JP2015199996A - Ag合金膜及びAg合金膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

Ag合金膜及びAg合金膜形成用スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

【課題】耐マイグレーション性及び耐硫化性に優れたAg合金膜、及び、大面積基板に膜形成した場合であっても面内の特性が安定したAg合金膜を成膜可能なAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】本発明のAg合金膜は、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有する。また、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10は、酸素濃度が50質量ppm未満とされ、スパッタ面11の面積が0.25m2以上とされるとともに、スパッタ面11の複数の箇所においてCu濃度を分析して得られたCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuによって定義されるCuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕が40%以下とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイやLED等の反射電極膜、タッチパネル等の配線膜、透明導電膜等に用いられるAg合金膜、及び、このAg合金膜を形成するためのAg合金膜形成用スパッタリングターゲットに関するものである。
一般に、ディスプレイやLED等の反射電極膜、タッチパネル等の配線膜、透明導電膜等には、比抵抗値の低いAg膜が用いられている。例えば、特許文献1には、半導体発光素子の電極の構成材料として、高効率で光を反射するAg膜またはAg合金膜を用いることが開示されている。また、特許文献2には、有機EL素子の反射電極の構成材料としてAg合金を用いることが開示されている。さらに、特許文献3には、タッチパネルの引き出し配線として、Ag合金膜を用いることが開示されている。これらのAg膜及びAg合金膜は、Ag又はAg合金からなるスパッタリングターゲットによってスパッタリングすることで成膜されている。
近年、有機EL素子、タッチパネル用配線等を製造する際のガラス基板の大型化(大面積化)が進められている。これに伴い、大面積基板に成膜する際に使用されるスパッタリングターゲットも大型化している。ここで、大型のスパッタリングターゲットに対して高い電力を投入してスパッタリングを実施する際には、ターゲットの異常放電によって「スプラッシュ」と呼ばれる現象が発生するおそれがあった。このスプラッシュ現象が発生した場合には、溶融した微粒子が基板に付着して配線や電極間を短絡させ、歩留りが大幅に低下するといった問題が生じる。
ここで、例えば特許文献4には、Ag合金の組成を規定することによって「スプラッシュ」の発生の抑制を図った大型のスパッタリングターゲットが提案されている。
特開2006−245230号公報 特開2012−059576号公報 特開2009−031705号公報 特開2013−216976号公報
ところで、最近では、ディスプレイ、LED、タッチパネル、有機EL素子等においては、電極パターン及び配線パターンの微細化が進められている。ここで、Ag膜は、マイグレーション現象が発生しやすいことから、微細化された電極パターン及び配線パターンにおいて短絡が発生するおそれがあった。このため、耐マイグレーション性に特に優れたAg合金膜が求められている。
また、大型のスパッタリングターゲットを用いて大面積基板にAg合金膜を形成する場合には、Ag合金膜の特性が面内でばらつくことがないように、Ag合金に含有される成分元素が均一に分布していることが求められる。
一方、Agは硫黄と反応しやすいため、ディスプレイパネル等の製造工程、例えばパターニングのためのフォトレジストの塗布や剥離の工程で使用される化学薬品中に含まれる、硫黄成分への耐性や、製造工程や使用環境における雰囲気に含まれる硫黄成分により硫化され、特性劣化や歩留まりの低下を生じることがある。従って電極及び配線として用いられるAg合金膜には、耐硫化性が求められている。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐マイグレーション性及び耐硫化性に優れたAg合金膜、及び、大面積基板に膜形成した場合であっても面内の特性が安定したAg合金膜を成膜可能なAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のAg合金膜は、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴としている。
このような構成とされた本発明のAg合金膜においては、Cuを2質量ppm以上20質量ppm以下の範囲内で含有しているので、Agのイオンマイグレーション現象の発生を抑制でき、耐マイグレーション性を大幅に向上できる。
また、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲内で含有しているので、膜の耐硫化性を向上させることができる。よって、製造工程中や使用環境下において特性が劣化することを抑制できる。
