JP6357893B2 - 塗布装置、塗布装置の制御方法、及び画像形成システム - Google Patents

塗布装置、塗布装置の制御方法、及び画像形成システム Download PDF

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画像形成システムにおける処理液を塗布する塗布装置、塗布装置の制御方法及び画像形成システムに関する。
インクジェット方式により上質紙やざら紙のような非塗工紙などの記録媒体に印刷を実施するとインクが記録媒体に浸透し、フェザリングやブリーディング等が発生するため、記録媒体にインク液滴が付着する直前にインクの浸透性、凝縮性を制御する機能を有する処理液を塗布する。
連続紙などの長尺状被記録媒体の両面に印刷をする場合には、一筺体で両面に処理液を塗布する装置があり、その処理液の塗布方法として、塗布ローラにて記録媒体全面に塗布する手段がある。
ここで、塗布ローラと記録媒体の間のスリップによる速度差や、用紙端部に接触する範囲でのローラの摩耗、停止中の処理液の集中等により、処理剤液の塗布ムラが発生することがあった。
また、処理液塗布装置において、搬送と塗布ローラの搬送の仕方によっては、記録媒体に蛇行やシワなど搬送不良の原因が起きる可能性があった。
特許文献1には、記録媒体に処理液の塗布ムラを抑制する目的で、記録媒体に対して塗布ローラが、例えば、スリップした際に塗布ローラをモータにて回転駆動することで塗布ムラを抑止する方法が開示されている。
また、特許文献2には、動作中や印刷中のローラ周速度を制御することで、処理液塗布ユニットの後方で連続紙などの長尺状被記録媒体の弛みを抑制して、安定して搬送する方法が開示されている。
しかし、上記文献には、両面印刷・両面塗布の時に起きる、記録媒体の蛇行やしわ等の搬送の不良については考慮されていなかった。また、記録媒体のエッジ部分に接触する部分で塗布ローラに磨耗によって起きる塗布ムラについては考慮されていなかった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した、ローラを用いた処理液の塗布装置で、ローラの用紙端部に接触する範囲の磨耗を抑制するとともに、両面塗布時の記録媒体の蛇行やしわを抑制し、安定して記録媒体を搬送させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様の処理液塗布装置では、
搬送される記録媒体に従動し処理液を前記記録媒体の表面に塗布する表面用塗布ローラ、前記表面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む表面用加圧ローラ、前記表面塗布ローラの位置を印刷中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる表面用揺動手段及び前記表面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える表面塗布機構と、
搬送される前記記録媒体に従動し処理液を前記記録媒体の裏面に塗布する裏面用塗布ローラ、前記裏面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む裏面用加圧ローラ、前記裏面塗布ローラの位置を印刷中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる裏面用揺動手段及び前記裏面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える裏面塗布機構と、
前記表面用揺動手段及び前記裏面用揺動手段を制御して、前記表面用塗布ローラと前記裏面用塗布ローラの揺動方向及び揺動速度を夫々の塗布機構内において相対的に同期する制御手段と、
を有する。
本発明の一態様によれば、ローラを用いた処理液の塗布装置で、ローラの用紙端部に接触する範囲の磨耗を抑制するとともに、両面塗布時の記録媒体の蛇行やしわを抑制し、安定して記録媒体を搬送させることができる。
本発明の実施形態に係るインクジェット方式の画像形成システムの流れを示す略図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成システムに用いられる処理剤液塗布装置の概略構成図である。 図2の処理剤液塗布装置に含まれる、塗布機構の構成を示す模式図である。 処理液塗布機構の制御ブロック図である。 図3の処理液塗布の第1実施形態の制御動作について説明するフローチャートである。 図3の処理液塗布の第2実施形態の制御動作について説明するフローチャートである。 図3の処理液塗布の第3実施形態の制御動作について説明するフローチャートである。 図3の処理液塗布の第4実施形態の制御動作について説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔実施形態〕
図1は本発明の一実施形態を示す構成図である。より詳しくは、図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット方式の画像形成システム(インクジェット印刷システム)1000の一部(全体)を示す略図である。
図1に示すように、給紙装置100から繰り出された連続紙等の用紙からなる記録媒体(被記録媒体)Wは、塗布装置を含む前処理装置101に送り込まれる。後段の画像形成でのインクの滲み、濃度、色調や裏写りなどの問題を解決するため、前処理装置101は記録媒体Wの画像形成面に記録媒体にインク液滴が着弾したインクを凝集させる機能を有するコーティング材料である処理剤液(前処理液)を塗布する。処理剤液を塗布する面は所望される印刷物に応じて、片面のみの場合や両面の場合がある。
次に記録媒体Wは前処理装置101の記録媒体Wの搬送方向下流にある第1のインクジェットプリンタ(記録装置)102に送り込まれて、記録媒体Wの前処理液が塗布された面側にインク滴を吐出して所望の画像が形成される。両面印刷を行う場合、その後、反転装置103により記録媒体Wの表裏が反転されて引き続き記録媒体Wを第2のインクジェットプリンタ104に送り込み記録媒体Wの裏側にインク滴を吐出して所望の画像を形成する。このような画像形成の後、後処理装置(図示せず)に送られて所定の後処理がなされる。
