JP2015204362A - チップ間隔維持方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡張された粘着テープの弛みを的確かつ短時間で除去すること。【解決手段】チップ間隔維持方法は、環状フレーム(F)に粘着テープ(T)を介して支持された被加工物(W)の複数のチップ(C)の間隔を、粘着テープを引き伸ばして拡張した状態で維持する方法であり、保持テーブル(11)に保持された被加工物とフレーム保持手段(12)に保持された環状フレームを鉛直方向に相対移動させて粘着テープを引き伸ばして被加工物の複数のチップ間に間隔を形成し、複数のチップの間隔を維持するように保持テーブルで粘着テープを吸引保持し、保持テーブルとフレーム保持手段とを初期状態まで段階的に戻しながら粘着テープのテンションを解除しつつ、各段階のテンションの解除で生じる粘着テープの弛みを加熱手段(41)で熱収縮させる構成にした。【選択図】図5
Description
本発明は、粘着テープを介して環状フレームに支持された被加工物の分割後の個々のチップを、チップ間隔を拡張した状態で維持するチップ間隔維持方法に関する。
従来、粘着テープに貼着された被加工物に分割予定ラインに沿って改質層、レーザー加工溝、切削溝等の分割起点を形成した後に、被加工物を個々のチップに分割する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の分割方法では、環状フレームに張られた粘着テープが拡張されることで、分割予定ラインに沿って形成された分割起点に外力が加わり、この強度が低下した分割起点に沿って被加工物が個々のチップに分割される。しかしながら、粘着テープのテンションが解除されると、粘着テープに大きな弛みが生じて隣接するチップ同士が接触して欠損や破損が生じる可能性がある。
このため、チップ間の間隔を維持(固定)した状態で、粘着テープの弛みが大きな被加工物の周囲に熱等の外的刺激を付与して、粘着テープの弛みを収縮させる方法も提案されている。この方法では、粘着テープの材質や厚みによっては外的刺激による弛みの収縮が不十分、或いは、弛みが収縮しないことが懸念される。そこで、粘着テープの弛みを把持して熱圧着することで粘着テープに張りを作る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の方法では、被加工物の周囲にできた粘着テープの弛みを上方に隆起させて、この隆起した箇所を全周に渡って把持しつつ熱圧着して粘着テープの弛みを除去している。
しかしながら、特許文献2の方法では、粘着テープの隆起した箇所を全周に渡って圧着しなければならず、特に大口径の被加工物の粘着テープから弛みを除去するためには多大な時間を要するという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、拡張された粘着テープの弛みを的確かつ短時間で除去することができるチップ間隔維持方法を提供することを目的とする。
本発明のチップ間隔維持方法は、粘着テープに貼着され環状フレームに装着された被加工物を構成する複数のチップの間隔を拡張した状態を維持するチップ間隔維持方法であって、被加工物を吸引保持可能な保持テーブル上に該粘着テープを介して被加工物を載置するとともに該環状フレームをフレーム保持手段で保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後、該保持テーブルと該フレーム保持手段とを鉛直方向に所定距離相対移動させて該フレーム保持手段に対して該保持テーブルを突き上げ該粘着テープを引き延ばすことで、該複数のチップ間に間隔を形成するチップ間隔拡張ステップと、該チップ間隔拡張ステップを実施した後、該保持テーブルで該粘着テープを介して被加工物を吸引保持することで隣接する該チップ間の間隔を維持する吸引保持ステップと、該吸引保持ステップを開始した後、該保持テーブルと該フレーム保持手段とを鉛直方向に相対移動させて該フレーム保持手段に対する該保持テーブルの該所定距離の突き上げを複数回にわたって段階的に解除して、各段階毎に被加工物と該環状フレームの内周との間の引き延ばされた該粘着テープを加熱して段階的に複数回にわたって該粘着テープを収縮させ、隣接する該チップ間の間隔を固定するチップ間隔固定ステップと、を備える。
この構成によれば、環状フレームを保持するフレーム保持手段に対して、被加工物を保持する保持テーブルが突き上げられることで、粘着テープが引き伸ばされてチップ間に間隔が形成される。そして、被加工物のチップ間に間隔が維持された状態で、保持テーブルの突き上げが段階的に解除されながら、弛みが大きくなる前に加熱によって粘着テープの弛みが徐々に収縮される。よって、被加工物のチップ間に間隔が維持された状態で、粘着テープの弛みが収縮されて固定されるため、隣接するチップ同士が接触して欠損や破損することがない。また、粘着テープの弛みを把持して熱圧着する方法と比較して、短時間で粘着テープに張りを作ることができる。
