JP2016028173A - Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ターゲット中の空孔に係る形状、大きさを特定して、高電力のスパッタリングを行った場合でも、スプラッシュや異常放電の発生を抑制し、安定したスパッタリングを可能とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいて、空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であり、かつ、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下であることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜型太陽電池の光吸収層として利用されるCu−In−Ga−Se化合物膜(以下、CIGS膜と略記することがある。)を形成するときに使用するCu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法に関するものである。
このCu−In−Ga−Se四元系合金膜については、種々の開発がなされているが、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、セレン(Se)化法によるCu−In−Ga−Se四元系合金膜(CIGS膜)を光吸収層に用いた太陽電池を製造するためには、必須な材料となっている。なお、セレン化法とは、例えば、CuGaを約500nmスパッタリングした後に、その上にInを約500nmスパッタリングして形成した積層膜を、500℃のHSeガス中で加熱し、SeをCuGaInに拡散させ、CuInGaSeの化合物膜を形成する方法である。
また、近年においては、太陽電池に用いられる基板の大面積化によるコストダウンが盛んに行われていることに伴い、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいても大面積化が求められている。このスパッタリングターゲットの大面積化を行うことで要求される特性としては、高電力によるスパッタリングに耐え得ることが求められている。特に、円筒形状のスパッタリングターゲットを用いる場合には、平板型のスパッタリングターゲットの場合に比べて、冷却効率が高いことから、平板型のスパッタリングターゲットよりも、高い電力密度に耐え得ることが要求される。
一方、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットに関して、ターゲット中の空孔率について多くの議論がされてきた(例えば、特許文献1〜3を参照)。これらの議論では、Cu−Ga合金焼結体によってスパッタリングターゲットを製作した場合には、最も重要な要件は、焼結体の相対密度を高くすることであって、実際の絶対密度をその組成のターゲットの理論密度で除した値の比である相対密度が低いときには、スパッタリングターゲット中に、空孔が多数存在することを意味し、スパッタリング中の内部空孔の表出時に、その空孔周辺を起点とするスプラッシュや異常放電が発生し易くなるとしている。そこで、スパッタリングターゲット中に存在する空孔について、例えば、空孔率1.0%以下にすることが好ましいとしている。
特開2010−265544号公報 特開2012−201948号公報 特開2013−142175号公報
上述したように、従来技術によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットに関して、スパッタリングターゲット中の空孔率についての議論がされているだけであり、スパッタリングターゲット中の空孔に係る形状、大きさについては着目されていない。即ち、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを焼結体で製作する以上、ターゲット中に空孔が生成されてしまうことは避けられないが、その焼結体中には、ミクロな空孔とマクロな空孔とが混在している場合がある。その空孔について、例えば、空孔率1.0%以下の様に制限しただけでは、ミクロな空孔のみであれば、高電力によるスパッタリングでも、異常放
電の多発を低減できても、マクロな空孔が存在していると、その空孔周辺を起点とするスプラッシュや異常放電が発生し易くなるので、高電力によるスパッタリングを安定して行えなくなり、特に、大面積のスパッタリングターゲットを用いた場合には、顕著である。
そこで、本発明は、ターゲット中の空孔に係る形状、大きさを特定して、高電力のスパッタリングを行った場合でも、スプラッシュや異常放電の発生を抑制し、安定したスパッタリングを可能とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
従来技術によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットに関して、ターゲット中の空孔率について議論されているだけで、ターゲット中の空孔に係る形状、大きさについては着目されていない。そこで、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを種々作製し、それらのスパッタ特性について評価した結果、従来技術によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおける空孔率では、低電力スパッタリングにおいては発生しなかった異常放電が、高電力スパッタリング時には発生してしまうことが判明した。このことは、ターゲット中に、ミクロな空孔とマクロな空孔とが混在し、とりわけ、マクロな空孔の存在が起因していると考えられ、ターゲット中の空孔に係る形状、大きさが重要となる。この空孔に係る形状、大きさを制御することにより、高電力のスパッタリング時でも、異常放電の発生しないスパッタリングターゲットが得られることが分かった。
