JP7130541B2 - リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン電池 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、珪素及び/又は珪素化合物からなる一次粒子が凝集し結着してなる凝集粒子を含む負極活物質層が負極集電体上に配置されてなるリチウムイオン電池用負極であって、上記一次粒子の体積平均粒子径は0.1~20μmであり、上記凝集粒子の体積平均粒子径は上記一次粒子の体積平均粒子径の200%以上、上記負極活物質層の厚さの50%以下であり、上記凝集粒子は、上記一次粒子が凝集粒子造粒用結着樹脂により互いに結着されてなり、上記負極活物質層は、上記凝集粒子同士が互いに結着していない非結着体であることを特徴とするリチウムイオン電池用負極;これを備えたリチウムイオン電池に関する。
なお、本明細書において、リチウムイオン電池と記載する場合、リチウムイオン二次電池も含む概念とする。
凝集粒子はその中に一次粒子の増加した体積を吸収できる空隙を有していることによって、珪素及び/又は珪素化合物からなる一次粒子の自壊を抑制しやすくなると考えられる。
負極活物質層が、凝集粒子同士が互いに結着していない非結着体であると、負極活物質層中の凝集粒子が隣接する凝集粒子に拘束されることなく、ある程度自由に移動することができる。そのため、凝集粒子の膨張・収縮が発生したとしても、凝集粒子が負極活物質層中を移動することによってその体積変化を吸収することができるため、負極活物質層が集電体上から剥離することを抑制することができる。
さらに、一次粒子同士は凝集粒子造粒用結着樹脂により互いに結着されているため、一次粒子が膨張・収縮によって自壊したとしても電気的に孤立しにくい。
なお、凝集粒子同士が互いに結着していない非結着体とは、凝集粒子造粒用結着樹脂によっても、公知の結着剤によっても互いに結着していない。ここで、公知の結着剤とは活物質粒子同士及び活物質粒子と集電体とを結着固定するために用いられる公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤(デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン及びスチレン-ブタジエン共重合体等)であり、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質粒子同士及び活物質粒子と集電体とを強固に固定するものを意味する。
しかしながら、上記負極活物質層は凝集粒子同士が互いに結着していない非結着体である。
すなわち、凝集粒子同士は互いに結着されていないので負極活物質層中を移動することができるが、凝集粒子を構成する一次粒子は凝集粒子造粒用結着樹脂により互いに結着されているため、一次粒子は凝集粒子中を移動することができない。
なお、負極活物質と結着剤と溶媒との混合物に必要に応じて導電助剤を添加したスラリーを基材上に塗布して乾燥させるという公知の方法で作製した電極(以下、キャスト電極ともいう)では、負極活物質粒子がバラバラに分散した状態で結着剤により全体が固められており、凝集粒子を確認することができない。また、キャスト電極では負極活物質を均一に分散したスラリーを作製し、均一に塗布することがよいとされており、負極活物質を凝集粒子とする本願発明とはその態様が異なる。また、キャスト電極において、仮に複数個の負極活物質粒子が局所的に集合している部分があったとしても、負極活物質層全体が結着剤により固められ、負極活物質が集合してできる粒子としての境界が存在しないため、本願明細書における凝集粒子とは異なる。
図1は、本発明のリチウムイオン電池用負極の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すリチウムイオン電池用負極1は、負極集電体10上に負極活物質層20が配置されてなる。
負極活物質層20は、一次粒子30が凝集してなる凝集粒子60を含み、さらに非水電解液70及び導電材80を含んでいる。
凝集粒子60は、一次粒子30が凝集粒子造粒用結着樹脂40により互いに結着されてなる。さらに、負極活物質層20は、凝集粒子60同士が凝集粒子造粒用結着樹脂40により互いに結着していない非結着体である。また、図1に示すように、凝集粒子60の少なくとも一部は空隙50を有していてもよい。
図1に示すリチウムイオン電池用負極1では、一次粒子30の体積が変化したとしても、凝集粒子60中の空隙50によって凝集粒子60の体積変化を抑制することができる。さらに、凝集粒子60の体積が変化した場合であっても、凝集粒子60同士は凝集粒子造粒用結着樹脂40により互いに結着されていないため、負極活物質層20中をある程度自由に移動することができ、負極活物質20全体としての体積変化を抑制することができる。なお空隙50は非水電解液70で満たされていてもよい。
