JP5724287B2 - インクジェット式記録装置及び印字方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット式記録装置及び印字方法に係り、特に、ロールに巻かれた紙類、布類、フィルム類、合成樹脂材などのシート状記録媒体にインクジェット方式で画像を形成(印字)する複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を複合して有するデジタル複合機、印刷機などの画像形成装置を含むインクジェット式記録装置、及びこのインクジェット式記録装置で実行される印字方法に関する。
インクジェット式記録装置は、インクジェットヘッドによりインクの液滴をシート状記録媒体に吐出し、シート状記録媒体の内部に浸透させ、若しくは表面に付着させて画像を形成し、あるいは印字するようになっている。このようにインクジェット式記録装置では、インク滴を使用するため、印字部雰囲気が高湿度環境となるとともに、シート状記録媒体の印字部分のみならず当該記録媒体自体も湿気を帯びることになる。
一方、高速印字を行うインクジェット式記録装置では、ロール状に巻かれた連続紙(用紙)を引き出して印字した後、ロール状に巻き取ることが多いことから、巻き取る前に用紙を乾燥させておく必要がある。さもないと、印字したインクの付着による汚れ、かすれ、にじみなどが生じ、また、巻き取りにも支障が生じる虞もある。そのため、シート状記録媒体の乾燥方法が重要となる。
そこで、インクジェット記録装置ではないが、乾燥方法の一例として、特許文献1(特開2006−169710号公報)には、文書細断機によって細断された古紙を再生する際に、ヒートポンプ方式の除湿乾燥機からドライヤーを使用する文書細断屑用古紙再生装置が記載されている。
また、特許文献2(特開2001−169710号公報)には、熱風を発生させる熱風機、連続紙を乾燥させる乾燥本体、熱風を除湿する除湿機を備え、熱風機から発生する熱風を乾燥本体に導くことにより連続紙を乾燥し、乾燥本体に導かれた熱風を除湿器に導いて除湿し、再度熱風機に導くようにした発明が開示されている。
しかし、引用文献1記載の発明は、文書細断機によって細断された古紙を離解し、離解された再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する抄紙機のドライパート部の乾燥チャンバー内の雰囲気を除湿乾燥する除湿乾燥機にヒートポンプ方式のドライヤーを有する構成としたもので、印刷用紙の乾燥に使用されているわけではなく、高速印字のインクジェット式記録装置のシート状記録媒体の乾燥に使用することはできない。ヒートポンプ方式のドライヤーは単に乾燥手段として使用されているに過ぎない。
また、引用文献2記載の発明は、熱風を筐体に送り込み、この筐体内に連続紙を通過させて乾燥させることが記載されているだけで、消費電力も含め、効率的に乾燥させることについて特に配慮されているわけではなく、高速印字のインクジェット式記録装置に対応することは難しい。
いずれにしても、気体を使用して乾燥させる場合には、水分の蒸散によって乾燥させることから、被乾燥対象となる部材の温度あるいは熱容量によって蒸散速度が変化する。当然、部材の温度が高い方が蒸散速度は大きくなるが、温風による加熱は、被乾燥部材との非接触加熱であるため、当該部材への熱伝達効率が悪く、当然、蒸散効率も悪い。すなわち、インクジェット式記録装置に引用文献1あるいは2記載の乾燥装置を使用したとしても、印字速度を高速にすることができるが、印字されたシート部の乾燥処理が印字速度に追いつくことができず、印字速度の上限が乾燥処理の処理時間に依存することになる。また、ヒートポンプは立ち上がり特性が悪いことから効率的な運転が望まれるが、引用文献1及び2には、そのような配慮はされていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、インクジェット式記録装置における印字の高速化と低消費電力化を図った上で、立ち上がり特性の改善と効率的な運転を可能とすることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、ール状に巻かれたシート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、搬送されてくる前記シート状記録媒体を加熱する付加熱源を備えた乾燥室と、前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを備え、前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、を有し、インクを記録ヘッドにより吐出して前記シート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置であって、前記付加熱源が、搬送中の前記シート状記録媒体の非印字面に接触して前記シート状記録媒体を加熱するヒータであり、前記ヒータが前記乾燥室の前記シート状記録媒体搬送方向上流側と下流側に独立して設置されていることを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、記録ヘッドはインクジェットヘッド110に、シート状記録媒体は用紙10に、インクジェット式記録装置は符号インクジェット装置1に、ヒートポンプは符号406に、ロール状に巻かれたシート状記録媒体はロール紙21,31に、搬送路は符号111に、乾燥室はチャンバー412に、ダクトは第1及び第2のダクト411,413に、用紙乾燥装置は符号400に、高温乾燥気体は高温乾燥空気Ahに、含湿空気はAwに、付加熱源は第1ないし第4のヒータ500,510,520,550及び熱風送風装置525に、それぞれ対応する。
