JP6953730B2 - 印刷システム - Google Patents

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本発明は、刷システムに関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写機、これらの機能を併せ持つ複合機等の画像形成装置として、例えばインク滴(液滴)を吐出する記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット方式の画像記録方式では、専用紙以外の記録材を用いると、滲み、濃度、色調や裏写り等といった初期品質問題に加え、耐水性、耐候性といった画像の堅牢性に関わる問題を抱えている。
これらの問題を解決するために、印刷装置でインク滴を付着する前に、インクを凝集させる機能を有した前処理液を記録材に塗布し、乾燥する装置を上流側に配した印刷システムが知られている(例えば特許文献1)。
通常、印刷システムの印刷起動時には、前処理液塗布乾燥装置の更に上流側に接続された給紙装置に搭載された原反ロール部にある記録材たる用紙の部分が印刷装置の印字ヘッド部に到達するまでは印刷を行わず、その間の用紙の部分は損紙となる。なぜならば、用紙が停止している期間に用紙搬送経路上の各ガイドロールで巻きグセが発生することにより、次の印刷時に該用紙が印字ヘッド部を通過する際にギャップ変動や蛇行が発生して印刷品質が低下するためである。
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムを含めて今までの印刷システムの場合、前処理液が不要である専用紙を使用する場合でも前処理液塗布乾燥装置の乾燥経路を通過するため、印刷システムの印刷起動時に無駄な損紙が発生してしまう。また、専用紙以外の用紙を使用して前処理液の塗布及び乾燥が必要である場合のうち、用紙坪量が小さい場合や低速モードの場合等、必要な乾燥経路が相対的に短い場合でも、前処理液塗布乾燥装置の全乾燥経路を通過するため、印刷システムの印刷起動時に必要以上の損紙が発生してしまう問題があった。
本発明の課題は、印刷システムの印刷起動時に発生する損紙量を低減可能な前処理液塗布乾燥装置を提供することにある。
前記課題は、前処理液を長尺状の被搬送物の両面又はいずれか一方の面に塗布可能な前処理液塗布ユニットと、該前処理液塗布ユニットの搬送経路下流側に配され加熱手段により前記被搬送物を乾燥するウェブ乾燥ユニットとを備えた前処理液塗布乾燥装置と、該前処理液塗布乾燥装置の搬送経路下流側に配され長尺状の被搬送物に画像形成するインクジェット記録装置と、を備えた印刷システムにおいて、前記加熱手段は、複数のローラ状の加熱手段であり、前記ウェブ乾燥ユニットは、互いに接近しあるいは離間する2つのフレームと各フレームにそれぞれ備えられた前記複数のローラ状の加熱手段とを有し、前記2つのフレームの接近、離間によって前記複数のローラ状の加熱手段への前記被搬送物の巻き付き量を変更させて前記ウェブ乾燥ユニットの乾燥経路長を変更可能であり、前記前処理液塗布乾燥装置にはフレームの位置を検出するセンサが設けられ、前記センサによって検出された位置状態と、印刷条件に応じて予め決められた状態とが比較され、結果が不一致の場合には印刷動作を行わないことによって、解決される。
本発明によれば、ウェブ乾燥ユニットの乾燥経路長が可変に構成されているので、印刷システムの印刷起動時に発生する損紙量を低減することが可能である。
本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る前処理液塗布乾燥装置の構成を示す概略図で、ウェブ乾燥ユニットを閉鎖した状態を示している。 本発明の実施形態に係る前処理液塗布乾燥装置の構成を示す概略図で、ウェブ乾燥ユニットを開放した状態を示している。 本発明の実施形態に係る前処理液塗布乾燥装置の構成を示す概略図で、ウェブ乾燥ユニットを部分閉鎖した状態を示している。 前処理液塗布乾燥装置に設けられたウェブ乾燥ユニットを用紙搬送方向から見た概略図である。 異なる実施形態に係るウェブ乾燥ユニットの構成を示す概略図で、ウェブ乾燥ユニットを部分閉鎖した状態を示している。 個別のユニットフレームの開閉の異なる状態を示す概念図であり、(A)は全開放状態、(B)は最大乾燥能力の1/3以下の場合の状態、(C)は最大乾燥能力の2/3以下の場合の状態、(D)は最大乾燥能力が必要な場合の閉鎖状態を示している。