JP7056209B2 - 吐出装置 - Google Patents

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JP7056209B2
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Description

本発明は、吐出装置に関する。
特許文献1には、記録媒体の印刷面に対して一次乾燥処理を行なう非接触乾燥手段と、一次乾燥処理が行なわれた記録媒体の印刷面に対して二次乾燥処理を行ない、記録媒体に生じたしわを取るしわ取り手段を備える接触乾燥手段と、を有するインクジェットプリンタが開示されている。当該接触乾燥手段は、ヒートローラと圧着ローラとで構成されており、ヒートローラと圧着ローラとで記録媒体を挟んで乾燥処理を行う。
特開2013-28022号公報
ここで、記録媒体の一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、を備える構成において、第二乾燥部が記録媒体を一方の面及び他方の面から挟んで該記録媒体を乾燥させると、記録媒体にしわが発生する場合がある。
本発明は、記録媒体の一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、を備える吐出装置において、第二乾燥部が記録媒体を一方の面及び他方の面から挟んで該記録媒体を乾燥させる構成に比べ、記録媒体のしわの発生を抑制できるようにすることを目的とする。
第1態様は、搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部と、前記一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、前記第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、を備える。
第2態様では、前記第一乾燥部は、前記記録媒体での吸収率よりも前記液滴での吸収率が高い波長の光を前記一方の面に照射する。
第3態様では、前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に、前記記録媒体の一方の面に接触する接触部材が配置されていない。
第4態様では、前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に、前記記録媒体に対して前記他方の面で接触する接触部材のみが配置されている。
第5態様は、前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に配置され、前記液滴の水分の蒸発を促進する促進室を備える。
第6態様では、前記促進室で、前記一方の面に沿って風を送る。
第7態様では、前記第一乾燥部及び前記第二乾燥部の少なくとも一方は、前記記録媒体に風を送る送風機を備え、該送風機によって、前記促進室において前記一方の面に沿って風を送る。
第8態様では、前記促進室に送る風の風速を、前記記録媒体の搬送速度に応じて変更する。
第9態様では、前記促進室は、前記一方の面に沿って配置され、前記一方の面に対向する対向壁と、前記対向壁側から前記一方の面に対して斜めに且つ前記記録媒体の搬送方向上流側へ向かって送風する送風口と、を有する。
第10態様では、前記送風口における搬送方向上流側又は前記対向壁側の外縁が、前記対向壁と前記一方の面との間の空間よりも前記対向壁側に配置されている。
第11態様では、前記送風口における搬送方向上流側又は前記対向壁側の外縁と前記対向壁との間に、開口部が形成されている。
第12態様では、前記促進室は、前記対向壁側から前記一方の面側へ向かって設けられ、前記対向壁と前記一方の面との間の空間を搬送方向上流側と搬送方向下流側とに仕切り、前記一方の面側の端部と前記一方の面との間に前記一方の面に沿った通風路を形成する仕切板を有する。
第13態様では、前記仕切板は、前記送風口の送風方向に沿って前記一方の面に対して斜めに配置されている。
第14態様では、前記仕切板と前記対向壁との間に、隙間が形成されている。
第15態様では、前記促進室は、前記対向壁と前記一方の面との間の空間を流通した風が該空間から排出される排出口を有し、前記仕切板は、前記排出口よりも前記送風口に近い位置に配置されている。
第16態様では、前記促進室は、前記他方の面に沿って配置された壁部を有する。
第1態様の構成によれば、記録媒体の一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、を備える吐出装置において、第二乾燥部が記録媒体を一方の面及び他方の面から挟んで該記録媒体を乾燥させる構成に比べ、記録媒体のしわの発生を抑制できる。
第2態様の構成によれば、記録媒体での吸収率と液滴での吸収率とが同じ波長の光を一方の面に照射する構成に比べ、記録媒体のしわの発生を抑制できる。
第3態様の構成によれば、記録媒体の一方の面に接触する接触部材が第一乾燥部から第二乾燥部までの経路に配置されている構成に比べ、記録媒体に付着した液滴が擦れることを抑制できる。
第4態様の構成によれば、第一乾燥部から第二乾燥部までの経路において記録媒体に対して非接触である構成に比べ、記録媒体に付着した液滴が擦れることを抑制しつつ、第一乾燥部から第二乾燥部までの経路において記録媒体の搬送方向を変更することができる。
第5態様の構成によれば、記録媒体が促進室を経由せずに第一乾燥部から第二乾燥部へ直接送られる構成に比べ、記録媒体のしわの発生を抑制できる。
第6態様の構成によれば、他方の面に沿って風を送る構成に比べ、液滴の水分の蒸発が促進される。
第7態様の構成によれば、第一乾燥部及び第二乾燥部の少なくとも一方が備える送風機とは別の送風機で促進室において風を送る構成に比べ、部品点数を低減できる。
第8態様の構成によれば、風の風速が一定である構成に比べ、搬送速度が変更された場合でも水分の蒸発を促進させることができる。
第9態様の構成によれば、記録媒体の搬送方向下流側へ向かって送風する構成に比べ、記録媒体からの液滴の水分の蒸発が促進される。
第10態様の構成によれば、外縁が、対向壁と一方の面との間の空間へ張り出している構成に比べ、風の流通抵抗を低減できる。
第11態様の構成によれば、外縁と対向壁とが隙間なく連結されている構成に比べ、風量を増加できる。
第12態様の構成によれば、対向壁のみで一方の面に沿った通風路を形成する構成に比べ、対向壁と記録媒体との間の空間における湿度の上昇を抑制しつつ、風速を高めることができる。
第13態様の構成によれば、送風口の送風方向に対する交差方向に沿って一方の面に対して斜めに配置されている構成に比べ、風の流通抵抗を低減できる。
第14態様の構成によれば、仕切板と対向壁とが隙間なく連結されている構成に比べ、対向壁と記録媒体との間の空間における湿度の上昇を抑制できる。
第15態様の構成によれば、仕切板が送風口よりも排出口に近い位置に配置されている構成に比べ、風速を高めることができる。
第16態様の構成によれば、一方の面に沿った壁のみが設けられた構成に比べ、風量を多くできる。
第一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。 第一実施形態に係る第一乾燥部の第一変形例の構成を示す概略図である。 第一実施形態に係る第一乾燥部の第二変形例の構成を示す概略図である。 第一実施形態に係る第二乾燥部の変形例の構成を示す概略図である。 第一実施形態に係る第二搬送経路の変形例の構成を示す概略図である。 第二実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。 第二実施形態の第一変形例の構成を示す概略図である。 第二実施形態の第二変形例の構成を示す概略図である。 評価結果を示す表である。 第三実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。 第三実施形態に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 比較例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 比較例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第一変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第一変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第二変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第二変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第二変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第二変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第二変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。 第三実施形態の第二変形例に係るインクジェット記録装置の構成の一部を拡大して示す概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
