JP6167548B2 - 非水系二次電池負極用活物質並びにそれを用いた負極及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
<1> リチウムイオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)と、有機化合物(B)とを含有する非水系二次電池負極用活物質であって、
前記有機化合物(B)がイオン性基及び芳香環を有する、非水系二次電池負極用活物質。
<3> 前記有機化合物(B)が、前記活物質(A)100質量部に対して0.1〜5質量部含まれる、前記<1>又は<2>に記載の非水系二次電池負極用活物質。
<4> 前記活物質(A)が、球形化天然黒鉛である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の非水系二次電池負極用活物質。
<5> 前記有機化合物(B)が有するイオン性基が、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のイオン性基である、前記<1>〜前記<4>のいずれか一に記載の非水系二次電池負極用活物質。
<7> 前記有機化合物(B)が、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸リチウム共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、ポリビニル安息香酸、ポリビニル安息香酸リチウム、ポリビニル安息香酸ナトリウム、スチレン−ビニル安息香酸共重合体、スチレン−ビニル安息香酸リチウム共重合体、スチレン−ビニル安息香酸ナトリウム共重合体、ナフタレンスルホン酸リチウム及びナフタレンスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記<1>〜前記<6>のいずれか一に記載の非水系二次電池負極用活物質。
<8> 前記有機化合物(B)の電気伝導率が、25℃において通常0S/cmより大きく、0.1S/cm以下である、前記<1>〜前記<7>のいずれか一に記載の非水系二次電池負極用活物質。
また、本発明の他の要旨は、<10> リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備える非水系二次電池であって、前記負極が前記<9>に記載の非水系二次電池用負極である、非水系二次電池である。
また、本発明の他の要旨は、<11> 前記電解質が、イソシアネート化合物を含有する、前記<10>に記載の非水系二次電池である。
ここで、本明細書において単に“ppm”と記載した場合は、“質量ppm”のことを示す。
<活物質(A)>
本発明の非水系二次電池負極用活物質(以下、単に「本発明の活物質」ともいう。)はリチウムイオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)を含有する。前記活物質(A)は、その骨格中にリチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料であれば特に制限されない。
前記炭素材料の種類としては、人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、黒鉛化度の小さい炭素質物等が挙げられるが、低コストと電極作製のし易さの点から、人造黒鉛または天然黒鉛が好ましく、天然黒鉛がより好ましい。
これら炭素材料は、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
これらの天然黒鉛の中で、土壌黒鉛は一般に粒径が小さいうえ、純度が低い。これに対して、鱗片状黒鉛や鱗状黒鉛は、黒鉛化度が高く不純物量が低い等の長所があるため、本発明において好ましく使用することができる。
更に具体的には、高純度化した鱗片状の天然黒鉛に球形化処理を施して得られた球形化天然黒鉛である。前記球形化処理の方法については後述する。
焼成温度は、2500℃以上3200℃以下の範囲とすることができ、焼成の際、珪素含有化合物やホウ素含有化合物などを黒鉛化触媒として用いることもできる。
焼成の際、有機物にリン酸、ホウ酸、塩酸などの酸類や、水酸化ナトリウム等のアルカリ類などを混合することもできる。
シリコン系材料としては、小粒径、薄膜、多孔質構造などリチウム挿入、脱離時の体積膨張収縮を緩和可能な形態のものが好ましく、必要に応じて炭素材料やその他活物質材料と複合化して用いる。
活物質(A)の平均粒子径(d50)は、通常1μm以上、50μm以下である。この範囲であれば、負極製造時において極板化した際に、負極形成材料の筋引きなど、工程上の不都合が生ずることを防止することができる。
平均粒子径(d50)は、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。
活物質(A)のタップ密度は、通常0.7g/cm3以上であり、1.0g/cm3以上が好ましい。また、通常1.3g/cm3以下であり、1.1g/cm3以下が好ましい。
タップ密度が低すぎると、非水系二次電池用の負極に用いた場合に高速充放電特性に劣り、一方タップ密度が高すぎると、負極を構成する材料である粒子内における活物質(A)の密度が高く、負極形成材料の圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cm3の円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して試料を落下させてセルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行ない、該タップ後の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
