JP7160852B2 - リチウムイオン電池用正極及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、充放電に伴う電極活物質層の体積変化に伴う課題を解決するために、集電体と電極活物質層の間に圧力緩和層を配置する方法が開示されている。また、特許文献2には、電解液に浸漬した際の吸液率が10%以上であり、飽和吸液状態での引張破断伸び率が10%以上である樹脂を用いて電極活物質の表面を被覆することで電極の体積変化を緩和する方法が開示されている。
なお、本明細書において、リチウムイオン電池と記載する場合、リチウムイオン二次電池も含む概念とする。
上記集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。
これらの材料のうち、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、導電性高分子材料であることが好ましい。
集電体の厚さは、特に限定されないが、50~500μmであることが好ましい。
上記樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては例えば、導電性高分子や樹脂に、必要に応じて導電剤を添加したものを用いることができる。
導電性高分子材料を構成する導電剤としては、金属系導電剤[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅、チタン及びこれらの金属を含む合金等]、炭素系導電剤[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電剤及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電剤であり、特に好ましくは炭素系導電剤である。
またこれらの導電剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電剤のうち金属系導電剤]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン及びポリシクロオレフィンが好ましく、さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテンである。
まず、樹脂、導電剤及び必要に応じてその他の成分を混合することにより、樹脂集電体用材料を得る。
混合の方法としては、導電性フィラーのマスターバッチを得てから、さらに樹脂と混合する方法、樹脂、導電剤及び必要に応じてその他の成分のマスターバッチを用いる方法、及び、全ての原料を一括して混合する方法等があり、その混合にはペレット状又は粉体状の成分を適切な公知の混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー及びロールを用いることができる。
正極組成物層は、集電体と接着されていない。
上記正極組成物層は、正極活物質粒子表面の少なくとも一部が高分子化合物(A)を含む被覆層で被覆された被覆正極活物質粒子と導電助剤とを含む。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
上記共重合体(A1)、(A2)及び(A3)の構成単量体に含まれる1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートの重量割合は、超臨界流体中に共重合体を溶解させ、得られたオリゴマー成分をガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)法で解析する等の方法で測定することができる。
高分子化合物(A)のMwは200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましい。また、高分子化合物(A)のMwは、30,000以上であることが好ましく、60,000以上であることがより好ましい。
装置:高温ゲルパーミエイションクロマトグラフ[「AllianceGPC V2000」、Waters(株)製]
溶媒:オルトジクロロベンゼン
基準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED-B 2本直列[ポリマーラボラトリーズ(株)製]
カラム温度:135℃
重合開始剤の使用量は、Mwを好ましい範囲に調整する等の観点から、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%、さらに好ましくは0.1~1.5重量%であり、重合温度及び重合時間は重合開始剤の種類等に応じて調整されるが、重合温度は好ましくは-5~150℃、(より好ましくは30~120℃)、反応時間は好ましくは0.1~50時間(より好ましくは2~24時間)で行われる。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン等)及び/又はハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。
上記正極活物質粒子の重量に対する上記高分子化合物(A)の重量割合は特に限定されるものではないが、被覆正極活物質粒子間の位置を固定する観点、及び、正極組成物層の成形性の観点から0.1~10重量%であることが好ましい。
上記正極組成物層に含まれる上記導電助剤の重量割合は、電気特性の観点から、上記正極組成物層の重量を基準として0.1~10重量%であることが好ましい。
上記導電助剤は、正極活物質粒子を覆う被覆層に含まれていてもよいし、上記被覆層以外に含まれていてもよい。
本発明において、集電体と正極組成物層とが接着されていないとは、集電体と正極組成物層との接着強さが20N以下であることを指す。集電体と正極組成物層との接着強さは、JIS K6850:1999の接着強さ試験に準拠して測定することができる。測定条件等は以下の通りである。
試験環境:25℃ 湿度50%
測定装置:島津AUTOGRAPH AGS-10kNX
測定条件:試験片にはJIS規格の金属板ではなく、集電体を用いた。電池セル内部での環境を再現するため、集電体と正極組成物層との接着面に1kgf/cm2の荷重をかけた状態で測定を行った。
本発明のリチウムイオン電池用正極の製造方法は、集電体と上記集電体の表面に配置された正極組成物層とを有するリチウムイオン電池用正極の製造方法であって、正極活物質粒子表面の少なくとも一部が高分子化合物(A)を含む被覆層で被覆された被覆正極活物質粒子と導電助剤とを含む正極組成物を圧縮成形して正極組成物層を作製する工程と、上記正極組成物層を上記集電体上に載せ替える工程とを有し、上記高分子化合物(A)が、メタクリル酸、ラウリルメタクリレート及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A1)、イソボルニルメタクリレート及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A2)、又は、ラウリルメタクリレート、メタクリル酸-2-エチルヘキシル及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A3)であり、上記共重合体の構成単量体に含まれる1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートの重量割合が上記共重合体の構成単量体の合計重量を基準として0.2~1重量%であり、上記高分子化合物(A)の重量平均分子量が300,000以下であることを特徴とする。
圧縮成形は、油圧プレス装置等の任意の加圧装置及び加圧治具を用いて行うことができる。例えば、円筒形状の有底容器内に正極組成物を入れて、その上から上記有底容器の内径より少しだけ小さい径の丸棒形状の加圧治具を挿入し、加圧装置により圧縮することで円柱形状に成形された成形体である正極組成物層が得られる。