本発明によれば、ヒートポンプと付加熱源を使用して用紙を加熱乾燥するようにしたので、インクジェット式記録装置における印字の高速化と低消費電力化を図った上で、立ち上がり特性の改善と効率的な運転を可能とすることができる。
本発明の実施形態における実施例1に係るインクジェット式記録装置全体のシステム構成を示す図である。 図1のインクジェット式記録装置を拡大して示す概略構成図である。 図2に示したインクジェット式記録装置の右側面図である。 ヒートポンプの機能構成を示す概略構成図である。 ヒートポンプを含むインクジェット式記録装置の制御構成を示すブロック図である。 制御部が実行する用紙乾燥制御の制御手順の一例を示すフローチャートである。 実施例2に係るインクジェット式記録装置を拡大して示す概略構成図である。 図7に示したインクジェット式記録装置の右側面図である。 実施例3に係るインクジェット式記録装置を拡大して示す概略構成図である。 図9に示したインクジェット式記録装置の右側面図である。
本発明は、乾燥工程にヒートポンプとヒータを併用することを特徴としており、高速、かつ効率的な乾燥を可能としたものである。以下、本発明の実施形態について、実施例毎に図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の実施例1に係るインクジェット式記録装置(以下、インクジェット装置とも称する。)全体のシステム構成を示す図である。同図において、本実施例1に係るシステムは、インクジェット装置1、給紙装置(アンワインダー)2及び巻き取り装置(リワインダー)3から基本的に構成され、これらの各装置1,2,3は用紙搬送方向に沿って給紙装置2、インクジェット装置1及び巻き取り装置3の順に直線上に配置されている。なお、本実施例1では、これらの装置は、それぞれ下面に設けた車輪40によって同一水準の床面上に並置されている。
給紙装置2はロールに連続的に巻かれたロール紙21を引き出しながらインクジェット装置1側に供給する。巻き取り装置3はインクジェット装置1で印字された用紙10をロールに巻き取り、全シート部材を巻き取ってロール紙31とし、巻き取ったロール紙31を取り外し、後工程に送る。なお、ここでは、単に用紙10と称しているが、この用紙10はロールに巻かれた連続紙であり、ここでは、用紙10は連続紙を意味している。また、本実施例1では、用紙10はシート状記録媒体の1つとして代表して例示したもので、用紙10は前述の記録媒体として使用される前述の紙類、布類、フィルム類、合成樹脂材からなるシート状の部材に敷衍することができる。
インクジェット装置1はインクジェットヘッドを備えたインクジェット作像部100と、インクジェット作像部100の用紙搬送方向上流側(前段)にあって、給紙装置2から給紙された用紙10をインクジェット作像部100に送るインフィードユニット200と、インクジェット作像部100で印字された用紙10を巻き取り装置3側に送るアウトフィードユニット300とを備えている。
図2は実施例1に係るインクジェット装置1を示す概略構成図で、図1におけるインクジェット装置1を拡大して示したものである。同図においてインフィードユニット200は、複数のガイドローラ210、インフィードローラ220、ニップローラ230等を備え、給紙装置2からインフィードユニット200側面に形成された給紙口201から連続紙を引き込む。インフィードユニット200では、ガイドローラ210からインフィードローラ220とニップローラ230のニップに用紙10を導き、複数のガイドローラ210によって所定の張力を付与した状態でインクジェット作像部100に用紙10を送り込む。
インクジェット作像部100はインクジェットヘッド110及び後述の制御部120を備え、ホスト装置130からの指示に基づいて、用紙10に対する作像及び給紙制御を実行する。インクジェットヘッド110は用紙搬送路111に対向する位置に配置され、高速で搬送される用紙10に対してインク滴を吐出し、用紙10上に印字画像を形成する。インクジェット作像部100の前面側には、更にヒートポンプ406を備えた用紙乾燥装置400(図3参照)が設置され、ヒートポンプ406の吹き出し口401からアウトフィードユニット300を通り、吸い込み口402を経てヒートポンプ406に戻る送風経路410a,410bが設けられている。上流側の送風経路410aは上流側の第1のダクト411、乾燥室(以下、「チャンバー」と称す。)412及び下流側の第2のダクト413、及び下流側の送風経路410bを含み、チャンバー412内に用紙10の搬送路が形成されている。
チャンバー412はインクジェットヘッド110に対向する搬送路111の下流側に配置され、用紙10の印字面の上部の空間にヒートポンプ406から送風される高温の乾燥空気が供給される。これにより、高温の乾燥空気が用紙表面と接触して用紙10に対して乾燥と除湿が行えるように構成されている。チャンバー412内の用紙10の非印字面が接触して搬送される部分には、用紙10を加熱するための第1のヒータ500が設けられている。また、第1のダクト411の内側には、チャンバー412内に送り込まれる後述の高温乾燥空気の温度を検出する温度センサ503が、第2のダクト413の内側にはチャンバー412内の雰囲気の湿度を検出する湿度センサ405がそれぞれ配されている。
アウトフィードユニット300内には、前記チャンバー412内に通過させるためのガイドローラ310を含め、複数のガイドローラ310が設置され、アウトフィードユニット300内の用紙搬送方向最下流側に設けられたアウトフィードローラ320及びニップローラ330によって搬送力が付与され、最後段のガイドローラ310を経て、排紙口340から巻き取り装置3側に送られ、巻き取り装置3でロール状に巻き取られる。また、チャンバー412内の最終段のガイドローラ310aは内には第2のヒータ510が設置され、ヒートローラとしても機能する。第2のヒータ510を内蔵したガイドローラ310aは、搬送する用紙10の裏面に接触し、用紙10を加熱する。本実施例1では、このようにして給紙装置2のロール先端から巻き取り装置3で巻き取られたロール後端までの連続紙に対して印字処理が行われる。なお、第1のヒータ500が上流側のヒータに対応し、第2のヒータ510を内蔵したガイドローラ310aが下流側のヒータに対応するが、チャンバー412内のシート搬送機構の構成若しくは配置により、逆の場合、或いは、いずれか一方のみで構成する場合もあり得るので、上流側と下流側のヒータの種類が本実施例に限定されるものではない。