ここで、本発明のAg合金膜は、さらに、Sbを0.01質量%以上1.0質量%以下含有することが好ましい。
上述のディスプレイやLEDにおいては、その製造過程で高温の熱処理が行われることがあるため、ディスプレイやLEDの電極及び配線として用いられるAg合金膜には、熱処理後においても特性が劣化しない耐熱性が求められる。そこで、本発明のAg合金膜においては、さらにSbを0.01質量%以上1.0質量%以下含有することにより、膜の耐熱性を向上させ、熱処理後に特性が劣化することを抑制できる。よって、ディスプレイやLEDの電極及び配線として用いられるAg合金膜として特に適している。
また、本発明のAg合金膜は、さらに、Caを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有することが好ましい。
この場合、Caを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有しているので、Cuとの相互作用により、Agのイオンマイグレーション現象の発生を確実に抑制でき、耐マイグレーション性を大幅に向上できる。
本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットは、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有し、酸素濃度が50質量ppm未満とされており、スパッタ面の面積が0.25m2以上とされるとともに、前記スパッタ面の複数の箇所においてCu濃度を分析して得られたCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuによって定義されるCuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕が40%以下とされていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットにおいては、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有しているので、耐マイグレーション性及び耐硫化性に優れたAg合金膜を形成することができる。
また、スパッタ面の面積が0.25m2以上とされるとともに、前記スパッタ面におけるCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuによって定義されるCuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕が40%以下とされているので、大面積基板にAg合金膜を形成した場合であっても、Ag合金膜においてCu濃度が均一化することになり、面内で特性が安定したAg合金膜を成膜することができる。
さらに、酸素濃度が50質量ppm未満とされていることから、酸化によるCuの偏析を抑制することができ、上述のCuの面内濃度分布DCuを40%以下とすることができる。
ここで、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットにおいては、さらに、Sbを0.1質量%以上3.5質量%以下含有することが好ましい。
この構成のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットによれば、Sbを0.1質量%以上3.5質量%以下含有しているので、成膜されたAg合金膜の耐熱性を向上させることができる。なお、成膜されたAg合金膜におけるSb含有量はスパッタリング条件によって変動することから、成膜するAg合金膜の目標Sb含有量及びスパッタリング条件に応じて、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲットにおけるSb含有量を上述の範囲内で調整することが好ましい。
また、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットにおいては、さらに、Caを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有し、前記スパッタ面の複数の箇所においてCa濃度を分析して得られたCa濃度分析値の平均値μCa及びCa濃度分析値の標準偏差σCaによって定義されるCaの面内濃度分布DCa=σCa/μCa×100〔%〕が40%以下とされていることが好ましい。
この構成のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットによれば、大面積基板にAg合金膜を形成した場合であっても、Ag合金膜においてCu濃度及びCa濃度が均一化することになり、面内で特性が安定したAg合金膜を成膜することができる。