《第一実施形態》
(インクジェット記録装置10)
まず、インクジェット記録装置10について説明する。図1は、インクジェット記録装置10の構成を示す概略図である。
インクジェット記録装置10は、液滴を吐出する吐出装置の一例である。具体的には、インクジェット記録装置10は、記録媒体にインク滴を吐出する装置である。さらに具体的には、インクジェット記録装置10は、連続紙P(記録媒体の一例)にインク滴を吐出して連続紙Pに画像を形成する装置である。換言すれば、インクジェット記録装置10は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置の一例ともいえる。
インクジェット記録装置10は、図1に示されるように、搬送機構20と、吐出ユニット30(吐出部の一例)と、第一乾燥部50と、第二乾燥部60と、冷却部70と、を備えている。以下、インクジェット記録装置10に使用されるインク及び連続紙Pと、インクジェット記録装置10の各部(搬送機構20、吐出ユニット30、第一乾燥部50、第二乾燥部60及び冷却部70)と、連続紙Pの搬送経路と、について説明する。
(インク)
インクジェット記録装置10に使用されるインクとしては、例えば、水性インクが用いられる。水性インクは、水と、着色剤と、その他添加剤と、を有している。着色剤としては、例えば、顔料や染料が用いられる。
インクは、記録媒体に浸透する性質を有している。なお、インクとしては、記録媒体に浸透する性質を有するものであればよい。
(連続紙P)
インクジェット記録装置10に使用される連続紙Pは、搬送方向に長さを有する長尺状の記録媒体である。連続紙Pとしては、用紙が用いられる。用紙としては、塗工紙、非塗工紙(普通紙)などがある。
記録媒体は、インクが浸透する性質を有している。なお、記録媒体としては、枚葉紙(カット紙)であってもよく、インクが浸透する性質を有するものであればよい。
(搬送機構20)
搬送機構20は、連続紙Pを搬送する機構である。具体的には、搬送機構20は、図1に示されるように、巻出ロール22と、巻取ロール24と、複数の巻掛ロール26と、を有している。
巻出ロール22は、連続紙Pを巻き出すロールである。巻出ロール22には、予め連続紙Pが巻き付けられている。巻出ロール22は、回転することで、巻き付けられた連続紙Pを巻き出す。
複数の巻掛ロール26は、連続紙Pが巻き掛けられるロールである。具体的には、複数の巻掛ロール26は、巻出ロール22と巻取ロール24との間で連続紙Pに巻き掛けられている。これにより、巻出ロール22から巻取ロール24までの連続紙Pの搬送経路が定められている。換言すれば、複数の巻掛ロール26は、連続紙Pに接触する接触部材ともいえる。
巻取ロール24は、連続紙Pを巻き取るロールである。巻取ロール24は、駆動部28によって回転駆動される。これにより、巻取ロール24が連続紙Pを巻き取ると共に、巻出ロール22が連続紙Pを巻き出す。そして、連続紙Pは、巻取ロール24で巻き取られると共に、巻出ロール22によって巻き出されることで、搬送される。複数の巻掛ロール26は、搬送される連続紙Pに従動して回転する。なお、各図では、連続紙Pの搬送方向(以下、単に「搬送方向」という場合がある)を、適宜、矢印Aにて示している。
また、連続紙Pの搬送速度は、100m/min以下、20m/min以上の範囲に設定される。また、本実施形態では、搬送速度は、10m/minおきに変更可能となっている。
(吐出ユニット30)
吐出ユニット30は、搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部の一例である。具体的には、吐出ユニット30は、連続紙Pの表面(一方の面の一例)にインク滴(液滴の一例)を吐出するユニットである。さらに具体的には、吐出ユニット30は、図1に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を連続紙Pの表面に吐出する吐出ヘッド32Y、32M、32C、32K(以下、32Y~32Kという)を有している。
なお、インク滴が吐出される連続紙Pの表面は、連続紙Pに付着したインク滴により画像が形成される面であるので、以下、当該表面を「形成面」という。また、形成面の反対側の面を「非形成面」という。
吐出ヘッド32Y~32Kは、この順で、連続紙Pの搬送方向の上流側へ向かって配置されている。各吐出ヘッド32Y~32Kは、連続紙Pの幅方向(連続紙Pの搬送方向と交差する交差方向)に長さを有している。各吐出ヘッド32Y~32Kは、サーマル方式、圧電方式等の公知の方式にて、インク滴を吐出する。これにより、連続紙Pに画像が形成される。
なお、以下、連続紙Pにおいて、インク滴が吐出されて画像が形成された部分を「画像部」という。また、連続紙Pにおいて、画像が形成されていない部分を「非画像部」という。
(第一乾燥部50)
第一乾燥部50は、記録媒体の一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部の一例である。具体的には、第一乾燥部50は、吐出ユニット30からインク滴が吐出された連続紙Pの形成面に対して、非接触で光エネルギーを付与して画像部のインク滴を乾燥させる乾燥装置である。さらに具体的には、第一乾燥部50は、以下のように構成されている。
第一乾燥部50は、吐出ユニット30に対する搬送方向下流側に配置されている。したがって、第一乾燥部50には、吐出ユニット30でインク滴が吐出されて画像が形成された連続紙Pが搬送される。
さらに、第一乾燥部50は、筐体52と、筐体52の内部に配置された照射部53と、を有している。筐体52の内部には、連続紙Pが搬送される通路54と、照射部53が配置された配置領域56と、が形成されている。
通路54は、図1における上下方向に沿って形成されている。また、通路54は、連続紙Pが導入される入口54Aと、連続紙Pが導出される出口54Bと、を有している。通路54と配置領域56との間には、金網57が配置されている。金網57は、通路54を搬送される連続紙Pが照射部53に接触することを抑制する機能を有する。
通路54では、連続紙Pの形成面が照射部53に向けられた状態で、連続紙Pが搬送される。
照射部53は、連続紙Pの形成面に光を照射するランプで構成されている。照射部53は、通路54に沿って複数配置されている。換言すれば、照射部53は、連続紙Pの通路54での搬送方向に沿って複数配置されている。
照射部53は、連続紙Pの形成面に光を照射して、インク滴の水分及び連続紙Pの水分を光エネルギーにて加熱し、該水分を蒸発(気化)させてインク滴及び連続紙Pを乾燥させる。
具体的には、照射部53は、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射する。さらに具体的には、照射部53は、当該光として赤外線を形成面に照射する。さらに具体的には、照射部53は、近赤外線を形成面に照射する。さらに具体的には、照射部53は、例えば、2μm以上2.5μm以下の範囲の波長の光を形成面に照射する。
このように、第一乾燥部50では、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射することで、連続紙Pの非画像部よりも画像部で水分を蒸発させる。換言すれば、連続紙Pの非画像部よりも画像部で乾燥させる。
