JP2014074225A - Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

【課題】膜の抵抗の上昇を抑制しつつ、耐熱性、耐塩化性などの耐性に優れ、フィルム上への成膜工程においても傷がつきにくいAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】本発明によるAg合金膜形成用スパッタリングターゲットは、Sb:0.3〜3.0at%と、Mg及びZnのいずれか1種又は2種の合計:0.2〜2.0at%とを含有し、残部がAg及び不可避不純物からなる成分組成を有し、あるいは、更に、Sn及びPdのいずれか1種又は2種の合計:0.2〜1.5at%を含有するAg合金膜形成用スパッタリングターゲットからなり、このスパッタリングターゲットから形成されたAg合金膜の表面には、Sb酸化物が形成されており、Ag合金膜の耐熱性、耐塩化性などの耐性の向上を図れるとともに、フィルム上への成膜工程における傷の発生を防止できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀(Ag)合金膜形成用スパッタリングターゲットに関するものである。特に、配線、電極などに好適な、耐熱性、耐塩化性などの耐性に優れ、かつ、抵抗が低いAg合金導電膜形成用スパッタリングターゲットに関する。
近年、タッチパネルの市場が急成長を見せている。特に、フィルム基板を使用するタッチパネルは低コストかつ軽量であり、また、将来的にはその柔軟性を活用したフレキシブルデバイスへの応用も期待される。
ここで、タッチパネルにおけるセンサー部分は、透明導電膜(ITOなど)をパターニングした回路から形成される。そして、その回路からの信号を取り出すための配線がセンサー部分の外周に形成される。
従来では、Agペーストの印刷などにより、この配線が形成されていたが、マルチタッチ技術の採用による配線数の増加や、タッチパネル外周部の幅を狭くすること(狭額縁化)への要請から、配線幅の縮小が必要となってきている。この配線幅の縮小に伴い、配線の抵抗が増加する問題が生じている。そこで、この問題の解決策として、ペースト印刷に代えてスパッタリング法を用いてAgの配線を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。これにより、狭い配線幅であっても低抵抗の配線を得ることができる。
一方、純Agは、耐食性に乏しく、腐食等により特性が劣化する。
この点、配線以外の用途、例えば、光記録媒体やディスプレイなど、Agを反射膜として用いる分野では、Agが腐食により黒色に変色して反射率が低下することが大きな問題として認識されている。この問題を解決するため、様々な元素をAgに添加してAg合金とし、耐食性を向上することが行われている(例えば、特許文献3〜6を参照)。
特開2009−31705号公報 国際公開WO2007/144993 特許第4801279号公報 特開2004−217986号公報 特開2006−294195号公報 特開2007−31743号公報
純Agをタッチパネル、LED、OLED等の配線として用いる場合、耐熱性の問題がある。すなわち、タッチパネル等の製造工程の途中において、配線が加熱されることがあるので、その加熱により、激しい粒成長及び凝集が生じてしまい、配線に、突起やボイドが形成されるおそれがある。この結果として、配線の断線などの問題が生じる。
また、フィルム基板を使用する場合、ロールtoロールのスパッタ装置を使用しての配線形成という特有の工程がある。この工程において、膜面が巻き取りロールや巻き取った際にフィルム自身により擦られるため、硬度の小さい純Agの配線では傷がつきやすいという問題があった。
さらに、純Agをタッチパネルの配線に用いるにおいても、反射膜の場合と同様に、耐食性の向上が求められている。
まず、タッチパネルの使用環境によっては、人体や環境からの塩分の影響を受ける可能性がある。純Agは、塩分を含む環境においては腐食され易いため、配線の信頼性(耐塩化性)においても問題を生じていた。
また、タッチパネルの使用環境中には、硫黄分が含まれる場合もあるほか、配線形成の工程中には、フォトリソグラフィ及びエッチングの工程が入るが、ここで使用するレジスト剥離液などに硫黄成分が含まれることがある。これらの硫黄成分により、配線部が硫化して腐食する可能性があることから、配線の耐硫化性も高めることが好ましい。
ここで、上述したように、Agに種々の元素を添加して、Ag合金として、耐食性、耐熱性及び硬度を向上することも考えられるが、これでは、劣化による反射率の低下を防止し得ても、種々の元素の添加により、初期の膜の抵抗が上昇するという問題が生じ、このAg合金は、配線、電極などの導電膜を形成するのに適さないものとなる。特に、特許文献3〜6は、反射膜用であるため、抵抗についての配慮がなく、各種元素の添加量が多いため、配線としての利用に適するものではなかった。
そこで、本発明では、膜の抵抗の上昇を抑制しつつ、耐熱性、耐塩化性、耐硫化性に優れ、フィルム上への成膜工程においても傷がつきにくいAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明者らは、種々の研究により、Agに、Sbと、Mg及びZnのいずれか1種又は2種を含有させ、あるいは、さらに、Sn及びPdのいずれか1種又は2種を選択的に添加すると、膜の表面に、Sbによる酸化膜が形成されることにより、耐熱性、耐塩化性、耐硫化性の向上に大きく寄与し、そして、Mg、Znが、硬さ向上により膜の傷つき防止に寄与し、さらには、Sn、Pdが、耐硫化性のさらなる向上に寄与するという知見を得た。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットは、Sb:0.3〜3.0at%と、Mg及びZnのいずれか1種又は2種の合計:0.2〜2.0at%とを含有し、残部がAg及び不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする。
(2)前記(1)のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットは、さらに、Sn及びPdのいずれか1種又は2種の合計:0.2〜1.5at%を含有することを特徴とする。
ここで、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを用いて導電膜を形成した場合、ターゲットに含有されたSbは膜の表面に偏析し、酸化されて、酸化膜を形成する。これにより、酸化膜が膜表面におけるAg原子の移動を抑制し、耐熱性(耐ヒロック性)の向上に寄与する。さらに、この酸化膜は、耐塩化性、耐硫化性の向上にも寄与する。
Sbが偏析するのは、固溶限の小さい元素であり、非平衡の状態では表面に偏析しやすい傾向があるためと考えられる。そして、表面に偏析した状態で大気に触れると室温でも酸化が起こるため、酸化膜が形成されるが、大気中で熱処理することにより、より確実に酸化膜を形成する事ができる。
ターゲット中のSbの含有量が、0.3at%未満であると、偏析と酸化膜の形成がされにくくなって耐熱性を向上する効果が小さく、また、3.0at%を超えると、膜の抵抗が上昇する。ターゲット中のSbの含有量は、耐熱性向上効果と比抵抗値を考慮すれば、より好ましくは、1.0〜2.0at%である。
また、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットにおいては、Mg及びZnのいずれか1種又は2種を含有したことにより、形成される膜の硬さを向上して傷つきを防止することができる。
AgにSbだけを添加した場合には、Sbが膜表面に偏析して酸化物を形成するため、膜の内部は純Agに近くなる。すると、膜全体としては硬度が低下して、傷がつきやすくなる。これに対し、Mg、Znは、Agに対する固溶限が大きく、薄膜化した際にもAgの内部にとどまるので、これら元素を含有することにより硬さを向上して膜の傷つきを防止することができる。