以上のように、本発明によれば、耐マイグレーション性、耐熱性及び耐硫化性に優れたAg合金膜、及び、大面積基板に膜形成した場合であっても面内の特性が安定したAg合金膜を成膜可能なAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るAg合金膜形成用スパッタリングターゲット(平板型ターゲット)の模式図であり、(a)が平面図、(b)が側面図である。 本発明の一実施形態に係るAg合金膜形成用スパッタリングターゲット(円筒型ターゲット)の模式図であり、(a)が側面図、(b)が(a)におけるX−X断面図である。 本発明の一実施形態に係るAg合金膜形成用スパッタリングターゲットの素材となるAg合金インゴットを製造する際に使用される一方向凝固装置の概略説明図である。 実施例におけるマイグレーション評価試験の試料採取位置を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態であるAg合金膜、及び、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲットについて説明する。
本実施形態であるAg合金膜は、例えばディスプレイやLED等の反射電極膜、タッチパネル等の配線膜、透明導電膜等として使用されるAg合金導電膜である。
<Ag合金膜>
本実施形態であるAg合金膜は、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有する。
また、本実施形態であるAg合金膜は、さらにSbを0.01質量%以上 1.0質量%以下含有していてもよい。
さらに、本実施形態であるAg合金膜は、さらにCaを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有していてもよい。
以下に、本実施形態であるAg合金膜の組成を上述のように規定した理由について説明する。
(In:0.1質量%以上1.5質量%以上)
Inは、Ag合金膜の耐硫化性を向上させる作用効果を有する元素である。
ここで、Inの含有量が0.1質量%未満では、耐硫化性の向上の効果を得られなくなるおそれがある。一方、Inの含有量が1.5質量%を超える場合には、比抵抗値が上昇し、導電膜としての特性を確保できなくなるおそれがある。また、反射率も低下することから、反射導電膜としての特性も確保できなくなるおそれがある。
このような理由から、本実施形態においては、Ag合金膜におけるInの含有量を0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲内に設定している。なお、上述の作用効果を確実に奏功せしめるためには、Ag合金膜におけるInの含有量を、0.3質量%以上1.1質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
(Cu:1質量ppm以上50質量ppm以下)
Cuは、Agのイオンマイグレーション現象を抑制する作用効果を有する元素である。
ここで、Cuの含有量が1質量ppm未満では、Agのイオンマイグレーション現象を十分に抑制することができないおそれがある。一方、Cuの含有量が50質量ppmを超えると、Ag合金膜を熱処理した際に、Cuが膜表面に凝集して微細な突起物(異物)を形成してしまい、電極や配線の短絡を生じさせるおそれがある。
このような理由から、本実施形態においては、Ag合金膜におけるCuの含有量を1質量ppm以上50質量ppm以下の範囲内に設定している。なお、上述の作用効果を確実に奏功せしめるためには、Ag合金膜におけるCuの含有量を、2質量ppm以上20質量ppm以下の範囲内とすることが好ましい。
(Sb:0.01質量%以上1.0質量%以下)
Sbは、Ag合金膜の耐熱性を向上させる作用効果を有する元素であることから、求められる特性に応じて適宜添加することが好ましい。
ここで、Ag合金膜におけるSbの含有量が0.01質量%未満の場合には、耐熱性をさらに向上させる作用効果を得ることができないおそれがある。一方、Ag合金膜におけるSbの含有量が1.0質量%を超えた場合には、比抵抗値が上昇し、導電膜としての特性を確保できなくなるおそれがある。また、反射率も低下することから、反射導電膜としての特性も確保できなくなるおそれがある。
このような理由から、本実施形態のAg合金膜においてSbを含有する場合には、Ag合金膜におけるSbの含有量を0.01質量%以上1.0質量%以下の範囲内に設定している。なお、上述の作用効果を確実に奏功せしめるためには、Ag合金膜におけるSbの含有量を0.02質量%以上0.5質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
(Ca:0.5質量ppm以上50質量ppm以下)
Caは、Cuとの相互作用によってAg合金膜の耐マイグレーション性をさらに向上させる作用効果を有する元素であることから、求められる特性に応じて適宜添加することが好ましい。
ここで、Caの含有量が0.5質量ppm未満では、耐マイグレーション性をさらに向上させる作用効果を得ることができないおそれがある。一方、Caの含有量が50質量ppmを超えると、Ag合金膜が硬くなるため、Ag合金膜の剥離が生じるおそれがある。特に、微細化された配線パターンや電極パターンにおいては、膜の剥離が発生しやすくなる。
このような理由から、本実施形態のAg合金膜においてCaを含有する場合には、Ag合金膜におけるCaの含有量を0.5質量ppm以上50質量ppm以下の範囲内に設定している。なお、上述の作用効果を確実に奏功せしめるためには、Ag合金膜におけるCaの含有量を、1質量ppm以上20質量ppm以下の範囲内とすることが好ましい。
<Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット>
