JP2016112729A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】離型性と追従性のバランスを向上させるとともに、非汚染性に優れた離型フィルムを提供する。【解決手段】少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂材料を含む離型層を有する離型フィルムであって、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率をOTR1とし、当該離型フィルムの厚みをTとした時、OTR1/Tの値が、5×102cc/m3・day以上9×105cc/m3・day以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、離型フィルムに関する。
離型フィルムは、一般的に、成型品を製造する際や異なる材料を貼り合わせた積層体を製造する際に使用されるものである。上記離型フィルムは、例えば、回路が露出したフレキシブルフィルム(以下、「回路露出フィルム」とも称する。)に対して、接着剤を介してカバーレイフィルム(以下、「CLフィルム」とも称する。)を加熱プレスにより接着してフレキシブルプリント回路基板(以下「FPC」とも称する)を作製する際に用いられる。具体的には、離型フィルムは、成型品や上記積層体を作製する際に、当該成型品や積層体の表面を保護する目的で使用される。そのため、離型フィルムについては、従来から以下に説明する2つの特性を向上させることが要求されてきた。第一に要求される離型フィルムの特性は、成型品や上記積層体を製造した後における当該離型フィルムの剥離しやすさ、すなわち、離型性である。第二に要求される離型フィルムの特性は、成型品や上記積層体の表面に対する当該離型フィルムの密着性、すなわち、追従性である。こうした離型フィルムにおける離型性や追従性といった特性を向上させることは、従来から、種々の検討がなされてきた。
離型フィルムの離型性の向上に着目した技術、追従性の向上に着目した技術として、たとえば、以下のものがある。
特許文献1には、ガラス転移温度と結晶化速度指標について特定の値を示すポリエステル系エラストマー層と、特定の質量比で配合された結晶性芳香族ポリエステルおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートからなり、ガラス転移温度と結晶融解熱量について特定の値を示すポリエステルによって形成されたポリエステル層とを有する離型フィルムが開示されている。
特許文献2には、結晶融解熱量と結晶化速度指標について特定の値を示す結晶性ポリエステル層と、結晶融解熱量と結晶化速度指標について特定の値を示すポリエステル層を有する離型フィルムが開示されている。
特許文献3には、ガラス転移温度と結晶化速度指標について特定の値を示すポリエステル系エラストマー層と、昇温時の結晶化開始温度、昇温結晶化ピーク温度および昇温結晶化熱量について特定の値を示す共重合ポリエステル層を有する離型フィルムが開示されている。
特開2011―88351号公報 特開2011―88352号公報 特開2011―245812号公報
上記背景技術の項に前述したように、従来の離型フィルムにおいても、離型性と追従性を向上させることについては、種々検討されてきた。
しかしながら、近年離型フィルムの各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。上述した離型フィルムに要求される特性として、たとえば、以下の2つが挙げられる。第1の要求特性としては、離型フィルムを用いてフレキシブルプリント回路基板を作製する場合に、加熱プレスを行う際にカバーレイフィルムや接着剤などを形成する材料から発生したアウトガスや、外部から混入したガスによる影響により低下しない程度の追従性である。第2の要求特性としては、離型フィルムを用いてフレキシブルプリント回路基板を作製する場合に、加熱プレスを行う際にカバーレイフィルムや接着剤などを形成する材料から発生したアウトガスや、外部から混入したガスによる影響により、成型品の表面が汚染されない程度の非汚染性である。
くわえて、本発明者は、特許文献1〜3に記載されるような従来の離型フィルムが、以下のような課題を有していることも見出した。
従来の離型フィルムは、当該離型フィルムの追従性を向上させるため、離型フィルムの貯蔵弾性率または離型フィルム表面の硬度を小さくすることにより、当該離型フィルムの離型性が下がる傾向にあった。一方、従来の離型フィルムは、当該離型フィルムの離型性を向上させるため、離型フィルムの貯蔵弾性率または離型フィルム表面の硬度を大きくすることにより、当該離型フィルムの追従性が下がる傾向にあった。このように、本発明者は、従来の離型フィルムにおいて離型性および追従性の間には、トレードオフの関係があることを知見した。言い換えれば、本発明者は、従来の離型フィルムには、離型フィルムの離型性と追従性の両方をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。なお、離型フィルムについて、離型性の向上に着目した技術や、追従性の向上に着目した技術はあったものの、離型性と追従性の両方をバランスよく向上させる技術は、これまでに報告されていなかった。