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1に示すように、印刷システムは、給紙装置100、前処理液塗布乾燥装置101、印刷装置102を備える。給紙装置100は、ロール状の長尺連続紙等、記録材のウェブWを、ウェブ搬送経路下流側に設けられた前処理液塗布乾燥装置101に供給する。前処理液塗布乾燥装置101は、後述するように、記録材上に印刷されるインクジェットインクの滲みや裏写りを抑える前処理液を、塗布手段13r、13fから成る前処理液塗布ユニットにて記録材に塗布し、その後、前処理液が塗布された記録材をウェブ乾燥ユニット80にて乾燥させるもので、ダンサーユニット16にて前処理液塗布乾燥装置101と印刷装置102との間の記録材のバッファー量が確保される。印刷装置102は、前処理液塗布乾燥装置101において前処理液が塗布された記録材の少なくとも一方の側にインク滴を吐出して所望の画像を形成するインクジェット記録装置で、記録材の表裏のそれぞれにインク滴を吐出する第1と第2のインクジェットプリンタ部や反転ユニットを備えている。図1では、簡略化のため、記録材の一方の側にインク滴を吐出する記録ヘッド105のみを図示する。また、印刷装置102内あるいは印刷装置102の搬送経路下流側には後乾燥装置が設けられ、また更に下流側には巻取装置あるいはウェブをカットし積載するカッター装置が配置され得る。
通常、印刷システムの印刷起動時には、給紙装置100に搭載されている記録材たる用紙の原反ロール部に停止している用紙部分(A部)が印刷装置102の記録ヘッド105に到達するまでは印刷を行わず損紙とする。なぜならば、用紙が停止している期間に用紙の搬送経路上の各ガイドロールで巻きグセが発生することにより、次印刷時に当該用紙が記録ヘッド105の領域を通過する際にギャップ変動や蛇行が発生して印刷品質が低下するためである。この印刷起動時毎に発生する損紙の長さ(通常の損紙量)はシステムの構成により様々であるが、例えば15m程度であり、そのうち前処理液塗布乾燥装置101の乾燥パス経路は1.5m程度である。
図2〜図4は、塗布手段13r、13fを備える前処理液塗布ユニット、ウェブ乾燥ユニット、ダンサーユニット16を有する前処理液塗布乾燥装置101の概略構成を示し、図2はウェブ乾燥ユニットを閉鎖した状態を、図3はウェブ乾燥ユニットを開放した状態を、図4はウェブ乾燥ユニットを部分閉鎖した状態を示している。前処理液塗布乾燥装置101内には、回転自在に支持された多数本のガイドローラ1によって、長尺状の被搬送物である用紙のウェブの搬送パスが確保されている。上流側に接続された給紙装置からウェブWが引き込まれ、インクジェット専用紙を用いない場合、スクイーズローラ、塗布ローラ及び加圧ローラを備えた裏面塗布手段13rで一方の面(裏面)に前処理液を塗布される。そして、裏面塗布手段13rを通過したウェブWは、スクイーズローラ、塗布ローラ及び加圧ローラを備えた表面塗布手段13fで他方の面(表面)に前処理液を塗布される。なお、裏面塗布手段13r、表面塗布手段13fはいずれも選択的に作動するものであり、ウェブは、表面か裏面のいずれか一方あるいは両面に前処理液が塗布される。
前処理液が塗布されたウェブWは、乾燥ユニットアッパフレーム70f、乾燥ユニットロアフレーム70rが閉じたウェブ乾燥ユニットの、ヒータを内蔵したローラ状の加熱手段40r、40f、50r、50f、60r、60fの間を通過する。各加熱手段40r、40f、50r、50f、60r、60fは千鳥状に配置され、ウェブを部分的に巻き付けることで蛇腹状の乾燥経路長を確保している。この時の乾燥経路の長さは、前処理液塗布乾燥装置101の装置仕様に定義される最大の乾燥能力を満足できるように設定されている。必要な乾燥能力が高くなる条件はウェブの坪量が大きい、ウェブの幅が広い、前処理液の塗布量が多い、印刷速度が速い、等である。なお、ウェブに面接触し得る加熱手段の数は、表面加熱用と裏面加熱用の3対、計6つに限られるものではなく、2対、4対あるいはそれ以上のものであってもよい。また、乾燥ユニットアッパフレーム70fや乾燥ユニットロアフレーム70rには、蒸気を輩出するための複数の蒸気排出ファンや、各加熱手段40r、40f、50r、50f、60r、60fの温度を測定する温度検知手段が備えられ得るものである。