本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10は、上述のAg合金膜を成膜する際に用いられるものである。また、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10は、例えば、図1に示すように外形が平板状をなす平板型スパッタリングターゲット10A、及び、図2に示すように外形が円筒状をなす円筒型スパッタリングターゲット10Bとされている。
本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10は、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有する。さらに、酸素濃度が50質量ppm以下とされている。
また、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10は、さらにSbを0.1質量%以上3.5質量%以下含有していてもよい。
さらに、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10は、さらにCaを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有していてもよい。
ここで、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10におけるIn、Cu、Sb、Caの各元素の含有量は、上述した成分組成のAg合金膜を成膜できるように規定されている。In、Cu、Caの各元素は、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10における含有量とAg合金膜における含有量が大きく変動しないことから、上述の範囲に設定されている。一方、Sbは、スパッタリング条件によって、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10における含有量とAg合金膜における含有量が大きく変動するおそれがあることから、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10におけるSbの含有量を、Ag合金膜におけるSbの含有量よりも多くしている。
そして、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10においては、スパッタ面11の面積が0.25m2以上とされるとともに、スパッタ面11の複数の箇所においてCu濃度を分析して得られたCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuによって定義されるCuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕が40%以下とされている。
また、Caを含有する場合には、スパッタ面11の複数の箇所においてCa濃度を分析して得られたCa濃度分析値の平均値μCa及びCa濃度分析値の標準偏差σCaによって定義されるCaの面内濃度分布DCa=σCa/μCa×100〔%〕が40%以下とされている。
ここで、図1に示す平板型スパッタリングターゲット10Aにおいては、スパッタ面11におけるCu濃度の分析位置を、スパッタ面11の中心位置C1、角部から対角線に沿って中心方向に50mmの位置C2、C3、C4、C5の5か所とし、この5か所のCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuから、Cuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕を算出している。
また、Caの面内濃度分布DCa=σCa/μCa×100〔%〕についても、上述の5か所でCa濃度を測定し、この5か所のCa濃度分析値の平均値μCa及びCa濃度分析値の標準偏差σCaから算出している。
一方、図2に示す円筒型スパッタリングターゲット10Bにおいては、スパッタ面11におけるCu濃度の分析位置を、軸線O方向中心位置C1、中心位置C1から円周方向に90°の位置C2、中心位置C1から円周方向に270°の位置C3、軸線Oに沿った中心位置C1の延長線上で端部から50mmの位置C4、C5の5か所とし、この5か所のCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuから、Cuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕を算出している。
また、Caの面内濃度分布DCa=σCa/μCa×100〔%〕についても、上述の5か所でCa濃度を測定し、この5か所のCa濃度分析値の平均値μCa及びCa濃度分析値の標準偏差σCaから算出している。
なお、Cu濃度及びCa濃度は、ICP発光分析法によって分析する。分析の手順は以下のように行う。
試料をはかり取って、ビーカーに移し入れ、希硝酸を加えて分解し、穏やかに煮沸して酸化窒素を追い出す。常温まで冷却した後、メスフラスコに純水を用いて移し入れ、溶液を振り混ぜながら希塩酸を少量ずつ加えて塩化銀の沈澱を生成させ、更に十分にかき混ぜる。常温まで冷却した後、純水で薄めて振り混ぜ、一夜間静置する。乾燥したビーカーに、ろ紙を用いてろ過を行う。この溶液をアルゴンプラズマ中に噴霧して各成分の発光強度を測定し、並行測定して得られた検量線から各成分の含有量を求める。
