JPH093228A - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法Info
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- JPH093228A JPH093228A JP17810595A JP17810595A JPH093228A JP H093228 A JPH093228 A JP H093228A JP 17810595 A JP17810595 A JP 17810595A JP 17810595 A JP17810595 A JP 17810595A JP H093228 A JPH093228 A JP H093228A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 突刺強度が大きく裂けにくいポリオレフィ
ン微多孔膜の製造方法を提供する。 【構成】 超高分子量ポリオレフィンを含有し、分子
量分布が広い(Mw/Mnが大きい)ポリオレフィンの
溶液を冷却することによりゲル状成形物を形成し、得ら
れたゲル状成形物を特定の延伸温度で、縦横方向の延伸
倍率とその比が特定の範囲となるように延伸するポリオ
レフィン微多孔膜の製造方法。
ン微多孔膜の製造方法を提供する。 【構成】 超高分子量ポリオレフィンを含有し、分子
量分布が広い(Mw/Mnが大きい)ポリオレフィンの
溶液を冷却することによりゲル状成形物を形成し、得ら
れたゲル状成形物を特定の延伸温度で、縦横方向の延伸
倍率とその比が特定の範囲となるように延伸するポリオ
レフィン微多孔膜の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量ポリオレフ
ィンを含有するポリオレフィンの微多孔膜及びその製造
方法に関し、特に、突刺強度が大きく裂けにくいポリオ
レフィン微多孔膜の製造方法に関する。
ィンを含有するポリオレフィンの微多孔膜及びその製造
方法に関し、特に、突刺強度が大きく裂けにくいポリオ
レフィン微多孔膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微多孔膜は、電池用セパレータ
ー、電解コンデンサー用隔膜、各種フィルター、透湿防
水衣料、逆浸透濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等の各
種用途に用いられている。
ー、電解コンデンサー用隔膜、各種フィルター、透湿防
水衣料、逆浸透濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等の各
種用途に用いられている。
【0003】最近、高強度及び高弾性のフィルムに成形
し得る超高分子量ポリオレフィンを用いた高強度の微多
孔膜が種々提案されている。例えば、重量平均分子量
が、5×105 以上の超高分子量ポリオレフィンを溶媒
中で加熱溶解した溶液からゲル状シートを形成し、前記
ゲル状シート中の溶媒量を脱溶媒処理により調整し、次
いで加熱延伸した後、残留溶媒を除去することにより、
超高分子量ポリオレフィンの微多孔膜を製造する方法が
種々提案されている(特開昭60−242035号、特
開昭61−495132号、特開昭61−195133
号、特開昭63−39602号、特開昭63−2736
51号)。
し得る超高分子量ポリオレフィンを用いた高強度の微多
孔膜が種々提案されている。例えば、重量平均分子量
が、5×105 以上の超高分子量ポリオレフィンを溶媒
中で加熱溶解した溶液からゲル状シートを形成し、前記
ゲル状シート中の溶媒量を脱溶媒処理により調整し、次
いで加熱延伸した後、残留溶媒を除去することにより、
超高分子量ポリオレフィンの微多孔膜を製造する方法が
種々提案されている(特開昭60−242035号、特
開昭61−495132号、特開昭61−195133
号、特開昭63−39602号、特開昭63−2736
51号)。
【0004】しかしながら、上記超高分子量ポリオレフ
ィン微多孔膜の製造方法は、いずれも超高分子量ポリオ
レフィンを2軸延伸するために、ポリオレフィンのある
程度稀薄な溶液を調製する必要があり、このため得られ
た溶液は、シート成形するダイス出口でスウェルやネッ
クインが大きく、シート成形が困難であり、さらにシー
ト中には溶媒が過剰に含まれているため、そのまま延伸
しても目的の微多孔膜は得られないので脱溶媒処理して
シート中の溶媒量を調整する必要がある等、生産性にお
いて問題があった。
ィン微多孔膜の製造方法は、いずれも超高分子量ポリオ
レフィンを2軸延伸するために、ポリオレフィンのある
程度稀薄な溶液を調製する必要があり、このため得られ
た溶液は、シート成形するダイス出口でスウェルやネッ
クインが大きく、シート成形が困難であり、さらにシー
ト中には溶媒が過剰に含まれているため、そのまま延伸
しても目的の微多孔膜は得られないので脱溶媒処理して
シート中の溶媒量を調整する必要がある等、生産性にお
いて問題があった。
【0005】このような問題を解決する方法として、本
発明者らが、超高分子量ポリオレフィンを含有し、重量
平均分子量/数平均分子量(以下「Mw/Mn」とい
う)が特定の範囲内にある組成物を用いたポリオレフィ
ン微多孔膜及びその製造方法を提案した(特開平3−6
4334号)。この方法により、延伸性が良好で、高濃
度溶液のポリオレフィンからポリオレフィン微多孔膜を
