JP7040177B2 - 乾燥装置及び液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥装置及び液体吐出装置に関する。
インクジェットプリンタでは、水性顔料インクに高沸点溶剤を含有させ、ヘッド内でのインクの乾燥を防止している。また、インクジェットプリンタでは、メディアに吐出されたインクを乾燥させることにより、画像を最適化してメディアに定着させている。インクの乾燥方法としては、例えば、赤外線(IR)を作像面のインクに照射し、インク内の水分子又は高沸点溶剤分子を共振させて、分子振動によりインクを自己発熱させることで、気化・蒸発させて乾燥させる技術がある。
例えば、特許文献1(特開2017-128039号公報)では、赤外線を吸収する赤外線吸収剤と、赤外線吸収剤を溶解又は分解させる溶媒とを含むインクを媒体に吐出し、赤外線光源から媒体上のインクに赤外線を照射することにより、インクに含まれる溶媒の少なくとも一部を揮発除去する技術が開示されている。また、特許文献2(特許第5772382号公報)では、液体を噴射して記録処理された記録媒体に対し、液体に含まれる水の吸収波長帯域内において極大波長を有する赤外線と、液体に含まれる溶剤の吸収波長帯域内において極大波長を有する赤外線とを照射する技術が開示されている。
しかしながら、従来技術は、メディアの温度上昇を防止することが困難であるという問題がある。具体的には、従来技術は、メディア上に吐出されたインクの水分や溶剤を効率良く乾燥させようとしているものの、赤外線の照射によってメディア自体の温度が上昇する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、メディアの温度上昇を防止することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る乾燥装置は、媒体に接触又は近接して前記媒体を加熱する第1の加熱部と、前記媒体に形成された液体塗布部分、赤外線の輻射により非接触で加熱する第2の加熱部と、前記媒体の温度を検出する温度検出部と、検出された前記媒体の温度が第1の温度以上である場合に、該媒体の温度が下がるように前記第1の加熱部の動作を制御する第1の加熱制御部と、前記第2の加熱部と前記媒体との間に配置され、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記媒体との共振波長を遮断し、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記液体塗布部分との共振波長を透過するフィルタとを有する。
本発明によれば、メディアの温度上昇を防止することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る液体吐出装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る液体吐出装置の乾燥部の構成例を示す図である。 図3は、石英ガラス管ヒータの断面図である。 図4は、実施の形態1に係る乾燥部の機能構成例を示すブロック図である。 図5は、実施の形態1に係るフィルタの波長に対する透過率の特性の例を示す図である。 図6は、実施の形態1に係るフィルタの冷却の例を示す図である。 図7は、実施の形態1に係る成分検出について説明する図である。 図8は、実施の形態1に係るメディア上にインクを吐出し、FT-IR分析により成分検出結果の例を示す図である。 図9は、実施の形態1に係るインクの共振波長の例を説明する図である。 図10は、実施の形態1に係るDUTYの決定処理の流れの例を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態1に係るDUTYの決定の例を説明する図である。 図12は、実施の形態1に係るフィルタの波長に対する透過率の特性の例を示す図である。 図13は、実施の形態1に係る液体吐出装置の乾燥部による処理の流れの例を示すフローチャートである。 図14は、実施の形態1に係る液体吐出装置の乾燥部による処理の流れの例を示すフローチャートである。 図15は、実施の形態1に係る液体吐出装置の乾燥部による処理の流れの例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る乾燥装置及び液体吐出装置の実施の形態を説明する。以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態は、内容を矛盾させない範囲で、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態1)
図1を用いて、実施の形態1に係る液体吐出装置100のハードウェア構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る液体吐出装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、液体吐出装置100は、制御部101を備える。また、液体吐出装置100は、装置全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)102を備える。液体吐出装置100は、CPU102に対して、ROM(Read Only Memory)103と、RAM(Random Access Memory)104と、不揮発性メモリ(NVRAM:Non‐Volatile RAM)105と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)106とを接続する。