図2は、本発明の一実施形態に基づく、画像形成システム1000に用いられる前処理装置(前処理液塗布乾燥装置)101の概略構成図である。
次に、図2を参照して、前処理装置101について説明する。前処理装置101は前処理液を記録媒体Wに塗布する前処理液塗布装置(処理液塗布装置)330を有している。記録媒体Wの前処理液を乾燥させるために加熱ユニット(記録媒体加熱装置)350は前処理液塗布装置330の記録媒体搬送方向の下流に設けられている。
さらに、前処理装置101は、先に述べた前処理液塗布装置330と加熱ユニット350の他にエアループユニット320、前処理液供給ユニット340及びダンサーユニット380を有する。
エアループユニット320は、回転自在に支持されたガイドローラ321、記録媒体Wを狭持して搬送するフィードイン(FI)ローラ322、FIニップローラ323を有する。
エアループユニット320では、ガイドローラ321、回転駆動するFIローラ322、従動回転するFIニップローラ323が給紙装置100から供給される記録媒体Wを搬送し、エアループユニット320内に記録媒体Wを引き込む。このとき、不図示の光学センサにより、記録媒体Wの弛み量が一定となるエアループALが形成される様に、FIローラ322の回転が制御される。エアループALを通過した記録媒体Wは、不図示のテンションシャフトにより搬送安定化のための張力が付加され、前処理液塗布装置330に搬送される。
エアループALを経た記録媒体Wは、2つのエッジガイド(図示せず)との間を通り、且つ、長手方向が記録媒体Wの搬送方向(矢印方向)と直交するように配置された2本のパスシャフト325の間をSの字状に通る。二本のパスシャフト325はエッジガイドに支持され、エッジガイド対の間の間隔は記録媒体Wの幅方向と略同寸にされる。なおエッジガイドは、パスシャフト325に対して、例えば、ねじなどの固定手段によって移動可能に固定されており、使用する記録媒体Wの幅寸法に応じてエッジガイドの間の間隔は調整される。これらのパスシャフト及びそれに直交するエッジガイドの働きにより、記録媒体Wの幅方向の走行位置が規制され、安定した走行が可能となる。
パスシャフト325とエッジガイドとの間を通過した記録媒体Wは、固定状態にあるテンションシャフト(図示せず)により搬送安定化のための張力が付加される。
前処理液塗布装置330は、回転駆動するインフィードローラ331、フィードニップローラ332、裏面塗布機構33、表面塗布機構34を有する。さらに、前処理液塗布装置330には、裏面塗布機構33及び表面塗布機構34を制御するために図3で示す塗布量制御部93と揺動制御部94が備えられている。前処理塗布装置330の近傍には、回転駆動するアウトフィードローラ335、フィードニップローラ336が備えられている。
フィードニップローラ332は、インフィードローラ331との間で記録媒体Wを挟持搬送し、フィードニップローラ336はアウトフィードローラ335との間で記録媒体Wを挟持搬送する。インフィードローラ331及びフィードニップローラ332は搬送手段となる。
裏面塗布機構33は、スクイーズローラ337、塗布ローラ338及び加圧ローラ339を有する。裏面塗布機構33に搬送される記録媒体Wは、スクイーズローラ337により前処理液が供給される塗布ローラ338と加圧ローラ339との間で挟持搬送される際に、塗布ローラ338により一方面(裏面)側に前処理液が塗布される。加圧ローラ339は加圧ユニット14rに設けられ、スクイーズローラ337及び塗布ローラ338は塗布ユニット15rに設けられている。裏面塗布機構33を通過した記録媒体Wは、表面塗布機構34に搬送される。
表面塗布機構34は、スクイーズローラ347、塗布ローラ348及び加圧ローラ349を有し、記録媒体Wの外面(表面)側に前処理液を塗布する。加圧ローラ349は加圧ユニット14fに設けられ、スクイーズローラ347及び塗布ローラ348は塗布ユニット15fに設けられている。表面塗布機構34を通過した記録媒体Wは、アウトフィードローラ335とフィードニップローラ336により、乾燥手段である加熱ユニット350に搬送される。
なお、裏面塗布機構33及び表面塗布機構34は、選択的に作動する様に制御され、記録媒体Wは、表面及び裏面のいずれか片方又は両面に前処理液が塗布される。
前処理液供給ユニット340は前処理液を貯留し、裏面塗布機構33及び表面塗布機構34に前処理液を適宜供給する。
加熱ユニット350は、記録媒体Wの搬送方向の上流から、加熱ローラ40a,40b,50a,50b,60a,60bを有し、さらに排出用搬送ローラ70と乾燥制御部80を有している。加熱ユニット350では、乾燥制御部80による制御処理が実行され、夫々の加熱ローラ40a〜60bの各ヒータ41a〜61bの加熱量(温度)を制御している。
記録媒体Wは、各加熱ローラ40a〜60bに順に千鳥掛け状に掛け渡され、アウトフィードローラ335及びフィードニップローラ336と、フィードローラ359及びフィードニップローラ360とにより、加熱ユニット350の中を搬送される。各加熱ローラ40a〜60bは、搬送される記録媒体Wに従動して回転し、記録媒体Wを加熱して記録媒体Wに塗布されている前処理液を乾燥させる。
なお、加熱ユニット350においても、各加熱ローラ40a〜60bは記録媒体Wに従動して回転するため、各加熱ローラを回転駆動させる駆動手段として例えばモータ等を設ける必要がなく、モータ設置スペースが省略されて小型化が可能になっている。
加熱ユニット350において表面に塗布された前処理液が乾燥した記録媒体Wは、回転駆動するフィードローラ359及びフィードニップローラ360に挟持され、ダンサーユニット380に搬送される。
ダンサーユニット380は、2つのガイドローラ381,382、可動フレーム384、可動フレーム384の位置を検出する不図示の位置検出手段、可動フレーム384に回転自在に取り付けられた2つのダンサーローラ385,386を有する。可動フレーム384は、下部に錘383が設けられ、ダンサーローラ385,386と共に矢印A方向に移動可能に設けられている。記録媒体Wは、2つのガイドローラ381,382及び2つのダンサーローラ385,386にW字状に掛け渡される。