活物質(A)のBET法で測定した比表面積(BET法比表面積)は、通常1m2/g以上、11m2/g以下である。この範囲であれば、Liイオンが出入りする部位が十分であるため、非水系二次電池用の負極に用いた場合でも良好な高速充放電特性・出力特性が得られ、活物質の電解液に対する活性を制御し、初期不可逆容量を小さくし、さらには高容量化を容易に図ることができる。
BET比表面積は、好ましくは1.2m2/g以上、より好ましくは、1.5m2/g以上であり、また、好ましくは10m2/g以下、より好ましくは9m2/g以下、さらに好ましくは8m2/g以下である。
なお、本願明細書において、BET法比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET5点法にて測定した値とする。
活物質(A)が炭素材料である場合、該炭素材のX線広角回折法による(002)面の面間隔d002は、通常0.335nm以上、0.340nm未満、好ましくは0.339nm以下であり、より好ましくは0.337nm以下である。d002値が0.340nm未満であれば、適切な結晶性が得られ、非水系二次電池用の負極に用いた場合に初期不可逆容量の増加が抑制できる。なお、0.335nmは黒鉛の理論値である。
活物質(A)が炭素材料である場合、該炭素材のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPAの強度IAと、1360cm−1付近のピークPBの強度IBとを測定し、その強度比R(R=IB/IA)を算出して定義する。
R値は通常0.01以上、1以下であり、0.6以下が好ましい。ラマンR値がこの範囲を下回ると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性の低下を招く傾向がある。一方、この範囲を上回ると、粒子表面の結晶性が乱れ、電解液との反応性が増し、非水系二次電池用の負極に用いた場合に効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :532nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
以上説明した活物質(A)は種々の公知の方法により製造可能であり、その製造方法は特に制限されない。ここでは、本発明において活物質(A)として好ましく用いられる球形化天然黒鉛について、天然黒鉛からの製造方法について説明する。
具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された天然黒鉛原料に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。
この際には、機械的処理のエネルギーにより天然黒鉛表面の酸化反応を進行させ、天然黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で球形化処理を行うことが好ましい。例えば前述の装置を用いて処理する場合には、回転するローターの周速度を通常30〜100m/秒とし、40〜100m/秒にすることが好ましく、50〜100m/秒にすることがより好ましい。
本発明に使用される活物質(A)は、その表面の少なくとも一部が炭素質物によって被覆されていてもよい。この被覆の態様は走査型電子顕微鏡(SEM)写真等で確認することができる。
なお、被覆処理に用いる炭素質物としては非晶質炭素及び黒鉛化物が挙げられるが、それらは後述する被覆処理における焼成温度の相違によって、得られるものが異なる。
(1)石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油、芳香族炭化水素、N環化合物、S環化合物、ポリフェニレン、有機合成高分子、天然高分子、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の炭化可能な有機物。
(2)上記(1)に示した炭化可能な有機物を低分子有機溶媒に溶解させたもの。
上記(1)及び(2)の中でも石炭系重質油、直流系重質油、若しくは分解系石油重質油、またはこれらを低分子有機溶媒に溶解させたものが、焼成後の炭素質物が均一に被覆されるのでより好ましい。
焼成温度を、通常600℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは900℃以上、通常2000℃以下、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下とすると炭素質物として非晶質炭素が得られる。
また焼成温度を通常2000℃以上、好ましくは2500℃以上、通常3200℃以下で熱処理を行うと炭素質物として黒鉛化物が得られる。
前記非晶質炭素とは結晶性の低い炭素であり、前記黒鉛化物とは結晶性の高い炭素である。
次に、本発明の非水系二次電池負極用活物質の構成成分である有機化合物(B)について説明する。
有機化合物(B)は、ガスの発生を効果的に抑制する観点から、イオン性基及び芳香環を有する。
有機化合物(B)中のイオン性基は非水系電解液に難溶であり、芳香環はπ共役構造を有することから、有機化合物(B)を非水系二次電池用負極に用いた場合に、ガスの発生を抑制することができる。
これらの中でも、非水系二次電池用の負極に用いた場合の初期不可逆容量の観点から、スルホン酸基又はそのリチウム塩もしくはナトリウム塩が好ましい。