そこで、本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの代表例として、Ga含有量が35原子%であって、平均粒径が23.1μmであるCu−Ga合金粉末を用いて、このCu−Ga合金粉末を、脱酸素する還元処理の後に所定の焼結条件に従って焼結することにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。そのCu−Ga合金スパッタリングターゲットに関して電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像が、図1に示されている。この画像によれば、ターゲット中に、ミクロな空孔とマクロな空孔とが混在している様子が示されている。このターゲット中の空孔の大きさについて測定したところ、空孔の外接円の直径は、21μm以下であり、空孔率は1.7%であった。このCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング試験を実施したところ、高電力のDCスパッタリングにおいて、異常放電の発生は皆無であり、安定したスパッタリングを行うことができた。
一方、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの比較例として、Ga含有量が50.0原子%であって、平均粒径が60.0μmであるCu−Ga合金粉末と、平均粒径が25.1μmのCu粉末とを所定量秤量し混合して原料粉末とし、この原料粉末を、脱酸素の還元処理を行わないで、所定の焼結条件に従って焼結することにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。そのCu−Ga合金スパッタリングターゲットに関して電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像が、図2に示されている。この画像によれば、ターゲット中に、目視できるほどの大きな空孔が存在していることが示されている。なお、図2の画像では、倍率の関係で、ミクロな空孔は表出されていない。このターゲット中の空孔の大きさについて測定したところ、空孔の外接円の平均直径は、1620μmであり、空孔率は5.2%であった。このCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング試験を実施したところ、低電力のDCスパッタリングにおいても、異常放電が多発し、高電力のDCスパッタリングにおいては、ターゲット割れが発生し、スパッタリングを行うことができなかった。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)本発明によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有する焼結体であるCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいて、前記焼結体中の空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であり、かつ、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下であることを特徴とする。
(2)前記(1)のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの前記焼結体は、Na:0.05〜15.0原子%を含有していることを特徴とする。
(3)前記(2)のCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおける前記Naは、フッ化ナトリウム、硫化ナトリウム、セレン化ナトリウムのうち少なくとも1種のNa化合物の状態で含有されていることを特徴とする。
(4)前記(3)のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの前記焼結体は、Cu−Ga合金素地中に前記Na化合物が分散している組織を有すると共に、Na化合物の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする。
(5)前記(1)のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの前記焼結体は、K:0.05〜15.0原子%を含有していることを特徴とする。
(6)前記(5)のCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおける前記Kは、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫化カリウム、セレン化カリウム、ニオブ酸カリウムのうち少なくとも1種のK化合物の状態で含有されていることを特徴とする。
(7)前記(6)のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの前記焼結体は、Cu−Ga合金素地中に前記K化合物が分散している組織を有すると共に、K化合物の平均粒径が10μm以下である。