また、図1に示すリチウムイオン電池用負極1では、例えば、図1中、破線bで囲った領域のように凝集粒子60同士が接触することによって、及び、図1中、破線aで囲った領域のように凝集粒子60同士が導電材80を介して接触することによって負極活物質層20内の導電パスが構築されている。
一次粒子は、珪素及び/又は珪素化合物からなる。
珪素化合物としては、酸化珪素(SiOx)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]等が挙げられる。
これらの中では酸化珪素が望ましい。
また、特開2017-191771号公報及び特開2017-191707号公報等に記載の珪素及び珪素化合物を用いることができる。
一次粒子の体積平均粒子径が0.1μm未満であると、凝集粒子における一次粒子同士の接触抵抗が増加してしまう。一方、一次粒子の体積平均粒子径が20μmを超えると、凝集粒子の体積平均粒子径が大きくなりすぎてしまい好ましくない。
なお、一次粒子の体積平均粒子径は、凝集粒子造粒用結着樹脂が溶解する溶媒中に凝集粒子を分散させて凝集粒子から一次粒子を分離した後、マイクロトラック法により測定することができる。
一次粒子の周囲が被覆層により被覆されていると、珪素及び/又は珪素化合物の体積膨脹によって凝集粒子が膨脹することを抑制することができ、電極の膨脹抑制に寄与する。なお、一次粒子は負極活物質として機能するため、被覆一次粒子は被覆負極活物質粒子ともいう。
凝集粒子は、一次粒子が凝集粒子造粒用結着樹脂により互いに結着されてなる。
凝集粒子の体積平均粒子径は、一次粒子の体積平均粒子径の200%以上、負極活物質層の厚さの50%以下である。
凝集粒子の体積平均粒子径が一次粒子の体積平均粒子径の200%未満であると、凝集粒子を構成する一次粒子の数が少なすぎて、凝集粒子として充分な機能を発揮しない。一方、凝集粒子の体積平均粒子径が負極活物質層の厚さの50%を超えると、負極活物質層の表面に凝集粒子の形状が反映されてしまい、負極活物質層表面の平滑性が失われる。
凝集粒子のd10が1μm以上であるとは、全凝集粒子のうち、粒子径が1μm未満の凝集粒子の個数の割合が10%以上であることを意味する。
粒子径が1μm未満の凝集粒子の割合が10%以上であると、相対的に粒子径の大きい凝集粒子同士の隙間に粒子径1μm未満の凝集粒子が配置されることによって、凝集粒子同士の接触性が良好となる。
一方、凝集粒子のd10が1μm未満である、すなわち粒子径が1μm未満の凝集粒子の割合が10%未満であると、相対的に粒子径の大きい凝集粒子同士に隙間が形成されやすくなり凝集粒子同士の接触性が低下し、内部抵抗が増加してしまうことがある。
なお、凝集粒子の粒子径累積分布曲線はマイクロトラック法によって求めることができる。
凝集粒子の重量に対する凝集粒子造粒用結着樹脂の割合が上記範囲であると、凝集粒子の強度が良好となり、凝集粒子の電気抵抗値を低くすることができる。
凝集粒子の重量に対する凝集粒子造粒用結着樹脂の重量の割合が10重量%未満であると、凝集粒子に占める凝集粒子造粒用結着樹脂の重量割合が少なすぎて、一次粒子の体積膨脹による電極の体積変化を抑制しにくくなる。また凝集粒子の重量に対する凝集粒子造粒用結着樹脂の重量の割合が30重量%を超えると、凝集粒子に占める凝集粒子造粒用結着樹脂の重量割合が多すぎて、エネルギー密度が低下してしまう。
凝集粒子の重量に対する導電助剤の重量の割合は10~50重量%であることがより好ましい。
凝集粒子が導電助剤を有し、導電助剤の重量の割合が上記範囲であると、充分なエネルギー密度を維持しつつ、凝集粒子に優れた導電性を付与することができる。
導電助剤の重量の割合が10重量%未満であると、凝集粒子に充分な導電性を付与できず、内部抵抗が増加してしまうことがある。また導電助剤の重量の割合が50重量%を超えると、凝集粒子に占める一次粒子の割合が相対的に減少し、エネルギー密度が低下してしまう。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
なお、導電助剤の体積平均粒子径は、マイクロトラック法により測定することができる。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電助剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
凝集粒子中に空隙が存在していると、凝集粒子の体積膨張を抑制しやすくなる。
本発明のリチウムイオン電池用負極において、凝集粒子造粒用結着樹脂は、凝集粒子を構成する一次粒子同士を結着している。
凝集粒子造粒用結着樹脂が(メタ)アクリル酸(共)重合体であると、凝集粒子の強度に優れるため好ましい。
なお本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を示しており、(共)重合体とは、重合体又は共重合体を示している。
