JP7056209B2 - 吐出装置 - Google Patents
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Description
(インクジェット記録装置10)
まず、インクジェット記録装置10について説明する。図1は、インクジェット記録装置10の構成を示す概略図である。
インクジェット記録装置10に使用されるインクとしては、例えば、水性インクが用いられる。水性インクは、水と、着色剤と、その他添加剤と、を有している。着色剤としては、例えば、顔料や染料が用いられる。
インクジェット記録装置10に使用される連続紙Pは、搬送方向に長さを有する長尺状の記録媒体である。連続紙Pとしては、用紙が用いられる。用紙としては、塗工紙、非塗工紙(普通紙)などがある。
搬送機構20は、連続紙Pを搬送する機構である。具体的には、搬送機構20は、図1に示されるように、巻出ロール22と、巻取ロール24と、複数の巻掛ロール26と、を有している。
吐出ユニット30は、搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部の一例である。具体的には、吐出ユニット30は、連続紙Pの表面(一方の面の一例)にインク滴(液滴の一例)を吐出するユニットである。さらに具体的には、吐出ユニット30は、図1に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を連続紙Pの表面に吐出する吐出ヘッド32Y、32M、32C、32K(以下、32Y~32Kという)を有している。
第一乾燥部50は、記録媒体の一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部の一例である。具体的には、第一乾燥部50は、吐出ユニット30からインク滴が吐出された連続紙Pの形成面に対して、非接触で光エネルギーを付与して画像部のインク滴を乾燥させる乾燥装置である。さらに具体的には、第一乾燥部50は、以下のように構成されている。
第二乾燥部60は、第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部の一例である。第二乾燥部60は、具体的には、第一乾燥部50でインク滴が乾燥された連続紙Pの非形成面のみに接触し、連続紙Pを加熱して連続紙Pを乾燥させる乾燥装置である。
冷却部70は、連続紙Pを冷却する機能を有している。具体的には、冷却部70は、連続紙Pの形成面に接触して連続紙Pを冷却する冷却ロール72を有している。冷却ロール72は、第二乾燥部60に対する搬送方向下流側に配置されている。冷却ロール72には、連続紙Pの形成面が冷却ロール72の外周面に接触するように、連続紙Pが巻き掛けられている。
第一搬送経路は、吐出ユニット30から第一乾燥部50までの搬送経路である。具体的には、第一搬送経路は、吐出ユニット30の吐出ヘッド32Yから吐出されるインク滴が付着される位置(開始位置)から第一乾燥部50の筐体52の入口54A(終了位置)までの経路である。第一搬送経路の終了位置は、第二乾燥部60において最上流側に配置された照射部53から照射される位置と把握してもよい。
第二搬送経路は、第一乾燥部50から第二乾燥部60までの搬送経路である。具体的には、第二搬送経路は、第一乾燥部50の筐体52の出口54B(開始位置)から第二乾燥部60の乾燥ドラム62に対して接触開始する位置(終了位置)までの経路である。第二搬送経路の開始位置は、第二乾燥部60において最下流側に配置された照射部53から照射される位置と把握してもよい。
第三搬送経路は、第二乾燥部60から冷却部70までの搬送経路である。具体的には、第三搬送経路は、第二乾燥部60の乾燥ドラム62から連続紙Pが離間を開始する位置(開始位置)から、冷却部70の冷却ロール72に対して連続紙Pが接触を開始する位置(終了位置)までの経路である。
インクジェット記録装置10によれば、巻出ロール22から巻取ロール24へ向けて搬送される連続紙Pの形成面に対して、吐出ユニット30からインク滴が吐出されて、形成面に画像が形成される。
第一乾燥部50は、図2に示されるように、連続紙Pの通路54を搬送される部分(以下、搬送部分という)に風を送る送風機55を備える構成であってもよい。
第一乾燥部としては、図3に示されるように、レーザ光を照射する照射部153を備える第一乾燥部150であってもよい。照射部153は、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射する。照射部153から照射されるレーザ光は、具体的には、近赤外域(0.7μm以上、1.4μm以下)の波長を有している。なお、インクのレーザ光の吸収率を高めるために、インクにレーザ光を吸収する吸収剤を添加してもよい。
第二乾燥部60は、図4に示されるように、連続紙Pの乾燥ドラム62に巻き掛けられた部分(以下、巻掛部分という)に風を送る送風機65を備える構成であってもよい。
第二搬送経路は、図5に示されるように、長さが可変とされる構成であってもよい。具体的には、第二搬送経路には、連続紙Pの非形成面が自らの外周面に接触する巻掛ロール26(以下、26Dという)が、巻掛ロール26Bに対する搬送方向下流側に配置されている。
本実施形態では、第二搬送経路において連続紙Pの非形成面で接触する接触部材の一例として、巻掛ロール26Bを用いたが、これに限られない。当該接触部材としては、連続紙Pの非形成面に接触して、連続紙Pを案内する案内部材(ガイド)であってもよい。例えば、案内部材は、回転せずに、連続紙Pが案内部材に対して滑りながら動く構成とされる。したがって、当該接触部材としては、回転する部材であってもよいし、回転しない部材であってもよい。
