JP2021130849A - 積層膜 - Google Patents

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Yuto TOSHIMORI
悠人 歳森
荘平 野中
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Abstract

【課題】塩素を原因とするAg膜におけるAgの凝集を抑制することで、斑点等の欠陥の発生を抑制し、電気特性及び光学特性に優れた積層膜を提供する。【解決手段】Ag又はAg合金からなるAg膜21と、このAg膜21に積層された酸化物膜23と、を有し、酸化物膜23は、金属成分としてGa、Ti、Znを含み残部が不可避不純物とされたGaTiZn酸化物膜であることを特徴とする。GaTiZn酸化物膜は、全金属成分量に対して、Gaが0.5原子%以上20.0原子%以下、Tiが0.5原子%以上20.0原子%以下、残部がZnと不可避不純物からなる酸化物で構成されていることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電磁波シールド層として用いられるAg膜と酸化物膜とを備えた積層膜に関するものである。
例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、タッチパネル等においては、その内部に電磁波シールド層を配設し、液晶素子や有機EL素子等の帯電による誤動作を防止している。
電磁波シールド層として、例えば特許文献1−3に示すように、透明導電酸化物膜と金属膜との積層構造とされた積層膜が適用されている。この積層膜には、可視光域の光の透過率が高く、かつ、電気抵抗の低いものが要求される。
ここで、上述の積層膜を構成する金属膜として、光学特性及び電気特性に優れたAg又はAg合金からなるAg膜が適用されることがある。
特開2008−216734号公報 特開2008−305829号公報 特開平11−194215号公報
ところで、最近では、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、タッチパネル等においては、さらなる高輝度化が求められており、可視光域の透過率に優れた積層膜が求められている。
しかしながら、Ag膜を備えた積層膜においては、パーティクル(空中微粒子)や指紋等が、膜上或いは膜端部に付着することにより、塩素を原因としてAg膜においてAgの凝集が発生し、斑点等の欠陥が生じるおそれがあった。
特に、透過率を向上させるためにAg膜を薄くした場合には、Agが凝集しやすいため、上述の欠陥が発生しやすくなる傾向にある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、塩素を原因とするAg膜におけるAgの凝集を抑制することで、斑点等の欠陥の発生を抑制し、電気特性及び光学特性に優れた積層膜を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の積層膜は、Ag又はAg合金からなるAg膜と、このAg膜に積層された酸化物膜と、を有し、前記Ag膜に積層された前記酸化物膜は、金属成分としてGa、Ti、Znを含み残部が不可避不純物とされたGaTiZn酸化物膜であることを特徴としている。
本発明の積層膜によれば、Ag膜に積層された酸化物膜を有しており、この酸化物膜が、金属成分としてGa,Tiを含み残部がZn及び不可避不純物とされたGaTiZn酸化物膜とされているので、酸化物膜とAg膜との親和性が高く、密着性が向上する。よって、Agの原子移動が妨げられることで、塩素を原因とするAg膜におけるAgの凝集を抑制でき、欠陥の発生を抑制することができる。
ここで、本発明の積層膜においては、前記GaTiZn酸化物膜は、全金属成分量に対して、Gaが0.5原子%以上20.0原子%以下、Tiが0.5原子%以上20.0原子%以下、残部がZnと不可避不純物からなる酸化物で構成されていることが好ましい。
この場合、前記酸化物膜を構成する前記GaTiZn酸化物膜の組成が上述のように規定されているので、酸化物膜とAg膜との親和性が確実に高くなり、Ag膜におけるAgの凝集をさらに抑制でき、欠陥の発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の積層膜においては、前記GaTiZn酸化物膜におけるGa/Ti原子比が2.0以上10.0以下であることが好ましい。
この場合、前記酸化物膜を構成する前記GaTiZn酸化物膜におけるGa/Ti原子比が2.0以上10.0以下に規定されているので、酸化物膜とAg膜との親和性が確実に高くなり、Ag膜におけるAgの凝集をさらに抑制でき、欠陥の発生をさらに抑制することができる。
さらに、本発明の積層膜においては、前記GaTiZn酸化物膜の厚さが5nm以上であることが好ましい。
この場合、前記酸化物膜を構成する前記GaTiZn酸化物膜の厚さが5nm以上とされているので、酸化物膜とAg膜との密着性がさらに向上し、Ag膜におけるAgの凝集をさらに抑制でき、欠陥の発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の積層膜においては、前記Ag膜は、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdのいずれかの元素の少なくとも1種以上を合計で0.01原子%以上20.00原子%以下含有し、残部がAgと不可避不純物とした組成であることが好ましい。