(8)本発明によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するCu−Ga合金粉末に、還元雰囲気下、200℃以上で脱酸素処理を施す工程と、脱酸素処理が施された前記Cu−Ga合金粉末を焼結する工程と、を備えたことを特徴とする。
(9)本発明によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Ga:10.0〜75.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有し、かつ、平均粒径が50μm未満であるCu−Ga合金粉末と、純銅粉末とを、Ga:0.1〜40.0原子%を含有する成分組成に配合し混合して原料粉末を作製する工程と、前記原料粉末に、還元雰囲気下、200℃以上で脱酸素処理を施す工程と、脱酸素処理が施された前記原料粉末を焼結する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有する焼結体であって、前記焼結体中の空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であり、かつ、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下とすることを特徴としている。ここで、空孔の形状、大きさに関して、空孔の外接円の平均直径が150μmを超えて大きくなると、スパッタリング開始直後から異常放電が発生しやすくなる。また、空孔の外接円の平均直径が100〜150μmの範囲では、スパッタリングが進むと異常放電が発生しやすくなることがある。このため、空孔の外接円の平均直径は100μmよりも小さいことが好ましい。空孔の外接円の平均直径の下限は、一般に1μmである。空孔率の下限は、一般に0.1%である。
また、前記焼結体中におけるCu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μmを超える組織を有する場合には、ある程度スパッタリングが行われると、Cu−Ga合金結晶のエッジが露出するようになり、このエッジに電荷が集中するため、異常放電が発生しやすくなり、多発することになる。Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径の下限は、一般に1μmである。なお、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットに、Na化合物を添加する場合においても、或いは、Na化合物の代わりに、K化合物を添加する場合においても、同様に、空孔の形状、大きさが異常放電に関係する。
本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、ナトリウム(Na)、或いは、カリウム(K)を含有させることができる。
具体的には、Cu−Ga合金スパッタリングターゲット中の金属元素成分(Se,Nbを除く)として、Ga:0.1〜40.0原子%、Na:0.05〜15.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するようにした。なお、Naの代わりに、Kを添加する場合にも、K:0.05〜15.0原子%を含有させる。
さらには、前記Naは、フッ化ナトリウム(NaF)、硫化ナトリウム(NaS)、セレン化ナトリウム(NaSe)のうち少なくとも1種のNa化合物の状態で含有されていることを特徴とし、前記Na化合物は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの素地中に分散していると共に、Na化合物の平均粒径が10μm以下であることを特徴としている。Na化合物の平均粒径の下限は、一般に0.1μmである。
なお、K添加の場合には、フッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)、臭化カリウム(KBr)、ヨウ化カリウム(KI)、硫化カリウム(KS)、セレン化カリウム(KSe)、ニオブ酸カリウム(KNbO)のうち少なくとも1種のK化合物の状態で含有され、前記K化合物は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの素地中に分散していると共に、K化合物の平均粒径は10μm以下である。K化合物の平均粒径の下限は、一般に0.1μmである。
太陽電池の光吸収層として用いるCu−In−Ga−Se四元系化合物膜は、Na或いはKを添加することにより、発電効率が向上することが知られている。このCu−In−Ga−Se四元系合金薄膜にNa或いはKを添加する方法として、Cu−Ga膜の成膜に用いるCu−Ga合金スパッタリングターゲットにNa或いはKを添加する方法が知られている。上記のNa或いはKを含有させたCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Na或いはKが添加されたCu−In−Ga−Se四元系化合物膜の成膜用として利用できる。
また、本発明によるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するCu−Ga合金粉末を原料粉末とし、この原料粉末を、還元雰囲気下、200℃以上で脱酸素処理を施す工程と、脱酸素処理が施された前記Cu−Ga合金粉末を焼結する工程と、を備え、或いは、Ga:10.0〜75.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有し、かつ、平均粒径が50μm未満であるCu−Ga合金粉末と、純銅粉末とを、Ga:0.1〜40.0原子%を含有する成分組成に配合し混合して原料粉末を作製する工程と、前記原料粉末に、還元雰囲気下、200℃以上で脱酸素処理を施す工程と、脱酸素処理が施された前記原料粉末を焼結する工程と、を備えたことを特徴としている。Cu−Ga合金粉末の平均粒径の下限は、一般に1μmである。
