JP2015173103A - 非水系二次電池負極用活物質並びにそれを用いた負極及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池負極用活物質並びにそれを用いた負極及び非水系二次電池 Download PDF

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輝之 岡安
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雄也 有川
梨恵 藤田
Rie Fujita
梨恵 藤田
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Abstract

【課題】本発明は、初期充放電時の非水系電解液の分解によるガス発生が少なく、初期充放電中の容量損失や効率に優れた非水系二次電池の製造に有用な非水系二次電池負極用活物質を提供することを目的とする。更には、加温試験におけるガス発生を抑制することが可能な、非水系二次電池負極用活物質を提供することを目的とする。
【解決手段】リチウムイオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)と、化合物(B)を含有する非水系二次電池負極用活物質に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系電解液の分解によるガス発生が少なく、電池の初期充放電中のロスや効率に優れ、抵抗の上昇も抑制された、優れた非水系二次電池の製造に有用な非水系二次電池負極用活物質に関する。本発明はさらに、前記活物質を用いて得られる非水系二次電池用負極及び前記負極を備える非水系二次電池に関する。
近年、電気自動車等の開発等を背景に、高エネルギー密度型電池として、非水系二次電池であるリチウムイオン二次電池の研究が盛んに行なわれている。リチウムイオン二次電池については、負極用活物質として、黒鉛等の炭素材料を使用することが知られている。
中でも、黒鉛化度の大きい黒鉛は、リチウムイオン二次電池用の負極用活物質として用いた場合、黒鉛のリチウム吸蔵の理論容量である372mAh/gに近い容量が得られ、さらに、コスト・耐久性にも優れることから、負極用活物質として好ましいことが知られている。
上記のような炭素材料を、リチウムイオン二次電池の負極用活物質として使用した場合、通常、炭素材料の表面に、結着剤等に用いられる高分子化合物や非水系電解液との反応によってSEI(Solid Electrolyte Interface)と呼ばれる保護被膜が形成される。SEIにより、炭素材料と非水系電解液との接触が防がれ、活性な炭素材料による非水系電解液の分解等が抑制される。その結果、負極表面の化学的安定性が保たれることも知られている。
しかしながら、炭素材料を負極用活物質として使用したリチウムイオン二次電池においては、SEI被膜生成や、副反応生成物としてのガス発生によって、初期サイクル時の充放電不可逆容量が増大し、結果として、高容量化に至らないといった課題があった。さらには、SEI被膜が形成されることで、負極における界面抵抗(負極抵抗)が上昇し、電池の入出力特性が低下するという課題があった。
上記の問題を解決するために、電池内で生成するラジカルを捕捉する材料を、負極用活物質である炭素材料に対して添着する技術や電解質中に溶解する形で添加する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、電解質中に、スルホニル基と不飽和結合とを有する不飽和鎖状スルホン化合物などを含有させることにより、高温特性、保存特性あるいはサイクル特性などを向上させる技術が提案されている。
また特許文献2には、黒鉛の粉砕時に黒鉛表面にフリーラジカルが生成し、非水系電解液を分解する活性点になるという考えのもと、微粒子化した黒鉛に対して、不飽和結合性単量体、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合停止剤といったラジカル反応試薬をマスキング材として作用後、余剩のマスキング剤を溶剤で洗浄・除去し、次いで得られた黒鉛粒子を充分乾燥することにより、充電時の非水系電解液の分解抑制による初期サイクル時にみられる充放電不可逆容量を抑制させる技術が提案されている。
また特許文献3には、負極、正極あるいは電解質に、エダラボンあるいはヒンダードフェノールから少なくとも1つの水素基が脱離した基、またはその誘導体を有し、それに1つあるいは2つ以上のカルボン酸金属塩基あるいはスルホン酸金属塩基が導入された化合物を含有させることにより、非水系電解液の分解を抑制し、サイクル特性を向上させる技術が提案されている。
また、特許文献4には、炭素材料に、25℃におけるpKaが5.6以上の有機酸のアルカリ金属塩及び/又は該有機酸の重合物のアルカリ金属塩を添着することにより、炭素材料表面と非水系電解液との反応を抑制し、特にプロピレンカーボネート溶媒を電解液として使用した際の初期サイクル時にみられる充放電効率を向上させる技術が提案されている。
特開2007−273395号公報 特開平11−111292号公報 特開2010−44957号公報 特開2011−210683号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に開示されている電解質に溶解する添加剤では、電池内で生成するラジカルの捕捉および被膜形成によって保存特性あるいはサイクル特性が向上すると記載されているものの、実際には負極表面のみならず電池系内全体で作用してしまうため、非水系電解液中に生成した添加剤の還元重合物がセパレータの多孔膜の孔の封鎖、正極にて酸化分解することによるガス発生など、改善する余地のある技術であった。
特許文献2に開示されている技術では、ラジカルと反応性のある不飽和結合性単量体、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合停止剤などのマスキング材を黒鉛と接触・反応させることによって、黒鉛表面のフリーラジカル由来の活性点を低減させ、非水系電解液の還元分解を抑制すると記載されているものの、電池作製後、初期の充放電時の電池内で生成するラジカルを抑制することはできないため、非水系電解液と接触する黒鉛表面での非水系電解液の還元分解の抑制は十分ではなかった。
特許文献3に開示されている技術では、ラジカル捕捉能を有する低分子化合物を用いることで、電池内で生成するラジカルを捕捉し、サイクル特性が向上すると記載されているものの、示されている化合物はラジカル捕捉後も常に低分子のまま存在するため、負極満充電時のような非常に強い還元雰囲気を示す状態での負極表面と非水系電解液の接触自体は抑制できず、ガス発生の抑制に対する改善効果は十分ではなかった。
特許文献4には開示されている技術では、25℃におけるpKaが5.6以上の有機酸のアルカリ金属塩として、マレイン酸リチウム塩を添着することで、初期サイクル時にみられる充放電不可逆容量が低減すると記載されているが、一方で、酸接触処理によって生じる無機リチウム塩は炭素材料との表面接着性が十分ではないため、無機リチウム塩が剥離し非水系電解液と炭素材料が接触することにより非水系電解液の還元分解やSEI被膜の再形成を繰り返すことから、ガス発生の抑制や初期充放電効率の向上に対する改善効果は十分ではなかった。
本発明は、かかる背景技術に鑑みてなされたものであり、非水系二次電池において、非水系電解液の分解によるガス発生を抑制しつつ、初期充放電中の容量損失(初期ロス)や効率(初期充放電効率)に優れた非水系二次電池負極用活物質を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、「リチウムイオンの挿入・
脱離が可能な活物質(A)」(以下、「活物質(A)」ともいう。)、と「化学構造の一部にラジカル重合可能な不飽和結合とヘテロ原子を有する化合物(B)」(以下、「化合物(B)」ともいう)とを含有する非水系二次電池負極用活物質を用いることにより、ガス発生抑制効果と初期ロス抑制効果、初期充放電効率が向上した優れた非水系二次電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここで本発明に係る非水系二次電池負極用活物質が前記効果を奏する詳細は不明であるが、発明者らの検討の結果、優れた電池特性は次のような効果によると考えられる。
すなわち、非水系二次電池負極用活物質層中に活物質(A)、化合物(B)を含有させると、化合物(B)が活物質(A)表面の活性を抑制するとともに、電池内で生成するラジカルと反応することにより、非水系電解液の還元分解を抑制する効果がある。
加えて、電池内で生成したラジカルによって化合物(B)自体がラジカル重合することにより、電池内での電子を消費することなく、活物質(A)表面に非水系電解液に膨潤しない、高い化学的安定性を有する電子絶縁被膜を形成し、その化合物(B)由来の形成被膜が活物質(A)と非水系電解液との接触を大幅に低減可能なため、活物質(A)と非水系電解液との接触による還元反応を抑制し、初期充放電中の電池内のガス発生や容量損失が低減すると考えられる。
更に、上記のようなメカニズムで活物質(A)の表面に形成された化合物(B)由来の形成被膜によって、電池を充電状態で高温中に保存する際に起こる活物質表面の無機塩等のSEI被膜の剥離を抑制することができるため、保存時のガス発生についても低減すると考えられる。
また、本発明の化合物(B)由来の形成被膜は非水系電解液に難溶であるために、本発明の非水系二次電池負極用活物質の非水系電解液に対する耐性が向上し、活物質(A)に吸着されている化合物(B)が非水系電解液に溶出を抑制する効果に加え、活物質(A)表面と化合物(B)との間に高い吸着性を付与することが出来ると考えられる。
すなわち、本発明の要旨は、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)と、化合物(B)を含有する非水系二次電池負極用活物質であって、前記化合物(B)が下記式(1)で示される化学構造を有する、非水系二次電池負極用活物質に存する。
Figure 2015173103
(前記式中、Xはヘテロ原子、Yはラジカル重合可能な不飽和結合を有する基、Rは酸素原子、水素原子、アルキル基、アリール基、カルボニル結合を有する置換基、又はエーテル結合を有する置換基、Zはプロトン、1価以上の金属イオン、ハロゲンイオン、無機酸のイオン、又は有機酸のイオン、nは0〜2の整数、nは1〜3の整数、n及びnは1以上の整数、nは1以上の整数、n+nは2又は3の整数を示す。)
また、本発明の他の要旨は、上記非水系二次電池負極用炭素材を用いて形成されることを特徴とする、非水系二次電池用負極に存する。
また、本発明の他の要旨は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに
、電解質を備えると共に、該負極が上記非水系二次電池用負極であることを特徴とする非水系二次電池に存する。
本発明によれば、化合物(B)によって、非水系電解液の還元分解の抑制がされ、初期充放電効率のいっそうの改善とガス発生の抑制効果に優れた非水系二次電池の製造に有用な、優れた非水系二次電池負極用活物質を提供することができる。加えて、化合物(B)は高温保存時において安定であり、非水系電解液の還元分解が抑制可能であるため保存試験時の発生ガスが少ない非水系二次電池の製造に有用な、優れた非水系二次電池負極用活物質を提供することができる。また、前記非水系二次電池負極用活物質を用いた非水系二次電池用負極及び当該負極を備える非水系二次電池を提供することができる。
以下、本発明の内容を詳細に述べる。なお、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの形態に特定されるものではない。
[非水系二次電池負極用活物質]
本発明の非水系二次電池負極用活物質は少なくとも活物質(A)及び、化合物(B)を含有する。
<活物質(A)>
活物質(A)は、その骨格中にリチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料であれば特に制限されない。
その例としては、黒鉛、非晶質炭素、黒鉛化度の小さい炭素質物に代表される種々の炭素材料、シリコン系材料、スズ系材料が挙げられる。これらについては詳述するが、中でも人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、シリコン、及びシリコン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがリチウム貯蔵容量、サイクル特性、コストバランスの点から好ましい。またこれらを非晶質炭素や黒鉛化物で被覆したものを用いても良い。
本発明ではこれらを単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記材料には酸化物やその他金属を含んでいてもよい。
前記活物質(A)の形状は特に制限されず、球状、薄片状、繊維状、不定形粒子、複数の粒子が非平行に集合又は結合させてなる粒子などから適宜選択して用いることができる。本発明の好ましい態様の一つとしては、球状である。
前記炭素材料の種類としては、人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、黒鉛化度の小さい炭素質物等が挙げられるが、低コストと電極作製のし易さの点から、人造黒鉛または天然黒鉛が好ましく、天然黒鉛がより好ましい。
これら炭素材料は、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
前記天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられる。前記鱗状黒鉛の産地は、主にスリランカであり、前記鱗片状黒鉛の産地は、主にマダガスカル、中国、ブラジル、ウクライナ、カナダ等であり、前記土壌黒鉛の主な産地は、朝鮮半島、中国、メキシコ等である。
これらの天然黒鉛の中で、土壌黒鉛は一般に粒径が小さいうえ、純度が低い。これに対して、鱗片状黒鉛や鱗状黒鉛は、黒鉛化度が高く不純物量が低い等の長所があるため、本発明において好ましく使用することができる。
前記天然黒鉛の形状は、本発明の効果を発揮する観点から、好ましくは球形であり、活
物質(A)として特に好ましくは球形化天然黒鉛である。
更に具体的には、高純度化した鱗片状の天然黒鉛に球形化処理を施して得られた球形化天然黒鉛である。前記球形化処理の方法については後述する。
前記人造黒鉛としては、例えば、コールタールピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂などの黒鉛化可能な有機物を焼成し、黒鉛化したものやバルクメソフェーズを黒鉛化したものが挙げられる。
また、バルクメソフェーズ等の黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と、黒鉛化可能な有機物とに黒鉛化触媒を添加して混合し、焼成した後、粉砕することにより得た造粒型人造黒鉛を用いることもできる。
焼成温度は、2500℃以上、3200℃以下の範囲とすることができ、焼成の際、珪素含有化合物やホウ素含有化合物などを黒鉛化触媒として用いることもできる。
前記非晶質炭素としては、例えば、バルクメソフェーズを焼成した粒子や、炭素前駆体を不融化処理し、焼成した粒子が挙げられる。
前記黒鉛化度の小さい炭素質物としては、有機物を通常2500℃未満の温度で焼成したものが挙げられる。有機物としては、コールタールピッチ、乾留液化油などの石炭系重質油;常圧残油、減圧残油などの直留系重質油;原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等の分解系重質油などの石油系重質油;アセナフチレン、デカシクレン、アントラセンなどの芳香族炭化水素;フェナジンやアクリジンなどの窒素含有環状化合物;チオフェンなどの硫黄含有環状化合物;アダマンタンなどの脂肪族環状化合物;ビフェニル、テルフェニルなどのポリフェニレン;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどのポリビニルエステル類;ポリビニルアルコールなどの熱可塑性高分子などが挙げられる。
前記炭素質物の黒鉛化度の程度に応じて、焼成温度は通常600℃以上とすることができ、好ましくは900℃以上、より好ましくは950℃以上であり、通常2500℃未満とすることができ、好ましくは2000℃以下、より好ましくは1400℃以下の範囲である。
焼成の際、有機物にリン酸、ホウ酸、塩酸などの酸類や、水酸化ナトリウム等のアルカリ類などを混合することもできる。
前記シリコン系材料としては、シリコン、シリコン酸化物等が挙げられる。具体的には、SiO、SiC、(式中x及びyは任意の割合でも可)シリコン−酸化シリコン複合体、またはシリコンとその他金属との合金のうち何れを用いてもよい。中でもリチウム貯蔵容量とサイクル特性の点からシリコン(Si)及びシリコン酸化物が好ましい。
シリコン系材料としては、小粒径、薄膜、多孔質構造などリチウム挿入、脱離時の体積膨張収縮を緩和可能な形態が好ましく、必要に応じて炭素材料やその他活物質材料と複合化して用いることができる。
前記スズ系材料としては、錫、酸化第一錫、酸化第二錫、または錫アモルファス合金のうち何れを用いてもよい。スズ系材料としては、小粒径、薄膜、多孔質構造などリチウム挿入、脱離時の体積膨張収縮を緩和可能な形態が好ましく、必要に応じて種々の炭素材料やその他、活物質材料と複合化して用いる。
次に、活物質(A)の各種物性について説明する。活物質(A)は、下記物性のうち、少なくとも1つ以上を満たすことが好ましい。
(平均粒子径(d50))
活物質(A)の平均粒子径(d50)は、通常1μm以上、50μm以下である。この範囲であれば、負極製造時において極板化した際に、負極形成材料の筋引きなど、工程上の不都合が生ずることを防止することができる。
平均粒子径(d50)は、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。
なお、本願明細書において、平均粒子径(d50)とは、体積基準のメジアン径を意味する。具体的には、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した値として得ることができる。