この場合、Ag膜が、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdから選択される1種又は2種以上を合計で0.01原子%以上20.0原子%以下の範囲内で含有しているので、塩素を原因とするAg膜におけるAgの凝集を抑制でき、欠陥の発生をさらに抑制することができる。
さらに、本発明の積層膜においては、前記Ag膜の厚さが5nm以上20nm以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、Ag膜の厚さが5nm以上とされているので、膜の耐久性を十分に確保することができる。一方、Ag膜の厚さが20nm以下とされているので、コストが増加することを抑制できる。
本発明によれば、塩素を原因とするAg膜におけるAgの凝集を抑制することで、斑点等の欠陥の発生を抑制し、電気特性及び光学特性に優れた積層膜を提供することが可能となる。
本発明の実施形態である積層膜の断面説明図である。
以下に、本発明の一実施形態である積層膜について、添付した図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態である積層膜は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、タッチパネル等の内部に構成される電磁波シールド層である。
本実施形態である積層膜20は、図1に示すように、基材11の上に成膜されたものとされている。
ここで、基材11としては、例えば、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルム等を用いることができる。本実施形態では、基材11は、ガラス基板とされており、その厚さが0.1mm以上2mm以下の範囲内とされている。
積層膜20は、Ag又はAg合金からなるAg膜21と、このAg膜21と基材11との間に配設されるとともに膜厚方向においてAg膜21に隣接するように積層された酸化物膜23と、を有している。
そして、Ag膜21に隣接して積層された酸化物膜23は、金属成分がGa,Tiを含み残部がZn及び不可避不純物とされたGaTiZn酸化物膜とされている。
ここで、本実施形態においては、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜は、全金属成分に対してGaの含有量が0.5原子%以上20.0原子%以下、Tiの含有量が0.5原子%以上20.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とした組成の酸化物で構成されていることが好ましい。
また、本実施形態においては、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜におけるGa/Ti原子比が2.0以上10.0以下であることが好ましい。
さらに、本実施形態においては、酸化物膜23の厚さは、5nm以上とされていることが好ましい。
Ag膜21は、Ag又はAg合金で構成されている。本実施形態では、Ag膜21は、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdのいずれかの元素の少なくとも1種以上を合計で0.01原子%以上20.00原子%以下含有し、残部がAgと不可避不純物とした組成であることが好ましい。
また、Ag膜21の厚さは、5nm以上20nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
ここで、本実施形態である積層膜20において、酸化物膜23の組成及び厚さ、Ag膜21の組成及び厚さを、上述のように規定した理由について説明する。
(酸化物膜23)
Ag膜21と隣接して積層された酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜は、Ag膜21との密着性が高く、Agの原子移動が妨げられることでAg膜21におけるAgの凝集を抑制する作用を有している。
Gaは、Zn酸化物に添加されることによって、Ag膜21におけるAgとの密着性を向上させる作用効果を有している。
ここで、酸化物膜23がGaを0.5原子%以上20原子%以下の範囲内で含有することで、酸化物膜23とAg膜21との密着性を確実に向上させることが可能となる。
なお、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜におけるGaの含有量の下限は2.0原子%以上とすることが好ましく、5.0原子%以上とすることがさらに好ましい。一方、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜におけるGaの含有量の上限は18.0原子%以下とすることが好ましく、15.0原子%以下とすることがさらに好ましい。
Tiは、Zn酸化物に添加されることによって、Zn酸化物の耐塩素性を向上させる作用効果を有している。
ここで、酸化物膜23がTiを0.5原子%以上含有することにより、Zn酸化物の耐塩素性を十分に向上させることが可能となる。一方、酸化物膜23におけるTiの含有量を20.0原子%以下に制限することにより、酸化物膜23のAgとの密着性を向上させることができる。
なお、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜におけるTiの含有量の下限は1.0原子%以上とすることが好ましく、2.0原子%以上とすることがさらに好ましい。一方、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜におけるTiの含有量の上限は15.0原子%以下とすることが好ましく、10.0原子%以下とすることがさらに好ましい。