そこで、本発明は、離型性と追従性のバランスを向上させるとともに、非汚染性に優れた離型フィルムを提供する。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、離型フィルムの酸素透過率と当該離型フィルムの厚みとの比という尺度が、離型性と追従性のバランスを向上させるとともに、非汚染性に優れた離型フィルムを実現するための設計指針として有効であるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明によれば、少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂材料を含む離型層を有する離型フィルムであって、
25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率をOTRとし、当該離型フィルムの厚みをTとした時、OTR/Tの値が、5×10cc/m・day以上9×10cc/m・day以下である、離型フィルムが提供される。
本発明によれば、離型性と追従性のバランスを向上させるとともに、非汚染性に優れた離型フィルムを提供できる。
<離型フィルム>
本実施形態における離型フィルムは、少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂材料を含む離型層を有する離型フィルムであって、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率をOTRとし、当該離型フィルムの厚みをTとした時、OTR/Tの値が、5×10cc/m・day以上9×10cc/m・day以下であるものである。こうすることで、離型性と追従性のバランスを向上させるとともに、非汚染性に優れた離型フィルムを実現することができる。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、離型層とは、少なくとも当該離型フィルムを対象物上に配置した際に、対象物に接する面(以下、「離型面」とも示す。)を形成する樹脂層であり、ポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)との重縮合体である。
本発明者は、従来の離型フィルムを用いた場合に、以下の不都合が生じることを知見した。第一に、従来の離型フィルムでは、加熱プレス時にプレス機の外部から空気がプレス機内部に侵入してしまうことがあった。第二に、従来の離型フィルムでは、対象物から発生したガスをプレス機外部に逃がすことができないことがあった。
本発明者は、上述した不都合が生じた原因について鋭意検討した結果、従来の離型フィルムを使用する場合には、以下の2点において改善の余地を有していることを見出した。第一に、従来の離型フィルムを使用する場合には、プレス機外部から対象物と離型フィルムの間に侵入した空気や、プレス機内部に残存している対象物から発生したガスによる影響で、加熱プレス時に対象物の表面形状が変化してしまうことにより追従性が低下してしまうという点で改善の余地を有していた。第二に、従来の離型フィルムを使用する場合には、加熱プレス時に生じたアウトガスや、加熱プレス時に材料表面に外部から侵入したガスにより発生した汚染物が成型品の表面に残存してしまうことがあるという点で改善の余地を有していた。
本実施形態に係る離型フィルムは、上述したように離型フィルムの厚みと酸素透過率のバランスを制御するものである。こうすることで、プレス機外部から空気等のガスが、加熱プレス時に対象物と離型フィルムの間に侵入することを防ぐとともに、対象物から発生したガスを当該離型フィルム側に分散させることができるようになる。そのため、本実施形態に係る離型フィルムによれば、加熱プレス後に対象物から離型フィルムを剥離した際に、表面に汚染物が残存することなく、かつ表面形状が滑らかで良好な品質の成型品を得ることができる。この理由は、離型フィルムの酸素透過特性が絶妙なバランスとなるように制御しているためであるものと考えられる。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率と、当該離型フィルムの厚みTの比OTR/Tの値は、5×10cc/m・day以上であるが、好ましくは、8.3×10cc/m・day以上であり、さらに好ましくは、8.3×10cc/m・day以上である。こうすることで、熱プレス時に対象物から発生したガスを離型フィルム側に効率よく分散させることができるようになる。そのため、OTR/Tの値を上記下限値以上とした場合には、対象物から発生したガスの影響を抑えることができ、非汚染性という点においてより一層優れた離型フィルムとすることができる。なお、酸素透過率は、たとえば、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定する。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率と、当該離型フィルムの厚みTの比OTR/Tの値は、9×10cc/m・day以下であるが、好ましくは、8.3×10cc/m・day以下である。