JP2016005881A - 記録媒体加熱装置、印刷装置、前処理液塗布乾燥装置、及び印刷システム - Google Patents

記録媒体加熱装置、印刷装置、前処理液塗布乾燥装置、及び印刷システム Download PDF

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Abstract

【課題】起動時のコックリングの発生を防止する加熱装置が提供される。【解決手段】連続する記録媒体を加熱乾燥する記録媒体加熱装置(120)であって、前記記録媒体の搬送経路中に配置され、加熱手段(41a〜61b)を有する複数の加熱ローラ(40a〜60b)と、装置を起動する時は、前記搬送経路の出口側に位置する加熱ローラの温度(60b)が、装置における前記搬送経路の前記出口側から離れた場所に位置する加熱ローラ(50a,50b)の温度より低くなるように、前記加熱手段を制御する制御手段(80)と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、記録媒体加熱装置、印刷装置、前処理液塗布乾燥装置、及び印刷システムに関する。
輪転機等の印刷装置において、用紙に印刷したインクの溶剤を蒸発させるために、用紙の搬送経路中に設けられた複数の加熱ローラによって用紙を乾燥させる技術(例えば、特許文献1)がある。
また、インクジェット方式の画像記録方式は、低騒音、低ランニングコストに加えて、カラー化が容易といった利点から急速に普及してきている。しかし、専用紙以外のメディアに記録すると、滲み、濃度、色調や裏写り等といった初期品質問題に加え、耐水性、耐候性といった画像の堅牢性に関わる問題を抱えていた為、これらの問題を解決する様々な提案がなされていた。
それらの解決手段の一つとして、記録媒体である用紙にインク液滴が付着する直前にインクを凝集させる機能を有する前処理液を塗布し画質改善を図る方法がある。前処理液を塗布した場合、インクを吐出する前に用紙を乾燥する必要がある。ここで、用紙に連続紙を用いて搬送経路中に設けられた複数の加熱ローラによって用紙を乾燥させる乾燥装置を用いる場合、下流と上流に用紙の波打ちであるコックリングが発生するおそれがある。
そのため、特許文献2では、印刷動作中インクを付着させた後、シーズニング装置により用紙の乾燥後加熱した水分を送風により吹き付けることで、コックリングを防止している。
しかし、上記の特許文献2では複数の工程を有するため装置が複雑化し大掛かりになってしまった。また、印刷動作中を対象とする対策なので、起動時のコックリングについては考慮されていなかった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、起動時のコックリングの発生を防止する加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、連続する記録媒体を加熱乾燥する記録媒体加熱装置であって、前記記録媒体の搬送経路中に配置され、加熱手段を有する複数の加熱ローラと、装置を起動する時は、前記搬送経路の出口側に位置する加熱ローラの温度が、装置における前記搬送経路の前記出口側から離れた場所に位置する加熱ローラの温度より低くなるように、前記加熱手段を制御する制御手段と、を有する。
本発明の一態様によれば、加熱装置において、起動時のコックリングの発生を防止できる。
本発明の第1実施形態に係る記録媒体加熱装置を有するシステムを示す。 図1に示した加熱装置を有するシステム全体の制御ブロック図を示す。 図1のシステムの制御フローチャートである。 加熱ローラの第1設定温度を示す概要図である。 (a)は比較例としての加熱ローラの温度を示すグラフであり、(b)は本発明の加熱ローラの温度の一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の変形例に係る記録媒体加熱装置を有するシステムを示す。 本発明の第2実施形態の加熱装置を有する印刷システムの概略図を示す。 図7の印刷システムの前処理液塗布乾燥装置の概略構成図を示す。 図7に示した加熱装置を有する印刷システム全体の制御ブロック図を示す。 図7の印刷システムの制御フローチャートである。 本発明の第2実施形態の変形例に係る記録媒体加熱装置を有する前処理液塗布乾燥装置の概略構成図を示す。 図1の記録媒体加熱装置を記録媒体の搬送方向下流側から見た図である。 図6のシステムを用いた本発明の第3実施形態の制御フローチャートである。 本発明の加熱ローラの温度の一例を示すグラフである。 図11の印刷システムを用いた本発明の第4実施形態の制御フローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
<第1実施形態>
図1に第1実施形態に係る加熱乾燥装置(記録媒体加熱装置)120を有するシステム(印刷装置)100を示す。図1に示すように、第1実施形態に係るシステム100において、加熱乾燥装置120の上流に記録装置110と給紙装置130とが配置され、インク乾燥装置である加熱乾燥装置120の下流には、後処理装置140が配置されている。なお、後処理装置140として、印刷後の記録媒体10を巻き取る巻取装置や折りたたむ折機を設置できる。なお、図1では、加熱乾燥装置を強調して記載しているので、他の装置との実際の縮尺は異なる。
記録装置110は、インク等を記録媒体10上に付着させることにより画像情報を形成する印刷装置、例えば、輪転機、インクジェットプリンタ、ファクシミリ等である。記録装置110は画像形成部となる表面画像形成ユニット111、裏面画像形成ユニット112を有しており、画像形成ユニット111,112のヘッド部は記録媒体10にインク等の液体を吐出し付着させることで、記録媒体10に画像を形成する。
記録媒体10は、図1に矢印で示される記録媒体10の搬送方向Dに、記録装置110の搬送部113から供給用搬送ローラ30によって加熱乾燥装置120に送られる。記録媒体10は、図1では長さが任意の連続紙であるが、比較的長尺の一枚の用紙であってもよい。記録媒体10の材質としては、紙の他、プラスチックシート等、熱によりシワや変形等のダメージ(損傷)を受けるおそれのあるものでもよい。
なお、加熱乾燥装置120の上流側には、供給用搬送ローラ30が設けられ、下流側には搬送部として、モーターなどの駆動源で回転駆動するフィードローラ71とフィードローラ71に従動するフィードニップローラ72とが設けられている。
加熱乾燥装置120は、第1段裏面加熱ローラ40a及び第1段表面加熱ローラ40bを備える第1段加熱ローラセット40、第2段裏面加熱ローラ50a及び第2段表面加熱ローラ50bを備える第2段加熱ローラセット50、第3段裏面加熱ローラ60a及び第3段表面加熱ローラ60bを備える第3段加熱ローラセット60、及び排出用搬送ローラ70及び制御装置80を有する。
図1において、加熱乾燥装置120上側は、表面加熱ユニット121になっており、表面加熱ユニット121は、第1段表面加熱ローラ40b、第2段表面加熱ローラ50b及び第3段表面加熱ローラ60bを備えている。また、加熱乾燥装置120の下側は、裏面加熱ユニット122になっており、裏面加熱ユニット122は、第1段裏面加熱ローラ40a、第2段裏面加熱ローラ50a、第3段裏面加熱ローラ60a及び排出用搬送ローラ70を備えている。79は加熱乾燥装置120の出口を示し、出口センサ78が周辺に設けられている。なお、加熱制御部である制御装置80、出口センサ78はどちらのユニット121,122に存在してもよい。
第1段加熱ローラセット40、第2段加熱ローラセット50、第3段加熱ローラセット60は、記録媒体10の搬送経路中の搬送方向Dの上流から下流に並べて配置される。
各加熱ローラ40a,40b,50a,50b,60a,60b(以下、「40a〜60b」と表す)は、長手方向の両端部において軸受けによって回転可能に支持される。
第1段裏面加熱ローラ40aと第1段表面加熱ローラ40b、第2段裏面加熱ローラ50aと第2段表面加熱ローラ50b、第3段裏面加熱ローラ60aと第3段表面加熱ローラ60bは、互いに離間して千鳥状に配置される。例えば、第1段裏面加熱ローラ40a、第2段裏面加熱ローラ50a、第3段裏面加熱ローラ60aそれぞれの回転中心を結ぶ線と、第1段表面加熱ローラ40b、第2段表面加熱ローラ50b、第3段表面加熱ローラ60bそれぞれの回転中心を結ぶ線とが平行且つ離間するように、配置される。
各加熱ローラ40a〜60bは、複数の加熱ローラには乾燥に必要な熱量を供給する熱供給手段として或る熱容量を持つ発熱体のヒーター41a,41b,51a,51b,61a,61b(以下、「41a〜61b」と表す)として例えば、ハロゲンランプを備えている。これにより、加熱ローラ40a〜60bの表面を加熱することができる。例えば、ヒーター41a〜61bは加熱ローラ40a〜60bの中央に配置される。
さらに、各加熱ローラ40a〜60bの内部にヒートパイプ(図示せず)が設けられていてもよい。このヒートパイプにより、発熱領域として記録媒体10の搬送領域を覆っており、各加熱ローラの長手方向に熱を効率良く伝達し、ローラ表面の温度を均一にすることができ、記録媒体10への効率的な熱供給を行うことができる。
また、各加熱ローラの表面温度を検出する接触式や非接触式のサーミスタやサーモパイル等の温度センサ42a〜62b(図2参照)が、加熱ローラ40a〜60bにそれぞれ設けられる。
各加熱ローラ40a〜60bはアルミ等の金属ローラである。または、各加熱ローラ40a〜60bは、インク等の付着を抑制するため、表面がフッ素樹脂等、非粘着性の膜でコーティングされてもよい。
記録媒体10は、搬送方向Dの上流から下流に千鳥状に配置された、第1段裏面加熱ローラ40a、第1段表面加熱ローラ40b、第2段裏面加熱ローラ50a、第2段表面加熱ローラ50b、第3段裏面加熱ローラ60a、第3段表面加熱ローラ60bに順に巻き付く。そして、記録媒体10は、各加熱ローラ40a〜60bをジグザグ状に順に通過する。
したがって、搬送中、記録媒体10の図1中の下方に面する裏面は、第1段裏面加熱ローラ40a、第2段裏面加熱ローラ50a、第3段裏面加熱ローラ60aに接触する。また、記録媒体10の図1中の上方に面する表面は、第1段表面加熱ローラ40b、第2段表面加熱ローラ50b、第3段表面加熱ローラ60bに接触する。
図2に加熱乾燥装置120を有するシステム全体の制御ブロック図を示す。図2に示すように、加熱乾燥装置120の制御装置80はシステム(印刷装置)100の制御システム500に含まれている。
加熱乾燥装置120の制御装置80は、それぞれの加熱ローラ40a〜60bに対応する加熱制御手段81〜86、CPU87、メモリ88等を有している。また、図示はしていないが、制御装置80は、さらに加熱を実行するプログラムを記憶させるRAM、ROMや、センサ等の電装品の入出力を制御するI/O(入出力部)、印刷制御部90からのデータを受け取るI/F(インターフェイス部)等を有している。