なお、照射部53の出力は、第一乾燥部50に対する搬送方向下流側(後述の第二搬送経路)に配置された温度センサ59で検出された連続紙Pの温度に基づき制御される。温度センサ59には、例えば、非接触で放射温度を検出する検出センサが用いられる。
また、第一乾燥部50は、蒸発した水分の除去、及び照射部53の過熱を抑制するために、第一乾燥部50内の通路54、及び照射部53に風を送る構成を有するのがよい。
(第二乾燥部60)
第二乾燥部60は、第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部の一例である。第二乾燥部60は、具体的には、第一乾燥部50でインク滴が乾燥された連続紙Pの非形成面のみに接触し、連続紙Pを加熱して連続紙Pを乾燥させる乾燥装置である。
さらに具体的には、第二乾燥部60は、乾燥ドラム62を有している。乾燥ドラム62は、例えば、金属製で円筒状のドラムで構成されている。第二乾燥部60では、乾燥ドラム62の内部に配置されたハロゲンランプ等の熱源によって、ドラム表面が加熱される。
乾燥ドラム62は、第一乾燥部50に対する搬送方向下流側に配置されている。乾燥ドラム62には、連続紙Pの非形成面が乾燥ドラム62の外周面に接触するように、連続紙Pが巻き掛けられている。
そして、第二乾燥部60では、連続紙Pにおける第一乾燥部50でインク滴が乾燥された部分が乾燥ドラム62に搬送され、該部分の非形成面が乾燥ドラム62で加熱されて、該連続紙Pが乾燥される。なお、乾燥ドラム62の表面温度は、例えば、70℃以上150℃以下の範囲で設定される。
このように、第二乾燥部60は、乾燥ドラム62が、連続紙Pの非形成面のみに接触し、連続紙Pを加熱して連続紙Pを乾燥させる。換言すれば、第二乾燥部60は、連続紙Pの形成面に接触する接触部材を有していない。さらに換言すれば、第二乾燥部60では、連続紙Pを形成面と非形成面とで挟むことがない。さらに換言すれば、第二乾燥部60では、乾燥ドラム62に非形成面が押し付けられることがない。
(冷却部70)
冷却部70は、連続紙Pを冷却する機能を有している。具体的には、冷却部70は、連続紙Pの形成面に接触して連続紙Pを冷却する冷却ロール72を有している。冷却ロール72は、第二乾燥部60に対する搬送方向下流側に配置されている。冷却ロール72には、連続紙Pの形成面が冷却ロール72の外周面に接触するように、連続紙Pが巻き掛けられている。
そして、冷却部70では、連続紙Pにおける第二乾燥部60で連続紙Pが乾燥された部分が冷却ロール72に搬送され、該部分の形成面が冷却ロール72で冷却される。
(連続紙Pの第一搬送経路)
第一搬送経路は、吐出ユニット30から第一乾燥部50までの搬送経路である。具体的には、第一搬送経路は、吐出ユニット30の吐出ヘッド32Yから吐出されるインク滴が付着される位置(開始位置)から第一乾燥部50の筐体52の入口54A(終了位置)までの経路である。第一搬送経路の終了位置は、第二乾燥部60において最上流側に配置された照射部53から照射される位置と把握してもよい。
第一搬送経路では、前述の巻掛ロール26(以下、26Aという)の外周面に連続紙Pの非形成面が接触するように、連続紙Pが巻掛ロール26Aに巻き掛けられている。
これにより、第一搬送経路では、連続紙Pは、吐出ユニット30と第一乾燥部50との間で、搬送方向(搬送される向き)が変更される。具体的には、連続紙Pの搬送方向は、吐出ヘッド32Y~32Kの吐出面32Sに沿った第一方向から、吐出面32Sに対する交差方向において吐出面32Sから遠ざかる第二方向へ変更される。換言すれば、第二方向は、第一方向に搬送される連続紙Pの形成面に対する非形成面側の方向ともいえる。
さらに、第一方向は、吐出ユニット30から連続紙Pが排出される方向でもある。また、第二方向は、連続紙Pが第一乾燥部50へ進入する方向である。したがって、第一搬送経路では、吐出ユニット30から連続紙Pが排出される方向と、連続紙Pが第一乾燥部50へ進入する方向とが異なっている。
吐出ユニット30から第一乾燥部50までの第一搬送経路は、搬送機構20で設定される搬送速度の設定範囲において、吐出ユニット30から吐出されたインク滴が、連続紙Pの内部に浸透し切る前に、連続紙Pの画像部が第一乾燥部50に搬送される長さに設定されている。
換言すれば、第一搬送経路は、搬送機構20で設定される搬送速度の設定範囲において、吐出ユニット30から吐出されたインク滴が、連続紙Pの形成面に存在する状態で、画像部が第一乾燥部50に搬送される長さに設定されている。
このように、第一搬送経路の長さが設定されるのは、第一乾燥部50で照射される光をインク滴に吸収させて、インク滴のより多くの水分を蒸発させるためである。この観点から、第一搬送経路の長さは、極力、短いことが望ましい。
(連続紙Pの第二搬送経路)
第二搬送経路は、第一乾燥部50から第二乾燥部60までの搬送経路である。具体的には、第二搬送経路は、第一乾燥部50の筐体52の出口54B(開始位置)から第二乾燥部60の乾燥ドラム62に対して接触開始する位置(終了位置)までの経路である。第二搬送経路の開始位置は、第二乾燥部60において最下流側に配置された照射部53から照射される位置と把握してもよい。
ここで、第二搬送経路には、連続紙Pの形成面に接触する接触部材が配置されていない。当該接触部材には、例えば、外周面が連続紙Pの形成面に接触するように、連続紙Pに巻き掛けられる巻掛ロール26が含まれる。
そして、第二搬送経路には、連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材が配置されている。具体的には、連続紙Pの非形成面が自らの外周面に接触するように、連続紙Pが巻き掛けられる前述の巻掛ロール26(以下、26Bという)が第二搬送経路に配置されている。すなわち、巻掛ロール26は、連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材の一例である。
以上のように、第二搬送経路には、連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材のみが配置されている。なお、「連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材のみが配置されている構成」とは、「連続紙Pに接触する接触部材としては、連続紙Pの非形成面に接触する接触部材のみが配置されている構成」を意味する。したがって、連続紙Pに対して非接触である部材が、連続紙Pの形成面に対向して配置されていてもよい。
前述の巻掛ロール26Bは、換言すれば、第一乾燥部50に対する搬送方向下流側であって、第二乾燥部60に対する搬送方向上流側において、連続紙Pが巻き掛けられている。これにより、第二搬送経路では、連続紙Pは、第一乾燥部50と第二乾燥部60との間で、搬送方向(搬送される向き)が変更される。具体的には、連続紙Pの搬送方向は、第一乾燥部50の通路54に沿った第三方向から、通路54に対する交差方向において照射部53から遠ざかる第四方向へ変更される。
第四方向は、換言すれば、第三方向に搬送される連続紙Pの形成面に対する非形成面側の方向ともいえる。
具体的には、第三方向は、下方向(下側に向かう方向)である。また、第三方向は、第一搬送経路における前述の第二方向と同じ方向である。
また、第四方向は、略水平方向である。第四方向は、横方向ともいえる。さらに第四方向は、図1における右側から左側に向かう方向でもある。
さらに、第三方向は、第一乾燥部50から連続紙Pが排出される方向でもある。また、第四方向は、連続紙Pが第二乾燥部60へ進入する方向である。したがって、第二搬送経路では、第一乾燥部50から連続紙Pが排出される方向と、連続紙Pが第二乾燥部60へ進入する方向とが異なっている。
第二搬送経路は、搬送機構20で設定される搬送速度の設定範囲において、連続紙Pの画像部が第二乾燥部60に到達する前に、第一乾燥部50の照射部53から光を照射されたインク滴の水分の蒸発が充分に行われる長さに設定されている。