次に、第二実施形態に係るインクジェット記録装置200について説明する。図6は、第二実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。なお、第一実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
インクジェット記録装置200によれば、蒸発促進室202にて、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発が促進される。このため、連続紙Pが蒸発促進室202を経由せずに第一乾燥部50から第二乾燥部60へ直接送られる構成(第五比較例)に比べ、連続紙Pの画像部での水分量と、非画像部での水分量との差が小さくなる。これにより、本実施形態の構成によれば、第五比較例に比べ、連続紙Pの画像部と非画像部との収縮差が抑制され、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
第二実施形態においても、前述の第一乾燥部50の図2に示す第一変形例を適用してもよい。この場合において、送風機206に替えて、図7に示されるように、送風機55を用いて、風を送る構成としてもよい。この場合では、風は、例えば、第一乾燥部50に対する下流側に配置された蒸発促進室202から第一乾燥部50へ送られる構成とされる。
第二実施形態においても、前述の第二乾燥部60の図4に示す変形例を適用してもよい。この場合において、送風機206に替えて、図8に示されるように、送風機65を用いて、風を送る構成としてもよい。
第二実施形態では、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って、搬送方向下流側から上流側に向かって風が流れるように、通路212に風を送っていたが、これに限られない。送風機206は、搬送方向上流側から下流側に向かって風が流れるように、通路212に風を送ってもよい。また、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に対して、形成面の垂直方向へ風を当てるようにしてもよい。
蒸発促進室202を設けた場合と蒸発促進室202を設けなかった場合において、以下の条件にて、画像領域内に、2色重ね合わせの任意サイズの四角形状ベタ画像を形成した連続紙Pのしわの発生を評価した。連続紙Pのしわは目視によって確認した。
[条件]
・連続紙Pの搬送速度:50m/min
・連続紙P:OKトップコート+(王子製紙(株)製:坪量127.9g/m2)
・第一乾燥部50の通過後用紙温度:70℃
・乾燥ドラム62のドラム温度:110℃
・送風機65の温風温度:110℃
・蒸発促進室202での風温度:25℃
[評価結果]
図9に示されるように、第二搬送経路が1500mm、2000mmであるにおいて、蒸発促進室202を設けない場合では連続紙Pにしわが発生するのに対して、蒸発促進室202を設けた場合では連続紙Pにしわが発生しないことがわかった。このように、蒸発促進室202を設けることで、しわの発生を抑制できることがわかった。
また、蒸発促進室202を設けない場合では、第二搬送経路が2500mm以上ないと連続紙Pのしわの発生が抑えられないのに対して、蒸発促進室202を設けた場合では、第二搬送経路が1500mm以上であれば、連続紙Pのしわの発生が抑えられる。したがって、蒸発促進室202を設けることで、第二搬送経路の距離(第二搬送経路での搬送時間)を短くできることがわかった。
なお、図9に示す水分率は、水の吸収域の赤外線を照射することにより画像部の吸光度を測定可能な赤外線多成分計を、乾燥ドラム62直前に設置し、測定された吸光度と電気抵抗式水分率計による水分率との検量線を用いて、水分率に変換した値である。検量線は、あらかじめ所定の水分を含ませた複数の用紙サンプルにて、前記赤外線多成分計による吸光度と、電気抵抗式紙水分率計による水分率とを対応させることによって作成する。
次に、第三実施形態に係るインクジェット記録装置300について説明する。図10は、第三実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。なお、第一実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
インクジェット記録装置300によれば、蒸発促進室302にて、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発が促進される。このため、連続紙Pが蒸発促進室302を経由せずに第一乾燥部50から第二乾燥部60へ直接送られる構成(第十比較例)に比べ、連続紙Pの画像部での水分量と、非画像部での水分量との差が小さくなる。これにより、本実施形態の構成によれば、第十比較例に比べ、連続紙Pの画像部と非画像部との収縮差が抑制され、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
図16に示されるように、外縁338と第一対向壁311との間に開口部350が形成される構成であってもよい。この開口部350は、外縁338に対する搬送方向上流側に配置されている。また、開口部350は、連続紙Pの幅方向に長さを有する矩形状に形成されている。開口部350の連続紙Pの幅方向に沿った長さは、例えば、送風口326の連続紙Pの幅方向に沿った長さと同じ長さとされる。なお、開口部350の長手方向の両端部は、開放されていてもよいし、第一対向壁311で閉じられていてもよい。