ダンサーユニット380は、不図示の位置検出手段の出力に基づいて、フィードローラ359の搬送量を制御して、可動フレーム384の上下方向の位置を調整する。可動フレーム384の位置が調整されることで、前処理装置101と後段の第1インクジェットプリンタ102との間の記録媒体Wのバッファが確保される。
加熱ユニット350によって加熱された記録媒体Wは、ダンサーユニット380にて冷却された後に、後段の第1インクジェットプリンタ102に搬送される。
このような構成により、前処理装置101は、インクのにじみ防止や浸透補助等、画質向上のための前処理液を記録媒体Wに塗布し、後段の第1インクジェットプリンタ102に搬送する。
図3は、本発明の一実施形態に基づく、塗布機構33の構成を示す模式図である。なお、塗布機構として、図2に示した裏面塗布機構33と表面塗布機構34とがあり、機構の構造は同一なため、以後、裏面塗布機構33を用いて説明する。また、加圧ユニット14f,14r及び塗布ユニット15f,15rについて構造は同一のため、以後符号を省略して説明する。
塗布機構33は、加圧ユニット14及び塗布ユニット15に加えて、揺動機構11を有する。また、塗布機構33には塗布量制御部93と揺動制御部94が接続されている。更に、塗布機構33の塗布ユニット(処理液収容容器)15は、処理液を補給する前処理液供給ユニット(カートリッジ)340と接続されている。
スクイーズローラ337と塗布ローラ338とその周辺部材は塗布ユニット15に実装され、加圧ローラ339とその周辺部材は加圧ユニット14に実装されている。塗布量制御部93は、画像形成システム1000のインクジェットプリンタ102から印刷に係る動作の指示を、I/F制御部91、メイン制御部92を介して受信する。そして、入力された塗布情報に基づき、塗布機構33の中の塗布ユニット15内や加圧ユニット14内の部材を制御して加圧NIPの荷重を変化させ、掻き落とされる処理液Lの量が制御することにより、前処理液Lの塗布量を調整している。
前処理液供給ユニット340内に貯留された処理液は、例えばチュービングポンプやダイヤフラムポンプのように電気的に駆動された送液手段であるポンプ21により供給経路22を介して塗布ユニット15の供給パン23に供給される。
次に、供給パン23に貯留された処理液Lは、モータ(塗布量調整モータ)24によりギアを介して駆動されるスクイーズローラ337の回転により汲み上げられる。このスクイーズローラ337は、例えばアニロックスローラやワイヤーバーなどの、表面に溝加工を施したものを用いることで、処理液Lの粘度や印刷速度が変化した場合であっても、汲み上げ時の処理液Lの汲み上げ量が影響受けにくくなる。
ここで、アニロックスローラとは、印刷、製紙など使われる表面に細かい溝を形成した金属ローラであり、溝の形状は三角や、ピラミッド型と呼ばれる角錐形状のものなど様々である。溝の無い通常のローラは、印刷速度、液粘度等様々な要因により、液量が不安定になるが、アニロックスローラでは溝を彫ることにより、ローラ間を通過する液量を増加させ、速度、粘度等の外乱により通過する液量を安定化する。
金属のローラに様々な太さのワイヤーを巻いたワイヤーバーも用いることができるが、ワイヤーの解け等の問題があるため、金属ローラ上に直に溝形状を形成するアニロックスローラの方がスクイーズローラ337として、より好ましい。
スクイーズローラ337で汲み上げられた処理液Lは、残った液が塗布ローラ338上に薄く均一に引き延ばされるように、周辺をゴム等の弾性体で覆われた塗布ローラ338とスクイーズローラ337の接触部(NIP)により、一部が掻き落とされる。
この時、塗布ローラ338とスクイーズローラ337のNIPの荷重を変化させることにより、掻き落とされる処理液Lの量をコントロールできる。塗布ローラ338上に引き伸ばされた処理液Lは、加圧ローラ339と塗布ローラ338に挟まれた記録媒体Wに塗布される。
塗布ローラ338は、両端を軸受け25により支持されており、記録媒体Wに対して連れ回る、即ち、記録媒体Wの搬送に従動する。この際、塗布量が多く、記録媒体Wとの摩擦抵抗が低い条件においては、塗布ローラ338と記録媒体Wの間でスリップが発生し、記録媒体Wのエッジ部分に接触する部分で塗布ローラ338に磨耗が発生する。
なお、加圧ユニット14において加圧ローラ339の両端部には昇降機構26が取り付けられており、処理液Lを塗布しないときは加圧ローラ339を上に退避させ塗布ローラ338と加圧ローラ339の間の接触状態(NIP)を解除できるようになっている。
揺動機構11の一部と、加圧ユニット14と、塗布ユニット15とは、筐体10で囲まれている。
加圧ローラ339を備える加圧ユニット14は筐体10に対して固定されている。即ち、加圧ローラ339は筐体10に対して回転可能に固定されている。
処理液収容容器である塗布ユニット15は処理液を貯留し、塗布ローラ338及びスクイーズローラ337を回転可能に内部で固定する。また、塗布ユニット15は筐体10の中で記録媒体Wの幅方向に(記録媒体Wの搬送方向に対して直交する方向に)移動(揺動)可能に設けられている。
より詳しくは、塗布ユニット15は、塗布ユニット15に固定された複数のガイドピン16を筐体10に固定された位置決めプレート17の穴に挿入することにより塗布ユニット15の記録媒体搬送方向の位置を位置決めされる。
また、塗布ユニット15の記録媒体Wの幅方向は、塗布ユニット15に固定されたラッチピン12に揺動機構11のラッチ27を引っ掛けることにより位置決めされる。ここで、ラッチピン12を介して塗布ユニット15に接続された揺動機構11は、塗布ユニット15を記録媒体Wの幅方向に連続又は、断続的に揺動させる。
