JP2016056925A - 無励磁作動ブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】無励磁作動ブレーキにおけるエアギャップの設定を、一度の組立工程のなかで効率的に行うことができ、かつ装置の大型化を伴わない構造とする。
【解決手段】フィールドコア10とサイドプレート20との間に、塑性変形することで隙間調整材として機能するカラー30aを介在させて、これらをねじ40により一体に組み付ける。このとき、カラー30aの塑性変形量をねじ40の締め付け具合によって調整することでエアギャップGを適正な値に設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無励磁作動ブレーキにおけるエアギャップの設定を効率的に行うための構造に関するものである。
一般的な無励磁作動ブレーキにおいては、装置のフレームを形成するフィールドコアとサイドプレートとの間にアーマチュアが配置され、さらにこのアーマチュアと前記サイドプレートとの間に、回転軸と連結するブレーキディスクが配置されている。前記アーマチュアは、別途付設された圧縮コイルばねによる付勢力と電磁コイルによる磁気吸着力とによって、後述するエアギャップの範囲で前記回転軸の軸線方向に往復動する機械要素である。このアーマチュアが往復動することで、前記ブレーキディスクがアーマチュアとサイドプレートに挟圧され、またはアーマチュアから離間し、これによってブレーキが制動し、または解放する構造となっている。ここで、前記アーマチュアの往復動の範囲は、前記フィールドコアとサイドプレートとの間隔からアーマチュアとブレーキディスクの厚みとの合算値を差し引いた値(以下、エアギャップという)によって決定される。このエアギャップが大きすぎると前記電磁コイルによる磁気吸着力が弱まり、一方、小さすぎるとアーマチュアとブレーキディスクとが完全に離間しないことから異常摩耗や発熱の原因となる。このように、適切なブレーキ性能を確保する上で、適正なエアギャップの設定がきわめて重要となる。
従来の薄型で小型の無励磁作動ブレーキにおいては、フィールドコアとサイドプレートとの間に筒状のカラーとシムとを介在させ、このシムの枚数を調整することでエアギャップの設定を行っていた。このエアギャップ設定法では、装置を一度組み立てたのちにシックネスゲージを用いてエアギャップを測定し、規定値を満たさなければ装置を分解してシムの枚数を調整してから再度組み立てる必要があった。
前記従来のエアギャップ設定法はきわめて生産性が低いことから、これを改善するための幾つかの先行技術が提案されている。この先行技術の一つとして、前記シムおよび筒状のカラーの代わりにナットおよびこれと螺合するカラーを用いた技術がある(特許文献1参照)。この先行技術においては、一端部近傍の外周面に雄ねじ部が設けられたカラーにナットを螺合させ、これらを前記フィールドコアと前記サイドプレートとの間に介在させてねじで固定するというものである。前記シムの枚数調整によって実施されていたエアギャップの設定は、前記ナットとカラーとの螺合の度合いを調整したのちにねじを締め付けるといった2つの作業工程によって行われるため、装置の分解と再組立とがいずれも不要となる。
また、他の先行技術では、前記シムおよび筒状のカラーの代わりに、弾性部材を用いた技術がある(特許文献2参照)。この先行技術は、フィールドコアとサイドプレートとの間に弾性部材を介在させ、この弾性部材の変形量を調整したのちにリベットを打ち込むといった2つの作業工程によってエアギャップの設定を行うものである。この先行技術においても、装置の分解と再組立とがいずれも不要となる。前記弾性部材としては、カラーと皿ばねから構成される部材や、弾性を有するカラーのみからなる部材が提案されている。
実公平2−7312号公報 実開平2−92124号公報
本発明の主な課題は、従来のシム調整によるエアギャップ設定法の低い生産性を改善することにある。
さらに、本発明は、従来のシム調整によるエアギャップ設定法の生産性を改善する前記先行技術が抱える以下の問題を併せて解決することを課題とする。すなわち、シムおよび筒状のカラーの代わりにナットおよびこれと螺合するカラーを用いた技術では、構造上ナットの外径寸法がシムのそれより大きくなることから、このナットと外縁端近傍で接するサイドプレートの外径寸法も必然的に大きくなり、装置が大型化するという問題がある。この問題は、薄型で小型の無励磁作動ブレーキへ採用する際に特に障壁となる。また、ナットが必須となることで、シムを隙間調整材として用いる従来品との比較で部品点数が増えることにもなりかねず、カラー外周面に雄ねじを設ける新たな加工も必要になることから、製造コストが高くなるという問題がある。