製造することが可能となった。
発明者らが、超高分子量ポリオレフィンを含有し、重量
平均分子量/数平均分子量(以下「Mw/Mn」とい
う)が特定の範囲内にある組成物を用いたポリオレフィ
ン微多孔膜及びその製造方法を提案した(特開平3−6
4334号)。この方法により、延伸性が良好で、高濃
度溶液のポリオレフィンからポリオレフィン微多孔膜を
製造することが可能となった。
【0006】しかしながら、上記の方法によるポリオレ
フィン微多孔膜も、特に電池やコンデンサーのセパレー
ターとして用いる場合には突刺強度を大きくすることが
必要であった。この突刺強度を向上させるために配向度
を高める一方向への高倍率の延伸は、微多孔膜を裂けや
すくしたり又は伸びを生じやすくさせたりする。この微
多孔膜は、電池やコンデンサーのセパレーターとして用
いる時やその製造工程において内部短絡の原因となる恐
れがある。特に、充電式の二次電池のセパレーターとし
て用いると、電極の体積変化によりセパレーターが破れ
内部短絡の原因となる恐れがあり安全上問題となる。
フィン微多孔膜も、特に電池やコンデンサーのセパレー
ターとして用いる場合には突刺強度を大きくすることが
必要であった。この突刺強度を向上させるために配向度
を高める一方向への高倍率の延伸は、微多孔膜を裂けや
すくしたり又は伸びを生じやすくさせたりする。この微
多孔膜は、電池やコンデンサーのセパレーターとして用
いる時やその製造工程において内部短絡の原因となる恐
れがある。特に、充電式の二次電池のセパレーターとし
て用いると、電極の体積変化によりセパレーターが破れ
内部短絡の原因となる恐れがあり安全上問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、突刺強度が大きく裂けにくいポリオレフィン微多孔
膜の製造方法を提供することである。
は、突刺強度が大きく裂けにくいポリオレフィン微多孔
膜の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、超高分子量ポリオレフィンを含
有し、分子量分布が広い(Mw/Mnが大きい)ポリオ
レフィンからなるゲル状成形物を特定の延伸温度で、延
伸倍率とその比とを特定の範囲で延伸することにより得
られる微多孔膜は、突刺強度が大きく裂けにくいことを
見出し、本発明に想到した。
の結果、本発明者らは、超高分子量ポリオレフィンを含
有し、分子量分布が広い(Mw/Mnが大きい)ポリオ
レフィンからなるゲル状成形物を特定の延伸温度で、延
伸倍率とその比とを特定の範囲で延伸することにより得
られる微多孔膜は、突刺強度が大きく裂けにくいことを
見出し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明のポリオレフィン微多孔
膜を製造する方法は、重量平均分子量が7×105 以上
の超高分子量ポリオレフィンを1重量%以上含有し、M
w/Mnが10〜300のポリオレフィン10〜50重
量%と、溶媒50〜90重量%とからなる溶液を調製
し、前記溶液をダイより押出し、冷却してゲル状成形物
を形成し、前記ゲル状成形物を前記ポリオレフィンの結
晶分散温度以上融点+10℃以下の温度でλmとλtと
の比λm/λtが0.5以上3以下で、かつλm及びλ
tが2以上となるように延伸することを特徴とする。
膜を製造する方法は、重量平均分子量が7×105 以上
の超高分子量ポリオレフィンを1重量%以上含有し、M
w/Mnが10〜300のポリオレフィン10〜50重
量%と、溶媒50〜90重量%とからなる溶液を調製
し、前記溶液をダイより押出し、冷却してゲル状成形物
を形成し、前記ゲル状成形物を前記ポリオレフィンの結
晶分散温度以上融点+10℃以下の温度でλmとλtと
の比λm/λtが0.5以上3以下で、かつλm及びλ
tが2以上となるように延伸することを特徴とする。
【0010】本発明を以下詳細に説明する。
【0011】本発明の方法において製造するポリオレフ
ィン微多孔膜は、重量平均分子量7×105 以上の超高
分子量ポリオレフィンを1重量%以上含有し、Mw/M
nが10〜300のポリオレフィンからなる。
ィン微多孔膜は、重量平均分子量7×105 以上の超高
分子量ポリオレフィンを1重量%以上含有し、Mw/M
nが10〜300のポリオレフィンからなる。
【0012】上記ポリオレフィンのMw/Mnは10〜
300、好ましくは12〜250である。Mw/Mnが
10未満では、平均分子鎖長が大きく、溶解時の分子鎖
同士の絡み合い密度が高くなるため、高濃度溶液の調製
が困難である。又、Mw/Mnが300を超えると、延
伸時に低分子量成分の破断が起こり膜全体の強度が低下
する。
300、好ましくは12〜250である。Mw/Mnが
10未満では、平均分子鎖長が大きく、溶解時の分子鎖
同士の絡み合い密度が高くなるため、高濃度溶液の調製
が困難である。又、Mw/Mnが300を超えると、延
伸時に低分子量成分の破断が起こり膜全体の強度が低下
する。
【0013】なお、Mw/Mnは、分子量分布の尺度と
して用いられているものであり、この分子量の比が大き
くなるほど分子量分布の幅は拡大する。すなわち重量平
均分子量の異なるポリオレフィンからなる組成物の場
合、組成物の分子量の比が大きいほど、配合するポリオ
レフィンの重量平均分子量の差が大きく、又、逆に組成
物の分子量の比が小さいほど、配合するポリオレフィン
の重量平均分子量の差が小さいことを示している。又、
