JP6811007B2 - 非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用被覆活物質及び非水系二次電池用被覆活物質の製造方法 - Google Patents

非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用被覆活物質及び非水系二次電池用被覆活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用被覆活物質及び非水系二次電池用被覆活物質の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、一般に、正極又は負極活物質とバインダーと溶媒とを含むスラリーを正極用又は負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。
バインダーには活物質、導電助剤及び集電体との密着性、電解液との親和性並びに耐高電圧分解性等が必要であり、正極で用いられる耐高電圧分解性に優れたバインダーとしてはポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと略記する)があり、負極では活物質や導電助剤との密着性の高いバインダーとしてスチレン・ブタジエンゴム(以下、SBRと略記する)及びカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する)が使用されている。
しかしながら、PVdF、SBR及びCMCは活物質及び集電体等への接着性が充分ではなく剥離して電池の内部抵抗増加の原因となることがあった。活物質とバインダーとの剥離を防止するためにバインダーの添加量を増やすことが考えられるが、バインダーが増えることで電池の内部抵抗が増加し、電池内の活物質量が減少することで電池容量も減少してしまう。
そのため電池の内部抵抗が小さくサイクル特性を良好に維持できる非水系二次電池が望まれている。
正極活物質としては、LiCoO等のリチウムを含む複合酸化物が利用可能であり、負極活物質としては、黒鉛系の材料、シリコン系の材料等が利用可能である。リチウムイオン二次電池の充放電過程においては、リチウムイオンの脱挿入反応が生じるため、正極活物質及び負極活物質には体積変化が生じ、バインダーが剥離して十分なサイクル特性を発揮できないという課題がある。
電極の体積変化を緩和し、電極の膨脹を抑制する方法として、特許文献1には電解液に浸漬した際の吸液率と飽和吸液状態での引張破断伸び率とが特定の値であるリチウムイオン電池活物質被覆用樹脂を被覆したリチウムイオン電池用活物質を用いることが提案されている。
国際公開第2015/005117号
しかしながら、特許文献1に記載のリチウムイオン電池活物質被覆用樹脂は膜強度及び電解液に対する耐性が十分ではなく、十分なサイクル特性を発揮できないことが懸念される。
本発明が解決しようとする課題は、正極活物質及び負極活物質の体積変化が生じないだけではなく、十分なサイクル特性を発揮できるリチウムイオン二次電池を製造可能な非水系二次電池活物質被覆用樹脂及びそれを被覆した活物質を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)並びに上記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)、上記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基をそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる架橋剤(b)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、上記エステル化合物(a11)と上記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[上記エステル化合物(a11)/上記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10である非水系二次電池活物質被覆用樹脂;この非水系二次電池活物質被覆用樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質;並びにこの非水系二次電池活物質被覆用樹脂、有機溶剤及び非水系二次電池用活物質(Y)を混合しながら有機溶剤を留去する樹脂被覆工程を有する非水系二次電池用被覆活物質の製造方法である。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は活物質との接着性に優れ、かつ、電極とした際の電気伝導率が高いため、非水系二次電池活物質の表面を被覆することにより電池の内部抵抗の増加を抑制し、継続的な使用においても活物質表面から剥離することがない。また、そのため、電池の内部抵抗を増加させることなく、サイクル特性を良好に維持できる非水系二次電池を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)並びに上記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)及び上記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基をそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる架橋剤(b)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、上記エステル化合物(a11)と上記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[上記エステル化合物(a11)/上記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10である。
エステル化合物(a11)の含有量は、活物質との接着性等の観点から、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて10〜90重量%であり、好ましくは30〜85重量%であり、より好ましくは40〜70重量%である。
まず、エステル化合物(a11)を構成する炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールについて説明する。
炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールとしては、ブチルアルコール(n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール)、ペンチルアルコール(n−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール等)、ヘキシルアルコール(1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等)、ヘプチルアルコール(n−ヘプチルアルコール、1−メチルヘキシルアルコール、2−メチルヘキシルアルコール等)、オクチルアルコール(n−オクチルアルコール、1−メチルヘプタノール、1−エチルヘキサノール、2−メチルヘプタノール、2−エチルヘキサノール等)、ノニルアルコール(n−ノニルアルコール、1−メチルオクタノール、1−エチルヘプタノール、1−プロピルヘキサノール、2−エチルヘプチルアルコール等)、デシルアルコール(n−デシルアルコール、1−メチルノニルアルコール、2−メチルノニルアルコール、2−エチルオクチルアルコール等)、ウンデシルアルコール(n−ウンデシルアルコール、1−メチルデシルアルコール、2−メチルデシルアルコール、2−エチルノニルアルコール等)、ラウリルアルコール(n−ラウリルアルコール、1−メチルウンデシルアルコール、2−メチルウンデシルアルコール、2−エチルデシルアルコール、2−ブチルヘキシルアルコール等)等が挙げられる。
続いて、(メタ)アクリル酸(a12)について説明する。
本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を示しており、アクリル酸とメタクリル酸の混合物であってもよい。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物は、エステル化合物(a11)と(メタ)アクリル酸(a12)の重量比が10/90〜90/10であるため、これを重合してなる樹脂は、活物質との接着性が良好で剥離しにくい。
上記重量比は、好ましくは30/70〜85/15であり、より好ましくは40/60〜70/30である。
(メタ)アクリル酸(a12)の含有量は、活物質との接着性等の観点から、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて10〜90重量%であり、好ましくは15〜70重量%であり、より好ましくは30〜60重量%である。
続いて、架橋剤(b)について説明する。
架橋剤(b)は、(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)及び(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基とをそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。