こうすることで、熱プレス時にプレス機外部から対象物と離型フィルムの間に空気が侵入することを効果的に抑制することができる。そのため、OTR/Tの値を上記上限値以下とした場合には、プレス機外部から対象物と離型フィルムの間に侵入した空気やガスによる追従性の低下を抑制することができ、追従性および非汚染性という点においてより一層優れた離型フィルムとすることができる。すなわち、OTR/Tの値を上記上限値以下とした場合には、追従性と離型性のバランスを向上させ、かつ非汚染性という点においてより一層優れた離型フィルムとすることができる。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率OTRの値は、好ましくは、1cc/m・day以上であり、より好ましくは、10cc/m・day以上である。こうすることで、加熱プレスする際に、非汚染性を向上させることができ、例えば精密なフレキシブルプリント回路基板の製造時における歩留まりの向上を実現することができる。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率OTRの値は、好ましくは、100cc/m・day以下であり、より好ましくは、95cc/m・day以下である。こうすることで、外部から空気やガスが侵入し対象物の表面形状が変化してしまうことによる追従性の低下や汚染を抑制できるため、フレキシブルプリント回路基板の製造時における歩留まりの向上を実現することができる。
そして、本実施形態に係る離型フィルムは、当該離型フィルムを180℃、60kg/cmで120秒間の熱プレスを行った後に測定した当該離型フィルムの酸素透過率をOTRとした時、熱プレスを行う前に測定した酸素透過率OTRと、熱プレスを行った後に測定した酸素透過率OTRと、から下記式(1)で算出される酸素透過指数の値は、好ましくは、55以上であり、より好ましくは、60以上である。また、酸素透過指数の上限値は、好ましくは、95以下であり、より好ましくは90以下である。酸素透過指数の値を上記数値範囲内とすることにより、加熱プレスして成型品や積層体を製造する際に、プレス機外部から侵入した空気や、プレス機内部に残存している対象物から発生したガスによる影響をより低減させることができる。そのため、例えばフレキシブルプリント回路基板の製造時における熱プレスの工程において、追従性と非汚染性とを向上させることができ、製造時における歩留まりの向上を実現することができる。
酸素透過指数=(OTR/OTR)×100 (1)
離型層の離型面の表面10点平均粗さ(Rz)は、離型層の強度を確保しつつ安定した離型性を得る観点から、好ましくは、0.1μm以上であり、より好ましくは、0.5μm以上であり、最も好ましくは、0.8μm以上である。一方、表面粗さが転写されるのを抑制する観点から、離型層の離型面の表面10点平均粗さ(Rz)は、好ましくは、20μm以下であり、より好ましくは、10μm以下であり、最も好ましくは、5μm以下である。なお、表面10点平均粗さ(Rz)は、JIS−B0601−1994に準じて測定することができる。
離型層の離型面の凹凸の平均間隔(Sm)は、離型層の強度を確保しつつ安定した離型性を得る観点から、好ましくは、180μm以上であり、より好ましくは、195μm以上である。一方、表面粗さが転写されるのを抑制する観点から、凹凸の平均間隔(Sm)は、好ましくは、450μm以下であり、より好ましくは、345μm以下である。なお、凹凸の平均間隔(Sm)は、JIS−B0601−1994に準じて測定することができる。なお、本実施形態に係る凹凸の平均間隔(Sm)は、離型フィルムが対象物に配置された際に、離型フィルムにおける対象物側にあたる面(離型面)の数値を指す。
離型層の離型面の算術平均粗さ(Ra)は、離型層の強度を確保しつつ安定した離型性を得る観点から、好ましくは、0.08μm以上であり、より好ましくは、0.14μm以上である。一方、表面粗さが転写されるのを抑制する観点から、算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは、1μm以下であり、より好ましくは、0.78μm以下である。なお、算術平均粗さ(Ra)は、JIS−B0601−1994に準じて測定することができる。なお、本実施形態に係る算術平均粗さ(Ra)は、離型フィルムが対象物に配置された際に、離型フィルムにおける対象物側にあたる面(離型面)の数値を指す。
離型層の離型面の剥離強度は、低いほど好ましいが、好ましくは、5N/50mm以下であり、より好ましくは、3N/50mm以下である。上記剥離強度は、たとえば、以下の方法で測定することができる。まず、カバーレイフィルムが接着剤を介して仮止めされた回路露出フィルムに対して、離型フィルムの離型面が、上述した回路露出フィルムにおける上記カバーレイフィルムを配した面と対向するように貼り合わせ、195℃、6MPaの圧力で、2分間の熱プレスを行うことにより、試験片を作製する。その後、得られた試験片の離型フィルムを、引張試験機を用いて、180°方向に約50mm/秒の速度で応力を加えて剥離することにより、離型面の剥離強度を測定する。なお、上述した剥離試験は、熱プレス処理を施した直後に実施することが好ましい。
