JP2017065857A - 媒体反転装置および印刷装置 - Google Patents

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修 森園
真祐 山下
Shinsuke Yamashita
真祐 山下
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国男 連
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Abstract

【課題】用紙反転部における張力変化を抑制すること。【解決手段】用紙反転部の中間駆動ローラ制御部が失われた張力を回復するように中間駆動ローラを制御することにより、ガイドローラ、反転バーとの接触による摩擦、複数のチラーローラに巻回されて生じる摩擦、および複数のチラーローラを回転させるための運動エネルギー消耗によって連続紙の搬送時に失われた張力を回復することにより、表面印刷機で印刷を行なった媒体が用紙反転部を通過する際の張力の変化を抑制して裏面印刷機の印刷において見当ずれのない印刷を実行する。【選択図】 図2

Description

連続して搬送される長尺状の媒体を搬送中に表裏反転するための媒体反転装置、および連続して搬送される長尺状の媒体の表面に印刷を行なう表面印刷部と媒体の裏面に印刷を行なう裏面印刷部との間に媒体を反転する媒体反転部を備えた印刷装置に関する。
近年、連続して搬送される長尺状の媒体(連続紙)に対する高速記録を実現したインクジェット印刷装置が実用化されている。このようなインクジェット印刷装置は、記体の搬送方向に直交する方向(媒体の幅方向)に該媒体にインク滴を吐出する多数のノズルを列設した長尺のプリントヘッドを備えているので、媒体の幅方向にインク滴を吐出するに際してプリントヘッドが媒体の幅方向に移動する必要がない分、プリントヘッドが移動しながら吐出を行なっている間は媒体を搬送することができない家庭用のインクジェットプリンタよりも高速な記録を実現している。
このようなインクジェット印刷装置では、媒体の搬送中に該媒体の一方の面にのみ印刷を行なう構成であることから、媒体の両面に印刷を行なう場合、二台のインクジェット印刷装置を用意し、一台を表面印刷機、もう一台を裏面印刷機として、その間に媒体の表裏を反転するための媒体反転機構を配置している。このような構成により、表面印刷機から表裏反転機構に印刷が行なわれた媒体を搬送し、媒体反転機構で媒体の表裏を反転後、裏面印刷機で媒体に印刷を行なうことで、媒体の表裏に対する印刷を実現していた。
ここで、表面印刷機から搬送された媒体は、媒体反転機構による表裏反転を行なわれた際に、張力が変化してしまうため、表面で行なわれた印刷と裏面で行なわれた印刷との間で見当ずれが生じるという問題があった。
このような問題は、媒体反転機構の構造に起因している。媒体反転機構は、二本の反転バーがX状に配設されており、この二本の反転バーに媒体が巻回されながら通過すると表裏が反転する。媒体が反転バーに巻回されるので、二本の反転バーを通過するときの媒体の搬送抵抗が増加してしまうため、媒体反転機構の媒体入口と媒体出口とでは媒体の張力が大きく変化することになる。そのため、表面印刷機で印刷を行なったときの張力と、裏面印刷機で印刷を行なうときの張力とが著しく異なることになり、印刷の見当ずれが生じるのである。
反転バーを通過するときの媒体の搬送抵抗を防止する技術としては、例えば、搬送時の張力を低くして媒体を搬送することや、反転バー表面に多数の空気吹出し口を備えることで媒体が反転バーに接触するのを防ぐことなど、周知の技術が存在する。
しかし、このような周知技術は、搬送される媒体の蛇行が生じることが多く、裏面印刷機による見当ずれが生じるという問題がある。また、媒体が「紙」の場合には比較的高張力で搬送するため、周知技術を適用することが困難である。
そこで、媒体反転機構における媒体の搬送抵抗増加を防止するため、媒体の搬送方向上流側の反転バーと下流側の反転バーとの間に駆動回転する中間ローラを備える構成が特許文献1に記載されている。
特許登録2886485
特許文献1に記載の原反反転装置では、駆動回転するテンションローラー(中間ローラ)の回転数を裏面印刷機の版胴回転数と一致させるようにすることで、二本の反転バー前後の媒体張力が安定するので、表面印刷機と裏面印刷機との間で印刷の見当ずれを防止することができる。
特許文献1に記載の原反反転装置は、原反反転装置の前後の張力を安定させるために、テンションローラーの回転数を裏面印刷機の版胴回転数と一致させるようにしている。しかし、インクジェット印刷装置の場合、版胴に相当する部位が存在しないため、特許文献1に示すような解決手段を実行することができない。
また、最近の媒体反転機構には、媒体の搬送に従動して回転可能に配設され、印刷後の乾燥のため加熱された媒体を冷却するチラーローラを複数備えているものがある。このような媒体反転機構では、二本の反転バーによる張力の変化のみならず、複数のチラーローラを搬送されて生じる媒体の張力変化を考慮して、中間ローラを回転させなければならない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数のチラーローラを備えた媒体反転装置であって、搬送される媒体の張力低下の抑制を実現することを目的としている。また、表面印刷機と裏面印刷機との間に媒体反転部を備えた印刷装置であって、表面印刷機で印刷を行なった媒体が用紙反転部を通過したことによる張力の低下を抑制して裏面印刷機の印刷を実行することを目的としている。
[適用例1]
長尺の媒体を搬送する媒体搬送装置において搬送中に前記媒体の表裏を反転する媒体反転装置であって、前記媒体の搬送方向に対して所定の角度を有するように備えられ、前記媒体の表裏を反転する第1の固定バーと、 前記第1の固定バーから搬送された前記媒体を接触させて冷却する媒体冷却部と、前記媒体冷却部から搬送された前記媒体が巻回され、モータによって前記媒体を駆動する中間駆動ローラと、前記中間駆動ローラを制御して、前記媒体の張力を回復させる回転力を前記中間駆動ローラに生じさせる駆動制御部と、前記中間駆動ローラから搬送された前記媒体の搬送方向に対して前記第1の固定バーの所定の角度と逆相の角度を有するように備えられ、前記媒体の表裏を反転する第2の固定バーと、を有する。