インク滴の水分の蒸発が充分に行われた状態とは、少なくとも、連続紙Pの画像部に含まれる水分と、連続紙Pの非画像部に含まれる水分との差が小さくなる状態をいう。さらに、インク滴の水分の蒸発が充分に行われた状態とは、画像部と非画像部との水分差の起因する第二乾燥部60での乾燥時の収縮差によるしわが見られない程度に、画像部と非画像部との水分差が小さくなる状態をいう。
このように、第二搬送経路の長さを設定することで、第二搬送経路の長さは、第一搬送経路の長さよりも長くなる。
(連続紙Pの第三搬送経路)
第三搬送経路は、第二乾燥部60から冷却部70までの搬送経路である。具体的には、第三搬送経路は、第二乾燥部60の乾燥ドラム62から連続紙Pが離間を開始する位置(開始位置)から、冷却部70の冷却ロール72に対して連続紙Pが接触を開始する位置(終了位置)までの経路である。
第三搬送経路では、前述の巻掛ロール26(以下、26Cという)の外周面に連続紙Pの形成面が接触するように、連続紙Pが巻掛ロール26Cに巻き掛けられている。すなわち、第二乾燥部60に対する搬送方向下流側であって、冷却部70に対する搬送方向上流側の間で、連続紙Pが巻掛ロール26Cに巻き掛けられている。
すなわち、本実施形態では、連続紙Pは、吐出ユニット30に対する搬送方向下流側では、第三搬送経路において、最初に形成面に接触される。
(第一実施形態の作用)
インクジェット記録装置10によれば、巻出ロール22から巻取ロール24へ向けて搬送される連続紙Pの形成面に対して、吐出ユニット30からインク滴が吐出されて、形成面に画像が形成される。
連続紙Pの画像部は、第一搬送経路を経て第一乾燥部50へ搬送される。第一乾燥部50では、連続紙Pの形成面に対して、非接触で光エネルギーを付与されて、画像部のインク滴が乾燥される。
具体的には、第一乾燥部50の照射部53が、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射して、画像部のインク滴を乾燥させる。
さらに、連続紙Pの画像部は、第二搬送経路を経て第二乾燥部60へ搬送される。第二乾燥部60では、連続紙Pの非形成面のみに接触する乾燥ドラム62が、該非形成面を加熱して、連続紙Pが乾燥される。そして、連続紙Pは、冷却部70で冷却された後、巻取ロール24に巻き取られる。
ここで、第二乾燥部60が連続紙Pを形成面及び非形成面から挟んで連続紙Pを乾燥させる構成(第一比較例)の場合では、連続紙Pに局所的に圧力が付与されて、連続紙Pにしわが発生する場合がある。
これに対して、本実施形態では、乾燥ドラム62は、連続紙Pの非形成面のみに接触するため、第一比較例に比べ、記録媒体のしわの発生が抑制される。
また、本実施形態では、第一乾燥部50の照射部53が、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射して、インク滴の水分及び連続紙Pの水分を光エネルギーにて加熱し、該水分を蒸発させてインク滴及び連続紙Pを乾燥させる。
ここで、連続紙Pでの吸収率とインク滴での吸収率とが同じ波長の光を形成面に照射する構成(第二比較例)では、以下のように、第二乾燥部60にて、連続紙Pにしわが発生する場合がある。連続紙Pの画像部では、インク滴の水分が連続紙Pに浸透し、連続紙Pの繊維(セルロース)同士の水素結合を切断して膨潤する。連続紙Pが含有する水分(連続紙Pに浸透したインク滴の水分を含む)が蒸発すると、連続紙Pの繊維(セルロース)の切断された水素結合が再結合して、連続紙Pが収縮する。
一方、連続紙Pの非画像部では、連続紙Pが含有する水分が蒸発することで、連続紙Pが収縮する。
そして、連続紙Pの画像部では、インク滴の水分が浸透する分、連続紙Pの非画像部よりも水分量が多くなるが、第二比較例では、連続紙Pでの吸収率とインク滴での吸収率とが同じ波長の光を形成面に照射するため、連続紙Pの画像部での水分量と、非画像部での水分量との差が小さくなりにくい。
このため、連続紙Pの画像部と非画像部において、第二乾燥部60において水分が蒸発した際に、収縮差が生じて、連続紙Pにしわが発生する場合がある。
これに対して、本実施形態では、第一乾燥部50の照射部53が、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射するので、第二比較例に比べ、連続紙Pの画像部での水分量と、非画像部での水分量との差が小さくなる。これにより、本実施形態の構成によれば、第二比較例に比べ、連続紙Pの画像部と非画像部との収縮差が抑制され、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
また、本実施形態では、第二搬送経路には、連続紙Pの形成面に接触する接触部材が配置されていない。このため、連続紙Pの形成面に接触する接触部材が第二搬送経路に配置されている構成(第三比較例)に比べ、連続紙Pに付着したインク滴が擦れることが抑制される。これにより、連続紙Pの画像乱れが抑制される。
また、本実施形態では、第二搬送経路には、連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材のみが配置されている。このため、第二搬送経路において連続紙Pに対して非接触である構成(第四比較例)に比べ、連続紙Pに付着したインク滴が擦れることを抑制しつつ、第二搬送経路において連続紙Pの搬送方向を変更可能となる。なお、本実施形態では、第二搬送経路において、連続紙Pの搬送方向は、第一乾燥部50の通路54に沿った第三方向から、通路54に対する交差方向において照射部53から遠ざかる第四方向へ変更される構成とされている。
(第一乾燥部50の第一変形例)
第一乾燥部50は、図2に示されるように、連続紙Pの通路54を搬送される部分(以下、搬送部分という)に風を送る送風機55を備える構成であってもよい。
送風機55は、連続紙Pの搬送部分の形成面に対して風を当てるように、通路54に風を送る。具体的には、送風機55は、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って、搬送方向下流側から上流側に向かって風が流れるように、通路54に風を送る。これにより、インク滴の乾燥が促進される。
なお、送風機55から通路54に送られる風を加熱部(図示省略)で加熱して、温風を通路54に送る構成であってもよい。
(第一乾燥部50の第二変形例)
第一乾燥部としては、図3に示されるように、レーザ光を照射する照射部153を備える第一乾燥部150であってもよい。照射部153は、連続紙Pでの吸収率よりもインク滴での吸収率が高い波長の光を形成面に照射する。照射部153から照射されるレーザ光は、具体的には、近赤外域(0.7μm以上、1.4μm以下)の波長を有している。なお、インクのレーザ光の吸収率を高めるために、インクにレーザ光を吸収する吸収剤を添加してもよい。
照射部153としては、例えば、面発光レーザ(VCSEL)を連続紙Pの搬送方向及び幅方向に複数配置した構成とされる。この構成では、面発光レーザの個々の素子の発光を制御して、連続紙Pに対するレーザ光の照射量を調整する構成としてもよい。
さらに、本構成においても、図2に示す第一変形例と同様に、第一乾燥部150を搬送される部分に風を当てる構成としてもよい。
(第二乾燥部60の変形例)
第二乾燥部60は、図4に示されるように、連続紙Pの乾燥ドラム62に巻き掛けられた部分(以下、巻掛部分という)に風を送る送風機65を備える構成であってもよい。
送風機65は、例えば、連続紙Pの巻掛部分に対向して、乾燥ドラム62の周方向に沿って複数配置されている。送風機65は、連続紙Pの巻掛部分の形成面に対して風を当てる。これにより、連続紙Pの乾燥が促進される。
なお、送風機65から連続紙Pに当てる風を加熱部(図示省略)で加熱して、温風を連続紙Pに当てる構成であってもよい。また、連続紙Pの巻掛部分に沿って乾燥ドラム62の周方向へ風を送る構成であってもよい。
(第二搬送経路の変形例)
第二搬送経路は、図5に示されるように、長さが可変とされる構成であってもよい。具体的には、第二搬送経路には、連続紙Pの非形成面が自らの外周面に接触する巻掛ロール26(以下、26Dという)が、巻掛ロール26Bに対する搬送方向下流側に配置されている。