単独のポリオレフィンの場合、分子量の比はその分布の
広がりを示し、その値が大きいほど分子量分布が広がっ
ていることを示している。
して用いられているものであり、この分子量の比が大き
くなるほど分子量分布の幅は拡大する。すなわち重量平
均分子量の異なるポリオレフィンからなる組成物の場
合、組成物の分子量の比が大きいほど、配合するポリオ
レフィンの重量平均分子量の差が大きく、又、逆に組成
物の分子量の比が小さいほど、配合するポリオレフィン
の重量平均分子量の差が小さいことを示している。又、
単独のポリオレフィンの場合、分子量の比はその分布の
広がりを示し、その値が大きいほど分子量分布が広がっ
ていることを示している。
【0014】本発明においては、ポリオレフィンのMw
/Mnを10〜300と、通常の超高分子量ポリオレフ
ィン自身のMw/Mn(通常6程度)よりも大きく設定
している。この結果、分子量分布は低分子量側へと広が
りをみせるため、高濃度のポリオレフィン溶液の調製が
可能となる。
/Mnを10〜300と、通常の超高分子量ポリオレフ
ィン自身のMw/Mn(通常6程度)よりも大きく設定
している。この結果、分子量分布は低分子量側へと広が
りをみせるため、高濃度のポリオレフィン溶液の調製が
可能となる。
【0015】又、上記ポリオレフィン中に分子量7×1
05 以上の成分が1重量%未満では、延伸性の向上に寄
与する超高分子量ポリオレフィンの分子鎖の絡み合いが
ほとんど形成されず、高強度の微多孔膜を得ることがで
きない。一方、超高分子量の含有率の上限は特に限定的
ではないが、90重量%を超えるとポリオレフィン溶液
の高濃度化の達成が困難となるため好ましくない。
05 以上の成分が1重量%未満では、延伸性の向上に寄
与する超高分子量ポリオレフィンの分子鎖の絡み合いが
ほとんど形成されず、高強度の微多孔膜を得ることがで
きない。一方、超高分子量の含有率の上限は特に限定的
ではないが、90重量%を超えるとポリオレフィン溶液
の高濃度化の達成が困難となるため好ましくない。
【0016】このポリオレフィンは、上記分子量及び分
子量分布を有していれば、単独のポリオレフィン(混合
物でないもの)か、2種以上のポリオレフィンからなる
組成物のどちらでもよい。
子量分布を有していれば、単独のポリオレフィン(混合
物でないもの)か、2種以上のポリオレフィンからなる
組成物のどちらでもよい。
【0017】単独のポリオレフィンの場合、例えば重量
平均分子量7×105 以上の超高分子量ポリオレフィン
を1重量%以上含有し、Mw/Mnが10〜300とな
るように多段重合することにより製造することができ
る。多段重合としては、二段重合により高分子量部分と
低分子量部分とを製造するのが好ましい。
平均分子量7×105 以上の超高分子量ポリオレフィン
を1重量%以上含有し、Mw/Mnが10〜300とな
るように多段重合することにより製造することができ
る。多段重合としては、二段重合により高分子量部分と
低分子量部分とを製造するのが好ましい。
【0018】又、ポリオレフィン組成物(混合物)の場
合、重量平均分子量7×105 以上の超高分子量ポリオ
レフィンと、重量平均分子量7×105 未満のポリオレ
フィンとをMw/Mnが上記範囲となるように適量混合
することによって得ることができる。
合、重量平均分子量7×105 以上の超高分子量ポリオ
レフィンと、重量平均分子量7×105 未満のポリオレ
フィンとをMw/Mnが上記範囲となるように適量混合
することによって得ることができる。
【0019】組成物の場合、超高分子量ポリオレフィン
は、重量平均分子量7×105 以上、好ましくは1×1
06 から15×106 のものである。重量平均分子量が
7×105 未満では、最大延伸率が低く、目的の微多孔
膜が得られない。一方、上限は特に限定的ではないが1
5×106 を超えるものは、ゲル状成形物の形成におい
て、成形性に劣る。
は、重量平均分子量7×105 以上、好ましくは1×1
06 から15×106 のものである。重量平均分子量が
7×105 未満では、最大延伸率が低く、目的の微多孔
膜が得られない。一方、上限は特に限定的ではないが1
5×106 を超えるものは、ゲル状成形物の形成におい
て、成形性に劣る。
【0020】このような超高分子量ポリオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン等を重合した結晶性の単
独重合体、又は共重合体及びこれらのブレンド物等が挙
げられる。これらのうち超高分子量ポリエチレン、特に
高密度の超高分子量ポリエチレンが好ましい。
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン等を重合した結晶性の単
独重合体、又は共重合体及びこれらのブレンド物等が挙
げられる。これらのうち超高分子量ポリエチレン、特に
高密度の超高分子量ポリエチレンが好ましい。
【0021】又、前記ポリオレフィン組成物中の超高分
子量ポリオレフィン以外のポリオレフィンは、重量平均
分子量7×105 未満のものであるが、分子量の下限と
しては1×104 以上のものが好ましい。重量平均分子
量が1×104 未満のポリオレフィンを用いると、延伸
時に破断が起こりやすく、目的の微多孔膜が得られない
ので好ましくない。特に、重量平均分子量が1×105以
上7×10 5未満のポリオレフィンを超高分子量ポリオ
レフィンに配合するのが好ましい。
子量ポリオレフィン以外のポリオレフィンは、重量平均