また上記チップ間隔維持方法において、交差する複数の分割予定ラインが設定された被加工物に該分割予定ラインに沿って分割起点が形成されていて、該チップ間隔拡張ステップにおいて、被加工物が複数のチップに分割されるとともに、チップ間に間隔が形成される。
本発明によれば、粘着テープの拡張状態を段階的に解除しつつ、加熱によって粘着テープの弛みを収縮させることで、拡張された粘着テープの弛みを的確かつ短時間で除去することができる。
以下、本実施の形態に係るチップ間隔維持装置について説明する。図1は、本実施の形態に係るチップ間隔維持装置の斜視図である。なお、本実施の形態に係るチップ間隔維持装置は、図1に示す構成に限定されない。チップ間隔維持装置は、粘着テープの拡張状態を段階的に解除しつつ、加熱によって粘着テープの弛みを除去可能な構成であれば、どのように構成されてもよい。
図1に示すように、チップ間隔維持装置1は、環状フレームFに粘着テープTを介して支持された円板状の被加工物Wを、粘着テープTのテープ拡張によって個々のチップを分割するように構成されている。また、チップ間隔維持装置1は、チップ間隔を維持した状態で粘着テープTのテンションを段階的に解除して、テンションの解除の度に生じる弛みを加熱(ヒートシュリンク)によって繰返し除去するように構成されている。このように、粘着テープTが引き伸ばされて大きく弛んだ箇所だけを熱収縮させて、被加工物Wの分割後のチップ間隔を維持した状態で固定している。
被加工物Wの表面51には格子状の分割予定ライン52が設けられており、分割予定ライン52によって区画された各領域に各種デバイス(不図示)が形成されている。被加工物Wの外縁には結晶方位を示すノッチ53が設けられている。なお、被加工物Wは、シリコン、ガリウム砒素等の半導体基板にIC、LSI等のデバイスが形成された半導体ウェーハでもよいし、セラミック、ガラス、サファイア系の無機材料基板にLED等の光デバイスが形成された光デバイスウェーハでもよい。被加工物Wは、粘着テープTを介して環状フレームFに支持された状態でチップ間隔維持装置1に搬入される。
また、被加工物Wの内部には、分割予定ライン52に沿って分割起点となる改質層54(図2参照)が形成されている。なお、改質層54は、レーザーの照射によって被加工物Wの内部の密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲と異なる状態となり、周囲よりも強度が低下する領域のことをいう。改質層54は、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域であり、これらが混在した領域でもよい。また、以下の説明では、分割起点として改質層54を例示するが、分割起点は、被加工物Wの強度を低下させて分割時の起点になればよく、例えば、レーザー加工溝、切削溝、スクライブラインでもよい。
チップ間隔維持装置1は、中央に被加工物Wを吸引保持可能な保持テーブル11が配置され、保持テーブル11の周囲には環状フレームFを保持するフレーム保持手段12が配置される。保持テーブル11は、ドラム状の外壁部21の上側に支持プレート22(図2参照)を介して多孔質のポーラス板23を配置している。この多孔質のポーラス板23によって保持テーブル11の上面に被加工物Wを吸着する保持面24が形成されている。保持面24は、保持テーブル11内の流路を通じて吸引源13(図2参照)に接続されており、保持面24に生じる負圧によって被加工物Wが吸引保持される。
また、保持面24から吸引源13に連なる流路には開閉バルブ14(図2参照)が設けられており、開閉バルブ14によって保持面24の吸引保持と吸引解除が切り替えられている。保持テーブル11の外壁部21の上端部、すなわち保持テーブル11の外周エッジには、全周に渡って複数のローラ部25が設けられている。複数のローラ部25は、保持面24に被加工物Wが保持された状態で、被加工物Wの周囲の粘着テープTに下側から転接されている。複数のローラ部25が粘着テープTに転接されることで、粘着テープTの拡張時に保持テーブル11の外周エッジで生じる摩擦が抑えられている。