ここで、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10において酸素濃度を50質量ppm未満とすることにより、微量に含有されたCuやCaの濃度ばらつきを抑制している。すなわち、酸素濃度が50質量ppm以上である場合には、微量に含有されたCu及びCaが酸化によって偏析してしまい、上述するCuの面内濃度分布DCu(Caの面内濃度分布DCa)を得ることができないおそれがある。
なお、Cu及びCaの酸化による偏析を確実に抑制するためには、酸素濃度を30質量ppm未満とすることが好ましい。
本実施形態においては、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10における酸素濃度を低減するために、例えば図3に示す一方向凝固装置20を用いて、ターゲット素材となるAg合金インゴットを製造している。
図3に示す一方向凝固装置20は、Ag合金溶湯Lが貯留されるルツボ30と、このルツボ30が載置されるチルプレート22と、このチルプレート22を下方から支持する床下ヒータ23と、ルツボ30の上方に配設された天井ヒータ24と、を備えている。また、ルツボ30の周囲には、断熱材25が設けられている。
チルプレート22は、中空構造とされており、供給パイプ26を介して内部にArガスが供給される構成とされている。
次に、この一方向凝固装置20を用いてターゲット素材となるAg合金インゴットを製造する方法について説明する。
まず、ルツボ30内に溶解原料を装入し、天井ヒータ24と床下ヒータ23とに通電して加熱する。これにより、ルツボ30内に、Ag合金溶湯Lが貯留されることになる。
ここで、In、Cu、Sbについては、溶解原料として、単体金属原料、またはAgを主成分とする母合金として添加する。
一方、Caを添加する場合には、金属Caを用いることなく、Agを主成分とする母合金(例えばAg−3〜10質量%Ca)を作製し、これを10mm以下の細粒として、Ag溶解後に添加することが好ましい。
次に、床下ヒータ23への通電を停止し、チルプレート22の内部に供給パイプ26を介してArガスを供給する。これにより、ルツボ30の底部を冷却する。さらに、天井ヒータ24への通電を徐々に減少させることにより、ルツボ30内のAg合金溶湯Lは、ルツボ30の底部から冷却され、底部から上方に向けて伸びる柱状晶Cが成長して一方向凝固し、Ag合金インゴットが得られる。
このとき、Ag合金溶湯L中の酸素は、上方へと移動して溶湯面から放出することになり、Ag合金インゴット中の酸素濃度が大幅に低減されることになる。これにより、Ag合金インゴット中のCu及びCaの酸化が抑制され、Cu及びCaの酸化による偏析を抑制することが可能となる。
このようにして得られたAg合金インゴットに対して、圧延や押出等の塑性加工、熱処理、機械加工等を行うことにより、図1に示す平板型スパッタリングターゲット10A又は図2に示す円筒型スパッタリングターゲット10Bが製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるAg合金膜によれば、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下の範囲内で含有しているので、Ag合金膜の耐マイグレーション性を向上させることができる。よって、微細化された電極パターンや配線パターンを形成するAg合金膜として使用した場合であっても、Agのイオンマイグレーションによる短絡の発生を抑制できる。
また、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲内で含有しているので、Ag合金膜の耐硫化性を向上させることができる。よって、製造工程や使用環境中の雰囲気に含まれる硫黄成分に曝されても、比抵抗値や反射率が劣化することが少なく、電極膜や配線膜として安定した特性を維持することができる。
また、本実施形態のAg合金膜において、さらにSbを0.01質量%以上1.0質量%以下含有する場合には、Ag合金膜の耐熱性を向上させることができる。よって、熱処理後において特性が劣化することを抑制できる。
さらに、本実施形態のAg合金膜において、さらにCaを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有する場合には、Cuとの相互作用により、Ag合金膜の耐マイグレーション性をさらに向上させることができる。
本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10によれば、Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有しているので、上述のように、耐マイグレーション性、耐硫化性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10において、Sbを0.1質量%以上3.5質量%以下含有している場合には、さらに耐熱性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