本発明の製造方法では、1)Cu−Ga合金粉末を原料粉末として用い、Ga:0.1〜40.0原子%を含有する成分組成を有するCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する場合と、2)Cu−Ga合金粉末と純銅粉末とを原料粉末として用い、Ga:0.1〜40.0原子%を含有する成分組成を有するCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する場合とがあり、1)及び2)の場合のいずれにおいても、原料粉末に対して、焼結前において、脱酸素処理が施されている。この脱酸素処理は、還元雰囲気下、200℃以上で、(Cu−Ga合金の融点−100℃)以下の温度で行われ、この処理によって、酸素含有量が低減され、焼結体中における空孔の制御ができ、大きな空孔の生成を抑制できるので、高出力DCスパッタリング時における異常放電を低減できる。なお、脱酸素工程においては、処理条件を2段階以上設けると、より一層、空孔の抑制に繋がる。この脱酸素工程に用いる還元雰囲気ガスとしては、水素(H)、一酸化炭素(CO)の他に、アンモニアクラッキングガス等の還元ガス、或いは、それらの還元ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いることができる。
さらに、1)及び2)の場合のいずれも、Cu−Ga合金スパッタリングターゲット中にNa又はK成分を添加することができ、前記原料粉末に前記Na化合物粉末又はK化合物粉末を配合し混合しておけば、Na又はK成分の添加が可能である。なお、Ga:10.0〜75.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するCu−Ga合金粉末の平均粒径を50μm未満にすることで、ターゲット組織中のCu−Ga合金の平均粒径を50μm未満に抑えることができ、高出力スパッタリング時における異常放電発生の低減が可能となる。
以上の様に、本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットによれば、Ga:0.1〜40.0原子%を含有したCu−Ga合金の焼結体からなり、該焼結体中においては、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下であって、しかも、空孔の存在を示す空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であることによって、低電力DCスパッタリング時の異常放電の発生を低減できるだけでなく、高電力DCスパッタリング時においても、ターゲット割れを発生することなく、しかも、異常放電の発生を抑制できる。さらに、Cu−Ga合金スパッタリングターゲット中に、Na化合物又はK化合物を添加した場合でも、同様に、ターゲット割れを発生することなく、しかも、異常放電の発生を抑制できる。
また、本発明の製造方法では、上記の1)及び2)の場合のいずれにおいても、原料粉末の焼結前に、脱酸素処理が施されているので、原料粉末中における酸素含有量が低減されて、焼結体中における空孔の制御ができ、大きな空孔の生成を抑制できるので、高出力DCスパッタリング時における異常放電を低減でき、ターゲット割れの発生を無くし、安定したスパッタリングを行うことができる。
本発明の実施例に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの具体例について、電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像である。 比較例に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの具体例について、電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像である。
次に、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットについて、以下に、実施例により具体的に説明する。
[実施例]
先ず、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製するにあたり、Cu−Ga合金粉末と、純銅粉末とを用意した。ここで、Cu−Ga合金粉末として、Cu金属塊と、Ga金属塊とを、表1に示されるGa含有量となるように秤量し、それぞれを坩堝内で溶解した後、ガスアトマイズ法により、粉末を作製した。実施例1、2は、このCu−Ga合金粉末を原料粉末とした場合であり、実施例3、4、8〜12は、上記のCu−Ga合金粉末と純銅粉末とを、表1に示される配合比率で混合した粉末を原料粉末とした場合である。この混合では、回転数を72rpm、混合時間を30分とし、ロッキングミキサーにより行った。また、実施例5〜7は、表1に示される配合比率でNa化合物を添加する場合であって、さらに、3N(純度99.9%)のNa化合物粉末を用意した。実施例5、6の場合には、上記のCu−Ga合金粉末と、純銅粉末と、Na化合物粉末とをロッキングミキサーにより混合して原料粉末を作製した。実施例7では、上記のCu−Ga合金粉末と、Na化合物粉末とをロッキングミキサーにより混合して原料粉末を作製した。実施例13〜19では、上記のCu−Ga合金粉末と、K化合物粉末と、純銅粉末(実施例16,18,19を除く)をロッキングミキサーにより混合して原料粉末を作製した。なお、原料粉末として用いられるCu−Ga合金粉末、純銅粉末、Na化合物粉末及びK化合物粉末の平均粒径を測定したところ、表1の「平均粒径(μm)」欄に示した結果が得られた。