フレーム保持手段12は、載置テーブル31上の環状フレームFを、カバープレート32で上方から挟み込むようにして、載置テーブル31上で環状フレームFを保持している。載置テーブル31は上面視四角形状であり、中央に保持テーブル11よりも大径の円形開口33が形成されている。載置テーブル31の四隅は、載置テーブル31を昇降させる4つの昇降シリンダ34のシリンダロッド35によって下側から支持されている。4つの昇降シリンダ34は、電動シリンダ等で構成されており、シリンダロッド35の突出量を制御することによって載置テーブル31が昇降される。
カバープレート32は、載置テーブル31に被せられるように、下面を開放した箱状に形成されている。カバープレート32の上壁部36には、中央に保持テーブル11よりも大径の円形開口37が形成されている。載置テーブル31上にカバープレート32が被せられると、カバープレート32と載置テーブル31によって環状フレームFが保持されると共に、カバープレート32の円形開口37から被加工物Wと粘着テープTの一部が上方に露出される。なお、カバープレート32は、載置テーブル31に被せられた状態で、例えば、不図示のクランプ部によって載置テーブル31に固定される。
カバープレート32の上方には、複数の加熱手段41を備えた円板状の昇降プレート42が設けられている。昇降プレート42は、不図示のモーター等によって回転される回転軸43の下端に固定されており、不図示の昇降機構によって鉛直方向に移動される。複数の加熱手段41は、遠赤外線ヒーターであり、環状フレームFと被加工物Wの間の環状の領域に位置付けられている。加熱手段41は、例えば、金属材料に吸収され難い3μm〜25μmにピーク波形の遠赤外線をスポット照射することで、装置各部の加熱を抑えて粘着テープTの照射箇所のみを適切に加熱することが可能になっている。
このようなチップ間隔維持装置1では、フレーム保持手段12が環状フレームFを保持した状態で下降されることで、カバープレート32及び載置テーブル31の円形開口33、37から保持テーブル11が突出される。フレーム保持手段12に対して保持テーブル11が相対的に突き上げられることで、粘着テープTが径方向に拡張されて被加工物Wが個々のチップに分割される。また、フレーム保持手段12が上昇されて保持テーブル11の突き上げが解除されると、粘着テープTのテンションが緩められて被加工物Wの周囲に弛みが生じる。この粘着テープTの弛みは複数の加熱手段41からの遠赤外線の照射によって除去される。
この場合、フレーム保持手段12を一度に上昇させて保持テーブル11の突き上げを解除すると、粘着テープTの弛みが大きくなって加熱手段41による加熱では適切に除去することが難しい。そこで、本実施の形態に係るチップ間隔維持装置1では、フレーム保持手段12を複数回に分けて少しずつ上昇させて保持テーブル11の突き上げを段階的に解除するようにして、突き上げ解除の各段階で生じた粘着テープTの弛みを加熱手段41による加熱で除去するようにしている。
以下、図2から図5を参照して、チップ間隔維持装置によるチップ間隔維持方法について説明する。図2は、本実施の形態に係る保持ステップの一例を示す図である。図3は、本実施の形態に係るチップ間隔拡張ステップの一例を示す図である。図4は、本実施の形態に係る吸引保持ステップの一例を示す図である。図5は、本実施の形態に係るチップ間隔固定ステップの一例を示す図である。なお、被加工物には前段のステップで分割起点が形成されているものとして説明する。
図2に示すように、先ず保持ステップが実施される。保持ステップでは、保持テーブル11上に粘着テープTを介して被加工物Wが載置され、被加工物Wの周囲の環状フレームFがフレーム保持手段12によって保持される。このとき、保持テーブル11は被加工物Wよりも大径に形成されており、被加工物Wと環状フレームFの間の粘着テープTに対して保持テーブル11の外周エッジのローラ部25が下側から接触している。また、開閉バルブ14が閉じられており、吸引源13からのポーラス板23への吸引力が遮断されている。さらに、被加工物Wの内部には、分割予定ライン52に沿って分割起点としての改質層54(図1参照)が形成されている。
図3に示すように、保持ステップの後にはチップ間隔拡張ステップが実施される。チップ間隔拡張ステップでは、フレーム保持手段12が初期位置から鉛直方向に所定距離(例えば、15mm)下降することで、保持テーブル11がフレーム保持手段12に対して相対的に突き上げられる。この結果、被加工物Wが貼着された粘着テープTが放射方向に拡張されて、粘着テープTを介して被加工物Wの改質層54に外力が付与される。被加工物Wは、強度が低下した改質層54(図2参照)を分割起点として個々のチップCに分割される。粘着テープTは、隣り合うチップCが完全に離間するまで引き伸ばされ、複数のチップC間に間隔が形成される。
