JP6716875B2 - 吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出装置に関する。
特許文献1には、シート送り方向に沿って、記録位置より前に設けた加熱手段によって記録媒体が高温に予熱され、それによってインクが浸透され易い状態となり、そのあと比較的低温に保たれた記録位置で記録を行うことで、急激な水分の蒸発を伴うことなくインク全体を記録媒体内に拡散させる構成が開示されている。
特開平2−187340号公報
ここで、インク滴等の液滴が吐出された記録媒体を乾燥部へ搬送する際、乾燥部に搬送される前に液滴の水分が蒸発して液滴が増粘し、液滴の記録媒体への浸透が妨げられる場合がある。
本発明は、記録媒体が乾燥部へ搬送される前において、記録媒体に液滴を浸透させる浸透部を有さない構成に比べ、記録媒体への液滴の浸透を促進させることを目的とする。
請求項1の発明は、液滴を記録媒体に吐出する吐出部と、前記記録媒体に吐出された前記液滴を乾燥させる乾燥部と、前記吐出部から前記乾燥部へ搬送される記録媒体を、高湿度環境の空間を通過させ、該記録媒体に前記液滴を浸透させる浸透部と、を備える。
請求項2の発明では、前記浸透部は、前記空間を通過する記録媒体を加熱する加熱部を有する。
請求項3の発明では、前記浸透部は、前記記録媒体から蒸発した蒸気の拡散を制限部によって高湿度環境とされる前記空間を有する。
請求項4の発明では、前記浸透部は、加湿により高湿度環境とされる前記空間を有する。
本発明の請求項1の構成によれば、記録媒体が乾燥部へ搬送される前において、記録媒体に液滴を浸透させる浸透部を有さない構成に比べ、記録媒体への液滴の浸透を促進できる。
本発明の請求項2の構成によれば、空間を通過する記録媒体を常温のままにする構成に比べ、記録媒体が乾燥部へ搬送される前において、記録媒体への液滴の浸透を促進できる。
本発明の請求項3の構成によれば、記録媒体から蒸発した蒸気を利用して、空間を高湿度環境とできる。
本発明の請求項4の構成によれば、加湿せずに高湿度環境の空間を形成する構成に比べ、空間をより湿度が高い高湿度環境とできる。
第一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 インク滴の粘度と連帳紙への浸透速度との関係を示す表である。 第二実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 第三実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 高湿度環境の空間における湿度毎の加熱温度とインク滴の粘度との関係を示すグラフである。 第四実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 第五実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 第五実施形態に係る画像形成装置の浸透部の構成を示す斜視図である。 第六実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 第六実施形態に係る画像形成装置の浸透部及び乾燥部の構成を示す概略図である。 第一実施形態に係る画像形成装置の変形例の構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
[第一実施形態]
(画像形成装置10)
まず、画像形成装置10(吐出装置の一例)について説明する。図1は、画像形成装置10の構成を示す概略図である。
図1に示されるように、画像形成装置10は、連帳紙P(記録媒体の一例)を搬送する搬送部16と、搬送される連帳紙Pの上方及び下方で連帳紙Pの搬送方向(図1における左右方向)に沿って配置された壁部14、17と、を備えている。また、画像形成装置10は、搬送される連帳紙Pの幅方向両側(図1の紙面の手前側及び奥側)にそれぞれ配置された側壁部15を備えている。さらに、画像形成装置10は、連帳紙Pにインク滴(液滴の一例)を吐出する吐出ユニット40(吐出部の一例)と、連帳紙Pに吐出されたインク滴を乾燥する乾燥部50と、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部20と、を備えている。
吐出ユニット40、浸透部20及び乾燥部50は、連帳紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順で配置されている。したがって、搬送部16によって搬送される連帳紙Pの各部分に対して、吐出工程(吐出動作)、浸透工程(浸透動作)及び乾燥工程(乾燥動作)が、この順で行われる。
(搬送部16)
搬送部16は、連帳紙Pを巻き出す巻出ロール62と、連帳紙Pを巻き取る巻取ロール64と、連帳紙Pを搬送する複数の搬送ロール66(案内ロール)と、を有している。巻取ロール64は、駆動部69によって回転駆動される。これにより、巻取ロール64が連帳紙Pを巻き取ると共に、巻出ロール62が連帳紙Pを巻き出し、連帳紙Pが搬送される。
複数の搬送ロール66は、巻出ロール62と巻取ロール64との間で、連帳紙Pに巻き掛けられている。これにより、巻出ロール62から巻取ロール64までの連帳紙Pの搬送経路が定められている。複数の搬送ロール66は、巻取ロール64が連帳紙Pを巻き取ることで、巻取ロール64側へ進行する連帳紙Pに従動回転する。
(吐出ユニット40)
吐出ユニット40は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴(液滴の一例)を連帳紙Pに吐出する吐出ヘッド42K、42Y、42M、42C(以下、42K〜42Cという)を有している。この吐出ヘッド42K〜42Cは、壁部14に固定されている。そして、吐出ユニット40では、吐出ヘッド42K〜42Cから各色のインク滴が連帳紙Pに吐出されることで、連帳紙Pに画像が形成される。