中でも活物質(A)への吸着特性が高い点から、ナフタレンスルホン酸リチウム又はナフタレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量とは、溶媒テトラヒドロフラン(THF)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量あるいは、溶媒が水系、ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)のGPCにより測定した標準ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
当該ポリマーを構成する構造単位となるモノマーとしては、イオン性基を有するモノマーと芳香環を有するモノマーが挙げられる。また、イオン性基と芳香環とを共に有するモノマーであってもよい。
中でも、電解液中における非水系二次電池負極用活物質において活物質(A)を被覆している有機化合物(B)の安定性の点から、有機化合物(B)はイオン性基と芳香環とを共に有するモノマーの重合体であることが好ましい。
イオン性基を有し、芳香環を有さないモノマーの例としては、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸リチウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸リチウム、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸リチウム等が挙げられる。
芳香環を有し、イオン性基を有さないモノマーの例としては、スチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−スチレンスルホン酸リチウム共重合体及びスチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体がより好ましい。
中でも、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−スチレンスルホン酸リチウム共重合体及びスチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体が活物質表面、特には黒鉛ベーサル面への吸着性が高いため特に好ましい。
フィルム厚みはKLA製段差・表面粗さ・微細形状測定装置テンコールαステップ型で測定することができ、四端子法による表面抵抗値は三菱化学アナリテック製ロレスタGP MCP−T610型にて測定することができる。
本発明に係る非水系二次電池負極用活物質には、負極の導電性を向上させるために、導電剤を含有させてもよい。
導電剤は、特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラックや、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などを使用することができる。
前記導電剤の添加量は、本発明の非水系二次電池負極用活物質に対して、10質量%以下であることが好ましい。
本発明の非水系二次電池負極用活物質は、以上説明した活物質(A)と有機化合物(B)を混合することで得られる。なお、後述するように、有機化合物(B)は、負極作製時に負極形成材料であるスラリーを調製する際に、活物質(A)と混合してもよい。
また前記加熱は、通常60〜120℃程度である。溶媒を除去した後、活物質を減圧下で乾燥する場合、その温度は通常300℃以下、50℃以上である。この範囲であれば、乾燥効率が十分であり、かつ溶媒残存による電池性能の低下が避けられ、かつ有機化合物(B)の分解防止や、活物質(A)と有機化合物(B)との相互作用が弱くなることによる効果の低減防止を容易に図ることができる。
乾燥温度は、好ましくは250℃以下であり、また、好ましくは100℃以上である。
このようにして得られる本発明の非水系二次電池負極用活物質においては、有機化合物(B)が活物質(A)に効果的に吸着し、強固に被覆していると考えられる。
非水系二次電池負極用活物質中の有機化合物(B)の非水系電解液への溶出量を測定する際に用いる非水系電解液は、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/エチルメチルカーボネート=3/3/4の体積比で混合した溶媒である。溶出量の測定方法は、特に限定されないが、例えば非水系二次電池負極用活物質を非水系電解液に75℃で3日間浸漬した後、非水系二次電池負極用活物質を取り出して乾燥させ、浸漬処理の前後で非水系二次電池負極用活物質の質量を測ることで測定することができる。また、浸漬処理の前後での非水系二次電池負極用活物質のNMRスペクトルを測定することによっても前記溶出量を測定することができる。
一方で、例えば、溶媒を除去する際に濾過を行なう製造法を用いる場合は、得られた本発明の活物質のTG−DTA分析における重量減少、又は濾液に含まれる有機化合物(B)の量から算出することができる。
平均粒子径(d50)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、また、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上である。なお、平均粒子径(d50)の測定方法は、前述した通りである。また、本発明の非水系二次電池負極用活物質の平均粒子径(d50)は、その原料である活物質(A)の平均粒子径(d50)を変更することによって、調整することができる。
本発明の非水系二次電池用負極は、集電体と、集電体上に形成された活物質層を備え、かつ前記活物質層が少なくとも本発明の非水系二次電池負極用活物質を含有するものである。前記活物質層は、好ましくは、さらにバインダを含有する。