揺動機構11は図3の一点鎖線で囲まれた範囲であり、筐体10内部にラッチ27、スライダ30、位置検出ターゲット28、スクリューシャフト29及び移動部であるスライダ30を備え、筐体10外部に固定されたモータ(揺動モータ)31を備えている。筐体10に固定されたモータ31が駆動することでスクリューシャフト29(スクリュー軸)を回転させ、スライダ30がスクリューシャフト29に沿って水平方向であって記録媒体Wの幅方向に滑動する。スライダ30を上記方向に往復運動させることで、ラッチピン12及びラッチ27を介してスライダ30に接続した塗布ユニット15を揺動させる。
即ち、塗布ユニット15(処理液貯留容器)と接続されたスライダ30(移動部)が移動することで、塗布ユニット15が筐体10の内部で移動し、塗布ユニット15に設けられた塗布ローラ338が加圧ローラ339に対して記録媒体Wの幅方向に揺動する。
揺動機構11の脇に配置された例えばフォトインタラプタ等のセンサを複数個配置したポジションセンサ13は、揺動機構11の位置を検知する。
より詳しくは、塗布ユニット15には記録媒体Wの幅方向に移動する幅である、揺動方向の揺動幅が定められているため、揺動機構11も移動幅が決められている。ポジションセンサ13は揺動機構11が移動幅の両端部のいずれか一方に達した場合、ポジションセンサ13が揺動機構11の端部検知結果を出力すると、揺動機構11の移動の方向が逆向きになるように制御される。
さらに、ポジションセンサ13は印刷終了時に揺動機構11の例えば、位置検出ターゲット28の位置を検知して、後述する記憶手段であるICチップ18へ出力し、その位置が次回印刷時の最初に読み出されて利用される。
ここで、ポジションセンサ13は揺動機構11の移動方向に沿って、複数のセンサが配列されており、列の両端部のセンサは、揺動機構11の移動幅の端部に達したことを検知する。また、印刷終了時は、複数のセンサのうち、どのセンサが一番近いか、又はどのセンサの間にあるかにより、揺動機構11の位置を検知する。また、図に示すように、揺動機構11側にも、移動部であるスライダ30にポジションセンサ13がスライダ30の位置を検知するのに利用される位置検出ターゲット28を設けてもよい。図3では位置検出ターゲット28が一つある例を示したが、複数であってもよい。
揺動機構11に接続された揺動制御部94は、塗布量制御部93や画像形成システム1000のコントローラと接続されたメイン制御部92と接続されている。そして、揺動制御部94は紙種、解像度に基づいて決定される塗布量や、印刷速度、検知された揺動機構11の位置等の情報に基づいて、揺動機構11のスライダ30の移動方向、移動速度、駆動時間を制御する。
なお、塗布ユニット15f,15r内には、ICチップ18が格納されており、塗布ローラ338の前回印刷終了時の揺動位置と揺動方向と後述の使用量とをICチップ18に記憶させている。そして、次回印刷時にその塗布ローラ338,348の揺動位置と揺動方向のデータをICチップ18から読み出して、その印刷時に前回印刷終了時に記憶した揺動位置と揺動方向で開始する。
そして、揺動されながら処理液Lを塗布された記録媒体Wは加熱ユニット350へ搬送される。
ここで、両面塗布印刷を実施した場合に、表面塗布機構の塗布ローラと裏面塗布機構の塗布ローラがそれぞれ独立して幅方向に揺動すると、表面と裏面の塗布ローラの幅方向への揺動方向が逆方向になることがあり、記録媒体の蛇行やしわを発生させるおそれがあった。
そこで、本発明では、両面塗布を実施する場合には、表面塗布機構の塗布ローラの位置と動作方向及び裏面塗布機構の塗布ローラの位置と動作方向を確認し、表面塗布機構の塗布ローラと裏面塗布機構の塗布ローラが同期して、同じ方向に動作するように制御する。
詳細は下記説明する。
図4は、前処理装置101の塗布/乾燥/搬送制御に関する制御ブロック図を表す。前処理装置101は、I/F制御部91、メイン制御部92、塗布制御部95、搬送制御部96及び乾燥制御部80を備える、制御装置90を有する。
I/F制御部91は、インクジェットプリンタ102(のコントローラ)からの指令を受信し、指令の内容を解読してメイン制御部92へ送信する。また、I/F制御部91は、メイン制御部92からの指令をインクジェットプリンタ102へ送信する機能を有する。塗布制御部95は、メイン制御部92からの塗布開始指令を受けると、処理液の塗布を開始するための処理液塗布機構34,33内の塗布ユニット15f,15rの塗布準備動作を実施し、処理液の塗布を開始する。また、塗布停止指令を受けると、処理液塗布機構34,33の塗布停止を実施する。記録媒体Wを搬送する搬送制御部96は、メイン制御部92からの指令を受けて記録媒体Wの搬送速度を停止状態から定常速度までの間で加速または、減速するように、搬送手段である各種フィードローラ331,336,359(図2参照)等を制御する。乾燥制御部80は、メイン制御部92からの指令を受けて乾燥手段である加熱ユニット350の温度制御を実施する。このように、メイン制御部92は、関連する制御部の統括を行っている。
印刷開始に先立って、I/F制御部91はインクジェットプリンタ102より、印刷情報を受信すると、塗布情報(塗布なし/塗布あり(表/裏/両面))や塗布量情報(多い/普通/少ない)、乾燥温度情報などの印刷情報をメイン制御部92へ送信する。
続けて、I/F制御部91は、インクジェットプリンタ102より印刷開始指令を受けると、メイン制御部92へ印刷開始指令を送信する。
メイン制御部92は、塗布制御部95へ印刷開始指令を送信する。塗布情報が塗布ありの場合、塗布制御部95の塗布量制御部93は、処理液塗布機構34,33の塗布ユニット15に設置された記憶手段(ICチップ)18より、塗布ローラ348,338の使用量、位置、揺動方向情報を表面用と裏面用それぞれ読み出す。
より詳しくは、塗布ローラ338の前回印刷終了時の揺動位置と揺動方向をICチップ18に記憶させている。そして、次回印刷時にその揺動位置と揺動方向のデータをICチップ18から読み出して、その印刷時に前回印刷終了時に記憶した揺動位置と揺動方向で開始する。これにより、塗布ユニット15の位置と揺動方向を、前回使われた際の終了時の位置と揺動方向とに合わせることが出来、印刷動作が複数行われるときでも、記録媒体Wの端部が接触する部分を分散させることができる。つまり、揺動範囲内で塗布ローラ338の摩耗量を平均化できる。