(乾燥部50)
乾燥部50は、図1に示されるように、壁部14に固定された赤外線ヒータ54を有している。赤外線ヒータ54は、搬送部16によって搬送される連帳紙Pの画像形成面に対向して配置されている。乾燥部50では、赤外線ヒータ54が連帳紙Pの画像形成面を加熱することで、連帳紙Pの画像形成面上に吐出されたインクを乾燥させる。
(浸透部20)
浸透部20は、連帳紙Pの搬送方向(図1の左右方向)における吐出ユニット40と乾燥部50との間に配置され、一対の側壁部13と一対の側壁部15と壁部14と壁部17とで囲まれた空間20Aを有している。一対の側壁部15は、前述のように、搬送される連帳紙Pの幅方向両側(図1の紙面の手前側及び奥側)に配置されている。一対の側壁部13は、連帳紙Pの搬送方向上流側及び下流側に間隔をあけて配置されており、壁部14に固定されている。
さらに、浸透部20は、壁部14に固定され空間20Aを加湿する加湿装置30(加湿部)を有している。加湿装置30は、加湿装置本体32と、加湿装置本体32に形成され、加湿された加湿空気を吹き出す吹出口34と、を有している。吹出口34は、連帳紙Pの画像形成面に対向するように空間20Aで開口している。
加湿装置30では、例えば、加湿装置本体32において加熱により水を蒸発させて水蒸気を発生させ、この水蒸気を、加湿装置本体32に備えられた送風機(図示省略)によって、空気と共に吹出口34から送り出すことで、加湿空気が生成される。
この加湿装置30が、空間20Aを加湿することで、画像形成装置10の装置内において周囲の湿度よりも高くされた高湿度環境の空間20Aとなる。空間20Aは、前述のように、一対の側壁部13と一対の側壁部15と壁部14と壁部17とで囲まれており、周囲に対して区画された空間とされている。なお、空間20Aは、連帳紙Pが空間20Aに対して出入りするための入出口部分では開放されている。また、出入口部分以外において、例えば、孔や切欠きにより開放された部分を有していてもよい。さらに、画像形成装置10の装置内において、区画された空間20Aの外側の部分が、空間20Aに対する周囲の部分である。空間20Aの湿度は、加湿装置30の加湿により、例えば、50%以上、望ましくは、60%以上、さらに望ましくは70%以上に調整される。
そして、浸透部20では、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間20Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
なお、加湿装置30の加湿方式は、前述の方式に限られず、例えば、水を霧状にして噴霧することで加湿する方式であってもよい。また、壁部14は、空間20Aの部分において、低く(壁部17との距離を狭く)してもよい。
(第一実施形態に係る作用)
本実施形態では、巻出ロール62から巻き出された連帳紙Pは、吐出ヘッド42K〜42Cへ向けて搬送される。この連帳紙Pに対して、吐出ヘッド42K〜42Cから各色のインク滴が吐出され、連帳紙Pに画像が形成される。
画像が形成された連帳紙Pは、浸透部20における高湿度環境の空間20Aを通過し、インク滴が連帳紙Pに浸透する。インク滴が浸透した連帳紙Pは、乾燥部50でインクが乾燥された後、巻取ロール64によって巻き取られる。
ここで、連帳紙Pに吐出されたインク滴に増粘(粘度の上昇)が生じると、インク滴の連帳紙Pへの浸透速度が低下する。図2の表には、インク滴の粘度と連帳紙Pへの浸透速度との関係が示されている。この図2に示されるように、例えば、インク滴の滴量が16pLであって初期粘度が6.637mPasである場合において、例えば0.99pLの水分蒸発が生じると、粘度は、例えば8.86mPasとなる。この場合における初期粘度での浸透速度に対する浸透速度の変化は、例えば0.75倍となる。また、例えば、インク滴の滴量が16pLであって初期粘度が6.637mPasである場合において、例えば、1.44pLの水分蒸発が生じると、粘度は、例えば9.83mPasとなる。この場合における初期粘度での浸透速度に対する浸透速度の変化は、0.67倍となる。このように、インク滴の増粘により、インク滴の連帳紙Pへの浸透速度が低下する。なお、インク滴の粘度は、例えば、TV−20(東機産業製)を測定装置として用い、環境温度20℃、湿度30%、せん断速度は1400s−1の条件で測定したものである(以下、同様である)。
これに対して、本実施形態では、前述のように、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間20Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
このため、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部20を有さない構成に比べ、インクの水分の蒸発が抑制されることで、インクの増粘が抑制される。そして、インクの増粘が抑制されることで、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、前述のように、本実施形態では、加湿装置30により空間20Aが加湿されるので、空間20Aを加湿せずに高湿度環境の空間20Aを形成する構成に比べ、空間20Aが、より湿度の高い高湿度環境となる。また、本実施形態では、加湿装置30により空間20Aが加湿されるので、空間20Aを加湿せずに高湿度環境の空間20Aを形成する構成に比べ、空間20Aを所望の湿度(狙いの湿度)に制御しやすい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る画像形成装置200について説明する。図3は、第二実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。なお、第一実施形態と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