ROM103は、CPU102が実行するプログラムや、その他の固定データ等を格納する。RAM104は、画像データ等を一時格納する。不揮発性メモリ105は、液体吐出装置100の電源が遮断されている間もデータを保持する。ASIC106は、各種信号処理や並び替え等を行なう画像処理、その他装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
また、制御部101は、I/F107と、印刷制御部108と、主走査モータ駆動部109と、副走査モータ駆動部110と、ヒータ制御部111と、I/O112とを備える。また、制御部101は、操作パネル113と、環境センサ114と、成分検出部115とを接続する。
I/F107は、ホスト側との間でデータや信号を送受するインタフェースである。具体的には、I/F107は、情報処理装置、画像読取装置、撮像装置等のホストのプリンタドライバが生成した印刷データ等を、ケーブルやネットワーク等を介して受信する。つまり、制御部101に対する印刷データの生成出力は、ホスト側のプリンタドライバによって行なわれても良い。CPU102は、I/F107に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析する。そして、ASIC106にて画像処理やデータの並び替え処理等が行なわれ、画像データが印刷制御部108やヘッドドライバ116に転送される。
印刷制御部108は、液体吐出ヘッド121を駆動するための駆動波形を生成するとともに、液体吐出ヘッド121がノズルから液体を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段を選択駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データを、ヘッドドライバ116に出力する。
印刷制御部108は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ構成となっていても良い。印刷制御部108は、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行することによって所望の機能を発揮する。
印刷制御部108のCPUが実行するプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
さらに、印刷制御部108のCPUが実行するプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることで提供するように構成しても良い。また、印刷制御部108のCPUが実行するプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
主走査モータ駆動部109は、主走査モータ117を駆動する。主走査モータ117は、駆動により、液体吐出ヘッド121を備えたキャリッジ120を主走査方向に移動させる。副走査モータ駆動部110は、副走査モータ118を駆動する。副走査モータ118は、駆動により、液体吐出ヘッド121による液体の吐出対象となるメディア等を搬送する搬送部材122を動作させる。ヒータ制御部111は、ヒータ119の制御を行なう。本実施の形態において、ヒータ119は、後述するメディアヒータ119a、赤外線ヒータ119b等に対応する。メディアヒータ119aは、メディアの温度を調整する。赤外線ヒータ119bは、赤外線をメディア上のインクに対して輻射することにより乾燥させる。
I/O112は、環境センサ114や成分検出部115からの情報を取得し、液体吐出装置100の各部の制御に要する情報を抽出する。例えば、環境センサ114は、環境温度や環境湿度等を検出する。また、成分検出部115は、メディア上に吐出されたインクの成分を検出する。なお、I/O112は、環境センサ114や成分検出部115以外の各種センサからの情報も入力する。操作パネル113は、各種情報の入力や表示を行なう。
ここで、液体吐出装置100における印刷制御処理の概略について説明する。
液体吐出装置100のCPU102は、I/F107の受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC106にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行なって印刷制御部108に転送する。
印刷制御部108は、所要のタイミングでヘッドドライバ116に画像データや駆動波形を出力する。詳細には、印刷制御部108は、ROM103に格納されてCPU102で読み出される駆動パルスのパターンデータをD/A変換して増幅することにより、1つの駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形を生成する。
なお、画像出力するための画像データ(例えば、ドットパターンデータ)の生成は、例えばROM103にフォントデータを格納して行なっても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップに展開して液体吐出装置100に転送するようにしても良い。
ヘッドドライバ116は、入力される画像データ(例えば、ドットパターンデータ)に基づいて、印刷制御部108から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを、選択的に液体吐出ヘッド121の圧力発生手段に対して印加することにより、液体吐出ヘッド121を駆動する。