さらに、ICチップ18は、塗布ローラ338,348がどれ程使用されたか、即ち、塗布ローラ338,348によって塗布された記録媒体Wの距離(面積)に基づく累積的な使用(累積塗布量)に対応する使用量を、記憶する。塗布ローラ338,348の使用量が増加するにつれ塗布ローラ338,348が摩耗するため、使用量に応じて、摩耗による寿命が来る前に塗布ローラ338,348は定期的に点検する際に交換される。両面印刷の場合は、塗布ローラ338,348の使用量に差は出ないが、片面印刷の場合、塗布ローラ338,348の使用量に差が生じ、累積的な摩耗に差が生じ、摩耗寿命が異なり、塗布ローラ338,348の交換時期も異なることがある。
そこで、前回印刷終了時までの累積の塗布ローラ338,348の使用量をICチップ18が記憶し、そして、次回印刷時にその使用量のデータをICチップ18から読み出して、その印刷時に前回印刷終了時に、使用量の多い方の塗布ローラに合わせて、使用量の少ない方の塗布ローラを同期して、同じ揺動位置と同じ揺動方向で開始する。これにより、塗布ローラ338,348の、摩耗量の多い方の塗布ローラの摩耗をより平均化することが出来るため、寿命間近の塗布ローラの片減りを軽減し、寿命を持たせるのに優位な制御ができる。
このように読み出した情報(位置、揺動方向、使用量)に応じて、揺動制御部94は、表面用と裏面用の塗布ローラ348,338の幅方向への揺動位置を同じ位置から、同方向へ、同じ速度で移動開始するように揺動機構11を制御する。
その後、処理液塗布機構34,33での塗布量の制御を実施する。塗布制御部95の塗布量制御部93は印刷開始準備が完了すると、メイン制御部92へ準備完了情報を送信する。
また、メイン制御部92は、搬送制御部96と乾燥制御部80へも印刷開始指令を送信する。乾燥制御部80は、乾燥手段である加熱ユニット350内のヒータ41a〜61bの温度を処理液塗布装置330による塗布実施中の乾燥温度に切り換える。また、搬送制御部96は、搬送手段331,336,359を制御し、記録媒体Wの搬送開始準備を実施する。
メイン制御部92は、塗布制御部95、搬送制御部96及び乾燥制御部80から、印刷開始準備完了の情報を受信すると、I/F制御部91を介してインクジェットプリンタ102へ印刷準備完了情報を送信し、インクジェットプリンタ102は、印刷を開始する。
図5は、本発明の第1実施形態における処理液塗布装置330の揺動機構11の制御を表す処理フローチャートである。まず、ステップS101(下記単にステップをSと示す)にて、インクジェットプリンタ102から送信された印刷情報・塗布情報を、メイン制御部92を介して、塗布制御部95で取得する。
塗布制御部95は、S102で塗布情報を取得し、塗布の有無や塗布の面を判断する。塗布情報には、塗布を行う面の情報と塗布量とを含んでいる。S102において、塗布なしまたは、片面塗布ありの場合には、揺動機構11は、プロセスはS103へ移行し、塗布制御部95はインクジェットプリンタ102の印刷開始に備える。ここで、「印刷開始に備える」として、S103で、塗布しない面の塗布ローラには揺動させないように設定される。そして、S104で、前回終了時の塗布ローラの揺動方向を読み出す。即ち、表面用及び裏面用共に塗布刷開始前の準備はなく、前回塗布終了時の状態のままとして、塗布する側の面のみの情報を読み出して、S105で、揺動制御部94の塗布設定プロセスとして塗布する面の塗布ローラの揺動方向・揺動速度を設定する。
また、S102で塗布情報が両面塗布であった場合には、S106へ移行し、揺動制御部94は、塗布ユニット15f,15rに設置された記憶手段であるICチップ18より、塗布ローラ348,338の現在位置情報を読み出し、表面用塗布ローラ348と裏面用塗布ローラ338の位置が相対的に等しいかどうか確認する。ここで、「位置が相対的に等しい」とは、塗布機構34の表面塗布ローラ348と塗布機構33の裏面塗布ローラ338とが、図3に示す塗布機構34,33において、揺動方向の位置が等しいことを示す。即ち、これら2つの塗布機構34,33を重ねて図示すると仮定すると、図3のような塗布機構34,33の中での塗布ユニット15f,15rの位置が等しいことを表す。
S106にて、表面用塗布ローラ348の位置と裏面用塗布ローラ338の夫々の塗布機構34,33内の相対的な位置が同じであれば、S107へ進む。S107で、ICチップ18に記憶された表面用塗布ローラ348への処理液の使用量と裏面用塗布ローラ338への処理液の使用量とを読み出し、比較する。使用量が同じである場合は(S107でYes)、S108でどちらかの面、あるいは両方の面の揺動方向を読み出す。S109で、S108で読み出した面の情報、或いは両方読み出した場合はどちらか一面の情報と、S101で取得した塗布情報とにより、揺動制御部94は、揺動機構11の揺動方向を同じ方向に設定し、揺動速度を同じ速さに設定する。
またS106に戻って、塗布ローラ348,338の塗布機構34,33内における相対的な位置(揺動方向の位置)が異なる場合は、S113へ進んで、表面用塗布ローラ348への処理液の使用量と裏面用塗布ローラ338への処理液の使用量とを比較する。
S113で表面塗布ローラ348と裏面塗布ローラ338との使用量が等しい場合(Yes)、S114でどちらか一方の面の塗布ローラに合わせて、揺動機構11により、他方の面の塗布ローラを移動させる。
塗布機構34,33内での相対的な位置が同じになったら、S108へ進み、S114で用いた面の前回終了時の揺動方向を読み出す。そして、上述のようにS109で、S108で用いた面の塗布ローラに合わせて、他方の塗布ローラを同期させて、塗布ローラ348,338を同じ揺動方向で同じ揺動速度になるように設定する。ここで、読み出した情報において、塗布ローラの位置は同じだが、揺動方向が逆となっている場合は、揺動方向を同じ方向になるようセットする。
S113で表面塗布ローラ348と裏面塗布ローラ338との使用量が異なる場合(No)、S115で使用量が多い方の面に合わせて、使用量が少ない方の塗布ローラを、揺動機構11により移動させる。