分子量7×105 未満のものであるが、分子量の下限と
しては1×104 以上のものが好ましい。重量平均分子
量が1×104 未満のポリオレフィンを用いると、延伸
時に破断が起こりやすく、目的の微多孔膜が得られない
ので好ましくない。特に、重量平均分子量が1×105以
上7×10 5未満のポリオレフィンを超高分子量ポリオ
レフィンに配合するのが好ましい。
【0022】このようなポリオレフィンとしては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン等を重合した結晶性の単独重合体、
又は共重合体及びこれらのブレンド物等が挙げられる。
特に、エチレンを主体とする重合体である高密度ポリエ
チレンが好ましい。
レン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン等を重合した結晶性の単独重合体、
又は共重合体及びこれらのブレンド物等が挙げられる。
特に、エチレンを主体とする重合体である高密度ポリエ
チレンが好ましい。
【0023】尚、上述したようなポリオレフィンには、
必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アン
チブロック剤、顔料、染料、無機充填剤等の各種添加剤
を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができ
る。
必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アン
チブロック剤、顔料、染料、無機充填剤等の各種添加剤
を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができ
る。
【0024】次に、上述したようなポリオレフィンか
ら、ポリオレフィン微多孔膜を製造する本発明の方法に
ついて以下説明する。
ら、ポリオレフィン微多孔膜を製造する本発明の方法に
ついて以下説明する。
【0025】本発明において、原料となるポリオレフィ
ンの高濃度溶液は、上述のポリオレフィンを溶媒に加熱
溶解することにより調製する。
ンの高濃度溶液は、上述のポリオレフィンを溶媒に加熱
溶解することにより調製する。
【0026】この溶媒としては、ポリオレフィンを十分
に溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、
ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィ
ン等の脂肪族又は環式の炭化水素、あるいは沸点がこれ
らに対応する鉱油留分等が挙げられるが、溶媒含有量が
安定なゲル状成形物を得るためには流動パラフィンのよ
うな不揮発生の溶媒が好ましい。
に溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、
ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィ
ン等の脂肪族又は環式の炭化水素、あるいは沸点がこれ
らに対応する鉱油留分等が挙げられるが、溶媒含有量が
安定なゲル状成形物を得るためには流動パラフィンのよ
うな不揮発生の溶媒が好ましい。
【0027】加熱溶解は、ポリオレフィンが溶媒中で完
全に溶解する温度で攪拌しながら行う。その温度は使用
する重合体及び溶媒により異なるが、例えば、ポリエチ
レンの場合には140〜250℃の範囲である。又、ポ
リオレフィン溶液の濃度は、10〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%である。濃度が10重量%未満で
は、使用する溶媒量が多く経済的でないばかりか、シー
ト状に成形する際に、ダイス入口でスウェルやネックイ
ンが大きくシートの成形が困難となる。一方、濃度が5
0重量%を超えると、均一な溶液の調製が困難となる。
尚、加熱溶解にあたってはポリオレフィンの酸化を防止
するために酸化防止剤を添加するのが好ましい。
全に溶解する温度で攪拌しながら行う。その温度は使用
する重合体及び溶媒により異なるが、例えば、ポリエチ
レンの場合には140〜250℃の範囲である。又、ポ
リオレフィン溶液の濃度は、10〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%である。濃度が10重量%未満で
は、使用する溶媒量が多く経済的でないばかりか、シー
ト状に成形する際に、ダイス入口でスウェルやネックイ
ンが大きくシートの成形が困難となる。一方、濃度が5
0重量%を超えると、均一な溶液の調製が困難となる。
尚、加熱溶解にあたってはポリオレフィンの酸化を防止
するために酸化防止剤を添加するのが好ましい。
【0028】次に、このポリオレフィンの加熱溶液をダ
イスから押し出して成形する。ダイスは、通常長方形の
口金形状をしたシートダイスが用いられるが、2重円筒
状のインフレーションダイス等も用いることができる。
シートダイスを用いた場合のダイスギャップは通常0.
1〜5mmであり、押し出し成形温度は140〜250
℃である。この際押し出し速度は、通常20〜30cm
/分及至2〜3m/分である。
イスから押し出して成形する。ダイスは、通常長方形の
口金形状をしたシートダイスが用いられるが、2重円筒
状のインフレーションダイス等も用いることができる。
シートダイスを用いた場合のダイスギャップは通常0.