酸価が上記範囲にある(メタ)アクリル酸(共)重合体を凝集粒子造粒用結着樹脂として用いると、負極活物質粒子及び導電助剤に対する密着性が良好であり、体積変化時に凝集体から負極活物質粒子が欠落することを抑制できる。
市場から入手可能な(メタ)アクリル酸(共)重合体としては、東亜合成(株)製のポリアクリル酸等の他に和光純薬工業(株)製の試薬等を用いることができる。なお、使用できる(メタ)アクリル酸(共)重合体としては、結着剤として販売されているものだけでなく、分散剤として販売しているものも同じように用いることができる。
被覆凝集粒子を構成する被覆層としては、被覆一次粒子を構成する被覆層と同様のものを好適に用いることができ、例えば一次粒子から被覆一次粒子を作成する方法と同様の方法で、凝集粒子から被覆凝集粒子を作成することができる。
導電材としては、凝集粒子の任意成分である導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。なお、導電助剤は上記の凝集粒子を構成する成分であり、凝集粒子に一体に含まれているのに対し、導電材は負極活物質層中に凝集粒子とは別に存在している点で区別することができる。
本発明のリチウムイオン電池用負極は、さらに炭素系負極活物質粒子を含んでもよい。
炭素系負極活物質粒子としては、炭素系材料[例えば黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)等が挙げられる。
また、炭素系負極活物質粒子は、その表面の少なくとも一部が被覆層によって被覆された炭素系被覆負極活物質粒子であってもよい。
炭素系被覆負極活物質粒子を構成する被覆層としては、被覆一次粒子を構成する被覆層と同様のものを好適に用いることができる。
凝集粒子と炭素系負極活物質粒子との合計重量に基づく凝集粒子の重量の割合は特に限定されないが、2~50重量%であることが望ましい。
非水電解液としては、リチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する非水電解液を使用することができる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、エチル-n-プロピルカーボネート及びジ-n-プロピルカーボネート等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン及び1,4-ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記載する)等が挙げられる。
スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等の鎖状スルホン及びスルホラン等の環状スルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
負極集電体としては特に限定されないが、公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報等に記載されている)等を好適に用いることができる。
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの一種以上を含む合金、ならびにステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられ、これらの金属材料を薄板や金属箔等の形態で用いてもよく、基材表面にスパッタリング、電着、塗布等の手法により上記金属材料を形成したものであってもよい。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電材料は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電材料としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電材料の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電材料が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用負極を用いた電池であり、本発明のリチウムイオン電池用負極の対極となる電極を組み合わせて、セパレータと共にセル容器に収容し、非水電解液を注入し、セル容器を密封する方法等により製造することができる。
また、負極集電体の一方の面だけに負極活物質層を形成した本発明のリチウムイオン電池用負極の、負極集電体の他方の面に正極活物質からなる正極活物質層を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレータと積層してセル容器に収容し、非水電解液を注入し、セル容器を密閉することでも得られる。
非水電解液としては、本発明のリチウムイオン電池用負極において説明したものを好適に用いることができる。
続いて、本発明のリチウムイオン電池用負極を製造する方法について説明する。