ここで、Ga/Ti原子比を2.0以上10.0以下の範囲内とした場合には、酸化物膜23のAgとの密着性をさらに向上させることができる。
なお、Ga/Ti原子比の下限は4.0以上であることがさらに好ましく、5.0以上であることがより好ましい。一方、Ga/Ti原子比の上限は9.0以下であることがさらに好ましく、8.0以下であることがより好ましい。
また、酸化物膜23の厚さを5nm以上とすることにより、酸化物膜23とAg膜21との密着性をさらに向上させることが可能となる。
なお、酸化物膜23の厚さの下限は10nm以上とすることが好ましく、20nm以上とすることがより好ましい。一方、酸化物膜23の厚さの上限に特に制限はないが、100nm以下とすることが好ましく、50nm以下とすることがより好ましい。
(Ag膜21)
Ag膜21は、電気特性および光学特性に優れており、各種ディスプレイの電磁波シールド層を構成する金属膜として特に適している。
ここで、Agに、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdといった元素を添加した場合には、Ag膜21におけるAgの凝集を抑制する作用効果を有する。
ここで、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdから選択される1種又は2種以上の合計含有量を0.01原子%以上とすることにより、Ag膜21におけるAgの凝集を十分に向上させることが可能となる。一方、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdから選択される1種又は2種以上の合計含有量を20.0原子%以下とすることにより、Ag膜21の電気特性および光学特性が劣化することを抑制できる。
なお、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdから選択される1種又は2種以上の合計含有量の下限は0.1原子%以上とすることが好ましく、0.5原子%以上とすることがより好ましい。一方、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdから選択される1種又は2種以上の合計含有量の上限は10.0原子%以下とすることが好ましく、8.0原子%以下とすることがより好ましい。
また、Ag膜21の厚さを5nm以上とすることにより、Ag膜21の耐久性を十分に確保することができる。一方、Ag膜21の厚さを20nm以下とすることにより、Ag膜21の電気特性および光学特性を高く維持することができる。
なお、Ag膜21の厚さの下限は6nm以上とすることが好ましく、7nm以上とすることがより好ましい。一方、Ag膜21の厚さの上限は15nm以下とすることが好ましく、10nm以下とすることがより好ましい。
本実施形態である積層膜20は、例えば各種スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法によって製造することができる。
すなわち、基材11の上に、Ga,Ti,Znを含む酸化物スパッタリングターゲットを用いて酸化物膜23を成膜し、その後、酸化物膜23の上に、Ag又はAg合金からなるスパッタリングターゲットを用いてAg膜21を成膜する。これにより、本実施形態である積層膜20が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態である積層膜20においては、Ag膜21に隣接して積層された酸化物膜23を有しており、この酸化物膜23が、金属成分がGa,Tiを含み残部がZn及び不可避不純物とされたGaTiZn酸化物膜とされているので、酸化物膜23とAg膜21との親和性が高く、膜同士の密着性が向上する。よって、Agの原子移動が妨げられることでAg膜21におけるAgの凝集を抑制することができる。
また、本実施形態において、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜が、全金属成分に対してGaの含有量が0.5原子%以上20.0原子%以下、Tiの含有量が0.5原子%以上20.0原子%以下、残部がZn及び不可避不純物とした組成の酸化物で構成されている場合には、酸化物膜23とAg膜21との親和性が確実に高くなり、Ag膜21におけるAgの凝集をさらに抑制することができる。
さらに、本実施形態において、酸化物膜23を構成するGaTiZn酸化物膜におけるGa/Ti原子比が2.0以上10.0以下である場合には、酸化物膜23とAg膜21との親和性が確実に高くなり、Ag膜21におけるAgの凝集をさらに抑制でき、欠陥の発生をさらに抑制することができる。
また、本実施形態において、酸化物膜23の厚さが5nm以上である場合には、酸化物膜23とAg膜21との密着性がさらに向上し、Ag膜21におけるAgの凝集を確実に抑制することができる。
さらに、本実施形態において、Ag膜21が、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdから選択される1種又は2種以上を合計で0.01原子%以上20.0原子%以下の範囲内で含有し、残部がAg及び不可避不純物とした組成とされている場合には、Ag膜21における電気特性及び光学特性が確保できるとともに、Agの凝集を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態において、Ag膜21の厚さが5nm以上20nm以下の範囲内である場合には、Ag膜21の耐久性を十分に確保することができるとともに、Ag膜21における電気特性及び光学特性を十分に確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、ガラス基板に積層膜を成膜するものとして説明したが、これに限定されることはなく、樹脂基板や樹脂フィルム等に本実施形態である積層膜を成膜してもよい。