1〜5mmであり、押し出し成形温度は140〜250
℃である。この際押し出し速度は、通常20〜30cm
/分及至2〜3m/分である。
【0029】このようにしてダイスから押し出された溶
液は、冷却することによりゲル状物に成形される。冷却
は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以上の速
度で行うのが好ましい。一般に冷却速度が遅いと、得ら
れるゲル状物の高次構造が粗くなり、それを形成する疑
似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が速いと、
密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分未満では、
結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状成形物となりに
くい。従って、冷却速度を調整することにより、得られ
る微多孔膜の孔径を変化させることができる。
液は、冷却することによりゲル状物に成形される。冷却
は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以上の速
度で行うのが好ましい。一般に冷却速度が遅いと、得ら
れるゲル状物の高次構造が粗くなり、それを形成する疑
似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が速いと、
密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分未満では、
結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状成形物となりに
くい。従って、冷却速度を調整することにより、得られ
る微多孔膜の孔径を変化させることができる。
【0030】冷却方法としては、冷風、冷却水、その他
の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロー
ルに接触させる方法等を用いることができる。尚、ダイ
スから押し出された溶液は、冷却前あるいは冷却中に、
1〜10好ましくは1〜5の引取比で引き取ってもよ
い。引取比が10以上になるとネックインが大きくな
り、又、延伸時に破断を起こしやすくなり好ましくな
い。
の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロー
ルに接触させる方法等を用いることができる。尚、ダイ
スから押し出された溶液は、冷却前あるいは冷却中に、
1〜10好ましくは1〜5の引取比で引き取ってもよ
い。引取比が10以上になるとネックインが大きくな
り、又、延伸時に破断を起こしやすくなり好ましくな
い。
【0031】次に、このゲル状成形物に対して延伸を行
う。延伸は、ゲル状成形物を加熱し、2軸延伸で行う。
2軸延伸では、縦横同時延伸又は逐次延伸のいずれでも
よい。
う。延伸は、ゲル状成形物を加熱し、2軸延伸で行う。
2軸延伸では、縦横同時延伸又は逐次延伸のいずれでも
よい。
【0032】延伸温度は、ポリオレフィンの結晶分散温
度以上融点+10℃以下、好ましくは結晶分散温度から
融点未満の範囲である。例えば、超高分子量ポリエチレ
ン含有ポリエチレンの場合は90〜140℃で、より好
ましくは、100〜130℃の範囲である。延伸温度が
融点+10℃を超える場合は、樹脂の溶融により延伸に
よる分子鎖の配向ができない。又、延伸温度が結晶分散
温度未満では、樹脂の軟化が不十分で、延伸において破
膜し易く、高倍率の延伸ができない。
度以上融点+10℃以下、好ましくは結晶分散温度から
融点未満の範囲である。例えば、超高分子量ポリエチレ
ン含有ポリエチレンの場合は90〜140℃で、より好
ましくは、100〜130℃の範囲である。延伸温度が
融点+10℃を超える場合は、樹脂の溶融により延伸に
よる分子鎖の配向ができない。又、延伸温度が結晶分散
温度未満では、樹脂の軟化が不十分で、延伸において破
膜し易く、高倍率の延伸ができない。
【0033】尚、「結晶分散温度」とは、結晶内の分子
鎖のミクロブラウン運動が活発になる温度で、動的粘弾
性測定により測定する。ここで、「動的粘弾性」とは、
粘弾性体に定常的な正弦波の歪みを与えて正弦波の応力
を測定したり、逆に、応力に対する歪みを測定して求め
る。又、「融点」は、ポリオレフィンが結晶状態から液
体状態へ転移する温度で、示差走査熱量計により測定す
る。
鎖のミクロブラウン運動が活発になる温度で、動的粘弾
性測定により測定する。ここで、「動的粘弾性」とは、
粘弾性体に定常的な正弦波の歪みを与えて正弦波の応力
を測定したり、逆に、応力に対する歪みを測定して求め
る。又、「融点」は、ポリオレフィンが結晶状態から液
体状態へ転移する温度で、示差走査熱量計により測定す
る。
【0034】延伸速度は、所定の延伸倍率になるように
設定され、通常は0.1〜100m/分である。
設定され、通常は0.1〜100m/分である。
【0035】延伸倍率は、λmとλtとの比λm/λt
が0.5以上3以下で、かつλm及びλtのそれぞれが
2以上である。好ましくは、λm/λtが1以上3以下
で、かつλm及びλtが3〜30、面倍率(λm×λ
t)が10以上、より好ましくは15〜400である。
λm/λtが0.5未満では、縦方向の延伸が横方向の
延伸に比べて不十分であり、縦方向の引張破断強度(以
下「Sm」という)が不十分となり、突刺強度が小さく
横裂けが生じやすくなる。一方、λm/λtが3を超え
る場合は、横方向の延伸が縦方向の延伸に比べて不十分
であり、横方向の引張破断強度(以下「St」という)
が不十分となり突刺強度が小さく縦裂けが生じやすくな
る。又、λm及びλtのそれぞれが2未満では延伸が不
十分で高弾性、高強度の微多孔膜が得られない。又、面
倍率が10未満でも上記と同様の理由で好ましくない。
が0.5以上3以下で、かつλm及びλtのそれぞれが
2以上である。好ましくは、λm/λtが1以上3以下
で、かつλm及びλtが3〜30、面倍率(λm×λ
t)が10以上、より好ましくは15〜400である。
λm/λtが0.5未満では、縦方向の延伸が横方向の
延伸に比べて不十分であり、縦方向の引張破断強度(以
下「Sm」という)が不十分となり、突刺強度が小さく
横裂けが生じやすくなる。一方、λm/λtが3を超え
る場合は、横方向の延伸が縦方向の延伸に比べて不十分
であり、横方向の引張破断強度(以下「St」という)
が不十分となり突刺強度が小さく縦裂けが生じやすくな
る。又、λm及びλtのそれぞれが2未満では延伸が不
十分で高弾性、高強度の微多孔膜が得られない。又、面