前記バインダは、特に限定されないが、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものが好ましい。その具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。
このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダは、分子量が大きいもの及び/又は不飽和結合の割合が大きいものが好ましい。
バインダの分子量としては、重量平均分子量は通常1万以上、100万以下である。この範囲であれば、機械的強度及び可撓性の両面を良好な範囲に制御できる。重量平均分子量は、好ましくは5万以上であり、また、好ましくは30万以下の範囲である。
オレフィン性不飽和結合を有するバインダに対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、活物質層の強度が低下することを抑制するため、通常150質量%以下、好ましくは120質量%以下である。
スラリー調製の際には、活物質(A)に、バインダ等とともに有機化合物(B)を添加・混合して、本発明の非水系二次電池負極用活物質の製造及び負極作製用スラリーの調製を同時に行ってもよい。
これらの構成成分を混合した後、必要に応じて脱泡を行い、負極形成材料であるスラリーを得る。
前記集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたもの、ネット又はパンチングメタルなどを用いるものも好ましい。
前記密度は、好ましくは1.2g/cm3以上、さらに好ましくは1.25g/cm3以上である。
前記密度は、好ましくは1.55g/cm3以上、さらに好ましくは1.65g/cm3以上、特に好ましくは1.7g/cm3以上である。
以下、本発明に係る非水系二次電池に関する部材の詳細を例示するが、使用し得る材料やそれらの作製の方法等は以下の具体例に限定されるものではない。
本発明の非水系二次電池の基本的構成は、従来公知の非水系二次電池と同様とすることができ、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる正極及び負極、並びに電解質(「非水系電解液」と称することもある。)を備え、前記負極は本発明の非水系二次電池用負極である。
以下、非水系二次電池の各構成要素等について説明する。
正極は、正極用活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
正極用活物質としては、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物などが挙げられる。中でもリチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属カルコゲン化合物が好ましい。
金属カルコゲン化合物としては、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、マンガン酸化物、クロム酸化物、チタン酸化物、タングステン酸化物などの遷移金属酸化物;バナジウム硫化物、モリブデン硫化物、チタン硫化物、CuSなどの遷移金属硫化物;NiPS3、FePS3等の遷移金属のリン−硫黄化合物;、VSe2、NbSe3などの遷移金属のセレン化合物;Fe0.25V0.75S2、Na0.1CrS2などの遷移金属の複合酸化物;LiCoS2、LiNiS2などの遷移金属の複合硫化物等が挙げられる。
これらの正極用活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
バインダの重量平均分子量は、通常1万以上とすることができ、また、通常300万以下とすることができる。重量平均分子量は、好ましくは10万以上であり、また、好ましくは100万以下である。
本発明の非水系二次電池における非水系電解液に用いられる電解質には制限はなく、電解質として用いられる公知のものを任意に採用して含有させることができる。また、なお、前記非水系電解液を有機高分子化合物等によりゲル状、ゴム状、固体シート状にしてもよい。
これらの電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
リチウム塩の総モル濃度が上記範囲内にあることにより、非水系電解液の電気伝導率が十分となり、一方、塩過剰による粘度上昇のための電気伝導度の低下、電池性能の低下を防ぐことができる。
非水系電解液が含有する非水系溶媒は、電池として使用した際に、電池特性に対して悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に制限されない。
通常使用される非水系溶媒の例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートやエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートなどのカーボネート化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル;γ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等の鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル;リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、メタンスルホン酸メチル、スルホラン、ジメチルスルホン等の含硫黄化合物等が挙げられる。