ウェブ乾燥ユニットを通過したウェブWは、フィードローラ10とフィードニップローラ9により搬送されてダンサーユニット16に送り込まれる。ダンサーユニット16は、上下流の用紙搬送速度の差異を吸収するバッファー機能と、ユニット自重によりウェブWに張力を付与する機能を有しており、錘を備え重力方向に移動可能な可動フレームに回転自在に取り付けられた2つのガイドローラ15a、15bを有していて、ウェブWがダンサーユニット16と該ユニットの上方に配された3本のガイドローラ1との間にW字状に巻き掛けられている。ダンサーユニット16の可動フレームの上下方向位置を調整することで、前処理液塗布乾燥装置101と印刷装置102との間のウェブWのバッファー量が確保される。
なお、図5に示すように、乾燥ユニットアッパフレーム70fと乾燥ユニットロアフレーム70rはそれぞれ、幅方向(図1の紙面に直交する方向)両端外側に配された一対のプーリ77の間に掛け回されたベルト78に取付アーム79f、79rを介して取り付けられ、ベルト移動に伴って両フレームが互いに接近し、あるいは離間することでウェブ乾燥ユニットが閉じられ、あるいは開放されるように位置移動する。このような構成に代えて、例えば乾燥ユニットアッパフレーム70fと乾燥ユニットロアフレーム70rがそれぞれレールシャフトに沿って移動するように構成して、それぞれを手動で開閉操作するようにしたり、開閉用の駆動モータを設けて操作パネルから操作するようにしたりすることもできる。
図5に示す開閉機構によって乾燥ユニットアッパフレーム70fと乾燥ユニットロアフレーム70rの相対的な位置状態は乾燥ユニット位置センサ81〜83によって検出される。乾燥ユニット位置センサ81〜83はそれぞれ、ウェブ乾燥ユニットの状態が図3,図4,図2の状態であることを検出する。乾燥ユニットフレームにフィラーを設けて透過型フォトセンサを用いて検出するようになっているが、反射型フォトセンサで乾燥ユニットフレームを検出する方法等、様々周知の構成で代替することもできる。
乾燥ユニット位置センサ81〜83の検出値がCPUやその他の電子回路を備える制御基板90に取り込まれる。別途印刷条件(ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度)の情報も制御基板90に取り込まれるよう構築されている。後述する表1で示す印刷条件(ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度)に応じて予め決められた最適な加熱手段の状態と、乾燥ユニット位置センサ81〜83にて検出した実際の加熱手段の状態を比較して、結果が不一致の場合にはエラーを発して印刷動作を行わないように制御構築するか、オペレータに対しアラームを発して加熱手段の状態が現状のままで印刷動作を開始して良いか確認するように制御構築する。
インクジェット専用紙を用いない場合、図2に示す状態で、前処理液塗布ユニットの塗布機能をオンにし、ウェブ乾燥ユニットの乾燥機能もオンとする。他方、インクジェット専用紙を用いる場合に前処理液の塗布が不要であり、前処理液塗布ユニットの塗布機能をオフにする。具体的にはウェブを上下から挟んで前処理液を塗布するローラの当接を解除した状態とする。前処理液を塗布しないため前処理液の乾燥機能も不要となる。したがって、加熱手段40f〜60fを搭載した乾燥ユニットアッパフレーム70fと、加熱手段40r〜60rを搭載した乾燥ユニットロアフレーム70rを離間し、加熱手段40f、40r、50f、50r、60f、60rを使用しない経路とする。図3ではウェブ乾燥ユニットのみを開放した状態を示しているが、前処理液塗布ユニットもローラが当接解除されていると理解すべきものである。
ここで、図2に示す加熱手段40f、40r、50f、50r、60f、60rをウェブWが蛇腹状に通過する乾燥経路の長さを計算する。加熱手段40f、40r、50f、50r、60f、60rの直径をφ100mm、巻き付け角度を180度、加熱手段同士の間の経路長を100mmとした場合、ウェブ乾燥ユニット入口から出口までの乾燥経路長は、下記のように約1500mmとなる。
(100mm×π÷2+100mm)×6≒1542mm
他方、図3に示すように、ウェブ乾燥ユニットを開放した場合、ウェブ乾燥ユニット入口から出口までの乾燥経路長は、各加熱手段の直径×員数となり、約600mmである。つまり、前処理液の塗布を必要としない専用紙を用いる場合にウェブ乾燥ユニットを開放することで、印刷起動時の損紙を900mm(0.9m)低減することができる。
約1500mm(図2)−約600mm(図3)≒900mm(損紙低減量)