(タップ密度)
活物質(A)のタップ密度は、通常0.7g/cm以上であり、1.0g/cm以上が好ましい。また、通常1.3g/cm以下であり、1.1g/cm以下が好ましい。
タップ密度が低すぎると、非水系二次電池用の負極に用いた場合に高速充放電特性に劣り、一方タップ密度が高すぎると、負極を構成する材料である粒子内における活物質(A)の密度が高く、負極形成材料の圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して試料を落下させてセルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行ない、該タップ後の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(BET法比表面積(SA))
活物質(A)のBET法で測定した比表面積(BET法比表面積)は、通常1m/g以上、11m/g以下である。この範囲であれば、Liイオンが出入りする部位が十分であるため、非水系二次電池用の負極に用いた場合でも良好な高速充放電特性・出力特性が得られ、活物質の非水系電解液に対する活性を制御し、初期不可逆容量を小さくし、さらには高容量化を容易に図ることができる。
BET比表面積は、好ましくは1.2m/g以上、より好ましくは、1.5m/g以上であり、また、好ましくは10m/g以下、より好ましくは9m/g以下、さらに好ましくは8m/g以下である。
なお、本願明細書において、BET法比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET5点法にて測定した値とする。
(X線パラメータ)
活物質(A)が炭素材料である場合、該炭素材のX線広角回折法による(002)面の面間隔d002は、通常0.335nm以上、0.340nm未満、好ましくは0.339nm以下であり、より好ましくは0.337nm以下である。d002値が0.340nm未満であれば、適切な結晶性が得られ、非水系二次電池用の負極に用いた場合に初期不可逆容量の増加が抑制できる。なお、0.335nmは黒鉛の理論値である。
(ラマンR値)
活物質(A)が炭素材料である場合、該炭素材のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、
その強度比R(R=I/I)を算出して定義する。 R値は通常0.01以上、1以下であり、0.6以下が好ましい。ラマンR値がこの範囲を下回ると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性の低下を招く傾向がある。一方、この範囲を上回ると、粒子表面の結晶性が乱れ、非水系電解液との反応性が増し、非水系二次電池用の負極に用いた場合に効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
ラマンスペクトルはラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料を充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルを照射したレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :532nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
(活物質(A)の製造方法)
以上説明した活物質(A)は種々の公知の方法により製造可能であり、その製造方法は特に制限されない。ここでは、本発明において活物質(A)として好ましく用いられる球形化天然黒鉛について、天然黒鉛からの製造方法について説明する。
球形化天然黒鉛は天然黒鉛を球形化することで得られるものである。その球形化処理に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し粒子に与える装置を用いることができる。
具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された天然黒鉛原料に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。
球形化処理を施すことにより、鱗片状の天然黒鉛が折りたたまれるか、もしくは周囲エッジ部分が球形粉砕されて、母体粒子は球状となる。その母体粒子に、粉砕により生じた主に5μm以下の微粉が付着する。なお、球形化処理後の天然黒鉛の表面官能基量O/C値が通常1%以上、4%以下となる条件で、球形化処理を行うことが好ましい。
この際には、機械的処理のエネルギーにより天然黒鉛表面の酸化反応を進行させ、天然黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で球形化処理を行うことが好ましい。例えば前述の装置を用いて処理する場合には、回転するローターの周速度を通常30m/秒以上100m/秒以下、40m/秒以上100m/秒以下にすることが好ましく、50m/秒以上100m/秒以下にすることがより好ましい。
(被覆処理)
本発明に使用される活物質(A)は、その表面の少なくとも一部が炭素質物によって被覆されていてもよい。この被覆の態様は走査型電子顕微鏡(SEM)写真等で確認することができる。
なお、被覆処理に用いる炭素質物としては非晶質炭素及び黒鉛化物が挙げられるが、それらは後述する被覆処理における焼成温度の相違によって、得られるものが異なる。
具体的には、前記炭素質物の炭素前駆体として、以下の(1)又は(2)に記載の材料が好ましい。
(1)石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油、芳香族炭化水素、N環化合物、S環化合物、ポリフェニレン、有機合成高分子、天然高分子、熱可塑性樹脂及び熱硬化
性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1つ以上の炭化可能な有機物。
(2)上記(1)に示した炭化可能な有機物を低分子有機溶媒に溶解させたもの。
上記(1)及び(2)の中でも石炭系重質油、直流系重質油、若しくは分解系石油重質油、またはこれらを低分子有機溶媒に溶解させたものが、焼成後の炭素質物が均一に被覆されるのでより好ましい。
被覆処理においては、例えば活物質(A)として球形化天然黒鉛を用いて核黒鉛とした場合に、炭素質物を得るための炭素前駆体を被覆原料として、これらを混合、焼成することで、炭素質物が被覆された活物質(A)が得られる。
焼成温度を、通常600℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは900℃以上、通常2000℃以下、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下とすると炭素質物として非晶質炭素が得られる。
また焼成温度を通常2000℃以上、好ましくは2500℃以上、通常3200℃以下で熱処理を行うと炭素質物として黒鉛化物が得られる。
前記非晶質炭素とは結晶性の低い炭素であり、前記黒鉛化物とは結晶性の高い炭素である。
<化合物(B)>
また、本発明の非水系二次電池負極用活物質は化合物(B)を含有させることにより、活物質(A)表面と非水系電解液との反応を抑制し、ガスの発生を効果的に抑制し、初期充放電中の容量損失(初期ロス)や効率(初期充放電効率)を向上することができる。
本発明に用いられる化合物(B)は、下記式(1)で示される化学構造を有する。
Figure 2015173103
(前記式中、Xはヘテロ原子、Yはラジカル重合可能な不飽和結合を有する基、Rは酸素原子、水素原子、アルキル基、アリール基、カルボニル結合を有する置換基、又はエーテル結合を有する置換基、Zはプロトン、1価以上の金属イオン、ハロゲンイオン、無機酸のイオン、又は有機酸のイオン、nは0〜2の整数、nは1〜3の整数、n及びnは1以上の整数、nは1以上の整数、n+nは2又は3の整数を示す。)
上記式(1)におけるXは、ヘテロ原子であれば特に限定されないが、例えば硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、窒素原子が挙げられ、硫黄原子、ホウ素原子が好ましく、電解液に対する溶解性の点から、硫黄原子が特に好ましい。
上記式(1)におけるnは0〜2の整数であり、nは1〜3の整数であり、n+nは2又は3の整数である。
Xが硫黄原子である場合、nは通常2の整数である。またnは通常1の整数である。n+nは通常3の整数である。
Xがリン原子である場合、nは通常0、1の整数であり、1の整数が好ましい。またnは通常1、2の整数であり、2の整数が好ましい。n+nは通常3の整数である。
Xがホウ素原子である場合、nは通常0の整数である。またnは通常2の整数であ
る。n+nは通常2の整数である。
Xが窒素原子である場合、nは通常0の整数である。またnは通常1〜3の整数であり、好ましくは1、2の整数であり、より好ましくは2の整数であり。n+nは通常1〜3の整数である。
上記式(1)におけるYは、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する基である。なお、本発明においてラジカル重合可能な不飽和結合とは、具体的には、ラジカル重合性を有さない芳香環の炭素―炭素二重結合を除いた二重結合もしくは三重結合を持った炭素−炭素結合が挙げられ、汎用性の点から二重結合を持った炭素−炭素結合であることが特に好ましい。ラジカル重合可能な不飽和結合を有する基としては、一置換エチレン類、1,1−二置換エチレン類、1,2−二置換エチレン類といった二重結合を有するアルケン化合物および末端アルキン類、内部アルキン類といった三重結合を有するアルキン化合物が含まれる。
一置換エチレン類としては、ビニル基、ビニルアルキル基、ビニルエーテル基、ビニルエーテルアルキル基、ビニルエーテルフェニル基、ビニルエーテルナフチル基、ビニルエーテルアントラセニル基、アリル基、アリルフェニル基、アリルナフチル基、アリルアントラセニル基、アリルエーテル基、アリルエーテルフェニル基、アリルエーテルナフチル基、アリルエーテルアントラセニル基、パーフルオロビニル基、パーフルオロビニルアルキル基、パーフルオロビニルエーテル基、パーフルオロビニルエーテルアルキル基、パーフルオロビニルエーテルフェニル基、パーフルオロビニルエーテルナフチル基、パーフルオロビニルエーテルアントラセニル基、パーフルオロアリール基、アクリロイル基、アクリロイルアルキル基、アクリロイルフェニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシアルキル基、スチリル基、ビニルナフチル基、ビニルアントラセニル基が、1,1−二置換エチレン類としては、メタクリロイル基、メタクリロイルアルキル基、メタクリロイルフェニル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシアルキル基α−メチルスチリル基が、1,2−二置換エチレンとしては、N-アルキル置換マレイミド基、アセ
ナフチル基が含まれる。
末端アルキン類としては、エチニル基、プロパ-2-イン-1-イル基といったアルキニル基が、内部アルキン類としてはアセチレンが含まれる。上記に挙げた反応基以外でも、ラジカル重合性を有する炭素―炭素二重結合および炭素―炭素三重結合を有する誘導体であればYの構造は特に限定されない。
上記式(1)におけるnは1以上の整数であり、通常100以下の整数である。好ましくは20以下の整数、より好ましくは10以下の整数、更に好ましくは5以下の整数、特に好ましくは3以下の整数である。
上記式(1)におけるRは酸素原子、水素原子、アルキル基、アリール基、カルボニル結合を有する置換基、又はエーテル結合を有する置換基であり、酸素原子、水素原子がより好ましく、分子量中に占めるラジカル重合可能な不飽和結合の割合の点から、酸素原子が特に好ましい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基が、アリール基の例としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基が、カルボニル結合を有する置換基の例としては、ホルミル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ア
リルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、メチルカルボニル基やエチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、尿素基、アミド基が、エーテル結合を有する置換基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、アリルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、1−ナフチルオキシ基が含まれる。
上記式(1)におけるnは1以上の整数であり、通常100以下の整数である。好ましくは20以下の整数、より好ましくは10以下の整数、更に好ましくは5以下の整数、特に好ましくは3以下の整数である。上記範囲であれば、電池内で生成したラジカルによる高分子量の形成被膜が形成されるとともに、形成被膜の電解液への膨潤や溶解を抑止するといった効果が発現する。
上記構造を有するものであれば本発明の化合物(B)は特に限定されないが、本発明の化合物(B)は非水系電解液に難溶性であることが好ましく、本発明の非水系二次電池負極用活物質の非水系電解液に対する耐性が向上し、活物質(A)に吸着されている化合物(B)が非水系電解液に溶出しにくくなる。
なお、本明細書でいう化合物の「非水系電解液に難溶性」とは、その化合物の25℃の水に対する溶解度が通常5質量%以上であるものをいい、10質量%以上溶けるものがより好ましい。
前記非水系電解液に難溶性であるということは、いわゆるイオン性基を有していることであることが好ましい。本明細書において、イオン性基とは、水中でアニオン又はカチオンを生じうる基であり、その例としては、アニオン性基として、式(1)で示される化学構造のXにおいて、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子などのヘテロ原子であり、nの部分構造が示す基としては、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ボロン酸基、ボリン酸基等が挙げられ、カチオン性基としては、式(1)で示される化学構造のXにおいて、窒素原子が挙げられ、nの単位構造が示す基としては、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
また、これらイオン性基は、プロトン型であっても塩型であっても良い。よって、上記式(1)におけるZはプロトン、1価以上の金属イオン、ハロゲンイオン、無機酸のイオン、又は有機酸のイオンであり、前記アニオン性基のイオンとしては、プロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオンやカルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオンが、前記カチオン性基のイオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、塩酸イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、フッ化水素酸イオン、炭酸イオン、脂肪族ヒドロキシ酸イオン、芳香族ヒドロキシ酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、アミド硫酸イオン、アンモニウムイオン等が挙げられ、中でもプロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンが好ましく、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンである。これらのイオン性基は、電池内での安定性と抵抗上昇抑制の点から好ましい。
上記式(1)におけるnは1以上の整数であり、好ましくは式(1)の電荷が中性となるように適宜決めることができる。
上述したイオン性基は、アニオン性基又はその塩が好ましく、より好ましくはスルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基、ボリン酸基又はその塩であり、スルホン酸基、ボロン酸基又はその塩が特に好ましい。これらの置換基は電池内でリチウムイオンが置換基に配位後、そのリチウムイオンを脱離しやすい傾向があり、リチウムのイオン伝導を妨げないため、結果として、電池の抵抗増大の抑制や、還元条件下において非水系電解液と反応しにくくなりガスを発生する因子を低減させることができる
また、化合物(B)は、上記式(1)の構造を満たすものであれば、低分子化合物であっても、高分子化合物(マクロモノマー)であってもよい。電池内での緻密な重合被膜形成の点から低分子化合物が特に好ましい。
以下に本発明の化合物(B)の具体的な態様について詳述する。
化合物(B)の低分子化合物の例としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルベンゼンスルホン酸、アリルベンゼンジスルホン酸、アリルナフタレンスルホン酸、アリルナフタレンジスルホン酸、アリルナフタレントリスルホン酸、アリルアントラセンスルホン酸、アリルアントラセンジスルホン酸、アリルアントラセントリスルホン酸、アクリロイルスルホン酸、アクリロイルベンゼンスルホン酸、アクリロイルベンゼンジスルホン酸、アクリロイルナフタレンスルホン酸、アクリロイルナフタレンジスルホン酸、アクリロイルナフタレントリスルホン酸、メタクリロイルスルホン酸、メタクリロイルベンゼンスルホン酸、メタクリロイルベンゼンジスルホン酸、メタクリロイルナフタレンスルホン酸、メタクリロイルナフタレンジスルホン酸、メタクリロイルアントラセンスルホン酸、メタクリロイルアントラセンジスルホン酸、メタクリロイルアントラセントリスルホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンジスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、ビニルナフタレンジスルホン酸、ビニルアントラセンスルホン酸、ビニルアントラセンジスルホン酸、ビニルアントラセントリスルホン酸、