ここで、Mg及びZnのいずれか1種又は2種の合計が、0.2at%未満であると、膜の硬さを向上する効果が小さく、一方、2.0at%を超えると、膜の抵抗が上昇してしまう。Mg及びZnのいずれか1種又は2種の合計は、硬さ向上効果と比抵抗値を考慮すれば、より好ましくは、0.5〜1.5at%である。
また、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットにおいては、さらにSn及びPdのいずれか1種又は2種が選択的に含有させることにより、形成される膜の耐硫化性をさらに向上することができる。
Sn及びPdのいずれか1種又は2種の合計が、0.2at%未満であると、耐硫化性を向上する効果が小さく、一方、1.5at%を超えると、膜の抵抗が上昇してしまう。Sn及びPdのいずれか1種又は2種の合計は、耐硫化性向上効果と比抵抗値を考慮すれば、より好ましくは、0.5〜1.0at%である。
なお、本発明において、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット中に不可避的に含有される元素(Sb,Mg,Zn,Sn、Pd)の合計量は、膜の抵抗の上昇を防止する観点から、4at%以下に制限することが好ましく、3.3at%以下であることがより好ましい。
以上のように、本発明によれば、Ag合金膜形成用スパッタリングターゲット中に、Sbを含有させることにより、形成される膜の耐熱性を向上するとともに、耐塩化性、耐硫化性を向上することができる。このため、耐熱性、耐塩化性、耐硫化性に優れたAg合金導電膜が得られる。
また、Mg及びZnのいずれか1種又は2種をさらに含有することにより、膜の硬さを向上して傷つきを防止することができる。
さらに、Sn及びPdのいずれか1種又は2種を選択的に添加した場合には、さらに耐硫化性に優れたAg合金導電膜が得られる。
よって、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットは、電子機器、例えば、スマートフォン、タブレットなどの入力装置となるタッチパネルに用いられる配線、電極などのAg合金導電膜形成用スパッタリングターゲットとして好適である。
次に、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜について、以下に、第1の実施形態〔Ag−Sb−Mg合金の場合〕、第2の実施形態〔Ag−Sb−Zn合金の場合〕、第3の実施形態〔Ag−Sb−Mg−(Sn、Pd)合金の場合〕、第4の実施形態〔Ag−Sb−Zn―(Sn、Pd)合金の場合〕に分けて、実施例及び比較例を示して具体的に説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態は、AgにSbとMgとを含有させたAg−Sb−Mg合金スパッタリングターゲットを用いてAg合金導電膜を作製した場合である。以下に、第1の実施形態について説明する。
先ず、原料として、純度:99.99原子%以上のAg塊と、純度:99.9原子%以上のSb塊と、純度:99.99原子%以上のMg塊とを用意した。
前記Ag塊を高周波真空溶解炉で溶解してAg溶湯を作製し、次いで、このAg溶湯に、以下の表1に示されるように秤量されたSb塊及びMg塊を添加して溶解し、鋳造することによりインゴットを作製した。得られたインゴットを冷間圧延したのち、大気中で600℃、2時間保持の熱処理を施した。
次いで、機械加工することにより、直径:152.4mm、厚さ:6mmの寸法を有し、表1に示される成分組成を有する実施例1〜10及び比較例1〜4のスパッタリングターゲットを作製した。
さらに、前記Ag溶湯を鋳造することにより純Agのインゴットを作製して、機械加工することにより、前記寸法を有する従来例のスパッタリングターゲットを作製した。
実施例1〜10、比較例1〜4及び従来例のスパッタリングターゲットを、それぞれ無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これらを直流マグネトロンスパッタ装置に装着した。
次に、真空排気装置にて、直流マグネトロンスパッタ装置内を5×10−5Pa以下まで排気した後、Arガスを導入して0.5Paのスパッタガス圧とし、続いて直流電源にてスパッタリングターゲットに250Wの直流電力を印加した。
これにより、スパッタリングターゲットに対向し、かつ、70mmの間隔を設けて、該ターゲットと平行に配置した縦:30mm、横:30mmの四角形状のガラス基板(コーニング社製イーグルXG)上に、表1に示される実施例1〜10及び比較例1〜4のAg合金導電膜、さらには、純Agによる従来例のAg導電膜を形成した。なお、これらの導電膜の厚さは、100nmである。
以上の様にして形成した導電膜のそれぞれについて、表面Sb酸化物、比抵抗、耐熱性、耐塩化性(耐塩水性)、硬さ及び耐硫化性の評価を行った。その結果が表1に示される。以下に、これらの評価について説明する。
<表面Sb酸化膜の確認>
XPS(X線光電子分光)の深さ方向分析にて、各導電膜の表面における酸素及びSbの深さ方向分布を調べ、膜表面でのSb酸化物の形成の有無を確認した。
<比抵抗>
各導電膜のシート抵抗を四探針法により測定し、膜厚を乗じて比抵抗を求めた。
<耐熱性>
各導電膜に対し、大気雰囲気中、220℃、1時間の熱処理を行った後、膜表面を対物50倍、対眼10倍の光学顕微鏡の暗視野像にて観察、撮影した。暗視野像であるため、表面に突起(ヒロック)が生じている場合、その突起は白く光る点として検出される。撮影した画像の290μm×200μmの範囲に存在するヒロックの個数を画像処理ソフトウェア(三谷商事社製、Winroof)により計測した。
このヒロックの個数が耐熱性の指標となり、ヒロックが少ないほど程、耐熱性が高いことを表している。
<耐塩化性>
各導電膜を、室温で、5%NaCl水溶液中に12時間浸漬し、水溶液から取り出して純水で十分に洗浄した後、乾燥空気を噴射して水分を取り除いた。これらの試料について目視及び対物50倍、対眼10倍の光学顕微鏡の明視野像により膜表面の状態を観察した。目視にて白濁、斑点などの変化が観察されたものを×、光学顕微鏡では黒色の斑点が観察されたが、目視では変化が見られないものを○、光学顕微鏡による観察でも全く変化が見られないものを◎とした。
<硬さ>
まず、ガラス基板とAg合金導電膜との密着性を改善する目的で、スパッタリングを用いて上述のガラス基板上に密着層としてのITO(酸化インジウムスズ)膜を10nm成膜した。なお、ITOの成膜は、直径152.4mm、厚さ6mmのITOスパッタリングターゲットを用い、Arガス圧0.67Pa 、アルゴン/酸素流量比=50/1、電力50W、基板間距離70mmの条件で成膜した。
このITO膜上に、上述と同様の条件で実施例1〜10、比較例1〜4及び従来例のスパッタリングターゲットを用い、各導電膜2000nmを積層した。
これらの試料について、超微小押し込み硬さ試験機(エリオニクス社製、ENT−1100a)を用いて、ナノインデンテーション法による、負荷−除荷試験による押し込み硬さの測定を行った。試験荷重は100.000mgfとした。一つの試料に付き、5点の測定を行い、得られた変位−荷重曲線から、押し込み硬さを計算し、5点の平均値を求めた。
<耐硫化性>
各導電膜の成膜直後の膜表面について、分光光度計にて、波長550nmの可視光を用いて、反射率を測定した。
次に、各導電膜を、室温で、0.01%NaSの水溶液中に1時間浸漬し、水溶液から取り出して純水で十分に洗浄した後、乾燥空気を噴射して水分を取り除いた。これらの試料について、上述と同様に反射率を測定した。
これらの測定結果に基づいて、NaS水溶液への浸漬後における反射率の低下率を、下記の式により求めた。
[{(成膜直後の反射率)−(NaS水溶液浸漬後の反射率)}/(成膜直後の反射率)]×100
この低下率が、耐硫化性の指標となり、この値が小さい程、耐硫化性が高いことを表している。