Cu−Ga合金粉末、純銅粉末については、ヘキサメタリン酸ナトリウム濃度0.2%の水溶液を調製し、粉末を適量加え、日機装株式会社製Microtrac MT3000を用いて合金粉の粒度分布を測定し、平均粒径を求めた。
また、Na化合物粉末及びK化合物粉末については、粉末をSEMで撮影した画像から測定を行った。SEM像に存在する任意の粒子50個以上に対して、それぞれの粒子の最大サイズを計測し、粒子径の平均値を計算した。最大サイズについては、粉が接触する最大外接円を描いた際の直径の値とした。これらの処理を3枚のSEM像に対して行い、その平均値を平均粒径とした。また、Na化合物粉末及びK化合物粉末に吸湿性がある場合、不活性ガスで満たされたグローブボックス中において試料のセットを行い、大気に触れないよう、真空専用フィルムで覆った。
次いで、上記で作製された原料粉末のそれぞれを1200〜2000g秤量し、カーボン製のるつぼに入れた後、還元性雰囲気にした炉で、表2に示された脱酸素条件に従って、原料粉末に還元処理を施し、酸素(O)の含有量を低減した。還元の条件としては、水素1〜20%(残部は窒素)、75〜100%(残部は窒素)あるいは、一酸化炭素90〜100%(残部は窒素)とし、温度は250〜600℃で、保持時間は5〜30時間とした。続いて、還元処理が施された原料粉末を、カーボン製のモールドに充填し、圧力10〜30MPaで、温度650〜850℃で、保持時間2〜20時間焼結処理を行った。このとき、還元工程と焼結工程を続けて行ってもよい。また、常圧焼結では、加圧成型して得られた成型体を還元処理し、焼結を行った。このとき、還元処理した粉を加圧成型し焼結してもよい。表2に示される焼結条件に従って焼結し、実施例1〜19のCu−Ga合金焼結体を得た。得られた焼結体の表面部と外周部とを旋盤加工して、直径152.4 mm、厚み6mmの実施例1〜19のスパッタリングターゲットを作製した。
〔比較例〕
上述した実施例と比較するため、比較例1〜13のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。比較例1、3のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、実施例1、2の場合と同様にして、上記のCu−Ga合金粉末を原料粉末として作製された場合であり、比較例2、4、7〜10、13のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、実施例3などと同様にして、上記のCu−Ga合金粉末と純銅粉末とを、表1に示される配合比率で混合した粉末を原料粉末として作製された場合である。また、比較例5、6のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、実施例5、6の場合と同様にして、表1に示される配合比率でNa化合物を添加して作製された場合である。さらに、比較例11のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Cu:75原子%、Ga:25原子%の組成比を有するバルク原料で作製された場合であり、比較例12のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Cu:70原子%、Ga:30原子%の組成比を有するバルク原料で作製された場合であり、鋳造法が採用された。なお、比較例1、2、9〜12は、還元処理が施されていない場合である。比較例13は、原料粉末として平均粒径が100μm以上のCu−Ga合金粉末と純銅粉末を使用した場合である。
次いで、上述のように作製された実施例1〜19及び比較例1〜13のCu−Ga合金スパッタリングターゲットに関するターゲット特性として、ターゲット金属成分、空孔の外接円の平均直径、空孔率、Cu−Ga合金結粒の平均結晶粒径、Na化合物又はK化合物の平均粒径をそれぞれ測定した。さらに、実施例1〜19及び比較例1〜13のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング成膜した場合におけるスパッタリング特性を測定した。
<ターゲット金属成分の分析>
ICP発光分光分析装置を用いて、定量分析を行い、Ga濃度とNa濃度とK濃度とを測定した。
その計測結果が、表3の「金属成分の組成(原子%)」欄に示されている。なお、Cuについては、Ga、Na、Kの分析結果に基づいて算出され、「残部」と表記した。
<空孔の外接円の平均直径の測定>
作製された上記実施例及び比較例のスパッタリングターゲットの破片をCP加工(クロスセクションポリッシャ加工)によって面出しを行い、得られた面のSEM観察を行った。SEM像の倍率は、結晶粒径のサイズに合わせて最適なものを採用した。SEM像により観察された空孔に対して直径が最大となるような外接円を描き、このときの直径の値をその空孔のサイズとする。SEM画像中で観察された空孔全てに対してこの操作を行い、得られた値の平均値を1枚のSEM画像に対する空孔サイズとした。このようにして得られたSEM画像3枚の空孔サイズの平均値を求めた。
その測定結果が、表3の「空孔の外接円の平均直径(μm)」欄に示されている。
<空孔率の測定>
