃で行われたことを除いては、実施例1と同様に行った。
(比較例9)
成分Iとして、重量平均分子量が3.5×10であって、分子量が10以下の分子の含量が4.5重量%であり、コモノマーとしてブテン−1が1.5重量%使用された高密度ポリエチレンが使用されて、延伸は、ポリエチレンの結晶部分が30重量%溶ける温度である115℃で行われて、延伸比16倍(縦方向×横方向=4×4)であることを除いては、実施例1と同様に行われた。
(比較例10)
成分Iとして、重量平均分子量が8.8×10である超高分子量ポリエチレン25重量%と、重量平均分子量が1.8×10であるポリエチレン75重量%とがパウダー状態で混練されて使用されて、混合された成分Iにおいて、分子量が10以下の分子の含量は9.4重量%であり、コモノマーとしてブテン−1の含量は0.4重量%であった。成分IIとしては、40℃動粘度が95cStであるパラフィンオイルが使用されて、成分Iと成分IIの含量は、それぞれ30重量%、70重量%であった。
延伸は、ポリエチレンの結晶部分が30重量%溶ける温度である115℃で、延伸比56倍(縦方向×横方向=7.5×7.5)、延伸速度2.0m/minで行われた。延伸後、冷却は、90℃で10秒間行われた。熱固定は、結晶が20重量%溶ける温度である120℃として、時間は、30秒であった。
(比較例11)
冷却工程中、延伸段階の張力と延伸比がそのまま維持されていない状態で冷却させたことを除いては、実施例1と同様に行った。
上記実施例及び比較例の実験条件及びこれにより得られた結果を表1〜3に示した。
Figure 2008540794
Figure 2008540794
Figure 2008540794
本発明を詳細にまたは特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
[発明の効果]
前記表1〜3に示したように、本発明の方法により製造される高密度ポリエチレン微細多孔膜は、押出及び延伸が容易であって、安定した製品生産により生産性を高めることができて、生産された製品は、気体透過度が高く且つ引張強度及び穿孔強度に優れており、しかも収縮率も低いため、電池用セパレーター及び各種フィルターに有効に使用できる。
また、樹脂の分子量増加は、分子間の絡み合い増加により、シートの剛性が増加して、これにより延伸時、負荷が増加して、シートを延伸するクリップで滑りが発生し得る。また、シートの強度増加により、低延伸比において未延伸が発生し得る。しかしながら、延伸比の増加は、生産される微細多孔膜の収縮率が高くなり、延伸機クリップの負荷も増加するため、大きく高めることが難しい。これを解決する方法は、延伸温度を高め、延伸時、シートに軟質性を持たせるか、延伸速度を低め、組成物の温度を高めたのと同様な効果を得る方法である。しかしながら、このようにすると、逆に、延伸時、樹脂の配向(orientation)が少なくなり、延伸効果が低下して最終多孔膜の物性が低下する問題が生じる。延伸速度の減少は、生産性も低下させるため、好ましくない。
延伸過程で現れるもう一つの問題は、延伸が終わって、延伸時の張力がなくなった後のフィルムの収縮である。即ち、延伸されたフィルムは、残留応力により延伸力がなくなった後、フィルムが冷却されるまで収縮が発生する。この収縮は、フィルムの特性に二つの悪い影響を及ぼす。一つは、フィルムの収縮によりポアーが目詰まって、分離膜の最も重要な物性の一つの気体透過度が低下することである。気体透過度の低いフィルムを電池に使用する場合、電池の充放電サイクル特性を低下させるようになる。フィルム冷却時、収縮が与えるもう一つの影響は、フィルムの実際延伸を減少させることである。フィルムの物性のうち、剛性は、延伸によるポリマー分子の方向性により大きく増加される。したがって、実際延伸比の減少は、延伸時、分子の方向性を少なくして、フィルムの物性を低下させるようになる。