2−アクリルアミドスルホン酸、2−アクリルアミドベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミドベンゼンジスルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルスルホン酸、2−メタクリルアミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルホン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルホン酸、ビニルイミダゾリンメタンスルホン酸、ビニルイミダゾリンエタンスルホン酸、ビニルエーテルスルホン酸、ビニルエーテルメチルスルホン酸、ビニルエーテルエチルスルホン酸、ビニルエーテルフェニルスルホン酸、ビニルエーテルフェニルジスルホン酸、ビニルエーテルナフチルスルホン酸、ビニルエーテルナフチルジスルホン酸、ビニルエーテルアントラセニルスルホン酸、ビニルエーテルアントラセニルジスルホン酸、ビニルアミノベンゼンスルホン酸、ビニルアミノベンゼンジスルホン酸、アセナフチルスルホン酸、エチニルスルホン酸、エチニルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルエチニルスルホン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンスルホン酸、
ジアリルベンゼンスルホン酸、ジアリルベンゼンジスルホン酸、ジアリルナフタレンスルホン酸、ジアリルナフタレンジスルホン酸、ジアリルナフタレントリスルホン酸、ジアリルアントラセンスルホン酸、ジアリルアントラセンジスルホン酸、ジアリルアントラセントリスルホン酸、ジアクリロイルベンゼンスルホン酸、ジアクリロイルベンゼンジスルホン酸、ジアクリロイルナフタレンスルホン酸、ジアクリロイルナフタレンジスルホン酸、ジアクリロイルナフタレントリスルホン酸、ジメタクリロイルベンゼンスルホン酸、ジメタクリロイルベンゼンジスルホン酸、ジメタクリロイルナフタレンスルホン酸、ジメタクリロイルナフタレンジスルホン酸、ジメタクリロイルアントラセンスルホン酸、ジメタクリロイルアントラセンジスルホン酸、ジメタクリロイルアントラセントリスルホン酸、ジビニルベンゼンスルホン酸、ジビニルベンゼンジスルホン酸、ジビニルナフタレンスルホン酸、ジビニルナフタレンジスルホン酸、ジビニルアントラセンスルホン酸、ジビニルアントラセンジスルホン酸、ジビニルアントラセントリスルホン酸、
ジアクリルアミドベンゼンスルホン酸、ジアクリルアミドベンゼンジスルホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンスルホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルホン酸、ジビニルエーテルフェニルスルホン酸、ジビニルエーテルフェニルジスルホン酸、ジビニルエーテルナフチルスルホン酸、ジビニルエーテルナフチルジスルホン酸、ジビニルエーテルア
ントラセニルスルホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジスルホン酸、ジアリルフェニルスルホン酸、ジアリルフェニルジスルホン酸、ジビニルアミノベンゼンスルホン酸、ジエチニルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンスルホン酸、
パーフルオロ(ビニルスルホン酸)、パーフルオロ(アリルスルホン酸)、パーフルオロ(
アリルベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(アリルベンゼンジスルホン酸)、パーフルオ
ロ(アリルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレントリスルホン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンスルホ
ン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンジスルホン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセントリスルホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルスルホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼンジスルホン酸)、パーフ
ルオロ(アクリロイルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレンジ
スルホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレントリスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルベンゼンスルホン酸)、パーフ
ルオロ(メタクリロイルベンゼンジスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレ
ンスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンジスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセントリスルホン酸)、パーフルオ
ロ(スチレンスルホン酸)、パーフルオロ(スチレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニル
ナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンジスルホン酸)、パ
ーフルオロ(ビニルアントラセントリスルホン酸)、
パーフルオロ(2−アクリルアミドスルホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベ
ンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベンゼンジスルホン酸)、パーフ
ルオロ(2−アクリルアミドエタンスルホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドーt−ブチルスルホン酸)、パーフルオロ(2−メタクリルアミドエタンスルホン酸)、パーフルオロ(2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリルアミドベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジスルホン酸)、パーフルオロ(2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸)、パーフルオロ(3−アクリロイルオキシプロパンスルホン酸)、パーフルオロ(4−アクリロイルオキシブタンスルホン酸)、パーフル
オロ(2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸)、パーフルオロ(3−メタクリロイル
オキシプロパンスルホン酸)、パーフルオロ(4−メタクリロイルオキシブタンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンメタンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンエタンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルメチルスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルエチルスルホン酸)、パー
フルオロ(ビニルエーテルフェニルスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルフェニル
ジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンジスルホン酸)、パ
ーフルオロ(アセナフチルスルホン酸)、パーフルオロ(エチニルベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニルスルホン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニ
ルベンゼンスルホン酸)、
パーフルオロ(ジアリルベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルベンゼンジスル
ホン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレントリスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセンジスルホン酸)
、パーフルオロ(ジアリルアントラセントリスルホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイル
ベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルベンゼンジスルホン酸)、パーフル
オロ(ジアクリロイルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレン
ジスルホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレントリスルホン酸)、パーフルオ
ロ(ジメタクリロイルベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルベンゼンジ
スルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセンジスルホン酸)、パーフルオ
ロ(ジメタクリロイルアントラセントリスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンス
ルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンジスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンジスルホン酸)、
パーフルオロ(ジビニルアントラセントリスルホン酸)、
パーフルオロ(ジアクリルアミドベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ジアクリルアミ
ドベンゼンジスルホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンスルホン酸)、パ
ーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテ
ルフェニルスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルフェニルジスルホン酸)、パー
フルオロ(ジビニルエーテルナフチルスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルナフ
チルジスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルスルホン酸)、パー
フルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルジスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルフェ
ニルスルホン酸)、パーフルオロ(ジアリルフェニルジスルホン酸)、パーフルオロ(ジビニルアミノベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(ジエチニルベンゼンスルホン酸)、パーフ
ルオロ(シクロヘキシルジエチニルベンゼンスルホン酸)、
ビニルスルフィン酸、アリルスルフィン酸、アリルベンゼンスルフィン酸、アリルベンゼンジスルフィン酸、アリルナフタレンスルフィン酸、アリルナフタレンジスルフィン酸、アリルナフタレントリスルフィン酸、アリルアントラセンスルフィン酸、アリルアントラセンジスルフィン酸、アリルアントラセントリスルフィン酸、アクリロイルスルフィン酸、アクリロイルベンゼンスルフィン酸、アクリロイルベンゼンジスルフィン酸、アクリロイルナフタレンスルフィン酸、アクリロイルナフタレンジスルフィン酸、アクリロイルナフタレントリスルフィン酸、メタクリロイルスルフィン酸、メタクリロイルベンゼンスルフィン酸、メタクリロイルベンゼンジスルフィン酸、メタクリロイルナフタレンスルフィン酸、メタクリロイルナフタレンジスルフィン酸、メタクリロイルアントラセンスルフィン酸、メタクリロイルアントラセンジスルフィン酸、メタクリロイルアントラセントリスルフィン酸、スチレンスルフィン酸、スチレンジスルフィン酸、ビニルナフタレンスルフィン酸、ビニルナフタレンジスルフィン酸、ビニルアントラセンスルフィン酸、ビニルアントラセンジスルフィン酸、ビニルアントラセントリスルフィン酸、
2−アクリルアミドスルフィン酸、2−アクリルアミドベンゼンスルフィン酸、2−アクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、2−アクリルアミドエタンスルフィン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフィン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルスルフィン酸、2−メタクリルアミドエタンスルフィン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルフィン酸、メタクリルアミドベンゼンスルフィン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルフィン酸、3−アクリロイルオキシプロパンスルフィン酸、4−アクリロイルオキシブタンスルフィン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルフィン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルフィン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルフィン酸、ビニルイミダゾリンメタンスルフィン酸、ビニルイミダゾリンエタンスルフィン酸、ビニルエーテルスルフィン酸、ビニルエーテルメチルスルフィン酸、ビニルエーテルエチルスルフィン酸、ビニルエーテルフェニル
スルフィン酸、ビニルエーテルフェニルジスルフィン酸、ビニルエーテルナフチルスルフィン酸、ビニルエーテルナフチルジスルフィン酸、ビニルエーテルアントラセニルスルフィン酸、ビニルエーテルアントラセニルジスルフィン酸、ビニルアミノベンゼンスルフィン酸、ビニルアミノベンゼンジスルフィン酸、アセナフチルスルフィン酸、エチニルスルフィン酸、エチニルベンゼンスルフィン酸、シクロヘキシルエチニルスルフィン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンスルフィン酸、
ジアリルベンゼンスルフィン酸、ジアリルベンゼンジスルフィン酸、ジアリルナフタレンスルフィン酸、ジアリルナフタレンジスルフィン酸、ジアリルナフタレントリスルフィン酸、ジアリルアントラセンスルフィン酸、ジアリルアントラセンジスルフィン酸、ジアリルアントラセントリスルフィン酸、ジアクリロイルベンゼンスルフィン酸、ジアクリロイルベンゼンジスルフィン酸、ジアクリロイルナフタレンスルフィン酸、ジアクリロイルナフタレンジスルフィン酸、ジアクリロイルナフタレントリスルフィン酸、ジメタクリロイルベンゼンスルフィン酸、ジメタクリロイルベンゼンジスルフィン酸、ジメタクリロイルナフタレンスルフィン酸、ジメタクリロイルナフタレンジスルフィン酸、ジメタクリロイルアントラセンスルフィン酸、ジメタクリロイルアントラセンジスルフィン酸、ジメタクリロイルアントラセントリスルフィン酸、ジビニルベンゼンスルフィン酸、ジビニルベンゼンジスルフィン酸、ジビニルナフタレンスルフィン酸、ジビニルナフタレンジスルフィン酸、ジビニルアントラセンスルフィン酸、ジビニルアントラセンジスルフィン酸、ジビニルアントラセントリスルフィン酸、
ジアクリルアミドベンゼンスルフィン酸、ジアクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、ジメタクリルアミドベンゼンスルフィン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、ジビニルエーテルフェニルスルフィン酸、ジビニルエーテルフェニルジスルフィン酸、ジビニルエーテルナフチルスルフィン酸、ジビニルエーテルナフチルジスルフィン酸、ジビニルエーテルアントラセニルスルフィン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジスルフィン酸、ジアリルフェニルスルフィン酸、ジアリルフェニルジスルフィン酸、ジビニルアミノベンゼンスルフィン酸、ジエチニルベンゼンスルフィン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンスルフィン酸、
パーフルオロ(ビニルスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレンスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレンジスルフィ
ン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレントリスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンスルフィン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンジスルフィン酸)、パーフルオ