第二実施形態に係る画像形成装置200は、浸透部20に替えて、浸透部220を有している。画像形成装置200は、浸透部220以外の構成については、第一実施形態に係る画像形成装置10と同様である。
浸透部220は、壁部14に固定されたスペーサ240を有している。スペーサ240は、例えば、上部が開口された箱状(直方体状)に形成されている。スペーサ240の上部開口の縁部には、搬送方向の上流側及び下流側に張り出すフランジ部244が形成されている。このフランジ部244が壁部14の下面に固定されることで、スペーサ240が壁部14に固定されている。
このスペーサ240により、第一実施形態における空間20Aよりも壁部14と壁部17との間が狭められることで、空間220Aが形成されている。空間220Aは、スペーサ240、壁部17及び一対の側壁部15によって、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散が制限され、画像形成装置200の装置内において周囲の湿度よりも高くされた高湿度環境とされる。このように、本実施形態では、スペーサ240、壁部17及び一対の側壁部15が制限部の一例として機能する。また、連帳紙Pから蒸発する蒸気には、連帳紙Pに元々含まれる水分と、連帳紙Pに吐出されたインク滴が含まれる(以下、同様である)。
また、空間220Aは、一対の側壁部15とスペーサ240と壁部17とで囲まれており、周囲に対して区画された空間とされている。なお、空間220Aは、連帳紙Pが空間220Aに対して出入りするための入出口部分では開放されている。また、出入口部分以外において、例えば、孔や切欠きにより開放された部分を有していてもよい。さらに、画像形成装置200の装置内において、区画された空間220Aの外側の部分が、空間220Aに対する周囲の部分である。
なお、連帳紙P(適正な位置で搬送されている状態の連帳紙P)に対するスペーサ240の距離は、装置として許容される浮き(ばたつき)が連帳紙Pに発生しても、連帳紙Pの画像形成面とスペーサ240との非接触状態が維持される距離(例えば、1.0mm以上)に設定される。
空間220Aの湿度が、例えば、30%以上、望ましくは、60%以上、さらに望ましくは70%以上になるように、空間220Aの大きさ(スペーサ240と壁部17との距離等)が調整される。なお、空間220Aを加湿する加湿装置を設けて、空間220Aの湿度を調整してもよい。
そして、浸透部220では、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間220Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
(第二実施形態に係る作用)
本実施形態では、前述のように、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間220Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
このため、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部220を有さない構成に比べ、インクの水分の蒸発が抑制されることで、インクの増粘が抑制される。そして、インクの増粘が抑制されることで、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、スペーサ240、壁部17及び一対の側壁部15によって、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散を制限して、空間220Aが高湿度環境とされる。すなわち、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気を有効利用して、高湿度環境の空間220Aを形成する。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態に係る画像形成装置300について説明する。図4は、第三実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。なお、第二実施形態と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
第三実施形態に係る画像形成装置300は、浸透部220に替えて、浸透部320を有している。画像形成装置300は、浸透部320以外の構成については、画像形成装置10、200と同様である。
浸透部320は、第二実施形態の浸透部220におけるスペーサ240と、連帳紙Pを加熱する赤外線ヒータ354(加熱部の一例)と、を有している。スペーサ240により、第一実施形態における空間20Aよりも壁部14と壁部17との間が狭められることで、空間320Aが形成されている。空間320Aは、スペーサ240、壁部17及び一対の側壁部15によって、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散が制限され、画像形成装置300の装置内において周囲の湿度よりも高くされた高湿度環境とされる。