上記の表1に示されるように、実施例1〜10のスパッタリングターゲットを用いて形成したAg合金導電膜は、比抵抗に関しては、純Agによる従来例の導電膜には及ばないものの、導電膜としての実用には充分であり、遜色ない結果が得られている。
熱処理後におけるヒロックの発生数は、実施例1〜10のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜では、従来例の導電膜に比較して、格段に低下しており、耐熱性が向上したことを示している。
また、塩水浸漬試験及びNaS水溶液浸漬後における反射率の低下率によれば、実施例1〜10のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、従来例の導電膜に比較して、耐塩化性及び耐硫化性がともに向上したことがわかる。
なお、表1における比較例1〜4のスパッタリングターゲットは、本発明のAg−Sb−Mg合金スパッタリングターゲットにおけるSb又はMgの添加範囲外の添加量を含むものである。
比較例1では、Sbの添加量が少ないため、ヒロックの発生数と塩水浸漬試験において改善が見られず、耐熱性及び耐塩化性が向上しなかった。
また、比較例2、4では、Sb又はMgの添加量が多いため、比抵抗が高くなった。
比較例3では、Mgの添加量が少ないため、押し込み硬さを十分に向上することができなかった。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態は、AgにSbとZnとを含有させたAg−Sb−Zn合金スパッタリングターゲットを用いてAg合金導電膜を作製した場合である。以下に、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態には、AgにSbとZn及びMgとを添加したAg−Sb−Zn−Mg合金の場合も含まれる。
第1の実施形態に記載の原料に加えてZn原料として純度:99.99原子%以上のZn塊を用い、以下の表2に示される配合により、第1の実施形態と同様にして、実施例11〜16及び比較例5,6のスパッタリングターゲットを作成し、Ag合金導電膜を形成した。
以上の様にして形成した導電膜のそれぞれについて、第1の実施形態と同様の手法を用いて、測定評価を行った。その結果については、以下の表2に示されている。なお、比較のため、表2には純Agによる従来例の導電膜の評価結果も記載した。






