図3は図2のインクジェット装置1の右側面図であり、一部アウトフィードローラ320及びガイドローラ310を破断し、チャンバー412と送風経路410a,410b等の配置の状態を示している。
図3から分かるように、インクジェット作像部100の前面にヒートポンプ406を備えた用紙乾燥装置400が配置され、用紙乾燥装置400では、ヒートポンプ406の吹き出し口401から送風される高温乾燥空気が上流側の送風経路410aに案内され、アウトフィートユニット300内のチャンバー412に供給され、チャンバー412から下流側の送風経路410bを通ってヒートポンプ406に戻る。すなわち、送風経路410a,410bはチャンバー412の用紙搬送方向最上流側と最下流側の周面の用紙搬送方向に直交する方向のほぼ中央部でそれぞれ第1のダクト411及び第2のダクト413により接合され、ヒートポンプ406から出た温風がヒートポンプ406に戻る循環経路が形成されている。
前述したが、チャンバー412の図2において下側の第1のヒータ500の上面に沿って用紙10の搬送路が形成され、用紙10はチャンバー412内の最終段のガイドローラ310aであるヒートローラからチャンバー412外に導かれる。用紙10から湿気を奪った高温乾燥空気は前記最終段のガイドローラ(ヒートローラ)310aの下流側から送風経路410bに導かれ、ヒートポンプ406内に戻る。なお、図3では、第1及び第2のダクト411,413は吐出側と吸入側でそれぞれ単数となっているが、それぞれの側で並列あるいはチャンバー412内の流速分布を均一化するような位置に並べて複数設けても良いことは言うまでもなく、その方が温風の循環効率が高くなる。なお、図1ないし図3に示した例は、温風が矢印D1で示すように用紙10と同じ方向(順方向)に送られる例である。
図4はヒートポンプの機能構成を示す概略構成図である。ヒートポンプ406は、熱媒体を使用したヒートポンプであり、送風機420、冷却側及び加熱側の熱交換機430,440、圧縮機450、及び減圧機460を備え、これら各部は吹き出し口401及び吸い込み口402が形成されたケース470内に収納されている。また、冷却側の熱交換機430、減圧機460、加熱側の熱交換機440、圧縮機450はそれぞれの間の媒体管路403によって接続され、閉鎖された循環管路を形成している。熱媒体は図示矢印D3方向に循環し、チャンバー412に供給される高温乾燥空気は図示D4方向に循環する。
送風機420はチャンバー412に供給される温風の駆動源であり、冷却側の熱交換機430と加熱側の熱交換機440との間に配置され、吸い込み口402から吸い込まれた戻り側の含湿空気Awを冷却側の熱交換機430から加熱側の熱交換機440に送り、加熱側の熱交換機440で所定の温度に加熱された高温乾燥空気Ahを吹き出し口401から送り出す。ヒートポンプ406の熱媒体は、減圧機460で減圧され、周辺温度よりも低温となって冷却側の熱交換機430に送られる。そして、冷却側の熱交換機430が冷やされ、吸い込み口402から吸い込まれた含湿空気(温風)Awを水滴409と乾いた空気に分離する。
一方、冷却側の熱交換機430を通った熱媒体は圧縮機450側に送られ、圧縮機450で圧縮されて高温となる。高温となった熱媒体は加熱側の熱交換機440に送られ、冷却側の熱交換機430で除湿された空気と熱交換し、減圧機460に送られる。他方、加熱側の熱交換440を通った空気は、高温の乾燥空気Ahとなって吹き出し口401から送風経路410aに送り出される。
すなわち、ヒートポンプ406は熱媒体が膨張と圧縮を繰り返して吸熱と放熱を行う過程で送風経路410a,410bを循環する空気と熱交換を行い、用紙10から湿気を奪って吸い込み口402からヒートポンプ406側に導入される含湿空気Awから水分を奪い、用紙10を乾燥するに足る熱量を温風に供給し、チャンバー412側に50℃〜100℃の高温乾燥空気Ahとして送り出す。
なお、ヒートポンプ及びヒートポンプの熱交換原理は公知の技術であることから、ここでは詳細な説明は省略する。また、ヒートポンプの熱交換能力や送風能力は熱交換対象となる機器に応じて適宜設定されるべきものであるので、これらの詳細についてもここでの説明は省略する。
このように、ヒートポンプ406の送風機420によって高温乾燥空気Ahを吹き出し口401から上流側の送風経路410a、第1のダクト411を介してチャンバー412内に供給し、チャンバー412内で用紙10を乾燥させた後、第2のダクト413及び下流側の送風経路410bを介して吸い込み口402から含湿空気Awを回収し、回収した含湿空気Awをヒートポンプ406によって再度高温乾燥空気Ahにして送り出すという循環経路を形成することにより高速印字を行うインクジェット装置1における用紙10の乾燥が可能となる。なお、ここでいう高速印字とは例えば75m/min〜150m/minの搬送速度での印字を想定している。
その際、図2及び図3にも示すように用紙10はチャンバー412内の第1のヒータ500の上面に沿って搬送され、また、第2のヒータ510を内蔵するヒートローラに接触しながら搬送される。一方、高温乾燥空気Ahは用紙10の印字面側を所定の相対速度で移動し、非印字面側から加熱された用紙10に含まれる湿気を高温乾燥空気Ah内に移行させる。なお、本実施例では、高温乾燥空気Ahは前記用紙の搬送方向と同方向で、用紙搬送速度(印字速度)より十分に大きい速度で送風される。十分に大きい速度とは、用紙10からの湿気の高温乾燥空気Ah内への移行が平衡状態を維持し、飽和水蒸気量に達しない状態で用紙表面の空気層が入れ替わることができるような用紙10との相対速度となる速度であることが好ましい。