本発明で使用される希釈剤としては、押出温度で樹脂と単一相をなすあらゆる有機液状化合物が可能である。その例としては、ノナン、デカン、デカリン、パラフィンオイルなどの脂肪族あるいは環式炭化水素と、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステルがある。好ましくは、人体に無害で、沸点が高く、揮発性成分の少ないパラフィンオイルが好ましく、さらに好ましくは、40℃における動粘度が20〜200cStであるパラフィンオイルが好ましい。パラフィンオイルの動粘度が200cStを超過すると、押出工程における動粘度が高く、負荷上昇、シート及びフィルムの表面不良などの問題が生じ、抽出工程では、抽出が難しくなり生産性が低下して、残留オイルによる透過度減少などの問題が発生する。パラフィンオイルの動粘度が20cSt未満であると、押出機内において、ポリエチレンメルトとの粘度差により、押出加工時、混練が難しくなる。
前記組成物は、希釈剤とポリエチレンとの混練のためにデザインされた二軸コンパウンダー、混練機、あるいはバンバリーミキサーなどを利用して溶融押出して、シート状の成形物を製造する。ポリエチレンと希釈剤は、予めブレンディングされてコンパウンダーに投入されるか、分離された供給機からそれぞれ投入される。溶融物からシート状の成形物を製造する方法としては、一般的なキャスティング(casting)あるいはカレンダリング(calendaring)方法のいずれも使用できる。
次に、延伸過程は、テンタータイプの同時延伸により行うことが好ましい。ロールタイプの延伸は、延伸過程でフィルム表面にスクラッチなどの欠点が生じえる。一般に知られたように、前記ロールタイプの延伸がこのような欠点を有するとしても、延伸過程は、ロールタイプまたはテンタータイプの連続または同時延伸により行われることが好ましい。ここで、延伸比は、縦方向及び横方向にそれぞれ4倍以上であり、総延伸比は、25〜50倍であることが好ましい。一方向の延伸比が4倍未満である場合は、一方向の配向が十分ではなく、且つ縦方向及び横方向間の物性均衡が崩れ、引張強度及び穿孔強度などが低下する。また、総延伸比が25倍未満であると、未延伸が発生し、50倍を超過すると、延伸中、破断が発生する可能性が高く、最終フィルムの収縮率が増加する短所がある。
乾燥されたフィルムは、最後に、残留応力を除去し最終フィルムの収縮率を減少させるために、熱固定過程を経る。熱固定は、フィルムを固定させて熱を加え、収縮しようとするフィルムを強制に固定し、残留応力を除去することである。熱固定温度は、高いほど収縮率を低めるに有利であるが、高すぎる場合は、フィルムが部分的に溶けて、形成された微細多孔が目詰まって、透過度が低下する。好ましい熱固定温度は、フィルムの結晶部分の10〜30重量%が溶ける温度範囲で選択することが好ましい。前記熱固定温度が、前記フィルムの結晶部分の10重量%が溶ける温度より低い温度範囲から選択されると、フィルム内のポリエチレン分子のリラクゼーション(relaxation)が十分ではなくて、フィルムの残留応力除去効果が得られなく、フィルムの結晶部分の30重量%が溶ける温度より高い温度範囲で選択されると、部分的溶融により微細多孔が目詰まって、透過度が低下される。
(1)穿孔強度が0.22N/μm以上である。
穿孔強度は、鋭い物質に対するフィルムの強度を示すもので、電池用セパレーターとして使用される場合、穿孔強度が十分ではないと、電極の表面異常や、電池使用中に電極表面から発生するデンドライト(dendrite)によりフィルムが破 れて、短絡(short)が生じえる。商業的に使用される電池用セパレーターは、破断点重量が350g以下である場合、短絡による安全性が問題となる。本発明による穿孔強度が0.22N/μmを超えるフィルムは、現在商業的に広く使用されているセパレーターフィルムのうち、16μm厚のフィルムが使用される場合、破断点重量が350g以上で、全用途に安全に使用できる。
シートの延伸は、テンタータイプの連続式延伸機で、延伸比、延伸温度、延伸速度を変化させながら同時延伸により進行されて、延伸温度は、DSC結果に基づいて、シート内のポリエチレン結晶部分が30〜80重量%溶ける温度範囲で決定された。延伸の安定性は、30分間連続して延伸し、破断あるいはクリップにおける滑りが発生するかどうかにより延伸性を判断した。即ち、30分間延伸に問題がない場合を延伸性‘良’と表示して、30分間の連続延伸時、破断あるいはクリップにおける滑りにより1回以上の問題が発生する場合を‘不良’と表示した。