夫々の加熱制御手段81〜86は、加熱ローラ40a〜60b内にあるハロゲンランプからなるヒーター41a〜61bに接続されており、ヒーター41a〜61bへ印加電圧を調整する例えばヒーター駆動回路等を有している。ヒーター駆動回路で生成する印加電圧を調整する際、印加する電圧値自体を変えてもよいし、所定の電圧を周期的に印加してその周期内の電圧印加DUTY比を変化させてもよい。
また、加熱制御手段81〜86は温度センサ42a〜62bとも接続され、温度センサ42a〜62bで検出した加熱ローラ40a〜60bの温度結果に基づいて、加熱ローラ40a〜60bの表面温度が所定の温度範囲に入るように制御している。
メモリ88には後述する記録媒体の種類及び/又は搬送速度に応じた、第1設定温度(起動時温度)、第2設定温度(上限温度、設定温度上限値)、第3設定温度(各段の熱量付与量均一温度(温度上昇量均一温度)、連続乾燥中の温度)の組み合わせとなる複数の温度テーブルが記憶されている。
本システム100の制御システム500は、加熱乾燥装置120の制御装置80の他に、記録装置110等を制御する印刷制御部90、画像形成制御部93、搬送制御部94を有している。
また、印刷制御部90は、操作パネル91、パソコン(サーバー等も含む)92、給紙装置130及び後処理装置140等と複数のデータ線や制御線で接続し、インク乾燥を含む画像形成動作の総合的な制御を司っている。印刷制御部90は、例えばホスト装置から供給される印刷ジョブデータに従ってRIP処理(ラスターイメージプロセッサ)を行い、印刷画像データである色ごとのビットマップデータを作成する。それと共に、印刷制御部90は、当該印刷ジョブデータやホスト装置の情報などに基づき、印刷動作を制御するための制御情報を作成する。なお、印刷制御部90を記録装置110の中に設けてもよい。
記録装置110において、印刷制御部90に接続された画像形成制御部93は、表面画像形成ユニット111、裏面画像形成ユニット112を制御している。また、搬送制御部94は、搬送部113や加熱乾燥装置120の近傍に配置された搬送ローラ30,70に接続し、搬送を制御している。
加熱乾燥装置120の制御装置80において、接続した印刷制御部90から得た情報を元に、CPU87が夫々の加熱制御手段81〜86を制御している。
本実施形態では、制御装置80は、温度センサ42a〜62bにより検出された加熱ローラ40a〜60bの温度を監視し、各加熱ローラ40a〜60bに設けられた各ヒーター41a〜61bを下記のように制御する。このとき制御装置80は、記録媒体10のインクが付着された面(表面、裏面、或いは両面)が乾燥するよう、各加熱ローラ40a〜60bに設けられた各ヒーター41a〜61bを制御する。
記録媒体10の表面側のみにインクが付着する場合、制御装置80の表面側の加熱制御手段82,84,86は、加熱ローラ40b,50b,60bがそれぞれ設定温度となるようにヒーター41b,51b,61bを作動させる。また加熱ローラ40b,50b,60bは、記録媒体10の表面側のみを加熱して、インクを乾燥させる。
また、記録媒体10の裏面側のみにインクが付着する場合、裏面側の加熱制御手段81,83,85は、加熱ローラ40a,50a,60aそれぞれが設定温度となるようにヒーター41a,51a,61aを作動させる。そして、加熱ローラ40a,50a,60aは、記録媒体10の裏面側のみを加熱して、インクを乾燥させる。
さらに、記録媒体10の両面にインクが付着する場合、制御装置80は、各加熱ローラ40a〜60bが設定温度となるように各ヒーター41a〜61bを作動させる。そして、各加熱ローラ40a〜60bは、記録媒体10の表裏両面を加熱して、インクを乾燥させる。
加熱乾燥装置120の上流に配置された記録装置110により、少なくともどちらか一方の面にインクが付着した記録媒体10が搬送されてくる。加熱乾燥装置120内へ搬送された記録媒体10は、先ず、1段目の加熱ローラ40a又は40bの外周面に接触し、その接触している面が加熱ローラ40a又は40bによって適宜の温度に加熱され、記録媒体10上に付着したインクの水分及び溶剤は蒸発する。
以上の蒸発を、加熱乾燥装置120内に備えられた加熱ローラの1段目、2段目、3段目と順次行うことにより、記録媒体10に付着したインクを乾燥させることができる。
ここで、表面又は裏面の片面のみにインクが付着する場合は表面又は裏面のみの乾燥を行う。なお、表面又は裏面のみの乾燥を行う、或いは加熱乾燥装置120の作動を停止する場合、制御装置80は、作動させない各ヒーター41a〜61bを完全にOFFにする。或いは、表面又は裏面のみの乾燥を行う場合、制御装置80は、記録媒体10のインク付着と反対面側の加熱ローラの温度が、インク付着面側で加熱される加熱ローラの設定温度より低い待機温度になるように、作動させない各ヒーターを作動させても良い。例えば、インク付着面で加熱される側の温度が、例えば60℃〜120℃程度の場合、待機温度を例えば40℃〜45℃程度とする。なお、45℃を超えると記録媒体10が熱変形を起こし、40℃以下では加熱ローラ40a〜60bの保温効果が持続できないため、40℃〜45℃が最適な待機温度である。
制御装置80は、温度センサ42a〜62bの検出した各加熱ローラ40a〜60bの温度、並びに、排出用搬送ローラ70及び/又は供給用搬送ローラ30の回転速度等の作動状態に基づいて、各加熱ローラ40a〜60bの温度を制御する。
ここで、表面又は裏面の片面のみにインクが付着する場合、制御装置80は、加熱乾燥装置120から排出された記録媒体10の含水率が給紙装置130から送り出されたときの記録媒体10の含水率とほぼ同じになるよう各ヒーター41a〜61bを制御する。即ち、制御装置80は、利用される加熱ローラ40a〜60bから記録媒体10に供給される総熱量W(各段の設定温度上昇量に対応する供給熱量の合計)が、記録媒体10上に付着したインクに含まれる水分や溶剤を所望の程度に蒸発させることができる十分な熱量を上回るように、各ヒーター41a〜61bを制御する。
ここで、仮に全ての加熱ローラを熱量付与量均一の設定温度の最高温度に設定する場合、印刷時に記録媒体10が加熱乾燥装置120に入る際に記録媒体10に急激な温度上昇が起き、入り口側の加熱ローラが記録媒体10と接触する際に与える熱負荷により、記録媒体10にシワや変形等のダメージの発生が起きる恐れがある。
そこで、連続乾燥中の加熱乾燥装置において、入口側を低く出口側を高くすることで、複数の加熱ローラごとに用紙に付与する温度(ヒーターDUTY、温度上昇による熱量付与量)が均一になるように、温度勾配を設けることが考えられる。温度勾配を設けると、乾燥に必要な熱量を効率的に記録媒体10に投入することができる。ローラの上流側から下流側(1段目⇒2段目⇒3段目)と徐々に記録媒体10の温度を上げ効率的な乾燥を行うため、加熱ローラ温度を下流側が高くなるように制御している。また、このように温度勾配を設けることで、記録媒体へのダメージを均一にするとともに、各ローラ40a〜60bの熱損失を均一にでき、過度な温度上昇が起きるリスクが分散でき、各ヒーター41a〜61bの装置寿命を延ばす(そろえる)ことができる。このように連続乾燥時に最初に接触する加熱ローラ40が与える記録媒体10へのダメージを考慮して、温度勾配を設けた加熱ローラ40a〜60bの温度設定例を表1に示す。
Figure 2016005881
表1に示すように、各加熱ローラ40a〜60bから記録媒体10に供給される必要熱量は、記録媒体の種類(厚さ、幅等)に応じて異なる。さらに、必要熱量は、記録媒体10と各加熱ローラとが接触する時間(記録媒体10の搬送速度)によっても変化するため、制御装置80は、排出用搬送ローラ70及び/又は供給用搬送ローラ30の回転速度に基づいて、各設定温度が変更されている。
表1に基づいて温度設定をすると、記録媒体10は、各段の加熱ローラセット40,50,60の中で最も低い設定温度に制御された第1段加熱ローラセット40に最初に接触することになり、記録媒体10と最初に接触する加熱ローラとの間の温度差を小さくできる。このため、全ての加熱ローラが最も高い設定温度に設定される場合に比べて、記録媒体10の急激な温度上昇を回避できるので、加熱乾燥装置120が含まれるシステム100は、記録媒体10に与える熱負荷を最小限に抑えることができる。よって、記録媒体10の熱負荷によるシワや変形等のダメージの発生を抑えることができる。
このように、複数本の加熱ローラは連続印刷中(乾燥中)の各段の熱量付与量をできるだけ均一化するためには、一定の温度勾配が設定されることが好ましい。但し、用紙乾燥に必要な熱量を確保しつつ、各段の熱量付与量を均一化するための温度勾配を有するためには、下流側(3段目)の加熱ローラ60a,60bの温度設定を上げざるを得ない。
しかし、このように温度勾配を設ける場合、表1の*1で示した一番低い温度設定で使用したコート紙A、Bパターン塗布、搬送速度30mpmの場合であっても、印刷開始時、即ち加熱乾燥装置の起動時は、最下流の加熱ローラ60bは60℃まで上昇する。この設定で加熱乾燥装置を起動する時、下流側(出口側)の第3段加熱ローラ60a,60bを最も高い設定温度に上げるので、出口側の第3段加熱ローラ60a,60bに接触している部分の記録媒体10が幅方向に水分の蒸発による熱収縮する恐れがある。これに対して、加熱乾燥装置120の外側(常温)では加熱ローラによる記録媒体の熱収縮が起きず、湿度差により加熱乾燥装置120の出口直後に急激に吸湿し始める。従って、温湿度差により、記録媒体は、加熱乾燥装置120の外側(常温)と出口側の加熱ローラ60との接触部との収縮差により記録媒体の幅に違いが生じ、記録媒体10に波状の変形であるコックリングの発生することがある。
なお、この加熱ローラとの接触での熱収縮は上流側でも同様の現象が発生するが、上流側は下流側より設定温度が低いことと、継続して加熱ローラが配置された乾燥工程を通過することによって、下流側より軽度なコックリング状態が発生することがある。
そこで本発明の実施形態では、連続印刷時の最初に接触する第1段加熱ローラ40a,40bによる記録媒体へのダメージ軽減と、印刷起動時の出口側の第3段加熱ローラ60a,60bによる記録媒体の収縮の低減とが両方実現できるように、時間ごとに設定温度を変更する。具体的には、装置を起動する時は、搬送経路の出口側に位置する加熱ローラ60bの温度が、装置における前記搬送経路の前記出口側から離れた場所に位置する加熱ローラ(40a,40b,50a,50b,60a)の温度より低くなるように設定する。即ち、起動時には記録媒体の乾燥に必要最低限の熱量を与えられるように、出口側と入り口側の加熱ローラ40a,60a,60bの温度を中央部の加熱ローラ40b,50a,50bの温度よりも低くなるように第1設定温度に設定する。
そしてその後、必要熱量が減らないように、すべての加熱ローラ40a〜60bを一旦上限温度(第2設定温度)まで上げる(上限温度に向けて上昇させる)。更に、連続印刷時には複数本の加熱ローラ40a〜60bは連続印刷中のヒーター41a〜61bの各段の熱量付与量を均一化するための上流から下流へ徐々に暖める温度勾配のある第3設定温度へと温度を移行する。