上記外接円直径の測定の場合と同様の操作で得られたSEM画像を、市販の画像解析ソフトにより、撮影した画像をモノクロ画像に変換するとともに、単一しきい値を使用して二値化する。この処理により、空孔の部分は黒く表示されることとなる。画像解析ソフトとしては、例えば、WinRoof Ver5.6.2(三谷商事社製)を使用した。得られた画像のうち黒い領域の画像全体に対する割合を空孔率とした。
その測定結果が、表3の「空孔率(%)」欄に示されている。
<Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径の測定>
Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径は、プラニメトリック法にて測定した。作製された上記実施例及び比較例のスパッタリングターゲットの表面(旋盤加工面)を硝酸で、1分程度エッチングし、純水で洗浄した後、光学顕微鏡によって任意の5箇所を観察した。ここで、明確な組織が見えない場合には、硝酸のエッチングを追加で行った。得られた表面をSEMにより倍率1000倍程度にて写真撮影する。次いで、得られた写真上で面積が既知の円、例えば、直径100μm程度の円を描き、円内の粒子数(N)と円周にかかる粒子数(N)をそれぞれ計測して、次に示す式で平均結晶粒径を算出し、上記5箇所における粒径値の平均値を求めた。
平均結晶粒径=1/(N)1/2
単位面積当たりの粒子数N=〔N+(1/2)×N〕/(A/M
A:円の面積
:円内の粒子数
:円周にかかった粒子数
M:SEMの測定倍率
その測定結果が、表3の「Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径(μm)」欄に示されている。
<Na化合物又はK化合物の平均粒径の測定>
Na化合物及びK化合物の平均粒径の測定では、得られた上記実施例及び比較例のスパッタリングターゲットのCP加工面をEPMAにより、500倍のNa、Kそれぞれの元素マッピング像(60μm×80μm)10枚を撮影し、これら10枚の画像におけるNa化合物、K化合物の粒径を計測し、平均粒径を算出した。
その測定結果が、表3の「Na又はK化合物の平均粒径(μm)」欄に示されている。
実施例1〜19及び比較例1〜13のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング成膜した場合におけるスパッタリング特性について、低電力DCスパッタリングの場合と、高電力DCスパッタリングの場合と、50kWh使用後の高電力DCスパッタリングの場合とに分けて、スパッタリング時における異常放電回数を測定した。ここでは、得られた上記スパッタリングターゲットを、旋盤或いは研削により、直径152.4mm、厚み6mmの形状に加工し、バッキングプレートに半田材でボンディングしたものを用いた。
(低電力DCスパッタリング条件)
低電力DCスパッタリング条件は、以下のとおりである。
・電源:DC1000W
・全圧:0.6Pa
・スパッタリングガス:Ar=30sccm
(高電力DCスパッタリング条件)
高電力DCスパッタリング条件は、上記低電力DCスパッタリングの場合よりもさらに高パワーの下記のようにした。
・電源:DC2000W
・全圧:0.6Pa
・スパッタリングガス:Ar=30sccm
(50kWh使用後の高電力DCスパッタリング条件)
50kWh使用後の高電力DCスパッタリング条件とは、低電力DCスパッタリングを50kWh行った後に、高電力DCスパッタリングを行う条件であり、この低電力DCスパッタリングは、上記低電力DCスパッタリング条件で、そして、この高電力DCスパッタリングは、上記高電力DCスパッタリング条件で評価が行われる。
<異常放電回数の測定>
上述のスパッタリング条件に従って、10分間のスパッタリングを行い、DC電源装置に備えられているアークカウント機能により異常放電の回数を計測した。DC電源としては、例えば、RPG-50(mks社製)を使用した。
その測定結果が、表4の「低電力スパッタ異常放電回数(回/10min)」、「高電力スパッタ異常放電回数(回/10min)」及び「50kWh使用後の高電力スパッタ異常放電回数(回/10min)」の各欄にそれぞれ示されている。
以上の結果によれば、実施例1〜19のCu−Ga合金スパッタリングターゲットのいずれも、空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であり、かつ、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下であることが確認され、ミクロな空孔が存在する中でも、マクロな空孔が150μm以下であれば、高電力DCスパッタリング時における異常放電の発生を充分低減でき、しかも、高電力DCスパッタリングを継続し、或いは、低電力DCスパッタリングの使用後に高電力DCスパッタリングに切り換えて継続しても、異常放電の発生を抑制でき、安定したスパッタリングを行えることが分かった。