[適用例2]
媒体反転装置であって、前記駆動制御部が前記中間駆動ローラを制御して生じさせる回転力が、前記媒体が前記第1の固定バーおよび前記冷却部に接触することによって失った張力の少なくとも50%を回復させることを特徴とする。
[適用例3]
媒体反転装置であって、前記駆動制御部は、前記モータから前記中間駆動ローラに伝わる回転力を所定の値に制限する回転力制限器であることを特徴とする。
[適用例4]
媒体反転装置であって、前記駆動制御部は、速度検出部によって検出された前記媒体の搬送速度に基づいてモータの回転力を制御する速度依存モータ制御手段を備えること、を特徴とする。
[適用例5]
媒体反転装置であって、前記駆動制御部は、張力検出部によって検出された前記媒体の張力に基づいてモータの回転力を制御する張力依存モータ制御手段を備えること、を特徴とする。
[適用例6]
媒体反転装置であって、前記媒体冷却部が、前記媒体の搬送に伴って従動して回転する複数のチラーローラであること、を特徴とする。
[適用例7]
長尺の媒体を搬送して前記媒体の表面に印刷を行なう表面印刷部と、前記媒体の裏面に印刷を行なう裏面印刷部と、前記表面印刷部と裏面印刷部との間で前記媒体を反転する媒体反転部と、からなる印刷装置であって、 前記媒体反転部が、前記媒体の搬送方向に対して、所定の角度を有するように備えられた第1の固定バーと、前記第1の固定バーから搬送された前記媒体を接触させて冷却する媒体冷却部と、前記媒体冷却部から搬送された前記媒体が巻回され、モータによって前記媒体を駆動する中間駆動ローラと、前記中間駆動ローラを制御して、前記媒体の張力を回復させる回転力を前記中間駆動ローラに生じさせる駆動制御部と、前記中間駆動ローラから搬送された前記媒体の搬送方向に対して、前記第1の固定バーの所定の角度と逆相の角度を有するように備えられた第2の固定バーと、を備えることを特徴とする。
適用例1では、媒体反転装置の中間駆動ローラを駆動制御部による制御に基づいて長尺の媒体の張力を回復するように動力回転させるので、媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制できる。
適用例2では、駆動制御部による中間駆動ローラの回転力により、長尺の媒体が第1の固定バーおよび媒体冷却部との接触によって失った張力の少なくとも50%を回復させることにより、媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制できる。
適用例3では、駆動制御部が、モータから中間駆動ローラに伝わる回転力を所定の値に制限する回転力制限器なので、過剰な回転力が中間駆動ローラに伝わることがなく、媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制できる。
適用例4では、駆動制御部が、速度検出部によって検出された媒体の搬送速度に基づいてモータの回転力を制御する速度依存モータ制御手段なので、媒体の搬送速度変化に伴う媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制できる。
適用例5では、駆動制御部が、張力検出部によって検出された媒体の張力に基づいてモータの回転力を制御する張力依存モータ制御手段なので、媒体の張力変化に伴う媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制できる。
適用例6では、媒体冷却部が、媒体の搬送に伴って従動して回転する複数のチラーローラなので、長尺の媒体の冷却を充分に行ないつつ、媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制できる。
適用例7では、表面印刷部と裏面印刷部との間に備えられた媒体反転部の中間駆動ローラを駆動制御部による制御に基づいて長尺の媒体の張力を回復するように動力回転させるので、媒体反転装置を通過する長尺の媒体の張力の変化を抑制することにより、裏面印刷部における印刷を的確に行なうことができる。
本発明の実施の形態におけるインクジェット印刷装置100の概略構成図である。 本発明の実施の形態における用紙反転部5を説明するための図である。 用紙反転部5における連続紙WPの反転を説明するための図である。 第1の実施形態における中間駆動ローラ制御部54aを説明するための図である。 第2の実施形態における中間駆動ローラ制御部54bを説明するための図である。 第3の実施形態における中間駆動ローラ制御部54cを説明するための図である。 従来の用紙反転機構における連続紙WPの張力変化を説明するための図である。 第1〜3の実施形態の用紙反転部5における連続紙WPの張力変化を説明するための図である。 インクジェット印刷装置200の概略構成図である。 インクジェット印刷装置300の概略構成図である。 最先端のチラーローラ52mが中間駆動ローラ53を兼用している状態を示すための図である。
以下、図面を利用しながら、本発明を実施形態について、説明を行なう。
〈第1の実施形態〉
図1は、本発明に関わるインクジェット印刷装置100を説明するための概略構成図である。
インクジェット印刷装置100は、給紙部3と、印刷部1aと、用紙反転部5と、印刷部1bと、排紙部7とを備えている。
給紙部3は、ロール状の連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、印刷部1aに対して連続紙WPを巻き出して供給する。印刷部1aは、連続紙WPの表面に対して印刷を行う。用紙反転部5は、印刷部1aで印刷が行なわれた連続紙WPの表裏を反転する。印刷部1bは、連続紙WPの裏面に印刷を行なう。排紙部7は、印刷部1bで印刷された連続紙WPを水平軸周りに巻き取る。連続紙WPの供給側を上流とし、連続紙WPの排紙側を下流とした場合、給紙部3は印刷部1a、1bの上流側に配置され、排紙部7は印刷部1a、1bの下流側に配置されている。