塗布ローラ348,338の塗布機構34,33内での相対的な位置が同じになったら、S110へ進み、処理液の使用量が多い方の面の前回終了時の揺動方向を読み出す。そして、上述のようにS111で、S110で用いた使用量が多い塗布ローラの面に合わせて、使用量が少ない方の塗布ローラを同期させて、塗布ローラ348,338の揺動を同期する、即ち同じ揺動方向で同じ速度になるよう設定する。ここで、「塗布ローラが同期する」とは、塗布ローラ348,338が同じ揺動方向・同じ揺動速度・同じ位置で揺動させることである。同期させることによって、処理液塗布中の記録媒体の蛇行やしわを抑制し、安定して走行させることができる。
S105,S109,S111で設定した条件で、S115にて塗布量制御部93により印刷時に処理液が所定の塗布量で塗布される際に、揺動制御部94により揺動機構11の揺動が実行される。なお、印刷が終了され、処理液の塗布が終了となるとき、S116にて、記憶手段であるICチップ18は、塗布終了時の塗布ローラ348,338の位置、揺動方向、及び累積の使用量を記憶する。
この方法では、処理液塗布中の記録媒体の蛇行やしわの抑制と安定した搬送に加えて、処理液の使用量の多い方の塗布ローラに同期して塗布ローラの幅方向への揺動を実施するため、摩耗量の多い方の塗布ローラの摩耗を平均化することができ、寿命間近の塗布ローラの片減りを軽減し、寿命を持たせるのに優位な制御となる。
上述の図5の実施形態では、S106で塗布ローラの位置情報を読み出して、位置を比較し、位置が異なる場合は、S112で場合分けして、S113,S114にて塗布ローラの位置を移動させていた。しかし塗布ローラの位置の移動方法は、これに限られない。位置の移動方法の他の制御例として、図6、図7に示す。
図6は、本発明の第2実施形態における処理液塗布装置330の揺動機構11の制御を表す処理フローチャートである。図5のプロセスと異なる点のみ述べる。
図6においる塗布ローラの位置を移動させる方法として、S212では、位置の移動に際して図5のS112のような処理液の使用量で場合分けせずに、互いの塗布ローラ348,338の塗布機構34,33内での揺動方向における位置を互いに近づける方向に、揺動機構11により動かし、相対的に同じ位置に持っていく。
このような制御を用いる場合は、処理液塗布開始前の揺動機構11の移動距離が短くできるため、動作時間を短縮することが出来る。
図7は、本発明の第3実施形態における処理液塗布装置330の揺動機構11の制御を表す処理フローチャートである。図5のプロセスと異なる点のみ述べる。
図7において、塗布ローラの位置を移動させる方法として、S306で、図5のS106のような位置の読み出しを行わず、処理液塗布開始前に夫々の塗布機構34,33内において予め決めた所定の位置に移動させる。所定の位置とは、例えば揺動機構11の端部にあるフォトインタラプタ等のセンサを検出した位置に移動するという方法もある。
この場合は、S313の印刷停止時であって処理液塗布停止時に塗布ローラ348,338の位置を記憶手段であるICチップ18に記憶する必要がなくなり、位置記憶用の記憶手段をなくすことが出来、位置読み出し時間が削減出来るメリットがある。
図8は、本発明の第4実施形態における処理液塗布装置330の揺動機構11の制御を表す処理フローである。図5のプロセスと異なる点のみ比較する。
本実施形態のフローは、図5のS102及びS106の場合分けがなく、両面印刷/片面印刷に起因する処理液の両面塗布/片面塗布に関係なく、処理液塗布中は、表面用塗布ローラ348と裏面用塗布ローラ338とが揺動機構11により常時動かされ、常に同期をとっている(同じ揺動方向、揺動速度及び位置で動いている)。よって、塗布終了時は、2つの塗布ローラ338,348は同じ揺動方向で、相対的に同じ位置で終了する(S409)。
この実施形態において、揺動機構11の処理液塗布開始前の準備動作(位置合わせ)が無くなるため、処理液塗布開始までの時間に揺動機構11は影響を与えないことになる。しかし、片方の塗布ユニット15r又は15fを点検や交換により外した状態等で処理液塗布が可能な処理液塗布装置330においては、表用と裏用の塗布ローラ348,338の位置がずれる場合が考えられるため、交換後に塗布ユニット15f,15rを装着した際に塗布ローラの位置がずれた場合に同期させる動作、例えば、塗布ユニット15r又は15f挿入時のイニシャライズ動作などで合わせる必要がある(S401)。なお、イニシャライズ動作は、印刷情報を取得する塗布開始の準備(S402)前に、位置がずれた時にのみ実行されうる。
以上のような方法で、表面用塗布ローラと裏面用塗布ローラの位置を処理液塗布開始前に同じ位置へ移動し、同期をとって揺動するように制御することで、長尺状の記録媒体の蛇行やしわを抑止する効果を得ることができる。
また、図示はしていないが、立ち上がり速度をより重視する場合は、第2実施形態、第3実施形態又は第4実施形態の制御例において、位置を合わせの後、表面塗布ローラ348と裏面塗布ローラ338との使用量を比較すること(S207,S307,S403)なしに、どちらかの所定の一面の揺動方向及び揺動速度に合わせて設定を行うことで、同期させてもよい。
上述の夫々の制御の特徴を考慮し、塗布ローラの寿命を重要視するか、又は塗布装置の立ち上がりの速度を重要視するかなどの各種条件に応じて適宜選択する。
上述のいずれの制御方法を利用しても、一筺体で両面に処理液を塗布する処理液塗布装置において、夫々独立して記録媒体の幅方向に動く表面用塗布ローラと裏面用塗布ローラを同期して揺動させることで、処理液塗布中の記録媒体の蛇行やしわを抑制し、安定して搬送させることができる。
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲により規定される。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で、当該技術分野の通常の知識を有している者には様々な形態の置換、変形及び変更が可能で、これらもまた本発明の範囲に属する。
10 筐体
11 揺動機構(表面用揺動手段、裏面用揺動手段)
13 ポジションセンサ
14,14r,14f 加圧ユニット
15,15r,15f 塗付ユニット(処理液収容容器)