本実施形態の加熱乾燥装置の乾燥工程の概略温度制御について具体的に説明する。図3はシステム(印刷装置)100の制御フローチャートである。加熱に係るフローを主に説明する。ここで、図5(a)は、温度勾配に基づいて制御した比較例としての加熱ローラの温度を示すグラフであり、図5(b)は、本発明の加熱ローラの温度の一例を示すグラフである。図5(b)の例は、表1の*3で示したコート紙A,Aパターン、搬送速度50mpm、及び温度勾配の最高温度80℃のときの設定温度の温度遷移を示している(後述の第2実施形態の表3の温度に対応、本実施形態でも同様の温度推移を示す)。
図3において、操作パネル91やPC又はサーバー92等から印刷開始を指示されると(ステップS100、以下単にステップをSで表す)、システム100は印刷準備を開始する(S101、図5(b)のts)。
印刷準備として、印刷制御部(上位装置)90は、操作パネル91やPC等92から各加熱ローラ40a〜60bの設定温度を判断する印刷形態の情報、記録媒体の情報、媒体の搬送情報、を認識する(S102)。印刷形態の情報とは、片面か裏面か両面印刷かであり、記録媒体の情報とは、例えば種類(普通紙かコート紙か)幅・連量等と意味し、搬送情報とは、例えば搬送速度(印刷速度)、搬送量(何ページ分か)を意味する。
S103にて、加熱乾燥装置120の制御装置80に含まれるCPU87は、S102で得た記録媒体情報等に応じて、メモリ88から、適切な第1〜第3設定温度の組み合わせとなる、例えば下記表2のような、最適な温度テーブルを選択し、決定する。
Figure 2016005881
なお、表2は、インクの乾燥として、表1の*2で示したコート紙B、Bパターンで塗布、搬送速度30mpm、及び温度勾配の最高温度が70℃となる設定温度を示している。表2において、第1設定温度は、上限温度(第2設定温度)70℃に対して、最下流側の加熱ローラ60bの温度を40℃とし、下流から2本目の加熱ローラ60bの温度を55℃に設定する。なお、表2に示す温度テーブルで示す設定温度で加熱する場合であっても、上述のような乾燥に必要な熱量は全体で確保している。
起動時の第1設定温度として最下流側の加熱ローラ60bの温度を40℃、最下流から2番目の加熱ローラ60aを55℃、最上流の加熱ローラ40aを50℃、中央部の加熱ローラ40b,50a,50bは乾燥に必要な70℃の温度設定にする。図4はこの例の第1設定温度とローラの概略図を示す。この設定によって、出口側の加熱ローラ60b接触部と装置の外との温湿度差による用紙収縮を低減する。さらに、各加熱ローラ50bと、60aと、60bとの間の温度差を15℃ずつ徐々に変化するように設定することによって加熱ローラ間の温度差によって発生する用紙収縮量の変化も低減し、全体的に記録媒体10のコックリングを低減する効果が発揮される。
また、最上流の加熱ローラ40aを50℃に設定するので、入口側の加熱ローラ40a接触部と装置の外との温湿度差による用紙収縮を低減することができる。このとき、第1設定温度として最上流側の加熱ローラ40aと上流から2本目の加熱ローラ40bとの間の温度差は20℃あるが、記録媒体10は継続して加熱乾燥装置120内の加熱ローラ40b,50a,50bに接触し再加熱される。従って記録媒体10の収縮差は低減されるため1本目と2本目の間のコックリングの問題は発生しない。
但し、上記の第1温度設定では、加熱ローラ40a〜60bの温度を下流にいくほど段階的に上げることができないため、ヒーターランプの各段の熱量付与量を均一にすることが出来ない。しかし、印刷中の最終的な温度設定は、上述よりヒーターランプの各段の熱量付与量を均一にすることができる温度に設定するのが好ましい。従って、各段の熱量付与量に沿った第3設定温度が別途設定される。
印刷制御部90からの印刷開始命令により、S104において、加熱乾燥装置120の制御装置80は、表2の温度テーブルを参照して、加熱制御手段81〜86により、加熱ローラ40a〜60bを規定値である第1設定温度(起動時の設定温度)に向けて加熱する(図5(b)でt0に対応)。
次に、制御装置80は、各温度センサ42a〜62bの出力に基づいて、各加熱ローラ40a〜60bが第1設定温度まで加熱されたか否かを判断する(S105)(図5(b)でt1)。そして、加熱ローラ40a〜60bが夫々の第1設定温度まで立ち上がったら(S105でYES)、制御装置80は印刷準備完了を印刷制御部90に報告し、これによって印刷が開始される。
S106にて、印刷制御部90は、搬送制御部94を介して給紙装置130、各搬送部113,30,70を駆動させ記録媒体10を搬送させる。この時、記録装置110における画像形成ユニット111,112を作動させ、記録媒体10にインクを吐出し付着させる印刷動作を開始させる。
S106にて印刷が開始され、記録媒体10の搬送も開始されると同時に、加熱ローラ40a〜60bの温度は、一旦上限温度である均一の第2設定温度(設定温度上限値)に向けて、全ての加熱ローラ40a〜60bを加熱し、温度を一律に上昇させる(図5(b)でt1')。なお、本実施形態において、第2設定温度は、温度勾配のある連続乾燥中の最高温度と同じ値である。
次の第3設定温度へ移行させる際、最下流の加熱ローラ60bが40℃から70℃に上昇する時間よりも上流側2本目の加熱ローラ40bが70℃から50℃に下降するまでの時間が短い場合には、記録媒体10の乾燥に必要な総熱量Wが不足する可能性がある。この加熱ローラ60bの温度上昇と加熱ローラ40bの温度下降の時間は、記録媒体10の種類やインク付着量及び、環境などによって変化する可能性が大きい。従って、記録媒体10の乾燥に必要な総熱量不足を予防する対策として、一旦、すべての加熱ローラ40a〜60bを上限温度まで上昇させる。
そして、全ての加熱ローラ40a〜60bの温度が第2設定温度に到達したことが確認できた(S107でYES、図5(b)でt2)後、加熱制御手段81〜86は加熱ローラ40a〜60bの温度を、各段の温度上昇による熱量付与量を均一にする第3設定温度へ移行させる。なお、図5(b)のように、第2設定温度を所定時間維持してもよい(図5(b)のt2〜t2'区間)。移行された第3設定温度で加熱し、連続印刷動作(連続乾燥)が行われる(S108)。
次に、制御システム500は、印刷制御部90で印刷JOBが終了したか、即ち、記録装置110でのインクの付着である印刷(画像形成)が終了したか否かを判断する(S109)。
印刷動作が終了した後、制御システム500は、記録媒体10のインクが付着している終端部分がインク乾燥装置である加熱乾燥装置120を出たか否かを判断する(S110)。記録媒体10のインクが付着している終端部分が加熱乾燥装置120を出たかどうかの判断は、画像形成ユニット111,112のインクの吐出タイミング、ローラ30,70等の各搬送部の搬送タイミング等に基づいて行う。例えば、記録媒体10の搬送距離、搬送速度から所要時間を計算し、所要時間と時間カウントの結果を比較することにより行う。
記録媒体10のインクが付着している終端部分が加熱乾燥装置120の出口79を出た場合、制御装置80は、各加熱ローラ40a〜60bの作動中の各ヒーター41a〜61bをOFFにして、加熱乾燥装置120を停止させる(S111)。
その後、制御システム500の搬送制御部94は、給紙装置130、各搬送装置113,30,70の駆動を中止させ、記録媒体10の搬送を停止させ、終了となる(S112)。
本発明は、連続印刷中の加熱ローラの各段の熱量付与量の均一化を考慮した状態を保つため、連続印刷中は上流から下流への加熱ローラの勾配を有する温度設定を崩すことない。従って、記録媒体10の急激な温度上昇を回避できるので、加熱乾燥装置120を含むシステム100は、記録媒体10に与える熱負荷を最小限に抑えることができる。よって、記録媒体10の熱負荷によるシワや変形等のダメージの発生を抑えることができる。
また、起動時は、用紙の乾燥に必要な熱量を確保できる状態で、コックリングの原因となる、起動時の下流2本の加熱ローラ温度の設定を下げることで、加熱乾燥装置の外との温度差を小さく抑えることで、記録媒体の部分的な収縮差を抑えることが可能となる。
更に、比較的軽度の上流側のコックリングも最上流1本の加熱ローラ温度の設定を下げることで、加熱乾燥装置の外との温度差を小さく抑えることで、記録媒体の部分的な収縮差を抑えることも可能となる。
このように、起動時の入り口側出口側での乾燥と吸湿による温湿度変化により記録媒体10内の含水率の違いによる収縮差による波形状の変形であるコックリングを極めて少なくできる。従って、後工程での後処理装置140の巻き取りや折り畳みにおいて記録媒体10の擦りがない良好な印刷業務ができる。
(第1実施形態の変形例)
更に、本実施形態の変形例として、加熱ローラの下流部にローラを配置して、コックリングの発生を抑制する技術と合わせて適用することでより大きな効果を得ることができる。
図6に示した変形例では、加熱乾燥装置120−Aの出口直後で急激に吸湿し始め、コックリング現象が顕著に起こりやすい加熱乾燥装置120−Aの出口近傍の下流側には、コックリング抑制装置(コックリング抑制手段)20が配置されている。
図6に示した本変形例において、コックリング抑制装置20において、中空の従動ローラ21を搬送方向に配列することで、搬送方向に対して複数回屈曲する屈曲搬送路22が形成されている。より詳しくは、図6では、下流側にあるコックリング抑制装置20は、水平方向に伸びる搬送方向に対して上下(直交する方向)に波打つように屈曲搬送路22が形成される。
この複数の中空の従動ローラ21による屈曲搬送路22は、加熱乾燥装置120-Aに近いほど隣接する従動ローラとの軸間距離を短くするのが好ましい(D3>D2>D1)。例えば、加熱乾燥装置120−Aの出口側の従動ローラ21を起点にこれ以降下流側の従動ローラ21の軸間位置は50,75,100,これ以降100mmになるようにしている。
加熱乾燥装置120-Aに近い従動ローラ21(図6中、右側)ほど軸間を短くしているのは、軸間距離が短い方が同じ外径のローラでは、記録媒体10の巻き付け角度が大きくなるからである。記録媒体の巻き付け角度が大きいと、記録媒体10と従動ローラ21とが圧接することにより圧接面積が広くなり記録媒体10の自由な伸縮が抑制される。さらに、接触していることによる記録媒体10の用紙幅方向の温湿度変化の不均一を防止し、及び巻き付け角度が大きいことによる用紙幅方向の記録媒体10の剛性が上がる。
また、上記のコックリング抑制装置20で、従動ローラ21が記録媒体10を複数回屈曲させることで、加熱乾燥装置と後段にある装置との位置関係で一回屈曲が発生した場合と比べて、記録媒体10での波打ち変形(コックリング)を成長させることなく各従動ローラ21で変形を分断しつつ、圧接させている部分で特に記録媒体10の幅方向での自由な変形を抑制している。従って搬送方向の広範囲にわたり段階的にコックリングを防止し、大きなコックリングさえも抑制することができる。
したがって、記録媒体10において、待機中に発生する記録媒体10の幅(用紙幅とする)方向と直角方向であって搬送方向に平行な波打ち状の変形であるコックリングがさらに発生しにくくなる。