上述した連続紙WPが本発明における「媒体」に相当する。印刷部1aが本発明における「表面印刷部」に相当し、印刷部1bが本発明における「裏面印刷部」に相当する。また、用紙反転部5が本発明における「媒体反転装置」に相当する。
印刷部1a、1bは、それぞれ複数の駆動ローラ11a、11b、複数のプリントヘッド12a、12b、乾燥部13a、13b、複数の搬送ローラ15a、15bとを備えている。
駆動ローラ11a、11bは、給紙部3から取り込んだ連続紙WPを排紙部7へ搬送するための駆動力を供給するためのローラである。駆動ローラ11a、11bによって取り込まれた連続紙WPは、搬送ローラ15a、15bによって円滑に搬送される。駆動ローラ11aは給紙部3の後、プリントヘッド12aの後に備えられており、駆動ローラ11bは用紙反転部5の後、プリントヘッド12bの後に備えられており、連続紙WPに対して適切な記録を行なうための張力を付与する機能も備えられている。搬送ローラ15a、15bは、張力が付与された連続紙WPを記録位置に支持する機能や、連続紙WPの蛇行や斜行を抑制する機能も備えられている。
プリントヘッド12a、12bは、図示しないインクタンクから供給されるインクを連続紙WPに対してインク滴として吐出することにより、画像を形成する。プリントヘッド12a、12bは、搬送される連続紙WPの用紙幅方向(搬送方向に直交する方向)に該連続紙WPの用紙幅方向以上の長さを有して、連続紙WPから所定間隔を維持するように架設されている。
乾燥部13a、13bは、各プリントヘッド12a、12bが連続紙WPに吐出したインクを乾燥させるため、ヒータなどの加熱手段を内蔵している。
上述したインクジェット印刷装置100の各構成は、図示しない制御部によって統括的に操作され、連続紙WPの表面、裏面の印刷が実行される。
図2は、用紙反転部5を説明するための図である。用紙反転部5は、印刷部1aによる連続紙WPの表面印刷後に印刷部1bによる連続紙WPの裏面印刷を行なうために、連続紙WPの表裏を反転する構成として、反転バー51a、51b、チラーローラ52、中間駆動ローラ53、中間駆動ローラ制御部54、ガイドローラ55a、55bを備えている。これらの構成は、説明のため図示していない用紙反転部5の筐体内に備えられるものである。
印刷部1aから搬送された連続紙WPは、用紙反転部5が備えるガイドローラ55a、反転バー51a、チラーローラ52、中間駆動ローラ53、反転バー51b、ガイドローラ55bによって構成される搬送路を通過する間に反転し、印刷部1bへ搬送される。
反転バー51a、51bは、連続紙WPの搬送方向に対してそれぞれ所定の角度を有するように図示しない用紙反転部5の筐体に固定されている。ここでは、反転バー51a、51bは連続紙WPが通過する間隙を備えて90°の角度で交差するように配設されている。すなわち、反転バー51aの所定の角度に対して、反転バー51bの所定の角度は反転バー51aの所定の角度の逆相となっている。
搬送されて来た連続紙WPは、反転バー51aに巻回されることにより、一回目の搬送方向の変更を行なう。ここでは、連続紙WPは、反転バー51aにより、搬送方向下流に向かって右向きに搬送の向きが変更される。搬送の向きが変更された連続紙WPはチラーローラ52へ導出される。
なお、反転バー51aが連続紙WPの搬送の向きを変更する方向は右に限定されるものではなく、チラーローラ52および中間駆動ローラ53が配設されている方向であれば、搬送方向下流に向かって左でも上方であってもよい。
チラーローラ52は複数備えられ、印刷部1aの乾燥部13aで加熱された連続紙WPを冷却するためのものであり、それぞれ連続紙WPの搬送に従動して図示しない回転軸を中心として回転するように、図示しない用紙反転部5の筐体に固定されている。
印刷部1aでは、プリントヘッド12aによってインクジェット方式の印刷を行なわれ、大量のインクが連続紙WP上に吐出されている。この状態のまま連続紙WPの搬送を行なうと、連続紙WPの表面に吐出されたインクが、プリントヘッド12a下流側の搬送ローラ11aに付着し、連続紙WPに意図しない汚染を生じさせてしまう。そのような事故を防ぐために、乾燥部13aは、連続紙WPに吐出されたインクを乾燥させるが、その結果連続紙WPの温度が上昇してしまう。温度が上昇した連続紙WPが搬送されると印刷部1bのヘッドユニット12b付近の温度上昇を招き、ヘッドユニット12bの図示しないノズルが乾燥してしまうことによる印字ミスや、用紙の伸張による印字位置のずれが生じるなどの問題が生じ、印刷部1bにおける印刷に支障を来たすことがある。そこで、インクジェット印刷装置100では、用紙反転部5にチラーローラ52を複数備えることにより、連続紙WPの温度を低下させ、印刷部1bによる印刷を適切に行なわせている。
複数備えられたチラーローラ52に対して、搬送されている連続紙WPがそれぞれ巻回されて密着することで、連続紙WPの熱をチラーローラ52それぞれに伝導させている。チラーローラ52それぞれの内部は冷媒を充填する管路となっており、図示しない冷媒循環機構から冷媒の供給を受けることで、連続紙WPから伝導された熱による温度上昇を回避している。
なお、チラーローラ52それぞれで使用する冷媒としては、水、空気、アルコール、アンモニアなどを使用することができる。また、チラーローラ52それぞれの冷却手法は、冷媒によるものに限定されることはなく、例えばペルチェ効果による冷却などを適宜使用することができる。また、チラーローラ52の数はここでは5としているが、搬送される連続紙WPを冷却するのに必要な数を備えればよいので、チラーローラ52の数はこれに限定されることはない。
複数のチラーローラ52が、本発明における「媒体冷却部」に相当する。
