JPH11101218A - 金属カラー及び同金属カラーを用いた締結構造体 - Google Patents

金属カラー及び同金属カラーを用いた締結構造体

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JPH11101218A
JPH11101218A JP26657997A JP26657997A JPH11101218A JP H11101218 A JPH11101218 A JP H11101218A JP 26657997 A JP26657997 A JP 26657997A JP 26657997 A JP26657997 A JP 26657997A JP H11101218 A JPH11101218 A JP H11101218A
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hole
collar
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length
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秀生 中村
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Makoto Ito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数を増大させることのない、また精度的
にも緩和される生産性に富んだ形状でありながら、樹脂
材等の取付物の信頼性の高い締結を可能ならしめる金属
カラー及び同金属カラーを用いた締結構造体を提供す
る。 【解決手段】樹脂部品11の貫通孔12の上縁には座ぐ
り部13が設けられ、同貫通孔12の下縁には金属カラ
ー15のフランジ部16と対応する凹部14が設けられ
ている。金属カラー15は円筒状に形成され筒部15a
を有するとともに、基端部にはフランジ部16が形成さ
れている。この金属カラー15は貫通孔12内に挿入さ
れた後、その先端部17が加圧されることにより、座ぐ
り部17内で断面略「く」字状に変形される。こうして
金属カラー15の装着された樹脂部品11はその後、ボ
ルト23により座金24を介して被取付物21に締結さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被取付物に対しボ
ルト等の締結手段により締結される樹脂部品等の材料の
締結孔に装着されることによってその変形や損傷を防止
するとともに、同締結を確実ならしめる金属カラー及び
同金属カラーを用いた締結構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば樹脂製インテークマニホールド等
の樹脂部品をボルトなどの締結手段によってシリンダヘ
ッド等の被取付物に締結する際には、同締結手段の軸力
によって樹脂部品に変形や亀裂等の損傷を生じるおそれ
がある。こうした樹脂部品等の材料の変形や損傷を防止
する方法の一つに、同材料の締結部である貫通孔に金属
カラーを装着し、その金属カラーを介して該材料を被取
付物に締結する方法がある。
【0003】以下、一般的な金属カラー及び同金属カラ
ーを用いた締結構造体について図7〜図9に従って説明
する。図7は上記樹脂部品を被取付物に締結した状態を
示す断面図であり、図8は同樹脂部品と金属カラーとの
寸法関係を示す概略断面図である。
【0004】図7に示すように、樹脂部品51に設けら
れた貫通孔52内には、円筒状の金属カラー53が圧入
されている。同樹脂部品51は、被取付物54に対し
て、その貫通孔52、正確には上記金属カラー53の筒
部53aが該被取付物54の雌ねじ穴55と対応するよ
うに配置されている。そして、ボルト56は、座金57
及び上記金属カラー53を介して上記雌ねじ穴55に螺
着されている。
【0005】ところで、図8に示すように、上記樹脂部
品51の貫通孔52の直径φd’と上記金属カラー53
の外径φdとの寸法誤差は、±0.02ミリ程度にまで
高精度化されている。これは、上記金属カラー53を上
記樹脂部品51の貫通孔52内に圧入した際に、同金属
カラー53が該貫通孔52内から抜け落ちないように
し、且つ同金属カラー53の圧入によって該貫通孔52
の周辺が損傷しないようにするためである。
【0006】一方、上記金属カラー53の長さL2は、