一方、シムと筒状のカラーの代わりに弾性部材を用いる先行技術においても、弾性部材の一部として皿ばねを用いる場合には、構造上皿ばねの外形寸法がシムの外形寸法より大きくなるため、前記先行技術と同様の装置が大型化するという問題が生じる。また、皿ばねやリベットを固定するピン等が必須の場合には部品点数が増えることにもなりかねず、前記先行技術と同様に製造コストが高くなるという問題もある。
さらに、本先行技術では、フィールドコアとサイドプレートとをリベットを用いて固定しているため、フィールドコアとサイドプレートとの間隔が狭まる方向に対する固定力がねじに比べて弱く、介在する弾性部材の変形を積極的に利用する構造であることに鑑みれば、フィールドコアとサイドプレートとの間隔は、押力に対して比較的容易に変化することが想定される。したがって、本先行技術においては、フィールドコアとサイドプレートとの間隔を狭める向きの外力に対してエアギャップの値が一定しないという問題が懸念される。
本発明は、以上に述べた問題に鑑みなされたものであり、シム調整のための装置の分解と再組立とを要することなくエアギャップの適正な設定を効率的に行うことができ、かつ装置の大型化を伴うこともなく、さらには少ない部品点数でフィールドコアとサイドプレートとの間隔が外力によって容易に変化せずエアギャップを一定に保持できる構造の無励磁作動ブレーキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明は、電磁コイルが内蔵されたフィールドコアと、このフィールドコアとねじによって一体に固定されたサイドプレートと、このサイドプレートと前記フィールドコアとの間に介在するアーマチュアと、このアーマチュアを前記サイドプレートの方向に付勢する圧縮コイルばねと、前記アーマチュアと前記サイドプレートとの間に介在し、かつ回転軸と連結するブレーキディスクと、前記フィールドコアと前記サイドプレートとの間に介在し、かつ前記アーマチュアを前記回転軸の軸線方向のみに平行移動可能に案内するカラーとからなる無励磁作動ブレーキであって、前記カラーは、前記ねじの締め付けによる押圧力によって前記サイドプレート近傍で塑性変形していることを特徴としている。
前記本発明に係る無励磁作動ブレーキは、前記フィールドコアと前記サイドプレートとの間に前記カラーを介在させ、前記ねじを締め付けることでこれらを一体に組み付けるものである。前記ねじの締め付けによる押圧力を受けた前記カラーは、塑性変形しながら前記ねじの軸線方向の長さを縮小させていく。この塑性変形量を調整することで前記エアギャップを適正な値に設定することができる。ここで、前記塑性変形量は前記ねじの締め付け量に依存することから、前記エアギャップは、基本的にねじの締め付け作業のみで設定される。このように、本発明では、前記カラーが隙間調整材としての機能を果たす。
また、本発明における前記カラーは、前記サイドプレートとの接触端部近傍の側壁部肉厚が他の部分より薄く形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明における前記カラーは、前記サイドプレート側の開口端近傍の内側壁面が前記開口端に向かって次第に広がるテーパ状を呈していることを特徴とするものである。
また、本発明における前記カラーは、内側壁面の一部分が全周にわたって凹状に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明における前記カラーは、前記サイドプレートと接触する側に塑性変形し易い素材からなる円環板状の部材を位置付け、他の部分を塑性変形し難い素材からなる円筒状の部材としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、エアギャップの設定は、前述したように、基本的にねじの締め付け作業のみで行われる。この作業は、一度の組立工程のなかで完結することができるため、従来のようにシム調整のための装置の分解と再組立とを必要とせず生産性を向上させることができる。また、本発明は、前記先行技術との比較でも作業工程が削減されることから自動化により適している。
また、本発明によれば、ナットや皿ばねのようにサイドプレートの外形寸法を拡張する機械要素を伴わない構造であることから、装置の小型化に適している。
また、従来品との比較でナットや皿ばねといった新たな部品を特に必要とせず、かつシムが不要であり、さらにはカラー外周面に雄ねじ部を設ける必要もないことから、部品点数の削減および部品の原価低減の効果が見込め、製造コストが削減できる。
さらに、本発明によれば、カラー部分の弾性変形を積極的に利用した構造ではなく、かつねじで固定する構造であるため、フィールドコアとサイドプレートとの間隔を狭める向きの外力が加わってもエアギャップを一定に保持することができる。