中間駆動ローラ53は、チラーローラ52を通過してきた連続紙WPを巻回し、後述する中間駆動ローラ制御部54による駆動力を与えられて図示しない中心軸を中心に回転するように、図示しない用紙反転部5の筐体に固定されている。
連続紙WPは、印刷部1a、1bで印刷を行なうために所定の張力を与えられた状態で搬送されている。しかし、連続紙WPの張力は、用紙反転部5のガイドローラ55a、反転バー51aに接触した際の摩擦により低下する。殊に、連続紙WPの張力は、複数のチラーローラ52に巻回されて生じる搬送抵抗により、さらに低下してしまう。そこで、連続紙WPが巻回された中間駆動ローラ53を動力回転させて連続紙WPの張力を回復させることにより、用紙反転部5の反転バー51b、ガイドローラ55bによる摩擦を加味しても、用紙反転部5における連続紙WPの張力低下を抑制できる。
中間駆動ローラ53が、本発明における「中間駆動ローラ」に相当する。
中間駆動ローラ制御部54は、連続紙WPの適切な張力回復を行なうため、中間駆動ローラ53の回転を制御する。中間駆動ローラ制御部54は、中間駆動ローラ53を回転させるためのモータと、該モータの回転制御を行なうため制御機構(後述する)を備え、図示しない用紙反転部5の筐体内に配置されている。
中間駆動ローラ53による連続紙WPの張力回復は、用紙反転部5に搬送される前の連続紙WPの張力を越えてはハンチングなどの問題が生じる。逆に、中間駆動ローラ53による連続紙WPの張力回復が微小の場合、後続する反転バー51b、ガイドローラ55bによる摩擦で回復した張力が失われてしまうので、用紙反転部5における連続紙WPの張力低下を抑制できない。
そこで、中間駆動ローラ制御部54は、制御機構により予め設定された値で中間駆動ローラ53を回転させるモータの回転制御を行ない連続紙WPの適切な張力回復を実現する。あるいは、中間駆動ローラ制御部54は、連続紙WPの搬送状態を検知するセンサ(後述する)からの情報により、制御機構が中間駆動ローラ53を回転させるモータの回転制御を行ない連続紙WPの適切な張力回復を実現する。
中間駆動ローラ制御部54による連続紙WPに対する張力回復としては、前述のとおりハンチング防止および回復した張力の再喪失などを避けるため、連続紙WPの搬送時に付与されている張力以下で、該張力の50%以上とすることが望ましい。連続紙WPの搬送時に付与されている張力よりも中間駆動ローラ制御部54による張力回復が下であればハンチングが起こる心配がなく、張力回復が連続紙WPの搬送時に付与されている張力よりも50%以上であれば張力の再喪失を避けることができる。
中間駆動ローラ制御部54が、本発明における「駆動制御部」に相当する。
ガイドローラ55a、55bは、用紙反転部5において連続紙WPの位置決めを行なうためのガイドとして、図示しない中心軸を中心に回転するように、図示しない用紙反転部5の筐体に固定されている。ガイドローラ55aは、印刷部1aから搬送された連続紙WPが用紙反転部5を通過するに際しての位置決めを行なう。ガイドローラ55bは、連続紙WPが用紙反転部5を通過して印刷部1bへ搬送される際の位置決めを行う。
図3は、用紙反転部5における連続紙WPの反転を説明するための図である。
印刷部1aで表面WPa(左方向斜線ハッチングされている面)に印刷が行なわれた連続紙WPは、印刷部1aの駆動ローラ11aの駆動による送り出し、印刷部1bの駆動ローラ11bの駆動、排紙部7による巻き取りにより、用紙反転部5へ搬送される。
用紙反転部5のガイドローラ55aは、搬送されて来た連続紙WPについて、用紙反転部5における用紙反転処理のための位置決めを行なう。
ガイドローラ55aを通過した連続紙WPは、反転バー51aによりチラーローラ52による冷却を行なうために、搬送の向きが変更される。ここでは、連続紙WPは反転バー51aで折り返されることにより、搬送方向下流側に向かって搬送の向きが右へ変更されている。また、このとき連続紙WPは反転バー51aに巻回されて折り返されているので、連続紙WPの重力方向に対して上面を向く面が表面WPaから裏面WPb(水平線ハッチングされている面)に変更されている。
搬送された連続紙WPは、チラーローラ52による冷却が行なわれる。図示しているように、複数備えられたチラーローラ52は千鳥状に配置されており、連続紙WPはチラーローラ52それぞれに巻回されるようにして搬送される。その結果、連続紙WPとチラーローラ52それぞれとの接触面積が大きくなるので、より冷却の効果が上がるようになっている。また、チラーローラ52は、連続紙WPの搬送抵抗を軽減するため、それぞれ連続紙WPの搬送に従動して回転する。
複数のチラーローラ52を通過した連続紙WPは、中間駆動ローラ53に巻回される。中間駆動ローラ53は、中間駆動ローラ制御部54によって所定の回転数および回転力で搬送方向に回転しているので、中間駆動ローラ53に巻回された連続紙WPが搬送方向に向かって駆動される。中間駆動ローラ53で駆動されることにより、ガイドローラ55a、反転バー51a、チラーローラ52に接触することによって失われた連続紙WPの張力がある程度回復する。
また、連続紙WPは中間駆動ローラ53で巻回されて折り返されることになるので、連続紙WPの重力方向に対して上面を向く面が裏面WPbから表面WPaに変更される。中間駆動ローラ53で折り返された連続紙WPは、チラーローラ52に干渉することなく、反転バー51bに搬送される。
反転バー51aで搬送方向下流側に向かって右に搬送の向きが変更された連続紙WPは、反転バー51bによる折り返しで搬送方向下流側に向かって右に搬送方向が変更されることで、連続紙WPの搬送方向の向きは再び印刷部1bへと向かう方向になる。
また、このとき、連続紙WPは反転バー51bに巻回されて折り返されるので、連続紙WPの重力方向に対して上面を向く面が表面WPaから裏面WPbに変更される。表裏が折り返された連続紙WPは、ガイドローラ55bによって印刷部1bへの位置決めが行なわれ、搬送される。