離型層は、ポリエステル樹脂を含む。このポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂(TPX)及び他の成分を共重合したポリエステル系共重合体樹脂が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、離型性と追従性のバランスを向上させる観点から、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。なお、上記ポリエステル樹脂は、結晶性のポリエステル樹脂であっても、非晶性のポリエステル樹脂であってもよい。
他の成分を共重合したポリエステル系共重合体樹脂において共重合する、他の成分としては、公知の酸成分、アルコール成分、フェノール成分またはエステル形成能を持つこれらの誘導体、ポリアルキレングリコール成分等が挙げられる。
共重合することが可能な公知の酸成分としては、例えば、2価以上の炭素数8〜22の芳香族カルボン酸、2価以上の炭素数4〜12の脂肪族カルボン酸、さらには、2価以上の炭素数8〜15の脂環式カルボン酸、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。上記共重合することが可能な酸成分の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボジフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4−4'−ジフェニルカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4'−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
共重合することが可能なアルコール成分および/またはフェノール成分としては、例えば、2価以上の炭素数2〜15の脂肪族アルコール、2価以上の炭素数6〜20の脂環式アルコール、炭素数6〜40の2価以上の芳香族アルコール、または、フェノールおよびエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの化合物、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体、ε−カプロラクトン等の環状エステルが挙げられる。
共重合することが可能なポリアルキレングリコール成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールおよび、これらのランダムまたはブロック共重合体、ビスフェノール化合物のアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびこれらのランダムまたはブロック共重合体等)付加物等の変性ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
このようなポリエステル系共重合体樹脂の中でもポリエステル樹脂材料と、ポリアルキレングリコール成分との共重合体が好ましく、より具体的にはポリエステル系樹脂と、ポリテトラメチレングリコールとの共重合体、もっと具体的にはポリブチレンテレフタレート樹脂とポリテトラメチレングリコールとの共重合体が好ましい。これにより、メッキ付き性という観点においても、優れた離型フィルムを得ることができる。
上記共重合することが可能な他の成分(特にポリテトラメチレングリコール)の含有量は、好ましくは、ポリエステル系共重合体樹脂全体の5重量%以上50重量%以下であり、より好ましくは、10重量%以上40重量%以下である。含有量が上記下限値以上であると、離型フィルムの対象物への追従性を向上させることが可能である。また、含有量が上記上限値以下であると、離型性をさらに向上させることができる。
離型層には、ポリエステル樹脂の他に、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有させてもよい。
離型層の厚みは、成型品に対する埋め込み性を向上させる観点から、好ましくは、5μm以上であり、より好ましくは、10μm以上である。一方、適度な強度を得る観点から、離型層の厚みは、好ましくは、100μm以下であり、より好ましくは、50μm以下であり、最も好ましくは、30μm以下である。
離型フィルムの離型層を構成する樹脂の固有粘度は、成膜性を良好にできる観点から、好ましくは、0.3dl/g以上であり、より好ましくは、0.5dl/g以上である。一方、離型層を構成する樹脂の固有粘度は、離型フィルム製造時の負荷を軽減する観点から、好ましくは、2.5dl/g以下であり、より好ましくは、2.0dl/g以下であり、最も好ましくは、1.5dl/g以下である。