さらに、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10において、Caを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有する場合には、さらに耐マイグレーション性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10においては、酸素濃度が50質量ppm未満とされていることから、酸化によるCu及びCaの偏析を抑制することができる。
さらに、本実施形態であるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット10においては、スパッタ面11の面積が0.25m2以上とされるとともに、スパッタ面11におけるCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuによって定義されるCuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕が40%以下とされているので、大面積基板にAg合金膜を形成した場合であっても、Ag合金膜においてCu濃度が均一化することになり、局所的に特性がばらつくことがなく、特性が安定したAg合金膜を成膜することができる。
同様に、Caを含有する場合に、スパッタ面11におけるCa濃度分析値の平均値μCa及びCa濃度分析値の標準偏差σCaによって定義されるCaの面内濃度分布DCa=σCa/μCa×100〔%〕が40%以下とされているので、大面積基板にAg合金膜を形成した場合であっても、Ag合金膜においてCa濃度が均一化することになり、局所的に特性がばらつくことがなく、特性が安定したAg合金膜を成膜することができる。
また、本実施形態では、図3に示す一方向凝固装置20を用いてターゲット素材となるAg合金インゴットを製造しているので、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット10中の酸素濃度を低減させることができ、Cu及びCaの酸化による偏析を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態では、Caの添加する場合に、Ag−3〜10質量%Ca母合金を作製し、これを10mm以下の細粒としてAg合金溶湯L中に添加しているので、Caを均一に溶解させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、ディスプレイやLED等の反射電極膜、タッチパネル等の配線膜、透明導電膜等として使用されるAg合金導電膜として使用されるものとして説明したが、これに限定されることはなく、その他の用途に適用してもよい。
また、本実施形態では、一方向凝固装置を用いてターゲット素材となるAg合金インゴットを製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、半連続鋳造装置や連続鋳造装置を用いてAg合金インゴットを製造してもよい。得られたAg合金インゴットから作製されたAg合金膜形成用スパッタリングターゲットにおいて酸素濃度が50質量ppm未満とされていればよい。
なお、本発明によるAg合金膜形成用スパッタリングターゲットは、ASTM E−112に示される切断法により測定した平均結晶粒径が600μm以下であり、不純物としてFe<50質量ppm、Bi<50質量ppm、Pb<50質量ppmを有している。また、ターゲット材のスパッタ面の表面粗さとして、5μm以下の算術平均粗さ(Ra)を有している。
以下に、本発明に係るAg合金膜及びAg合金膜形成用スパッタリングターゲットの作用効果について評価した評価試験の結果について説明する。
<Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット>
溶解原料として、純度99.9質量%以上のAgと、純度99.9質量%以上のCu、Sbと、Ag−7質量%Ca母合金(粒径10mm以下)と、を準備し、表1に示す所定の組成となるように秤量した。
次に、図3に示す一方向凝固装置を用いて、Agを不活性ガス雰囲気中で溶解し、得られたAg合金溶湯にSb,Ag−7質量%Ca母合金を添加し、不活性ガス雰囲気中で溶解してAg合金溶湯を得た。そして、このAg合金溶湯を一方向凝固させてAg合金インゴットを製造した。
次いで、一方向凝固法によって製造されたAg合金インゴットに対して、圧下率70%で冷間圧延を行って板材を得た後、大気中で600℃、2時間保持の熱処理を実施した。そして、機械加工を実施することにより、570mm×690mm×厚さ8mmの寸法を有する本発明例1〜8及び比較例1〜6の組成のスパッタリングターゲット(平板型スパッタリングターゲット)を作製した。
また、一方向凝固法によって製造されたAg合金インゴットに対して、押出比7、押出直後の材料温度が650℃となる条件で円筒状に押出加工する熱間押出を行い、その後、この円筒体を押出後10分以内に200℃以下の温度まで冷却した。さらに該熱間押出工程後の円筒体に対し、加工率30%で冷間引抜を実施し、該冷間引抜工程後の円筒体について550℃の温度で保持する熱処理を行った。この円筒体について機械加工を施すことにより、外径155mm、内径135mm、軸線方向長さ650mmの寸法を有する本発明例11〜18及び比較例11〜16の組成のスパッタリングターゲット(円筒型スパッタリングターゲット)を作製した。