インクジェット専用紙を使用する場合は前処理液塗布が不要であり、本来は前処理液塗布乾燥装置101自体を通過させる必要がないので、ウェブWが前処理液塗布乾燥装置101を全く通過しないパス経路に変更することによって損紙量を低減することも可能であることは明らかである。しかしながら、パス経路を変更するためには相応の作業が必要であり、マシンダウンタイムが増加する。つまり、「ウェブWを切断する」、「前処理液塗布乾燥装置内のウェブを除去する」、「前処理液塗布乾燥装置を通過しないパス経路に変更する」、「切断したウェブWをテープ等で接続する」、「テープ接続部を次印刷に影響しない箇所まで送り出す」、等の作業である。テープ接続部は損紙となることはもちろんであるが、パス経路を変更したことによりウェブWの姿勢が変化するため、次印刷時の初期はウェブWの搬送に蛇行等が発生して安定せず、印刷品質が低下する。したがって搬送が安定するまでウェブWを一定量送り出した後に印刷することが必要となり、その分も損紙となってしまう。また下流側の印刷装置102は画像を作成するためにウェブWにインク滴を吐出するインクジェットヘッド部と該インクを乾燥する乾燥部を有しているので、ウェブWを一旦切断しパス経路変更後に接続したテープ接続部が昇温した状態の乾燥部を通過すると、テープの糊が溶融してローラとウェブWが貼り付いてジャムの発生原因となるため、印刷装置の乾燥部が冷却するまでの待機時間が必要となり、マシンダウンタイムが増加する。また当該のテープ接続部を印刷システムの最下流(巻取装置)まで送り出してからでないと次の印刷ができず、結局、当該システムのパス経路長分の数十mという損紙が発生するという問題がある。つまり、インクジェット専用紙を使用するジョブと専用紙以外を使用するジョブを切り換える頻度が多い場合には、ウェブWが前処理液塗布乾燥装置101の中を通過しつつも乾燥経路のパス長を短く切り換える構成の方が優位である。
また、ウェブの坪量が小さい、ウェブの幅が狭い、前処理液の塗布量が少ない、印刷速度が遅い、等の印刷条件の場合には、前処理液塗布乾燥装置101の最大の乾燥能力を発揮するように乾燥経路の長さを確保する必要がなく、むしろ最大の乾燥経路の長さを維持すると不要な損紙が発生する。そこで、最大の乾燥能力を必要としない印刷条件では乾燥能力が低くなるように調整する。
図4は、乾燥ユニットアッパフレーム70fと乾燥ユニットロアフレーム70rを上下に開き、加熱手段40f、40r、50f、50r、60f、60rへのウェブの巻き付き量(当接する範囲)を低減した状態を示している。図2では各加熱手段に概ね180度巻き付けていたが、図4では例えば各加熱手段への巻き付け角度を概ね120度としている。図5で説明したフレーム接離構成を用いて、乾燥ユニットアッパフレーム70fと乾燥ユニットロアフレーム70rを所定位置で固定する。加熱手段40f、40r、50f、50r、60f、60rの直径をφ100mm、巻き付け角度を120度、加熱手段同士の間の経路長を30mmとした場合、ウェブ乾燥ユニット入口から出口までの乾燥経路長は約800mmとなる。
(100mm×π÷2+30mm)×6≒808mm
つまり、最大の乾燥経路の長さを必要としない印刷条件ではウェブ乾燥ユニットを部分閉鎖することで、印刷起動時の損紙を700mm(0.7m)低減することができる。
約1500mm(図2)−約800mm(図4)≒700mm(損紙低減量)
図4の場合、加熱手段40f、40r、50f、50r、60f、60rに当接している経路長が図2の場合の2/3となるため、乾燥機能も2/3程度となる。前処理液塗布乾燥装置101の装置仕様に定義される最大の乾燥能力が必要でない印刷条件(ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度)によっては必要な乾燥能力が低くなるため、このような使用が可能である。
Figure 0006953730
表1は、前処理液塗布乾燥装置101について、印刷条件(ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度)に応じた加熱手段の状態を示す一例である。それぞれの項目の最大仕様を例えばウェブ坪量250g/m、ウェブ幅20.5inch(52.07cm)、印刷速度50m/分とする。印刷条件全てが必要乾燥熱量の大きい側の場合はウェブ乾燥ユニットを図2に示した閉鎖状態で使用するが、項目ごとに必要な乾燥熱量が2/3以下の場合は図3に示した部分閉鎖状態で使用する。インクジェット専用紙を使用する場合は前処理液を塗布せず乾燥が不要のため、他の項目に関わらず図1に示した開放状態で使用する。このようにすることで印刷システムの印刷起動時に発生する損紙量を低減することが可能な前処理液塗布乾燥装置を提供することができる。