一方、比較例1、3〜5、9、10、13の場合には、低電力DCスパッタリングにおいては、異常放電の発生は低いものであったが、高電力DCスパッタリングでは、異常放電が多発し、50kWh使用後においては、さらに多発する結果となり、安定したスパッタリングを行えなかった。また、比較例2の場合には、低電力DCスパッタリングでも、異常放電が多発し、高電力DCスパッタリングにおいては、スパッタリング中にターゲット割れが発生した。比較例6の場合には、低電力DCスパッタリングであっても、異常放電が多発し、高電力DCスパッタリングにおいては、さらに増加し、高電力DCスパッタリング中にターゲット割れが発生した。比較例7、8、11の場合には、低電力および高電力DCスパッタリングにおいては、異常放電の発生は低いものであったが、50kWh使用後においては、異常放電が多発する結果となり、安定したスパッタリングを行えなかった。比較例12の場合には、50kWh使用後の高電力DCスパッタリング中にターゲット割れが発生した。比較例13のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、空孔率は1%以下であったが、空孔の外接円の平均直径が150μmを超えていた。このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの空孔率が1%以下であったのは、実施例1〜19の場合と同様に、原料粉末を還元処理した後、焼結処理を行って製造したためである。空孔の外接円の平均直径が150μmを超えたのは、原料粉末として、平均粒径が100μm以上のCu−Ga合金粉末と純銅粉末を用いたことによって、焼結処理によって得られるCu−Ga合金粒の結晶粒径が大きくなり、そのCu−Ga合金粒の粒界にできる空孔のサイズが大きくなったためである。この比較例13の結果から、空孔率が1.0%以下であっても、マクロな空孔が存在しているCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、高電力によるスパッタリングを安定して行えないことがわかる。
以上の様に、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Ga:0.1〜40.0原子%を含有したCu−Ga合金の焼結体からなり、該焼結体中においては、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下であって、しかも、空孔の存在を示す空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であることによって、低電力DCスパッタリング時の異常放電の発生を低減できるだけでなく、高電力DCスパッタリング時においても、ターゲット割れを発生することなく、しかも、異常放電の発生を抑制できることが確認された。さらに、Cu−Ga合金スパッタリングターゲット中に、Na化合物又はK化合物を添加した場合でも、同様のことが確認された。

Claims (9)

  1. Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいて、
    空孔率が3.0%以下であり、空孔の外接円の平均直径が150μm以下であり、かつ、Cu−Ga合金粒の平均結晶粒径が50μm以下であることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  2. Na:0.05〜15.0原子%を含有していることを特徴とする請求項1に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  3. 前記Naは、フッ化ナトリウム、硫化ナトリウム、セレン化ナトリウムのうち少なくとも1種のNa化合物の状態で含有されていることを特徴とする請求項2に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  4. Cu−Ga合金素地中に前記Na化合物が分散している組織を有すると共に、Na化合物の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  5. K:0.05〜15.0原子%を含有していることを特徴とする請求項1に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  6. 前記Kは、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫化カリウム、セレン化カリウム、ニオブ酸カリウムのうち少なくとも1種のK化合物の状態で含有されていることを特徴とする請求項5に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  7. Cu−Ga合金素地中に前記K化合物が分散している組織を有すると共に、K化合物の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
  8. Ga:0.1〜40.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有するCu−Ga合金粉末に、還元雰囲気下、200℃以上で脱酸素処理を施す工程と、
    脱酸素処理が施された前記Cu−Ga合金粉末を焼結する工程と、
    を備えたことを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  9. Ga:10.0〜75.0原子%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる成分組成を有し、かつ、平均粒径が50μm未満であるCu−Ga合金粉末と、純銅粉末とを、Ga:0.1〜40.0原子%を含有する成分組成に配合し混合して原料粉末を作製する工程と、
    前記原料粉末に、還元雰囲気下、200℃以上で脱酸素処理を施す工程と、
    脱酸素処理が施された前記原料粉末を焼結する工程と、
    を備えたことを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。

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