このとき、保持テーブル11の外周エッジで複数のローラ部25に粘着テープTが転接しているため、粘着テープTの拡張時の摩擦等が抑えられている。なお、チップ間隔拡張ステップは、保持テーブル11に対してフレーム保持手段12が下降することで粘着テープTが拡張されたが、この構成に限定されない。保持テーブル11とフレーム保持手段12とが鉛直方向に相対移動されることで粘着テープTが拡張されればよい。例えば、保持テーブル11がフレーム保持手段12に対して上昇して粘着テープTを拡張してもよいし、保持テーブル11が上昇してフレーム保持手段12が下降して粘着テープTを拡張してもよい。
図4に示すように、チップ間隔拡張ステップの後には吸引保持ステップが実施される。吸引保持ステップでは、開閉バルブ14が開かれて吸引源13とポーラス板23とが連通され、保持テーブル11にポーラス板23に吸引力が発生する。このとき、粘着テープTが引き伸ばされているため、保持テーブル11で粘着テープTを介して被加工物Wが吸引保持されることで隣接するチップC間の間隔が維持される。このように、チップ間隔の拡張時には、粘着テープTの拡張を阻害しないように粘着テープTが保持テーブル11で吸引保持されず、チップ間隔の拡張後にチップ間隔を維持するように粘着テープTが保持テーブル11で吸引保持される。
図5に示すように、吸引保持ステップの後にはチップ間隔固定ステップが実施される。なお、本実施の形態ではチップ間隔拡張ステップで下降されたフレーム保持手段12を、3段階に分けて上昇させながらチップ間隔固定ステップが実施される。図5Aに示すように、チップ間隔固定ステップの第1段階では、フレーム保持手段12が下降位置から僅かに(例えば、3mm)上昇され、保持テーブル11の突き上げが1段階分だけ解除される。保持テーブル11上で粘着テープTが吸引保持されているため、被加工物Wの周囲の粘着テープTのテンションが緩んでも保持テーブル11上の粘着テープTに弛みが生じることがない。
保持テーブル11の突き上げの解除によって、粘着テープTにおける環状フレームFと被加工物Wとの間の環状の領域の全周に亘って僅かな弛みSが生じる。このとき、複数の加熱手段41が環状フレームFと被加工物Wの間の環状の領域に近づけられており、複数の加熱手段41からの遠赤外線の照射によって粘着テープTの弛みSが加熱される。そして、複数の加熱手段41が鉛直軸回りに回転されて、粘着テープTの弛みSが全周に亘って熱収縮(ヒートシュリンク)される。このようにして、チップ間隔固定ステップの第1段階で生じる弛みSが除去される。
続いて、図5Bに示すように、チップ間隔固定ステップの第2段階では、フレーム保持手段12がさらに(例えば、4[mm])上昇され、保持テーブル11の突き上げがさらに1段階分だけ解除される。さらなる保持テーブル11の突き上げの解除によって、粘着テープTにおける被加工物Wと環状フレームFとの間の環状の領域の全周に亘って新たな弛みSが生じる。このとき、複数の加熱手段41もフレーム保持手段12の上昇に伴って上昇しており、複数の加熱手段41からの遠赤外線の照射によって粘着テープTの弛みSが全周に亘って除去される。このようにして、チップ間隔固定ステップの第2段階で生じる弛みSが除去される。
さらに、図5Cに示すように、チップ間隔固定ステップの第3段階では、フレーム保持手段12が初期位置まで上昇され、保持テーブル11の突き上げがさらに1段階分だけ解除される。さらなる保持テーブル11の突き上げの解除によって、粘着テープTにおける被加工物Wと環状フレームFとの間の環状の領域の全周に亘って新たな弛みSが生じる。このとき、複数の加熱手段41もフレーム保持手段12の上昇に伴って上昇しており、複数の加熱手段41からの遠赤外線の照射によって粘着テープTの弛みSが全周に亘って除去される。このようにして、チップ間隔固定ステップの第3段階で生じる弛みSが除去される。
このように、フレーム保持手段12に対する保持テーブル11の所定距離の突き上げを複数回にわたって段階的に解除して、各段階で被加工物Wと環状フレームFの内周との間の引き伸ばされた粘着テープTを加熱して段階的に複数回にわたって粘着テープTが収縮される。これにより、粘着テープTの弛みが大きくなり過ぎることがなく、加熱手段41の加熱によって徐々に粘着テープTの弛みが除去される。チップ間隔固定ステップでは、被加工物Wの周囲の粘着テープTだけが熱収縮されるため、保持テーブル11の吸引保持が解除されても隣接するチップCの間隔が維持された状態で固定される。