このように、インクジェット印刷装置100では、印刷部1aで連続紙WPの表面WPaに印刷が行なわれた後、用紙反転部5において表裏の反転が行なわれるとともに、用紙反転部5のチラーローラ52により連続紙WPの冷却が行なわれることで、後続する印刷部1bの裏面WPb印刷に支障を来たすことがない。また、用紙反転部5が備える中間駆動ローラ53によって連続紙WPが駆動されるので、用紙反転部5の前後で連続紙WPの張力に大きな変化が生じることがなく、印刷部1bに搬送された連続紙WPの裏面WPb印刷時の見当ずれを防止することが可能となる。
図4は、第1の実施形態における中間駆動ローラ制御部54aを説明するための図である。図4に示す中間駆動ローラ制御部54aは、トルクリミッタ541と、モータMOを備えている。
トルクリミッタ541は、モータMOの回転により中間駆動ローラ53の回転数が過大となって連続紙WPに与える張力が過剰とならないようにするため、設定された所定のトルク値を越えたときに空転し、モータMOからの回転を中間駆動ローラ53へ伝達するのを防ぐ。
モータMOは、前述のトルクリミッタ541を介して、ベルトやチェーン、あるいはギアなどで連続紙WPを駆動する中間駆動ローラ53に回転力を与える。モータMOとしては、中間駆動ローラ53に与えるトルク量、それを与えるのに必要な回転数を考慮して、サーボモータを使用する。
もちろん、モータMOに使用するモータはサーボモータに限定されることはなく、中間駆動ローラ53を制御可能であるならば、ACインダクションモータ、DCモータ、ステッピングモータなどを適宜使用可能である。
図4では、矢印の方向に連続紙WPが搬送されており、複数のチラーローラ52に連続紙WPが巻回されている状態が示されている。チラーローラ52は、それぞれ図示しない中心軸を中心に、連続紙WPの搬送に従動して回転する。各チラーローラ52と接触することによって生じる摩擦、および各チラーローラ52を回転させることにより、連続紙WPの搬送抵抗が上昇し、連続紙WPに付与されている張力が低下する。
連続紙WPは続く搬送で中間駆動ローラ53に巻回される。中間駆動ローラ53は、中間駆動ローラ制御部54のモータMOにより回転力が付与されているので、巻回されている連続紙WPを駆動することで、連続紙WPの張力を回復する。
中間駆動ローラ53による連続紙WPの張力回復は、印刷のために連続紙WPに付与されている当初の張力を越えて行なわれる必要はないので、モータMOの回転数上昇による中間駆動ローラ53の回転力が過剰となることは避けなければならない。
そのために、モータMOと中間駆動ローラ53の間にトルクリミッタ541を備え、モータMOの回転数が上昇して中間駆動ローラ53に過剰な回転力が付与されそうになった場合にトルクリミッタ541がモータMOからの回転力の付与を遮断する。
トルクリミッタ541が、本発明における「回転力制限器」に相当する。
図4に示す用紙反転部5は、中間駆動ローラ制御部54aにより中間駆動ローラ53を制御することにより、用紙反転部5を通過する連続紙WPに対する張力を適切に回復することが可能となる。
〈第2の実施形態〉
連続紙WPの搬送速度が一定で連続紙WPの張力が一定、という関係が成立している場合、連続紙WPの搬送速度が低下すれば連続紙WPの張力が低下するので、第2の実施形態では、中間駆動ローラ制御部54が中間駆動ローラ53に回転力を付与して連続紙WPを駆動し、連続紙WPの搬送速度を上昇させることにより連続紙WPの張力を回復する。
図5は、第2の実施形態における中間駆動ローラ制御部54bを説明するための図である。図5に示す中間駆動ローラ制御部54bは、中間駆動ローラ53に回転力を付与するモータMOの回転数を制御することにより、中間駆動ローラ53による連続紙WPの搬送速度を制御することを目的としており、そのためにレーザ速度計LSとモータコントローラ542を備えている。
レーザ速度計LSは、レーザ光線lbを二本照射して中間駆動ローラ53に巻回されている連続紙WPの搬送方向の前方側と後方側に置き、それぞれ連続紙WPから反射して来た散乱光を同一の受光部で受け、ドップラー効果によって変化した光波長に基づいて連続紙WPの搬送速度を計測する。
モータコントローラ542は、中間駆動ローラ53に巻回された連続紙WPの搬送速度を電気的に接続されたレーザ速度計LSによって取得し、連続紙WPの搬送速度が所定の搬送速度となるように、電気的に接続されたモータMOの制御を行なう。
図5において、矢印の方向に連続紙WPが搬送されており、複数のチラーローラ52に連続紙WPが巻回されている状態が示されている。チラーローラ52は、それぞれ図示しない中心軸を中心に、連続紙WPの搬送に従動して回転する。各チラーローラ52と接触することによって生じる摩擦、および各チラーローラ52を回転させることにより、連続紙WPの搬送速度は低下し、連続紙WPに付与されている張力が低下する。
連続紙WPは続く搬送で中間駆動ローラ53に巻回される。中間駆動ローラ53は、中間駆動ローラ制御部54bのモータMOにより回転力が付与されており、巻回されている連続紙WPを駆動して、連続紙WPの搬送速度を上昇させ、連続紙WPの張力を回復する。
中間駆動ローラ53による連続紙WPの張力回復は、印刷のために連続紙WPに付与されている当初の張力を越えて行なわれる必要はないので、モータMOの回転数上昇による中間駆動ローラ53の回転力が過剰となることは避けなければならない。そのために、中間駆動ローラ53が駆動する連続紙WPの搬送速度をレーザ速度計LSによって測定し、測定した搬送速度に基づいてモータMOを駆動する電圧をモータコントローラ542が制御することにより、中間駆動ローラ53が駆動する連続紙WPの搬送速度が所定の搬送速度となる。
モータコントローラ542が、本発明における「速度依存モータ制御手段」に相当する。
なお、連続紙WPの搬送速度を取得するための構成は、上述のレーザ速度計LSに限定されるものではない。連続紙WPの搬送速度を取得するための構成として、例えば連続紙WPに接触して速度を検出するエンコーダや、別途設けたローラに備えたタコメータによる速度検出、あるいは連続紙WPに連続的に付与されたマーカを読み取ることにより搬送速度を検出する構成など、適宜採用可能である。