ロ(アリルアントラセントリスルフィン酸)、パーフルオロ(アクリロイルスルフィン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼ
ンジスルフィン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレンスルフィン酸)、パーフルオ
ロ(アクリロイルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレントリ
スルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルベンゼンスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルベンゼンジスルホン酸)、パーフル
オロ(メタクリロイルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレン
ジスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンジスルホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセントリスルホン酸)、パーフルオロ(スチレンスルホン酸)、パーフルオロ(スチレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルナフタレンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルナフタレンジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンジスルホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセントリスルホン酸)、
パーフルオロ(2−アクリルアミドスルフィン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミド
ベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベンゼンジスルフィン酸)、
パーフルオロ(2−アクリルアミドエタンスルフィン酸)、パーフルオロ(2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルフィン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドーt−ブチルスルフィン酸)、パーフルオロ(2−メタクリルアミドエタンスルフィン酸)、パーフル
オロ(2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルフィン酸)、パーフルオロ(メタク
リルアミドベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(2−アクリロイルオキシエタンスルフィン酸)、パーフルオロ(3−アクリロイルオキシプロパンスルフィン酸)、パーフルオロ(4−アクリロイルオキシブタンスルフィン酸)、パーフルオロ(2−メタクリロイルオキシエタンスルフィン酸)、パ
ーフルオロ(3−メタクリロイルオキシプロパンスルフィン酸)、パーフルオロ(4−メタ
クリロイルオキシブタンスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンメタンスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンエタンスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルメチルスルフィン酸)、パーフル
オロ(ビニルエーテルエチルスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルフェニルスル
フィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルフェニルジスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルジスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルジスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(アセナフチルスルフィン酸)、パーフルオロ(エチニルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニルスルフィン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニルベンゼンスルフィン酸)、
パーフルオロ(ジアリルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルベンゼンジス
ルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレントリスルフィン酸)、パ
ーフルオロ(ジアリルアントラセンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセン
ジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセントリスルフィン酸)、パーフルオ
ロ(ジアクリロイルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルベンゼンジス
ルフィン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレントリスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンジスルフィン酸)、パーフル
オロ(ジメタクリロイルアントラセンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルア
ントラセンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセントリスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンスルフィン酸)、
パーフルオロ(ジビニルアントラセンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラ
セントリスルフィン酸)、
パーフルオロ(ジアクリルアミドベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアクリルア
ミドベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルフェニルスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルフェニルジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルナフチルスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルナフチルジスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルスルフィン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルジスルフィン酸)、パーフルオ
ロ(ジアリルフェニルスルフィン酸)、パーフルオロ(ジアリルフェニルジスルフィン酸)、
パーフルオロ(ジビニルアミノベンゼンスルフィン酸)、パーフルオロ(ジエチニルベンゼ
ンスルフィン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルジエチニルベンゼンスルフィン酸)、或
いはこれらの塩等のスルホニル基含有モノマー;
ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、アリルベンゼンホスホン酸、アリルベンゼンジホスホン酸、アリルナフタレンホスホン酸、アリルナフタレンジホスホン酸、アリルナフタレントリホスホン酸、アリルアントラセンホスホン酸、アリルアントラセンジホスホン酸、アリルアントラセントリホスホン酸、アクリロイルホスホン酸、アクリロイルベンゼンホスホン酸、アクリロイルベンゼンジホスホン酸、アクリロイルナフタレンホスホン酸、アクリロイルナフタレンジホスホン酸、アクリロイルナフタレントリホスホン酸、メタクリロイルホスホン酸、メタクリロイルベンゼンホスホン酸、メタクリロイルベンゼンジホスホン酸、メタクリロイルナフタレンホスホン酸、メタクリロイルナフタレンジホスホン酸、メタクリロイルアントラセンホスホン酸、メタクリロイルアントラセンジホスホン酸、メタクリロイルアントラセントリホスホン酸、スチレンホスホン酸、スチレンジホスホン酸、ビニルナフタレンホスホン酸、ビニルナフタレンジホスホン酸、ビニルアントラセンホスホン酸、ビニルアントラセンジホスホン酸、ビニルアントラセントリホスホン酸、1−ヘプテニルホスホン酸、6−ヘプテニルホスホン酸、
2−アクリルアミドホスホン酸、2−アクリルアミドベンゼンホスホン酸、2−アクリルアミドベンゼンジホスホン酸、2−アクリルアミドエタンホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエタンホスホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、メタクリルアミドベンゼンホスホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジホスホン酸、2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸、3−アクリロイルオキシプロパンホスホン酸、4−アクリロイルオキシブタンホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンホスホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンホスホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンホスホン酸、ビニルイミダゾリンメタンホスホン酸、ビニルイミダゾリンエタンホスホン酸、ビニルエーテルホスホン酸、ビニルエーテルメチルホスホン酸、ビニルエーテルエチルホスホン酸、ビニルエーテルフェニルホスホン酸、ビニルエーテルフェニルジホスホン酸、ビニルエーテルナフチルホスホン酸、ビニルエーテルナフチルジホスホン酸、ビニルエーテルアントラセニルホスホン酸、ビニルエーテルアントラセニルジホスホン酸、ビニルアミノベンゼンホスホン酸、ビニルアミノベンゼンジホスホン酸、アセナフチルホスホン酸、エチニルホスホン酸、エチニルベンゼンホスホン酸、シクロヘキシルエチニルホスホン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンホスホン酸、
3−フェニルアクリロイルホスホン酸、3−エトキシアクリロイルホスホン酸、3−メトキシアクリロイルホスホン酸、メタアクリロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、
ジアリルベンゼンホスホン酸、ジアリルベンゼンジホスホン酸、ジアリルナフタレンホスホン酸、ジアリルナフタレンジホスホン酸、ジアリルナフタレントリホスホン酸、ジアリルアントラセンホスホン酸、ジアリルアントラセンジホスホン酸、ジアリルアントラセントリホスホン酸、ジアクリロイルベンゼンホスホン酸、ジアクリロイルベンゼンジホスホン酸、ジアクリロイルナフタレンホスホン酸、ジアクリロイルナフタレンジホスホン酸、ジアクリロイルナフタレントリホスホン酸、ジメタクリロイルベンゼンホスホン酸、ジメタクリロイルベンゼンジホスホン酸、ジメタクリロイルナフタレンホスホン酸、ジメタクリロイルナフタレンジホスホン酸、ジメタクリロイルアントラセンホスホン酸、ジメタ
クリロイルアントラセンジホスホン酸、ジメタクリロイルアントラセントリホスホン酸、ジビニルベンゼンホスホン酸、ジビニルベンゼンジホスホン酸、ジビニルナフタレンホスホン酸、ジビニルナフタレンジホスホン酸、ジビニルアントラセンホスホン酸、ジビニルアントラセンジホスホン酸、ジビニルアントラセントリホスホン酸、
ジアクリルアミドベンゼンホスホン酸、ジアクリルアミドベンゼンジホスホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンホスホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジホスホン酸、ジビニルエーテルフェニルホスホン酸、ジビニルエーテルフェニルジホスホン酸、ジビニルエーテルナフチルホスホン酸、ジビニルエーテルナフチルジホスホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルホスホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジホスホン酸、ジアリルフェニルホスホン酸、ジアリルフェニルジホスホン酸、ジビニルアミノベンゼンホスホン酸、ジエチニルベンゼンホスホン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンホスホン酸、
パーフルオロ(ビニルホスホン酸)、パーフルオロ(アリルホスホン酸)、パーフルオロ(
アリルベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(アリルベンゼンジホスホン酸)、パーフルオ
ロ(アリルナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレンジホスホン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレントリホスホン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンホスホ
ン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンジホスホン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセントリホスホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルホスホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼンジホスホン酸)、パーフ
ルオロ(アクリロイルナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレンジ
ホスホン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレントリホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルベンゼンホスホン酸)、パーフ
ルオロ(メタクリロイルベンゼンジホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレ
ンホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレンジホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンジホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセントリホスホン酸)、パーフルオ
ロ(スチレンホスホン酸)、パーフルオロ(スチレンジホスホン酸)、パーフルオロ(ビニル
ナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルナフタレンジホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンジホスホン酸)、パ
ーフルオロ(ビニルアントラセントリホスホン酸)、パーフルオロ(1−ヘプテニルホスホ
ン酸)、パーフルオロ(6−ヘプテニルホスホン酸)、
パーフルオロ(2−アクリルアミドホスホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベ
ンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベンゼンジホスホン酸)、パーフ
ルオロ(2−アクリルアミドエタンホスホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンホスホン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドーt−ブチルホスホン酸)、パーフルオロ(2−メタクリルアミドエタンホスホン酸)、パーフルオロ(2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸)、パーフルオロ(メタクリルアミドベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジホスホン酸)、パーフルオロ(2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸)、パーフルオロ(3−アクリロイルオキシプロパンホスホン酸)、パーフルオロ(4−アクリロイルオキシブタンホスホン酸)、パーフル
オロ(2−メタクリロイルオキシエタンホスホン酸)、パーフルオロ(3−メタクリロイル
オキシプロパンホスホン酸)、パーフルオロ(4−メタクリロイルオキシブタンホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンメタンホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンエタンホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルメチルホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルエチルホスホン酸)、パー
フルオロ(ビニルエーテルフェニルホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルフェニル
ジホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルジホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルホスホ
ン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルジホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンジホスホン酸)、パ
ーフルオロ(アセナフチルホスホン酸)、パーフルオロ(エチニルベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニルホスホン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニ
ルベンゼンホスホン酸)、
パーフルオロ(3−フェニルアクリロイルホスホン酸)、パーフルオロ(3−エトキシア
クリロイルホスホン酸)、パーフルオロ(3−メトキシアクリロイルホスホン酸)、パーフ
ルオロ(メタアクリロキシエチルホスフェート)、パーフルオロ(ジフェニル−2−アクリ
ロイロキシエチルホスフェート)、パーフルオロ(ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート)、パーフルオロ(ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート)、パーフルオロ(ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート)、パーフルオ
ロ(ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート)、
パーフルオロ(ジアリルベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルベンゼンジホス
ホン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンジホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレントリホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセンホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセンジホスホン酸)
、パーフルオロ(ジアリルアントラセントリホスホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイル
ベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルベンゼンジホスホン酸)、パーフル
オロ(ジアクリロイルナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレン
ジホスホン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレントリホスホン酸)、パーフルオ
ロ(ジメタクリロイルベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルベンゼンジ
ホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンジホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセンホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセンジホスホン酸)、パーフルオ
ロ(ジメタクリロイルアントラセントリホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンホ
スホン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンジホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンジホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンジホスホン酸)、
パーフルオロ(ジビニルアントラセントリホスホン酸)、
パーフルオロ(ジアクリルアミドベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ジアクリルアミ
ドベンゼンジホスホン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンホスホン酸)、パ
ーフルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテ
ルフェニルホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルフェニルジホスホン酸)、パー
フルオロ(ジビニルエーテルナフチルホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルナフ
チルジホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルホスホン酸)、パー
フルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルジホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルフェ
ニルホスホン酸)、パーフルオロ(ジアリルフェニルジホスホン酸)、パーフルオロ(ジビニルアミノベンゼンホスホン酸)、パーフルオロ(ジエチニルベンゼンホスホン酸)、パーフ
ルオロ(シクロヘキシルジエチニルベンゼンホスホン酸)、或いはこれらの塩等のリン酸・ホスホン酸系モノマー;
ビニルボロン酸、アリルボロン酸、アリルフェニルボロン酸、アリルフェニルジボロン酸、アリルナフタレンボロン酸、アリルナフタレンジボロン酸、アリルナフタレントリボロン酸、アリルアントラセンボロン酸、アリルアントラセンジボロン酸、アリルアントラセントリボロン酸、アクリロイルボロン酸、アクリロイルベンゼンボロン酸、アクリロイルベンゼンジボロン酸、アクリロイルナフタレンボロン酸、アクリロイルナフタレンジボロン酸、アクリロイルナフタレントリボロン酸、アクリロイルアミノフェニルボロン酸、
メタクリロイルボロン酸、メタクリロイルベンゼンボロン酸、メタクリロイルベンゼンジボロン酸、メタクリロイルナフタレンボロン酸、メタクリロイルナフタレンジボロン酸、メタクリロイルアントラセンボロン酸、メタクリロイルアントラセンジボロン酸、メタクリロイルアントラセントリボロン酸、ビニルフェニルボロン酸、ビニルフェニルジボロン酸、ビニルナフタレンボロン酸、ビニルナフタレンジボロン酸、ビニルアントラセンボロン酸、ビニルアントラセンジボロン酸、ビニルアントラセントリボロン酸、
2−アクリルアミドボロン酸、2−アクリルアミドベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミドベンゼンジボロン酸、2−アクリルアミドエタンボロン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンボロン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルボロン酸、2−メタクリルアミドエタンボロン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンボロン酸、メタクリルアミドフェニルボロン酸、ジメタクリルアミドフェニルジボロン酸、2−アクリロイルオキシエタンボロン酸、3−アクリロイルオキシプロパンボロン酸、4−アクリロイルオキシブタンボロン酸、2−メタクリロイルオキシエタンボロン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンボロン酸、4−メタクリロイルオキシブタンボロン酸、ビニルイミダゾリンメタンボロン酸、ビニルイミダゾリンエタンボロン酸、ビニルエーテルボロン酸、ビニルエーテルメチルボロン酸、ビニルエーテルエチルボロン酸、ビニルエーテルフェニルボロン酸、ビニルエーテルフェニルジボロン酸、ビニルエーテルナフチルボロン酸、ビニルエーテルナフチルジボロン酸、ビニルエーテルアントラセニルボロン酸、ビニルエーテルアントラセニルジボロン酸、ビニルアミノフェニルボロン酸、ビニルアミノフェニルジボロン酸、アセナフチルボロン酸、エチニルボロン酸、エチニルフェニルボロン酸、シクロヘキシルエチニルボロン酸、シクロヘキシルエチニルフェニルボロン酸、
ジアリルベンゼンボロン酸、ジアリルベンゼンジボロン酸、ジアリルナフタレンボロン酸、ジアリルナフタレンジボロン酸、ジアリルナフタレントリボロン酸、ジアリルアントラセンボロン酸、ジアリルアントラセンジボロン酸、ジアリルアントラセントリボロン酸、ジアクリロイルベンゼンボロン酸、ジアクリロイルベンゼンジボロン酸、ジアクリロイルナフタレンボロン酸、ジアクリロイルナフタレンジボロン酸、ジアクリロイルナフタレントリボロン酸、ジメタクリロイルベンゼンボロン酸、ジメタクリロイルベンゼンジボロン酸、ジメタクリロイルナフタレンボロン酸、ジメタクリロイルナフタレンジボロン酸、ジメタクリロイルアントラセンボロン酸、ジメタクリロイルアントラセンジボロン酸、ジメタクリロイルアントラセントリボロン酸、ジビニルベンゼンボロン酸、ジビニルベンゼンジボロン酸、ジビニルナフタレンボロン酸、ジビニルナフタレンジボロン酸、ジビニルアントラセンボロン酸、ジビニルアントラセンジボロン酸、ジビニルアントラセントリボロン酸、
ジアクリルアミドフェニルボロン酸、ジアクリルアミドフェニルジボロン酸、ジメタクリルアミドフェニルボロン酸、ジメタクリルアミドフェニルジボロン酸、ジビニルエーテルフェニルボロン酸、ジビニルエーテルフェニルジボロン酸、ジビニルエーテルナフチルボロン酸、ジビニルエーテルナフチルジボロン酸、ジビニルエーテルアントラセニルボロン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジボロン酸、ジアリルフェニルボロン酸、ジアリルフェニルジボロン酸、ジビニルアミノフェニルボロン酸、ジエチニルフェニルボロン酸、シクロヘキシルジエチニルフェニルボロン酸、
パーフルオロ(ビニルボロン酸)、パーフルオロ(アリルボロン酸)、パーフルオロ(アリ
ルベンゼンボロン酸)、パーフルオロ(アリルベンゼンジボロン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレンボロン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(アリルナフタレントリボロン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセンボロン酸)、パーフルオ
ロ(アリルアントラセンジボロン酸)、パーフルオロ(アリルアントラセントリボロン酸)、パーフルオロ(アクリロイルボロン酸)、パーフルオロ(アクリロイルベンゼンボロン酸)、
パーフルオロ(アクリロイルベンゼンジボロン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレ
ンボロン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(アクリロイルナフタレントリボロン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルボロン酸)、パーフルオ
ロ(メタクリロイルベンゼンボロン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルベンゼンジボロン
酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレンボロン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアントラセンボロン酸)、パーフ
ルオロ(メタクリロイルアントラセンジボロン酸)、パーフルオロ(メタクリロイルアント
ラセントリボロン酸)、パーフルオロ(スチレンボロン酸)、パーフルオロ(スチレンジボロン酸)、パーフルオロ(ビニルナフタレンボロン酸)、パーフルオロ(ビニルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンボロン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセンジボロン酸)、パーフルオロ(ビニルアントラセントリボロン酸)、
パーフルオロ(2−アクリルアミドボロン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベン
ゼンボロン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドベンゼンジボロン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドエタンボロン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンボロン酸)、パーフルオロ(2−アクリルアミドーt−ブチルボロン酸)、パーフル
オロ(2−メタクリルアミドエタンボロン酸)、パーフルオロ(2−メタクリルアミド−2
−メチルプロパンボロン酸)、パーフルオロ(メタクリルアミドベンゼンボロン酸)、パー
フルオロ(ジメタクリルアミドベンゼンジボロン酸)、パーフルオロ(2−アクリロイルオ
キシエタンボロン酸)、パーフルオロ(3−アクリロイルオキシプロパンボロン酸)、パー
フルオロ(4−アクリロイルオキシブタンボロン酸)、パーフルオロ(2−メタクリロイル
オキシエタンボロン酸)、パーフルオロ(3−メタクリロイルオキシプロパンボロン酸)、
パーフルオロ(4−メタクリロイルオキシブタンボロン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダ
ゾリンメタンボロン酸)、パーフルオロ(ビニルイミダゾリンエタンボロン酸)、パーフル
オロ(ビニルエーテルボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルメチルボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルエチルボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルフェニルボロン
酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルフェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルナフチルジボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルボロン酸)、パーフルオロ(ビニルエーテルアントラセニルジボロン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンボロン酸)、パーフルオロ(ビニルアミノベンゼンジボロン酸)、パーフルオロ(アセナフチルボロン酸)、パーフルオロ(エチニルベンゼンボロン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニルボロン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルエチニルベンゼンボロン酸)、
パーフルオロ(ジアリルベンゼンボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルベンゼンジボロン
酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルナフタレントリボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセンボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセンジボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルアントラセントリボロン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルフェニルボロン酸)
、パーフルオロ(ジアクリロイルフェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナ
フタレンボロン酸)、パーフルオロ(ジアクリロイルナフタレンジボロン酸)、パーフルオ
ロ(ジアクリロイルナフタレントリボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルフェニル
ボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルフェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセンボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセンジボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリロイルアントラセントリボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルベンゼンジボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルナフタレンジボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセンジボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルアントラセントリボロン酸)、
パーフルオロ(ジアクリルアミドフェニルボロン酸)、パーフルオロ(ジアクリルアミド
フェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジメタクリルアミドフェニルボロン酸)、パーフル