18 ICチップ(記憶手段)
28 位置検出ターゲット
29 スクリューシャフト(スクリュー軸)
30 移動部(スライダ)
31 モータ
33 裏面塗布機構(処理液塗布機構)
34 表面塗布機構(処理液塗布機構)
80 乾燥制御部
90 制御装置
91 I/F制御部
92 メイン制御部
93 塗布量制御部
94 揺動制御部
95 塗布制御部
96 搬送制御部
100 給紙装置
101 前処理塗布乾燥装置(前処理装置)
102 第1のインクジェットプリンタ
104 第2のインクジェットプリンタ
330 前処理液塗布装置(塗布装置)
331 インフィードローラ(搬送手段)
332 フィードニップローラ(搬送手段)
337 裏面用スクイーズローラ
338 裏面用塗布ローラ(塗布ローラ)
339 裏面用加圧ローラ
340 前処理液供給ユニット
347 表面用スクイーズローラ
348 表面用塗布ローラ(塗布ローラ)
349 表面用加圧ローラ
350 加熱ユニット(乾燥手段)
1000 画像形成システム
W 記録媒体
L 前処理液(処理液)
特開2013−091262号公報 特開2014−024224号公報

Claims (14)

  1. 搬送される記録媒体に従動し、処理液を前記記録媒体の表面に塗布する表面用塗布ローラ、前記表面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む表面用加圧ローラ、前記表面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる表面用揺動手段及び前記表面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える表面塗布機構と、
    搬送される前記記録媒体に従動し、前記処理液を前記記録媒体の裏面に塗布する裏面用塗布ローラ、前記裏面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む裏面用加圧ローラ、前記裏面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる裏面用揺動手段及び前記裏面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える裏面塗布機構と、
    前記表面用揺動手段及び前記裏面用揺動手段を制御して、前記表面用塗布ローラと前記裏面用塗布ローラの揺動方向及び揺動速度を夫々の塗布機構内において相対的に同期する制御手段と、を有する、
    処理液塗布装置。
  2. 前記制御手段は、両面塗布が行われる前に、前記表面用塗布ローラの位置と前記裏面用塗布ローラとの位置とを、前記夫々の塗布機構内において相対的に同じ位置に移動する位置合わせを行う、
    請求項1記載の処理液塗布装置。
  3. 前記記憶手段は、前回塗布終了時の前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの夫々の塗布ローラの位置と前記夫々の塗布ローラの累積の使用量とをさらに記憶し、
    前記使用量が多い方の塗布ローラの位置に合わせて、前記使用量が少ない方の塗布ローラを移動させることで、前記位置合わせを行う、
    請求項2記載の処理液塗布装置。
  4. 前記記憶手段は、前回塗布終了時の前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの位置をさらに記憶し、
    前記表面塗布ローラと前記裏面塗布ローラとの前記夫々の塗布機構内での相対位置を互いに近づけることで、前記位置合わせを行う、
    請求項2記載の処理液塗布装置。
  5. 前記夫々の塗布機構内での所定の位置に前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラを移動させることで、前記位置合わせを行う、
    請求項2記載の処理液塗布装置。
  6. 前記制御手段は、少なくとも一面の処理液塗布中、前記表面用揺動手段及び前記裏面用揺動手段を制御して、前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの揺動方向、揺動速度及び位置を常に同期をとる、
    請求項1記載の処理液塗布装置。
  7. 前記記憶手段は、前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの夫々の塗布ローラの累積の使用量をさらに記憶し、
    前記制御手段は、少なくとも一方の面への塗布が行われる直前に、前記使用量が多い方の塗布ローラに合わせて、前記使用量が少ない方の塗布ローラの揺動方向及び揺動速度を前記夫々の塗布機構内において相対的に同期させるよう設定する、
    請求項1から6のいずれか1項記載の処理液塗布装置。
  8. 処理液塗布装置の制御装置の制御方法であって、処理液塗布装置は、搬送される記録媒体に従動し、処理液を前記記録媒体の表面に塗布する表面用塗布ローラ、前記表面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む表面用加圧ローラ、前記表面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる表面用揺動手段、及び前記表面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える表面塗布機構と、搬送される前記記録媒体に従動し、処理液を前記記録媒体の裏面に塗布する裏面用塗布ローラ、前記裏面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む裏面用加圧ローラ、前記裏面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる裏面用揺動手段、及び前記裏面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える裏面塗布機構と、を備えており、
    制御方法は、