さらに、比較例7及び比較例17として、一方向凝固装置を用いずに、所定形状のキャビティを有する鋳型にAg合金溶湯を注湯することによってAg合金インゴットを作製するとともに、上述した製造工程により、570mm×690mm×厚さ8mmの寸法を有する平板型スパッタリングターゲット(比較例7)、外径155mm、内径135mm、軸線方向長さ650mmの寸法を有する円筒型スパッタリングターゲット(比較例17)を作製した。
<酸素濃度>
上述のようにして得られたスパッタリングターゲットについて酸素濃度を分析した。酸素濃度の分析は、堀場製酸素窒素分析装置EMGA−550を用い、不活性ガス−インパルス加熱融解法(非分散赤外線吸収法)により分析した。測定結果を表1及び表2に示す。
<面内濃度分布>
次に、上述のようにして得られたスパッタリングターゲットについて、実施の形態の欄で記載した方法によって、Cuの面内濃度分布DCu、及び、Caを含有する場合にはCaの面内濃度分布DCaを算出した。算出結果を表1及び表2に示す。
<Ag合金膜>
上述した本発明例1〜8、比較例1〜6のスパッタリングターゲット(平板型スパッタリングターゲット)を用いて、以下の条件で本発明例51〜58、比較例51〜56のAg合金膜を成膜した。
本発明例1〜8、比較例1〜6のスパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにインジウム半田を用いて半田付けしてターゲット複合体を構成し、これをスパッタ装置に装着し、ガラス基板との距離:70mm、電力:直流5.5kW、到達真空度:5×10-5Pa、Arガス圧:0.5Paの条件でスパッタリングを実施し、ガラス基板の表面に、厚さ:100nmを有するAg合金膜を形成した。なお、ガラス基板としては、370mm×470mmの大型基板を用いた。また、このスパッタリングによる成膜においてはターゲット上で基板を静止対向させて行った。
また、上述した本発明例11〜18、比較例11〜16のスパッタリングターゲット(円筒型スパッタリングターゲット)を用いて、以下の条件で本発明例61〜68、比較例61〜66のAg合金膜を成膜した。
本発明例11〜18、比較例11〜16のスパッタリングターゲットをステンレス製のバッキングチューブにインジウム半田を用いて半田付けしてターゲット複合体を構成し、これをスパッタ装置に装着し、ガラス基板との距離:60mm、電力:直流1.0kW、到達真空度:5×10-5Pa、Arガス圧:0.5Paの条件でスパッタリングを実施し、ガラス基板の表面に、厚さ:100nmを有するAg合金膜を形成した。またスパッタ放電中カソード中のマグネットは固定させ、このマグネットの周囲で円筒ターゲットを10rpmの回転数で回転させながらスパッタを行った。ガラス基板としては、370mm×470mmの大型基板を用いた。なおこのスパッタリングによる成膜においては、ターゲット上で基板を搬送移動させながら成膜するインライン方式を採用した。このときの搬送速度は10mm/秒とし、1パスの搬送により100nmのAg合金膜を形成した。
<Ag合金膜の組成分析>
上述のようにして得られたAg合金膜の組成は、同一のスパッタリングターゲットを用いて、上記と同様の条件でガラス基板上に膜厚0.5μmの厚膜を形成し、この厚膜基板を複数作製し、これらの厚膜を全量溶解してIPC発光分光分析法により分析することによって求めた。Ag合金膜の組成分析結果を表3及び表4に示す。
<比抵抗値の測定>
上述のようにして得られた成膜後のAg合金膜のシート抵抗値を四探針法によって測定し、比抵抗値を算出した。得られた成膜後の比抵抗値を表5及び表6に示す。
<反射率の測定>
上述のようにして得られた成膜後のAg合金膜の波長550nmにおける反射率を分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)によって測定し、比抵抗値を算出した。得られた成膜後の比抵抗値を表5及び表6に示す。
<熱処理>
Ag合金膜を成膜したガラス基板から100mm角の試料を切り出し、大気中で温度250℃、保持時間1時間の熱処理を行った。
熱処理後の膜表面をオージェ電子分光法によって観察し、膜表面の突起物の有無を確認した。観察結果を表5及び表6に示す。
また、熱処理後のAg合金膜の比抵抗値及び波長550nmにおける反射率を上述と同様の方法で測定した。評価結果を表5及び表6に示す。
<硫化試験>
Ag合金膜を成膜したガラス基板から50mm角の試料を切り出し、室温にて濃度0.01質量%のNa2S水溶液中に1時間浸漬した。
浸漬後のAg合金膜の波長550nmにおける反射率を上述と同様の方法で測定し、これを耐硫化性の指標とした。測定結果を表5及び表6に示す。
<耐マイグレーション評価>
Ag合金膜を成膜したガラス基板において、図4に示す9箇所の位置から、100mm角の試料を切り出し、この試料にポジ型レジストを塗布し、露光処理、現像処理を行った後、レジストを剥離し、100μm間隔のくし型電極パターンを作製した。
このくし型電極パターンのパッド部に、Cuテープを貼り、Cuテープ上に導線をはんだ付けし、イオンマイグレーション測定システム(エスペック社製AMI−50−U)に試料を接続した。