オロ(ジメタクリルアミドフェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルフェニ
ルボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルフェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルナフチルボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルエーテルナフチルジボロン酸)
、パーフルオロ(ジビニルエーテルアントラセニルボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルエ
ーテルアントラセニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジアリルフェニルボロン酸)、パーフ
ルオロ(ジアリルフェニルジボロン酸)、パーフルオロ(ジビニルアミノフェニルボロン酸)、パーフルオロ(ジエチニルフェニルボロン酸)、パーフルオロ(シクロヘキシルジエチニ
ルフェニルボロン酸)、或いはこれらの塩等のボロン酸系モノマー;
ビニルアミン、アリルアミン、エチレンイミン、ビニルアミノナフタレン、ビニルアミノアントラセン、ビニルフェニルアミン、ビニルフェニルジアミン、ビニルナフチルアミン、ビニルナフチルジアミン、ビニルアントラセニルアミン、ビニルアントラセニルジアミン、ジビニルアミン、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルジエチルアンモニウム、或いはこれらの塩やアミン部分が部分尿素化や部分カーボネート化等の変性されたもの等が挙げられるが、これ以外でも上記の条件を満たす構造を有する低分子化合物であれば、いかなるものでも良い。
中でもラジカル重合性が高い点、および、重合体の非水系電解液への非膨潤性等の観点から、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸リチウム、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸リチウム、ビニルフェニルボロン酸、ビニルアミン、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドがより好ましい。
次に、化合物(B)が高分子化合物(マクロモノマー)である場合、該高分子化合物が上記式(1)で示される化学構造を有すものであれば特に制限されない。
なお、ここで高分子化合物の定義は重量平均分子量が500以上あるいは粘度平均分子量が1000以上であるとする。
化合物(B)が高分子化合物である場合、その重量平均分子量は特に制限されないが、通常500以上10万以下であり、活物質作製の際のハンドリング性の観点から、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下、さらに好ましくは8000以下、より好ましくは3000以下の範囲である。
なお、本明細書において重量平均分子量とは、溶媒テトラヒドロフラン(THF)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量あるいは、溶媒が水系、ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)のGPCにより測定した標準ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
粘度平均分子量は特に制限されないが、通常1000以上10万以下の範囲が好ましい。
なお、本明細書において粘度平均分子量とは、ウベローデ粘度計あるいは他の毛細管粘度計を用いて測定した固有粘度(極限粘度)の値からMark・Kuhn・Houwink式を用いて算出された粘度平均分子量である。
化合物(B)の高分子化合物の例としては、ラジカル重合可能な不飽和結合に加えて、ポリカーボネート、ポリエステル、多糖、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドといった構造を有するものが好ましく、特にそれらが水溶性
を有するものが電解液への膨潤や溶解を抑制する点から好ましい。
以上説明した化合物(B)は、市販されているものを使用してもよいし、公知の方法により合成することもできる。
なお、本発明において化合物(B)は低分子化合物、高分子化合物に関わらず、1種の化合物を単独で又は2種以上の化合物を組み合わせて使用することができる。
<その他の成分>
また、本発明に係る非水系二次電池負極用活物質には、負極の安定性や導電性を向上させるために、化合物(B)以外の高分子や導電剤、無機塩を含有させてもよい。このその他の成分は単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(B)以外の高分子の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルアミン、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類、オリゴ糖類、ポリアミノ酸類、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリビニルスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げられ、化合物(B)以外の無機塩の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素カルシウム、ホウ酸等が挙げられ、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリビニルスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、リン酸二水素リチウムが好ましく、より好ましくは電池内での化学的安定性と化合物(B)との親和性の点からポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリビニルスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、水酸化リチウム、硫酸リチウム、リン酸二水素リチウム、ホウ酸が挙げられ、これらを2種以上組み合わせた、混合物、反応生成物であっても良い。
導電剤としては、特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラックや、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などを使用することができる。
前記導電剤の添加量は、本発明の非水系二次電池負極用活物質に対して、10質量%以下であることが好ましい。
<非水系二次電池負極用活物質の製造方法>
本発明の非水系二次電池負極用活物質は、活物質(A)、化合物(B)を含むものであり、その製造方法は特に限定されないが、例えば以下の方法によって製造することができる。
(方法1)
(1)化合物(B)を含む溶液(以下、化合物(B)の溶液と呼ぶことがある)を、活物質(A)と混合した後、加熱又は/及び減圧によって乾燥させることによって、活物質(A)、化合物(B)を含有する非水系二次電池負極用活物質を得ることができる。
(方法2)
(1)化合物(B)を含む粒子を、活物質(A)と粉体の状態で混合することによって、活物質(A)、化合物(B)を含有する非水系二次電池負極用活物質を得ることができる。
(方法3)
活物質(A)を分散させたスラリーの作製時に、(1)化合物(B)を含む溶液、(2)化合物(B)を含む粒子を、混合することによって、活物質(A)、水溶性化合物(B)を含有する非水系二次電池負極用活物質を得ることができる。
(方法4)
また、活物質(A)表面を均一に被覆できる点から、(1)化合物(B)を含む溶液、又は(2)化合物(B)を含む溶液と活物質(A)を混合した後、その混合液を濾過または乾燥させてもよい。
また、2種類の化合物(B)を混合する場合は、1種類目の化合物(B)を活物質(A)と混合した後、その混合液を濾過または乾燥させることなく、2種類目の化合物(B)を混合してもよいし、1種類目の化合物(B)を活物質(A)と混合した後、その混合液を濾過または乾燥させ、その後に2種類目の化合物(B)を混合してもよい。3種類以上の場合も同様である。
なお、上記化合物(B)の溶液において使用する溶媒は、化合物(B)が溶解すれば、特に限定されないが、好ましくは水やエチルメチルケトン、トルエン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、メタノール等が挙げられる。中でも水、エチルメチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、メタノールがコストや乾燥のし易さからより好ましい。
活物質(A)と混合する際の、溶液中の化合物(B)の濃度は、それぞれ溶媒に対して通常0.01質量%以上、70質量%以下である。この範囲であれば、非水系二次電池負極用活物質中、化合物(B)が活物質(A)の表面に均一に存在することが期待でき、効率的に効果が得られる。
前記溶媒中の化合物(B)の濃度は、好ましくは0.03質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。
ただし、上記の溶媒中の化合物(B)及びその他の成分の濃度は、活物質(A)と接触させる際の溶液の濃度であって、化合物(B)を2種類以上、溶液にて活物質(A)と同時に混合する場合、またはこれらの溶液を混合した後に活物質(A)と混合する場合は、混合する化合物(B)の合計についての濃度であり、化合物(B)の溶液と活物質(A)を混合した後に他方の異なる化合物(B)溶液を加える場合は、化合物(B)の溶液のそれぞれの濃度である。
また、化合物(B)及びその他の成分の添加量は適宜調整可能であり、後述する本発明の非水系二次電池負極用活物質中における好ましい含有量となるように添加量を調節することが好ましい。
化合物(B)の溶液について加熱により乾燥を行なう場合、温度は、通常50℃以上、180℃以下である。この範囲であれば、乾燥効率が十分であり、かつ溶媒残存による電池性能の低下が避けられ、かつ化合物(B)の分解防止や熱重合、活物質(A)と化合物(B)との相互作用が弱くなることによる効果の低減防止を容易に図ることができる。前記温度は、好ましくは160℃以下であり、また、好ましくは90℃以上である。
化合物(B)の溶液について減圧により乾燥を行なう場合、圧力は、ゲージ圧表記で通常0MPa以下、−0.2MPa以上である。この範囲であれば、比較的効率よく乾燥を行うことができる。圧力は、好ましくは−0.03MPa以下であり、また、好ましくは−0.15MPa以上である。
乾燥に先立ち、活物質(A)、化合物(B)を含む溶液を濾過してもよい。これにより
活物質(A)に付着していない化合物(B)の除去効果が期待できる。
(方法5)
また、(方法1)〜(方法4)の何れかの方法で得られた活物質(A)、化合物(B)を含有した非水系二次電池負極用活物質に対し、更に活物質(A)に記載の活物質を混合しても良い。この際、混合する活物質(A)に記載の活物質としては、非水系二次電池負極用活物質に含有される活物質(A)と同じ材料であっても良いし、他の材料であっても良い。
非水系二次電池負極用活物質に対し、活物質(A)に記載の活物質を混合する場合、非水系二次電池負極用活物質と活物質(A)に記載の活物質の総量に対する活物質(A)に記載の活物質の混合割合は、特に制限はないが、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、また、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下の範囲である。活物質(A)に記載の活物質の混合割合が、前記範囲を下回ると、混合した効果が現れ難い傾向がある。一方、前記範囲を上回ると、化合物(B)を含有することによる特性が現れ難い傾向がある。
また、化合物(C)を含有させる場合、化合物(C)は、上述した(方法1)〜(方法5)に記載の化合物(B)と同様の方法で加えることができる。
活物質(A)と混合する際の、溶液中の化合物(C)の濃度は、それぞれ溶媒に対して通常0.01質量%以上、70質量%以下である。この範囲であれば、非水系二次電池負極用活物質中、化合物(C)が活物質(A)の表面に均一に存在することが期待でき、効率的に効果が得られる。
前記溶媒中の化合物(C)の濃度は、好ましくは0.03質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。
ただし、上記の溶媒中の化合物(C)及びその他の成分の濃度は、活物質(A)と接触させる際の溶液の濃度であって、化合物(C)を2種類以上、溶液にて活物質(A)と同時に混合する場合、またはこれらの溶液を混合した後に活物質(A)と混合する場合は、混合する化合物(C)の合計についての濃度であり、化合物(C)の溶液と活物質(A)を混合した後に他方の異なる化合物(B)溶液を加える場合は、化合物(C)の溶液のそれぞれの濃度である。
また、化合物(C)及びその他の成分の添加量は適宜調整可能であり、上述した、本発明の非水系二次電池負極用活物質中における好ましい含有量となるように添加量を調節することが好ましい。化合物(C)を添加する場合、その含有量は、活物質(A)に対して通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上あり、また通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.75質量%以下の割合で含有されている。
<非水系二次電池負極用活物質>
このようにして得られる本発明の非水系二次電池負極用活物質においては、化合物(B)が活物質(A)に効果的に吸着していると考えられる。吸着において想定している相互作用としては、π―π相互作用やπ―カチオン相互作用、酸塩基相互作用、ファンデルワールス力、などが考えられ、どの相互作用によるかは化合物(B)の構造に由来する。例えば、芳香環を有し、且つ、スルホン酸基のナトリウム塩およびビニル基を有する化合物(B)の場合には、化合物(B)の芳香環が、黒鉛系負極の場合にはそのベーサル面との
間でπ―πのスタッキング相互作用が、また、スルホン酸ナトリウム塩のナトリウムが黒鉛ベーサル面との間でπ―カチオン相互作用が想定される。
本発明の非水系二次電池負極用活物質において水溶性化合物(B)の含有量は、活物質(A)に対して通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上あり、また通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.75質量%以下の割合で含有されている。
化合物(B)の含有量が少なすぎると、電池内で生成するラジカルを用いた重合被膜が活物質(A)に十分に形成させることが困難な場合があり、その効果が見えにくくなってしまい、一方、化合物(B)の含有量が多すぎると、抵抗が高くなってしまう。
非水系二次電池負極用活物質における化合物(B)の含有量は、非水系二次電池負極用活物質の製造時に化合物(B)を含んだ溶液を乾燥させる製造方法を用いた場合には、原則として製造時における化合物(B)の添加量とすることができる。
一方で、例えば、濾過を行なった場合は、得られた本発明の活物質のTG−DTA分析における重量減少、又は濾液に含まれる化合物(B)の量から算出することができる。
(平均粒子径(d50))
また、本発明の非水系二次電池負極用活物質の平均粒子径(d50)は、通常50μm以下とすることができ、また、1μm以上とすることができる。この範囲であれば、負極製造の際に、極板化した際に、負極形成材料の筋引きなどの工程上の不都合が生ずることを防止することができる。
平均粒子径(d50)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、また、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上である。なお、平均粒子径(d50)の測定方法は、前述した通りである。また、本発明の非水系二次電池負極用活物質の平均粒子径(d50)は、その原料である活物質(A)の平均粒子径(d50)を変更することによって、調整することができる。
(面間隔(d002))
非水系二次電池負極用活物質のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は、通常0.337nm以下、好ましくは0.336nm以下である。d値が大きすぎると結晶性が低下し、放電容量が低下する傾向がある。一方、下限値である0.3356nmは黒鉛の理論値である。
また、非水系二次電池負極用活物質の結晶子サイズ(Lc)は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上の範囲である。この範囲を下回ると、結晶性が低下し、電池の放電容量が低下する傾向がある。
(表面官能基量)
非水系二次電池負極用活物質は、下記式(2)で表される表面官能基量O/C値が通常2%以上であり、好ましくは3%、より好ましくは4%、一方通常30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
この表面官能基量O/C値が小さすぎると、ポリマー偏在、被覆不足であることを示しており、非水系電解液接触防止効果が乏しくなり初期効率・サイクル特性が低下、ガス量が増大する傾向がある。一方、表面官能基量O/C値が大きすぎると、ポリマーの過剰被覆状態を示しており、抵抗の増大を招き、入出力特性が低下する傾向がある。
式(2)
O/C値(%)={X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピ
ーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度}×100
本発明における表面官能基量O/C値はX線光電子分光法(XPS)を用いて以下のように測定することができる。