上記樹脂部品51の肉厚L1よりも長さCだけ短く設定
されている。そのため、上記金属カラー53を上記樹脂
部品51の貫通孔52に圧入したときに、樹脂部品51
と金属カラー53との間にはこの長さCに相当するクリ
アランスが生じる。このクリアランスCは、上記ボルト
56によるつぶし代として確保される。そして、該ボル
ト56によって樹脂部品51及び被取付物54を締結す
る際には、同ボルト56を自身の軸力によって樹脂部品
51を上記つぶし代分だけ弾性変形させて、同樹脂部品
51の上面が上記金属カラー53の上面と面一になるよ
うに締結する。このとき、上記ボルト56は、樹脂部品
51から上記弾性変形分だけの付勢力を受ける。上記ボ
ルト56は、この付勢力によって緩み止めされる。
【0007】こうしたボルト56の締結時において、ボ
ルト56の軸力による上記樹脂部品51と上記金属カラ
ー53とに対する荷重分担率がどちらか一方に偏ると、
その荷重分担率の高い部材が、経時変化によって歪みが
増大してゆくおそれ、すなわちクリープを生じるおそれ
がある。特にこの荷重分担率が樹脂部品51に偏ると、
上記クリアランスC分のつぶし代が弾性変形せずに塑性
変形してしまうおそれがある。したがって、それら樹脂
部品51と金属カラー53とに対する荷重分担率はほぼ
同等である必要がある。そのためには、上記付勢力がボ
ルト56の軸力の半分程度になるように上記クリアラン
スCを設定すればよい。こうしたクリアランスCの設定
許容量は、図9に示すように、0.05〜0.31ミリ
程度の範囲内である。したがって、上記樹脂部品51の
肉厚L1に対する上記金属カラー53の長さL2も高精
度に設定する必要がある。
【0008】その結果、こうした金属カラー及び同金属
カラーを用いた締結構造体によれば、上記樹脂部品51
の内径φd’及び肉厚L1と金属カラー53の外径φd
及び長さL2との相対的な寸法に極めて高い精度が要求
されることとなっている。しかも、樹脂部品51は通
常、樹脂成形型収縮、ファイバー補助材の流れ方向、型
抜きこう配等によるバラツキがあって高精度化が困難で
あるため、こうした精度の要求は、金属カラー53側の
機械加工精度に対して特に厳しいものとなっている。し
たがって、切削加工等の微妙な機械加工が必要となる該
金属カラー53の生産性の低下が余儀なくされている。
【0009】そこで従来、こうした不都合に対処すべ
く、特開平6−167258号公報や実開昭63−19
6757号公報に記載のカラー(ブッシュ)及び同カラ
ーを用いた締結構造体が提案されている。
【0010】特に特開平6−167258号公報に記載
の金属カラーにおいては、同カラーにツバ部を設け、弾
性体を介して樹脂材の貫通孔に圧入することによって、
同カラーの長さ方向の精度を緩和するようにしている。
すなわち、弾性体によってボルトに軸力が付与されるよ
うになるため、上述したつぶし代としてのクリアランス
Cが不要となる。
【0011】また、上記特開平6−167258号公報
には、カラー部周壁に軸線方向のスリットを有する金属
カラー、及びそれに加えて同周壁に突起を設けた構造の
金属カラーが記載されている。そして、こうした金属カ
ラーを上記樹脂材の貫通孔に圧入することによって同カ
ラーが貫通孔から抜け落ちることを防止している。こう
した金属カラーの構造によれば、樹脂材の貫通孔の内径
と金属カラーの外径との寸法精度も緩和される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の金属カラー及び同カラーを用いた締結構造体に
おいては、上記弾性体を別部材として用意しなければな
らないために、部品点数の増大といった新たな不都合を
招くとともに、金属カラーにスリットや突起を設けなけ
ればならないためにその生産性も低減してしまう。さら
には、上記金属カラーを上記樹脂材の貫通孔に圧入する
際に、樹脂に対して金属を弾性変形されなければならな
いため、同貫通孔周縁の樹脂材が変形や割れ等を生じる
おそれもある。
【0013】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、部品点数を増大させること
のない、また精度的にも緩和される生産性に富んだ形状
でありながら、樹脂材等の取付物の信頼性の高い締結を
可能ならしめる金属カラー及び同金属カラーを用いた締
結構造体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、ボルト等の締結手段