ここで、熱膨張によるコックリングの発生について説明する。乾燥によってメディアが急激に加熱される場合は、メディアの熱膨張によりプラテン上のメディアが波打ち(コックリング)して、メディアが液体吐出ヘッド121と擦れたり、ジャムが発生したりする場合がある。また、プラテン上でメディアが熱膨張することにより、インクの着弾位置が膨張によって発生する誤差の分だけずれが発生する。色間の乾燥でこのような誤差が発生する場合は、メディアを冷却したり、色間での位置合わせを実施したりすることで解消する場合があるものの、ドット位置の調整をフィードバック制御で調整するには、読取装置や冷却装置等を追加することにより、装置が大きくなってしまう。
本実施の形態では、メディアを加熱することなくインクのみを加熱して乾燥させるので、メディアの熱膨張を低減させ、着弾位置のずれを抑制することが可能となる。従って、コックリングを低減することで、画像品質や搬送品質を向上することができる。本実施の形態において、ホスト側のPCは、メディアに関する制御情報を保持する。メディアに関する制御情報としては、例えば、ICCプロファイル、ヒータの制御条件(例えば、温度制御値や出力波長、乾燥時間等)、インクリミッター、メディアの送り量等のパラメータ値が格納される。ホスト側のPCでは、印字のための各種設定条件の中に、乾燥に関するパラメータのデータが含まれ、メディアに応じたIR波長特性やIR強度データがあり、乾燥に関するパラメータに応じて赤外線ヒータ119bが制御される。
図2は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の乾燥部150の構成例を示す図である。乾燥部150は、「乾燥装置」に対応する。
図2に示すように、液体吐出装置100の乾燥部150には、環境センサ114と、成分検出部115と、メディアヒータ119aと、赤外線ヒータ119bと、赤外線ヒータ119bとが含まれる。赤外線ヒータ119bの照射面には、フィルタ125Aが設置される。赤外線ヒータ119bの照射面には、フィルタ125Bが設置される。なお、赤外線ヒータ119bと赤外線ヒータ119bとを区別しない場合は、赤外線ヒータ119bと呼ぶ。同様に、フィルタ125Aとフィルタ125Bとを区別しない場合は、フィルタ125と呼ぶ。また、環境センサ114、成分検出部115、赤外線ヒータ119b、フィルタ125は、図示した数に限られるものではない。
メディアヒータ119aは、メディアの温度を調整するためのヒータである。メディアヒータ119aは、「第1の加熱部」に対応する。赤外線ヒータ119bは、メディア上のインクに対して赤外線を輻射し、乾燥させるためのヒータである。赤外線ヒータ119bは、「第2の加熱部」に対応する。フィルタ125は、赤外線ヒータ119bによって輻射される赤外線の通過を制限する。環境センサ114や成分検出部115は、各位置において、温度やインクの成分を検出する。
図3は、石英ガラス管ヒータの断面図である。図3に示すように、赤外線ヒータ119bが石英ガラス管ヒータ(遠赤外線)である場合は、フィラメントがニクロム線で構成される。ニクロム線は、700℃~800℃に加熱され、ピーク波長3μmの赤外線を発生する。石英ガラスは3.5μm以上の波長の赤外線を通さない。このため、ニクロム線で発生した3.5μm未満の赤外線が、ニクロム線よりガラス管を透過して放射される。その後、ガラス管内部のニクロム線により、石英ガラス管の表面が200℃~400℃に暖められ、ガラス管の表面から4μm~6μmの赤外線が発生する。本実施の形態では、フィルタ125を用いて赤外線を通過させる波長を管理し、赤外線ヒータ119bからメディア上のインクに赤外線を輻射させる。
フィルタ125は、各種の赤外透過材料を基板に使用し、真空蒸着により非吸収性の多層膜を形成し、薄膜の干渉によって任意の波長のみを透過する。すなわち、フィルタ125は、ある特定の波長のみを透過する。
図4は、実施の形態1に係る乾燥部150の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、乾燥部150は、メディアヒータ制御部151と、IRヒータ制御部152とを有する。
メディアヒータ制御部151は、メディアヒータ119aによる加熱を制御する。メディアヒータ制御部151は、「第1の加熱制御部」に対応する。例えば、メディアヒータ制御部151は、環境センサ114によって検出された媒体の温度が第1の温度以上(例えば、60℃以上)である場合に、メディアヒータ119aによる加熱温度を下げる制御を行なう。また、例えば、メディアヒータ制御部151は、メディアとインクとの赤外線共振波長が所定範囲内である場合に、メディアヒータ119aによる加熱温度を下げる制御を行なう。
IRヒータ制御部152は、赤外線ヒータ119bによる加熱を制御する。IRヒータ制御部152は、「第2の加熱制御部」に対応する。例えば、IRヒータ制御部152は、インクの温度が第2の温度以上(例えば、80℃以上)である場合に、赤外線ヒータ119bによる加熱温度を下げる制御を行なう。また、例えば、IRヒータ制御部152は、メディアとインクとの赤外線共振波長が所定範囲内である場合に、赤外線ヒータ119bによる加熱温度を下げる制御を行なう。また、例えば、IRヒータ制御部152は、インク成分の吸光度と、インクの乾燥状態における吸光度とが所定範囲内でない場合に、赤外線ヒータ119bによる加熱温度を上げる制御を行なう。
図5は、実施の形態1に係るフィルタ125の波長に対する透過率の特性の例を示す図である。図5において、縦軸は透過率を表し、横軸は波長を表している。
図5に示すように、フィルタ125の一つであるフィルタA1(破線で示す)は、波長が3.2μm未満の赤外線を透過し、波長が3.2μm以上の赤外線は遮断するフィルタである。また、フィルタ125の一つであるフィルタA2(実線で示す)は、波長が2.8μm以上の赤外線を透過し、波長が2.8μm未満の赤外線は遮断するフィルタである。このようなフィルタを重ねることにより、波長が2.8μm~3.2μmである赤外線だけを透過し、この波長以外の赤外線は遮断するフィルタとすることができる。