巻掛ロール26Dは、図5における上下方向に沿って、第一位置(二点鎖線で示す位置)と第二位置(実線で示す位置)とに移動可能とされている。巻掛ロール26Dが第一位置に位置する状態では、連続紙Pは、巻掛ロール26Bから乾燥ドラム62へ向かって直線状に搬送される。巻掛ロール26Dが第二位置に位置する状態では、連続紙Pは、巻掛ロール26Bから巻掛ロール26Dを迂回して乾燥ドラム62へ搬送される。これにより、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分が蒸発する時間が調整可能となる。
例えば、連続紙Pの搬送速度に応じて、第二搬送経路の長さを変更してもよい。例えば、連続紙Pの搬送速度が速くなった場合に、第二搬送経路の長さが長くされる。これにより、連続紙Pの搬送速度が速くなった場合でも、インク滴の水分が蒸発する時間が確保される。
(第一実施形態の他の変形例)
本実施形態では、第二搬送経路において連続紙Pの非形成面で接触する接触部材の一例として、巻掛ロール26Bを用いたが、これに限られない。当該接触部材としては、連続紙Pの非形成面に接触して、連続紙Pを案内する案内部材(ガイド)であってもよい。例えば、案内部材は、回転せずに、連続紙Pが案内部材に対して滑りながら動く構成とされる。したがって、当該接触部材としては、回転する部材であってもよいし、回転しない部材であってもよい。
《第二実施形態》
次に、第二実施形態に係るインクジェット記録装置200について説明する。図6は、第二実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。なお、第一実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
インクジェット記録装置200は、蒸発促進室202と、送風機206と、を有している。この点で、インクジェット記録装置10と異なる。なお、インクジェット記録装置200は、蒸発促進室202及び送風機206を有する点を除いて、インクジェット記録装置10と同様に構成されている。
蒸発促進室202は、液滴の水分の蒸発を促進する促進室の一例である。具体的には、蒸発促進室202は、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発を促進する促進室である。さらに具体的には、蒸発促進室202は、連続紙Pの周囲の相対湿度を下げることで、インク滴の水分の蒸発を促進する。さらに具体的には、蒸発促進室202は、以下のように構成されている。
蒸発促進室202は、第二搬送経路に配置されている。具体的には、蒸発促進室202は、第二搬送経路における巻掛ロール26Bと乾燥ドラム62との間に配置されている。
蒸発促進室202は、筐体210を有している。筐体210の内部には、連続紙Pが搬送される通路212が形成されている。通路212は、図6における左右方向に沿って形成されている。また、通路212は、連続紙Pが導入される入口212Aと、連続紙Pが導出される出口212Bと、を有している。
送風機206は、連続紙Pの通路212を搬送される部分(以下、搬送部分という)に風を送る送風機である。具体的には、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に対して風を当てるように、通路212に風を送る。具体的には、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って、搬送方向下流側から上流側に向かって風が流れるように、通路212に風を送る。
また、送風機206が送る風は、乾燥していることが望ましい。すなわち、送風機206が送る風は、湿度が低いことが望ましい。当該風の湿度は、例えば、20%以下とされる。
送風機206の風速は、連続紙Pの搬送速度に応じて変更可能とされている。具体的には、送風機206は、連続紙Pの搬送速度が速くされた場合に、風速が上昇する構成とされている。
さらに具体的には、例えば、以下のように、当該風速を連続紙Pの搬送速度に予め対応付けておき、連続紙Pの搬送速度に対応付けられた風速にて風を送るように送風機206を駆動する構成としてもよい。この構成では、連続紙Pの搬送速度が変更された場合に当該搬送速度に対応付けられた風速に変更される。
本実施形態では、前述のように、連続紙Pの搬送速度は、一例として、100m/min以下、20m/min以上の範囲で、10m/minおきに変更可能となっている。例えば、20、30、40m/minの搬送速度と第一風速と対応付け、50、60、70m/minの搬送速度と、第一風速よりも速い第二風速と対応付け、80、90、100m/minの搬送速度と、第二風速よりも速い第三風速と対応付けておく。そして、例えば、20、30、40m/minの搬送速度において、第一風速の風をおくるように、送風機206を駆動し、搬送速度が50、60、70m/minのいずれかに変更された場合に、第一風速よりも速い第二風速で風をおくるように、送風機206を駆動が制御される。
(第二実施形態の作用)
インクジェット記録装置200によれば、蒸発促進室202にて、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発が促進される。このため、連続紙Pが蒸発促進室202を経由せずに第一乾燥部50から第二乾燥部60へ直接送られる構成(第五比較例)に比べ、連続紙Pの画像部での水分量と、非画像部での水分量との差が小さくなる。これにより、本実施形態の構成によれば、第五比較例に比べ、連続紙Pの画像部と非画像部との収縮差が抑制され、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
また、蒸発促進室202によって、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発が促進されるため、第五比較例に比べ、当該水分を必要量蒸発されるのに必要な時間が短縮される。この結果、第二搬送経路が短くなり、装置の小型化が図れる。
また、本実施形態では、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って通路212に風を送る。このため、連続紙Pの非形成面に沿って風を送る構成(第六比較例)に比べ、インク滴の水分の蒸発が促進される。この結果、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
また、本実施形態では、送風機206の風速は、連続紙Pの搬送速度に応じて変更可能とされている。具体的には、送風機206は、連続紙Pの搬送速度が速くされた場合に、風速が上昇する。
ここで、送風機206の風速が一定である構成(第七比較例)では、連続紙Pの搬送速度が変更された場合に、第二搬送経路を通過する時間が変化する。すなわち、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発時間が変化し、水分の蒸発の程度が変化する。具体的には、連続紙Pの搬送速度が速くなると、インク滴の水分の蒸発時間が短くなり、水分の蒸発が十分でない状態で、第二乾燥部60へ送られる場合がある。これに対して、送風機206の風速は、連続紙Pの搬送速度に応じて変更可能とされているので、例えば、連続紙Pの搬送速度が速くされた場合に風速を上昇させることで、第七比較例に比べ、搬送速度が変更された場合でも水分の蒸発を促進させられる。
(第二実施形態の第一変形例)
第二実施形態においても、前述の第一乾燥部50の図2に示す第一変形例を適用してもよい。この場合において、送風機206に替えて、図7に示されるように、送風機55を用いて、風を送る構成としてもよい。この場合では、風は、例えば、第一乾燥部50に対する下流側に配置された蒸発促進室202から第一乾燥部50へ送られる構成とされる。
具体的には、送風機55が、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って、搬送方向下流側から上流側に向かって風が流れるように、蒸発促進室202の通路212に風を送る。この構成では、送風機206が不要となる。したがって、送風機55とは別の送風機で蒸発促進室202の通路212に風を送る構成(第八比較例)に比べ、部品点数が低減される。
(第二実施形態の第二変形例)
第二実施形態においても、前述の第二乾燥部60の図4に示す変形例を適用してもよい。この場合において、送風機206に替えて、図8に示されるように、送風機65を用いて、風を送る構成としてもよい。