離型フィルムの離型層を構成する樹脂の酸価は、剥離性、追従性のバランスを良好にする観点から、好ましくは、1以上であり、より好ましくは、3以上である。一方、離型層を構成する樹脂の酸価は、耐熱性、成膜性の観点から、好ましくは、40以下であり、より好ましくは、30以下であり、最も好ましくは、25以下である。なお、本実施形態における酸価は、JIS K0070(1992年式)に準じた値を指す。
本実施形態における離型フィルムは、少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂を含む離型層を有するものであればよいが、離型層と、上記離型層とは異なる他の層とを含む多層構造を形成しているものであることが好ましい。具体的には、離型フィルムは、用途によっては、当該離型フィルムの両面にポリエステル樹脂を含む離型層を有するものとしてもよい。また、離型フィルムは、離型層に接するクッション層をさらに有していてもよい。また、離型フィルムは、離型層、クッション層、及び副離型層の順で積層した三層構造としてもよい。このような副離型層を含めることにより、プレス機で熱プレスされた際に、熱板からの離型性が向上し、成形体や積層体の製造における生産性を向上させることができる。複数の離型層は、ポリエステル樹脂を含む材料であれば、同じ材料から形成されたものであってもよく、異なる材料から形成されたものであってもよい。また、複数の離型層は、互いに異なる厚みであってもよい。
副離型層の離型面の表面10点平均粗さ(Rz)は、副離型層の強度を確保しつつ安定した離型性を得る観点から、好ましくは、0.1μm以上であり、より好ましくは、0.5μm以上であり、最も好ましくは、0.8μm以上である。一方、表面粗さが転写されるのを抑制する観点から、副離型層の離型面の表面10点平均粗さ(Rz)は、好ましくは、20μm以下であり、より好ましくは、10μm以下であり、最も好ましくは、5μm以下である。なお、表面10点平均粗さ(Rz)は、JIS−B0601−1994に準じて測定することができる。また、上記表面10点平均粗さ(Rz)は、離型フィルムが対象物に配置された際に、離型フィルムにおける対象物側とは反対側の面(離型面)の数値を指す。
クッション層は、柔軟性を有する樹脂が用いられることにより、離型フィルム全体にクッション性を付与するものである。これにより、離型フィルム使用時において、被着体に対して、プレス熱板からの熱及び圧力が均等に伝わりやすくなり、離型フィルムと被着体との密着性及び追従性をさらに良好にできる。
クッション層を形成する樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロプレン等のα−オレフィン系重合体、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルペンテン等を重合体成分として有するα−オレフィン系共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド等のエンジニアリングプラスチックス系樹脂が挙げられる。これらは、単独であるいは複数併用しても構わない。中でも、α−オレフィン系共重合体が好ましい。このα−オレフィン系共重合体としては、エチレン等のα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、およびそれらの部分イオン架橋物等が挙げられる。さらに、良好なクッション機能を得る観点から、エチレン等のα−オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を単独で用いたもの、または、ポリブチレンテレフタレートと1,4シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートとの混合物、α−オレフィン系重合体とエチレン等のα−オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合物が好ましい。たとえば、エチレンとエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリプロピレン(PP)とエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリプロピレン(PP)とエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、などがより好ましい。
クッション層は、さらにゴム成分を含んでもよい。ゴム成分としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマー材料、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム等のゴム材料等が挙げられる。
クッション層には、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等の着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有させてもよい。
なお、クッション層を形成する方法としては、例えば、空冷または水冷インフレーション押出法、Tダイ押出法等の公知の方法が挙げられる。