空間320Aは、一対の側壁部15とスペーサ240と壁部17とで囲まれており、周囲に対して区画された空間とされている。なお、空間320Aは、連帳紙Pが空間320Aに対して出入りするための入出口部分では開放されている。また、出入口部分以外において、例えば、孔や切欠きにより開放された部分を有していてもよい。さらに、画像形成装置300の装置内において、区画された空間320Aの外側の部分が、空間320Aに対する周囲の部分である。
そして、浸透部320では、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間320Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
赤外線ヒータ354は、連帳紙Pの下側に配置されている。具体的には、赤外線ヒータ354は、壁部17におけるスペーサ240に対向する部分に形成された凹部19に配置されている。この赤外線ヒータ354が、空間320Aを通過する連帳紙Pの非画像形成面(画像形成面とは反対側の面)を加熱する。
なお、赤外線ヒータ354が連帳紙Pを加熱する加熱温度としては、例えば、20℃以上60℃以下とされ、望ましくは30℃以上50℃以下とされる。また、空間320Aの湿度は、例えば、30%以上、望ましくは、60%以上、さらに望ましくは70%以上になるように、空間320Aの大きさ(スペーサ240と壁部17との距離等)が調整される。なお、空間320Aを加湿する加湿装置を設けて、空間320Aの湿度を調整してもよい。
ここで、図5には、空間320Aにおける湿度毎の、加熱温度とインク滴の粘度との関係が示されている。なお、図5は、空間320Aの環境温度が20℃である場合の結果であり、図5に示す加熱温度20℃とは、実質的に連帳紙Pに熱が加わっていない常温の状態である。
図5に示されるように、湿度が低いと加熱温度が高くなるにつれて、インク滴の増粘傾向が示されるが、湿度60%以上になると、インク滴の増粘傾向が緩やかになる。特に、湿度60%では、加熱温度が20℃以上60℃の範囲において、環境温度20℃での粘度と同等以下の粘度となる。さらに、湿度70%では、加熱温度が20℃以上60℃の範囲において、環境温度20℃での粘度よりも低下する。
したがって、空間320Aの湿度は、60%以上に設定されるのが望ましく、70%以上に設定されるのがさらに望ましい。
また、湿度50%、60%、70%では、加熱温度40℃でインク滴の粘度の低下のピークとなり、加熱温度が30℃以上50℃の範囲において、環境温度20℃でのインク滴の粘度よりも低下する。
したがって、湿度50%以上70%以下の範囲では、加熱温度が30℃以上50℃の範囲で設定されるのが望ましい。
(第三実施形態に係る作用)
本実施形態では、前述のように、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間320Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
このため、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部320を有さない構成に比べ、インクの水分の蒸発が抑制されることで、インクの増粘が抑制される。そして、インクの増粘が抑制されることで、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、スペーサ240、壁部17及び一対の側壁部15によって、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散を制限して、空間320Aが高湿度環境とされる。すなわち、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気を有効利用して、高湿度環境の空間320Aを形成する。
さらに、本実施形態では、赤外線ヒータ354が、空間320Aを通過する連帳紙Pの非画像形成面を加熱する。これにより、連帳紙Pの画像形成面上に吐出されたインクが画像形成面に着弾すると同時に加熱される。インクは蒸発を抑制されていることにより蒸発による増粘よりも加熱によるインクの軟化が優勢となり、その結果、インクの粘度が低下する。したがって、本実施形態では、空間320Aを通過する連帳紙Pを常温のままにする構成に比べ、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態に係る画像形成装置400について説明する。図6は、第四実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。なお、第一、第二、第三実施形態と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
第四実施形態に係る画像形成装置400は、浸透部20に替えて、浸透部420を有している。画像形成装置400は、浸透部420以外の構成については、画像形成装置10、200、300と同様である。
浸透部420は、スペーサ440と、連帳紙Pを加熱する赤外線ヒータ454(加熱部の一例)と、を有している。
スペーサ440は、例えば、赤外線ヒータ454の赤外線を透過可能なフィルムで構成されている。当該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の樹脂材料が用いられる。また、当該フィルムの厚みとしては、例えば、十数μm程度とされる。このスペーサ440は、例えば、支持部442によって壁部14に支持されている。
このスペーサ440により、第一実施形態における空間20Aよりも壁部14と壁部17との間が狭められることで、空間420Aが形成されている。空間420Aは、スペーサ440、壁部17及び一対の側壁部15によって、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散が制限され、画像形成装置400の装置内において周囲の湿度よりも高くされた高湿度環境とされる。このように、本実施形態では、スペーサ440、壁部17及び一対の側壁部15が制限部の一例として機能する。