図5に示す用紙反転部5は、中間駆動ローラ制御部54bにより中間駆動ローラ53を制御することにより、用紙反転部5を通過する連続紙WPに対する張力を適切に回復することが可能となる。
〈第3の実施形態〉
第3の実施形態では、連続紙WPの張力を直接測定して、中間駆動ローラ制御部54が中間駆動ローラ53に回転力を付与して連続紙WPを駆動し、連続紙WPの張力を回復する。
図6は、第3の実施形態における中間駆動ローラ制御部54cを説明するための図である。図6に示す中間駆動ローラ制御部54cは、中間駆動ローラ53に回転力を付与するモータMOの回転数を制御することにより、中間駆動ローラ53による連続紙WPの張力付与を制御することを目的としており、そのためにテンションセンサTSとモータコントローラ543を備えている。
テンションセンサTSは、テンションセンサTSは平行バネで支持された検出ロールを備えており、検出ローラにテンションがかかると、平行バネが歪み、平行バネに備えられたストレンゲージがこの歪みに比例した電圧信号を出力する。テンションセンサTSは、チラーローラ52から搬送された連続紙WPに接触してその張力を測定する。
モータコントローラ543は、チラーローラ52から搬送された連続紙WPの張力を電気的に接続されたテンションセンサTSから取得し、連続紙WPの張力が所定の張力となるように、電気的に接続されたモータMOの制御を行なう。
図6において、矢印の方向に連続紙WPが搬送されており、複数のチラーローラ52に連続紙WPが巻回されている状態が示されている。チラーローラ52は、それぞれ図示しない中心軸を中心に、連続紙WPの搬送に従動して回転する。各チラーローラ52と接触することによって生じる摩擦、および各チラーローラ52を回転させることにより、連続紙WPに付与されている張力が低下する。
チラーローラ52から搬送された連続紙WPは、中間駆動ローラ53の前に備えられたテンションセンサTSで張力が測定される。測定された張力に基づいて、モータコントローラ543がモータMOを駆動する電圧を制御する。
連続紙WPは続く搬送で中間駆動ローラ53に巻回される。中間駆動ローラ53は、中間駆動ローラ制御部54cのモータMOにより回転力が付与されており、巻回されている連続紙WPを駆動して連続紙WPの張力を回復する。
中間駆動ローラ53による連続紙WPの張力回復は、印刷のために連続紙WPに付与されている当初の張力を越えて行なわれる必要はないので、モータMOの回転数上昇による中間駆動ローラ53の回転力が過剰となることは避けなければならない。そのために、連続紙WPの張力をテンションセンサTSによって測定し、測定した張力に基づいてモータMOを駆動する電圧をモータコントローラ543が制御することにより、中間駆動ローラ53が駆動する連続紙WPの張力が所定の張力となる。
モータコントローラ543が、本発明における「張力依存モータ制御手段」に相当する。
図6に示す用紙反転部5は、中間駆動ローラ制御部54cにより中間駆動ローラ53を制御することにより、用紙反転部5を通過する連続紙WPに対する張力を適切に回復することが可能となる。
〈従来例と実施形態との対比〉
図7、および図8は、従来の用紙反転機構と、第1〜3の実施形態の用紙反転部5と、における連続紙WPの張力変化を説明するための図である。
図7は、従来例における連続紙WPの張力変化を説明するためのものであり、印刷部1a、用紙反転機構、印刷部1bの搬送系を理解のために直線状に表したものである。
図7において、用紙反転機構がチラーローラ52を複数備えている場合、印刷部1aと印刷部1bの間を搬送される連続紙の張力TL(実線で示している)は、用紙反転機構に入る直前に著しく低下する。これは、連続紙WPが複数のチラーローラ52に巻回されるために生じる摩擦、および連続紙WPの搬送により各チラーローラ52を回転させるために連続紙WPを搬送するのに必要な運動エネルギーが減少するためである。
印刷部1bの駆動ローラ11bは、失われた張力TLを回復するために駆動するが、その際張力を急激に回復させるため、連続紙WPの搬送変動を生じさせることになり、印刷部1bによる印刷を行なうと見当ずれなどの印刷不良が生じてしまう。
また、連続紙WPが張力を高くできない薄い紙や弱い素材であれば、張力TLが0、あるいは0近くまで低下することになるので、連続紙WPは用紙反転機構の直前で弛みが生じることになり、連続紙WPの表面にシワが生じるなどの問題が生じることもある。
図8は、第1〜3の実施形態における連続紙WPの張力変化を説明するためのものであり、印刷部1a、用紙反転部5、印刷部1bの搬送系を図7同様に直線状に表したものである。
図8においても、用紙反転部5が複数のチラーローラ52を備えていることから、図7同様に連続紙WPの張力TLhは用紙反転部5に搬送される直前に低下する。しかし、用紙反転部5では、図8では図示しない中間駆動ローラ制御部54が中間駆動ローラ53の駆動を制御することにより、ガイドローラ55a、反転バー51aとの接触による摩擦、複数のチラーローラ52に巻回されて生じる摩擦、および複数のチラーローラ52を回転させるための連続紙WPの運動エネルギー消耗によって失われた張力を中間駆動ローラ53による駆動で回復する。
その結果、印刷部1bの駆動ローラ11bが、失われた張力TLを急激に回復することがないので、印刷部1bによる印刷時の見当ずれなどの印刷不良が抑制される。
また、連続紙WPが張力を高くできない薄い紙や弱い素材であっても、張力TLの著しい低下を防止することができ、弛みによる連続紙WPの表面にシワが生じるなどの問題も抑制される。
図7に示す従来の用紙反転機構において、例えば連続紙WPの搬送時の張力TLを150(N)とした場合、張力TLの低下はガイドローラ55a、反転バー51aによる半減、反転バー51b、ガイドローラ55bによる半減に、複数のチラーローラ52に接触することによって生じる負荷が加わる。