図5は本実施例におけるヒートポンプを含むインクジェット装置の制御構成を示すブロック図である。同図において、インクジェット装置1は、ホスト装置130と通信可能に接続された制御部120を備え、この制御部120には、第1のヒータ制御部505、第2のヒータ制御部515、操作パネル140、データ格納部123、減圧機460及び圧縮機450を駆動制御するためのモータドライバ124、及び送風機420を駆動制御するためのモータドライバ125、第1及び第2のヒータ500,510をそれぞれ駆動する第1及び第2のヒータドライバ501,511が接続されている。また、第1のヒータ制御部505には、チャンバー出口の湿度を検出する湿度センサ405から検出出力が入力され、第2のヒータ制御部515には、チャンバー入口の温度を検出する温度センサ503からの検出出力が入力される。これにより、第1のヒータ制御部505は用紙10から蒸発して温風内に移行した水分量に基づく湿度情報を取得し、制御情報をインクジェット装置1の制御部120に出力し、第2のヒータ制御部515は用紙10の印字面に送られる高温乾燥空気Ahの温度情報を取得し、制御情報をインクジェット装置1の制御部120に出力する。
インクジェット装置1の制御部120では、データ格納部123に格納された用紙乾燥制御のための制御データを参照し、前記各制御部505,515からの制御情報に基づいてモータドライバ124,125を介して減圧機460及び圧縮機450、並びに送風機420を制御し、同時に第1のヒータ500及び第2のヒータ510を制御する。操作パネル140はユーザーインターフェースであり、ユーザによる初期設定のためのキー、及び各種モードを設定するキー、動作を指示するキーなどを備えている。
なお、制御部120は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUはROMに格納されたプログラムコードを読み出し、読み出したプログラムコードをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義された制御を実行する。また、第1及び第2のヒータ制御部501,515は、例えばASICから構成される。
図6は制御部120が実行する用紙乾燥制御の制御手順の一例を示すフローチャートであり、印刷開始時の制御手順である。この制御手順では、制御部120のCPUは、データ格納部123に格納された用紙印刷のための基準データを読み込み(ステップS1)、この基準データに基づいて第1のヒータ制御部505が起動し、第1のヒータ500がONされる(ステップS2,S3)。次いで、ホスト装置130から印刷データを受信すると(ステップS4)、制御部120はすぐにヒートポンプ406の駆動を開始し(ステップS5,S6)、温度センサ503はチャンバー412内の温度検出を開始する(ステップS7)。第2のヒータ制御部515では、温度センサ503で検出した温度を予め設定された温度T℃と比較し(ステップS8)、当該温度T℃より低ければ第2のヒータ510に通電し(ステップS9,S10)、制御部120はインクジェットヘッド110を駆動し印刷を開始させる(ステップS11)。一方、前記温度T℃より高ければ、そのまま印刷を開始させる(ステップS11)。
そして、印刷開始後のチャンバー412内の湿度を湿度センサ405から読み取り(ステップS12)、予め設定された湿度W%以上であれば、そのままの条件で印刷を印刷データ終了まで印刷し、前記湿度W%より小さければ、ステップS1に戻って第1のヒータ500の設定温度をデータ格納部に格納されているデータテーブルに基づいて変更し、ステップS2以降の処理を繰り返し、印刷を実行する。印刷が終了すると(ステップS14)、次の印刷開始を待つ。
なお、ステップS8で設定温度T℃、例えば60℃と比較するのは、ヒートポンプ406の立ち上げ時には、送風温度は余り上がっていないので、設定温度より低いのが常態であり、そのため、第2のヒータ510の温度を制御して初期設定温度、例えば120℃を維持するように制御する必要があるからである。一方、ヒートポンプ406の立ち上げが終了し、システム自体は運転状態にあるが、印刷は行われていないときに、新たに印刷ジョブが入力され、印刷を開始する際には、チャンバー412内の温度は高温になっているため、特に第2のヒータ510の温度を維持する必要がない。そこで、このヒートポンプ立ち上げ時の制御では、入口温度がT℃(例えば60℃)より低温にならない限り、第2のヒータ510の温度制御は実行していない。
次に、本実施例に係るインクジェット装置1によって用紙幅18inch、用紙秤量81g/m、印刷速度76m/minで印刷する場合の例について説明する。
この例では、第1のヒータ500の設定温度(目標とする制御温度(目標制御温度):以下、同様)は60℃であり、第2のヒータ510の設定温度は120℃である。この設定は用紙秤量、用紙幅、印刷速度などに応じて適宜ユーザが操作パネル140から設定することができる。また、ヒートポンプ406は1kWの消費電力で約4kWの加熱効果を得ることができる能力のものであり、ヒートポンプからの送風速度は前記印刷速度以上とする。
このような設定で印刷が実行される際、第1のヒータ500の目標制御温度は60℃であり、この温度を維持するように第1のヒータ制御部505によって制御される。印刷データを受信すると、ヒートポンプ406が動作を開始し、温度センサ503がチャンバー412の入口温度を検出する。温度センサ503の検出値が60℃を超えると、第2のヒータ510の目標制御温度を80℃に下げる。これは、前述のフローチャートで説明した場合と異なり、すでにヒートポンプ406の立ち上げが終了し、印刷が断続的に行われているため、120℃を維持すると、温度が上がり過ぎるためである。その後、印刷を開始し、湿度センサ405の検出データを読み込み、湿度が50%以下となった場合には、第2のヒータ510の目標制御温度を60℃にさらに下げる。湿度センサ405の検出データにより湿度が50%以下になるのは、低印刷濃度(低カバレッジ)の場合であり、乾燥させる水分の絶対量が少ないことから、より低消費電力の制御で乾燥処理を行うことができる。