空間420Aは、一対の側壁部15とスペーサ440と壁部17とで囲まれており、周囲に対して区画された空間とされている。なお、空間420Aは、連帳紙Pが空間420Aに対して出入りするための入出口部分では開放されている。また、出入口部分以外において、例えば、孔や切欠きにより開放された部分を有していてもよい。さらに、画像形成装置400の装置内において、区画された空間420Aの外側の部分が、空間420Aに対する周囲の部分である。
なお、連帳紙P(適正な位置で搬送されている状態の連帳紙P)に対するスペーサ440の距離は、装置として許容される浮き(ばたつき)が連帳紙Pに発生しても、連帳紙Pの画像形成面とスペーサ440との非接触状態が維持される距離(例えば、1.0mm以上)に設定される。
そして、浸透部420では、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間420Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
赤外線ヒータ454は、スペーサ440の上側で壁部14に固定されている。具体的には、赤外線ヒータ454は、スペーサ440を間において、連帳紙Pの画像形成面と対向する位置に配置されている。この赤外線ヒータ454では、赤外線ヒータ454から下方へ出射された赤外線がスペーサ440を透過して、空間420Aを通過する連帳紙Pの画像形成面を加熱する。
なお、赤外線ヒータ454の加熱温度及び空間420Aの湿度は、第三実施形態における赤外線ヒータ354の加熱温度及び空間320Aの湿度と同様に設定されることが望ましい。
(第四実施形態に係る作用)
本実施形態では、前述のように、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間420Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
このため、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部420を有さない構成に比べ、インクの水分の蒸発が抑制されることで、インクの増粘が抑制される。そして、インクの増粘が抑制されることで、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、スペーサ440、壁部17及び一対の側壁部15によって、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散を制限して空間420Aが高湿度環境とされる。すなわち、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気を有効利用して、高湿度環境の空間420Aを形成する。
さらに、本実施形態では、赤外線ヒータ454が、空間420Aを通過する連帳紙Pの画像形成面を加熱する。これにより、連帳紙Pの画像形成面上に吐出されたインクを軟化させ、インクの粘度を低下させる。したがって、本実施形態では、空間420Aを通過する連帳紙Pを常温のままにする構成に比べ、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、赤外線ヒータ454の赤外線がスペーサ440を透過して、連帳紙Pの画像形成面を加熱するため、赤外線ヒータ454が、スペーサ440に対する連帳紙P側とは反対側に配置される。これにより、スペーサ440と赤外線ヒータ454とが、連帳紙Pに対する同じ側(上方側)に集約して配置される。
[第五実施形態]
次に、第五実施形態に係る画像形成装置500について説明する。図7は、第五実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。なお、第一、第二、第三、第四実施形態と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
画像形成装置500は、画像形成装置本体513(筐体)と、搬送部16と、吐出ユニット40(吐出部の一例)と、浸透部520と、乾燥部50と、冷却部560と、を備えている。
吐出ユニット40、浸透部520、乾燥部50及び冷却部560は、連帳紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順で配置されている。したがって、搬送部16によって搬送される連帳紙Pの各部分に対して、吐出工程(吐出動作)、浸透工程(浸透動作)、乾燥工程(乾燥動作)及び冷却工程(冷却動作)が、この順で行われる。
(乾燥部50)
乾燥部50は、図7に示されるように、筐体52と、筐体52の内部に配置された複数の赤外線ヒータ54と、を有している。筐体52の上部には、連帳紙Pの各部が入る入口52Aが形成されている。筐体52の下部には、連帳紙Pの各部が出る出口52Bが形成されている。
複数の赤外線ヒータ54は、筐体52の内部で搬送される連帳紙Pの画像形成面に対向して、上下方向に沿って配置されている。乾燥部50では、赤外線ヒータ54が連帳紙Pの画像形成面を加熱することで、画像形成面上のインクを乾燥させる。
(冷却部560)
冷却部560は、図7に示されるように、連帳紙Pを冷却する第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562を有している。この第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562に対して、連帳紙PがS字状に巻き掛けられている。第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562は、巻取ロール64側へ進行する連帳紙Pに従動回転するようになっている。