すなわち、印刷部1bの駆動ローラ11により搬送される連続紙WPは、ガイドローラ55b、反転バー51bの通過によりその張力TLが75(N)に低下する。複数のチラーローラ52の接触による負荷を29.4(N)とした場合、張力TLは45.6(N)に低下し、さらに反転バー51a、ガイドローラ55aを通過することにより、22.8(N)まで低下する。
用紙反転機構を通過することによって失われた張力を回復するため、印刷部1bの駆動ローラ11bは連続紙WPを駆動するが、22.8(N)から150(N)への急激な張力TLの回復は、連続紙WPの搬送変動を生じさせる。
図8に示す第1〜3の実施形態の用紙反転部5では、張力TLhを150(N)とした場合、ガイドローラ55b、反転バー51bの通過による半減するが、第1〜3の実施形態の用紙反転部5では、ここでは張力が150(N)となるように、図示しない中間駆動ローラ制御部54が中間駆動ローラ53を制御する。複数のチラーローラ52に対する接触による消耗などで、張力TLhは120.6(N)に低下し、さらに反転バー51a、ガイドローラ55aを通過することで、張力TLhは60.3(N)に低下するが、張力TLhの変化は従来の用紙反転機構に比べると大きくないので、搬送される連続紙WPの張力変化は抑制され、連続紙WPの大きな搬送変動を防止することができる。
〈第4の実施形態〉
ここまでの説明では、中間駆動ローラ制御部54による中間駆動ローラ53の制御は、用紙反転部5の内部のみで行なわれてきた。
しかし、印刷部1aおよび/あるいは印刷部1bから連続紙WPの搬送に関わる情報を中間駆動ローラ制御部54が取得して、中間駆動ローラ53を制御するようにしてもよい。
図9は、インクジェット印刷装置200の概略構成図である。なお、ここでは給紙部3、排紙部7を図示していない。また、用紙反転部5aについても、反転バー51、チラーローラ52、ガイドローラ55について図示していない。
インクジェット印刷装置200の印刷部2a、2bは、それぞれ搬送制御部26a、26bを備えている。搬送制御部26a、26bは印刷部2a、2bに備えられた駆動ローラ21a、21bを制御するためのものであり、駆動ローラ21a、21bに接続された図示しないモータの回転を制御して、連続紙WPを所定の搬送速度で搬送する。
搬送制御部26a、26bは、印刷部2a、2bに備えられた全ての駆動ローラ21a、21bをそれぞれ制御するが、ここでは説明のため、用紙反転部5aに関連する駆動ローラ21a、21bと、該駆動ローラ21a、21bに関わる搬送制御部26a、26bの図示に留める。
連続紙WPの搬送に際しては、搬送方向上流側の駆動ローラ21aが比較的低速、かつ搬送方向下流側の駆動ローラ21bが比較的高速とすることにより、張力を維持しつつハンチングを防止できる。そのために、搬送制御部26a、26bは、それぞれ駆動ローラ21a、21bのモータ回転速度を「駆動ローラ21bの回転速度>駆動ローラ21aの回転速度」となるように、搬送駆動信号hva、hvbを駆動ローラ21a、21bに与えている。
用紙反転部5aの中間駆動ローラ制御部54dは、搬送制御部26a、26bが駆動ローラ21a、21bに与えられている搬送駆動信号hva、hvbを取得することにより、「駆動ローラ21bの回転速度>中間駆動ローラ53の回転速度>駆動ローラ21aの回転速度」となるように、中間駆動ローラ53の駆動を制御する。
中間駆動ローラ制御部54dが、本発明における「速度依存モータ制御手段」に相当する。
用紙反転部5aの中間駆動ローラ制御部54dは、中間駆動ローラ53の回転速度を駆動ローラ21a、21bとの関係から決定できるので、ハンチングを防止しつつ、用紙反転部5における連続紙WPの張力の低下を回復することができる。
〈第5の実施形態〉
また、用紙反転部5の中間駆動ローラ制御部54が中間駆動ローラ53を制御するために取得する張力の情報は、用紙反転部5の外部から取得するようにしてもよい。
図10は、インクジェット印刷装置300の概略構成図である。図9同様に、給紙部3、排紙部7を図示していない。また、用紙反転部5bについても、反転バー51、チラーローラ52、ガイドローラ55について図示していない。
インクジェット印刷装置300の印刷部3aは、張力測定部37aを備えている。張力測定部37aは、印刷部3a内で連続紙WPを搬送する際の張力を測定する。インクジェット印刷装置300における連続紙WPの搬送については、適切な張力が生じるように図示しない搬送制御部が駆動ローラ31a、31bを制御している。しかし、インクジェット印刷装置300周辺の雰囲気、搬送そのものによる連続紙WPの伸び、プリントヘッド32a、32bによるインク吐出によって生じる連続紙WPの伸び、あるいは乾燥部33a、33bによる乾燥処理によって生じる連続紙WPの縮みなど、連続紙WPの搬送に伴って張力が変動する要因が複数存在する。その結果、張力を一義的に設定したとしても連続紙WPの搬送に際して適切な張力を維持することができない。
張力測定部37aは連続紙WPの張力を測定し、図示しない搬送制御部に張力情報TJとして送信する。図示しない搬送制御部は、張力情報TJが示す張力が低ければ駆動ローラ31aの回転を上げ、連続紙WPの張力を上昇させる。逆に、張力情報TJが示す張力が高ければ、図示しない搬送制御部は駆動ローラ31aの回転を下げ、連続紙WPの張力を下降させる。
用紙反転部5bの中間駆動ローラ制御部54eは、この張力測定部37aが測定した張力情報TJを取得して中間駆動ローラ53を制御するので、印刷部3aにおける連続紙WPの張力の変化に合わせて、用紙反転部5bにおける張力変化を動的に抑制する。
中間駆動ローラ制御部54eが、本発明における「張力依存モータ制御手段」に相当する。
用紙反転部5bの中間駆動ローラ制御部54eは、中間駆動ローラ53の回転速度を印刷部3aにおける連続紙WPの張力から決定できるので、ハンチングを防止しつつ、用紙反転部5bにおける連続紙WPの張力の低下を回復することができる。
〈変形例〉