倍率が10未満でも上記と同様の理由で好ましくない。
【0036】従って、突刺強度が大きくなり縦裂けも横
裂けもしにくい本発明のポリオレフィン微多孔膜を得る
には、バランスよく配向度を高くすることである。上記
の延伸倍率とその比により微多孔膜の引張破断強度を向
上させるとともにそのSmをStより大きくし、かつそ
の比Sm/Stを特定する範囲とすることになる。例え
ば、その比Sm/Stは5以下で、さらには0.5〜3
が好ましい。
裂けもしにくい本発明のポリオレフィン微多孔膜を得る
には、バランスよく配向度を高くすることである。上記
の延伸倍率とその比により微多孔膜の引張破断強度を向
上させるとともにそのSmをStより大きくし、かつそ
の比Sm/Stを特定する範囲とすることになる。例え
ば、その比Sm/Stは5以下で、さらには0.5〜3
が好ましい。
【0037】得られた延伸成形物は、溶剤で洗浄し残留
する溶媒を除去する。洗浄溶剤としては、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化
炭素等の塩素化炭化水素、三フッ化エタン等のフッ化炭
化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類
等の易揮発生のものを用いることができる。これらの溶
媒はポリオレフィンの溶解に用いた溶媒に応じて適宜選
択し、単独もしくは混合して用いる。洗浄方法は、溶剤
に浸漬し抽出する方法、溶剤をシャワーする方法、又
は、これらの組み合わせによる方法等により行うことが
できる。
する溶媒を除去する。洗浄溶剤としては、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化
炭素等の塩素化炭化水素、三フッ化エタン等のフッ化炭
化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類
等の易揮発生のものを用いることができる。これらの溶
媒はポリオレフィンの溶解に用いた溶媒に応じて適宜選
択し、単独もしくは混合して用いる。洗浄方法は、溶剤
に浸漬し抽出する方法、溶剤をシャワーする方法、又
は、これらの組み合わせによる方法等により行うことが
できる。
【0038】上述のような洗浄は、延伸成形物中の残留
溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶剤を
乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は、加熱乾燥、熱風に
よる風燥、加熱ロールに接触させ、加熱媒体に浸漬する
等の方法で行うことができる。
溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶剤を
乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は、加熱乾燥、熱風に
よる風燥、加熱ロールに接触させ、加熱媒体に浸漬する
等の方法で行うことができる。
【0039】以上のようにして製造したポリオレフィン
微多孔膜は、突刺強度が400g以上で大きく、又、横
裂けも縦裂けも生じにくい。又、本発明のポリオレフィ
ン微多孔膜の厚さは、用途に応じて適宜選択しうるが、
一般に0.1〜50μmであり、好ましくは2〜40μ
mである。
微多孔膜は、突刺強度が400g以上で大きく、又、横
裂けも縦裂けも生じにくい。又、本発明のポリオレフィ
ン微多孔膜の厚さは、用途に応じて適宜選択しうるが、
一般に0.1〜50μmであり、好ましくは2〜40μ
mである。
【0040】尚、得られたポリオレフィン微多孔膜は、
結晶分散温度〜融点の温度範囲で熱固定することが望ま
しい。さらに必要に応じて、プラズマ照射、界面活性剤
含浸、表面グラフト等で親水化処理することができる。
結晶分散温度〜融点の温度範囲で熱固定することが望ま
しい。さらに必要に応じて、プラズマ照射、界面活性剤
含浸、表面グラフト等で親水化処理することができる。
【0041】
【作用】本発明においては、超高分子量ポリオレフィン
を含有し、分子量分布が広い(Mw/Mnが大きい)ポ
リオレフィンの溶液を冷却することにより得られたゲル
状成形物を特定の延伸温度で、縦横方向の延伸倍率とそ
の比が特定の範囲となるように延伸を施すことにより微
多孔膜を製造しているので、得られる微多孔膜は、突刺
強度が大きく裂けにくいものである。
を含有し、分子量分布が広い(Mw/Mnが大きい)ポ
リオレフィンの溶液を冷却することにより得られたゲル
状成形物を特定の延伸温度で、縦横方向の延伸倍率とそ
の比が特定の範囲となるように延伸を施すことにより微
多孔膜を製造しているので、得られる微多孔膜は、突刺
強度が大きく裂けにくいものである。
【0042】このような効果が得られる理由について
は、必ずしも明らかではないが、延伸工程において縦横
方向の延伸倍率とその比が特定の範囲となるように延伸
を施すことにより、バランスよく配向度を高めることが
できるため、得られた微多孔膜において延伸の縦方向と
横方向の引張破断強度の向上とそのバランスがとれ、突
刺強度が大きくなり縦裂けも横裂けもしにくくなるため
であると考えられる。
は、必ずしも明らかではないが、延伸工程において縦横
方向の延伸倍率とその比が特定の範囲となるように延伸
を施すことにより、バランスよく配向度を高めることが
できるため、得られた微多孔膜において延伸の縦方向と
横方向の引張破断強度の向上とそのバランスがとれ、突
刺強度が大きくなり縦裂けも横裂けもしにくくなるため
であると考えられる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。また、実施例
における試験方法は次の通りである。なお、本発明は以
下の実施例によって限定されるものではない。 (1)分子量及び分子量分布:ウォーターズ(株)製の
GPC装置を用い、カラムに東ソー(株)製GMH−
6、溶媒に0−ジクロルベンゼンを使用し、温度135
℃、流量1.0ml/分にて、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)法により測定。 (2)フィルムの厚さ:断面を走査型電子顕微鏡により
測定。 (3)透気度:JIS P8117に準拠して測定。 (4)引張破断強度:幅15mmの短冊状試験片の破断
強度をASTM D882に準拠して測定。 (5)突刺強度:直径2mm、先端半径1mmの針を2
mm/秒で微多孔膜を突き刺し、破断した時の荷重を測
定するとともに、破断の形状を観察した。実施例1 重量平均分子量(Mw)が2.5×106 の超高分子量
ポリエチレン3重量部と、重量平均分子量(Mw)6.