第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562は、それぞれ、例えば、円筒状の金属ロールで構成されている。第一冷却ロール561の両端部及び第二冷却ロール562の両端部は、それぞれ、例えば、冷媒が流通する流通管(図示省略)を介して、熱交換器(図示省略)に接続されている。
当該熱交換器で冷却された冷媒が、当該流通管を介して第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562の内部を流通することで第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562の温度が低下する。そして、冷却部560では、第一冷却ロール561及び第二冷却ロール562の外周面が連帳紙Pに接触することで、連帳紙Pを冷却する。
(浸透部520)
浸透部520は、図7及び図8に示されるように、連帳紙Pが通過するケース540(囲い)と、連帳紙Pを加熱する加熱ロール530(加熱部の一例)と、を有している。
ケース540及び加熱ロール530は、連帳紙Pの搬送方向における吐出ユニット40と乾燥部50との間に配置されている。具体的には、ケース540及び加熱ロール530は、画像形成装置本体513内において、吐出ユニット40の側方(図5における右側)であって、乾燥部50の上方に配置されている。
ケース540は、図8に示されるように、連帳紙Pの各部が入る入口546と、連帳紙Pの各部が出る出口548と、を有し、一部が湾曲された角筒で形成されている。本実施形態では、入口546は、ケース540の一端部において側方(図7における右側)に向けて開口すると共に、出口548が、ケース540の他端部において下方に向けて開口している。そして、ケース540の一部は、入口546に入った連帳紙Pの搬送方向が側方(図7における右方向)から下方へ変わるように湾曲している。
ケース540は、具体的には、連帳紙Pの画像形成面に対向する第1壁541と、連帳紙Pの非画像形成面に対向する第2壁542と、連帳紙Pの側端のそれぞれに対向する一対の側壁544と、を有している。第2壁542における連帳紙Pの搬送方向中央部には、開口543が形成されている。
ケース540の内部には、第1壁541と第2壁542と一対の側壁544とで囲まれた空間520Aが形成されている。空間520Aは、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散がケース540(制限部の一例)によって制限され、画像形成装置500の装置内において周囲の湿度よりも高くされた高湿度環境とされる。
空間520Aは、前述のように、第1壁541と第2壁542と一対の側壁544とで囲まれており、周囲に対して区画された空間とされている。なお、空間520Aは、連帳紙Pが空間520Aに対して出入りするための入口546及び出口548では開放されている。また、入口546及び出口548以外において、例えば、孔や切欠きにより開放された部分を有していてもよい。さらに、画像形成装置500の装置内において、区画された空間520Aの外側の部分が、空間520Aに対する周囲の部分である。
なお、連帳紙P(適正な位置で搬送されている状態の連帳紙P)に対する第1壁541の距離は、装置として許容される浮き(ばたつき)が連帳紙Pに発生しても、連帳紙Pの画像形成面と第1壁541との非接触状態が維持される距離(例えば、1.0mm以上)に設定される。また、第2壁542に対しては、連帳紙Pは、離間した状態(非接触状態)で搬送されていてもよいし、第2壁542に対して接触した状態で搬送されていてもよい。
そして、浸透部520では、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間520Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
加熱ロール530は、例えば、円筒状の金属ロールで構成されている。加熱ロール530の内部には、ハロゲンランプ等の加熱源532が配置されている。
加熱ロール530は、ケース540における第2壁542の開口543を通じて、外周一部がケース540の内部に進入している。加熱ロール530の外周一部に連帳紙Pが巻き掛けられている。これにより、当該外周一部と連帳紙Pとが接触し、加熱ロール530が連帳紙Pを加熱する。
なお、加熱ロール530は、連帳紙Pが巻き掛けられることで搬送ロール66として機能し、巻取ロール64側へ進行する連帳紙Pに従動回転する。また、加熱ロール530の加熱温度及び空間520Aの湿度は、第三実施形態における赤外線ヒータ354の加熱温度及び空間320Aの湿度と同様に設定されることが望ましい。
(第五実施形態に係る作用)
本実施形態では、前述のように、吐出ユニット40から乾燥部50へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間520Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
このため、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部520を有さない構成に比べ、インクの水分の蒸発が抑制されることで、インクの増粘が抑制される。そして、インクの増粘が抑制されることで、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散をケース540が制限して、空間520Aが高湿度環境とされる。すなわち、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気を有効利用して、高湿度環境の空間520Aを形成する。