具体的には、送風機65が、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って、搬送方向下流側から上流側に向かって風が流れるように、蒸発促進室202の通路212に風を送る。この構成では、送風機206が不要となる。したがって、送風機65とは別の送風機で蒸発促進室202の通路212に風を送る構成(第九比較例)に比べ、部品点数が低減される。
なお、送風機206に替えて、送風機55及び送風機65の両方を用いて、風を送る構成としてもよい。
(第二実施形態の他の変形例)
第二実施形態では、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に沿って、搬送方向下流側から上流側に向かって風が流れるように、通路212に風を送っていたが、これに限られない。送風機206は、搬送方向上流側から下流側に向かって風が流れるように、通路212に風を送ってもよい。また、送風機206は、連続紙Pの搬送部分の形成面に対して、形成面の垂直方向へ風を当てるようにしてもよい。
また、第二実施形態では、送風機206の風速は、連続紙Pの搬送速度に応じて変更可能とされていたが、これに限られない。送風機206の風速が一定である構成であってもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
(評価)
蒸発促進室202を設けた場合と蒸発促進室202を設けなかった場合において、以下の条件にて、画像領域内に、2色重ね合わせの任意サイズの四角形状ベタ画像を形成した連続紙Pのしわの発生を評価した。連続紙Pのしわは目視によって確認した。
[条件]
・連続紙Pの搬送速度:50m/min
・連続紙P:OKトップコート+(王子製紙(株)製:坪量127.9g/m
・第一乾燥部50の通過後用紙温度:70℃
・乾燥ドラム62のドラム温度:110℃
・送風機65の温風温度:110℃
・蒸発促進室202での風温度:25℃
[評価結果]
図9に示されるように、第二搬送経路が1500mm、2000mmであるにおいて、蒸発促進室202を設けない場合では連続紙Pにしわが発生するのに対して、蒸発促進室202を設けた場合では連続紙Pにしわが発生しないことがわかった。このように、蒸発促進室202を設けることで、しわの発生を抑制できることがわかった。
また、蒸発促進室202を設けない場合では、第二搬送経路が2500mm以上ないと連続紙Pのしわの発生が抑えられないのに対して、蒸発促進室202を設けた場合では、第二搬送経路が1500mm以上であれば、連続紙Pのしわの発生が抑えられる。したがって、蒸発促進室202を設けることで、第二搬送経路の距離(第二搬送経路での搬送時間)を短くできることがわかった。
なお、図9に示す水分率は、水の吸収域の赤外線を照射することにより画像部の吸光度を測定可能な赤外線多成分計を、乾燥ドラム62直前に設置し、測定された吸光度と電気抵抗式水分率計による水分率との検量線を用いて、水分率に変換した値である。検量線は、あらかじめ所定の水分を含ませた複数の用紙サンプルにて、前記赤外線多成分計による吸光度と、電気抵抗式紙水分率計による水分率とを対応させることによって作成する。
《第三実施形態》
次に、第三実施形態に係るインクジェット記録装置300について説明する。図10は、第三実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。なお、第一実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
インクジェット記録装置300は、図10に示されるように、蒸発促進室302と、送風機306と、を有している。この点で、インクジェット記録装置10と異なる。なお、インクジェット記録装置300は、蒸発促進室302及び送風機306を有する点を除いて、インクジェット記録装置10と同様に構成されている。
蒸発促進室302は、液滴の水分の蒸発を促進する促進室の一例である。具体的には、蒸発促進室302は、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発を促進する促進室である。さらに具体的には、蒸発促進室302は、連続紙Pの周囲(少なくとも連続紙Pの形成面側の空間)の相対湿度を下げることで、インク滴の水分の蒸発を促進する。さらに具体的には、蒸発促進室302は、以下のように構成されている。
蒸発促進室302は、第二搬送経路に配置されている。すなわち、蒸発促進室302は、第一乾燥部50から第二乾燥部60までの搬送経路に配置されている。
蒸発促進室302は、図11に示されるように、連続紙Pの形成面に対向する第一対向壁311(対向壁の一例)と、連続紙Pの非形成面に対向する第二対向壁312(壁部の一例)と、を有している。さらに、蒸発促進室302は、送風機306(図10参照)からの風を第一対向壁311と第二対向壁312との間の空間へ送る送風ダクト330(送風管)と、送風ダクト330に形成された送風口326と、を有している。
送風機306は、風を発生させ、該風を送風ダクト330へ送る機器である。送風機306としては、例えば、多翼送風機(例えば、シロッコファン)などの、遠心方向へ送風する遠心送風機や、軸方向へ送風する軸流送風機などが用いられる。
蒸発促進室302の第一対向壁311は、連続紙Pの形成面に沿って配置されている。この第一対向壁311は、第一乾燥部50の出口54Bから送風ダクト330まで配置されている。また、第一対向壁311は、巻掛ロール26Bに巻き掛けられた連続紙Pに対向する部分では、巻掛ロール26Bの外周に沿って湾曲している。さらに、第一対向壁311は、連続紙Pの幅方向に沿った幅が、連続紙Pよりも広くされている。具体的には、第一対向壁311の幅方向両端部の各々は、連続紙P(具体的には、搬送可能な最大幅の連続紙P)の幅方向両端部の各々よりも、幅方向外側に張り出している。
第二対向壁312は、連続紙Pの非形成面に沿って配置されている。この第二対向壁312は、第一乾燥部50の出口54Bから送風ダクト330まで配置されている。また、第二対向壁312には、巻掛ロール26Bが配置された部分に開口312Aが形成されている。第二対向壁312は、連続紙Pの幅方向に沿った幅が、連続紙Pよりも広くされている。具体的には、第二対向壁312の幅方向両端部の各々は、連続紙P(具体的には、搬送可能な最大幅の連続紙P)の幅方向両端部の各々よりも、連続紙Pの幅方向外側に張り出している。
第二対向壁312は、連続紙Pの非形成面に接触して連続紙Pを案内する案内部材(ガイド)としても機能する。すなわち、第二対向壁312は、連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材の一例ともいえる。さらに、第二対向壁312には、連続紙Pの非形成面に接触する複数(具体的には、3つ)の接触ローラ314が設けられている。すなわち、複数の巻掛ロール26は、連続紙Pに対して非形成面で接触する接触部材の一例である。なお、接触ローラ314は、連続紙Pに従動回転する。
送風ダクト330は、上壁部332(図11参照)と、下壁部334(図11参照)と、一対の側壁部336(図10参照)と、を有している。なお、図11では、送風ダクト330の一部が図示されている。
上壁部332は、送風ダクト330の上部を構成する壁部である。下壁部334は、送風ダクト330の下部を構成する壁部である。上壁部332は、側断面視にて、第一対向壁311側から連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かって延びている。下壁部334は、上壁部332の下側で、側断面視にて、上壁部332に沿って配置されている。すなわち、下壁部334も、上壁部332と同様に、第一対向壁311側から連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かって延びている。
また、下壁部334は、上壁部332よりも連続紙Pから離れた位置に配置されている。また、下壁部334は、上壁部332よりも連続紙Pの搬送方向上流側に配置されている。
上壁部332及び下壁部334は、連続紙Pの幅方向に沿った幅が、連続紙Pよりも広くされている。具体的には、上壁部332及び下壁部334の幅方向両端部の各々は、連続紙P(具体的には、搬送可能な最大幅の連続紙P)の幅方向両端部の各々よりも、連続紙Pの幅方向外側に張り出している。なお、一対の側壁部336(図10参照)は、上壁部332及び下壁部334の幅方向両端部の各々を連結している。