によって被取付物に締結固定される取付物の締結孔内に
装着される金属カラーであって、そのカラー全長が前記
締結孔の孔長より長く形成され、少なくとも該締結孔の
孔長より長く形成された部分が同長さ方向からの加圧に
基づき塑性変形可能であることをその要旨とする。
【0015】金属カラーとしての同構造によれば、その
塑性変形の度合いに応じてカラーの全長が締結孔の孔長
に見合う長さに自動調整されるようになる。このため、
少なくとも該カラーの長さに関する精度は緩和されるこ
ととなり、その分その生産性も向上されるようになる。
【0016】請求項2に記載の発明では、ボルト等の締
結手段によって被取付物に締結固定される取付物の締結
孔内に装着される金属カラーであって、そのカラー全長
が前記締結孔の孔長より長く形成され、該締結孔の孔長
より長く形成された部分が同長さ方向からの加圧に基づ
き塑性変形されて前記取付物の締結孔内に落下不能に装
着されることを特徴とする金属カラー。
【0017】金属カラーとしての同構造によれば、その
塑性変形の度合いに応じてカラーの全長が締結孔の孔長
に見合う長さに自動調整されるとともに、該塑性変形に
伴う周壁の突出によって同金属カラーが締結孔から落下
するようなこともなくなる。このため、同カラーの長さ
に関する精度、並びに外径に関する精度が共に緩和さ
れ、その分その生産性も向上されるようになる。
【0018】請求項3に記載の発明では、ボルト等の締
結手段によって被取付物に締結固定される取付物の締結
孔内に装着される金属カラーであって、前記被取付物と
の当接部にフランジを有するとともに、そのカラー全長
が前記締結孔の孔長より長く形成され、該締結孔の孔長
より長く形成された部分が同長さ方向からの加圧に基づ
き塑性変形されて前記取付物の締結孔内に落下不能に装
着されることをその要旨とする。
【0019】金属カラーとしての同構造によれば、その
塑性変形の度合いに応じてカラーの全長が締結孔の孔長
に見合う長さに自動調整されるとともに、該塑性変形に
伴う周壁の突出、並びにその下部のフランジによって金
属カラーが締結孔を挟み込むかたちとなり、金属カラー
が同締結孔から落下することもなくなる。このため、同
カラーの長さに関する精度、並びに外径に関する精度が
共に緩和され、その分その生産性も向上されるようにな
る。また、上記フランジを有することにより、該金属カ
ラーが被取付物の表面を損傷せしめるようなこともなく
なる。
【0020】請求項4に記載の発明では、締結孔内に金
属カラーの装着された取付物がボルト等の締結手段によ
り被取付物に締結固定されてなる金属カラーを用いた締
結構造体において、前記取付物の締結孔上部には座ぐり
が設けられ、前記金属カラーはそのカラー全長が同締結
孔の孔長より長く形成されたものが前記座ぐり内で圧縮
変形されて前記締結手段に反力を付与することをその要
旨とする 金属カラーを用いた締結構造体としての同構成によれ
ば、金属カラーの圧縮変形の度合いに応じて同カラーの
全長が取付物における締結孔の孔長に見合う長さに自動
調整されるようになるとともに、そのスプリングバック
による締結手段への反力を通じて、締結手段の緩み等も
好適に防止されるようになる。このため、金属カラーの
長さに関する精度は緩和されることとなり、その生産性
が向上されるとともに、締結手段の緩み等のないより信
頼性の高い締結が実現されるようになる。また、同締結
に際して部品点数の増加もない。
【0021】請求項5に記載の発明では、請求項4記載
の金属カラーを用いた締結構造体において、前記金属カ
ラーは前記被取付物との当接部にフランジを有すること
をその要旨とする。
【0022】金属カラーを用いた締結構造体としての同
構成によれば、上記フランジを通じて金属カラーと被取
付物との当接面積が増大され、該被取付物がアルミニウ
ム等の比較的柔らかい材料であったとしても、その表面
が金属カラーによって損傷されることはなくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図5に従って説明する。図1は本実施形態
にかかる金属カラーを用いた締結構造体として、金属カ
ラーの装着された樹脂部品を被取付物に締結した状態を
示す断面図であり、図2は同締結構造体に用いられる金
属カラーの斜視図である。なお、取付物である樹脂部品
が樹脂製インテークマニホールドであった場合、その取
付物としては、例えばアルミニウム等からなるシリンダ