さらに、本実施形態では、Ag膜21の片面に隣接するように酸化物膜23を積層したものとして説明したが、これに限定されることはなく、Ag膜21の両面に隣接するように酸化物膜23を積層してもよい。
また、Ag膜21の一面に隣接するように上述のGaTiZn酸化物膜で構成された酸化物膜23が積層されていれば、他面側にITO膜等の他の組成の酸化物膜が成膜されていてもよい。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
各種組成の4インチサイズのスパッタリングターゲットを無酸素銅からなるバッキングプレートにボンディングし、これを基板搬送式のスパッタ装置に装着して、基板に成膜し、表1,2に示す積層膜を備えた積層膜を作製した。各種組成の膜は、以下の条件で成膜した。なお、スパッタは、同一のチャンバー内で連続的に実施した。
基板としては、5cm角のガラス基板(コーニング社製EAGLE XG)を用いた。
(Ag膜の成膜条件)
成膜開始真空度:7.0×10−4Pa以下
スパッタガス:高純度アルゴン
チャンバー内スパッタガス圧:0.4Pa
直流電力:100W
(ZnO膜の成膜条件)
成膜開始真空度:7.0×10−4Pa以下
スパッタガス:高純度アルゴン99vol%+高純度酸素1vol%
チャンバー内スパッタガス圧:0.4Pa
交流電力:200W
(GaTiZn酸化物膜の成膜条件)
成膜開始真空度:7.0×10−4Pa以下
スパッタガス:高純度アルゴン99vol%+高純度酸素1vol%
チャンバー内スパッタガス圧:0.4Pa
交流電力:200W
なお、膜の組成については、各種膜を単層で500nm成膜したものを、ICP発光分光分析法によって分析した。分析結果を表1,2に示す。
また、表1,2に示す膜厚については、以下のように算出している。
まず各ターゲットで一定時間放電した後の膜について段差測定計(ブルカー社製DEKTAK-XT)を用いて膜厚を測定し、膜厚を放電時間で割ることでスパッタレート(単位時間当たりの放電で成膜される膜厚)を算出しておく。
次に、各狙いの膜厚に対して所定の放電時間成膜し、以下の関係式により膜厚とした。
(膜厚:nm)=(スパッタレート:nm/s)×(放電時間:s)
上述のようにして得られた積層膜について、以下のように、電気特性、耐塩素性を評価した。
(電気特性)
積層膜を三菱化学製ロレスタGPにより、四端子法にてシート抵抗を測定した。評価結果を表3,4に示す。
(耐塩素性)
積層膜を濃度5wt%のNaCl水溶液中に常温で24時間浸漬した後、取り出して純水で洗浄・乾燥したサンプルについて、シート抵抗値を測定した。評価結果を表3,4に示す。
Figure 2021130849
Figure 2021130849
Figure 2021130849
Figure 2021130849
Ag膜のみを成膜した比較例1においては、塩水試験後のシート抵抗が測定上限を超えた。塩素によってAgが凝集し、導電性が大きく低下したと推測される。
Ag膜に隣接するようにZnO膜を成膜した比較例2においても、塩水試験後のシート抵抗が測定上限を超えた。塩素によってAgが凝集し、導電性が大きく低下したと推測される。
これに対して、Ag膜に隣接してGaTiZn酸化物膜を成膜した本発明例1〜27においては、塩水試験後においてもシート抵抗が大きく上昇しなかった。
以上のことから、本発明例によれば、塩素を原因とするAg膜の凝集を抑制することで、斑点等の欠陥の発生を抑制し、電気特性に優れた積層膜を提供可能であることが確認された。
11 基材
20 積層膜
21 Ag膜
23 酸化物膜

Claims (6)

  1. Ag又はAg合金からなるAg膜と、このAg膜に積層された酸化物膜と、を有し、
    前記酸化物膜は、金属成分としてGa、Ti、Znを含み残部が不可避不純物とされたGaTiZn酸化物膜であることを特徴とする積層膜。
  2. 前記GaTiZn酸化物膜は、全金属成分量に対して、Gaが0.5原子%以上20.0原子%以下、Tiが0.5原子%以上20.0原子%以下、残部がZnと不可避不純物からなる酸化物で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層膜。
  3. 前記GaTiZn酸化物膜におけるGa/Ti原子比が2.0以上10.0以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層膜。
  4. 前記GaTiZn酸化物膜の厚さが5nm以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層膜。
  5. 前記Ag膜は、In,Sn,Cu,Ge,Sb,Au,Mg,Ca,Ti,Pdのいずれかの元素の少なくとも1種以上を合計で0.01原子%以上20.00原子%以下含有し、残部がAgと不可避不純物とした組成であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層膜。
  6. 前記Ag膜の厚さが5nm以上20nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層膜。
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