本変形例は、特に、必要な総熱量が多い場合、例えば表1のコート紙Cのように分厚い紙での温度勾配の最高温度である3段目(最下流)の温度が高い(90℃以上)の場合など、起動時の設定温度の最下流の温度を低く設定しすぎると、その後温度勾配の上限温度に上げる時間が多くかかる。あるいは、連続運転に移行する時間になっても、温度勾配を有する温度(特に最下流の加熱ローラ)が達成できない。そのため、起動時の温度と上限温度との差を上述の表1の*1や*2のように30〜40℃に収めるように、温度勾配の最高温度が例えば表1の*4のように100℃の場合、起動時の最下流の温度を例えば60〜70℃にすることが望まれる。
このように、起動時においても必要な熱総量が多く最下流の加熱ローラへ高い温度の付与を必要とする場合は、起動時に温度勾配の温度よりも低温に設定したとしてもコックリングが発生しうるので、本変形例のようなコックリング抑制装置を設けることが好ましい。
さらに、加熱乾燥装置120−Aの入口側でも、出口側よりも変形の程度は小さいが、加熱乾燥装置120-Aとの温湿度変化が激しいためコックリングが生じる場合があるため、入口側にも、図6の屈曲搬送路22同様の、屈曲搬送路を設けてもよい。入口側にコックリング抑制装置を設ける場合は、傾斜する搬送方向に対して直交する方向に波打つように屈曲搬送路が形成される。あるいは、コックリング抑制装置20を加熱乾燥装置120-A近傍の記録媒体10の搬送方向の下流か上流の一方か両方に設けてもよい。
<第2実施形態>
次に、図7に第2実施形態に係る前処理装置220に含まれる乾燥手段である乾燥ユニット350を有するシステム200を示し、図8に前処理装置の全体図、図9にシステムのその制御ブロック図を示す。なお、以下では、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7に、第2実施形態に係る印刷システム200の概略構成を例示する。図7に示す様に、印刷システム200は、給紙装置210、前処理装置220、第1インクジェットプリンタ230、反転装置240、第2インクジェットプリンタ250、後乾燥装置260、巻取装置(後処理装置)270を有する。図8は、図7の印刷システムに備えられた第2実施形態に係る乾燥ユニット(記録媒体加熱装置)350を含む前処理装置220の概略構成図である。
給紙装置210は、ロール状に巻き回された長尺の連続紙等の記録媒体10を、後段に設けられている前処理装置220に供給する。
前処理装置220は、記録媒体前処理装置の一例であり、後段の第1インクジェットプリンタ230等で記録媒体10に吐出されるインクジェットインクの滲みや裏写りを抑えるために、記録媒体10の表面に前処理液を塗布する。また、前処理装置220は、記録媒体10に塗布された前処理液を加熱して乾燥させた後、後段の第1インクジェットプリンタ230に記録媒体10を排出する。
前処理装置220は前処理液を乾燥させるための乾燥ユニット350を有する。ここで、前処理装置220に含まれている乾燥ユニット350は、前出の加熱乾燥装置120と同じ構成であり、加熱ローラ40a〜60bを有する。また、乾燥ユニット350においても、前出した制御装置80―Bによる図9に示す制御処理が実行され、夫々の加熱ローラ40a〜60bの各ヒーター41a〜61bの加熱量(温度)を制御している。
第1インクジェットプリンタ230は、前処理装置220において前処理液が塗布された記録媒体10の表面(他方の面)に、画像データに基づいてインク滴を吐出して所望の画像を形成する。
反転装置240は、記録媒体10の表裏を反転させ、反転させた記録媒体10を後段の第2インクジェットプリンタ250に搬送する。また、反転装置240は、乾燥手段として不図示のドライヤを有し、第1インクジェットプリンタ230により形成された記録媒体10の他方面側の画像を乾燥させる。
第2インクジェットプリンタ250は、反転装置240で表裏が反転された記録媒体10の反転前の裏面(一方の面)に、画像データに基づいてインク滴を吐出して所望の画像を形成する。
後乾燥装置260は、乾燥手段としてドライヤを有し、記録媒体10の両面に形成された画像をドライヤからの熱風で乾燥させる。
巻取装置270は、片面又は両面に画像が形成され、後乾燥装置260にて画像形成面のインクが乾燥された記録媒体10を巻取って回収する。
次に、図8を参照して、前処理装置220について説明する。図8で示された前処理システムに該当する前処理装置220は前処理液を記録媒体10に塗布する前処理液塗布装置(前処理液塗布ユニット)330を有している。記録媒体10の前処理液を乾燥させるために乾燥ユニット(記録媒体加熱装置)350は前処理液塗布ユニット330の記録媒体搬送方向Dの下流に設けられている。
さらに、前処理装置220は、先に述べた前処理液塗布ユニット330と乾燥ユニット350の他にエアループユニット320、前処理液供給ユニット340、ダンサーユニット380を有する。
エアループユニット320は、回転自在に支持されたガイドローラ321、記録媒体10を狭持して搬送するフィードイン(FI)ローラ322、FIニップローラ323を有する。
エアループユニット320では、ガイドローラ321、回転駆動するFIローラ322、従動回転するFIニップローラ323が給紙装置210から供給される記録媒体10を搬送し、エアループユニット320内に記録媒体10を引き込む。このとき、不図示の光学センサにより、記録媒体10の弛み量が一定となるエアループALが形成される様に、FIローラ322の回転が制御される。エアループALを通過した記録媒体10は、不図示のテンションシャフトにより搬送安定化のための張力が付加され、前処理液塗布ユニット330に搬送される。
エアループALを経た記録媒体10は、2つのエッジガイド324との間を通り、且つ、長手方向が記録媒体10の搬送方向Dと直交するように配置された2本のパスシャフト325の間をSの字状に通る。二本のパスシャフト325はエッジガイド324に支持され、エッジガイド対の間の間隔は記録媒体10の幅方向と略同寸にされる。なおエッジガイド324は、パスシャフト325に対して、例えばネジ等の固定手段によって移動可能に固定されており、使用する記録媒体10の幅寸法に応じてエッジガイド324の間の間隔は調整される。これらのパスシャフト325とエッジガイド324の働きにより、記録媒体10の幅方向の走行位置が規制され、安定した走行が可能となる。
パスシャフト325とエッジガイド324との間を通過した記録媒体10は、固定状態にあるテンションシャフト(図示せず)により搬送安定化のための張力が付加される。
前処理液塗布ユニット330は、回転駆動するインフィードローラ331、フィードニップローラ332、裏面塗布ユニット33、表面塗布ユニット34、回転駆動するアウトフィードローラ335、フィードニップローラ336を有する。フィードニップローラ332は、インフィードローラ331との間で記録媒体10を挟持搬送し、フィードニップローラ336はアウトフィードローラ335との間で記録媒体10を挟持搬送する。
裏面塗布ユニット33は、スクイーズローラ337、塗布ローラ338、加圧ローラ339を有する。裏面塗布ユニット33に搬送される記録媒体10は、スクイーズローラ337により前処理液が供給される塗布ローラ338と加圧ローラ339との間で挟持搬送される際に、塗布ローラ338により一方面(裏面)側に前処理液が塗布される。裏面塗布ユニット33を通過した記録媒体10は、表面塗布ユニット34に搬送される。
表面塗布ユニット34は、スクイーズローラ347、塗布ローラ348、加圧ローラ349を有し、記録媒体10の外面(表面)側に前処理液を塗布する。表面塗布ユニット34を通過した記録媒体10は、アウトフィードローラ335とフィードニップローラ336により、加熱装置である乾燥ユニット350に搬送される。
なお、裏面塗布ユニット33及び表面塗布ユニット34は、選択的に作動する様に制御され、記録媒体10は、他方面(表面)及び一方面(裏面)のいずれか片方又は両面に前処理液が塗布される。
前処理液供給ユニット340は前処理液を貯留し、裏面塗布ユニット33及び表面塗布ユニット34に前処理液を適宜供給する。
乾燥ユニット350は、記録媒体加熱装置の一例であり、前出の第1実施形態における加熱装置120と類似の構造を有し、記録媒体10を加熱し、記録媒体10に塗布された前処理液を乾燥させる。ここで、加熱乾燥装置120と実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより、重複した説明を省く。
乾燥ユニット350は、上述の加熱乾燥装置120と同じ構成であり、記録媒体10の搬送方向Dの上流から、加熱ローラ40a,40b,50a,50b,60a,60bと制御装置80―Bを有する。
また、乾燥ユニット350においても、前出した制御装置80―Bによる制御処理(図3参照)が実行され、夫々の加熱ローラ40a〜60bの各ヒーター41a〜61bの第1実施形態のときと同様に加熱量(温度)を制御している。
記録媒体10は、各加熱ローラ40a〜60bに順に千鳥掛け状に掛け渡され、アウトフィードローラ335及びフィードニップローラ336と、フィードローラ359及びフィードニップローラ360とにより、乾燥ユニット350の中を搬送される。各加熱ローラ40a〜60bは、搬送される記録媒体10に従動して回転し、記録媒体10を加熱して記録媒体10に塗布されている前処理液を乾燥させる。
なお、乾燥ユニット350においても、各加熱ローラ40a〜60bは記録媒体10に従動して回転するため、各加熱ローラを回転駆動させる駆動手段として例えばモーター等を設ける必要がなく、モーター設置スペースが省略されて小型化が可能になっている。
乾燥ユニット350において表面に塗布された前処理液が乾燥した記録媒体10は、回転駆動するフィードローラ359及びフィードニップローラ360に挟持され、ダンサーユニット380に搬送される。
ダンサーユニット380は、2つのガイドローラ381,382、可動フレーム384、可動フレーム384の位置を検出する不図示の位置検出手段、可動フレーム384に回転自在に取り付けられた2つのダンサーローラ385,386を有する。可動フレーム384は、下部に錘383が設けられ、ダンサーローラ385,386と共に矢印A方向に移動可能に設けられている。記録媒体10は、2つのガイドローラ381,382及び2つのダンサーローラ385,386にW字状に掛け渡される。
ダンサーユニット380は、不図示の位置検出手段の出力に基づいて、フィードローラ359の搬送量を制御して、可動フレーム384の上下方向の位置を調整する。可動フレーム384の位置が調整されることで、前処理装置220と後段の第1インクジェットプリンタ230との間の記録媒体10のバッファが確保される。
乾燥ユニット350によって加熱された記録媒体10は、ダンサーユニット380にて冷却された後に、後段の第1インクジェットプリンタ230に搬送される。
このような構成により、前処理装置220において、前処理液塗布ユニット330は、インクのにじみ防止や浸透補助等、画質向上のための前処理液を、記録媒体10に塗布する。その後、乾燥ユニット350において前処理液を蒸発させ、ダンサーユニット380にて冷却された後に、後段の第1インクジェットプリンタ230に搬送される。