この試料を温度85℃、湿度85%の恒温恒湿条件下で電極間に10Vの電圧をかけて電流値を測定、記録した。この状態で100時間試料を保持し、各測定位置で電極間が短絡しているかどうかを確認した。9箇所の測定位置中短絡している箇所の数を表5及び表6に示す。
<密着性試験>
上記マイグレーション試験用の試料と同様に、成膜したガラス基板上のAg合金膜をパターニングして、100μm間隔のくし型電極パターンを作製し、これに市販のセロハンテープ(3M社製スコッチテープ375)を貼り付けて密着させた。これをゆっくりと剥がした後、当該のくし型電極を光学顕微鏡により観察し、櫛形電極部の剥離の有無を確認した。結果を表5及び表6に示す。
Figure 2015199996
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Inの含有量が本発明の範囲よりも少ない比較例1及び比較例11のスパッタリングターゲットによって成膜された比較例51及び比較例61のAg合金膜においては、硫化試験後の大きく反射率が低下した。
Inの含有量が本発明の範囲よりも多い比較例2及び比較例12のスパッタリングターゲットによって成膜された比較例52及び比較例62のAg合金膜においては、成膜後の比抵抗値が高く、導電性が不十分であった。
Cuの含有量が本発明の範囲よりも少ない比較例3及び比較例13のスパッタリングターゲットによって成膜された比較例53及び比較例63のAg合金膜においては、耐マイグレーション性に劣っていた。
Cuの含有量が本発明の範囲よりも多い比較例4及び比較例14のスパッタリングターゲットによって成膜された比較例54及び比較例64のAg合金膜においては、熱処理後に突起物が観察された。
Sbの含有量が本発明の範囲よりも多い比較例5及び比較例15のスパッタリングターゲットによって成膜された比較例55及び比較例65のAg合金膜においては、成膜後の比抵抗値が高く、導電性が不十分であった。
Caの含有量が本発明の範囲よりも多い比較例6及び比較例16のスパッタリングターゲットによって成膜された比較例56及び比較例66のAg合金膜においては、密着性試験において剥がれが確認された。
また、酸素含有量が本発明の範囲を超える比較例7及び比較例17のスパッタリングターゲットにおいては、表1及び表2に示すように、Cuの面内濃度分布DCuが40%を超えており、スパッタ面においてCu濃度が均一化されていないことが確認された。
これに対して、In、Cu、Sb、Caの含有量が本発明の範囲内とされた本発明例1−8及び本発明例11−18のスパッタリングターゲットによって成膜された本発明例51−58及び本発明例61−68のAg合金膜においては、成膜後の比抵抗値が低く、導電性に優れている。また、熱処理後においても比抵抗値及び反射率が大きく劣化しておらず耐熱性を有している。さらに、硫化試験後においても反射率が大きく劣化しておらず耐硫化性を有している。また、耐マイグレーション評価も良好であった。
また、酸素含有量が50質量ppm未満とされた本発明例1−8及び本発明例11−18のスパッタリングターゲットにおいては、Cuの面内濃度分布DCu,Caの面内濃度分布DCaが低く、スパッタ面においてCu濃度及びCa濃度が均一化されていることが確認された。
10 Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット
11 スパッタ面

Claims (6)

  1. Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とするAg合金膜。
  2. さらに、Sbを0.01質量%以上 1.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のAg合金膜。
  3. さらに、Caを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のAg合金膜。
  4. Inを0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuを1質量ppm以上50質量ppm以下含有し、残部がAgと不可避不純物とからなる組成を有し、酸素濃度が50質量ppm未満とされており、
    スパッタ面の面積が0.25m2以上とされるとともに、前記スパッタ面の複数の箇所においてCu濃度を分析して得られたCu濃度分析値の平均値μCu及びCu濃度分析値の標準偏差σCuによって定義されるCuの面内濃度分布DCu=σCu/μCu×100〔%〕が40%以下とされていることを特徴とするAg合金膜形成用スパッタリングターゲット。
  5. さらに、Sbを0.1質量%以上3.5質量%以下含有することを特徴とする請求項4に記載のAg合金膜形成用スパッタリングターゲット。
  6. さらに、Caを0.5質量ppm以上50質量ppm以下含有し、
    前記スパッタ面の複数の箇所においてCa濃度を分析して得られたCa濃度分析値の平均値μCa及びCa濃度分析値の標準偏差σCaによって定義されるCaの面内濃度分布DCa=σCa/μCa×100〔%〕が40%以下とされていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のAg合金膜形成用スパッタリングターゲット。
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