なお、(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)は、ラジカル重合性を有する基を有する化合物を含まず、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)は、(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応し得る基を有する化合物を含まないものとする。すなわち、(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有し且つラジカル重合性基を1つ以上有する化合物、及び、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有し且つ(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応し得る基を1つ以上有する化合物は、(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基をそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)とする。
(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)は、モノマーのラジカル重合時に添加して同時に反応させても良いし、ラジカル重合が終了した後に添加して反応させることも可能である。
(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基としてはエポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。
これらのカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物としては、例えば、エポキシ基を2つ以上有するポリエポキシ化合物(b11)、ヒドロキシル基を2つ以上有するポリオール化合物(b12)及びアミノ基を2つ以上有するポリアミン化合物(b13)が挙げられる。
なお、モノマーとは単量体組成物を構成する各単量体[例えばエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)]を指す。
ポリエポキシ化合物(b11)としては、例えば、エポキシ当量80〜2,500のもの、例えばグリシジルエーテル[ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル)、ポリエチレングリコール(Mw200〜2,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(Mw200〜2,000)ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド1〜20モル付加物のジグリシジルエーテル等];グリシジルエステル(フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル等);グリシジルアミン(N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等);脂肪族エポキシド(エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等);脂環式エポキシド(リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等)が挙げられる。
ポリオール化合物(b12)としては、例えば、低分子多価アルコール{炭素数2〜20の脂肪族及び脂環式のジオール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜15の芳香環含有ジオール[m−及びp−キシリレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];炭素数3〜8のトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価以上の多価アルコール[ペンタエリスリトール、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フルクトース、ショ糖、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜20)等]等}及びこれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(重合度=2〜30)等が挙げられる。
ポリアミン化合物(b13)としては、炭素数2〜36の脂肪族ポリアミン[エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチエレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等のポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等]、炭素数6〜20の脂環式ポリアミン(1,3−又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−又は2,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、4,4’−又は2,4’−メチレンビスアニリン等)、炭素数3〜20の複素環式ポリアミン(2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等)、ヒドラジン又はその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド)及び炭素数2〜20のアミノアルコール類(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール及びトリエタノールアミン)等が挙げられる。これらの内、得られる樹脂の強度及び伸度の観点から好ましいのは炭素数6〜20の芳香族ジアミンであり、更に好ましいのは、4,4’−ジアミノジフェニルメタンである。
ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)はモノマーのラジカル重合時に添加して同時に共重合させることが有効である。
モノマーをラジカル重合反応させる際に反応活性点と反応しうる基、すなわち、ラジカル重合性を有する基としてはビニル基、ビニリデン基及びビニレン基が挙げられる。すなわち、ラジカル重合性基を2つ以上有する化合物としては、例えばビニル基、ビニリデン基及びビニレン基からなる群から選ばれる少なくとも2個の基を有するポリビニル化合物(b21)が挙げられる。
ポリビニル化合物(b21)としては、例えば、末端にビニル基及び/又はビニリデン基を合計2個以上有する炭化水素(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等)、ビニルエーテル[ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、ピロガロールトリビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ポリエチレングリコール(Mw200〜2,000)ジビニルエーテル、ポリプロピレングリコール(Mw200〜2,000)ジビニルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド1〜20モル付加物のジビニルエーテル等];ビニルエステル(フタル酸ジビニル、トリメリット酸トリビニル、ダイマー酸ジビニル、アジピン酸ジビニル等;アリルエステル(フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ダイマー酸ジアリル、アジピン酸ジアリル等);ビニルアミン(N,N−ジビニルアニリン、N,N−ジビニルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラビニルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラビニルキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジビニルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラビニルヘキサメチレンジアミン等);ジ(メタ)アクリレート(1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート)等が挙げられる。
カルボキシル基と反応しうる基と、ラジカル重合性を有する基とをそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)はモノマーのラジカル重合時に添加して反応させても良いし、ラジカル重合が終了した後にカルボキシル基と、カルボキシル基と反応しうる基を引き続き反応させることも可能である。
上記の構造を有する化合物としては、例えば、1つのエポキシ基と、ビニル基、ビニリデン基又はビニレン基のいずれか1つを有するエポキシビニル化合物(b31)が挙げられる。
エポキシビニル化合物(b31)としては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(3−ビニルベンジル)グリシジルエーテル、(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルが挙げられる。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、架橋剤(b)により架橋されることで樹脂強度及び電解液に対する耐性を向上させることができる。
架橋剤(b)の含有量は、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて1〜5重量%であることが好ましい。架橋剤(b)の上記含有量が1重量%未満であると被覆した樹脂が溶解する恐れがあり、また5重量%を超えると樹脂がゲル化を起こすため活物質への被覆工程において活物質表面を充分に被覆できなくなることが懸念される。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物は、更に炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a13)を含有していてもよい。エステル化合物(a13)を含有することで活物質に被覆した樹脂による活物質の体積変化を抑制効果が更に良好となる。