さらに、本実施形態では、加熱ロール530が、空間520Aを通過する連帳紙Pの非画像形成面を加熱する。これにより、連帳紙Pの画像形成面上に吐出されたインクを軟化させ、インクの粘度を低下させる。したがって、本実施形態では、空間520Aを通過する連帳紙Pを常温のままにする構成に比べ、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
本実施形態では、加熱ロール530が、連帳紙Pを搬送する搬送ロール66として機能するので、加熱ロール530が連帳紙Pを加熱する専用部品である場合に比べ、部品点数が低減される。
[第六実施形態]
次に、第六実施形態に係る画像形成装置600について説明する。図9は、第六実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。なお、第五実施形態と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
第六実施形態に係る画像形成装置600は、第五実施形態に係る画像形成装置500において、浸透部520に替えて、連帳紙Pを搬送する搬送ロール66を備えている。また、第六実施形態に係る画像形成装置600は、第五実施形態に係る画像形成装置500において、乾燥部50に替えて、浸透部620及び乾燥部660を有する筐体652を備えている。
筐体652は、図9及び図10に示されるように、連帳紙Pの各部が入る入口652Aを上部に有し、連帳紙Pの各部が出る出口652Bを下部に有している。
浸透部620は、筐体652の内部において出口652Bよりも入口652Aに近い側に配置されている。すなわち、筐体652の内部で連帳紙Pが搬送される搬送経路において、搬送方向上流側部分に配置されている。
乾燥部660は、筐体652の内部で連帳紙Pが搬送される搬送経路において、浸透部620よりも搬送方向下流側に配置されている。浸透部620は、連帳紙Pが通過するケース640(囲い)と、連帳紙Pを加熱する複数の赤外線ヒータ630(加熱部の一例)と、を有している。
ケース640は、図10に示されるように、連帳紙Pの各部が入る入口646と、連帳紙Pの各部が出る出口648と、を有する角筒で形成されている。本実施形態では、入口646はケース640の上端部で開口し、出口648はケース640の下端部で開口している。
ケース640は、連帳紙Pの画像形成面に対向する第1壁641と、連帳紙Pの非画像形成面に対向する第2壁642と、連帳紙Pの側端のそれぞれに対向する一対の側壁644と、を有している。
第1壁641は、例えば、赤外線ヒータ630の赤外線を透過可能なフィルムで構成されている。当該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の樹脂材料が用いられる。また、当該フィルムの厚みとしては、例えば、十数μm程度とされる。
第2壁642及び一対の側壁644は、例えば、第1壁641よりも厚く形成されて、角筒形状が維持する剛性を有している。第2壁642及び一対の側壁644の材料としては、例えば、樹脂や金属等の材料で用いられる。
ケース640の内部には、第1壁641と第2壁642と一対の側壁644とで囲まれた空間620Aが形成されている。空間620Aは、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散がケース640(制限部の一例)によって制限され、画像形成装置600の装置内において周囲の湿度よりも高くされた高湿度環境とされる。
空間620Aは、前述のように、第1壁641と第2壁642と一対の側壁644とで囲まれており、周囲に対して区画された空間とされている。なお、空間620Aは、連帳紙Pが空間620Aに対して出入りするための入口646及び出口648では開放されている。また、入口646及び出口648以外において、例えば、孔や切欠きにより開放された部分を有していてもよい。さらに、画像形成装置600の装置内において、区画された空間620Aの外側の部分が、空間620Aに対する周囲の部分である。
なお、連帳紙P(適正な位置で搬送されている状態の連帳紙P)に対する第1壁641の距離は、装置として許容される浮き(ばたつき)が連帳紙Pに発生しても、連帳紙Pの画像形成面と第1壁641との非接触状態が維持される距離(例えば、1.0mm以上)に設定される。また、第2壁642に対しては、連帳紙Pは、離間した状態(非接触状態)で搬送されていてもよいし、第2壁642に対して接触した状態で搬送されていてもよい。
そして、浸透部620では、吐出ユニット40から乾燥部660へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間620Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
複数の赤外線ヒータ630は、筐体652の内部において、第1壁641に沿って上下方向に配置されている。この赤外線ヒータ630では、赤外線ヒータ630から出射された赤外線が第1壁641を透過して、空間620Aを通過する連帳紙Pの画像形成面を加熱する。
乾燥部660は、複数の赤外線ヒータ630の下方に配置された複数の赤外線ヒータ664を有している。複数の赤外線ヒータ664は、筐体652の内部で搬送される連帳紙Pの画像形成面に対して直接対向して、上下方向に沿って配置されている。乾燥部660では、赤外線ヒータ664が、ケース640の出口648から出てきた連帳紙Pの画像形成面を加熱することで、画像形成面上のインクを乾燥させる。