8×105 の高密度ポリエチレン14重量部とを混合し
たMw/Mn18.2の原料樹脂と、流動パラフィン
(64cst/40℃)83重量部とを混合し、ポリエ
チレン組成物の溶液を調整した。次に、このポリエチレ
ン組成物の溶液100重量部に、酸化防止剤0.375
重量部を混合した。この混合液を攪拌機付のオートクレ
ーブに充填して200℃で90分間攪拌し、均一な溶液
を得た。
における試験方法は次の通りである。なお、本発明は以
下の実施例によって限定されるものではない。 (1)分子量及び分子量分布:ウォーターズ(株)製の
GPC装置を用い、カラムに東ソー(株)製GMH−
6、溶媒に0−ジクロルベンゼンを使用し、温度135
℃、流量1.0ml/分にて、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)法により測定。 (2)フィルムの厚さ:断面を走査型電子顕微鏡により
測定。 (3)透気度:JIS P8117に準拠して測定。 (4)引張破断強度:幅15mmの短冊状試験片の破断
強度をASTM D882に準拠して測定。 (5)突刺強度:直径2mm、先端半径1mmの針を2
mm/秒で微多孔膜を突き刺し、破断した時の荷重を測
定するとともに、破断の形状を観察した。実施例1 重量平均分子量(Mw)が2.5×106 の超高分子量
ポリエチレン3重量部と、重量平均分子量(Mw)6.
8×105 の高密度ポリエチレン14重量部とを混合し
たMw/Mn18.2の原料樹脂と、流動パラフィン
(64cst/40℃)83重量部とを混合し、ポリエ
チレン組成物の溶液を調整した。次に、このポリエチレ
ン組成物の溶液100重量部に、酸化防止剤0.375
重量部を混合した。この混合液を攪拌機付のオートクレ
ーブに充填して200℃で90分間攪拌し、均一な溶液
を得た。
【0044】この溶液を直径45mmの押出機により、
200℃のTダイから押し出し、20℃に冷却した冷却
ロールで引き取りながらゲル状シートを形成した。
200℃のTダイから押し出し、20℃に冷却した冷却
ロールで引き取りながらゲル状シートを形成した。
【0045】得られたシートを2軸延伸機にセットし、
温度115℃、製膜速度5m/分で4×4倍に同時二軸
延伸を行った。得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄し
て残留する流動パラフィンを抽出除去し、室温で乾燥し
た後、120℃で30秒間熱固定処理して厚さ39μm
のポリエチレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多
孔膜の膜厚、透気度、突刺強度及び引張破断強度の測定
を行った。その結果を第1表に示す。実施例2 実施例1において、延伸工程での延伸倍率7×7倍にし
た以外は同様にして、厚さ13μmのポリエチレン微多
孔膜を製造した。その特性を第1表に示す。実施例3 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
を8×3倍にした以外は同様にして、厚さ26μmのポ
リエチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に示
す。実施例4 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
6×4倍にした以外は同様にして、厚さ27μmのポリ
エチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に示
す。比較例1 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
を10×2倍にした以外は同様にして、厚さ31μmの
ポリエチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に
示す。比較例2 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
を2×6倍にした以外は同様にして、厚さ50μmのポ
リエチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に示
す。
温度115℃、製膜速度5m/分で4×4倍に同時二軸
延伸を行った。得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄し
て残留する流動パラフィンを抽出除去し、室温で乾燥し
た後、120℃で30秒間熱固定処理して厚さ39μm
のポリエチレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多
孔膜の膜厚、透気度、突刺強度及び引張破断強度の測定
を行った。その結果を第1表に示す。実施例2 実施例1において、延伸工程での延伸倍率7×7倍にし
た以外は同様にして、厚さ13μmのポリエチレン微多
孔膜を製造した。その特性を第1表に示す。実施例3 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
を8×3倍にした以外は同様にして、厚さ26μmのポ
リエチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に示
す。実施例4 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
6×4倍にした以外は同様にして、厚さ27μmのポリ
エチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に示
す。比較例1 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
を10×2倍にした以外は同様にして、厚さ31μmの
ポリエチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に
示す。比較例2 実施例1において、延伸工程で逐次延伸により延伸倍率
を2×6倍にした以外は同様にして、厚さ50μmのポ
リエチレン微多孔膜を製造した。その結果を第1表に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明において
は、超高分子量ポリオレフィンを含有し、分子量分布が
広い(Mw/Mnが大きい)ポリオレフィンの溶液を冷
却することにより得られたゲル状成形物を特定の延伸温
度で、縦横方向の延伸倍率とその比が特定の範囲となる
ように延伸を施すことにより微多孔膜を製造しているの
で、得られる微多孔膜は、突刺強度が大きく裂けにく
い。
は、超高分子量ポリオレフィンを含有し、分子量分布が
広い(Mw/Mnが大きい)ポリオレフィンの溶液を冷
却することにより得られたゲル状成形物を特定の延伸温
度で、縦横方向の延伸倍率とその比が特定の範囲となる
ように延伸を施すことにより微多孔膜を製造しているの
で、得られる微多孔膜は、突刺強度が大きく裂けにく
い。
【0048】このような本発明の方法によるポリオレフ
ィン微多孔膜は、電池用セパレーター、電解コンデンサ
ー用隔膜、超精密濾過膜、限界濾過膜、各種フィルタ