なお、前処理液塗布ユニット330は、記録媒体10の表面、裏面、又は両面に前処理液を塗布する前処理部となる。乾燥ユニット(記録媒体加熱装置)350は、前処理液を蒸発させる前処理液乾燥装置に該当する。
このような構成の前処理装置220は、インクのにじみ防止や浸透補助等、画質向上のための前処理液を、記録媒体10に塗布する。前処理装置220は、記録媒体10の表面、裏面、又は両面に前処理液を塗布する。
制御装置80―Bは、加熱ローラ40a〜60bから記録媒体10に供給される総熱量Wが記録媒体10上に塗布された前処理液の水分を蒸発させる(前処理液を乾燥させる)ことができる十分な熱量を上回る熱量となるように各ヒーター41a〜61bを制御する。
また、制御装置80は、各加熱ローラから記録媒体10に供給される熱量は、搬送速度、記録媒体10の種別(用紙種別)、前処理液の塗布量(例えば、両面への塗布、片面への塗布等の塗布パターン)等に基づいて、各設定温度を変更する。
図9に、第2実施形態に係る印刷システム200の制御ブロック図を示す。図9に示すように、乾燥ユニット350の制御装置80−Bは印刷システム200の制御システム450に含まれている。乾燥ユニット350の制御装置80−Bは、それぞれのローラ40a〜60bに対応する加熱制御手段81〜86、CPU87、メモリ88等を有している。また、図には示していないが、制御装置80−Bは、さらに、加熱システムを実行するプログラムを記憶させるためのRAM、ROMや、センサ等の電装品の入出力を制御するI/O、印刷制御部からのデータを受け取るI/Fを有している。
夫々の加熱制御手段81〜86は、加熱ローラ40a〜60b内にあるハロゲンランプからなるヒーター41a〜61bに接続されており、ヒーター41a〜61bへ印加電圧を調整する例えばヒーター駆動回路等を有している。また、加熱制御手段81〜86は温度センサ42a〜62bとも接続され、温度センサ42a〜62bで検出した加熱ローラ40a〜60bの温度結果に基づいて加熱ローラ40a〜60bの表面温度が所定の温度範囲に入るように制御している。
メモリ88には後述する記録媒体の種類及び/又は搬送速度に応じた、第1設定温度(起動時温度)、第2設定温度(上限温度、設定温度上限値)、第3設定温度(熱量付与量均一温度、連続乾燥中の温度)の組み合わせとなる複数の温度テーブルが記憶されている。
前処理塗布乾燥装置220の制御部として、乾燥ユニット350の制御装置80−B、前処理塗布ユニット33,34の塗布制御部222、搬送に係る搬送制御部221が含まれている。さらに、制御システム450は、前処理塗布乾燥装置220が含まれる印刷システム200全体を制御する、制御を行う印刷制御部90等を有している。
前処理塗布乾燥装置220において、塗布制御部222は、前処理塗布乾燥装置220において、表面塗布ユニット34、裏面塗布ユニット33に接続し、塗布ユニット33,34を制御している。搬送制御部221は、前処理塗布乾燥装置220の各搬送ローラ335,359、ダンサーユニット380、エアループユニット320等に接続し、搬送を制御している。
さらに、本制御システム450は、前処理塗布乾燥装置220が含まれる印刷システム200に接続され、印刷システム200全体を制御する印刷制御部90等を有している。印刷制御部90は、操作パネル91、PCやサーバー92(PC等とする)、給紙装置210、第1のインクジェットプリンタ230、第2のインクジェットプリンタ250、後乾燥装置260、及び巻取装置270と複数のデータ線等で接続している。
印刷制御部90は、インク乾燥を含む画像形成動作の総合的な制御を司っている。乾燥ユニット350の制御装置80−Bは、内部に加熱制御手段81〜86、CPU87、メモリ88等を有している。接続した塗布制御部222、搬送制御部221、印刷制御部90等から得た情報を元に、CPU87が、加熱制御手段81〜86を制御している。
制御装置80−Bは、温度センサ42a〜62bの検出した各加熱ローラ41a〜61bの温度、並びに、排出用搬送ローラ359及び/又は供給用搬送ローラ335の回転速度等の作動状態に基づいて、各加熱ローラ40a〜60bの温度を制御する。
本実施形態では、塗布された前処理液を乾燥するため、表面塗布ユニット34及び裏面塗布ユニット33の塗布状態に応じて、加熱制御手段81〜86はヒーター41a〜61bを制御する。
なお、第1実施形態では、インクの溶剤を蒸発させたが、第2実施形態では、前処理液の溶剤を蒸発させる点で異なる。それ以外の詳細な制御方法は、上述の第1実施形態での制御と同様なので、本実施形態での説明を適宜割愛する。設定温度の温度推移設定方法はほぼ同様であり、必要熱量が上述の表1のように設けられている。
これらの必要熱量のどれかを選択し、利用して、図5(b)で示したような温度遷移をとるように、図10のような制御フローを実行する。本実施形態においても、連続印刷時の最初に接触する第1段加熱ローラ40a,40bによる記録媒体へのダメージ軽減と、印刷起動時の出口側の第3段加熱ローラ60a,60bによる記録媒体の収縮の低減とが両方実現できるように時間ごとに設定温度を変更する。
ここで、図10に示すフローチャートに従って、印刷システム200の動作を説明する。加熱に係るフローを主に説明する。図10は印刷システム200の制御フローチャートである。図10において、操作パネル91やPC又はサーバー92等から印刷開始を指示されると(S200、図5(b)でts)、印刷システム200は印刷準備を開始する(S201)。
印刷準備として、印刷制御部(上位装置)90は、操作パネル91やPC等92から各加熱ローラ40a〜60bの設定温度を判断する印刷形態の情報、記録媒体の情報、媒体の搬送情報、を認識する(S202)。印刷形態の情報とは、片面か裏面か両面印刷であり、記録媒体の情報とは、例えば種類(普通紙かコート紙か)幅・連量等と意味し、媒体の搬送情報とは、例えば搬送速度、搬送量(何ページ分か)を意味する。
S203にて、乾燥ユニット350の制御装置80−Bに含まれるCPU87は、S102で得た記録媒体情報等に応じて、メモリ88から、適切な第1〜第3設定温度の組み合わせとなる例えば下記表3のような最適な温度テーブルを選択し、決定する。
Figure 2016005881
なお、表3では、前処理液の乾燥の一例として、表1の*3で示したコート紙A、Aパターンで塗布、搬送速度50mpm、及び温度勾配の最高温度が80℃となる場合(図5(b)の温度遷移)の設定温度を示している。表3において、第1設定温度として、上限温度(第2設定温度)80℃に対して、最下流側の加熱ローラ60bの温度を40℃とし、下流から2本目の加熱ローラ60bの温度を60℃に設定する。なお、表3に示す温度テーブルで示す設定温度で加熱する場合であっても、上述のような乾燥に必要な熱量は全体で確保している。
印刷制御部90からの印刷開始命令により、S204において、加熱乾燥装置120の制御装置80−Bは、表2の温度テーブルを参照して、加熱制御手段81〜86により、加熱ローラ40a〜60bを規定値である第1設定温度(起動時の設定温度)に向けて加熱する(図5(b)でt1)。
次に、制御装置80−Bは、各温度センサ42a〜62bの出力に基づいて、各加熱ローラ40a〜60bが第1設定温度まで加熱されたか否かを判断する(S205)。そして、加熱ローラ40a〜60bが夫々の第1設定温度まで立ち上がったら(S205でYES)、制御装置80−Bは塗布準備完了を印刷制御部90に報告し、これによって塗布が開始される。
印刷制御部90は、画像形成を行う前に、まず搬送制御部221等は、給紙装置210、各フィードローラ322,331,335,359を駆動して記録媒体10を搬送させる(搬送ON)。同時に塗布制御部222は、前処理液塗布ユニット330を作動させ、記録媒体10に前処理液を塗布する(S206)。
S206にて塗布が開始される同時に、加熱ローラ40a〜60bの温度は、一旦上限温度である均一の表3の第2設定温度に向けて、全ての加熱ローラ40a〜60bを上昇させる(図5(b)でt1')。なお、本実施形態において、第2設定温度は、温度勾配のある連続乾燥中の最高温度と同じ値である。
その後、制御システム450の印刷制御部90は、第1のインクジェットプリンタ230、続いて第2のインクジェットプリンタ250を作動させ、印刷が開始される(S207)。
全ての加熱ローラ40a〜60bの温度が第2設定温度に到達したことが確認できた後(S208でYES)、制御装置80‐Bの加熱制御手段81〜86は加熱ローラ40a〜60bの温度を、各段の熱量付与量を均一にする第3設定温度へ移行させる(S209)(図5(b)でt2')。なお、図5(b)で示すように、第2設定温度を所定時間継続させてもよい(図5(b)のt2〜t2'区間)。第3設定温度で記録媒体10を加熱しながら、連続印刷動作が行われる。
なお、このフローでは、第1インクジェットプリンタ230のヘッド部231が印刷動作を開始させた後に、加熱ローラ40a〜60bの温度を第3設定温度へ移行した例を示した。しかし、ヘッド部231に記録媒体10の前処理液が塗布された先端部分が到達する前に、全ての加熱ローラ40a〜60bの温度が第2設定温度に到達したことが確認できた場合は、先に加熱ローラ40a〜60bの温度を第3設定温度へ移行させてもよい。
次に、制御システム450の印刷制御部90は、前処理液の塗布が終了したか否かを判断する(S210)。
そして、制御システム450の制御装置80−Bは、記録媒体10の前処理液が塗布された終端部分が乾燥ユニット350を出たか否かを判断する(S211)。記録媒体10の前処理液が塗布された終端部分の乾燥ユニット350を出た判断は、前処理液の塗布タイミング、各フィードローラ335,359、ガイドローラ382の送り量、可動フレーム384の位置等に基づいて行う。例えば、搬送距離、搬送速度から所要時間を計算し、所要時間と時間カウントの結果を比較することにより行う。
記録媒体10の前処理液が塗布された終端部分が乾燥ユニット350を出た場合、加熱制御手段81〜86は、各加熱ローラ40a〜60bの作動中の各ヒーター(ヒーターランプ)41a〜61bをOFFにして、制御装置80−Bは、乾燥ユニット350を停止させる(S212)。
その後、制御システム450の印刷制御部90は、前処理塗布乾燥装置220の搬送制御部221や、その他搬送部355,70等の搬送制御部94を介して記録媒体10の搬送を停止させ、全体のJOBが終了となる(S213)。
上述の制御により、本発明は、連続印刷中の加熱ローラの各段の熱量付与量の均一化を考慮した状態を保つため、連続印刷中は上流から下流への加熱ローラの勾配を有する温度設定を崩すことない。従って、記録媒体10の急激な温度上昇を回避できるので、乾燥ユニット(記録媒体加熱装置)350が含まれるシステム200は、記録媒体10に与える熱負荷を最小限に抑えることができる。よって、記録媒体10の熱負荷によるシワや変形等のダメージの発生を抑えることができる。
また、起動時は、用紙の乾燥に必要な熱量を確保できる状態で、コックリングの原因となる下流2本の加熱ローラ温度の設定を下げることで、乾燥ユニットの外との温度差を小さく抑えることで、記録媒体の部分的な収縮差を抑えることが可能となる。