エステル化合物(a13)を構成する炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが挙げられる。
エステル化合物(a13)の含有量は、活物質の体積変化抑制等の観点から、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて、10〜200重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜150重量%であり、更に好ましくは20〜100重量%である。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、内部抵抗等の観点から、更に、重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a14)を含有することが好ましい。
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基及びカルボキシル基等が挙げられる。
重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体はこれらの組み合わせにより得られる化合物であり、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び(メタ)アクリル酸が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
アニオン性単量体の塩(a14)を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
アニオン性単量体の塩(a14)としては、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸リチウム等が挙げられる。
アニオン性単量体の塩(a14)の含有量は、内部抵抗等の観点から、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて0.1〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは2〜10重量%である。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂の重量平均分子量は、活物質との接着性等の観点から、20,000〜500,000であることが好ましく、より好ましくは22,000〜480,000であり、更に好ましくは25,000〜450,000である。
なお、本明細書における非水系維持電池活物質被覆用樹脂の重量平均分子量は、以下の条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCと略記する)により測定される。
<GPCの測定条件>
装置:AllianceGPCV2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel10μm、MIXED−B2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
単量体組成物には、エステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、架橋剤(b)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の他に、活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)が含まれていてもよい。
活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)としては、下記(c1)〜(c6)が挙げられる。
活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマーの含有量は、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて0.5〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは2〜10重量%である。
(c1)炭素数13〜20のモノオールと(メタ)アクリル酸から形成されるカルビル(メタ)アクリレート
上記モノオールとしては、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール及びアラキジルアルコール等が挙げられる。
(c2)炭素数6〜20の脂環式又は芳香脂肪族モノオールと(メタ)アクリル酸から形成されるカルビル(メタ)アクリレート
脂環式モノオールとしては、シクロヘキシルアルコール等が挙げられる。
芳香脂肪族モノオールとしては、ベンジルアルコール等が挙げられる。
(c3)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)アルキル(炭素数1〜18)エーテル(メタ)アクリレート[メタノールのエチレンオキシド(以下EOと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート及びメタノールのプロピレンオキシド(以下POと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート等]。
(c4)窒素含有ビニル化合物
(c4−1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド化合物[N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)又はジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド及びN,N−ジベンジルアクリルアミド等)]及びジアセトンアクリルアミド等。
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物(N−メチル−N−ビニルアセトアミド等)及び環状アミド[炭素数6〜13のピロリドン化合物(N−ビニルピロリドン等)]等。
(c4−2)(メタ)アクリレート化合物
(i)ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びモルホリノエチル(メタ)アクリレート等]。
(ii)4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート{3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]をハロゲン化アルキル等の4級化剤を用いて4級化した4級化物等}。
(c4−3)複素環含有ビニル化合物
炭素数7〜14のピリジン化合物(2−又は4−ビニルピリジン等)、炭素数5〜12のイミダゾール化合物(N−ビニルイミダゾール等)、炭素数6〜13のピロール化合物(N−ビニルピロール等)及び炭素数6〜13のピロリドン化合物(N−ビニル−2−ピロリドン等)等。
(c4−4)ニトリル基含有ビニル化合物
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物[(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート等]等。
(c4−5)その他ビニル化合物
炭素数8〜16のニトロ基含有ビニル化合物(ニトロスチレン等)等。
(c5)ビニル炭化水素
(c5−1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2〜18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)等。
(c5−2)脂環式ビニル炭化水素
炭素数4〜18又はそれ以上の環状不飽和化合物{シクロアルケン(シクロヘキセン等)、(ジ)シクロアルカジエン[(ジ)シクロペンタジエン等]及びテルペン(ピネン、リモネン及びインデン等)等}等。
(c5−3)芳香族ビニル炭化水素
炭素数8〜20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物及びそれらの誘導体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン及びベンジルスチレン等)等。
(c6)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、不飽和ジカルボン酸ジエステル
(c6−1)ビニルエステル
炭素数4〜15の脂肪族ビニルエステル[脂肪族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソプロペニルアセテート及びビニルメトキシアセテート等)等]、炭素数9〜20の芳香族ビニルエステル[芳香族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(ビニルベンゾエート及びメチル−4−ビニルベンゾエート等)及び脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(アセトキシスチレン等)等]等。
(c6−2)ビニルエーテル
炭素数3〜15の脂肪族ビニルエーテル[ビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニル−2−エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル(ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル及びビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)]及び炭素数8〜20の芳香族ビニルエーテル(ビニルフェニルエーテル及びフェノキシスチレン等)等。