クッション層の厚さは、好ましくは、20μm以上100μm以下であり、より好ましくは、40μm以上90μm以下であり、最も好ましくは、50μm以上70μm以下である。クッション層の厚さが上記下限値以上である場合には、離型フィルムのクッション性が低下することを抑制できる。クッション層の厚さが上記上限値以下である場合には、離型性の低下を抑制することができる。
また、離型フィルムは、接着層、ガスバリア層等を有する4層、5層等の4層以上の構成であってもよい。この場合、接着層、ガスバリア層としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
<離型フィルムの製造方法>
本実施形態における離型フィルムの製造方法は、従来の製造方法とは異なるものであって、離型層の製造条件を高度に制御する必要がある。すなわち、以下の2つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって初めて、25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率をOTRとし、当該離型フィルムの厚みをTとした時、OTR/Tの値が、上述した特定の条件を満たす離型フィルムを得ることができる。
(1)離型層を形成する樹脂材料の選択
(2)アニール処理条件・方法
以下、本実施形態に係る離型フィルムの製造方法の一例について説明する。ただし、本実施形態の離型フィルムの製造方法は、以下の例に限定されない。また、本実施形態の離型フィルムの製造方法の一例については、実施例にて具体的に後述する。
まず、(1)離型層を形成する樹脂材料の選択について説明する。
離型層を形成するポリエステル樹脂として、結晶性のポリエステル樹脂を選択した場合には、離型層の配向度を制御することができる。しかしながら、本実施形態における離型層は、単に、結晶性のポリエステル樹脂を用いて離型層を形成しただけで実現できるものではない。この理由として、結晶性のポリエステル樹脂には、カルボキシル基のような極性基が存在していることが挙げられる。そのため、結晶性のポリエステル樹脂を用いて離型層を形成した場合には、当該離型層の表面(離型面)を形成する材料中のカルボキシル基等の極性基量についても高度に制御する必要がある。こうすることで、加熱プレスする際に、離型フィルムを配する対象物表面を形成する材料中の未反応の官能基と、離型層を形成する樹脂中の極性基との間で相互作用することを初めて抑制することが可能となる。
他には、ポリエステル樹脂として、固相重合反応して得られたポリエステル樹脂を用いてもよい。固相重合における重合触媒の種類、反応温度、反応時間等の反応条件を制御することで、ポリエステル樹脂の結晶性を制御することができる。
また、ポリエステル樹脂を合成する際に使用されるモノマーの分子量を制御してもよい。こうすることで、ポリマー中の結晶成分の配向を制御することができる。
また、ポリエステル樹脂の重合度を制御してもよい。こうすることで、離型層自体の粘性と弾性のバランスを制御することができる。
次に、(2)アニール処理条件・方法について説明する。
本実施形態における離型フィルムを得るためには、上記(1)で説明したようにして選択された離型層を形成する樹脂材料に適したアニール条件を採用する必要がある。具体的には、処理温度、処理時間、アニール処理に使用する装置の素材、アニール処理に使用する装置の表面温度等の各因子を高度に制御して組み合わせることが特に重要となる。本実施形態における離型フィルムを製造するためには、たとえば、処理温度190℃、処理時間5分、10MPaとなるようにアニール処理条件を設定することが望ましい。
上記のような条件(1)および(2)をそれぞれ高度に制御して組み合わせ、離型フィルムは、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用いて作製することができる。また、離型フィルムが多層構造の場合、離型層、クッション層の各層を、別々に製造してからラミネーター等により接合してもよいが、空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で成膜することが好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で成膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、離型層と、クッション層とをそのまま接合してもよいし、接着層を介して接合してもよい。
<離型フィルムの使用方法>
次に、本実施形態の離型フィルムの使用方法について説明する。
本実施形態の離型フィルムは、たとえば、フレキシブルプリント回路基板を作製する際に使用してもよい。この場合、離型フィルムは、フレキシブルフィルム上に形成された回路を保護するため、当該回路に対してカバーレイフィルムを加熱プレスして密着させる際に、カバーレイとプレス機との間に介在させて使用する。