これら化合物においては、水素原子が一部ハロゲン原子で置換されていてもよい。
非水系電解液には、上述の電解質、非水系溶媒以外に、目的に応じて適宜助剤を配合してもよい。負極表面に被膜を形成し、電池の寿命を向上させる効果を有する助剤としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート等の不飽和環状カーボネート;フルオロエチレンカーボネート等のフッ素原子を有する環状カーボネート;4−フルオロビニレンカーボネート等のフッ素化不飽和環状カーボネート;下記一般式(1)で表される化合物等のイソシアネート化合物が挙げられる。
中でも、ガス抑制の点から、ビニレンカーボネート又は下記一般式(1)で表されるイソシアネート化合物が好ましい。
ジイソシアナトスルホン、ジイソシアナトエーテル、トリフルオロメタンイソシアネート、ペンタフルオロエタンイソシアネート、トリフルオロメタンスルホニルイソシアネート、ペンタフルオロエタンスルホニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート、4−フルオロベンゼンスルホニルイソシアネート、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナト−2−フルオロプロパン、1,4−ジイソシアナトブタン、1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、1,4−ジイソシアナト−2−フルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,5−ジイソシアナト−2−ペンテン、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−フルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,4−ジフルオロヘキサン、1,7−ジイソシアナトヘプタン、1,8−ジイソシアナトオクタン、1,12−ジイソシアナトデカン、1−イソシアナトエチレン、イソシアナトメタン、1−イソシアナトエタン、1−イソシアナト−2−メトキシエタン、3−イソシアナト−1−プロペン、イソシアナトシクロプロパン、2−イソシアナトプロパン、1−イソシアナトプロパン、1−イソシアナト−3−メトキシプロパン、1−イソシアナト−3−エトキシプロパン、2−イソシアナト−2−メチルプロパン、1−イソシアナトブタン、2−イソシアナトブタン、1−イソシアナト−4−メトキシブタン、1−イソシアナト−4−エトキシブタン、メチルイソシナトホルメート、イソアナトシクロペンタン、1−イソシアナトペンタン、1−イソシアナト−5−メトキシペンタン、1−イソシアナト−5−エトキシペンタン、2−(イソシアナトメチル)フラン、イソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナトヘキサン、1−イソシアナト−6−メトキシヘキサン、1−イソシアナト−6−エトキシヘキサン、エチルイソシアナトアセテート、イソシアナトシクロペンタン、イソシアナトメチル(シクロヘキサン)、1−イソシアナトヘプタン、エチル3−イソシアナトプロパノエート、イソシアナトシクロオクタン、2−イソシアナトエチル−2−メチルアクリレート、1−イソシアナトオクタン、2−イソシアナト−2,4,4−トリメチルペンタン、ブチルイソシアナトアセテート、エチル4−イソシアナトブタノエート、1−イソシアナトノナン、1−イソシアナトアダマンタン、1−イソシアナトデカン、エチル6−イソシアナトヘキサノエート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1−イソシアナトウンデカン、ジイソシアナトベンゼン、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、エチルジイソシアナトベンゼン、トリメチルジイソシアナトベンゼン、ジイソシアナトナフタレン、ジイソシアナトビフェニル、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2−ビス(イソシアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、アリルイソシアネート、ビニルイソシアネート。
従って、この目的においてはメチレン基の長さが重要であって、式中、xは4〜12の整数が好ましく、さらに好ましくは4〜8の整数である。
具体的には、式(2)の化合物として1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,7−ジイソシアナトヘプタン、1,8−ジイソシアナトオクタン等が好ましい。
上記範囲であれば、電池内の化学的及び物理的安定性を十分に高めることができるとともに、被膜形成による過度な抵抗増加を抑制することができる。
また、電池のサイクル特性や低温放電特性を向上させる助剤としては、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート等のリチウム塩等が挙げられる。
非水系二次電池において、正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、上述の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
セパレータの材料や形状については特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、非水系電解液に対し安定な材料で形成された、樹脂、ガラス繊維、無機物等が用いられ、保液性に優れた多孔性シート又は不織布状の形態のもの等を用いることが好ましい。