図18に示されるように、蒸発促進室302は、流通路318を搬送方向上流側と搬送方向下流側とに仕切る仕切板360を有していてもよい。仕切板360は、搬送方向に沿って複数(具体的には、3枚)が配置されている。各仕切板360は、第一対向壁311側から連続紙Pの形成面側へ向かって設けられている。具体的には、各仕切板360は、第一対向壁311から上方に向かって延び出ている。
第三実施形態では、送風口326は、連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かって送風していたが、これに限られない。送風口326は、連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向下流側へ向かって送風する構成であってもよい。
26B 巻掛ロール(接触部材の一例)
30 吐出ユニット(吐出部の一例)
50 第一乾燥部
55 送風機
60 第二乾燥部
202、302 蒸発促進室(促進室の一例)
306 送風機
311 第一対向壁(対向壁の一例)
312 第二対向壁(壁部の一例)
326 送風口
329 排出口
338 外縁
350 開口部
360 仕切板
362 通風路
366 隙間
P 連続紙(記録媒体の一例)
Claims (13)
- 搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部と、
前記一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、
前記第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、
前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に配置され、前記液滴の水分の蒸発を促進する促進室と、
を備え、
前記促進室では、前記一方の面に沿って風を送り、
前記促進室に送る風の風速を、前記記録媒体の搬送速度に応じて変更する
吐出装置。 - 搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部と、
前記一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、
前記第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、
前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に配置され、前記液滴の水分の蒸発を促進する促進室と、
を備え、
前記促進室では、前記一方の面に沿って風を送り、
前記促進室は、
前記一方の面に沿って配置され、前記一方の面に対向する対向壁と、
前記対向壁側から前記一方の面に対して斜めに且つ前記記録媒体の搬送方向上流側へ向かって送風する送風口と、
を有する
吐出装置。 - 前記送風口における搬送方向上流側又は前記対向壁側の外縁が、前記対向壁と前記一方の面との間の空間よりも前記対向壁側に配置されている
請求項2に記載の吐出装置。 - 前記送風口における搬送方向上流側又は前記対向壁側の外縁と前記対向壁との間には、開口部が形成されている
請求項2又は3に記載の吐出装置。 - 前記促進室は、
前記対向壁側から前記一方の面側へ向かって設けられ、前記対向壁と前記一方の面との間の空間を搬送方向上流側と搬送方向下流側とに仕切り、前記一方の面側の端部と前記一方の面との間に前記一方の面に沿った通風路を形成する仕切板
を有する
請求項2~4のいずれか1項に記載の吐出装置。 - 前記仕切板は、前記送風口の送風方向に沿って前記一方の面に対して斜めに配置されている
請求項5に記載の吐出装置。 - 前記仕切板と前記対向壁との間には、隙間が形成されている
請求項5又は6に記載の吐出装置。 - 前記促進室は、前記対向壁と前記一方の面との間の空間を流通した風が該空間から排出される排出口を有し、
前記仕切板は、前記排出口よりも前記送風口に近い位置に配置されている
請求項5~7のいずれか1項に記載の吐出装置。 - 前記促進室は、前記他方の面に沿って配置された壁部を有する
請求項2~8のいずれか1項に記載の吐出装置。 - 前記第一乾燥部は、前記記録媒体での吸収率よりも前記液滴での吸収率が高い波長の光を前記一方の面に照射する
請求項1~9のいずれか1項に記載の吐出装置。 - 前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路には、前記記録媒体の一方の面に接触する接触部材が配置されていない
請求項1~10のいずれか1項に記載の吐出装置。 - 前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路には、前記記録媒体に対して前記他方の面で接触する接触部材のみが配置されている
請求項11に記載の吐出装置。 - 前記第一乾燥部及び前記第二乾燥部の少なくとも一方は、前記記録媒体に風を送る送風機を備え、
該送風機によって、前記促進室において前記一方の面に沿って風を送る
請求項1~12のいずれか1項に記載の吐出装置。
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