ヘッドがある。
【0024】図1に示すように、樹脂部品11には、貫
通孔12が設けられている。貫通孔12の上縁には座ぐ
り部13が設けられ、貫通孔12の下縁には後記する金
属カラー15のフランジ部16と対応する凹部14が設
けられている。SCP270やSUS等の軟鋼からなる
金属カラー15は、図2に示すように、円筒状に形成さ
れた筒部15aを有するとともに、基端部(図中下部)
にはフランジ部16が形成されている。また、金属カラ
ー15はその全長が上記貫通孔12の長さよりも例えば
3〜5ミリ程度長めに形成されている。
【0025】このように形成された金属カラー15は、
その先端部17から上記貫通孔12内に挿入された後、
後述するように、プレス等によりその長さ方向から加圧
されて、同先端部17が上記座ぐり部13内で断面略
「く」字状に塑性変形させられる。こうして金属カラー
15が装着された樹脂部品11は、同金属カラー15の
筒部15aが被取付物21の雌ねじ穴22と対応するよ
うに配置された状態でボルト23及び座金24により上
記被取付物21に締結固定される。
【0026】次に、このように構成された締結構造体の
組付過程を図1及び図3〜図5に従って更に詳述する。
なお、図3〜図5は、本実施形態にかかる金属カラーを
用いた締結構造体の組付態様を順次示す断面図である。
【0027】同構造体の組付に際してはまず、図3
(a)に示す態様で上記樹脂部品11の貫通孔12内に
上記金属カラー15が挿入される。樹脂部品11の下方
から挿入された同金属カラー15はこのとき、そのフラ
ンジ部16が上記貫通孔12の下方に設けられた凹部1
4に収容され、図3(b)に示されるように、金属カラ
ー15の下面は樹脂部品11の下面と面一になる。な
お、金属カラー15の外径は、上記貫通孔12の内径
(成形精度±0.1ミリ)に対して0.05〜0.45
ミリ程度の隙間ができる寸法となっている。また、この
状態においては、同カラー15の先端部17が樹脂部品
11の上面よりも所定量h(3〜5ミリ)だけ突出す
る。
【0028】続いて、図3(b)に示すように、上記金
属カラー15をその上方からプレス機31によって押圧
する。このとき、同カラー15の先端部17は樹脂部品
11から所定量hだけ突出しているために、このプレス
機31の押圧力により、図4(a)に示される態様で同
先端部17が上記座ぐり部13内で座屈による塑性変形
を生じ、上述のように断面略「く」字状に屈曲する。こ
のとき、上記プレス機31は、自身の下面が上記樹脂部
品11の上面と面一になる位置まで移動するが、その
後、図4(b)に示すように金属カラー15が上記プレ
ス機31による押圧から解放されると、上記先端部17
は、弾性戻り(スプリングバック)によって樹脂部品1
1の上面から長さSだけ突出するようになる。すなわ
ち、金属カラー15の先端部17はこの突出長さS分の
弾性変形が可能となる。なお、金属カラー15の先端部
17がこうして塑性変形させられることで、その外径と
貫通孔12の内径とに上記隙間が存在する場合であれ、
同カラー15が同貫通孔12から落下することはなくな
る。すなわち、同状態で樹脂部品11を運搬する場合で
あれ、該部品11から金属カラー15が落下、紛失する
といったような自体も未然に回避されるようになる。
【0029】次に、こうして金属カラー15が装着され
た樹脂部品11は、図5に示すように上記被取付物21
の雌ねじ穴22と金属カラー15の筒部15aとが対応
した状態で同被取付物21に重ねられる。そしてボルト
23が、同図5に示される態様で座金24を介して上記
筒部15aに挿入され、トルクレンチ等により所定の締
め付けトルクにて被取付物21の雌ねじ穴22に螺着さ
れることで、図1に示した締結構造体の組付けが完了さ
れる。
【0030】ところで、上記ボルト23の螺着時におい
て、同ボルト23には、上記金属カラー15の先端部1
7の弾性変形(スプリング力)に基づく反力が生じる。
そしてこの反力は、ボルト23による締結力の緩みを防
止するとともに、その締結荷重が樹脂部品11のみに集
中的に加わることをも緩和する。一方、同スプリング力
に基づく反力は、上記金属カラー15の材質、長さ、肉
厚等によって決定される。そこで、本実施形態において
は、上記ボルト23の軸力が樹脂部品11と金属カラー
15とにそれぞれ半々程度に加わるように、その材質を
含め、同金属カラー15の長さ及び肉厚を設定するよう
にしている。
【0031】以上詳述した本実施形態の作用並びに効果