図6は、実施の形態1に係るフィルタ125の冷却の例を示す図である。
例えば、フィルタ125の近傍に赤外線ヒータ119bのランプを設けているため、フィルタ125の温度が上昇すると、フィルタ125から赤外線が照射されてしまう。このため、図6に示すように、フィルタ125自体の温度上昇を抑制するために、空気を流すことで、室温状態で維持されるように冷却しても良い。
図7は、実施の形態1に係る成分検出について説明する図である。
有機物は主に、炭素、酸素、水素から構成され、元素分析から物質を特定することは困難である。これら構成元素の繋がり方で、物性が変化する。有機物を特定する場合は、元素の結合の仕方が重要である。元素の結合の仕方を分析する方法として、FT-IR(フーリエ変換赤外分光法)分析がある。この分析方法は、有機物が赤外領域に吸収を持ち、この吸収が分子構造に由来することを利用している。図7に示す分子(分子構造を模式的に示す)が存在するものとして、以下説明する。
有機物にはアルコール、エーテル等の元素と結合状態の組み合わせが存在する。図7で示される実線や破線、一点鎖線で囲まれた部分の繋がり方が結合状態の組み合わせに該当する。有機物に赤外光を照射した場合、この繋がり方ごとに、吸収する赤外光が異なる。従って、赤外光を分けて照射していき、そのときの吸収割合が判明すれば、どのような結合分子が存在するかが推定できる。
図8は、実施の形態1に係るメディア上にインクを吐出し、FT-IR分析により成分検出結果の例を示す図である。図8において、縦軸は吸光度(又は透過率)を表し、横軸は波数を表している。
波数は、照射している赤外光の波長に対応する値である。波長は通常、長さの単位(μm)で示されるが、FT-IR分析においては、その逆数で表すことが多い。これは、光のエネルギーが波長の逆数(波数)に比例していることから、波数が使用される。波数の単位は「cm-1」で表され、「カイザー」と呼ばれる。
吸光度は、当たった光がどれだけ透過又は反射し、強度が弱まっているかを示した値である。なお、透過率は、当たった光がどれだけ透過するかを示す値であり、吸収がなければ100パーセントとなる。
図8では、塩ビ(塩化ビニル)メディア上にインクを吐出し、乾燥させたときのFT-IR分析の結果を例に挙げる。図8に示すように、3300cm-1付近、1650cm-1付近、1100cm-1付近に吸収が見られ、インク成分の波数が検出されている。また、2900cm-1付近、1730cm-1付近、1250cm-1付近の波数は、塩ビメディアの成分が検出されている。これらの情報から、塩ビメディアを使用するときのインクの乾燥度合いが検出できる。このように、異なる樹脂では、異なるスペクトルを示す。
ここで、塩化ビニルを使用したメディアの共振波長について説明する。
他種モノマーとの共重合体の例を、その特性とともに以下で説明する。
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体
工業化されているものは酢酸ビニル含量が5パーセント~20パーセントのもので、PVCホモポリマーに比べ、成型温度が低い、溶解性や接着性が大きい等の特徴を持つ。酢酸ビニルが低含量のものは、フローリングのシート等に用いられることがある。酢酸ビニルが高含量のものは、溶解性を利用して塗料等に用いられることがある。
塩化ビニル/エチレン共重合体
エチレン含量が数パーセントのものまで共重合体が工業化されている。熱安定性が高く、内部可塑化効果により成型性が向上する。ポリ塩化ビニルを赤外吸収スペクトルから特定するには、C-C1伸縮振動による特性吸収が利用される。PVCをFT-IRにて成分分析した結果、3000cm-1付近には主鎖のCH2、CHの伸縮振動、1430cm-1付近にそれらの変角振動が見られる。C-C1の伸縮振動は、693cm-1、630cm-1、620cm-1にブロードであるが、強い吸収として現れる。PVCであることの確認は、この620cm-1、630cm-1と、1250cm-1の吸収の存在によりなされることが分かった。
別のPVCの包装用フィルムであるが、共にPVCの特性吸収を持ち、また、1740cm-1付近にエステル基のC=Oによる、大きい吸収が共通して見られる。しかし、1600cm-1付近、1300cm-1付近、200cm-1付近、1100cm-1付近のスペクトルの違いから、共重合体VC/VAcのフィルムと、可塑剤DOPを含むPVCとであると推定される。
次に、ポリエステルを使用したメディアの共振波長について説明する。
熱可塑性ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールの縮重合によってつくられる。テレフラル酸とエチレングリコールから合成されるポリエチレンテレフタレート(PET)はその代表であり、繊維、フィルム、ボトル等として広く利用されている。汎用エンプラであるポブチレンテレフタレート(PBT)は、耐熱性、耐薬品性に優れ、フィルム等として使われる。
PET(テトロン 厚さ4μm)のFT-IR分析結果では、3000cm-1付近の吸収が弱い。芳香環についたエステル基に特徴的な吸収が1720cm-1付近(-C=Oの伸縮振動)、1260cm-1付近(=C-Oの伸縮振動)、1120cm-1付近(C-Oの伸縮振動)に、それぞれブロードな強い吸収として現れる。その他、芳香環のC-H変角振動による鋭い吸収が1020cm-1付近、730cm-1付近に見られる。