(c6−3)ビニルケトン
炭素数4〜25の脂肪族ビニルケトン(ビニルメチルケトン及びビニルエチルケトン等)及び炭素数9〜21の芳香族ビニルケトン(ビニルフェニルケトン等)等。
(c6−4)不飽和ジカルボン酸ジエステル
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル[ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は炭素数1〜22である直鎖、分枝鎖又は脂環式の基)及びジアルキルマレエート(2個のアルキル基は炭素数1〜22である直鎖、分枝鎖又は脂環式の基)等]等。
なお、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物において、上記活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)を2種類以上併用してもよい。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂のガラス転移点[以下Tgと略記、測定法:DSC(走査型示差熱分析)法]は、電池の耐熱性の観点から好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは70〜180℃、とくに好ましくは80〜150℃である。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物を重合させる方法としては、公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)を用いることができる。
重合に際しては、公知の重合開始剤〔アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル等)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等]、パーオキシド系開始剤(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド等)]等〕を使用して行うことができる。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%である。
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、例えばエステル(炭素数2〜8、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1〜8、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール及びオクタノール)、炭素数5〜8の直鎖、分岐又は環状構造を持つ炭化水素(例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン及びキシレン)、アミド[例えばN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)及びジメチルアセトアミド]、エーテル(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル)及びケトン(炭素数3〜9、例えばメチルエチルケトン)が挙げられ、使用量はモノマーの全重量に基づいて通常5〜900%、好ましくは10〜400%であり、モノマー濃度としては、通常10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%である。
乳化重合及び懸濁重合における分散媒としては、水、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)、軽ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10〜24)金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高級アルコール(炭素数10〜24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル酸スルホエチルナトリウム、メタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げられる。さらに安定剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を加えてもよい。
溶液又は分散液のモノマー濃度は通常5〜95重量%、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて通常0.01〜5%、粘着力及び凝集力の観点から好ましくは0.05〜2%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等)及びハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。使用量はモノマーの全重量に基づいて通常2%以下、粘着力及び凝集力の観点から好ましくは0.5%以下である。
また、重合反応における系内温度は通常−5℃以上、好ましくは30℃以上である。
単量体組成物の重合反応において、エステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)及び架橋剤(b)を同時に反応させてもよく、まずエステル化合物(a11)と(メタ)アクリル酸(a12)を反応させて(a11)と(a12)の重合体を得て、その後に架橋剤(b)を反応させてもよい。
架橋剤(b)はエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の重合反応開始と同時に添加されてもよく、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の重合反応後に添加されてもよい。
架橋剤(b)がポリエポキシ化合物(b11)、ポリオール化合物(b12)、エポキシビニル化合物(b31)である場合には、架橋剤(b)をエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の重合反応後に添加することが好ましい。
架橋剤(b)をエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の重合反応後に添加する場合の重合温度は、架橋剤(b)がポリエポキシ化合物(b11)の場合120℃以上が特に好ましく、架橋剤(b)がポリオール化合物(b12)の場合190℃以上が特に好ましく、架橋剤(b)がエポキシビニル化合物(b31)の場合120℃以上が特に好ましい。
反応時間は通常0.1〜50時間、好ましくは2〜24時間であり、反応の終点は、未反応単量体の量が使用した単量体全量の通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下となることにより確認できる。
続いて、本発明の非水系二次電池用被覆活物質について説明する。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着したものである。
なお、電池の内部抵抗等の観点から、本発明の非水系二次電池用被覆活物質には導電助剤(X)を用いることが好ましい。すなわち、非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂と導電助剤(X)とが非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着したものであってもよい。
導電助剤(X)としては、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤(X)は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤(X)とは、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[上記した(X)のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤(X)の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤(X)の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μm程度であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤(X)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
非水系二次電池活物質被覆用樹脂と導電助剤(X)の配合比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で非水系二次電池活物質被覆用樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤(X)=1:0.2〜1:80であることが好ましく、1:0.2〜1:60であることがより好ましく、1:0.2〜1:3.0であることが特に好ましい。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用活物質(Y)及び必要に応じて導電助剤(X)を混合することによって製造することができる。