このように第1及び第2のヒータ500,510を使用して用紙を加熱することにより、ヒートポンプ406の立ち上がり時間は30分から3分以下に低減することができる。また、温度センサ503の検出値が60℃を超えたときに第2のヒータ510を120℃制御から80℃制御に切り換えるので、ヒートポンプ406の立ち上がりのために必要であった目標制御温度120℃と立ち上げ完了後の目標制御温度80℃との差、
120℃−80℃=40℃
に対応する熱量4kWの低減が可能となる。また、この熱量低減により過剰な熱量を用紙に付与することがないので、用紙10の印字品質を阻害することなく良好なインク乾燥が可能となる。
更に、前述のように温度センサ403によりチャンバー412内の湿度が50%以下となると、第2のヒータ510の目標制御温度を60℃に切り替えるので、
80℃−60℃=20℃
に対応する熱量2kWの低減が更に可能となる。その際、印字密度に対し過剰の熱量が付与されることがないので、用紙10の印字品質を阻害することなく良好なインク乾燥が可能となる。
実施例1では、ヒートポンプ406の立ち上がり特性を改善するために第1及び第2のヒータ500,510を設け、当該第1及び第2のヒータ500,510によって用紙11の非印字面側から直接加熱し、用紙10からの水分の蒸散を促していた。これに対し、本実施例2では、実施例1に加えて用紙印字面に供給される高温乾燥空気Ahの温度特性を改善し、さらに前記立ち上がり特性の向上を図った例である。
以下、本実施例2について図面を参照して説明する。なお、前述の実施例1と同一の各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図7は実施例2に係るインクジェット装置1の概略構成を示す図、図8はその右側面図で、前者は実施例1における図2に対応し、後者は実施例1における図3に対応する。本実施例2では、実施例1の用紙乾燥装置400のチャンバー412の上部に熱風吹き付け装置525を設け、熱風吹き付け装置525で発生した熱風を送風経路540からダクト541を介してチャンバー412内に供給するもので、その他の各部は実施例1と実質的に同一に構成されている。
熱風吹き付け装置525は第3のヒータ520と第3のヒータ520の空気流入方向上流側に設けられた送風機530とを備え、用紙乾燥装置400のケーシング480に設けられた開口481から外気を取り込み、第3のヒータ520を通る間に所定温度まで昇温させて、昇温した空気を前記ダクト541からチャンバー412内に吹き出す。そのため、本実施例では、図8に示すようにチャンバー412の高温乾燥空気供給側に高温の空気を供給するためのダクトが2個設けられ、一方はヒートポンプ406側からの第1のダクト411、他方は熱風吹き付け装置525側からの第3のダクト541であり、それぞれ独立して前記高温の空気が供給される。
その他の各部は実施例1と同一であり、各部は実施例1と同一の機能を有するので、重複する説明は省略する。また、システムの制御は前記第3のヒータ520に対してヒータ制御を行うヒータ制御部と送風機が設けられる点が異なるだけで、実施例1と同一である。
このように構成したインクジェット装置1によって実施例1と同様に用紙幅18inch、用紙秤量81g/m、印刷速度76m/minで印刷する場合、第1のヒータ及び第2のヒータ500,510の目標制御温度は実施例1と同様に初期状態で60℃及び120℃で、熱風送風装置250の第3のヒータ520で加熱された熱風は100℃以上とし、ヒートポンプ406側から風速と同等の風速で第3のダクト541からチャンバー412内に噴出させると、ヒートポンプ406の立ち上げ時間を第1ないし第3のヒータ500,510,520を使用しない場合に30分かかっていたのに対し、1分以下に低減することができる。なお、熱風送風装置525は、温度センサ503の検知温度が60℃を越えた時点で駆動を停止し、第2のヒータ510の目標制御温度を80℃に切り換える。
このように制御することにより、実施例1と同様のヒートポンプ406の立ち上げに必要であった目標制御温度120℃から立ち上げ完了後の目標制御温度80℃との差、
120℃−80℃=40℃
に対応する熱量4kWの低減が可能となるとともに、熱風送風装置の熱量2kWを低減することが可能となる。
また、実施例1と同様に湿度センサ405の検出により湿度が50%以下となった場合には、第2のヒータ510の目標制御温度を60℃にさらに下げる。これにより、
80℃−60℃=20℃
に対応する熱量2kWの低減が更に可能となる。その際、印字密度に対し過剰の熱量が付与されることがないので、用紙10の印字品質を阻害することなく良好なインク乾燥が可能となる。
なお、本実施例は、印刷速度が76m/minで印刷した例であるが、印刷速度を40m/min以下に落とした場合には、熱風送風装置525を前述の条件、すなわち、第3のヒータ520で加熱された熱風を100℃以上、ヒートポンプ406側から風速と同等の風速で第3のダクト541からチャンバー412内に噴出させるだけで、第1及び第2のヒータ500,510がなくとも、あるいは使用しなくとも十分な用紙乾燥と、迅速なヒートポンプ立ち上げが可能である。この場合、熱風送風装置525は、前述と同様に温度センサ503の検知温度が60℃を越えた時点で駆動を停止する。
その他、特に説明しない各部は、前述の実施例1と同様に構成され、同様に機能する。