表1では加熱手段の状態を図2〜図4の3段階に分割した場合を例として示したが、各加熱手段への巻き付き量を最大(図2の状態)から最小(図3の状態)までの間の分割数を細分化するほど、印刷条件に応じた必要乾燥熱量を確保できるうち最も加熱手段への巻き付き量が小さい構成で使用することで、印刷起動時の損紙量を低減できることは言うまでもない。また表1で示す項目ごとに加熱手段の巻き付き量を切り換える境界の条件は一例であり、実験や評価又は計算により求め決定する。項目ごとに必要乾燥熱量で切り換える例としたが、複数の項目の条件の組み合わせにより必要乾燥熱量を区分して対応することも考えられる。
図6は、異なる実施形態に係るウェブ乾燥ユニットの概略構成を示すもので、図2〜図4に示した前処理液塗布乾燥装置101のウェブ乾燥ユニットと代替できるものである。このウェブ乾燥ユニットでは、ヒータを内蔵したローラ状の加熱手段40rを搭載した第1ロアフレーム71、ヒータを内蔵したローラ状の加熱手段40fを搭載した第1アッパフレーム72というように、加熱手段60fを搭載した第3アッパフレーム76まで、それぞれに加熱手段を搭載した個別のユニットフレームに分割されて、各々上下に開閉、位置固定可能なように構成されている。第1ロアフレーム71と第1アッパフレーム72は対をなし、これらの接近・離間は図5に示すと同様の開閉機構によって行われ、接離状態が第1の位置センサ81によって検出される。同じく、対をなす第2ロアフレーム73と第2アッパフレーム74の接離状態が第2の位置センサ82によって、対をなす第3ロアフレーム75と第3アッパフレーム76の接離状態が第3の位置センサ83によって検出される。このように構成することにより印刷条件に応じて最適な乾燥経路長に切り換え可能となり、印刷システムの印刷起動時に発生する損紙を低減できる前処理液塗布乾燥装置を提供することができる。
図7に、個別のユニットフレームの開閉の異なる状態を示す。インクジェット専用紙を使用する場合には前処理液を塗布せず乾燥が不要のため、図7(A)の開放状態とし、前処理液塗布乾燥装置101の装置仕様に定義される最大の乾燥能力が必要な印刷条件の場合は図7(D)の閉鎖状態で乾燥ユニットを使用する。印刷条件(ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度)に応じて図7(B)、図7(C)を含めて最適な加熱手段の状態として使用する。一例を表2に示す。
Figure 0006953730
表2は、前処理液塗布乾燥装置101について、印刷条件(ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度)に応じた加熱手段の状態を示す一例であり、それぞれの項目の最大仕様を例えばウェブ坪量250g/m、ウェブ幅20.5inch(52.07cm)、印刷速度50m/分とする。項目ごとに必要な乾燥熱量が図7(D)の2/3以下の場合は図7(C)に示した状態で、項目ごとに必要な乾燥熱量が図7(D)の1/3以下の場合、または複数の項目の組み合わせにより必要な乾燥熱量が図7(D)の1/3以下になる場合は図7(B)の状態で使用する。例えば図7(B)の状態で使用する場合、加熱手段50r、50f、60r、60fは使用しないので、加熱手段内のヒータをオンにする必要がなく、部品寿命が延長できて部品交換に要するマシンダウンタイムを低減できる効果がある。また加熱手段50r、50f、60r、60fは回転しないため、各軸受や回転時に摺動し磨耗する部品の寿命も延長できて部品交換に要するマシンダウンタイムを低減できる。
このようにすることで印刷システムの印刷起動時に発生する損紙量を低減可能な前処理液塗布乾燥装置を提供でき、更に使用しない加熱手段内のヒータの部品寿命を延ばして部品交換に要するマシンダウンタイムを低減できる。
なお、個別のユニットフレームに搭載される加熱手段の数は1つに限られるものでなく、また個別のユニットフレームも表面加熱用と裏面加熱用の3対、計6つに限られるものではなく、任意に設定可能であり、更に、個別のユニットフレームのそれぞれに、蒸気を輩出するための蒸気排出ファンや加熱手段の温度を測定する温度検知手段が備えられ得るものである。そして表2で示す印刷条件ごとに使用する加熱手段の員数を切り換える境界の条件も一例であり、実験や評価又は計算により求め決定する。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