非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用活物質(Y)及び導電助剤(X)を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した非水系二次電池活物質被覆用樹脂と導電助剤(X)からなる樹脂組成物を非水系二次電池用活物質(Y)とさらに混合してもよいし、非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用活物質(Y)及び導電助剤(X)を同時に混合してもよいし、非水系二次電池用活物質(Y)に非水系二次電池活物質被覆用樹脂を混合し、さらに導電助剤(X)を混合してもよい。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質においては、非水系二次電池活物質被覆用樹脂及び必要に応じて添加される導電助剤(X)が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着したものであってもよい。
非水系二次電池用活物質(Y)としては、リチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)及びリチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)が挙げられる。
リチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができるものであれば特に限定されないが、好ましいものとしてはリチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(LiFeMnO、LiNi1−xCo、LiMn1−yCo、LiNi0.8Co0.15Al0.05及びLiNi1/3Co1/3Al1/3等)、遷移金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)]等}等、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO、LiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
リチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いることができるものであれば特に制限されないが、好ましいものとしては黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(フェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(ポリアセチレン、ポリキノリン及びポリピロール等)、スズ、シリコン、及び金属合金(リチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等が挙げられる。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、例えば、非水系二次電池用活物質(Y)を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含む樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、さらに必要に応じて導電助剤(X)を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持し、有機溶媒を留去することにより得ることができる。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質における非水系二次電池用活物質(Y)と非水系二次電池活物質被覆用樹脂の配合比率は特に限定されるものではないが、重量比率で非水系二次電池用活物質(Y):非水系二次電池活物質被覆用樹脂=1:0.001〜1:0.1であることが好ましい。
続いて、本発明の非水系二次電池用被覆活物質を用いた非水系二次電池用電極について説明する。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、従来公知の方法により電極とすることができる。
例えば、本発明の非水系二次電池用被覆活物質を、水又は溶媒の重量に基づいて30〜60重量%の濃度で分散してスラリー化した分散液を、集電体にバーコーター等の塗工装置で塗布後、乾燥して水又は溶媒を除去して、必要によりプレス機でプレスすることによって、非水系二次電池用電極が得られる。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池用活物質被覆用樹脂により被覆されているため、電極を作製する際に導電助剤やバインダーを加える必要はないが、上記スラリーに炭素繊維を加えることは、電極の電気抵抗率をさらに低下させる観点から有用である。
非水系二次電池用活物質(Y)としてリチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)を用いることによりリチウムイオン二次電池用の正極が得られ、リチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)を用いることによりリチウムイオン二次電池用の負極が得られる。
溶媒としては、1−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、DMF、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
集電体としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子及び導電性ガラス等が挙げられる。
バインダーとしてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の高分子化合物が挙げられる。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質を含む電極を用いたリチウムイオン二次電池は、対極となる電極を組み合わせて、セパレーターと共にセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することで得られる。
また、集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレーターと積層してセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することでも得られる。
また、正極、負極を共に本発明の非水系二次電池用被覆活物質を含む電極としてリチウムイオン二次電池としてもよい。
セパレーターとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン製フィルムの微多孔膜、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等が挙げられる。
電解液としては、リチウムイオン二次電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する電解液を使用することができる。
電解質としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えばLiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPFである。
非水溶媒としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン及びこれらの混合物を用いることができる。
ラクトン化合物としては、5員環(γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ−バレロラクトン等)等を挙げることができる。
環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)及びブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−トリフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン及び2−メトキシエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液である。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
<実施例1:ポリエポキシ化合物(b11)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにイソプロピルアルコール(以下、IPAと略記する)70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル50部、メタクリル酸50部、及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃に昇温し反応を1時間継続した。次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液にデナコールEX−810[ナガセケムテックス(株)製エチレングリコールジグリシジルエーテルエポキシ当量:113]3部を投入して5分間撹拌し均一に混合し、テフロン(登録商標)製のバットに移した。80℃、0.09MPaで3時間、減圧乾燥でIPAを留去した。次いで、100℃に昇温し1時間、更に120℃、0.01MPaで1時間、減圧乾燥器で加熱を行ない共重合樹脂を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−1)を得た。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は78,000であった。
<GPCの測定条件>