実施例1では、ヒートポンプ406の立ち上がり特性を改善するために第1及び第2のヒータ500,510を設け、当該第1及び第2のヒータ500,510によって用紙11の非印字面側から直接加熱し、用紙10からの水分の蒸散を促し、実施例2では、第1及び第2のヒータ500,510に加え熱風送風装置525を併用するように構成した。本実施例3は、熱風送風装置525に代えて第1ダクト411出口に第4のヒータ550を設け、ヒートポンプ406の立ち上がり特性の向上を図った例である。
以下、本実施例3について図面を参照して説明する。なお、前述の実施例1と同一の各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図9は実施例3に係るインクジェット装置1の概略構成を示す図、図10はその右側面図で、前者は実施例1における図2に対応し、後者は実施例1における図3に対応する。本実施例3では、実施例1の第1ダクト411出口に第4のヒータ550を設け、ヒートポンプ406から第1ダクト411を通ってチャンバー412内に導かれる高温乾燥空気Ahをさらに加熱してチャンバー412内に供給するもので、温度センサ503を前記第4のヒータ550よりも上流側に設け、第4のヒータ550に流入する高温乾燥空気Ahの温度を取得する点を除いて、他の各部は実施例1と同一に構成され、同一の機能を有するので、重複する説明は省略する。また、システムの制御は前記第4のヒータ550に対してヒータ制御を行うヒータ制御部が設けられる点が異なるだけで、実施例1と同一である。
このように構成したインクジェット装置1によって実施例1と同様に用紙幅18inch、用紙秤量81g/m、印刷速度76m/minで印刷する場合、第1のヒータ及び第2のヒータ500,510の目標制御温度は実施例1と同様に初期状態で60℃及び120℃で、第4のヒータ550の目標制御温度は120℃である。この条件でヒートポンプ406の立ち上げ時間を第1、第2及び第4のヒータ500,510,550を使用しない場合に30分かかっていたのに対し、1分以下に低減することができる。なお、第3のヒータ550は、温度センサ503の検知温度が60℃を越えた時点で駆動を停止し、第2のヒータ510の目標制御温度を80℃に切り換える。
このように制御することにより、実施例1と同様のヒートポンプ406の立ち上げに必要であった目標制御温度120℃から立ち上げ完了後の目標制御温度80℃との差、
120℃−80℃=40℃
に対応する熱量4kWの低減が可能となるとともに、第3のヒータ550の熱量2kWを低減することが可能となる。
また、実施例1と同様に湿度センサ405の検出により湿度が50%以下となった場合には、第2のヒータ510の目標制御温度を60℃にさらに下げる。これにより、
80℃−60℃=20℃
に対応する熱量2kWの低減が更に可能となる。その際、印字密度に対し過剰の熱量が付与されることがないので、用紙10の印字品質を阻害することなく良好なインク乾燥が可能となる。
なお、本実施例は、印刷速度が76m/minで印刷した例であるが、印刷速度を40m/min以下に落とした場合には、第4のヒータ550を前述の条件、すなわち、第4のヒータ550の目標制御温度を120℃としてヒートポンプ406を運転するだけで、第1及び第2のヒータ500,510がなくとも、あるいは使用しなくとも十分な用紙乾燥と、迅速なヒートポンプ立ち上げが可能である。この場合も第4のヒータ550は、前述と同様に温度センサ503の検知温度が60℃を越えた時点でオフする。
その他、特に説明しない各部は、前述の実施例1と同様に構成され、同様に機能する。
なお、前記各実施例に示した図では、高温乾燥空気Ahは、用紙搬送方向と同方向に送風されるようになっているが、用紙搬送方向と対向する方向に送風しても良い。この場合、用紙搬送の搬送速度と逆方向なので、実際の送風速度は大きくなくとも、相対速度は大きくなる。そのため、送風速度をパラメータとした温度交換効率は逆方向送風の方が大きくなる。
また、前記乾燥室及び前記複数のダクトは熱伝導率が2W/(m・K)以下の低熱伝導率の材質から構成することが望ましい。
また、前記実施例では、搬送速度(印刷速度)として76m/minの例が挙げられているが、本願発明のインクジェット装置1では、一般的には75m/minから150m/minの印刷速度を想定し、前記乾燥室に供給される高温乾燥気体の温度として50℃〜100℃の範囲を想定している。
また、前記実施例では、印刷密度が高い場合には、第2のヒータ510の目標制御温度を高く、印刷密度が低い場合には、第2のヒータの目標制御温度を低くしているが、印刷密度が高い場合には、ヒートポンプ406の送風機420からの送風速度を印刷密度が低い場合より高速にする制御を併用することも可能である。
以上のように、本実施形態によれば、
(1)ヒートポンプ406の立ち上げ特性として、安定した温風を送風できるまで20分以上の時間(例えば30分)を要するが、用紙10の非印字面側から第1及び第2のヒータ500,510により用紙10を直接加熱するので、ヒートポンプ406の立ち上がり特性を著しく向上させることが可能となり、インクジェット式記録装置の高速化と効率的な運転が可能となる。(実施例1)
(2)用紙10の乾燥にヒートポンプ406と第1及び第2のヒータ500,510を併用するので、高温乾燥空気(除湿空気)Ahによる確実な乾燥と低消費電量化の両立を図ることができる。(実施例1)
(3)印刷密度(印刷カバレッジ)情報に基づいて、第2のヒータ510の目標制御温度を60℃に変更するので、更に低消費電力化を図ることができる。(実施例1,2,3)
(4)チャンバー412内に湿度センサ405を設け、チャンバー412内の湿度情報に基づいて第2のヒータ510の目標制御温度を下げるので、さらに低消費電力化が可能となるとともに、低湿度状況下での用紙10の過乾燥による変形を防止することにより、印字製品の品質を保証することができる。(実施例1,2,3)