図1は、本発明の実施の形態による無励磁作動ブレーキの斜視図であって、一部分をカットした状態を示す。 図2は、本発明の実施の形態による無励磁作動ブレーキの図1におけるP−P断面図であって、組立完了時の状態を示す。 図3は、本発明の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、エアギャップ設定前の状態を示す。 図4は、本発明の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、エアギャップの設定態様を示す。 図5は、本発明の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、組立完了時の状態を示す。 図6は、本発明の他の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、エアギャップ設定前の状態を示す。 図7は、本発明の他の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、組立完了時の状態を示す。 図8は、本発明の他の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、エアギャップ設定前の状態を示す。 図9は、本発明の他の実施の形態による無励磁作動ブレーキのカラー近傍における断面図であって、組立完了時の状態を示す。
図1ないし図9において符号1で示す装置は、円環状を呈するフィールドコア10と円環板状を呈するサイドプレート20とが、円周方向で3等分したそれぞれの位置の外周縁近傍において、カラー30aを介在させた状態でねじ40にて一体に固定され、かつこのフィールドコア10とサイドプレート20との間に、アーマチュア50および回転軸70と連結したブレーキディスク60とが介在するように構成された無励磁作動ブレーキ1を示す。
前記フィールドコア10は、炭素鋼などの磁性材からなり、ねじ40と螺合するためのねじ孔11が、前述したように、円周方向で3等分したそれぞれの位置の外周縁近傍に設けられている。このねじ孔11は、フィールドコア10を貫通する孔に形成したものである(図2参照)。
前記フィールドコア10には、円環状の空隙が設けられ、この空隙内には電磁コイル12が装填されている(図1および図2参照)。
前記電磁コイル12の外径側にあって円周方向で3等分した位置のうち前記ねじ孔11と異なる箇所には、前記アーマチュア50と対向する面に向かって開口する非貫通孔が設けられ、この非貫通孔内にはそれぞれ圧縮コイルばね14が圧縮された状態で装填されている(図1および図2参照)。この圧縮コイルばね14の一端部は、アーマチュア50のフィールドコア10と対向する面と常時圧接している(図2参照)。
前記サイドプレート20には、ねじ40を挿入するための3つの貫通孔21が、前記フィールドコア10に形成されたねじ孔11と対応する位置に設けられている(図1および図2参照)。
前記カラー30aは、非磁性体であるステンレス鋼やアルミニウム合金などの素材からなる筒状の部材であり、前記ねじ孔11と貫通孔21との同軸線上に位置するように前記フィールドコア10とサイドプレート20との間に介在している。カラー30aが存在することで、フィールドコア10とサイドプレート20とは常に一定の間隔Aをおいた位置関係にある(図2参照)。このように、カラー30aは隙間調整部材として機能するとともに、詳細については後述するが、前記アーマチュア50を回転軸70の軸線方向のみに平行移動可能に支持する案内部材としても機能する。
組立前のカラー30aは、図2に示すように、基本的には円筒状を呈しており、サイドプレート20との接触端部近傍の内壁面には、開口端へ向かってテーパ状に薄肉厚となる部分31aが形成されている。組立前のカラー30aの全長はA0であるが、ねじ40の締め付けによってサイドプレート20との接触端部が塑性変形することで、組立後の全長は前記間隔Aにまで縮小する(図2および図5参照)。
前記ねじ40は、前述したように、フィールドコア10とサイドプレート20とを一体に固定する機械要素であり、前記貫通孔21とカラー30aの中を通って、先端部がねじ孔11と螺合している(図1および図2参照)。ねじ40の軸線は、回転軸70の軸線と平行である。また、ゆるみ止め用のスプリングワッシャ41が台座として用いられている。
前記アーマチュア50は、炭素鋼などの磁性材からなり、円環板状を呈している。アーマチュア50の支持については、前記円筒状のカラー30aが、アーマチュア50の切欠き部51に挿入することで、回転軸70の軸線方向への平行移動を可能にし、かつその他の方向に対しては規制する構造を採っている。前述したように、アーマチュア50のフィールドコア10と対向する面は、圧縮コイルばね14の一端部と常時圧接しており、無励磁状態において、アーマチュア50とフィールドコア10との間にエアギャップGが形成されている。 このエアギャップGは、前記間隔Aから前記アーマチュア50の厚みBと前記ブレーキディスク60の厚みCとの合算値を差し引いた値に相当する(図2参照)。