加圧治具の形状を変更することにより、任意の形状の成形体を得ることができる。
離型材としては、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙等の離型紙や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)等の非フッ素樹脂や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の含フッ素樹脂等の離型フィルムが挙げられる。
正極組成物層を集電体上に載せ替える方法は特に限定されず、公知の転写方法を用いることができる。例えば、上記圧縮成形する工程で離型材上に成形された正極組成物層を集電体上に重ね、離型材を剥離することで本発明のリチウムイオン電池用正極を得ることができる。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF66.46部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸4.6部、ラウリルメタクリレート95.0部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.4部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し、再び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液を撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下した。滴下後反応を3時間継続し樹脂濃度30%の被覆層用高分子化合物(A-1)溶液を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF66.46部を仕込み75℃に昇温した。次いで、イソボルニルメタクリレート99.55部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.45部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し、再び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液を撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下した。滴下後反応を3時間継続し樹脂濃度30%の被覆層用高分子化合物(A-2)溶液を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF66.46部を仕込み75℃に昇温した。次いで、ラウリルメタクリレート29.5部、メタクリル酸-2-エチルヘキシル70.0部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.5部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し、再び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液を撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下した。滴下後反応を3時間継続し樹脂濃度30%の被覆層用高分子化合物(A-3)溶液を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF66.46部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸-2-エチルヘキシル69.5部、Ω-メタクリロイル-ポリメタクリル酸メチル30.0部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.5部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し、再び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下した。滴下後反応を3時間継続し樹脂濃度30%の被覆層用高分子化合物(A’-1)溶液を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF66.46部を仕込み75℃に昇温した。次いで、イソボルニルメタクリレート20.0部、アクリル酸-2-エチルヘキシル49.5部、ブチルメタクリレート30.0部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.5部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し、再び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下した。滴下後反応を3時間継続し樹脂濃度30%の被覆層用高分子化合物(A’-2)溶液を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF66.46部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸4.75部、ラウリルメタクリレート95.15部、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.10部、及びDMF116.50部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し、再び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部をDMF29.15部に溶解した開始剤溶液とを撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下した。滴下後反応を3時間継続し樹脂濃度30%の被覆層用高分子化合物(A’-3)溶液を得た。
正極活物質粉末(C-1)(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2粉末、体積平均粒子径4μm)96部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、製造例1で得られた被覆用高分子化合物溶液(A-1)6.667部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤としてアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)]2.0部を分割しながら26分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、被覆正極活物質粒子(CA-1)を得た。
正極活物質粉末(C-2)(LiMnO2粉末、体積平均粒子径15μm)91.5部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、製造例1で得られた被覆用高分子化合物溶液(A-1)7.0部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤としてアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)] 6.4部を分割しながら26分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、被覆正極活物質粒子(CA-4)を得た。
エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶媒(体積比率1:1)にLiPF6を1mol/Lの割合で溶解させ、リチウムイオン電池用電解液を作製した。
2軸押出機にて、商品名「サンアロマーPB522M」[サンアロマー(株)製]10部、商品名「サンアロマーPM854X」[サンアロマー(株)製]25部、商品名「サンテックB680」[旭化成ケミカルズ(株)製]10部、黒鉛粒子「SNG-WXA1」40部、アセチレンブラック1「エンサコ250G」10部及び商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」[三洋化成工業(株)製]5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して樹脂集電体用材料を得た。
得られた樹脂集電体用材料をTダイから押し出し、50℃に温調した冷却ロールで圧延することで、樹脂集電体を得た。
製造例7で得た被覆正極活物質粒子(CA-1)5gと導電助剤である炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)製 ドナカーボ・ミルド S-242]0.026gと薄片状黒鉛[日本黒鉛(株)製 UP-5-α]0.2632gを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて1500rpmで3分間混合した。
さらに、製造例9で作製した電解液0.14gを加えて1500rpmで1分間混合する工程を2回繰り返し、合計0.28gの電解液を加えて、正極組成物を得た。
上記正極組成物0.217gを秤量し、内径15mmの円筒形状の有底容器内に入れて加圧装置により圧縮することで円柱形状に成形された正極組成物層(CE-1)を得た。
加圧条件は、加圧圧力150MPa、加圧時間5秒であり、加圧装置(加圧治具)の温度は加圧時の室温と等しく20℃であった。
被覆正極活物質粒子(CA-1)を被覆正極活物質粒子(CA-2)~(CA-6)、(CA’-1)~(CA’-6)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして正極組成物層(CE-2)~(CE-6)、(CE’-1)~(CE’-6)を作製した。組合せの詳細は表2の通りである。
厚み1mmのPP製シート(アズワン社製)を2cm角に切り出したものを準備し、中心部にφ18mmの穴を設けた。作製した正極組成物層(CE-1)とφ15mmに切り出したLi箔とを、PP製セパレーター(セルガード社製)φ18mmを挟んで両極に配置した状態で、PP製シートの中心部に設けられたφ18mmの穴の中に納め、電解液を正極組成物層(CE-1)及びセパレーターの空隙に対して110%となるように注液し、正極組成物層(CE-1)及びLi箔のそれぞれの外側に製造例10で得た樹脂集電体及び銅箔を2cm角に切り出したものを配置した。これを減圧ヒートシールして、評価用セルを作製した。
このとき、樹脂集電体にリード付きの2cm角のAl箔を当て、銅箔にリード付きの2cm角のCu箔を当てて、リードだけが外に出るようにしてアルミラミネートパックで減圧ヒートシールした。それぞれのリードを充放電装置「HJ0501SM8A」[北斗電工(株)製]に接続し、以下の条件でDCRの評価を行った。
1Cで4.2VまでCC-CV(カットオフ電流0.01C)で充電を行い、1時間休止したのち、0.1Cで2.5Vまで放電を行った。放電を行う直前の電圧をV0、放電後10秒経過後の電圧をV1、放電中の電流をI1とし、(V1-V0)/I1を直流抵抗(DCR)として各セルの内部抵抗評価を行った。評価は下記の基準で行った。結果は表2に記載した。
◎:DCRが15Ω・cm2未満
○:DCRが15Ω・cm2以上、21Ω・cm2未満
△:DCRが21Ω・cm2以上、26Ω・cm2未満
×:DCRが26Ω・cm2以上
DCR評価と同様に評価用セルを充放電装置に接続し、以下の条件でサイクル特性の評価を行った。
0.1Cで4.2CまでCC-CV(カットオフ電流0.01C)で充電を行い、1時間休止したのち、0.01Cで2.5Vまで放電を行った。このときの放電容量を初回容量X0とした。これを50回繰り返し、50サイクル目の放電容量X1を得た。このX1/X0を、50サイクル放電容量維持率として、サイクル特性の評価を行った。評価は下記の基準で行った。結果は表2に記載した。
◎:放電容量維持率が97%以上
○:放電容量維持率が93%以上、97%未満
△:放電容量維持率が89%以上、93%未満
×:放電容量維持率が89%未満
Claims (3)
- 集電体と前記集電体の表面に配置された正極組成物層とを有するリチウムイオン電池用正極であって、
前記集電体と前記正極組成物層とは接着されておらず、
前記正極組成物層が、正極活物質粒子表面の少なくとも一部が高分子化合物(A)を含む被覆層で被覆された被覆正極活物質粒子と導電助剤とを含み、
前記高分子化合物(A)が、
メタクリル酸、ラウリルメタクリレート及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A1)、
イソボルニルメタクリレート及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートのみを構成単量体とする共重合体(A2)、又は、
ラウリルメタクリレート、メタクリル酸-2-エチルヘキシル及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A3)であり、
前記共重合体の構成単量体に含まれる1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートの重量割合が、前記共重合体の構成単量体の合計重量を基準として0.2~1重量%であり、
前記高分子化合物(A)の重量平均分子量が300,000以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用正極。 - 前記正極組成物層の厚みが100~800μmである請求項1に記載のリチウムイオン電池用正極。
- 集電体と前記集電体の表面に配置された正極組成物層とを有するリチウムイオン電池用正極の製造方法であって、
正極活物質粒子表面の少なくとも一部が高分子化合物(A)を含む被覆層で被覆された被覆正極活物質粒子と導電助剤とを含む正極組成物を圧縮成形して正極組成物層を作製する工程と、
前記正極組成物層を前記集電体上に載せ替える工程とを有し、
前記高分子化合物(A)が、
メタクリル酸、ラウリルメタクリレート及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A1)、
イソボルニルメタクリレート及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートのみを構成単量体とする共重合体(A2)、又は、
ラウリルメタクリレート、メタクリル酸-2-エチルヘキシル及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートを構成単量体とする共重合体(A3)であり、
前記共重合体の構成単量体に含まれる1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートの重量割合が、前記共重合体の構成単量体の合計重量を基準として0.2~1重量%であり、
前記高分子化合物(A)の重量平均分子量が300,000以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用正極の製造方法。
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