送風口326は、第一対向壁311側から連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かって送風する送風口とされている。したがって、送風口326の送風方向は、連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かった方向(図11における右斜め上方(矢印B))とされている。また、連続紙Pに対する送風方向の角度θ(図11参照)は、例えば、20°以上60以下の範囲で設定される。
送風口326は、連続紙Pの幅方向に長さを有する矩形状とされている。送風口326は、例えば、連続紙Pの幅方向に沿った長さが、連続紙Pの幅よりも長くされている。具体的には、送風口326の長手方向両端部の各々は、連続紙P(具体的には、搬送可能な最大幅の連続紙P)の幅方向両端部の各々よりも、連続紙Pの幅方向外側に張り出している。なお、送風口326は、例えば、連続紙Pの幅方向に沿った長さが、連続紙Pの幅と同じであってもよいし、連続紙Pの幅よりも短くてもよい。送風口326の下壁部334と上壁部332との間の幅W(図11参照)は、例えば、5mm以上20mm以下とされている。また、送風口326における上縁(連続紙Pに最も近い縁)と連続紙Pとの距離は、ばたつき等が生じた場合の連続紙Pが、当該上縁に接触しない程度の距離とされる。当該距離としては、例えば、10mm以上に設定される。
送風口326から送り出される風は、第一対向壁311と、連続紙Pの形成面との間の空間を、形成面に沿って搬送方向上流側へ流通する。すなわち、第一対向壁311と連続紙Pの形成面との間の空間は、風が流通する流通路318として機能する。この流通路318の高さH(図11参照)は、例えば、10mm以上100mm以下に設定される。
送風口326における搬送方向上流側の外縁338は、流通路318よりも第一対向壁311側(下側)に配置されている。具体的には、外縁338は、第一対向壁311に連結されている。すなわち、外縁338は、流通路318内には張り出していない。なお、外縁338は、送風口326における第一対向壁311側(連続紙Pから離れた側)の外縁でもある。すなわち、外縁338は、送風口326における下側の外縁でもある。
なお、送風口326から送り出される風は、乾燥していることが望ましい。すなわち、送風口326から送り出される風は、湿度が低いことが望ましい。当該風の湿度は、例えば、20%以下とされる。
また、送風口326から送り出される風速は、連続紙Pの搬送速度に応じて変更してもよい。具体的には、例えば、送風機306は、連続紙Pの搬送速度が速くされた場合に、風速が上昇する構成とされる。
(第三実施形態の作用)
インクジェット記録装置300によれば、蒸発促進室302にて、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発が促進される。このため、連続紙Pが蒸発促進室302を経由せずに第一乾燥部50から第二乾燥部60へ直接送られる構成(第十比較例)に比べ、連続紙Pの画像部での水分量と、非画像部での水分量との差が小さくなる。これにより、本実施形態の構成によれば、第十比較例に比べ、連続紙Pの画像部と非画像部との収縮差が抑制され、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
また、蒸発促進室302によって、第一乾燥部50で光が照射されたインク滴の水分の蒸発が促進されるため、第十比較例に比べ、当該水分を必要量蒸発されるのに必要な時間が短縮される。この結果、第二搬送経路が短くなり、装置の小型化が図れる。
また、本実施形態では、送風ダクト330の送風口326は、第一対向壁311側から連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かって送風する。このため、連続紙Pの搬送方向下流側へ向かって送風する構成(第十一比較例)に比べ、連続紙Pの形成面に対する風の相対速度が上昇する。このため、第十一比較例に比べ、インク滴の水分の蒸発が促進される。この結果、連続紙Pのしわの発生が抑制される。
また、送風口326における搬送方向上流の外縁338は、流通路318よりも第一対向壁311側(下側)に配置されている。ここで、図12及び図13に示されるように、外縁338が流通路318へ張り出している構成(第十二比較例)では、第一対向壁311と下壁部334とで囲まれた隅部分(図12及び図13において一点鎖線で囲まれた空間部分)で、空気の渦が発生し、送風口326から送り出される風の流通抵抗となる。
これに対して、外縁338は、流通路318よりも第一対向壁311側(下側)に配置されているため、第十二比較例に比べ、空気の渦が発生しにくく、送風口326から送り出される風の流通抵抗が低減される。
なお、図13に示す構成では、第一対向壁311の搬送方向下流の端部から上方へ張り出した張出壁319が形成されている。この張出壁319の上端に、送風ダクト330の下壁部334が連結されている。
また、本実施形態では、蒸発促進室302は、連続紙Pの非形成面に沿って配置された第二対向壁312を有している。このため、連続紙Pの上方側へ風に逃げにくく、第一対向壁311のみが設けられた構成(第十三比較例)に比べ、風量が多くなる。
第三実施形態に係る送風ダクト330としては、図14に示されるように、上壁部332の先端部が、下壁部334の先端部の上方(真上)に延び出た構成であってもよい。この構成では、外縁338は、送風口326における搬送方向上流側の外縁ではないが、送風口326における第一対向壁311側(連続紙Pから離れた側)の外縁である。
また、第三実施形態に係る送風ダクト330としては、図15に示されるように、上壁部332の先端部が、下壁部334の先端部と同じ高さ(上下方向の同じ位置)に配置された構成であってもよい。この構成では、外縁338は、送風口326における第一対向壁311側(連続紙Pから離れた側)の外縁ではないが、送風口326における搬送方向上流側の外縁である。
(第三実施形態の第一変形例)
図16に示されるように、外縁338と第一対向壁311との間に開口部350が形成される構成であってもよい。この開口部350は、外縁338に対する搬送方向上流側に配置されている。また、開口部350は、連続紙Pの幅方向に長さを有する矩形状に形成されている。開口部350の連続紙Pの幅方向に沿った長さは、例えば、送風口326の連続紙Pの幅方向に沿った長さと同じ長さとされる。なお、開口部350の長手方向の両端部は、開放されていてもよいし、第一対向壁311で閉じられていてもよい。
本第一変形例では、送風口326から風が送り出されると、該風によって開口部350を通じて流通路318へ空気が引き込まれる。したがって、本第一変形例では、外縁338と第一対向壁311とが隙間なく連結されている構成(第十四比較例)に比べ、流通路318を流通する風の風量が増加される。
なお、外縁338と第一対向壁311との間に形成される開口部350としては、図17に示されるように、外縁338の下側(連続紙Pから離れた側、連続紙Pに対する第一対向壁311側)に形成される構成であってもよい。この構成においても、図16に示す構成と同様の作用を有する。
(第三実施形態の第二変形例)
図18に示されるように、蒸発促進室302は、流通路318を搬送方向上流側と搬送方向下流側とに仕切る仕切板360を有していてもよい。仕切板360は、搬送方向に沿って複数(具体的には、3枚)が配置されている。各仕切板360は、第一対向壁311側から連続紙Pの形成面側へ向かって設けられている。具体的には、各仕切板360は、第一対向壁311から上方に向かって延び出ている。
仕切板360は、上端部(連続紙P側の端部)と連続紙Pの形成面との間に隙間を有している。これにより、複数の仕切板360の上端部(連続紙P側の端部)と連続紙Pの形成面との間には、形成面に沿った通風路362が形成される。通風路362は、前述の流通路318よりも上下方向の長さが短くされた、風が流通する(通る)通路とされている。