上記の表2に示されるように、実施例11〜16のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、比抵抗に関しては、純Agによる従来例の導電膜には及ばないものの、導電膜としての実用には充分であり、遜色ない結果が得られている。
熱処理後におけるヒロックの発生数は、実施例11〜16のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜では、従来例の導電膜に比較して、格段に低下しており、耐熱性が向上したことを示している。
また、塩水浸漬試験及びNaS水溶液浸漬後における反射率の低下率によれば、実施例11〜16のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、従来例の導電膜に比較して、耐塩化性及び耐硫化性がともに向上したことがわかる。
なお、表2における比較例5,6のスパッタリングターゲットは、本発明のAg−Sb−Zn合金スパッタリングターゲットにおけるZnの添加範囲外の添加量を含むものである。
比較例5では、Znの添加量が少ないため、押し込み硬さを十分に向上することができなかった。また、比較例6では、Znの添加量が多いため、比抵抗が高くなった。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態は、Agに、Sbと、Mgと、Sn及びPdのいずれか1種又は2種を含有させたAg−Sb−Mg−(Sn、Pd)合金スパッタリングターゲットを用いてAg合金導電膜を作製した場合である。以下に、第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態に記載の原料に加えてSn及びPdの原料として純度:99.99原子%のSn及びPdのいずれか1種又は2種の塊を用い、以下の表3に示される配合により、第1の実施形態と同様にして、実施例17〜21及び比較例7のスパッタリングターゲットを作成し、Ag合金導電膜を形成した。
以上の様にして形成した導電膜のそれぞれについて、第1の実施形態と同様の手法を用いて、測定評価を行った。その結果については、以下の表3に示されている。なお、比較のため、表3には純Agによる従来例の導電膜の評価結果も記載した。


