前記ブレーキディスク60は、図1および図2に示すように、ハブ80とスプライン61によって嵌合している。このハブ80は、無励磁作動ブレーキ1の中央部を貫通するように設置される回転軸70と、例えばキー接続によって連結する円環状の部材である。このように、ブレーキディスク60は、ハブ80を介して回転軸70と連結している。前記アーマチュア50が前記圧縮コイルばね14の付勢力を受けることで、前記サイドプレート20との間でブレーキディスク60を挟圧する。このとき、ブレーキディスク60の両面には摩擦材62が固着されており、この摩擦材62を介して前記サイドプレート20の対向面と前記アーマチュア50の対向面とに圧接する。
以上に述べた無励磁作動ブレーキ1の制動と解放との性能は、背景技術の欄で述べたように、無励磁作動ブレーキ1の組立時におけるエアギャップGの適正な設定によって担保される。以下にエアギャップGの設定を含めた組立態様について、図3ないし図5に基づき説明する。
組立作業者は、図3に示すように、ねじ孔11および磁極面13が上方に向いたフィールドコア10を作業台100の上に載せて治具(図示せず)等で固定する。その上からアーマチュア50とブレーキディスク60とをこの順序で重ねる。このときアーマチュア50に設けられたU字状の切欠き部51とねじ孔11とを連通させる。その後、部分31aを上にして起立させたカラー30aを、ねじ孔11と切欠き部51とが連通する位置に設置する。その上からサイドプレート20を、貫通孔21とカラー30aとが連通する位置にて重ね合わせる。
前記状態に整えた上で、図4に示すように、フィールドコア10とアーマチュア50との間に、エアギャップの規定値と等しい厚みGのシックネスゲージ90を挿入する。その後、ねじ40を貫通孔21に挿入し、ドリルDを用いてねじ40を回転させながらこれをねじ孔11に螺合させていく。このとき、ゆるみ止め用のスプリングワッシャー41を台座として用いる。
ねじ40を締め付けると、カラー30aは、フィールドコア10とサイドプレート20とに挟圧され、カラー30aの内部応力(圧縮)が次第に増大する。この内部応力(圧縮)は、肉厚が最も薄いサイドプレート20との接触端が最も大きくなり、この部分が最初に降伏応力に達して塑性変形する。その後、テーパ状に形成された部分31aの肉薄部分から順次塑性変形が拡大していく。このとき、接触端部がテーパ状を呈していることから、前記塑性変形は外側に広がるように進行する(図5参照)。
このように、部分31aが塑性変形することで、フィールドコア10とサイドプレート20との間隔は、カラー30aの組立前の全長A0から次第に縮小していく。フィールドコア10とサイドプレート20との間隔が略Aとなった時点で、厚みGのシックネスゲージ90は、フィールドコア10とアーマチュア50とに接触する。さらにねじ40を締め付けると、シックネスゲージ90はフィールドコア10とアーマチュア50とに挟圧され、シックネスゲージ90を引く抜くのにある程度の力が必要となる。所定の引き抜き力を要する状態となった時点でねじ40の締め付けを終了し、前記所定の引き抜き力を加えてシックネスゲージ90を引き抜く。以上の作業工程を経て、フィールドコア10とアーマチュア50との間に適正なエアギャップGが形成された無励磁作動ブレーキ1の組立が完了する。(図5参照)。
前記エアギャップGの設定を伴う組立態様によれば、前記所定の引き抜き力を検知するとドリルDの締め付けを停止してシックネスゲージ90を機械的に引き抜く一連の装置等を用いることで、エアギャップGの設定を含めた組立工程を自動化することができる。なお、前記所定の引き抜き力の検知に代えて、シックネスゲージ90に設けられた圧力センサーによって所定の圧力を検知する構造としてもよい。
前記カラー30aの形状は、塑性変形し易くするための仕様であり、塑性変形し易い形状であれば特定のものに限定されない。したがって、内壁または外壁もしくは内外壁を、端部にいくほど薄肉になる段付き状を呈したカラーとしてもよい。また、ねじ40の締め付け動作をできるだけ阻害しないためには外側に向かって塑性変形させることが望ましいことから、変形する部分の周回りに一定の間隔を置いてスリットや切れ目などの加工を加えてもよい。以下に、塑性変形し易い他の形状のカラーを用いた実施の態様について、前記実施の形態と相違する点を中心に説明する。
図6および図7に示す実施の形態は、前記実施の形態に対して、前記カラー30aと形状のみが異なるカラー30bを用いたものであり、その他は前記実施の形態と同一である。本実施の形態におけるカラー30bは、円筒状を基本形状とし、サイドプレート20との接触端よりやや中ほどに入った部分から中間部分にかけての内壁面に中ぐり加工が施されている。