装置:AllianceGPCV2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel10μm、MIXED−B2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
<実施例2:ポリビニル化合物(b21)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル50部、メタクリル酸50部、二アクリル酸1,4−ブタンジオール3部(シグマ・アルドリッチ社製)及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移し80℃、0.09MPaで3時間、その後80℃、0.01MPaで1時間、の減圧乾燥でIPAを留去し共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−2)を得た。
以下の条件によるGPCで測定した共重合体の重量平均分子量は84,000であった。
<実施例3:ポリビニル化合物(b21)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30部、メタクリル酸10部、メタクリル酸メチル60部、ジビニルベンゼン(東京化成工業(株)製)2.5部及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移し80℃、0.09MPaで3時間、その後80℃、0.01MPaで1時間、の減圧乾燥でIPAを留去し共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−3)を得た。
以下の条件によるGPCで測定した共重合体の重量平均分子量は71,000であった。
<実施例4:ポリエポキシ化合物(b11)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル15部、スチレンスルホン酸ナトリウム5部及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃に昇温し反応を1時間継続した。次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液にデナコールEX−841[ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルエポキシ当量:372]3部を投入して5分間撹拌し均一に混合し、テフロン(登録商標)製のバットに移した。80℃、0.09MPaで3時間、減圧乾燥でIPAを留去した。次いで、100℃に昇温し1時間、更に120℃、0.01MPaで1時間、減圧乾燥器で加熱を行い共重合樹脂を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−4)を得た。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は68,000であった。
<実施例5:ポリビニル化合物(b21)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル15部、スチレンスルホン酸ナトリウム5部、二アクリル酸1,4−ブタンジオール3部及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移し80℃、0.09MPaで3時間、その後80℃、0.01MPaで1時間、の減圧乾燥でIPAを留去し共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−5)を得た。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は69,000であった。
<実施例6:ポリエポキシ化合物(b11)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30部、メタクリル酸ブチル10部、アクリル酸35部、メタクリル酸メチル20部、スチレンスルホン酸リチウム1部、スチレン4部IPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃に昇温し反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液にjER828[三菱化学(株)製ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ当量:184〜194]3.5部を投入して5分間撹拌し均一に混合し、テフロン(登録商標)製のバットに移した。80℃、0.09MPaで3時間、減圧乾燥でIPAを留去した。次いで、100℃に昇温し1時間、更に120℃、0.01MPaで1時間、減圧乾燥器で加熱を行い共重合樹脂を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−6)を得た。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は68,000であった。
<実施例7:ポリビニル化合物(b21)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ドデシル20部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル34部、アリルスルホン酸ナトリウム1部、メタクリル酸セチルとメタクリル酸ステアリルの混合物5部、ジビニルベンゼン(東京化成工業(株)製)3.5部及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃に昇温し反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移し80℃、0.09MPaで3時間、その後80℃、0.01MPaで1時間、の減圧乾燥でIPAを留去し共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−7)を得た。
以下の条件によるGPCで測定した共重合体の重量平均分子量は94,000であった。
<実施例8:ポリエポキシ化合物(b11)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30部、メタクリル酸10部、メタクリル酸メチル57部、スチレンスルホン酸リチウム3部及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃に昇温し反応を1時間継続した。次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液にデナコールEX−810[ナガセケムテックス(株)製エチレングリコールジグリシジルエーテルエポキシ当量:113]3部を投入して5分間撹拌し均一に混合し、テフロン(登録商標)製のバットに移した。80℃、0.09MPaで3時間、減圧乾燥でIPAを留去した。次いで、100℃に昇温し1時間、更に120℃、0.01MPaで1時間、減圧乾燥器で加熱を行い共重合樹脂を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−8)を得た。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は86,000であった。
<実施例9:ポリビニル化合物(b21)で架橋した活物質被覆用樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにIPA70部を仕込み70℃に昇温した。次いで、メタクリル酸3−エチルヘキシル35部、メタクリル酸42部、メタクリル酸メチル20部、スチレンスルホン酸リチウム2部、メタクリル酸リチウム1部、二アクリル酸1,4−ブタンジオール3部及びIPA20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5部をIPA10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
次いで2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部をIPA1部に溶解した開始剤溶液を投入しさらに反応を3時間継続して共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移し80℃、0.09MPaで3時間、その後80℃、0.01MPaで1時間、の減圧乾燥でIPAを留去し共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−9)を得た。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は82,000であった。
<比較例1〜2>
架橋剤(b)を添加しないほかは、実施例1、3と同様の方法で比較例1〜2に係る樹脂粉末(A’−1)〜(A’−2)を得た。GPCで測定した共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
Figure 0006811007
なお、表1に記載の各成分の含有量はすべて、エステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の合計量を基にしている。
[リチウムイオン二次電池用被覆正極活物質の作製]
<実施例10>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)0.1部及びDMF9.9部を配合し樹脂濃度1%の樹脂混合液を調製した。