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
上述した実施形態では、印刷部をインクジェット印刷機として説明を行なってきたが、電子写真方式、オフセット方式、グラヴィア方式の印刷機にも適用することができる。
上述した実施形態では、長尺状の媒体を連続紙WPとしてきたが、紙以外の長尺状の媒体、たとえば薄膜合成樹脂フィルム、布帛でも適用することができる。
上述した実施形態では、用紙反転部5の複数のチラーローラ52および中間駆動ローラ53が連続紙WPの搬送方向に対して水平方向に変更するように配置されていたが、垂直方向に変更するように配置されても良い。
上述した実施形態では、連続紙WPを冷却するのがチラーローラ52であると説明を行なってきたが、連続紙WPと接触しても比較的小さな摩擦しか生じない表面加工がされており、内部に冷媒を充填した固定バーであってもよい。あるいは、連続紙WPと接触しても比較的小さな摩擦しか生じない表面加工がされており、内部に冷媒を充填したプラテンであってもよい。
上述した実施形態では、用紙反転部5においてチラーローラ52と中間駆動ローラ53とが別個の構成であると説明を行なってきたが、チラーローラ52の一部と中間駆動ローラ53とが兼用になっていてもよい。
図11は、複数のチラーローラ52のうち、用紙反転部5の搬送路における最先端のチラーローラ52mが中間駆動ローラ53を兼用している状態を示すための図である。
他のチラーローラ52は、連続紙WPの搬送に従動することで回転しているが、チラーローラ52mは、中間駆動ローラ制御部54が備えるモータMOの力で回転している。中間駆動ローラ制御部54は、第1〜5の実施形態で説明した制御方式によりモータMOの回転を制御することで、チラーローラ52mの駆動を制御することにより、連続紙WPに対する張力の回復を行なうことができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3 給紙部
1a〜3a、1b〜3b 印刷部
5、5a、5b 用紙反転部
7 排紙部
11a〜31a、11b〜31b 駆動ローラ
12a〜32a、12b〜32b プリントヘッド
13a〜33a、13b〜33b 乾燥部
51a、51b 反転バー
52、52m チラーローラ
53 中間駆動ローラ
54、54a、54b、54c、54d、54e 中間駆動ローラ制御部
541 トルクリミッタ
542、543 モータコントローラ
55a、55b ガイドローラ
26a、26b 搬送制御部
37a 張力測定部
WP 連続紙
MO モータ
LS レーザ速度計
TS テンションセンサ

Claims (7)

  1. 長尺の媒体を搬送する媒体搬送装置において搬送中に前記媒体の表裏を反転する媒体反転装置であって、
    前記媒体の搬送方向に対して所定の角度を有するように備えられ、前記媒体の表裏を反転する第1の固定バーと、
    前記第1の固定バーから搬送された前記媒体を接触させて冷却する媒体冷却部と、
    前記媒体冷却部から搬送された前記媒体が巻回され、モータによって前記媒体を駆動する中間駆動ローラと、
    前記中間駆動ローラを制御して、前記媒体の張力を回復させる回転力を前記中間駆動ローラに生じさせる駆動制御部と、
    前記中間駆動ローラから搬送された前記媒体の搬送方向に対して前記第1の固定バーの所定の角度と逆相の角度を有するように備えられ、前記媒体の表裏を反転する第2の固定バーと、
    を有する媒体反転装置。
  2. 請求項1に記載の媒体反転装置であって、
    前記駆動制御部が前記中間駆動ローラを制御して生じさせる回転力が、前記媒体が前記第1の固定バーおよび前記冷却部に接触することによって失った張力の少なくとも50%を回復させること、
    を特徴とする媒体反転装置。
  3. 請求項1あるいは2のいずれかに記載の媒体反転装置であって、
    前記駆動制御部は、前記モータから前記中間駆動ローラに伝わる回転力を所定の値に制限する回転力制限器であること、
    を特徴とする媒体反転装置。
  4. 請求項1あるいは2のいずれかに記載の媒体反転装置であって、
    前記駆動制御部は、速度検出部によって検出された前記媒体の搬送速度に基づいてモータの回転力を制御する速度依存モータ制御手段を備えること、
    を特徴とする媒体反転装置。
  5. 請求項1あるいは2のいずれかに記載の媒体反転装置であって、
    前記駆動制御部は、張力検出部によって検出された前記媒体の張力に基づいてモータの回転力を制御する張力依存モータ制御手段を備えること、
    を特徴とする媒体反転装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の媒体反転装置であって、
    前記媒体冷却部が、前記媒体の搬送に伴って従動して回転する複数のチラーローラであること、
    を特徴とする媒体反転装置。
  7. 長尺の媒体を搬送して前記媒体の表面に印刷を行なう表面印刷部と、前記媒体の裏面に印刷を行なう裏面印刷部と、前記表面印刷部と裏面印刷部との間で前記媒体を反転する媒体反転部と、からなる印刷装置であって、
    前記媒体反転部が、
    前記媒体の搬送方向に対して、所定の角度を有するように備えられた第1の固定バーと、
    前記第1の固定バーから搬送された前記媒体を接触させて冷却する媒体冷却部と、
    前記媒体冷却部から搬送された前記媒体が巻回され、モータによって前記媒体を駆動する中間駆動ローラと、
    前記中間駆動ローラを制御して、前記媒体の張力を回復させる回転力を前記中間駆動ローラに生じさせる駆動制御部と、
    前記中間駆動ローラから搬送された前記媒体の搬送方向に対して、前記第1の固定バーの所定の角度と逆相の角度を有するように備えられた第2の固定バーと、
    を備えること、を特徴とする印刷装置。
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