更に、比較的軽度の上流側のコックリングも最上流1本のみの加熱ローラ温度の設定を下げることで、乾燥ユニットの外との温度差を小さく抑えることで、記録媒体の部分的な収縮差を抑えることも可能となる。
このように、前処理液塗布乾燥処理を行い、起動時の出口側及び入り口側での記録媒体10の吸湿による波形状の変形であるコックリングを極めて少なくできる。よって、コックリングによる後工程でのインクジェットプリンタ230,250での記録媒体での擦りがなく、巻取装置270での記録媒体10の巻き取りも良好な印刷業務ができる。
(第2実施形態の変形例)
本実施形態の変形例として、図11に示すように加熱ローラの下流部にローラを配置して、コックリングの発生を抑制する技術と合わせて適用することでより大きな効果を得ることができる。
本変形例において、図6と同様に、乾燥ユニット350−Aの出口近傍の下流側にはコックリング抑制装置(コックリング抑制手段)370を有している。ここで、複数の従動ローラ371で搬送方向に対して複数回屈曲する屈曲搬送路372が形成されており、待機中に発生する用紙幅方向での波打ち状のコックリングを抑制している。本実施形態においても、上述のように記録媒体が分厚い場合等、必要な総熱量が多く、起動時に最下流の加熱ローラであっても高い温度を必要とする場合は、本変形例のようなコックリング抑制装置を設けることが好ましい。なお、効果等は第1実施形態の変形例と同様であるため説明を割愛する。
本実施形態においても、高価なインクジェット専用紙を用いなくても、前処理液塗布乾燥処理を行い、起動時の入り口側及び出口側での記録媒体10の吸湿による波形状の変形、コックリングを極めて少なくできる。よって、コックリングによる後工程でのインクジェットプリンタ(記録装置)230,250での記録媒体での擦りがなく、巻取装置270での記録媒体10の巻き取りも良好な印刷業務ができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る制御例について説明する。第3実施形態は、第1実施形態の変形例と同様のシステムの全体構成(図6)、制御構成(図2)を有しているのでこれらの説明は割愛する。
本実施形態に係る温度制御では、第1実施形態(の変形例)の制御と比較して、
(i)上限温度(第2設定温度、設定温度上限値)が第1実施形態の上限温度(第2設定温度、設定温度上限値)よりも高温である点;
(ii)上限温度から第3温度への移行時に、すべての加熱ローラの温度の第2設定温度への到達の検知ではなく、最下流の加熱ローラの第2設定温度への到達のみを検知する点;及び
(iii)上限温度から連続乾燥中の温度へ移行する際に一度中間温度を設定する点、
が異なる。
印刷中、上述のように記録媒体10に供給される総熱量(各段の熱量の総和)が記録媒体10上に付着したインクの溶媒成分を所定値以下まで蒸発させることができる十分な熱量を上回るように、制御装置80は各ヒーター41a〜61bを制御する必要がある。
ここで、制御装置は、電気信号的(DUTY比)に制御してヒーターに与えられる熱エネルギー(投入熱量)に応じて、加熱ローラの設定温度を制御している。しかし、実際は、加熱ローラの表面は、通過する記録媒体への熱移動が生じるため、実際の加熱ローラの表面温度は、制御した設定温度とは異なる。加熱ローラの表面温度よりも、記録媒体の温度の方が低いので、特に、記録媒体が搬送されているときは、記録媒体の通過に伴って、加熱ローラの熱を奪っていく熱移動が起きる。
印刷時において、記録媒体の印字面(画像形成面)を乾燥させる際は、加熱ローラの表面からの熱移動により、熱量が付与されることで、インクの溶媒成分を所定値以下まで蒸発させる必要がある。
しかし、コックリング防止のための第1設定温度まで上昇した後に記録媒体を搬送させているときは、ヒーターの設定温度を第1設定温度から第2設定温度へと上昇させても、加熱ローラの表面温度より低い温度の記録媒体が次々と熱を奪っていくので、実際の表面温度はなかなか高くならない。
特に、外気温が低い場合は、加熱乾燥装置の外を通る記録媒体の温度が下がって加熱ローラ表面との温度差が大きくなり、低い温度の記録媒体が次々と加熱ローラの表面から熱を奪うので熱移動が多くなると共に、加熱乾燥装置の筐体内の温度が低くなるため加熱ローラ表面からの熱放出が起きやすい。そのため、ヒーターを設定温度に制御しても加熱ローラの表面温度は高くなりづらい。
このような外気温が低い条件により、加熱ローラの温度が印刷中に設定温度(温度勾配のある熱量付与量均一の温度)に到達しないと、印刷時に、熱量総量が足りず、インクの溶媒成分が蒸発できなくなる恐れがある。なお、上述のように、温度勾配を設けることで、記録媒体へのダメージを均一にするとともに、各ローラ40a〜60bの熱損失を均一にし、過度な温度上昇が起きるリスクが分散でき、各ヒーター41a〜61bの装置寿命を延ばす(そろえる)ことが可能であった。
そこで、本実施形態では、外気温が低い場合でも、熱量付与量均一の温度への移行を促進するように、設定温度上限値(第2設定温度)をより高く設定した、温度制御を実施する。なお、第2設定温度は、起動した後であるので起動時の記録媒体の収縮によるコックリングの発生は通常発生しないため、高く設定できる。
そして、最下流の加熱ローラ60bの温度が第2設定温度へ到達したことの検知を契機として、すべての加熱ローラの温度へ下げて次の温度へ移行させる制御を行う。ここで、均一に熱量を付与する温度では、上流から下流へ温度を徐々に高くし最下流の加熱ローラ60bが一番高温であるため、この高い温度へスムーズに移行できるように、最下流のローラ60bを第2設定温度まで到達したことを温度センサ62bで検知する。
なお、加熱ローラ60bの温度検知として、温度センサ62bは、例えば図12に示すように、加熱ローラの端部であって記録媒体との接触箇所の近傍に設置されているため、記録媒体による熱移動の影響を受けた後の実際の加熱ローラの表面温度が測定できる。
より詳しくは、図12において、表面加熱ユニット121および裏面加熱ユニット122は、アーム123,124を介してプーリ126で張られた各ベルト125に固定されており、この加熱乾燥装置120の開閉は、このプーリ126を回転させることで行っている。なお、各加熱ローラ40a〜60bには、温度センサ(サーミスタ)42a〜62bがホルダ63により表面及び裏面加熱ユニット121,122のフレームに固定されている。
加熱乾燥装置120―Aの制御装置80の加熱制御手段81〜86において、温度センサ42a〜62bの検知結果に基づいて、夫々の加熱ローラ40a〜60bのその中に設置された各ヒーター(ヒーターランプ等)41a〜61bの加熱量(温度)を制御している。
図12において、左側が基準側となっており、どのような幅の記録媒体であっても、記録媒体は基準側に沿って加熱ローラ上を搬送されるため、常に記録媒体は温度センサの近くを通る。従って温度センサ42a〜62bは、ローラ表面温度として、常に記録媒体による熱移動の影響を受けた温度の測定が可能である。
また、本実施形態では、上述のように上限温度が高いため、連続乾燥温度との温度差が大きいことから、上限温度(第2設定温度)と熱量付与量の均一性を考慮した連続乾燥温度(第4設定温度)との間に、中間温度である第3設定温度を設けている。これにより、より高い上限温度から温度を一気に下げると加熱ローラの温度変化が大きくなること回避し、徐々に温度を下げることができる。
本実施形態では、設定温度が4つになり、メモリ88には記録媒体の種類及び/又は搬送速度に応じた、第1設定温度(起動時温度)、第2設定温度(上限温度、設定温度上限値)、第3設定温度(中間温度)、第4設定温度(熱量付与量均一温度、連続乾燥中の温度)の組み合わせとなる複数の温度テーブルが記憶されている。
本実施形態の加熱乾燥装置の乾燥工程の概略温度制御について具体的に説明する。図13は図7のシステム(印刷装置)100-Aを用いた第3実施形態の制御フローチャートである。図14は、本実施形態の加熱ローラの温度の一例を示すグラフである。図14のグラフの例は、表1の*3で示したコート紙A,Aパターン、搬送速度50mpm、及び温度勾配の最高温度が80℃のときの設定温度をさらに細分化した設定温度での温度遷移を示している(後述の第4実施形態の表5に対応、本実施形態でも同様の温度推移を示す)。
加熱に係るフローとして図13において、操作パネル91やPC又はサーバー92等から印刷開始を指示されると(S300、図14でTs)、システム100は印刷準備を開始する(S301)。そして、印刷制御部(上位装置)90は、印刷形態の情報、記録媒体の情報、媒体の搬送情報、を認識する(S302)。
S303において、加熱乾燥装置120の制御装置80に含まれるCPU87は、S302で得た記録媒体情報等に応じて、メモリ88から、適切な第1〜第4設定温度の組み合わせとなる、例えば下記表4のような、最適な温度テーブルを選択し、決定する。
Figure 2016005881
本実施形態において、表4では、インクの乾燥の一例として、表1の*2で示したコート紙A,Aパターン、搬送速度30mpm、及び温度勾配の最高温度が70℃のときの設定温度をさらに細分化した設定温度を示している。
印刷制御部90からの印刷開始命令により、S304において、加熱乾燥装置120の制御装置80は、表4の温度テーブルを参照して、加熱制御手段81〜86により、加熱ローラ40a〜60bを規定値である第1設定温度(起動時の設定温度)に向けて加熱する(図14のT0)。本実施形態において、表4に示すように、第1設定温度として、加熱ローラ40aは40℃、40bは60℃、50aは80℃、50bは80℃、60aは80℃、60bは60℃に設定する。
第1設定温度は、起動時(待機温度)のとき第1設定温度として最下流側の加熱ローラ60bの温度を60℃、最上流の加熱ローラ40aを40℃とし、用紙の変形であるコックリングを防止するために通常印刷温度の最高温度(70℃)より温度を低く設定する。中央部の加熱ローラ50a,50b,60aは出入り口の温度を下げるため乾燥に必要な熱量及び起動時に筐体内が冷えているため、通常時より多くの熱量を使用するため90℃の温度設定にする。
このように第1設定温度を設定することによって、出口側の加熱ローラ60bは、出口側から離れた中央部の加熱ローラ50a,50b,60aの温度(80℃)よりも低いため、の接触部と装置の外との温湿度差による用紙収縮を低減する。
なお、本実施形態においては、図6のようにコックリング抑制装置20を加熱乾燥装置120-Aの後段に設置しているので、最下流の加熱ローラを第1実施形態よりも高い60℃で起動しても、コックリングは発生せず、用紙の収縮は起こらない。
さらに、各加熱ローラ40aと40b、60aと60bとの間の温度差を20℃ずつ変化するように設定することによって加熱ローラ間の温度差によって発生する用紙収縮量の変化も低減し、全体的に記録媒体10のコックリングを低減する効果が発揮される。