好ましくはガラスフィルター又はポリオレフィンであり、さらに好ましくはポリオレフィンである。
これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下するおそれがあるばかりでなく、非水系二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
実施例及び比較例において行った各種評価等の方法を下記に示す。
活物質(A)の平均粒子径(d50)は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料である活物質(A)0.01gを懸濁させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名:HORIBA製LA−920)に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した。
活物質(A)のタップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cm3の円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、試料である活物質(A)を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた。
活物質(A)のBET法比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET5点法にて測定した。
活物質20gとカルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%)20gを混合し、混練機(あわとり練太郎,株式会社シンキー製)によって2000rpm、5分の条件にて混練した後、2200rpm、1分の条件にて脱泡をし、スチレン−ブタジエンゴム水性ディスパージョン(40質量%)0.5gを加え、再び上記と同様の条件で混練を行って活物質スラリーを調製した。
なお、活物質とは後述する実施例又は比較例で作製されたものである。
銅箔(厚さ18μm)をテスター産業製Auto Film Applicatorにのせ、陰圧により吸着させた。調製した活物質スラリーを銅箔上に適量のせ、テスター産業製フィルムアプリケータを10mm/secの速さで掃引させることにより、前記スラリーを塗布した。
その後、極板をプレス機(3tメカ式精密ロールプレス)に通して活物質層を圧縮し、活物質層の密度が1.60±0.03g/cm3になるよう調整し、電極シートを得た。
電極シート上における銅箔の活物質スラリーが塗布された部分を、打抜きパンチ(φ=12.5mm,SNG,株式会社野上技研製)によって打抜き、重量測定及び膜厚計(IDS−112,株式会社ミツトヨ製)による膜厚測定を行い、目付と前記活物質層の密度を算出した。
作製した電極シートを直径12.5mmの円板状に打ち抜いて電極とし、リチウム金属箔を直径14mmの円板状に打ち抜いて対極とした。両極の間には、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/80/5(体積比)の混合溶液に、LiPF6を1.2mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、前記電解液を使用した2016コイン型電池を作製した。
下記表1に示した充放電プログラムを用いて、作製したコインセル(2016コイン型多電池)の充放電評価を行った。
容量ロス(mAh/g)=第2サイクル(充電容量−放電容量)+第3サイクル(充電容量−放電容量)+第4サイクル(充電容量−放電容量)
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)を用い、これに導電剤と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合してスラリー化した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミ箔に塗布して乾燥し、プレス機で圧延したものを、正極活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40mm及び集電用の未塗工部を有する形状に切り出して正極とした。
正極活物質層の密度は2.6g/cm3であった。
この正極と負極それぞれの未塗工部に集電タブを溶接して電極体としたものを、ポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用いて、内面側に前記ポリプロピレンフィルムがくるようにして挟み、電解液を注入するための一辺を除いて、電極のない領域をヒートシールした。
この電池の定格容量は34mAhである。
活物質(A)に対する有機化合物の割合は、非水系二次電池負極用活物質の調製時の有機化合物の添加量とした(実施例11を除く)。
25℃環境下で、電圧範囲4.2〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする。)にて初期コンディショニングを行った。ラミネートセルのコンディショニング前後で体積測定を行い、その変化量を初期ガス量とみなした。なおラミネートセルの体積測定には、エタノールを浸漬液としてアルキメデス法を用いた。
85℃、1日の条件下でラミネートセルの高温保存を行い、保存後のガス発生量を評価した。ガスについては、保存前後のラミネートセルの体積変化量をガス発生量とみなし、体積測定には、エタノールを浸漬液としてアルキメデス法を用いた。