コーヒーミルにコバルト酸リチウム95部、樹脂混合液10部を投入し室温、1分間の混合撹拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]4.9部を投入しさらに5分間の混合撹拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、実施例10に係る被覆正極活物質(D−1)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例11>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を実施例2で作製した樹脂粉末(A−2)に変更し、コバルト酸リチウムの添加量を95部から91.9部に変更し、アセチレンブラックの添加量を4.9部から8部に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−2)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例12>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を実施例3で作製した樹脂粉末(A−3)に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−3)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例13>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を実施例4で作製した樹脂粉末(A−4)に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−4)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例14>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)0.1部を実施例5で作製した樹脂粉末(A−5)1部に変更し、DMFの添加量を9.9部から9部に変更して樹脂濃度10%の樹脂混合液を調製し、コバルト酸リチウムの添加量を95部から94.1部に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−5)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例15>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)0.1部を実施例6で作製した樹脂粉末(A−6)3部に変更し、DMFの添加量を9.9部から12部に変更して樹脂濃度20%の樹脂混合液を調製し、コバルト酸リチウムの添加量を95部から91部に変更し、アセチレンブラックの添加量を4.9部から6部に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−6)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例16>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)0.1部を実施例7で作製した樹脂粉末(A−7)5部に変更し、DMFの添加量を9.9部から15部に変更して樹脂濃度25%の樹脂混合液を調製し、コバルト酸リチウムの添加量を95部から90部に変更し、アセチレンブラックの添加量を4.9部から5部に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−7)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例17>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を(A−8)に変更し、コバルト酸リチウムの添加量を95部から93.9部に変更し、アセチレンブラックの添加量を4.9部から6部に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−8)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<実施例18>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)0.1部を(A−9)0.5部に変更し、DMFの添加量を9.9部から9.5部に変更して樹脂濃度5%の樹脂混合液を調製し、コバルト酸リチウムの添加量を95部から94.5部に変更し、アセチレンブラックの添加量を4.9部から5部に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D−9)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<比較例3>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を(A’−1)に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D’−1)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
<比較例4>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を(A’−2)に変更したほかは実施例10と同様の手順で被覆正極活物質(D’−2)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
Figure 0006811007
[リチウムイオン二次電池用被覆負極活物質の作製]
<実施例19>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)1部及びDMF19部を配合し樹脂濃度5重量%の樹脂混合液を調製した。
コーヒーミルに黒鉛粉末[日本黒鉛工業(株)製]88部、樹脂混合液20部を投入し室温、1分間の混合撹拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]11部を投入しさらに5分間の混合撹拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、実施例19に係る被覆負極活物質(E−1)を得た。組成を表3に示す。
<実施例20>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を実施例2で作製した樹脂粉末(A−2)に変更したこと以外は実施例19と同様の方法で被覆負極活物質(E−2)を得た。組成を表3に示す。
<実施例21>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)1部を実施例3で作製した樹脂粉末(A−3)5部に変更し、DMFの添加量を19部から15部に変更して樹脂濃度20%の樹脂混合液を調製し、黒鉛粉末の添加量を88部から85部に変更し、アセチレンブラックの添加量を11部から10部に変更したほかは実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E−3)を得た。組成を表3に示す。
<実施例22〜24>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を実施例4〜6で作製した樹脂粉末(A−4)〜(A−6)にそれぞれ変更したほかは、実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E−4)〜(E−6)を得た。組成を表3に示す。
<実施例25>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)1部を実施例7で作製した樹脂粉末(A−7)5部に変更し、DMFの添加量を19部から15部に変更して樹脂濃度20%の樹脂混合液を調製し、黒鉛粉末の添加量を88部から90部に変更し、アセチレンブラックの添加量を11部から5部に変更したほかは実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E−7)を得た。組成を表3に示す。
<実施例26>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)1部を実施例8で作製した樹脂粉末(A−8)2部に変更し、DMFの添加量を19部から13部に変更して樹脂濃度13%の樹脂混合液を調製し、アセチレンブラックの添加量を11部から10部に変更したほかは実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E−8)を得た。組成を表3に示す。
<実施例27>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を実施例9で作製した樹脂粉末(A−9)に変更したほかは実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E−9)を得た。組成を表3に示す。
<比較例5>
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を比較例1で作製した樹脂粉末(A’−1)に変更したほかは実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E’−1)を得た。組成を表3に示す。
実施例1で作製した樹脂粉末(A−1)を比較例2で作製した樹脂粉末(A’−2)に変更したほかは実施例19と同様の手順で被覆負極活物質(E’−2)を得た。組成を表3に示す。
Figure 0006811007
<実施例28〜36及び比較例7〜8>
[リチウムイオン二次電池用正極の作製]