(5)ヒートポンプ406の立ち上げ特性として、安定した温風を送風できるまで20分以上の時間(例えば30分)を要するが、用紙10の非印字面側から第1及び第2のヒータ500,510により用紙10を直接加熱し、熱風送風装置525によってさらに熱量をチャンバー412内に付与する(加熱する)ので、ヒートポンプ406の立ち上がり特性を実施例1よりもさらに向上させることが可能となり、インクジェット式記録装置の高速化と効率的な運転が可能となる。(実施例2)
(6)用紙10の乾燥にヒートポンプ406に加えて、第1及び第2のヒータ500,510及び熱風送風装置525を併用するので、高温乾燥空気(除湿空気)Ahによる確実な乾燥と低消費電量化の両立を図ることができる。その際、その際、低消費電力化については、前述の公知例のようなヒートポンプ406のみを使用した場合に比べて前記ヒータの目標制御温度の差に対応する低消費電力化を見込むことができる。(実施例2)
(7)ヒートポンプ406の立ち上げ特性として、安定した温風を送風できるまで20分以上の時間(例えば30分)を要するが、用紙10の非印字面側から第1及び第2のヒータ500,510により用紙10を直接加熱し、第4のヒータ550によってさらにチャンバー412内に供給される高温乾燥空気Ahに熱量を付与し、加熱するので、ヒートポンプ406の立ち上がり特性を実施例1よりもさらに向上させることが可能となり、インクジェット式記録装置の高速化と効率的な運転が可能となる。(実施例3)
(8)用紙10の乾燥にヒートポンプ406に加えて、第1及び第2のヒータ500,510及び第4のヒータ550を併用するので、高温乾燥空気(除湿空気)Ahによる確実な乾燥と低消費電量化の両立を図ることができる。その際、その際、低消費電力化については、前述の公知例のようなヒートポンプ406のみを使用した場合に比べて前記ヒータの目標制御温度の差に対応する低消費電力化を見込むことができる。(実施例3)
等の効果を奏する。
1 ジェット式記録装置
10 用紙
21,31 ロール紙
110 インクジェットヘッド
111 搬送路
120 制御部
123 データ格納部
400 用紙乾燥装置
406 ヒートポンプ
409 水滴
411,413 ダクト
412 チャンバー(乾燥室)
405 湿度センサ
500 第1のヒータ
503 温度センサ
510 第2のヒータ
520 第3のヒータ
525 熱風送風装置
550 第4のヒータ
Ah 高温乾燥空気
Aw 含湿空気
特開2002−361850号公報 特開2010−80340号公報

Claims (12)

  1. ール状に巻かれたシート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、搬送されてくる前記シート状記録媒体を加熱する付加熱源を備えた乾燥室と、
    前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを備え、前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、
    を有し、インクを記録ヘッドにより吐出して前記シート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置であって、
    前記付加熱源が、搬送中の前記シート状記録媒体の非印字面に接触して前記シート状記録媒体を加熱するヒータであり、
    前記ヒータが前記乾燥室の前記シート状記録媒体搬送方向上流側と下流側に独立して設置されていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. ロール状に巻かれたシート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、搬送されてくる前記シート状記録媒体を加熱する付加熱源を備えた乾燥室と、
    前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを備え、前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、
    を有し、インクを記録ヘッドにより吐出して前記シート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置であって、
    前記付加熱源が、搬送中の前記シート状記録媒体の非印字面に接触して前記シート状記録媒体を加熱するヒータであり、
    前記ヒータが前記乾燥室において前記シート状記録媒体を搬送する際に、当該シート状記録媒体を案内するガイドローラ内に設けられていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  3. 請求項記載のインクジェット式記録装置であって、
    前記ヒータが前記乾燥室の前記シート状記録媒体が搬送される面に設置されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  4. 請求項記載のインクジェット式記録装置であって、
    前記ヒータが前記乾燥室において前記シート状記録媒体を搬送する際に、当該シート状記録媒体を案内するガイドローラ内に設けられていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  5. ロール状に巻かれたシート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、搬送されてくる前記シート状記録媒体を加熱する付加熱源を備えた乾燥室と、
    前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを備え、前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、