<非水系二次電池負極用活物質の調製>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)=17μm、BET法比表面積(SA)=6.7m2/g、タップ密度=1.02g/cm3)50gと、有機化合物の水溶液1(アルドリッチ製ポリスチレンスルホン酸リチウム30質量%水溶液(重量平均分子量:75000)0.167gに蒸留水49.833gを添加したポリスチレンスルホン酸リチウム0.1質量%水溶液)50gとをフラスコ内で混合し、95℃に加温して攪拌しながら、溶媒を留去し、粉末状の非水系二次電池負極用活物質Aを得た。
保存試験を終えたラミパックを取り出した後、内容物を乾固し、残存固形分をNMR用重溶媒(d−DMSO)に溶かし、1H−NMR測定を実施した。その結果より、溶出した有機化合物であるポリスチレンスルホン酸リチウムを定量したところ、2質量%以下であった。
有機化合物の水溶液1を、水溶液2(ポリスチレンスルホン酸リチウム0.2質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Bを得た。
〔実施例3〕
有機化合物の水溶液1を、水溶液3(ポリスチレンスルホン酸リチウム0.5質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Cを得た。
有機化合物の水溶液1を、水溶液4(ポリスチレンスルホン酸リチウム0.75質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Dを得た。
〔実施例5〕
有機化合物の水溶液1を、水溶液5(ポリスチレンスルホン酸リチウム1.0質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Eを得た。
有機化合物の水溶液1を、水溶液6(ポリスチレンスルホン酸リチウム3.0質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Fを得た。
〔実施例7〕
有機化合物の水溶液1を、水溶液7(東ソー有機化学社製(PS−5)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.5質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Gを得た。
有機化合物の水溶液1を、水溶液8(東ソー有機化学社製スチレン‐スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン:スチレンスルホン酸ナトリウム=35:65(モル比)、重量平均分子量:74000の0.5質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Hを得た。
有機化合物の水溶液1を、水溶液9(東ソー有機化学社製スチレン‐スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン:スチレンスルホン酸ナトリウム=50:50(モル比)、重量平均分子量:24000の0.5質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Iを得た。
活物質Aに有機化合物による被覆、乾燥を行わず、活物質スラリーを作製する時に、球形化天然黒鉛20gとカルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%)20g、有機化合物の水溶液10(アルドリッチ製ポリスチレンスルホン酸リチウム30質量%水溶液(重量平均分子量:75000))0.333gを混合し、混練機(あわとり練太郎,株式会社シンキー製)によって2000rpm、5分の条件にて混練した後、2200rpm、1分の条件にて脱泡をし、スチレン−ブタジエンゴム水性ディスパージョン(40質量%)0.5gを加え、再び上記と同様の条件で混練を行うことにより、非水系二次電池負極用活物質Jを得た。
球形化天然黒鉛50gと有機化合物の水溶液11(東ソー有機化学社製(PS−5)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.5質量%水溶液)50gをフラスコ内で一時間混合した後に、目開き1μmのろ紙と桐山漏斗を用いて、吸引ろ過することにより溶媒を除去した。その後、濾過物上に蒸留水25gを掛け流し、濾過物を洗浄した。洗浄後の濾過物を150℃、7時間乾燥することで非水系二次電池負極用活物質Kを得た。
なお、活物質(A)に対する有機化合物の割合は、濾液に含まれる有機化合物の量から算出した。
有機化合物の水溶液1を、有機化合物の水溶液12(低導電性ポリアニリンスルホン酸0.5質量%水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして粉末状の非水系二次電池負極用活物質Lを得た。
有機化合物を含有せず、活物質(A)である球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)=17μm、BET法比表面積(SA)=6.7m2/g、タップ密度=1.02g/cm3)のみからなる黒鉛を非水系二次電池負極用活物質Zとした。ここで用いた球状化天然黒鉛は実施例1で用いたものと同じものである。なお、非水系二次電池負極用活物質Zとは、表1中で単に「球形化天然黒鉛」と記載している。
有機化合物の水溶液1を、水溶液13(Wako製ポリアクリル酸(重量平均分子量5000)5.1gに水50gを添加して攪拌した後、5質量%水酸化リチウム一水和物水溶液80gを添加した水溶液(pH=10付近)から6.6667gを秤り取った後、それに蒸留水43.3333gを添加して希釈した水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池負極用活物質Mを得た。