具体的には、離型フィルムは、例えば、フレキシブルプリント配線基板の製造工程の一つであるカバーレイプレスラミネート工程において用いられる。より詳細には、離型フィルムは、回路露出フィルムへのカバーレイフィルム接着時にカバーレイフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように配置され、回路露出フィルム及びカバーレイフィルムと共にプレス機により加熱加圧される。この時、クッション性の向上のために、紙、ゴム、フッ素樹脂シート、ガラスペーパー等、またはこれらを組合せたものを離型フィルムとプレス機の間に挿入した上で加熱加圧することもできる。プレス機は、加圧を開始してから15分で常温から170℃まで昇温した後、35分間その温度に維持し、その後、50分かけて170℃から常温まで冷却する。このときのプレス圧力は、5〜15MPaで適宜調節される。
また、本実施形態の離型フィルムは、以下の方法で使用してもよい。
まず、熱硬化性樹脂を含む材料によって形成されている対象物の表面に対して、上記本実施形態に係る離型フィルムの離型層表面を配置する。そして、離型フィルムを配置した対象物に対し、金型内でプレス処理を行う。ここで、上述した熱硬化性樹脂は、半硬化状態であっても、硬化状態であってもよいが、半硬化状態であると、当該離型フィルムの作用効果が一層顕著なものとなる。特に、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である場合には、当該エポキシ樹脂が、硬化反応の中間の段階にあること、すなわち、Bステージ状態にあることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(三菱エンジニアリングプラスチック社製、ノバデュラン5020)を用いて、押出Tダイ法にて30μmのPBTフィルムを製膜し、このPBTフィルムに、プレス機を用いて、190℃で10MPaの圧力で、5分間のプレスアニール処理を行うことにより、PBTからなる離型層を得た。
上記離型層と、変性ポリエチレン(エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友化学社製、WD206)及び上記PBTを押出Tダイ法により60μmのフィルムに製膜したクッション層(配合比率は、エチレン−メチルメタクリレート共重合体:PBT=80:20である。)と、上記PBTからなる第2の離型層(副離型層)と、をこの順で積層し、加熱プレスすることにより3層からなる離型フィルムを製造した。
また、得られた離型フィルムの各層の厚さは、離型層、第2の離型層(副離型層)はいずれも30μm、クッション層は60μmであった。
<実施例2>
ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標))(三井化学社製、TPX MX002)を用いて、押出Tダイ法にて30μmのTPXフィルムを製膜し、このTPXフィルムに、プレス機を用いて、190℃で10MPaの圧力で、5分間のプレスアニール処理を行うことにより得られた、TPXからなる離型層を離型フィルムの副離型層とした点以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
<実施例3>
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(SKケミカル社製、K2012)を押出Tダイ法により60μmのフィルムに製膜したクッション層を用いたという点以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
<比較例1>
ポリメチルペンテン樹脂(TPX(登録商標))(三井化学社製、TPXMX002)を用いて、押出Tダイ法にて30μmのTPXフィルムを製膜し、このTPXフィルムに、プレス機を用いて、190℃で10MPaの圧力で、5分間のプレスアニール処理を行うことにより得られた、TPXからなる離型層を、離型層および副離型層とした点以外は、実施例2と同様にして離型フィルムを得た。
<比較例2>
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)(出光興産社製、ザレックS105)を用いて、押出Tダイ法にて30μmのSPSフィルムを製膜し、このSPSフィルムに、プレス機を用いて、190℃で10MPaの圧力で、5分間のプレスアニール処理を行うことにより得られた、SPSからなる離型層を、離型層および副離型層とした点以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
<比較例3>
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)(出光興産社製、ザレックS105)とPPE樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製 ユピエースAH80)とを、配合比率が80:20となるように混合し、押出Tダイ法にて60μmのフィルムを製膜しクッション層として得た点以外は、比較例2と同様にして離型フィルムを得た。
実施例及び比較例で得られた離型フィルムを用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<評価>