本第二変形例では、第一対向壁311のみで連続紙Pの形成面に沿った通風路(流通路318に相当)を形成する構成(第十五比較例)に比べ、通風路362の上下方向の長さが短くされるため、風速が高まる。
また、本第二変形例は、第一対向壁311を連続紙Pに近づけて、通風路の上下方向の長さを短くするものではなく、各仕切板360の間に空間が形成されているため、第一対向壁311と連続紙Pの形成面との間の空間の容量が確保されている。したがって、本第二変形例では、第十五比較例に比べ、第一対向壁311と連続紙Pの形成面との間の空間における湿度の上昇を抑制しつつ、風速が高まる。
また、本第二変形例では、仕切板360は、第一対向壁311と連続紙Pの形成面との間の空間(流通路318)を流通した風が排出される排出口329よりも、送風口326に近い位置に配置されている。
このため、仕切板360が送風口326よりも排出口329に近い位置に配置されている構成(第十六比較例)に比べ、流通路318よりも上下方向の長さが短い通風路362が送風口326に近い位置に形成される。このため、第十六比較例に比べ、風速が高まる。
すなわち、仕切板360は、送風口326から遠ざけた構成(図19参照)よりも送風口326に近づけた構成(図20参照)のほうが、通風路362を流通する風の風速を高める効果が高い。したがって、仕切板360は、送風口326に近づけた構成とすることが望ましい。
仕切板360としては、図21に示されるように、枚数を4枚に増やして仕切板360の間隔を狭くした構成であってもよい。この構成では、通風路362を流通する風の風速が高まる。なお、枚数を増やすと、第一対向壁311と連続紙Pの形成面との間の空間が狭くなるため、湿度が上昇する。したがって、連続紙Pの乾燥に必要な湿度が維持可能な程度に仕切板360を増やすことが望ましい。
さらに、仕切板360は、図22に示されるように、送風口326の送風方向(図22の右斜め上方)に沿って連続紙Pの形成面に対して斜めに配置してもよい。図22に示す構成では、各仕切板360は、第一対向壁311から図22の右斜め上方へ向かって延び出ている。
図22に示す構成によれば、送風口の送風方向(図22の右斜め上方)に対する交差方向(図22の左斜め上方)に沿って連続紙Pの形成面に対して斜めに配置されている構成に比べ、風の流通抵抗が低減される。
また、図23に示されるように、仕切板360と第一対向壁311との間に隙間366が形成された構成であってもよい。
図23に示す構成によれば、仕切板360で仕切られた搬送方向上流側の空間と、搬送方向下流側の空間との間で、隙間366によって空気が流通するため、仕切板360と第一対向壁311とが隙間なく連結されている構成に比べ、第一対向壁311と連続紙Pとの間の空間における湿度の上昇が抑制される。
(第三実施形態の他の変形例)
第三実施形態では、送風口326は、連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向上流側へ向かって送風していたが、これに限られない。送風口326は、連続紙Pの形成面に対して斜めに且つ連続紙Pの搬送方向下流側へ向かって送風する構成であってもよい。
また、第三実施形態では、送風機306の風速は、連続紙Pの搬送速度に応じて変更可能とされていたが、これに限られない。送風機306の風速が一定である構成であってもよい。
また、蒸発促進室302は、第一乾燥部50から第二乾燥部60までの搬送経路に配置されていればよく、第一乾燥部50の出口54Bと第一対向壁が接続されていなくてもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
10、200、300 インクジェット記録装置(吐出装置の一例)
26B 巻掛ロール(接触部材の一例)
30 吐出ユニット(吐出部の一例)
50 第一乾燥部
55 送風機
60 第二乾燥部
202、302 蒸発促進室(促進室の一例)
306 送風機
311 第一対向壁(対向壁の一例)
312 第二対向壁(壁部の一例)
326 送風口
329 排出口
338 外縁
350 開口部
360 仕切板
362 通風路
366 隙間
P 連続紙(記録媒体の一例)

Claims (13)

  1. 搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部と、
    前記一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、
    前記第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、
    前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に配置され、前記液滴の水分の蒸発を促進する促進室と、
    を備え、
    前記促進室では、前記一方の面に沿って風を送り、
    前記促進室に送る風の風速を、前記記録媒体の搬送速度に応じて変更する
    吐出装置。
  2. 搬送される記録媒体の一方の面に液滴を吐出する吐出部と、
    前記一方の面に対して非接触で光エネルギーを付与して液滴を乾燥させる第一乾燥部と、
    前記第一乾燥部で液滴が乾燥された記録媒体の他方の面のみに接触し、該記録媒体を加熱して該記録媒体を乾燥させる第二乾燥部と、
    前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路に配置され、前記液滴の水分の蒸発を促進する促進室と、
    を備え、
    前記促進室では、前記一方の面に沿って風を送り、
    前記促進室は、
    前記一方の面に沿って配置され、前記一方の面に対向する対向壁と、
    前記対向壁側から前記一方の面に対して斜めに且つ前記記録媒体の搬送方向上流側へ向かって送風する送風口と、
    を有する
    吐出装置。
  3. 前記送風口における搬送方向上流側又は前記対向壁側の外縁が、前記対向壁と前記一方の面との間の空間よりも前記対向壁側に配置されている
    請求項2に記載の吐出装置。
  4. 前記送風口における搬送方向上流側又は前記対向壁側の外縁と前記対向壁との間には、開口部が形成されている
    請求項2又は3に記載の吐出装置。
  5. 前記促進室は、
    前記対向壁側から前記一方の面側へ向かって設けられ、前記対向壁と前記一方の面との間の空間を搬送方向上流側と搬送方向下流側とに仕切り、前記一方の面側の端部と前記一方の面との間に前記一方の面に沿った通風路を形成する仕切板
    を有する
    請求項2~4のいずれか1項に記載の吐出装置。
  6. 前記仕切板は、前記送風口の送風方向に沿って前記一方の面に対して斜めに配置されている
    請求項5に記載の吐出装置。
  7. 前記仕切板と前記対向壁との間には、隙間が形成されている
    請求項5又は6に記載の吐出装置。
  8. 前記促進室は、前記対向壁と前記一方の面との間の空間を流通した風が該空間から排出される排出口を有し、
    前記仕切板は、前記排出口よりも前記送風口に近い位置に配置されている
    請求項5~7のいずれか1項に記載の吐出装置。
  9. 前記促進室は、前記他方の面に沿って配置された壁部を有する
    請求項2~8のいずれか1項に記載の吐出装置。
  10. 前記第一乾燥部は、前記記録媒体での吸収率よりも前記液滴での吸収率が高い波長の光を前記一方の面に照射する
    請求項1~9のいずれか1項に記載の吐出装置。
  11. 前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路には、前記記録媒体の一方の面に接触する接触部材が配置されていない
    請求項1~10のいずれか1項に記載の吐出装置。
  12. 前記第一乾燥部から前記第二乾燥部までの経路には、前記記録媒体に対して前記他方の面で接触する接触部材のみが配置されている
    請求項11に記載の吐出装置。
  13. 前記第一乾燥部及び前記第二乾燥部の少なくとも一方は、前記記録媒体に風を送る送風機を備え、
    該送風機によって、前記促進室において前記一方の面に沿って風を送る
    請求項1~12のいずれか1項に記載の吐出装置。
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