有機化合物の水溶液1を、水溶液14(アルドリッチ製ポリビニルスルホン酸ナトリウム25質量%水溶液10.0gに1mol/L塩酸水溶液0.64gを添加した後、1質量%水酸化リチウム水溶液を2.3g添加して攪拌したもの(pH=9)から1.2953gを秤り取った後、それに蒸留水48.7047gを添加して希釈した水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池負極用活物質Nを得た。
有機化合物の水溶液1を、水溶液15(アルドリッチ製ポリビニルスルホン酸ナトリウム25質量%水溶液1.000gに蒸留水49.000gを添加して溶解した水溶液)50gに代えた以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池負極用活物質Oを得た。
〔比較例5〕
有機化合物の水溶液1を、水溶液16(日本合成化学製エチレン−ビニルアルコール(EVOH)共重合体ソアノール(品番:D2908)1.000gをエタノール/水混合溶媒(50質量%/50質量%)24.000gに溶解させた4%EVOH水溶液)12.5gに代えた以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池負極用活物質Pを得た。
活物質Cについて、ラミネートセルの保存ガス量測定の条件を70℃、3日に代えた以外は実施例3と同様にして、初期ガス量と保存ガス量の総量を求めた。
電解液に、電解液全体の1%(質量比)の1,6−ジイソシアナトヘキサンを添加した以外は、実施例13と同様にして、初期ガス量と保存ガス量の総量を求めた。
活物質Zについて、ラミネートセルの保存ガス量測定の条件を70℃、3日に代えた以外は、比較例1と同様にして、初期ガス量と保存ガス量の総量を求めた。
電解液に、電解液全体の1%(質量比)の1,6−ジイソシアナトヘキサンを添加した以外は、比較例6と同様にして、初期ガス量と保存ガス量の総量を求めた。
そのため、本発明に係る非水系二次電池負極用活物質は、入出力特性を重視する車載用途やパワーツール用途などの非水系二次電池に有用であると同時に、容量を重視する携帯電話やパソコンといった携帯機器用途などの非水系二次電池にも有用である。
Claims (8)
- リチウムイオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)が、有機化合物(B)によって被覆された非水系二次電池負極用活物質であって、
前記活物質(A)が、球形化天然黒鉛であり、
前記有機化合物(B)が、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基及び
それらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のイオン性基、及び芳香環を有し、重
量平均分子量が1000以上100万以下のポリマーであって、かつ、電気伝導率が、2
5℃において0S/cmより大きく、0.1S/cm以下である、
非水系二次電池負極用活物質。 - エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/エチルメチルカーボネート=3/3/
4(体積比)である非水系電解液に75℃で3日間浸漬した際の前記非水系電解液への前
記有機化合物(B)の溶出量が、前記有機化合物(B)全体の30質量%以下である、請
求項1に記載の非水系二次電池負極用活物質。 - 前記有機化合物(B)が、前記活物質(A)100質量部に対して0.1〜5質量部含
まれる、請求項1又は2に記載の非水系二次電池負極用活物質。 - 前記有機化合物(B)が、カルボン酸基若しくはスルホン酸基又はそれらの塩を有する
モノマーに由来する構造単位と芳香環を有するモノマーに由来する構造単位とを含む、請
求項1〜3のいずれか一項に記載の非水系二次電池負極用活物質。 - 前記有機化合物(B)が、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸リチウム
、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレ
ン−スチレンスルホン酸リチウム共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共
重合体、ポリビニル安息香酸、ポリビニル安息香酸リチウム、ポリビニル安息香酸ナトリ
ウム、スチレン−ビニル安息香酸共重合体、スチレン−ビニル安息香酸リチウム共重合体
、及びスチレン−ビニル安息香酸ナトリウム共重合体からなる群より選ばれる少なくとも
1種の化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水系二次電池負極用活物質
。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水系二次電池負極用活物質を用いて形成される
、非水系二次電池用負極。 - リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備える非水系二次
電池であって、前記負極が請求項6に記載の非水系二次電池用負極である、非水系二次電
池。 - 前記電解質が、イソシアネート化合物を含有する、請求項7に記載の非水系二次電池。
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