ー、透湿防水衣料用多孔質膜等の各種用途に好適であ
る。
ィン微多孔膜は、電池用セパレーター、電解コンデンサ
ー用隔膜、超精密濾過膜、限界濾過膜、各種フィルタ
ー、透湿防水衣料用多孔質膜等の各種用途に好適であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量平均分子量7×105 以上の超
高分子量ポリオレフィンを1重量%以上含有し、重量平
均分子量/数平均分子量が10〜300のポリオレフィ
ン10〜50重量%と、溶媒50〜90重量%とからな
る溶液を調製し、前記溶液をダイより押出し、冷却して
ゲル状成形物を形成し、前記ゲル状成形物を前記ポリオ
レフィンの結晶分散温度以上融点+10℃以下の温度で
縦方向の延伸倍率(以下「λm」という)と横方向の延
伸倍率(以下「λt」という)との比λm/λtが0.
5以上3以下で、かつλm及びλtが2以上となるよう
に延伸することを特徴とするポリオレフィン微多孔膜の
製造方法。 - 【請求項2】 前記λmとλtとの比λm/λtが
1以上3以下で、かつλm及びλtが3〜30、面倍率
が10以上である請求項1に記載のポリオレフィン微多
孔膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17810595A JPH093228A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17810595A JPH093228A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093228A true JPH093228A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=16042741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17810595A Pending JPH093228A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093228A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000248088A (ja) * | 1999-03-03 | 2000-09-12 | Tonen Chem Corp | ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法 |
US7332531B2 (en) | 2004-06-11 | 2008-02-19 | Sk Corporation | Microporous high density polyethylene film |
US7435761B2 (en) | 2004-07-06 | 2008-10-14 | Sk Energy Co., Ltd. | Microporous polyethylene film and method of producing the same |
JP2011063025A (ja) * | 2010-10-04 | 2011-03-31 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ポリオレフィン製微多孔膜 |
US8057718B2 (en) | 2005-04-06 | 2011-11-15 | Sk Innovation Co., Ltd. | Microporous polyethylene film having excellent physical properties, productivity, and quality consistency, and method of producing same |
US8313678B2 (en) | 2005-05-16 | 2012-11-20 | Sk Innovation Co., Ltd. | Preparing method of microporous high density polyethylene film |
JP2013126765A (ja) * | 2013-02-04 | 2013-06-27 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ポリオレフィン製微多孔膜 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP17810595A patent/JPH093228A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000248088A (ja) * | 1999-03-03 | 2000-09-12 | Tonen Chem Corp | ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法 |
US7332531B2 (en) | 2004-06-11 | 2008-02-19 | Sk Corporation | Microporous high density polyethylene film |
US7947752B2 (en) | 2004-06-11 | 2011-05-24 | Sk Energy Co., Ltd. | Method of producing microporous high density polyethylene film |
US7435761B2 (en) | 2004-07-06 | 2008-10-14 | Sk Energy Co., Ltd. | Microporous polyethylene film and method of producing the same |
US8057718B2 (en) | 2005-04-06 | 2011-11-15 | Sk Innovation Co., Ltd. | Microporous polyethylene film having excellent physical properties, productivity, and quality consistency, and method of producing same |
US8313678B2 (en) | 2005-05-16 | 2012-11-20 | Sk Innovation Co., Ltd. | Preparing method of microporous high density polyethylene film |
JP2011063025A (ja) * | 2010-10-04 | 2011-03-31 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ポリオレフィン製微多孔膜 |
JP2013126765A (ja) * | 2013-02-04 | 2013-06-27 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ポリオレフィン製微多孔膜 |
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