延伸されたシートの冷却は、延伸機テンター内/外に設けられたAir nozzleを利用して行った。
*物性測定方法
(1)引張強度は、ASTM D882で測定した。
(2)穿孔強度は、直径0.5mmのピンが120mm/minの速度でフィルムを破断させる時の強度で測定した。
(3)気体透過度は、孔隙測定機(porometer:PMI社のCFP-1500-AEL)で測定された。一般に、気体透過度は、Gurley numberで表示されるが、Gurley numberは、フィルム厚の影響が反映されず、相対的透過度が分かり難い。これを解決するために、本発明では、Darcy’s透過度常数を使用した。Darcy’s透過度常数は、下記数学式1から得られて、本発明では、窒素を使用した。
[数学式1]
C=(8FTV)/(πD(P−1))
ここで、C=Darcy透過度常数
F=流速
T=サンプル厚
V=気体の粘度(0.185 for N2)
D=サンプル直径 P=圧力
本発明では、100〜200psi領域で、Darcy’s透過度常数の平均値を使用した。
(4)収縮率は、フィルムを105℃で10分間放置した後、縦方向及び横方向の収縮を%で測定した。
Figure 2008540794
Figure 2008540794
Figure 2008540794
Figure 2008540794

Claims (6)

  1. (a)重量平均分子量が2×10〜4×10であって、分子量が1×10以下の分子の含量が5重量%以下で、且つ1×10以上の分子の含量が5重量%以下である高密度ポリエチレン(成分I)20〜50重量%と、希釈剤(diluent;成分II)80〜50重量%とからなる組成物を溶融押出し、シートに成形するステップと、
    (b)前記シートの結晶部分の30〜80重量%が溶ける温度範囲で、前記シートをテンタータイプの同時延伸により縦方向及び横方向にそれぞれ4倍以上、総延伸比25〜50倍になるように延伸して、フィルムに成形するステップと、
    (c)前記フィルムを、延伸が終わり且つ延伸中の張力がそのまま保持される状態で冷却するステップと、
    (d)前記フィルムから希釈剤を抽出するステップと、
    (e)前記フィルムの結晶部分の10〜30重量%が溶ける温度範囲で、前記フィルムを熱固定するステップと、から製造され、
    穿孔強度が0.22N/μm以上、気体透過度(Darcy’s permeability constant)が1.8×10−5Darcy以上、収縮率が横方向及び縦方向にそれぞれ4%以下であることを特徴とする、高密度ポリエチレン微細多孔膜の製造方法。
  2. 前記成分I は、2重量%以下のコモノマーを含有し、前記コモノマーは、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、または4−メチルペンテン−1であることを特徴とする、請求項1に記載の高密度ポリエチレン微細多孔膜の製造方法。
  3. 前記成分IIは、40℃動粘度が20〜200cStであるパラフィンオイルであることを特徴とする、請求項1に記載の高密度ポリエチレン微細多孔膜の製造方法。
  4. 前記(c)ステップの冷却時、冷却温度は、常温より高く且つ延伸されたフィルムの結晶化温度よりは低く、冷却時間は、5〜30秒であることを特徴とする、請求項1に記載の高密度ポリエチレン微細多孔膜の製造方法。
  5. 前記(d)ステップの抽出時、前記フィルムに残留する希釈剤含量は、1重量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の高密度ポリエチレン微細多孔膜の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つの項に記載の製造方法により製造されて、穿孔強度が0.22N/μm以上、気体透過度が1.8×10−5Darcy以上、収縮率が横方向及び縦方向にそれぞれ4%以下であることを特徴とする、高密度ポリエチレン微細多孔膜。
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