なお、「インクジェット記録装置」は、記録ヘッドのノズルからインク滴を記録材に吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義であり、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する行為(単に液滴を媒体に着弾させる液滴吐出ないし液体吐出と称されるもの)を含み、2次元画像だけでなく、3次元画像(立体画像)も対象とし得る)を行うものである。また、本願において、「記録材」の材質は紙に限定されず、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等も含み、液滴が付着されるものであれば、記録媒体、用紙、記録紙等と称されるものを含む総称として「記録材」なる用語を用いている。また記録ヘッドから吐出される液滴の「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下になるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、等を含む溶液、懸濁液、乳濁液等であり、これらは例えばインクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
1 ガイドローラ
9 フィードニップローラ
10 フィードローラ
13f、13r 塗布手段
15f、15r ガイドローラ
16 ダンサーユニット
40f、40r、50f、50r、60f、60r 加熱手段
70f 乾燥ユニットアッパフレーム
70r 乾燥ユニットロアフレーム
81、82、83 乾燥ユニット位置センサ
90 制御基板
101 前処理液塗布乾燥装置
特開2014−159130号公報

Claims (3)

  1. 前処理液を長尺状の被搬送物の両面又はいずれか一方の面に塗布可能な前処理液塗布ユニットと、該前処理液塗布ユニットの搬送経路下流側に配され加熱手段により前記被搬送物を乾燥するウェブ乾燥ユニットとを備えた前処理液塗布乾燥装置と、該前処理液塗布乾燥装置の搬送経路下流側に配され長尺状の被搬送物に画像形成するインクジェット記録装置と、を備えた印刷システムにおいて、
    前記加熱手段は、複数のローラ状の加熱手段であり、前記ウェブ乾燥ユニットは、互いに接近しあるいは離間する2つのフレームと各フレームにそれぞれ備えられた前記複数のローラ状の加熱手段とを有し、前記2つのフレームの接近、離間によって前記複数のローラ状の加熱手段への前記被搬送物の巻き付き量を変更させて前記ウェブ乾燥ユニットの乾燥経路長を変更可能であり、
    前記前処理液塗布乾燥装置にはフレームの位置を検出するセンサが設けられ、前記センサによって検出された位置状態と、印刷条件に応じて予め決められた状態とが比較され、結果が不一致の場合には印刷動作を行わないことを特徴とする印刷システム。
  2. 前処理液を長尺状の被搬送物の両面又はいずれか一方の面に塗布可能な前処理液塗布ユニットと、該前処理液塗布ユニットの搬送経路下流側に配された加熱手段により前記被搬送物を乾燥するウェブ乾燥ユニットとを備えた前処理液塗布乾燥装置と、該前処理液塗布乾燥装置の搬送経路下流側に配され長尺状の被搬送物に画像形成するインクジェット記録装置と、を備えた印刷システムにおいて、
    前記加熱手段は、複数のローラ状の加熱手段であり、前記ウェブ乾燥ユニットは、互いに接近しあるいは離間する対のフレームを複数有し、各対のフレームにそれぞれ前記複数のローラ状の加熱手段が備えられ、前記対のフレームの接近、離間によってそれぞれの前記複数のローラ状の加熱手段への前記被搬送物の巻き付き量を変更させて乾燥経路長を変更可能であり、
    前記前処理液塗布乾燥装置にはそれぞれ対のフレームの位置を検出するセンサが設けられ、前記センサによって検出された位置状態と、印刷条件に応じて予め決められた状態とが比較され、結果が不一致の場合には印刷動作を行わないことを特徴とする印刷システム。
  3. 前記印刷条件は、ウェブ坪量、ウェブ幅、前処理液の塗布量、印刷速度のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
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