上記の表3に示されるように、実施例17〜21のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、比抵抗に関しては、純Agによる従来例の導電膜には及ばないものの、導電膜としての実用には充分であり、遜色ない結果が得られている。
熱処理後におけるヒロックの発生数は、実施例17〜21のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜では、従来例の導電膜に比較して、格段に低下しており、耐熱性が向上したことを示している。
また、塩水浸漬試験及びNaS水溶液浸漬後における反射率の低下率によれば、実施例17〜21のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、従来例の導電膜に比較して、耐塩化性及び耐硫化性がともに向上したことがわかる。特に、本実施形態においては、Sn,Pdを添加しているため、上述の第1および第2の実施形態よりも、耐硫化性を向上する効果が大きいことがわかる。
なお、表3における比較例7の導電膜では、Snの添加量が多いため、比抵抗が高くなった。
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態は、Agに、Sbと、Znと、Sn及びPdのいずれか1種又は2種を含有させたAg−Sb−Zn−(Sn、Pd)合金スパッタリングターゲットを用いてAg合金導電膜を作製した場合である。以下に、第4の実施形態について説明する。なお、第4の実施形態には、さらにMgを添加したAg−Sb−Zn−Mg−(Sn、Pd)合金の場合も含まれる。
第3の実施形態に記載の原料に加えてZn原料として純度:99.99原子%のZn塊を用い、以下の表4に示される配合により、第3の実施形態と同様にして、実施例22〜26及び比較例8のスパッタリングターゲットを作成し、Ag合金導電膜を形成した。
以上の様にして形成した導電膜のそれぞれについて、第1の実施形態と同様の手法を用いて、測定評価を行った。その結果については、以下の表4に示されている。なお、比較のため、表4には純Agによる従来例の導電膜の評価結果も記載した。

























上記の表4に示されるように、実施例22〜26のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、比抵抗に関しては、純Agによる従来例の導電膜には及ばないものの、導電膜としての実用には充分であり、遜色ない結果が得られている。
また、塩水浸漬試験及びNaS水溶液浸漬後における反射率の低下率によれば、実施例22〜26のスパッタリングターゲットを用いて形成した導電膜は、従来例の導電膜に比較して、耐塩化性及び耐硫化性がともに向上したことがわかる。特に、本実施形態においては、Sn,Pdを添加しているため、上述の第1および第2の実施形態よりも、耐硫化性を向上する効果が大きいことがわかる。
なお、表4における比較例8の導電膜では、Pdの添加量が多いため、比抵抗が高くなった。
以上の様に、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成したAg合金導電膜について、第1の実施形態〔Ag−Sb−Mg合金の場合〕、第2の実施形態〔Ag−Sb−Zn合金の場合〕、第3の実施形態〔Ag−Sb−Mg−(Sn、Pd)合金の場合〕、第4の実施形態〔Ag−Sb−Zn―(Sn、Pd)合金の場合〕に分けて具体的に説明したが、いずれの実施形態においても、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成したAg合金導電膜は、従来の純Ag導電膜ほどではないにしても比抵抗は小さく導電性にすぐれ、さらに、耐熱性、耐塩化性などの耐性に優れることが確認できた。
〔大気中での熱処理〕
実施例3,13,18,19,26のスパッタリングターゲットを用いて形成したAg合金導電膜につき、大気中で150℃、1時間の熱処理を施して、実施例3’,13’,18’,19’,26’のAg合金導電膜を得た。この様にして形成した導電膜のそれぞれについて、第1の実施形態と同様の手法を用いて、測定評価を行った。その結果については、以下の表5に示されている。























上記の表5に示されるように、実施例3’,13’,18’,19’,26’の導電膜は、大気中での熱処理によって、酸化膜が厚く形成されており、実施例3,13,18,19,26よりも優れた耐塩化性及び耐硫化性を有することがわかる。


Claims (2)

  1. Sb:0.3〜3.0at%と、Mg及びZnのいずれか1種又は2種の合計:0.2〜2.0at%とを含有し、残部がAg及び不可避不純物からなる成分組成を有するAg合金膜形成用スパッタリングターゲット。
  2. Ag合金膜形成用スパッタリングターゲットが、さらに、Sn及びPdのいずれか1種又は2種の合計:0.2〜1.5at%を含有することを特徴とする請求項1に記載のAg合金膜形成用スパッタリングターゲット。


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