本実施の形態によれば、エアギャップGの設定を含めた組立工程において、ねじ40が締め付けられると、カラー30bはフィールドコア10とサイドプレート20とに挟圧される。その結果、カラー30bの内部応力(圧縮)は次第に増大し、部分31bが塑性座屈する。ねじ40の締め付けを強めていくと、カラー30bは、組立前の全長A0から次第に縮小し、全長が略Aとなった時点でシックネスゲージ90がフィールドコア10とアーマチュア50とに接触する。さらにねじ40を締め付けていくと、シックネスゲージ90はフィールドコア10とアーマチュア50とに挟圧されるに至る。その後は前記実施の形態と同様の工程を経ることで、適正なエアギャップGが形成された無励磁作動ブレーキ1の組立が完了する。
前記カラー30bが、アーマチュア50の案内部材としても機能することを考慮すれば、中ぐり部分は、前記アーマチュア50の案内部材として機能する部分以外の位置に設けることが望ましい。また、カラー30bの内側に曲がり込むように塑性変形すると、ねじ40の締め付け動作を阻害するおそれがあることから、外側へ膨らむように塑性変形する形状とすることが好ましい。
図8および図9に示す実施の形態は、前記実施の形態に対して、前記カラー30aと形状および構成が異なるカラー30cを用いたものであり、その他は前記実施の形態と同一である。本実施の形態におけるカラー30cは、塑性変形し易い素材からなる部材31cと塑性変形し難い素材からなる部材32cとから構成されている。部材31cとしては、例えばアルミ合金からなる円環板状を呈した部材が好適であり、部材32cとしては、例えばステンレス鋼からなる円筒状を呈した部材が好適である。本実施の形態では、カラー30cがアーマチュア50の案内部材として機能することを考慮して、部材31cがサイドプレート20と接する側に設けられている。また、部材31cの全長と部材32cの全長との合算値はA0となるように形成されている。
本実施の形態によれば、エアギャップGの設定を含めた組立工程において、ねじ40の締め付けによって軸力が増大すると、部材31cが押しつぶされるようにして塑性変形し全長を縮小させる。部材31cの全長と部材32cの全長との合算値が略Aとなった時点でシックネスゲージ90がフィールドコア10とアーマチュア50とに接触する。さらにねじ40を締め付けていくと、シックネスゲージ90はフィールドコア10とアーマチュア50とに挟圧されるに至る。その後は前記実施の形態と同様の工程を経ることで、適正なエアギャップGが形成された無励磁作動ブレーキ1の組立が完了する。
前記実施の形態においては、カラー30cの内側に向かって伸びるように塑性変形するとねじ40の締め付け動作を阻害するおそれがあることから、部材31cが外側へ向かって伸びるように塑性変形する形状・構造とすることが好ましい。
1…無励磁作動ブレーキ、10…フィールドコア、20…サイドプレート、30a…カラー、30b…カラー、30c…カラー、40…ねじ、50…アーマチュア、60…ブレーキディスク、70…回転軸、80…ハブ。

Claims (5)

  1. 電磁コイルが内蔵されたフィールドコアと、このフィールドコアとねじによって一体に固定されたサイドプレートと、このサイドプレートと前記フィールドコアとの間に介在するアーマチュアと、このアーマチュアを前記サイドプレートの方向に付勢する圧縮コイルばねと、前記アーマチュアと前記サイドプレートとの間に介在し、かつ回転軸と連結するブレーキディスクと、前記フィールドコアと前記サイドプレートとの間に介在し、前記アーマチュアを前記回転軸の軸線方向のみに平行移動可能に案内するカラーとからなる無励磁作動ブレーキであって、前記カラーは、前記ねじの締め付けによる押圧力によってサイドプレート近傍で塑性変形していることを特徴とする無励磁作動ブレーキ。
  2. 前記カラーは、前記サイドプレートとの接触端部近傍の側壁部肉厚が他の部分より薄く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無励磁作動ブレーキ。
  3. 前記カラーは、前記サイドプレート側の開口端近傍の内側壁面が前記開口端に向かって次第に広がるテーパ状を呈していることを特徴とする請求項2に記載の無励磁作動ブレーキ。
  4. 前記カラーは、内側壁面の一部分が全周にわたって凹状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の無励磁作動ブレーキ。
  5. 前記カラーは、前記サイドプレートと接触する側に塑性変形し易い素材からなる円環板状の部材を位置付け、他の部分を塑性変形し難い素材からなる円筒状の部材としたことを特徴とする請求項1に記載の無励磁作動ブレーキ。
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