これらの吸収は、何れもテレフタル酸エステルに基づくものであり、PBTフィルムにも、これらの吸収が共通して認められる。PETとPBTとの最も大きい違いは、3000cm-1付近、及び、1450cm-1付近の大きさにある。PETでは、CHによる吸収はごく小さい。CHが4つ連続するPBTでは、2950cm-1付近にメチレン基によるν(C-H)の大きい吸収が現れ、また、1450cm-1付近に同じくメチレン基によるδ(C-H)の大きい吸収が現れる。
図9は、実施の形態1に係るインクの共振波長の例を説明する図である。なお、図9では、メディアが塩化ビニルである場合の例を示す。
図9に示すように、例えば、インクの乾燥(蒸発)に関わる成分は、水、蒸発を防止する高沸点溶剤(第一溶剤)、水分の蒸発によりインク表面に膜を作る造膜促進剤や界面活性剤等の機能を有する溶剤(第二溶剤)がある。インクのFT-IR分析結果から、共振波長は、水が3μm、第一溶剤が9μm、第二溶剤が6μmであることが分かった。
次に、実施の形態1に係るメディアヒータ119aの制御について説明する。
メディアヒータ119aの温度設定については、液体吐出装置100の操作パネル113やホスト側のPC等により行なうことができる。例えば、ヒータのON、OFF設定や、温度の設定を制御することができる。メディアヒータ119aをON、OFF制御する周期(区切り)は1秒である。但し、1つの周期内でもON又はOFFのどちらかではなく、点灯率(DUTY)に応じてON、OFFの状態を切り替えたり、ソフトスタート、ストップによりON、OFFの状態を繰り返したりする。
温度の設定の制御は、サーミスタ等の温度検出素子のフィードバックをAD変換して取得した検出データを演算処理し、温度制御に使用するデータに変換することで実現する。温度検知の周期は、制御に使用される温度を確定する周期である。
サーミスタで検出される周期を100msecで、サーモパイルで検出される周期を10msecで、検出されたデータ10点の上下4点をカットし、残り6点のデータを平均する。従って、サーミスタでの温度検出の周期は100msecになり、サーモパイルでの温度検出の周期は100msecになる。
温度検出に対し、設定温度を下回るとONにし、設定温度を上回るとOFFにする。メディアヒータ119aの各ヒータによって異なるが、ヒータのON、OFFのDUTYを決めるために、目標温度に対する上位マージンと下位マージンとを設定する。ここでは、メディアヒータ119aが、プレヒータ、プリントヒータ、ポストヒータ、キュアヒータである場合を例に挙げる。
共にアルミ箔ヒータであるプレヒータとポストヒータとは、上位マージン+2℃、下位マージン0℃に設定する。プリントヒータとキュアヒータとは、上位マージン+0.5℃、下位マージン-0.5℃に設定する。つまり、上位マージンが+0.5℃で、下位マージンが-0.5℃で、設定温度が70℃である場合は、サーミスタの検出温度が69.5℃までヒータをONにし、70.5℃でヒータをOFFにすることになる。また、サーミスタの検出温度が69.4℃まで下がると、ヒータを再びONにすることになる。
現在温度と目標温度とを比較し、下記、3通りの何れかを判定して、算出DUTYを決定する。図10は、実施の形態1に係るDUTYの決定処理の流れの例を示すフローチャートである。また、図11は、実施の形態1に係るDUTYの決定の例を説明する図である。図10及び図11に示すように、「現在温度≦(目標温度-下位マージン)」である場合は(ステップS101:Yes)、DUTYが100パーセントに決定される(ステップS102)。また、「現在温度≦(目標温度-下位マージン)」でない場合は(ステップS101:No)、「現在温度≧(目標温度+上位マージン)」であるかが判定される(ステップS103)。
このとき、「現在温度≧(目標温度+上位マージン)」である場合は(ステップS103:Yes)、DUTYが0パーセントに決定される(ステップS104)。一方、「現在温度≧(目標温度+上位マージン)」でない場合は(ステップS103:No)、前回のDUTYを使用することが決定される(ステップS105)。
本実施の形態で用いられる赤外線ヒータ119bには、波長制御が搭載される。例えば、赤外線ヒータ119bは、メディア上のインクを主に加熱する波長と、メディアを加熱する波長と、メディアを加熱しないでメディア上のインクを加熱する波長とに、フィルタ125により制御可能である。温度調整については、例えばメディアの温度を60℃、インクの温度を80℃とする。つまり、インクについてはより高温で乾燥させたいが、メディアについては熱膨張によるコックリングの発生を抑制できる温度とする。このために、メディアヒータ119aのON、OFF制御を行なうことにより、メディアの過度な温度上昇を抑制する。
図12は、実施の形態1に係るフィルタ125の波長に対する透過率の特性の例を示す図である。図12において、縦軸は透過率を表し、横軸は波長を表している。
図12に示すように、フィルタ125の一つであるフィルタ125Aは、波長が3μm付近の赤外線を透過し、波長が3μm付近以外の赤外線は遮断するフィルタである。また、フィルタ125の一つであるフィルタ125Bは、波長が6μm付近の赤外線を透過し、波長が6μm付近以外の赤外線は遮断するフィルタである。また、フィルタ125の一つであるフィルタ125Cは、波長が9μm付近の赤外線を透過し、波長が9μm付近以外の赤外線は遮断するフィルタである。