・酸素透過率:離型フィルムの酸素透過率は、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定した。測定条件は、25℃、65%RHに設定した。なお、単位は、cc/m・dayである。
・酸素透過指数:プレス機を用いて、離型フィルムに対して180℃、60kg/cmの圧力で、120秒間の熱プレスを行う前後の酸素透過率を測定した。そして、熱プレスを行う前に測定した酸素透過率をOTR、プレスを行った後に測定した酸素透過率をOTRとした時、得られた測定結果から下記式(1)で算出した値を酸素透過指数とした。
酸素透過指数=(OTR/OTR)×100 (1)
・離型面の表面10点平均粗さRz:JIS B0601 (1994年)に準じ、「株式会社東京精密製 ハンディサーフ E−35B」を用いて、中央n=3について測定した。なお、離型層の離型面の表面10点平均粗さを表面Rzとし、副離型層の離型面の表面10点平均粗さを裏面Rzとした。
・離型性
カバーレイフィルムが接着剤を介して仮止めされた回路露出フィルムを、離型層が回路露出フィルムのカバーレイフィルムの配置面と対向するようにして、上記離型フィルムで両側から包み込み、熱盤プレスにより195℃、6MPaの圧力で、2分間の熱プレスを行った。その直後に、引張試験機を用いて、180°方向に約50mm/秒の速度で応力を加えて両側の離型フィルムを剥離した。このとき、離型時に離型フィルムが容易に剥離できた場合は離型性が良好としてA判定とし、離型時に離型フィルムが、回路露出フィルムにひっかかる場合は離型性が不十分としてB判定とした。
・追従性
離型フィルムの離型面に有沢製作所社製のCLフィルム(CMタイプ)のポリイミド面を貼り合わせ、プレス機を用いて、195℃、6MPaの圧力で、2分間の熱プレスを行った後、離型フィルムを引張試験機を用いて、180°方向に約50mm/秒の速度で応力を加えて剥離し、CLの表面について、JPCA規格の「7.5.7.2項しわ」に準じて測定した。
○:シワ発生率 2.0%未満
×:シワ発生率 2.0%以上
・汚染性
離型フィルムと回路露出フィルムを重ね、さらに離型フィルムとプレス機の間に紙を挿入した上で、195℃、6MPaの圧力で2時間の熱プレスを行った後、回路露出フィルムの銅回路部分にメッキを行い、メッキ、バリ不良の発生率を測定した。
○:不良発生率 10%未満
×:不良発生率 10%以上
Figure 2016112729
実施例1〜3の離型フィルムは、いずれも、離型性、追従性および汚染性のバランスに優れたものであったのに対し、比較例1〜3の離型フィルムは、OTR/Tが、1.7×10cc/m・dayよりも大きな値を示すものであり、離型性と追従性のバランスという点において不十分なものであった。

Claims (8)

  1. 少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂材料を含む離型層を有する離型フィルムであって、
    25℃、65RHにおける当該離型フィルムの酸素透過率をOTRとし、当該離型フィルムの厚みをTとした時、OTR/Tの値が、5×10cc/m・day以上9×10cc/m・day以下である、離型フィルム。
  2. 25℃、65RHにおける当該離型フィルムの前記酸素透過率OTRの値が、1cc/m・day以上100cc/m・day以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 当該離型フィルムを180℃、60kg/cmで120秒間の熱プレスを行った後に測定した当該離型フィルムの酸素透過率をOTRとした時、
    前記熱プレスを行う前に測定した酸素透過率OTRと、
    前記熱プレスを行った後に測定した酸素透過率OTRと、
    から下記式(1)で算出される酸素透過指数の値が、55以上95以下である、請求項1または2に記載の離型フィルム。
    酸素透過指数=(OTR/OTR)×100 (1)
  4. 当該離型フィルムにおいて前記離型層の離型面の表面10点平均粗さRzが、0.1μm以上20μm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の離型フィルム。
  5. 前記離型層、クッション層、及び副離型層の順に積層した三層構造を有している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の離型フィルム。
  6. 前記クッション層が、α−オレフィン系重合体と、α−オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、の混合物を含む、請求項5に記載の離型フィルム。
  7. 当該離型フィルムにおける前記副離型層の離型面の表面10点平均粗さRzが、0.1μm以上20μm以下である、請求項5または6に記載の離型フィルム。
  8. 前記離型層が、ポリブチレンテレフタレートを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の離型フィルム。
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