本発明のリチウムイオン電池用負極を製造する方法としては、例えば、凝集粒子及び必要により用いる導電材を、水又は溶媒(非水電解液又は非水電解液に用いる非水溶媒等)の重量に基づいて30~60重量%の濃度で分散してスラリー化した分散液を、負極集電体にバーコーター等の塗工装置で塗布後、必要に応じて乾燥して水又は溶媒を除去して得られた負極活物質層を必要によりプレス機でプレスし、必要に応じて得られた負極活物質層に所定量の非水電解液を含浸させる方法が挙げられる。
なお、上記分散液から得られる負極活物質層は、負極集電体上に直接形成する必要はなく、例えば、アラミドセパレータ等の表面に上記分散液を塗布して得られる負極活物質層を、負極集電体と接触するように配置してよい。
また、上記分散液を塗布した後に必要により行う乾燥は、順風式乾燥機等の公知の乾燥機を用いて行うことができ、その乾燥温度は分散液に含まれる分散媒(水又は溶媒)の種類に応じて調整することができる。
上記分散液には、公知のリチウムイオン電池に含まれるポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のバインダを添加しない。上記分散液に公知のリチウムイオン電池用の負極に含まれるバインダを添加してしまうと、負極活物質層において凝集粒子同士が互いに結着されてしまい、非結着体が得られなくなるためである。
従来のリチウムイオン電池用の負極においては、バインダで負極活物質を負極内に固定することで導電経路を維持する必要がある。しかし、凝集粒子を用いた本発明のリチウムイオン電池用負極の場合は、凝集粒子を負極活物質層内に固定することなく導電経路を維持することができるため、バインダを添加する必要がない。バインダを添加しないことによって、凝集粒子が負極内に固定化されないため、一次粒子の体積変化に対する緩和能力が更に良好となる。
ただし、凝集粒子造粒用結着樹脂を構成する成分としては上記のリチウムイオン電池用バインダを含んでいてもよい。この場合、上記のリチウムイオン電池用バインダは凝集粒子を構成する凝集粒子造粒用結着樹脂となるため、上記分散液を調整する際に添加されるバインダとは明確に区別できる。
凝集粒子を製造する方法は特に限定されないが、凝集粒子造粒用結着樹脂と一次粒子及び必要により用いる導電助剤とを公知の造粒機(撹拌式造粒機及び圧縮式造粒機等)で混合し、さらに減圧乾燥等により脱溶媒することによって得られた混合物を必要に応じて解砕し、所望の粒子径のものが得られるよう、必要に応じてふるい等で分級すればよい。
溶媒を併用する場合には、溶媒を凝集粒子造粒用結着樹脂を溶解した樹脂溶液の溶媒として用いて、樹脂溶液と一次粒子と必要により用いる導電助剤とを混合してもよいし、凝集粒子造粒用結着樹脂と一次粒子と必要により用いる導電助剤とを混合するときに溶媒をそのまま添加してよい。
また、併用される溶媒はその全量を樹脂溶液の溶媒としてもよく、樹脂溶液の一部として用いる溶媒とそのまま添加混合する溶媒とに分けて用いてもよい。
(方法1)それぞれが粉体状態である凝集粒子造粒用結着樹脂と一次粒子と導電助剤とを一括に投入して混合する方法。
(方法2)それぞれが粉体状態である凝集粒子造粒用結着樹脂と一次粒子と導電助剤とを一括に投入して混合した後、さらに撹拌下に溶媒を加えてさらに混合する方法。
(方法3)粉体状態である凝集粒子造粒用結着樹脂を溶媒中に分散させた樹脂溶液中に、粉体状態の一次粒子と導電助剤とを一括に投入して混合する方法。
(方法4)粉体状態である凝集粒子造粒用結着樹脂を溶媒中に分散させた樹脂溶液を撹拌しながら、まず粉体状態の一次粒子を添加混合し、さらに撹拌した後に導電助剤を投入して混合する方法。
(方法5)粉体状態である凝集粒子造粒用結着樹脂を溶媒中に分散させた樹脂溶液を撹拌しながら、まず導電助剤を添加混合し、さらに撹拌した後に粉体状態の一次粒子を投入して混合する方法。
(方法6)粉体状態である凝集粒子造粒用結着樹脂を溶媒中に分散させた樹脂溶液を撹拌しながら、まず粉体状態の一次粒子を添加混合して一次粒子スラリーを得て、その後導電助剤を撹拌しながら上記一次粒子スラリーを滴下又は分割投入して混合する方法。
溶媒を留去する時の混合装置及び乾燥機の圧力及び温度は、使用する溶媒の沸点及び蒸気圧に応じて調整すればよい。
また、電極内部での電気的孤立の抑制及び耐久性を向上させる等の観点から、得られた凝集粒子の体積基準における粒子径累積分布曲線における累積10%粒子径は1μm以上であることが好ましい。
2軸押出機にて、ポリプロピレン[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]70部、カーボンナノチューブ[商品名:「FloTube9000」、CNano社製]25部及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して樹脂混合物を得た。