次に、制御装置80は、各温度センサ42a〜62bの出力に基づいて、各加熱ローラ40a〜60bが第1設定温度まで加熱されたか否かを判断する(S305)。そして、加熱ローラ40a〜60bが第1設定温度まで立ち上がったら(S305でYES)(図14でT1)、制御装置80は印刷準備完了を印刷制御部90に報告し、これによって印刷が開始される。
S306にて、印刷制御部90は、搬送制御部94を介して給紙装置130、各搬送部113,30,70を駆動させ記録媒体10を搬送させる(図14でT1')。この時、記録装置110における画像形成ユニット111,112を作動させ、記録媒体10にインクを吐出し付着させる印刷動作を開始させる。
S306にて印刷が開始され、記録媒体10の搬送も開始されると同時に、加熱ローラ40a〜60bの温度は、一旦上限温度である均一の第2設定温度(設定温度上限値)へ向けて、全ての加熱ローラ40a〜60bを加熱し、温度を一律に上昇させる。本実施形態において、第2設定温度は、温度勾配のある連続乾燥中の最高温度(70℃)よりも20℃高い温度(90℃)である。第2設定温度は、起動した後であって、記録媒体の収縮によるコックリングの発生は通常発生せず、記録媒体が搬送されたタイミングで加熱目標とする温度であるため、全ての加熱ローラ40a〜60bの設定温度を高く設定できる。インクの量にもよるが、本実施形態において、第2設定温度の最高温度を、第1実施形態の70℃より20℃高く設定し、全ての加熱ローラを90℃に向けて加熱することにより、用紙搬送開始時の筐体内温度が低い場合の熱量低下分を補うことが出来る。
S307において、最下流の加熱ローラ60bが設定温度上限値である第2設定温度(90℃)に到達したかどうか、温度センサ62bで確認する。なお、このとき、起動時の第1設定温度が最下流の加熱ローラ60bよりも高かった加熱ローラ50a,50b,60aの実際の表面温度が90℃よりも高くなることがあるが、装置中央部にあるためコックリングに影響はなく、過渡的な温度であるため問題はない。
最下流の加熱ローラ60bが設定温度上限値に到達したら(S307でYES)、S308に進む。S308において、加熱制御手段81〜86は加熱ローラ40a〜60bの温度が第2設定温度に到達したことを契機に、第3設定温度(中間温度)へ移行(低下)させる(図14でT2)。
なお、第1実施形態では、図5(b)ではt2〜t2'区間、第2設定温度に到達後に所定時間継続した例が示されており、第2設定温度への到達の検知後すぐに第3設定温度へ移行させることも、選択できた。本実施形態において、図14のグラフのT2において、最下流の加熱ローラ60bの第2設定温度への到達を検知したら、その温度を継続させずに速やかに第3設定温度へ移行させている。しかし、外気温や記録媒体の条件等により、必要に応じて、第2設定温度に到達後も所定時間、第2設定温度を継続させてもよい。
尚、本フローの温度設定では、設定温度上限値から移行する際、1つの第3設定温度(中間温度)を設定して、第4設定温度である連続乾燥温度(熱量付与量均一)へ移行させているが、第3設定温度としての中間温度を段階的に複数設けても良い。あるいは、第1実施形態同様に、最下流の加熱ローラ60bの温度が第2設定温度(設定温度上限)への到達を検知後、中間温度を経ずに直接、連続乾燥温度へ移行するように設定してもよい。
最下流の加熱ローラ60bが設定温度上限値である第2設定温度に到達してから規定時間経過後、第3設定温度から第4設定温度へ設定温度を切り替える(S309)(図14でT3)。
そして、連続印刷動作(連続乾燥)が行われる(S310)。
次に、制御システム500は、図3と同様に、印刷終了の判断を行い(S311)、記録媒体の画像形成終端が加熱乾燥装置の出口への到達確認後(S312)、加熱乾燥装置の乾燥を終了し(S313)、全体搬送を停止させて、印刷に係る制御を終了する(S314)。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、連続乾燥中の加熱ローラの各段の熱量付与量の均一化を考慮した温度勾配を保つため、記録媒体10の急激な温度上昇を回避できるので、加熱乾燥装置120を含むシステム100は、記録媒体10に与える熱負荷を最小限に抑えることができる。よって、記録媒体10の熱負荷によるシワや変形等のダメージの発生を抑えることができる。
更に、起動時における比較的軽度の上流側のコックリングは、最上流1本の加熱ローラ温度の設定を低く設定し、加熱乾燥装置の外との温度差を小さく抑えることで、加熱乾燥装置入り口付近における記録媒体の部分的な収縮差を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、起動時に、出口側最下流の加熱ローラの温度を、第1実施形態よりも高く中央部の加熱ローラ温度よりも低い温度に設定することで、乾燥装置の外との温度差を比較的小さく抑えつつ、コックリング抑制装置20によってコックリングを抑制するため、外気温が低い条件においても、加熱乾燥装置出口付近における記録媒体の部分的な収縮差を抑えることが可能となる。
このように、起動時の加熱乾燥装置120−Aの入り口側出口側での乾燥と吸湿による温湿度変化により記録媒体10内の含水率の違いによる収縮差による波形状の変形であるコックリングを極めて少なくできる。従って、後工程での後処理装置140の巻き取りや折り畳みにおいて記録媒体10の擦りがない良好な印刷業務ができる。
さらに、本実施形態においては、コックリング抑制装置20を備えており、起動直後に連続乾燥中の最高温度よりも高い温度になるように加熱ローラを制御することで、外気温が低くても、連続印刷時(乾燥時)において必要な熱量を確実に確保することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る制御例について説明する。第4実施形態は、第2実施形態の変形例と同様の印刷システムの全体構成(図11)、前処理液塗布乾燥装置の構成(図8)、制御構成(図9)を有しているので、これらの説明は割愛する。
なお、制御については、上述の第3実施形態と同様に、第2実施形態(の変形例)と比較して、
(i)上限温度(第2設定温度、設定温度上限値)が第1実施形態の上限温度(第2設定温度、設定温度上限値)よりも高温である点;
(ii)上限温度から第3温度への移行時に、すべての加熱ローラの温度の第2設定温度への到達の検知ではなく、最下流の加熱ローラの第2設定温度への到達のみを検知する点;及び
(iii)上限温度から連続乾燥中の温度へ移行する際に一度中間温度を設定する点、
が異なる。
第3実施形態ではインクの溶剤を蒸発させたが、第4実施形態では前処理液の溶剤を蒸発させるので、必要熱量が異なり、温度テーブルでの設定温度が異なる。設定温度の温度推移・設定方法は第3実施形態とほぼ同様である。
これらの必要熱量のどれかを選択し、利用して、図14のグラフで示したような温度遷移をとるように、図15のような制御フローを実行する。本実施形態でも、連続乾燥時の最初に接触する第1段加熱ローラ40a,40bによる記録媒体へのダメージ軽減と、印刷起動時の出口側の第3段加熱ローラ60a,60bによる記録媒体の収縮の低減とが両方実現できるように時間ごとに設定温度を変更する。
ここで、図15に示すフローチャートに従って、印刷システム200の動作を説明する。加熱に係るフローを主に説明する。
図15において、操作パネル91やPC又はサーバー92等から印刷開始を指示されると(S400、図14でTs)、システム100は印刷準備を開始する(S401)。そして、印刷制御部(上位装置)90は、印刷形態の情報、記録媒体の情報、媒体の搬送情報、を認識する(S402)。
S403にて、乾燥ユニット350―Aの制御装置80−Bに含まれるCPU87は、S102で得た記録媒体情報等に応じて、メモリ88から、適切な第1〜第4設定温度の組み合わせとなる例えば下記表5のような最適な温度テーブルを選択し、決定する。
Figure 2016005881
なお、表5では、前処理液の乾燥の一例として、表1の*3で示したコート紙A、Aパターンで塗布、搬送速度50mpm、及び温度勾配の最高温度が80℃の時の設定温度をさらに細分化した設定温度(図14の温度遷移)である例を示している。表5において、第1設定温度として、上限温度(第2設定温度)90℃に対して、最下流側の加熱ローラ60bの温度を70℃とし、下流から2本目の加熱ローラ60bの温度を90℃に設定する。なお、表3に示す温度テーブルで示す設定温度で加熱する場合であっても、上述のような乾燥に必要な熱量は全体で確保している。
印刷制御部90からの印刷開始命令により、S404において、加熱乾燥装置120の制御装置80−Bは、表2の温度テーブルを参照して、加熱制御手段81〜86により、加熱ローラ40a〜60bを規定値である第1設定温度(起動時の設定温度)に向けて加熱する(図14でT1)。本実施形態においては表5に示すように第1設定温度は、加熱ローラ40aは40℃、40bは60℃、50aは90℃、50bは90℃、60aは90℃、60bは70℃に設定する。なお、本実施形態では、コックリング抑制装置370を乾燥ユニット350―Aの後段に設置しているので、最下流の加熱ローラ60bを第2実施形態よりも高い70℃で起動しても、コックリングは発生しない。
次に、制御装置80−Bは、各温度センサ42a〜62bの出力に基づいて、各加熱ローラ40a〜60bが第1設定温度まで加熱されたか否かを判断する(S405)。そして、加熱ローラ40a〜60bが第1設定温度まで立ち上がったら(S405でYES)、制御装置80−Bは塗布準備完了を印刷制御部90に報告し、これによって塗布が開始される。
印刷制御部90は、画像形成を行う前に、まず搬送制御部221等は、給紙装置210、各フィードローラ322,331,335,359を駆動して記録媒体10を搬送させる(搬送ON)。同時に塗布制御部222は、前処理液塗布ユニット330を作動させ、記録媒体10に前処理液を塗布する(S406)。
S406にて塗布が開始される同時に、加熱ローラ40a〜60bの温度は、一旦上限温度である均一の表3の第2設定温度に向けて、全ての加熱ローラ40a〜60bを上昇させる(図14でT1')。前処理液塗布液の量にもよるが、本実施形態において、第2設定温度の最高温度を、温度勾配の最高温度である(第2実施形態の)80℃より20℃高い100℃に設定し、全ての加熱ローラを100℃に向けて加熱することにより、用紙搬送開始時の筐体内温度が低い場合の熱量低下分を補うことが出来る。
その後、制御システム450の印刷制御部90は、第1のインクジェットプリンタ230、続いて第2のインクジェットプリンタ250を作動させ、印刷が開始される(S407)。
S408において、最下流の加熱ローラ60bが設定温度上限値である第2設定温度(100℃)に到達したかどうか、温度センサ62bで確認する。なお、このとき、起動時の第1設定温度が最下流の加熱ローラ60bよりも高かった加熱ローラ50a,50b,60aは、実際温度として100℃よりも高くなることがあるが、加熱乾燥装置中央部にあるため、コックリングに影響はなく、過渡的な温度であるため問題はない。
最下流の加熱ローラ60bが設定温度上限値に到達したら(S408でYES)、S409に進む。S409において、加熱制御手段81〜86は加熱ローラ40a〜60bの温度が第2設定温度に到達したことを契機として、第3設定温度へ移行(低下)させる(図14でT2)。