X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの原子濃度比O/C(O原子濃度/C原子濃度)を試料(鱗片状複合粒子(A))の表面官能基量O/C値と定義する。
(BET比表面積(SA))
非水系二次電池負極用活物質のBET法で測定した比表面積については、通常0.1m/g以上、好ましくは0.7m/g以上、より好ましくは1m/g以上である。また、通常20m/g以下、好ましくは15m/g以下、より好ましくは12m/g以下、更に好ましくは11m/g以下、特に好ましくは8m/g以下である。また、非水系二次電池負極用活物質の比表面積は、通常、活物質(A)の比表面積より大きくなる傾向がある。
比表面積が小さすぎると、リチウムイオンが出入りする部位が少なく、高速充放電特性及び出力特性に劣り、一方、比表面積が大きすぎると、活物質の非水系電解液に対する活性が過剰になり、初期不可逆容量が大きくなるため、高容量電池を製造できない傾向がある。
なおBET比表面積の測定方法は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。
(タップ密度)
非水系二次電池負極用活物質のタップ密度は、通常0.5g/cm以上、0.6g/cm以上が好ましく、0.7g/cm以上がより好ましい。また、通常1.5g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。
タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、導電パス切れ抑制効果の低減によりサイクル特性の低下を招く場合がある。
また、非水系二次電池負極用活物質のタップ密度は、通常、活物質(A)のタップ密度と同程度またはそれより小さくなる傾向がある。
<導電助剤との混合>
本発明の非水系二次電池負極用活物質は、負極の導電性を向上させるために、導電助剤を含有させてもよい。導電助剤は、特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノファイバーなどの導電性繊維、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などが挙げられる。
導電助剤の添加量は、本発明の非水系二次電池負極用活物質に対して、10質量%以下であることが好ましい。
[非水系二次電池用負極]
本発明の非水系二次電池用負極は、集電体と、集電体上に形成された活物質層を備え、かつ前記活物質層が少なくとも本発明の非水系二次電池負極用活物質を含有するものである。前記活物質層は、好ましくは、さらにバインダを含有する。
前記バインダは、特に限定されないが、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものが好ましい。その具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。
このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の非水系電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
このような分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダと、本発明の非水系二次電池負極用活物質とを組み合わせて用いることにより、負極板の機械的強度を高くすることができる。負極板の機械的強度が高いと、充放電による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命を長くすることができる。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダは、分子量が大きいもの及び/又は不飽和結合の割合が大きいものが好ましい。
バインダの分子量としては、重量平均分子量は通常1万以上、100万以下である。この範囲であれば、機械的強度及び可撓性の両面を良好な範囲に制御できる。重量平均分子量は、好ましくは5万以上であり、また、好ましくは30万以下の範囲である。
バインダの分子内のオレフィン性不飽和結合の割合としては、全バインダ1g当たりのオレフィン性不飽和結合のモル数は通常2.5×10−7モル以上、5×10−6モル以下である。この範囲であれば、強度向上効果が十分に得られ、可撓性も良好である。前記モル数は、好ましくは8×10−7以上であり、また、好ましくは1×10−6以下である。
また、オレフィン性不飽和結合を有するバインダについては、その不飽和度は通常15%以上、90%以下である。不飽和度は、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また、好ましくは80%以下である。本願明細書において、不飽和度とは、ポリマーの繰り返し単位数に対する二重結合の割合(%)を表す。
バインダとして、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、使用することができる。分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダにオレフィン性不飽和結合を有さないバインダを併用することによって、本発明の活物質やバインダを含有する負極形成材料の塗布性等の向上が期待できる。
オレフィン性不飽和結合を有するバインダに対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、活物質層の強度が低下することを抑制するため、通常150質量%以下、好ましくは120質量%以下である。
前記オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸又はこれらポリマーの金属塩;ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー又はこれらの共重合体などが挙げられる。
本発明に係る非水系二次電池用負極は、本発明の非水系二次電池負極用活物質と、場合によってバインダや導電剤を分散媒に分散させてスラリー(負極形成材料)とし、これを集電体に塗布、乾燥することにより形成することができる。前記分散媒としては、アルコールなどの有機溶媒や、水を用いることができる。
スラリー調製の際には、活物質(A)に、バインダ等とともに化合物(B)を添加・混
合して、本発明の非水系二次電池負極用活物質の製造及び負極作製用スラリーの調製を同時に行ってもよい。
前記バインダは、本発明の非水系二次電池負極用活物質に対して通常は0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上用いる。バインダの割合を本発明の活物質に対して0.1質量%以上とすることで、活物質相互間や活物質と集電体との結着力が十分となり、負極から本発明の活物質が剥離することによる電池容量の減少およびサイクル特性の悪化を防ぐことができる。
また、バインダは本発明の非水系二次電池負極用活物質に対して通常10質量%以下、7質量%以下とすることが好ましい。バインダの割合を本発明の活物質に対して10質量%以下とすることにより、負極の容量の減少を防ぎ、かつ非水系二次電池がリチウムイオン電池であって場合のリチウムイオンの活物質への出入が妨げられるなどの問題を防ぐことができる。
これらの構成成分を混合した後、必要に応じて脱泡を行い、負極形成材料であるスラリーを得る。
上記負極集電体としては、従来この用途に用い得ることが知られている公知の物を用いることができる。例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタンおよび炭素などを用いることができる。
前記集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたもの、ネット又はパンチングメタルなどを用いるものも好ましい。
二次電池用の負極とした際の本発明の活物質層の密度は、用途により異なるが、車載用途やパワーツール用途などの入出力特性を重視する用途においては、通常1.1g/cm以上、1.65g/cm以下である。この範囲であれば、密度が低すぎることによる粒子同士の接触抵抗の増大を回避することができ、一方、密度が高すぎることによるレート特性の低下も抑制することができる。
前記密度は、好ましくは1.2g/cm以上、さらに好ましくは1.25g/cm以上である。
一方携帯電話やパソコンといった携帯機器用途などの容量を重視する用途では、活物質層の密度は通常1.45g/cm以上、1.9g/cm以下である。この範囲であれば、密度が低すぎることによる単位体積あたりの電池の容量低下を回避することができ、一方、密度が高すぎることによるレート特性の低下も抑制することができる。
前記密度は、好ましくは1.55g/cm以上、さらに好ましくは1.65g/cm以上、特に好ましくは1.7g/cm以上である。
<非水系二次電池>
本発明に係る非水系二次電池の基本的構成は、例えば、公知のリチウムイオン二次電池と同様とすることができ、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備え、前記負極は上述した本発明に係る非水系二次電池用負極である。
<正極>
正極は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを備えることができる。活物質層は、正極用活物質の他に、好ましくはバインダを含有する。
正極用活物質としては、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物などが挙げられる。中でもリチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属カルコゲン化合物が好ましい。
金属カルコゲン化合物としては、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、マンガン酸化物、クロム酸化物、チタン酸化物、タングステン酸化物などの遷移金属酸化物;バナジウム硫化物、モリブデン硫化物、チタン硫化物、CuSなどの遷移金属硫化物;NiPS、FePS等の遷移金属のリン−硫黄化合物;VSe、NbSeなどの遷移金属のセレン化合物;Fe0.250.75、Na0.1CrSなどの遷移金属の複合酸化物;LiCoS、LiNiSなどの遷移金属の複合硫化物等が挙げられる。
中でも、リチウムイオンの吸蔵・放出の観点から、V、V13、VO、Cr、MnO、TiO、MoV、LiCoO、LiNiO、LiMn、TiS、V、Cr0.250.75、Cr0.50.5などが好ましく、LiCoO、LiNiO、LiMnや、これらの遷移金属の一部を他の金属で置換したリチウム遷移金属複合酸化物が特に好ましい。
これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
正極用のバインダは、特に限定されず、公知のものを任意に選択して用いることができる。例としては、シリケート、水ガラス等の無機化合物や、テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン等の不飽和結合を有さない樹脂などが挙げられる。中でも好ましいのは、酸化反応時に分解しにくいため、不飽和結合を有さない樹脂である。
バインダの重量平均分子量は、通常1万以上とすることができ、また、通常300万以下とすることができる。重量平均分子量は、好ましくは10万以上であり、また、好ましくは100万以下である。
正極活物質層中には、正極の導電性を向上させるために、導電助剤を含有させてもよい。導電助剤は、特に限定されず、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。
本発明の正極は、上述したような負極の製造方法と同様にして、活物質と、場合によりバインダ及び/又は導電助剤を分散媒に分散させてスラリーとし、これを集電体表面に塗布することにより形成することができる。正極の集電体は、特に限定されず、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール(SUS)などが挙げられる。
<電解質>
電解質(「非水系電解液」と称することもある。)は、特に限定されず、非水系溶媒に電解質としてリチウム塩を溶解させた非水系電解液や、該非水系電解液に有機高分子化合物等を添加することによりゲル状、ゴム状、または固体シート状にしたものなどが挙げられる。
非水系電解液に使用される非水系溶媒は、特に限定されず、公知の非水系溶媒を用いることができる。
例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類などが挙げられる。
非水系溶媒は、単独でも、2種以上を併用してもよい。混合溶媒の場合は、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含む混合溶媒の組み合わせが導電性と粘度のバランスから好ましく、環状カーボネートが、エチレンカーボネートであることが好ましい。
非水系電解液に使用されるリチウム塩も特に制限されず、公知のリチウム塩を用いることができる。例えば、LiCl、LiBrなどのハロゲン化物;LiClO、LiBrO、LiClOなどの過ハロゲン酸塩;LiPF、LiBF、LiAsFなどの無機フッ化物塩などの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCSOなどのパーフルオロアルカンスルホン酸塩;Liトリフルオロメタンスルフォニルイミド((CFSONLi)などのパーフルオロアルカンスルホン酸イミド塩などの含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。中でもLiClO、LiPF、LiBFが好ましい。
リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、0.5mol/L以上、2.0mol/L以下の範囲とすることができる。
上述の非水系電解液に有機高分子化合物を含ませることで、ゲル状、ゴム状、或いは固体シート状にして使用する場合、有機高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物;ポリエーテル系高分子化合物の架橋体高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール系高分子化合物;ビニルアルコール系高分子化合物の不溶化物;ポリエピクロルヒドリン;ポリフォスファゼン;ポリシロキサン;ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系高分子化合物;ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)等のポリマー共重合体などが挙げられる。
上述の非水系電解液は、さらに被膜形成剤を含んでいてもよい。
被膜形成剤の具体例としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチルカーボネート、メチルフェニルカーボネートなどのカーボネート化合物;エチレンサルファイド、プロピレンサルファイドなどのアルケンサルファイド;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン化合物;マレイン酸無水物、コハク酸無水物などの酸無水物などが挙げられる。
非水系電解液にはさらに、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼン等の過充電防止剤が添加されていてもよい。
上記各種添加剤を用いる場合、初期不可逆容量の増加や低温特性、レート特性の低下等、他の電池特性に悪影響を及ぼさないようにするために、添加剤の総含有量は非水系電解液全体に対して通常10質量%以下とすることができ、中でも8質量%以下、さらには5質量%以下、特に2質量%以下の範囲が好ましい。
また、電解質として、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。
高分子固体電解質としては、前述のポリエーテル系高分子化合物にLi塩を溶解させたものや、ポリエーテルの末端水酸基がアルコキシドに置換されているポリマーなどが挙げられる。
<その他>
正極と負極との間には、通常、電極間の短絡を防止するために、多孔膜や不織布などの多孔性のセパレータを介在させることができ、非水系電解液は、多孔性のセパレータに含浸させて用いることが便利である。セパレータの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエーテルスルホンなどが用いられ、好ましくはポリオレフィンである。
非水系二次電池の形態は特に限定されず、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ;ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ;ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。また、これらの形態の電池を任意の外装ケースに収めることにより、コイン型、円筒型、角型等の任意の形状及び大きさにして用いることができる。
非水系二次電池を組み立てる手順も特に限定されず、電池の構造に応じて適切な手順で組み立てることができる。例えば、外装ケース上に負極を乗せ、その上に非水系電解液とセパレータを設け、さらに負極と対向するように正極を乗せて、ガスケット、封口板と共にかしめて電池にすることができる。
次に実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下における平均粒子径(d50)は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料0.01gを懸濁させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名:HORIBA製LA−920)に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した値である。
<実施例1>
(1)非水系二次電池負極用活物質aの調製