実施例10〜18及び比較例3〜4で作製した被覆正極活物質(D−1)〜(D−9)及び(D’−1)〜(D’−2)を10部、ジエチルカーボネート5部を乳鉢に投入、混練することで正極スラリーを得た。得られたスラリーを大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、50℃で15分間乾燥させた後、さらに120℃、0.01MPaで12時間減圧乾燥を行い15mmφに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用正極を作製した。
[リチウムイオン二次電池用負極の作製]
実施例19〜27及び比較例5〜6で作製した負極被覆活物質(E−1)〜(E−9)及び(E’−1)〜(E’−2)を10部、ジエチルカーボネート5部を乳鉢に投入、混練することで負極スラリーを得た。得られたスラリーを大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅電解箔上の片面に塗布し、50℃で15分間乾燥させた後、さらに120℃、0.01MPaで12時間減圧乾燥を行い15mmφに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用負極を作製した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、それぞれ、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、実施例28〜36及び比較例7〜8に係るリチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。
使用した被覆正極活物質及び被覆負極活物質を表4に示す。
室温(25℃)下、充放電測定装置「バッテリーアナライザ1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて4.2Vまで、定電流定電圧充電を行った。10分間の休止後、0.1Cの電流で2.5Vまで放電を行った。2サイクル目は0.2Cの電流で放電し、3サイクル目は0.5Cの電流で放電した。その後は1Cの電流での放電を197サイクル目までの194サイクル行い、198サイクル目は0.5Cの電流で、199サイクル目は0.2Cの電流で、200サイクル目は0.1Cの電流で放電を行った。
サイクル初期の内部抵抗は1〜4サイクル目におけるそれぞれの[「放電開始時の電圧値」と「放電して10秒後の電圧値」との差(ΔV)]と各サイクルの電流値(I)から降下電圧−電流グラフを作成し最小二乗法を用いてΔV=RIとなる抵抗値Rを算出した。サイクル後期の内部抵抗はサイクル初期と同様に197〜200サイクル目のΔVとIから抵抗Rを算出した。結果を表4に示す。
Figure 0006811007
表4に示された結果から、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂でリチウムイオン二次電池用活物質の表面を被覆することにより、リチウムイオン電池の内部抵抗を抑え、さらに充放電の繰り返しによる内部抵抗の増加を抑制することができ、良好なサイクル特性を示すことがわかる。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、電極の電気伝導率に優れるため、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆することにより電池の内部抵抗を抑えることができる。また、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、活物質との接着性に優れるため、充放電を繰り返した場合であっても樹脂が活物質表面から剥離しにくく、継続使用による内部抵抗の増加を抑制することができる。
また、本発明により得られる非水系二次電池用被覆活物質は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の活物質として有用である。

Claims (11)

  1. 炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)並びに前記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)及び前記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基とをそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる架橋剤(b)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、
    前記エステル化合物(a11)と前記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[前記エステル化合物(a11)/前記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10であり、
    前記単量体組成物が、更に重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a14)を含有し、
    前記単量体組成物の重量に対する前記アニオン性単量体の塩(a14)の重量割合が、1〜5重量%であり、
    前記アニオン性単量体の塩(a14)が、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン性単量体と、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種との塩である非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  2. 前記単量体組成物が、更に炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a13)を含有する請求項1に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  3. 前記エステル化合物(a13)の含有量が、前記エステル化合物(a11)及び前記(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて10〜200重量%である請求項2に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  4. 前記アニオン性単量体の塩(a14)の含有量が、前記エステル化合物(a11)及び前記(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて0.1〜15重量%である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  5. 前記(メタ)アクリル酸(a12)の含有量が、前記エステル化合物(a11)及び前記(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて15〜70重量%である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  6. 前記架橋剤(b)の含有量が、前記エステル化合物(a11)及び前記(メタ)アクリル酸(a12)の合計重量に基づいて1〜5重量%である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  7. 重量平均分子量が20,000〜500,000である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  8. 前記アニオン性単量体の塩(a14)が、アリルスルホン酸ナトリウム又はメタクリル酸リチウムである、請求項1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  9. 前記架橋剤(b)が、ポリビニル化合物(b21)である、請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質。
  11. 非水系二次電池活物質被覆用樹脂、有機溶剤及び非水系二次電池用活物質(Y)を混合しながら有機溶剤を留去する樹脂被覆工程を有し、
    前記非水系二次電池活物質被覆用樹脂が、炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)並びに前記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)及び前記(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基とをそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる架橋剤(b)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、前記エステル化合物(a11)と前記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[前記エステル化合物(a11)/前記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10であり、
    前記単量体組成物が、更に重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a14)を含有し、
    前記単量体組成物の重量に対する前記アニオン性単量体の塩(a14)の重量割合が、1〜5重量%であり、
    前記アニオン性単量体の塩(a14)が、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン性単量体と、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種との塩である、非水系二次電池用被覆活物質の製造方法。
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