    少なくとも一方の塗布ローラを移動させて、前記表面用塗布ローラと前記裏面用塗布ローラとの相対的な位置合わせをする工程と、
    一方の塗布ローラに合わせて、他方の塗布ローラの揺動方向及び揺動速度を同期させて設定する工程と、
    前記同期した揺動方向及び揺動速度を設定した後に、前記処理液を前記塗布ローラに塗布する工程と、
    前記塗布ローラに塗布する際に、前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの夫々の塗布ローラを揺動させる工程と、
    塗付終了時に、前記夫々の塗布ローラの揺動方向を記憶する工程と、を有する、
    処理液塗布装置の制御方法。
  9. 前回塗布終了時の前記夫々の塗布ローラの位置と前記夫々の塗布ローラの累積の使用量とを記憶する工程と、
    前記位置合わせをする工程の前に、前記記憶した前記夫々の塗布ローラの位置と前記使用量とを読み出す工程と、をさらに有し、
    前記位置合わせをする工程は、前記表面用塗布ローラと前記裏面用塗布ローラのうち、前記使用量が多い方の塗布ローラに合わせて、前記使用量が少ない方の塗布ローラを移動させることを含む、
    請求項8記載の処理液塗布装置の制御方法。
  10. 前回塗布終了時の前記夫々の塗布ローラの位置を記憶する工程と、
    前記位置合わせをする工程の前に、前記記憶した塗布ローラの位置を読み出す工程と、をさらに有し、
    前記位置合わせをする工程は、前記表面塗布ローラと前記裏面塗布ローラとの夫々の塗布機構内での相対位置を互いに近づけるように動かすことを含む、
    請求項8記載の処理液塗布装置の制御方法。
  11. 前記位置合わせをする工程は、夫々の塗布機構内での所定の位置に前記夫々の塗布ローラを移動させることを含む、
    請求項8記載の処理液塗布装置の制御方法。
  12. 処理液塗布装置の制御装置の制御方法であって、処理液塗布装置は、搬送される記録媒体に従動し、処理液を前記記録媒体の表面に塗布する表面用塗布ローラ、前記表面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む表面用加圧ローラ、前記表面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる表面用揺動手段、及び前記表面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段と、を備える表面塗布機構と、搬送される前記記録媒体に従動し、処理液を前記記録媒体の裏面に塗布する裏面用塗布ローラ、前記裏面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む裏面用加圧ローラ、前記裏面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる裏面用揺動手段、及び前記裏面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える、裏面塗布機構と、を備えており、
    制御方法は、
    前記処理液を前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの夫々の塗布ローラに塗布する工程と、
    前記塗布ローラに塗布する際に、前記表面用揺動手段及び前記裏面用揺動手段により前記夫々の塗布ローラを揺動させる工程と、
    前回塗布終了時に、前記夫々の塗布ローラの揺動方向を記憶する工程と、を有し、
    前記夫々の塗布ローラに塗布する際に、前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの揺動方向、揺動速度及び位置を常に同期させる、
    処理液塗布装置の制御方法。
  13. 前回塗布終了時に、前記夫々の塗布ローラの累積の使用量をさらに記憶する工程をさらに有し、
    前記同期した揺動方向及び揺動速度を設定する工程は、
    前記使用量が多い方の塗布ローラに合わせて、前記使用量が少ない方の塗布ローラの揺動方向及び揺動速度を前記夫々の塗布機構内において相対的に同期させるよう設定することを含む、
    請求項8から12のいずれか1項記載の処理液塗布装置の制御方法。
  14. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記記録媒体にインクを吐出し付着させる記録装置と、
    前記記録装置の前記記録媒体の搬送方向上流に位置する前処理装置と、
    制御手段と、を有し、
    前記前処理装置は、
    搬送される前記記録媒体に従動し処理液を前記記録媒体の表面に塗布する表面用塗布ローラ、前記表面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む表面用加圧ローラ、前記表面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる表面用揺動手段及び前記表面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える表面塗布機構と、
    搬送される前記記録媒体に従動し処理液を前記記録媒体の裏面に塗布する裏面用塗布ローラ、前記裏面塗布ローラとの間で前記記録媒体を挟む裏面用加圧ローラ、前記裏面塗布ローラの位置を処理液塗布中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる裏面用揺動手段及び前記裏面塗布ローラの揺動方向を記憶する記憶手段を備える裏面塗布機構と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記表面用塗布ローラ及び前記裏面用塗布ローラの夫々の塗布ローラの揺動方向を記憶し、前記表面用揺動手段及び前記裏面用揺動手段を制御して、前記表面用塗布ローラと前記裏面用塗布ローラを夫々の塗布機構内において相対的に揺動方向及び揺動速度を同期する、
    画像形成システム。
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