について以下に総括する。 ・樹脂部品11の貫通孔12の直径と金属カラー15の
外径との相対精度、及び同樹脂部品11の肉厚(貫通孔
12の孔長)と同カラー15の全長との相対精度を緩和
させることができる。すなわち、金属カラー15を形成
する際に、切削加工等の微妙な機械加工が不要となる。
そのため、金属カラー15の生産性を向上させることが
できる。しかも本実施形態の締結構造体によれば、ボル
ト23に対して反力を付与するための構成を別部材とし
て用意する必要がないため、部品点数を増大させること
をも防止することができ、管理コスト及び製造コストを
低減することができる。
【0032】・金属カラー15の貫通孔(締結孔)12
への挿入後、その先端部17がプレスにより塑性変形さ
れるため、同カラー15が同貫通穴12から抜け落ちる
のを防止することができる。また、同状態での樹脂部品
11の運搬等も容易となる。
【0033】・金属カラー15の変形された先端部17
の長さS分の弾性変形(スプリング力)に基づく反力が
ボルト23に対して付与されるため、同ボルト23が螺
着完了後に緩んでしまうのを確実に防止することができ
る。
【0034】・樹脂部品11と金属カラー15とに対す
る荷重分担率は、上記ボルト23の軸力と上記反力との
比によって決定される。この反力は、金属カラー15の
(突出)長さ及び肉厚によって調整することができるた
め、該荷重分担率を容易に調整することができる。そし
て、樹脂部品11と金属カラー15とに対する荷重分担
率を同等程度にすることによって、同荷重分担率の偏り
に起因する樹脂部品11の変形や割れ、あるいは締結力
の低下等々といった種々の不具合を好適に解消すること
ができる。
【0035】・金属カラー15の基端部にフランジ部1
6を形成したことで、被取付物21の上面との当接面積
を大きく確保できる。すなわち、ボルト23の螺着時に
おいて、上記被取付物21の該当接面がボルト23の軸
力によって押圧された金属カラー15から受ける面圧を
低減することができる。したがって、被取付物21がア
ルミニウム等の比較的柔らかい材料であったとしても、
金属カラー15が同被取付物21の当接面にくい込むな
どして、これを変形、損傷させてしまうこともない。
【0036】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよく、その場合でも同様の作用および効果を得るこ
とができる。 ・上記実施形態では図2に示した金属カラー15を用い
たが、これを、図6に示す金属カラー41に変更する。
同図に示すように、金属カラー41も、上記金属カラー
15と同様に筒部41a、フランジ部42、及び先端部
43を有するが、先端部43の肉厚は筒部41aの肉厚
よりも薄く形成されている。このようにすれば、金属カ
ラー41としての必要な強度と上記ボルト23に対する
反力(スプリング力)とを任意に調整することができる
ようになる。
【0037】・金属カラーとして、上記金属カラー1
5,41を僅かに楕円筒化させたものを用いる。このよ
うにすれば、樹脂部品11の貫通孔12内に圧入された
金属カラーが、貫通孔12内にて楕円に戻ろうとするた
め、金属カラーカラーの周壁と貫通孔12の内面との間
に摩擦が生じる。その結果、上記貫通孔12内に金属カ
ラーを装着した後に、同カラーが貫通孔12から抜け落
ちるのを防止することができる。
【0038】・カラー先端部は、プレス機31にて屈曲
させなくても、上記ボルト23の締結時にその軸力によ
って屈曲させることも可能であるため、こうして金属カ
ラーを楕円筒化することにより、プレス機31による押
圧工程を省くことも可能となる。
【0039】・上記金属カラー15,41のフランジ部
16,42に、挿入方向に向かって収束するテーパ面を
設ける。それとともに、上記樹脂部品11の凹部14を
該テーパ面に対応する形状にする。このようにすれば、
上記樹脂部品11の貫通孔12に上記金属カラー15,
41を挿入する際に、同樹脂部品11の内径と上記金属
カラー15,41の外径との誤差に影響されることな
く、それらフランジ部16,42を凹部14内に容易に
収めることができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1または請求項2に記載の発明に
よれば、上記所定量突出した金属カラーの挿入端を座屈
変形させることにより、同カラーが上記孔部内から抜け