ここで、塩ビメディアである場合は、赤外線共振波長が3.5μm、5.8μm、8μmであるため、塩ビメディアに対する赤外線については遮断されていることになる。例えば、フィルタ125Aを設けた赤外線ヒータ119bを赤外線ヒータ119bとし、フィルタ125Bを設けた赤外線ヒータ119bを赤外線ヒータ119bとし、フィルタ125Cを設けた赤外線ヒータ119bを赤外線ヒータ119bとする。これらの赤外線ヒータ119bは、メディアを加熱させにくい。メディアの温度制御は、メディアヒータ119aが担う。メディアの温度が低い場合はメディアヒータ119aの温度設定を上げる制御を行なえば良いし、メディアの温度が高い場合はメディアヒータ119aの温度設定を下げる制御を行なえば良い。
メディアヒータ119aは、印字前のガイド板下面からガイド板を暖める。これにより、メディアは、ガイド板による接触加熱(伝熱)で暖められる。また、メディアにインクが着弾したときに、メディア表面の温度によって、インクの広がり方が異なるので、ドットの大きさ(ドットゲイン)を安定化するために、メディアヒータ119aの温度設定を制御する。インクの温度を上げるためには、赤外線ヒータ119b、赤外線ヒータ119b及び赤外線ヒータ119bからの赤外線の輻射加熱により実現する。上述したように、各赤外線ヒータ119bには、メディアの赤外線共振波長を含まないフィルタ125が設置されている。このため、インク成分のみを加熱し、メディアの加熱を抑制することが可能となる。インク成分の加熱後は、FT-IR分析により、インクの乾燥状態を測定して、水分や溶剤の蒸発状況より、赤外線ヒータ119b、赤外線ヒータ119b及び赤外線ヒータ119bの出力を制御することで、乾燥品質の安定化をはかることが可能になる。
図13は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の乾燥部150による処理の流れの例を示すフローチャートである。図13に示す処理は、各環境センサ114によって温度が測定され、各赤外線ヒータ119bのON、OFF等が実施される。
図13に示すように、液体吐出装置100は、環境センサ114によりメディアの表面温度を測定する(ステップS201)。また、液体吐出装置100は、環境センサ114によりメディア上のインクの表面温度を測定する(ステップS202)。そして、液体吐出装置100は、メディアの表面温度が60℃未満であるかを判定する(ステップS203)。
このとき、液体吐出装置100は、メディアの表面温度が60℃未満である場合に(ステップS203:Yes)、メディアヒータ119aをONにする(ステップS204)。一方、液体吐出装置100は、メディアの表面温度が60℃以上である場合に(ステップS203:No)、メディアヒータ119aをOFFにする(ステップS205)。
続いて、液体吐出装置100は、インクの表面温度が80℃未満であるかを判定する(ステップS206)。このとき、液体吐出装置100は、インクの表面温度が80℃未満である場合に(ステップS206:Yes)、赤外線ヒータ119bをONにする(ステップS207)。一方、液体吐出装置100は、インクの表面温度が80℃以上である場合に(ステップS206:No)、赤外線ヒータ119bをOFFにする(ステップS208)。
図14は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の乾燥部150による処理の流れの例を示すフローチャートである。
図14に示すように、液体吐出装置100は、成分検出部115によりメディアの成分を測定する(ステップS301)。そして、液体吐出装置100は、メディアの赤外線共振波長を検出する(ステップS302)。続いて、液体吐出装置100は、インクとメディアとの共振波長が所定範囲内に含まれるかを判定する(ステップS303)。
このとき、液体吐出装置100は、インクとメディアとの共振波長が所定範囲内に含まれる場合に(ステップS303:Yes)、メディアを加熱し過ぎないように、メディアヒータ119aの出力を変更する(ステップS304)。また、液体吐出装置100は、メディアが加熱し過ぎないように、赤外線ヒータ119bの出力を変更する(ステップS305)。一方、液体吐出装置100は、インクとメディアとの共振波長が所定範囲内に含まれない場合に(ステップS303:No)、処理を終了する。
つまり、液体吐出装置100は、メディアの赤外線共振波長と、インクの赤外線共振波長とが所定範囲内である場合、赤外線ヒータ119bによる赤外線の輻射によってもメディアの温度が上昇する可能性があるため、赤外線ヒータ119bの出力も変更する。
メディアの赤外線共振波長は、ホスト側のPCに予め登録された共振波長データを使用するようにしても良い。また、ホスト側のPCに未登録のメディアである場合は、成分検出部115により、メディアの赤外線共振周波数を検出する。本実施の形態では、メディアの赤外線共振周波数と、インクの赤外線共振周波数とが所定範囲内である場合に、メディアの温度が上昇し過ぎてしまうことを抑制する。
液体吐出装置100にインクがセットされると、インク成分に応じた共振波長が予め測定され、その波長データがホスト側のPCに入力される。また、メディアについても、メディアが昇温する共振波長が予め分かっている場合は、その共振周波数がホスト側のPCに入力されている。メディアの材質が異なる場合は、メディア自体の波数を測定して制御することにより、メディア対応性がより向上する。本実施の形態では、メディアの赤外線共振波長とインクの赤外線共振波長とを比較して、共振波長が所定範囲内(ほぼ一致)であれば、まず、メディアヒータ119aの温度を下げることにより、メディア温度の上昇を抑える。また、メディア温度の上昇を抑えるために、図示しないメディア冷却装置を動作させても良い。加えて、赤外線ヒータ119bに対して、共振波長の赤外線出力を低下させる。このとき、メディアを搬送する速度を落としたり、フィルタを変更(波長の調整)したりして、乾燥品質を確保しても良い。メディアとインクの赤外線共振波長が所定範囲内でなければ、当初そのメディアに相応しいメディアヒータ119aでの加熱を行ない、インク成分の赤外線共振波長の赤外線を照射させて乾燥を実施する。