得られた樹脂混合物を、Tダイ押出しフィルム成形機に通して、それを延伸圧延することで、膜厚100μmの樹脂集電体用導電性フィルムを得た。次いで、得られた樹脂集電体用導電性フィルムを3cm×3cmに切断し、片面にニッケル蒸着を施した後、電流取り出し用の端子(5mm×3cm)を接続した樹脂集電体を得た。
リチウムイオン電池負極用酸化珪素粒子[信越化学工業(株)製、一次粒子の体積平均粒子径:5μm]を横型加熱炉中に入れ、横型加熱炉内にメタンガスを通気しながら1100℃/1000Pa、平均滞留時間約2時間の化学蒸着操作を行い、炭素含有量が2重量%で、表面が炭素で被覆された酸化珪素粒子(体積平均粒子径6μm)(N-1)を得た。
得られた(N-1)を顕微鏡により拡大観察して凝集体を形成していないことを確認し、これを下記の凝集粒子を得るための一次粒子として用いた。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF407.9部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸242.8部、メチルメタクリレート97.1部、2-エチルヘキシルメタクリレート242.8部及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)4.7部をDMF58.3部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂固形分濃度50重量%の共重合体溶液を得た。これにDMFを789.8部加えて、樹脂固形濃度30重量%である被覆用樹脂溶液を得た。
リチウムイオン電負極用ハードカーボン[JFEケミカル(株)製、体積平均粒子径20μm](N-2)68.2部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、上記被覆用樹脂溶液33.3部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去し、炭素系被覆負極活物質粒子(N-3)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70部を仕込み75℃に昇温した。次いで、アクリル酸90部、メタクリル酸メチル10部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.26部及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.74部をDMF10部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂固形分濃度50重量%の凝集粒子造粒用結着樹脂Poly.Aの樹脂溶液を得た。
同様に、表3の記載の組成に変更した他はPoly.Aと同じ方法でPoly.B及びPoly.Cの樹脂溶液を得た。
[凝集粒子の作製]
一次粒子である酸化珪素粒子(N-1)60部と凝集粒子造粒用結着樹脂であるポリアクリル酸[和光純薬工業(株)製 PHA(非架橋タイプ)酸価780]の25重量%水分散液80部と、導電助剤であるアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラックLi-400:体積平均粒子径48nm]20部を二軸撹拌式造粒機[アキラ機工(株)製 バランスグラン]を用いて2000rpmで10分間混合し、続いて100℃にセットした減圧乾燥機内で3時間加熱することにより溶媒を除去した。
得られた混合物を乳鉢により解砕し、235メッシュ(目開き63μm)のふるいを通過し、635メッシュ(目開き20μm)のふるい上に残ったものを凝集粒子とした。
一次粒子が凝集粒子を形成していることを顕微鏡による拡大観察で確認し、得られた凝集粒子をマイクロトラック法で測定したところ、凝集粒子の体積平均粒子径は45μm(一次粒子の体積平均粒子径の750%)であり、凝集粒子の体積基準における粒子径累積分布曲線における累積10%粒子径(d10)は22μmであった。
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSO2)2を2mol/Lの割合で溶解させて作製した非水電解液3000部に上記凝集粒子100部、導電材であるアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラックLi-400]15部を添加した後、遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて1000rpmで5分間混合して、負極活物質スラリーを作製した。
得られた負極活物質スラリーをφ15mmのマスクを装着したφ23mmのアラミド不織布(日本バイリーン製、2415R)上に目付量が20mg/cm2となるように滴下し、裏面から吸引濾過(減圧)することでアラミド不織布上に積層し、さらに5MPaの圧力で約10秒プレスすることで負極活物質層を作製した。