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(50g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)(東京化成工業株式会社製ビニルスルホン酸ナトリウム)0.25gに蒸留水49.7gを添加して溶解させたものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質aを得た。
(2)スラリー調製
上記で調製した非水系二次電池負極用活物質a20gとカルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%)20.2gを混合し、混練機(あわとり練太郎,株式会社シンキー製)によって混練した後(混練:2000rpm,5min;脱泡:2200rpm,1min)、SBR-水分散液(40質量%)0.5gを加え、再び上記と同様の条件で混練を行って活
物質スラリーAを調製した。
(3)極板作製
銅箔(厚さ18μm)をテスター産業製Auto Film Applicatorにのせ、陰圧により吸着させた。実施例及び比較例で作製した炭素材料スラリーを銅箔上に適量のせ、テスター産業製フィルムアプリケータを10mm/secの速さで掃引させることにより、前記活物質スラリーAを塗布した。
活物質スラリーAを塗布した銅箔をイナートオーブン(EPEC−75,株式会社いす
ゞ製作所製)中で乾燥させた(90℃,50min,窒素気流10L/min)。
その後、極板をプレス機(3tメカ式精密ロールプレス)に通して活物質層を圧縮し、活物質層の密度が1.60±0.03g/cmになるよう調整し、電極シートを得た。
(4)ラミネートセル作製
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)を用い、これに導電剤とバインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を混合してスラリー化した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミ箔に塗布して乾燥し、プレス機で圧延したものを、正極活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40
mm及び集電用の未塗工部を有する形状に切り出して正極とした。正極活物質層の密度は2.6g/cmであった。
負極は、上記<極板作製>で作製した電極シートを活物質層のサイズとして幅32mm、長さ42mm及び集電部タブ溶接部として未塗工部を有する形状に切り出し、負極とした。この時の負極の活物質層の密度は1.6g/cmであった。
正極1枚と負極1枚をそれぞれの活物質面が対向するように配置し、電極の間に多孔製ポリエチレンシートのセパレータが挟まれるようにした。この際、正極活物質面が負極活物質面内から外れないよう対面させた。
この正極と負極それぞれについての未塗工部に集電タブを溶接して電極体としたものを、ポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用いて、内面側に前記ポリプロピレンフィルムがくるようにしてラミネートシートではさみ、非水系電解液を注入するための一辺を除いて、電極のない領域をヒートシールした。
その後、活物質層に非水系電解液(エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=3/3/4(体積比)に1.0mol/Lの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させたもの)を200μL注入して、電極に充分浸透させ、密閉して、ラミネートセルを作製した。この電池の定格容量は34mAhである。
(5)ラミネートセルのコンディショニング
25℃環境下で、電圧範囲4.2〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて初期コンディショニングを行った。
(6)ラミネートセルの発生ガス量測定
ラミネートセルのコンディショニング前後および85℃24時間の保存試験前後それぞれにおいて体積測定を行い、その総変化量を発生ガス量とみなした。なおラミネートセルの体積測定には、EtOHを浸漬液としてアルキメデス法を用いた。
(7)コインセル作製
上記(3)の方法で作製した電極シートを直径12.5mmの円盤状に打ち抜き、リチウム金属箔を直径14mmの円板状に打ち抜き対極とした。両極の間には、非水系電解液(エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=3/3/4(体積比)に1.0mol/Lの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させたもの)を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、2016コイン型電池をそれぞれ作製した。
(8)容量ロス
容量ロスとは、下記表−1に示した充放電プログラムにおける、第2・3・4サイクルの1ステップ目における通電量から充電容量と放電容量を求め、次式から計算したものである。
容量ロス(mAh/g)=第2サイクル(充電容量−放電容量)+第3サイクル(充電容量−放電容量)+第4サイクル(充電容量−放電容量)
(9)初期充放電効率
初期充放電効率とは、下記表−1に示した充放電プログラムにおける、第2・3・4サイクル目における通電量からそれぞれの充電容量と放電容量を求め、次式を用いて計算し
たものである。
初期充放電効率(%)=第4サイクルにおける放電容量/(第4サイクルにおける放電容量+第2・3・4サイクルにおける容量ロス(=充電容量−放電容量))×100(%)
Figure 2015173103
<実施例2>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)(東ソー有機化学株式会社製スチレンスルホン酸リチウム)0.1gに蒸留水19.9gを添加して溶解させたものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質bを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
また、実施例2については、ラミネートセルにて(6)の評価実施後、開回路電圧の評価を実施した。
(10)保存試験後開回路電圧(OCV)
85℃、24時間の保存試験後のラミネートセルのOCVを10分間測定し、その数値電圧を保存試験後OCVとした。
<実施例3>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)(東京化成工業株式会社製ビニルフェニルボロン酸)0.1gに蒸留水19.9gを添加して溶解させたものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質cを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<実施例4>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を
用い、その黒鉛と添着化合物(B)(ダイソー株式会社製ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)0.1gに蒸留水19.9gを添加して溶解させたものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質dを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<実施例5>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用いた。添着化合物(B)として東京化成工業株式会社製ビニルスルホン酸ナトリウム0.1gに蒸留水19.9gを添加して溶解させたものと東京化成工業株式会社製ジアリルアミン0.75gに蒸留水19.9gを添加して溶解させたものをそれぞれ準備し、まず、黒鉛と前者のビニルスルホン酸ナトリウム水溶液をオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去した後、次に、ジアリルアミン水溶液をフラスコ内に入れ、引き続き、攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質eを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<実施例6>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)(東京化成工業株式会社製ビニルホスホン酸)0.1gに蒸留水19.9gを添加して溶解させたものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質fを得、実施例1および2と同様にして評価を実施した。
<比較例1>
化合物(B)を含有せず、活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)のみからなる非水系二次電池負極用活物質gを用い、実施例1および2と同様にして評価を実施した。
<比較例2>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)としてラジカル重合可能な不飽和結合を有する基を有さないラジカル捕捉高分子化合物の水溶液(Alfa Aesar社製オキシニトロック
ス(R)S100,フリーラジカル MW2250)0.1gに蒸留水19.9gを添加して希釈したもの)をオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質hを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<比較例3>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)としてスルホン酸低分子化合物の水溶液(東京化成工業株式会社製ナフタレンスルホン酸ナトリウム)0.1gに蒸留水19.9gを添加して希釈したもの)をオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質iを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<比較例4>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)としてカルボン酸低分子化合物の水溶液(和光純薬工業株式会社製無水マレイン酸0.1gに蒸留水19.9gを添加して希釈したもの)をオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留
去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質jを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<比較例5>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)としてポリビニルスルホン酸Na(アルドリッチ株式会社製)0.1gに蒸留水19.9gを添加して希釈したもの)をオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質kを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
<比較例6>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と添着化合物(B)としてリン酸トリアリル(東京化成工業株式会社製)0.1gに蒸留水19.9gを添加して希釈したもの)をオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して水を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質lを得、実施例1と同様にして評価を実施した。
以上の評価結果を下記表−2に示す。
Figure 2015173103
活物質(A)、化合物(B)を含有した非水系二次電池負極用活物質(実施例1、2、3、4、5)は、何も添着していない比較例1やラジカル重合可能な不飽和結合を有する基を有さずラジカル捕捉剤を構造内に有するポリマーを添着した比較例2、イオン性基を有することで電解液への溶出することはないが不飽和結合を有さない低分子化合物を添着した比較例3、不飽和結合とカルボン酸基を有する比較例4、イオン性基を有することで電解液への溶出することはないが不飽和結合を有さないポリマーを添着した比較例5、不飽和結合を有するがイオン性基を有さないため電解液に対して溶解性のある比較例6のそれぞれの非水系二次電池負極用活物質と比較して、ガス発生量が低減されていることが分かった。
この時、化合物(B)を被覆した実施例1、2の電池としての全体の抵抗は、何も添着していない比較例1のそれとほぼ同様であった。
これは、ヘテロ原子を含むイオン性基を有する化合物(B)のラジカル重合可能な不飽和結合が、電池コンディショニングの初期にて、ラジカルを活用した重合性の形成被膜を負極表面で効果的に形成したためと考えられる。ヘテロ原子を含むイオン性基を有する化合物(B)は、比較例4のようなヘテロ原子を含まないイオン性基に比べて、電解液に対する非膨潤・非溶解性の観点や、形成被膜時に脱溶媒和場として作用するLiイオンホッピングサイトとしての有効性の観点から、電池内で効果的であると考える。さらに、実施例1のように化合物(B)が不飽和結合を有し、電池内で重合性被膜を形成することは、あらかじめそのポリマー負極表面に添着する比較例5の場合に比べて、極板プレス工程等による負極表面からの剥離が抑制され、効果的に負極表面の活性点に重合性被膜を形成するため、より電池とした際の効果が大きいと考える。
また、実施例1、2は比較例1、2、3、4と比較して初期充放電効率が高くなっていることが分かった(実施例1:93.1%、実施例2:92.9%、比較例1:92.3
%、比較例2:91.1%、比較例4:89.9%)。この傾向は初期ロスについても同
様であり、実施例1、2は比較例1、2、3、4と比較して、大幅に減少していた(実施
例1:26.9mAh/g、実施例2:28.5mAh/g、比較例1:30.2mAh/g、比較例2:35.7mAh/g、比較例4:40.1mAh/g)。
さらに、実施例2、6は比較例1と比較して85℃24時間保存後に測定した開回路電圧(OCV)が高くなっていることがわかった(実施例2:4096mV、実施例6:4103.1mV、比較例1:4095.4mV)。
これらの結果は、前述の化合物(B)由来の負極表面の形成被膜が、負極表面と非水系電解液との副反応を効果的に抑制されているためと考えられる。
本発明に係る非水系二次電池負極用活物質は、非水系二次電池において、非水系二次電池負極用活物質として使用した場合、初期充放電時のガスの発生を抑制しつつ、初期充放電効率をいっそう改善でき、更には加温試験におけるガスの発生を抑制することが可能なバランスの良い非水系二次電池用負極材が得られることを見出した。
そのため、本発明に係る非水系二次電池負極用活物質は、入出力特性を重視する車載用途やパワーツール用途などの非水系二次電池に有用であると同時に、容量を重視する携帯電話やパソコンといった携帯機器用途などの非水系二次電池にも有用である。

Claims (8)

  1. リチウムイオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)と、化合物(B)を含有する非水系二次電池負極用活物質であって、前記化合物(B)が下記式(1)で示される化学構造を有する、非水系二次電池負極用活物質。
    Figure 2015173103
    (前記式中、Xはヘテロ原子、Yはラジカル重合可能な不飽和結合を有する基、Rは酸素原子、水素原子、アルキル基、アリール基、カルボニル結合を有する置換基、又はエーテル結合を有する置換基、Zはプロトン、1価以上の金属イオン、ハロゲンイオン、無機酸のイオン、又は有機酸のイオン、nは0〜2の整数、nは1〜3の整数、n及びnは1以上の整数、nは1以上の整数、n+nは2又は3の整数を示す。)
  2. 前記化合物(B)が有するラジカル重合可能な不飽和結合が、二重結合及び三重結合より選ばれる少なくとも一種の炭素−炭素結合である、請求項1に記載の非水系二次電池負極用活物質。
  3. 前記化合物(B)がスルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、及びボロン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン性基、もしくは一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、及び四級アンモニウム基からなる群より選ばれる少なくとも1種のカチオン性基を有する、請求項1又は2に記載の非水系二次電池負極用活物質。
  4. 前記化合物(B)が非水系電解液に難溶である、請求項1〜3に記載の非水系二次電池用負極用活物質。
  5. 前記化合物(B)が前記活物質(A)に対して、0.1〜5質量%含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水系二次電池負極用活物質。
  6. 前記活物質(A)が人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、シリコン、及びシリコン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水系二次電池負極用活物質。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系二次電池負極用活物質を用いて形成される、非水系二次電池用負極。
  8. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備える非水系二次
    電池であって、前記負極が請求項7に記載の非水系二次電池用負極である、非水系二次
    電池。
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