図15は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の乾燥部150による処理の流れの例を示すフローチャートである。
図15に示すように、液体吐出装置100は、成分検出部115によりインクの成分を測定する(ステップS401)。そして、液体吐出装置100は、インク成分の赤外線共振波長を検出する(ステップS402)。続いて、液体吐出装置100は、インク成分の吸光度と、インクの乾燥状態における吸光度とが所定範囲内であるかを判定する(ステップS403)。
このとき、液体吐出装置100は、インク成分の吸光度と、乾燥状態における吸光度とが所定範囲内でない場合に(ステップS403:No)、乾燥が足りないものとして、インクをより乾燥させるために赤外線ヒータ119bの出力を変更する(ステップS404)。一方、液体吐出装置100は、インク成分の吸光度と、乾燥状態における吸光度とが所定範囲内である場合に(ステップS403:Yes)、乾燥が足りているものとして、処理を終了する。
インクの乾燥状態を判断するために、インク成分に含まれる水や各種溶剤の波数の吸光度を求め、乾燥時(完全に乾燥したとき)の吸光度と比較する。その結果、吸光度が所定範囲内でなく、乾燥が不十分と判断された波長の赤外線ヒータ119bの出力を上げる制御を行なう。赤外線の波長は、赤外線を発生させるフィラメントの温度によりそのピーク波長が決定される。本実施の形態では、3μm~10μmの波長で構成される遠赤外線を使用している。
赤外線は、水分子や溶剤は3μmの倍数に分子の共振周波数を有している。本実施の形態では、まずインクの水分を飛ばし、水分の減少によって造膜促進剤の働きで、インク表面の造膜を行ない、同時に、溶剤も飛ばしていく。水の蒸発に有効な周波数と、溶剤に有効な周波数とが異なるため、それぞれの有効周波数のピーク値を有するフィラメントの温度になるように、入力電圧制御により、フィラメントの出力を制御する。これにより、水や溶剤の乾燥度合いを制御し、効率的な乾燥を実現することができる。「ピーク波長=0.029/T(絶対温度)」。輻射エネルギーはTの4乗に比例するので、電圧を上げてフィラメントの温度を上げた方が、輻射エネルギーは増大する。
本実施の形態では、乾燥直後のインク成分の分析を行なえるため、乾燥直後のインク成分の分析結果と、予めそのメディアで完全乾燥したときの分析結果とを比較している。本実施の形態の場合、水:3μm、第一溶剤:9μm、第二溶剤:6μmの吸光度を比較して、どの成分の乾燥が不十分であるかを判定する。乾燥が不十分な波長の赤外線ヒータ119bの出力を上げることにより、乾燥品質を安定させることができる。
上述したように、液体吐出装置100は、インク成分を加熱させる赤外線の照射時に、メディアの温度が所定値以上(例えば、60℃以上等)になった場合に、メディアヒータ119aの温度を下げる制御を行なう。この結果、液体吐出装置100は、メディアの温度上昇を防止することができる。
また、液体吐出装置100は、メディアの赤外線共振波長を遮断し、インクの赤外線共振波長を透過するフィルタ125を、赤外線ヒータ119bとメディアとの間に配置するので、メディアの温度上昇を防止することができる。
また、液体吐出装置100は、メディアの赤外線共振波長とインクの赤外線共振波長とが所定範囲内である場合に、メディアヒータ119aや赤外線ヒータ119bの温度を下げる制御を行なうので、メディアの温度上昇を防止することができる。
また、液体吐出装置100は、インク成分の吸光度と、インクの乾燥状態における吸光度とが所定範囲内でない場合に、インクの乾燥が足りていないものとして、赤外線ヒータ119bの温度を上げる制御を行なうので、乾燥品質の安定化をはかることができる。
また、上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ等を含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に、分散又は統合することができる。
また、上記実施の形態で説明した液体吐出装置100は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけではなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
このような液体吐出装置100は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙にかかわる手段、その他、前処理装置、後処理装置等も含むことができる。
例えば、液体吐出装置100として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、紛体を層状に形成した紛体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、液体吐出装置100は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記の「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するもの等を意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子等の電子部品、紛体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セル等の媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着する全てのものが含まれる。