なお、複数の赤外線ヒータ630は、主に、ケース640の内部を通過する連帳紙Pの加熱に寄与するが、ケース640の出口648から出てきた連帳紙Pの加熱にも寄与する。したがって、複数の赤外線ヒータ630は、乾燥部660における加熱部の一例としても機能する。
また、複数の赤外線ヒータ664は、主に、ケース640の出口648から出てきた連帳紙Pの加熱に寄与するが、ケース640の内部を通過する連帳紙Pの加熱にも寄与する。したがって、複数の赤外線ヒータ664は、浸透部620における加熱部の一例としても機能する。
なお、赤外線ヒータ630の加熱温度及び空間620Aの湿度は、第三実施形態における赤外線ヒータ354の加熱温度及び空間320Aの湿度と同様に設定されることが望ましい。
また、筐体652内に連帳紙Pが水平方向(横方向)に搬送されるように搬送経路が設定されると共に、ケース640が横向きに配置され、入口646及び出口648が水平方向に開放される構成であってもよい。
(第六実施形態に係る作用)
本実施形態では、前述のように、吐出ユニット40から乾燥部660へ搬送される連帳紙Pを、高湿度環境の空間620Aを通過させ、連帳紙Pにインク滴を浸透させる。
このため、連帳紙Pにインク滴を浸透させる浸透部620を有さない構成に比べ、インクの水分の蒸発が抑制されることで、インクの増粘が抑制される。そして、インクの増粘が抑制されることで、連帳紙Pが乾燥部660へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散をケース640が制限して、空間620Aが高湿度環境とされる。すなわち、本実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気を有効利用して、高湿度環境の空間620Aを形成する。
さらに、本実施形態では、赤外線ヒータ630が、空間620Aを通過する連帳紙Pの画像形成面を加熱する。これにより、連帳紙Pの画像形成面上に吐出されたインクを軟化させ、インクの粘度を低下させる。したがって、本実施形態では、空間620Aを通過する連帳紙Pを常温のままにする構成に比べ、連帳紙Pが乾燥部660へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
また、本実施形態では、浸透部620及び乾燥部660が単一の筐体652に配置されるので、小型化が図れる。また、複数の赤外線ヒータ630、664は、それぞれ、浸透部620の加熱部と乾燥部660の加熱部とを兼ねるので、それぞれが専用部品である場合に比べ、熱の利用効率が優れる。
(変形例)
第一、第二、第三、第四、第五及び第六実施形態では、記録媒体として連帳紙Pを用いたが、搬送方向の長さが予め定められた長さとされたカット紙などを用いてもよい。
第二、第三、第四、第五及び第六実施形態では、連帳紙Pから蒸発した蒸気の拡散をスペーサ240、440、ケース540、640で制限して、空間220A、320A、420A、520A、620Aを高湿度環境にしていたが、これに加えて、当該空間を加湿する加湿装置を設けて、当該空間の湿度をさらに高める構成であってもよい。
第一実施形態の浸透部20は、加熱部を有していない構成であったが、図11に示されるように、加熱部を有する構成であってもよい。図11に示す構成では、浸透部20は、第三実施形態と同様の赤外線ヒータ354(加熱部の一例)を有している。この構成によれば、赤外線ヒータ354が、空間20Aを通過する連帳紙Pの非画像形成面を加熱する。これにより、連帳紙Pの画像形成面上に吐出されたインクが画像形成面に着弾すると同時に加熱される。インクは蒸発を抑制されていることにより蒸発による増粘よりも加熱によるインクの軟化が優勢となり、その結果、インクの粘度が低下する。したがって、空間20Aを通過する連帳紙Pを常温のままにする構成に比べ、連帳紙Pが乾燥部50へ搬送される前において、連帳紙Pへのインク滴の浸透が促進される。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した各実施形態及び各変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
10、200、300、400、500、600 画像形成装置
20、220、320、420、520、620 浸透部
20A、220A、320A、420A、520A,620A 空間、
40 吐出ユニット(吐出部の一例)
50、660乾燥部
354、454、630 赤外線ヒータ(加熱部の一例)
530 加熱ロール(加熱部の一例)
P 連帳紙(記録媒体の一例)

Claims (4)

  1. 搬送方向に搬送される記録媒体に液滴を記録媒体に吐出する吐出部と、
    前記記録媒体に吐出された前記液滴を乾燥させる乾燥部と、
    前記吐出部に対する前記搬送方向の下流側であって前記乾燥部に対する前記搬送方向の上流側に配置され、前記吐出部から前記乾燥部へ搬送される記録媒体を、高湿度環境の空間を通過させ、該記録媒体に前記液滴を浸透させる浸透部と、
    を備える吐出装置。
  2. 前記浸透部は、前記空間を通過する記録媒体を加熱する加熱部を有する請求項1に記載の吐出装置。
  3. 前記浸透部は、前記記録媒体から蒸発した蒸気の拡散を制限部によって高湿度環境とされる前記空間を有する
    請求項1又は2に記載の吐出装置。
  4. 前記浸透部は、
    前記搬送される記録媒体における前記液滴が着弾する面に対して対向して配置された加湿装置と、
    当該加湿装置が、加湿した加湿空気を前記面に送ることで、高湿度環境とされる前記空間と、
    を有する
    請求項1又は2に記載の吐出装置。
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