    を有し、インクを記録ヘッドにより吐出して前記シート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置であって、
    前記付加熱源が、前記乾燥室に加熱空気を送り込む熱風送風装置であること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  6. ロール状に巻かれたシート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、搬送されてくる前記シート状記録媒体を加熱する付加熱源を備えた乾燥室と、
    前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを備え、前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、
    を有し、インクを記録ヘッドにより吐出して前記シート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置であって、
    前記付加熱源が、前記気体供給側の管路内ダクト出口に設けられ、当該ダクトから前記乾燥室に供給される高温乾燥気体を更に加熱するヒータであること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  7. ロール状に巻かれたシート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、搬送されてくる前記シート状記録媒体を加熱する付加熱源を備えた乾燥室と、
    前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを備え、前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、
    を有し、インクを記録ヘッドにより吐出して前記シート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置であって、
    前記乾燥室内の湿度を検出する湿度検出手段と、
    前記湿度検出手段の検出湿度に基づいて前記付加熱源の温度を制御する制御手段と、
    を更に備え、
    前記湿度検出手段が前記排気側のダクト近傍に配置され、当該ダクトから前記ヒートポンプ側に戻される含湿気体の湿度を検出すること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のインクジェット式記録装置であって、
    前記乾燥室内の湿度を検出する湿度検出手段と、
    前記湿度検出手段の検出湿度に基づいて前記付加熱源の温度を制御する制御手段と、
    を更に備えていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット式記録装置であって、
    前記乾燥室内に供給される高温乾燥気体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記付加熱源の温度を制御する制御手段と、
    を更に備えていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  10. 請求項記載のインクジェット式記録装置であって、
    前記温度検出手段が前記付加熱源の前記気体供給方向上流側または下流側に設置されていること
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  11. 請求項7ないし10のいずれか1項に記載のインクジェット式記録装置であって、
    前記制御手段は印刷密度が低い場合に、高い場合よりも前記付加熱源の温度を下げる制御を行うこと
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  12. インクを記録ヘッドにより吐出してシート状記録媒体上に印字画像を形成するインクジェット式記録装置における印字方法であって、
    前記インクジェット式記録装置は、
    ロール状に巻かれた前記シート状記録媒体の搬送路の前記記録ヘッドの下流側に設けられた乾燥室と、
    前記乾燥室に接続された複数のダクトを介して気体を循環させる用紙乾燥装置と、
    を備え、前記用紙乾燥装置が、前記シート状記録媒体から水分を移行させて戻ってきた含湿気体から水滴を分離し、高温に加熱した高温乾燥気体として前記乾燥室の気体供給側のダクトから前記乾燥室に供給し、当該乾燥室で前記シート状記録媒体の水分を当該高温乾燥気体側に移行させ、水分が移行した含湿気体を前記乾燥室の排気側のダクトから前記用紙乾燥装置内に戻すヒートポンプを含むとともに、前記乾燥室のシート状記録媒体搬送方向上流側と下流側にそれぞれ第1及び第2の付加熱源が設けられ、
    印字を開始するときに、データ格納部に格納された印刷のための基準データを読み込み、
    前記ヒートポンプのアイドリング運転を開始し、
    印刷開始前に前記乾燥室内に供給される高温乾燥気体の温度を温度検出手段によって検出し、
    検出された温度が印刷されたシート状記録媒体を乾燥可能な予め設定された温度より低い場合には、前記第2の付加熱源の温度を上げて、前記予め設定された温度より高い場合には第2の付加熱源の温度はそのままの状態で印刷を開始し、
    前記乾燥室内の湿度を検出する湿度検出手段によって検出された湿度が印刷密度に応じて予め設定された湿度より高い場合には、そのまま印刷を実行し、前記予め設定された湿度より低い場合には前記第2の付加熱源の温度を下げて印刷を実行すること
    を特徴とする印字方法
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