上記の「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等、液体が一時的にでも付着可能であれば良い。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであれば良く、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、等を含む溶液、懸濁液、エマルジョン等であり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、液体吐出装置100は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置等が含まれる。
また、液体吐出装置100としては他にも、用紙の表面を改質する等の目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置等がある。
100 液体吐出装置
114 環境センサ
115 成分検出部
119a メディアヒータ
119b 赤外線ヒータ
121 液体吐出ヘッド
125 フィルタ
150 乾燥部
特開2017-128039号公報 特許第5772382号公報

Claims (7)

  1. 媒体に接触又は近接して前記媒体を加熱する第1の加熱部と、
    前記媒体に形成された液体塗布部分、赤外線の輻射により非接触で加熱する第2の加熱部と、
    前記媒体の温度を検出する温度検出部と、
    検出された前記媒体の温度が第1の温度以上である場合に、該媒体の温度が下がるように前記第1の加熱部の動作を制御する第1の加熱制御部と
    前記第2の加熱部と前記媒体との間に配置され、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記媒体との共振波長を遮断し、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記液体塗布部分との共振波長を透過するフィルタと
    を有することを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記温度検出部は、前記液体塗布部分の温度を検出し、
    検出された前記液体塗布部分の温度が前記第1の温度よりも高い第2の温度以上である場合に、該液体塗布部分の温度が下がるように前記第2の加熱部の動作を制御する第2の加熱制御部
    を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記第2の加熱部及び前記フィルタは、複数箇所に配置され、
    複数の前記フィルタは、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記媒体との共振波長の少なくとも一つを遮断し、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記液体塗布部分との共振波長の少なくとも一つを透過する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
  4. 前記第1の加熱制御部は、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記媒体との共振波長と、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記液体塗布部分との共振波長とが、所定範囲内である場合に、該媒体の温度が下がるように前記第1の加熱部の動作を制御する
    ことを特徴とする請求項の何れか一つに記載の乾燥装置。
  5. 前記第2の加熱制御部は、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記媒体との共振波長と、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記液体塗布部分との共振波長とが、所定範囲内である場合に、該液体塗布部分の温度が下がるように前記第2の加熱部の動作を制御する
    ことを特徴とする請求項に記載の乾燥装置。
  6. 前記第2の加熱制御部は、前記液体塗布部分の吸光度と、前記液体塗布部分の乾燥状態における吸光度とが所定範囲内でない場合に、該液体塗布部分の温度が下がるように前記第2の加熱部の動作を制御する
    ことを特徴とする請求項2又は5に記載の乾燥装置。
  7. 媒体に液体を吐出して液体塗布部分を形成する液体吐出ヘッドと、
    前記媒体に接触又は近接して前記媒体を加熱する第1の加熱部と、
    前記液体塗布部分、赤外線の輻射により非接触で加熱する第2の加熱部と、
    前記媒体の温度を検出する温度検出部と、
    検出された前記媒体の温度が第1の温度以上である場合に、該媒体の温度が下がるように前記第1の加熱部の動作を制御する第1の加熱制御部と
    前記第2の加熱部と前記媒体との間に配置され、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記媒体との共振波長を遮断し、前記第2の加熱部によって輻射される前記赤外線と前記液体塗布部分との共振波長を透過するフィルタと
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
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