なお、本実施の形態に係るチップ間隔固定ステップでは、3段階に分けて粘着テープTを熱収縮させる構成にしたが、この構成に限定されない。チップ間隔固定ステップが連続的な動作に近づくように、チップ間隔固定ステップの動作を細分化してもよい。すなわち、フレーム保持手段12が加工位置から初期位置まで戻る間で、保持テーブル11の突き上げの解除動作や加熱手段41による粘着テープTの加熱動作の動作回数(段階数)を増やして細分化し、略連続的に粘着テープTの弛みを除去するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係るチップ間隔維持方法は、環状フレームFを保持するフレーム保持手段12に対して、被加工物Wを保持する保持テーブル11が突き上げられることで、粘着テープTが引き伸ばされてチップC間に間隔が形成される。そして、被加工物WのチップC間に間隔が維持された状態で、保持テーブル11の突き上げが段階的に解除されながら、弛みSが大きくなる前に加熱によって粘着テープTの弛みSが徐々に収縮される。よって、粘着テープTの弛みSが十分に収縮されても、被加工物WのチップC間に間隔が維持された状態で固定されるため、隣接するチップC同士が接触して欠損や破損することがない。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態に係るチップ間隔拡張ステップでは、粘着テープTの拡張によって被加工物Wが複数のチップCに分割されると共に、複数のチップC間に間隔が形成される構成にしたが、この構成に限定されない。例えば、被加工物Wが既に分割されている場合には、チップ間隔拡張ステップでは、粘着テープTの拡張によって複数のチップC間に間隔が形成されればよい。
また、本実施の形態では、加熱手段41は、粘着テープTに遠赤外線を照射することで熱収縮させる構成にしたが、この構成に限定されない。加熱手段41は、粘着テープTを熱収縮させることが可能であれば、どのように構成されてもよい。また、本実施の形態では、加熱手段41が、フレーム保持手段12の昇降動作に追従する構成にしたが、この構成に限定されない。加熱手段41は、保持テーブル11の上方で所定の高さ位置に固定された状態で、粘着テープTを加熱する構成にしてもよい。
また、本実施の形態では、フレーム保持手段12が載置テーブル31とカバープレート32によって環状フレームFを挟み込む構成にしたが、この構成に限定されない。フレーム保持手段12は環状フレームFを保持可能であればよく、例えば、フレーム保持手段12は、エアーアクチュエータ等で駆動するクランプ部を載置テーブル31の四方に設けて、環状フレームFの四方を保持する構成にしてもよい。
以上説明したように、本発明は、拡張された粘着テープの弛みを的確かつ短時間で除去することができるという効果を有し、特に小チップ、大口径の被加工物の複数のチップ間隔を拡張した状態で維持するチップ間隔維持方法に有用である。
1 チップ間隔維持装置
11 保持テーブル
12 フレーム保持手段
41 加熱手段
54 改質層(分割起点)
C チップ
F 環状フレーム
S 弛み
T 粘着テープ
W 被加工物
11 保持テーブル
12 フレーム保持手段
41 加熱手段
54 改質層(分割起点)
C チップ
F 環状フレーム
S 弛み
T 粘着テープ
W 被加工物
Claims (2)
- 粘着テープに貼着され環状フレームに装着された被加工物を構成する複数のチップの間隔を拡張した状態を維持するチップ間隔維持方法であって、
被加工物を吸引保持可能な保持テーブル上に該粘着テープを介して被加工物を載置するとともに該環状フレームをフレーム保持手段で保持する保持ステップと、
該保持ステップを実施した後、該保持テーブルと該フレーム保持手段とを鉛直方向に所定距離相対移動させて該フレーム保持手段に対して該保持テーブルを突き上げ該粘着テープを引き延ばすことで、該複数のチップ間に間隔を形成するチップ間隔拡張ステップと、
該チップ間隔拡張ステップを実施した後、該保持テーブルで該粘着テープを介して被加工物を吸引保持することで隣接する該チップ間の間隔を維持する吸引保持ステップと、
該吸引保持ステップを開始した後、該保持テーブルと該フレーム保持手段とを鉛直方向に相対移動させて該フレーム保持手段に対する該保持テーブルの該所定距離の突き上げを複数回にわたって段階的に解除して、各段階毎に被加工物と該環状フレームの内周との間の引き延ばされた該粘着テープを加熱して段階的に複数回にわたって該粘着テープを収縮させ、隣接する該チップ間の間隔を固定するチップ間隔固定ステップと、
を備えるチップ間隔維持方法。 - 交差する複数の分割予定ラインが設定された被加工物に該分割予定ラインに沿って分割起点が形成されていて、
該チップ間隔拡張ステップにおいて、被加工物が複数のチップに分割されるとともに、チップ間に間隔が形成される、請求項1記載のチップ間隔維持方法。
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