落ちるのを防止することができる。そのため、上記取付
物と上記金属カラーとの径方向の相対精度を緩和させる
ことができる。それとともに、上記座屈変形された金属
カラーの挿入端の弾性戻り力(スプリングバック力)に
より上記締結部材に対して付勢力が付与されるため、同
締結部材の緩み止めを図ることができる。すなわち、上
記取付物と上記金属カラーとの長さ方向の相対精度をも
緩和させることができる。しかも、上記締結部材への付
勢力の付与は上記金属カラーの挿入端によってなされる
ため、同付勢力を付与するために別部材を用意する必要
もない。
【0041】請求項3に記載の発明によれば、上記フラ
ンジ部によって該金属カラーと上記被取付物との接触面
積を増大させることができる。そのため、上記締結部材
の軸力によって、上記金属カラーが上記被取付物の該接
触面にくい込んだりして、同被取付物を変形させてしま
うおそれを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属カラーを用いた締結構造体を示す
断面図。
【図2】本発明の金属カラーの一実施形態を示す斜視
図。
【図3】同実施形態の締結構造体の組付過程を示す断面
図。
【図4】同実施形態の締結構造体の組付過程を示す断面
図。
【図5】同実施形態の締結構造体の組付過程を示す断面
図。
【図6】本発明の金属カラーの他の実施形態を示す斜視
図。
【図7】金属カラーを用いた締結構造体の一般構成を示
す断面図。
【図8】同構造体の樹脂部品と金属カラーとの寸法関係
を示す断面図。
【図9】同構造体の樹脂部品のつぶし代と荷重分担率と
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11…樹脂部品(取付物)、12…貫通孔(締結孔)、
13…座ぐり部、14…凹部、15,41…金属カラ
ー、16,42…フランジ部、17,43…先端部、2
1…被取付物、23…ボルト(締結手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 誠 愛知県名古屋市中区正木3丁目6番6号 株式会社高木製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト等の締結手段によって被取付物に
    締結固定される取付物の締結孔内に装着される金属カラ
    ーであって、 そのカラー全長が前記締結孔の孔長より長く形成され、
    少なくとも該締結孔の孔長より長く形成された部分が同
    長さ方向からの加圧に基づき塑性変形可能であることを
    特徴とする金属カラー。
  2. 【請求項2】 ボルト等の締結手段によって被取付物に
    締結固定される取付物の締結孔内に装着される金属カラ
    ーであって、 そのカラー全長が前記締結孔の孔長より長く形成され、
    該締結孔の孔長より長く形成された部分が同長さ方向か
    らの加圧に基づき塑性変形されて前記取付物の締結孔内
    に落下不能に装着されることを特徴とする金属カラー。
  3. 【請求項3】 ボルト等の締結手段によって被取付物に
    締結固定される取付物の締結孔内に装着される金属カラ
    ーであって、 前記被取付物との当接部にフランジを有するとともに、
    そのカラー全長が前記締結孔の孔長より長く形成され、
    該締結孔の孔長より長く形成された部分が同長さ方向か
    らの加圧に基づき塑性変形されて前記取付物の締結孔内
    に落下不能に装着されることを特徴とする金属カラー。
  4. 【請求項4】 締結孔内に金属カラーの装着された取付
    物がボルト等の締結手段により被取付物に締結固定され
    てなる金属カラーを用いた締結構造体において、 前記取付物の締結孔上部には座ぐりが設けられ、前記金
    属カラーはそのカラー全長が同締結孔の孔長より長く形
    成されたものが前記座ぐり内で圧縮変形されて前記締結
    手段に反力を付与することを特徴とする金属カラーを用
    いた締結構造体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の金属カラーを用いた締結
    構造体において、 前記金属カラーは前記被取付物との当接部にフランジを
    有することを特徴とする金属カラーを用いた締結構造
    体。
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