なお、本実施形態では、図14のT2に示すように、第2設定温度がより高く設定されているため、最下流の加熱ローラ60bが第2設定温度へ到達したことを検知したら、速やかに、第3設定温度へ移行する(図14でT2)。なお、必要により、第2設定温度を継続させてもよい。
なお、このフローでは、第1インクジェットプリンタ230のヘッド部231が印刷動作を開始させた後に、加熱ローラ40a〜60bの温度を第3設定温度へ移行した例を示した。しかし、ヘッド部231に記録媒体10の前処理液が塗布された先端部分が到達する前に、最下流の加熱ローラ60bの温度が第2設定温度に達成したことが確認できた場合は、先に加熱ローラ40a〜60bの温度を第3設定温度へ移行させてもよい。
また、温度設定を第3設定温度から、第4設定温度である連続乾燥温度(熱量付与量均一)に移行するために、第3設定温度としての中間温度設定を段階的に複数設けても良い。あるいは、最下流の加熱ローラ60bが上限に到達を検知後、中間温度を経ずに直接、連続乾燥温度へ移行するように設定してもよい。
最下流の加熱ローラ60bが設定温度上限値である第2設定温度に到達してから規定時間経過後、第3設定温度から第4設定温度へ設定温度を切り替える(S410)(図14でT3)。
そして、連続印刷動作(連続乾燥)が行われる(S411)。
次に、制御システム450の印刷制御部90は、前処理液の塗布が終了したか否かを判断する(S412)。
そして、制御システム450の制御装置80−Bは、記録媒体10の前処理液が塗布された終端部分が乾燥ユニット350―Aを出たか否かを判断する(S413)。記録媒体10の前処理液が塗布された終端部分の乾燥ユニット350―Aを出た判断は、前処理液の塗布タイミング、各フィードローラ335,359、ガイドローラ382の送り量、可動フレーム384の位置等に基づいて行う。例えば、搬送距離、搬送速度から所要時間を計算し、所要時間と時間カウントの結果を比較することにより行う。
記録媒体10の前処理液が塗布された終端部分が乾燥ユニット350−Aを出た場合、加熱制御手段81〜86は、各加熱ローラ40a〜60bの作動中の各ヒーター(ヒーターランプ)41a〜61bをOFFにして、制御装置80−Bは、乾燥ユニット350−Aを停止させる(S412)。
その後、制御システム450の印刷制御部90は、前処理塗布乾燥装置220の搬送制御部221や、その他搬送部355,70等の搬送制御部94を介して記録媒体10の搬送を停止させ、全体のJOBが終了となる(S414)。
上述の制御により、本実施形態において、第2実施形態と同様に、連続印刷中の加熱ローラの各段の熱量付与量の均一化を考慮した状態を保つため、連続印刷中は上流から下流への加熱ローラの勾配を有する温度設定を崩すことない。従って、記録媒体10の急激な温度上昇を回避できるので、乾燥ユニット(加熱装置)350―Aが含まれるシステム200は、記録媒体10に与える熱負荷を最小限に抑えることができる。よって、記録媒体10の熱負荷によるシワや変形等のダメージの発生を抑えることができる。
更に、起動時における比較的軽度の上流側のコックリングは、最上流1本の加熱ローラ温度の設定を低く設定し、乾燥ユニットの外との温度差を小さく抑えることで、乾燥ユニット入り口付近における記録媒体の部分的な収縮差を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、起動時に、出口側最下流の加熱ローラの温度を、第2実施形態よりも高く中央部の加熱ローラ温度よりも低い温度に設定することで、乾燥ユニットの外との温度差を比較的小さく抑えつつ、コックリング抑制装置370によってコックリングを抑制するため、外気温が低い条件においても、乾燥ユニット出口付近における記録媒体の部分的な収縮差を抑えることが可能となる。
このように、前処理液塗布乾燥処理を行い、起動時の出口側及び入り口側での記録媒体10の吸湿による波形状の変形であるコックリングを極めて少なくできる。よって、コックリングによる後工程でのインクジェットプリンタ230,250での記録媒体での擦りがなく、巻取装置270での記録媒体10の巻き取りも良好な印刷業務ができる。
さらに、本実施形態においては、コックリング抑制装置370を備えており、起動直後に連続乾燥中の最高温度よりも高い温度になるように加熱ローラを制御することで、外気温が低くても、連続印刷時(乾燥時)において必要な熱量を確実に確保することができる。
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲により規定される。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で、当該技術分野の通常の知識を有している者には様々な形態の置換、変形及び変更が可能で、これらもまた本発明の範囲に属する。
10 記録媒体
20 コックリング抑制装置(コックリング抑制手段)
21 従動ローラ
22 屈曲搬送路
40 第1段加熱ローラセット(加熱ローラセット)
40a 第1段裏面加熱ローラ(加熱ローラ)
40b 第1段表面加熱ローラ(加熱ローラ)
41a,41b ヒーター(加熱手段)
42a,42b 温度センサ
50 第2段加熱ローラセット(加熱ローラセット)
50a 第2段裏面加熱ローラ(加熱ローラ)
50b 第2段表面加熱ローラ(加熱ローラ)
51a,51b ヒーター(加熱手段)
52a,52b 温度センサ
60 第3段加熱ローラセット(加熱ローラセット)
60a 第3段裏面加熱ローラ(加熱ローラ)
60b 第3段表面加熱ローラ(加熱ローラ)
61a,61b ヒーター(加熱手段)
62a,62b 温度センサ
70 搬送部材
79 出口
78 出口センサ
71,72 搬送部
80,80−B 制御装置(加熱制御部、制御手段)
81,82,83,84,85,86 加熱制御手段
90 印刷制御部
100,100−A システム(印刷装置)
110 記録装置
120,120−A 加熱乾燥装置(記録媒体加熱装置)
130 給紙装置
140 後処理装置(巻き取り装置)
200,200−A システム(印刷システム)
210 給紙装置
220,220−A 前処理装置(前処理液塗布乾燥装置)
230 第1インクジェットプリンタ(記録装置)
250 第2インクジェットプリンタ(記録装置)
260 後乾燥装置
270 巻取装置
330 前処理液塗布ユニット(前処理液塗布装置)
350,350−A 乾燥ユニット(記録媒体加熱装置)
370 コックリング抑制装置(コックリング抑制手段)
371 従動ローラ
372 屈曲搬送路
450 制御システム
500 制御システム
D 搬送方向
W 供給熱量総量
特開平10−202839号公報 特開2012−035566号公報

Claims (12)

  1. 連続する記録媒体を加熱乾燥する記録媒体加熱装置であって、
    前記記録媒体の搬送経路中に配置され、加熱手段を有する複数の加熱ローラと、
    装置を起動する時は、前記搬送経路の出口側に位置する加熱ローラの温度が、装置における前記搬送経路の前記出口側から離れた場所に位置する加熱ローラの温度より低くなるように、前記加熱手段を制御する制御手段と、を有する、
    記録媒体加熱装置。
  2. 前記複数の加熱ローラは前記搬送経路の入り口側、中央部、及び出口側に位置する加熱ローラを備え、
    前記制御手段は、装置を起動する時に、前記入り口側に位置する前記加熱ローラの温度が、前記中央部に位置する前記加熱ローラの温度より低くなるように前記加熱手段を制御する、
    請求項1記載の記録媒体加熱装置。
  3. 前記制御手段は、装置が連続乾燥中に、前記搬送経路において前記出口側に近づくほど前記加熱ローラの温度が高くなるように、前記加熱手段を制御する、
    請求項1又は2に記載の記録媒体加熱装置。
  4. 前記制御手段は、装置が起動した直後に、前記装置を起動する時の温度から、前記複数の加熱ローラすべての温度を設定温度上限値に向けて上昇させる、
    請求項1乃至3のいずれか一項記載の記録媒体加熱装置。
  5. 前記制御手段は、前記複数の加熱ローラすべての温度が設定温度上限値に到達した後で、前記搬送経路において前記出口側に近づくほど前記加熱ローラの温度が高くなる連続乾燥中の温度になるように前記加熱手段を切り替える、
    請求項4記載の記録媒体加熱装置。
  6. 前記制御手段は、前記搬送経路において前記出口側に位置する最下流の加熱ローラの温度が前記設定温度上限値に到達したタイミングで、前記搬送経路において出口側に近づくほど前記加熱ローラの温度が高くなる連続乾燥中の温度になるよう前記加熱手段を切り替える、
    請求項4記載の記録媒体加熱装置。
  7. 前記制御手段は、前記搬送経路において前記出口側に位置する最下流の加熱ローラの温度が前記設定温度上限値に到達したタイミングで、前記搬送経路において出口側に近づくほど前記加熱ローラの温度が高くなる連続乾燥中の温度と前記設定温度上限値との間の温度になるよう前記加熱手段を切り替え、その後前記連続乾燥中の温度になるよう前記加熱手段をさらに切り替える、
    請求項6記載の記録媒体加熱装置。
  8. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記記録媒体にインクを吐出し付着させる記録装置と、
    前記インクが付着した前記記録媒体を乾燥する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の記録媒体加熱装置と、を有する、
    印刷装置。
  9. さらに、前記記録媒体加熱装置の近傍であって、前記記録媒体の搬送経路の出口の外側に設けられ、前記記録媒体の搬送方向に対して前記記録媒体を複数回屈曲させるコックリング抑制手段を有する、
    請求項8記載の印刷装置。
  10. 連続する記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送される前記記録媒体に前処理液を塗布する塗布装置と、
    前記前処理液が塗布された前記記録媒体を乾燥する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の記録媒体加熱装置と、を有する、
    前処理液塗布乾燥装置。
  11. さらに、前記記録媒体加熱装置の近傍であって、前記記録媒体の搬送経路の出口の外側に設けられ、前記記録媒体の搬送方向に対して前記記録媒体を複数回屈曲させるコックリング抑制手段を有する、
    請求項10記載の前処理液塗布乾燥装置。
  12. 請求項10又は11に記載の前処理液塗布乾燥装置と、
    前記前処理液塗布装置の前記記録媒体の搬送方向の下流に配置され、前記前処理液塗布乾燥装置によって前記前処理液が塗布され乾燥された後の前記記録媒体にインクを吐出し付着させる記録装置と、を有する、
    印刷システム。
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