接触式膜厚計で測定した負極活物質層の厚さは225μmであった。
端子(5mm×3cm)付き銅箔(3cm×3cm、厚さ17μm)と端子(5mm×3cm)付きカーボンコートアルミ箔(3cm×3cm、厚さ21μm)を、同じ方向に2つの端子が出る向きで順に積層し、それを2枚の市販の熱融着型アルミラミネートフィルム(10cm×8cm)に挟み、端子の出ている1辺を熱融着し、電池外装材を作製した。
外装材の銅箔上に上記樹脂集電体を配置し、その上にアラミド不織布を剥がした負極活物質層を配置し、非水電解液を100μL添加した。セパレータ(5cm×5cm、厚さ23μm、セルガード2500 ポリプロピレン製)を負極活物質層上に配置し、非水電解液を100μL添加した。リチウム箔と負極活物質層とをセパレータを介して積層し、非水電解液を100μL添加した。さらにリチウム箔上に樹脂集電体を積層し、その上に外装材のカーボンコートアルミ箔が重なるように外装材を被せた。外装材の外周のうち、先に熱融着した1辺に直交する2辺をヒートシールし、さらに真空シーラーを用いてセル内を真空にしながら残る開口部をヒートシールすることでラミネートセルを密封し、本発明のリチウムイオン電池用負極を有する実施例1に係る評価用ハーフセル(以下、評価用電池ともいう)を得た。
作製した評価用電池について、充放電測定装置「HJ0501SM」[北斗電工(株)製]を用いて以下の方法で充放電試験を行い、1回目放電時において1gあたりの珪素及び珪素化合物(以下、まとめて珪素系活物質ともいう)が担った放電容量(珪素系活物質の初回放電容量)及び1回目放電時のハーフセルの放電容量に対する10回目の放電時のハーフセルの放電容量の比率(10サイクル目容量維持率ともいう)を、下記の方法で求めた。結果を表1に示す。
本充放電試験においては、負極にリチウムイオンが挿入されてハーフセルである評価用電池の電位が下がる方向[すなわち、正極に金属リチウムではなく正極活物質を用いた通常のリチウムイオン電池(ハーフセルに対してフルセルともいう)の場合に充電となる電流の方向]を充電とした。試験は下記の通り45℃で行い、充電と放電との間には10分間の休止時間を設けた。
作製した評価用電池を充放電測定装置[北斗電工(株)製 HJ0501SM]にセットし、45℃の条件下で定電流定電圧充電方式により、まず0.05Cの電流で0Vまで充電して10分間の休止を行った。その後0.05Cの電流で1.5Vまで放電して10分間の休止の後に再び0.05Cの電流で0Vまで充電した。その後、前記の10分間の休止時間を挟んで行う0.05Cでの0Vまで充電と0.05Cでの1.5Vまで放電とを繰り返し、合計10回の充放電を行った。
上述の通り、珪素系活物質の初回放電容量は、1gの珪素系活物質が有する容量を意味し、下記の方法で得られた評価用電池の放電容量から、電極に用いた原料のうちリチウムイオンが挿入反応できる原料である導電助剤が担った放電容量を除した値を電池作製に用いた珪素系活物質の重量で割ることで得た。
なお、評価用電池において導電助剤が担った放電容量は、実施例1において凝集粒子に代えて導電助剤を用いて容量計算用ハーフセルを作製し、評価用電池と同様にして充放電試験を行い、導電助剤1gあたりの容量を求め、その値と評価用電池の作製に用いた導電助剤の評価用電池における重量割合とをかけ算することで算出した。
下記の計算式で算出した。
10サイクル目容量維持率(%)=[(評価用電池の10回目の放電容量)÷(評価用電池の1回目の放電容量)×100]
凝集粒子の作製における一次粒子の種類及び添加量、導電助剤の種類及び添加量、凝集粒子造粒用結着樹脂の種類及び添加量、並びに、炭素系負極活物質粒子と併用している場合は炭素系負極活物質粒子の種類及び添加量を表1及び2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の手順で実施例2~14に係るリチウムイオン電池及び比較例1~3に係るリチウムイオン電池を得た。比較例1では、目開き10μmのメッシュを通過した凝集粒子だけを用いたが、得られた凝集粒子の体積平均粒子径は、一次粒子の体積平均粒子径と同一の6μmであった。これは、一次粒子のなかでも粒子径の小さいものが複数個凝集して形成された凝集粒子がメッシュを通過した結果であると考えられる。比較例2では、凝集粒子を形成せず、一次粒子(N-1)をそのまま負極活物質を構成する材料として用いた。比較例3では、目開き20μmのメッシュを通過した凝集粒子だけを用いたが、得られた凝集粒子の体積平均粒子径は10μmであり、一次粒子の体積平均粒子径の200%未満であった。これは、凝集粒子造粒用結着樹脂の添加量が少なく、充分な大きさの凝集粒子がほとんど形成されなかったためと推測される。
実施例2~14及び比較例1~3に係るリチウムイオン電池についても、実施例1と同様に電池特性の測定を行い、珪素系活物質の初回放電容量及び10サイクル目容量維持率を測定した。
ただし、炭素系負極活物質粒子を併用している実施例5~8における珪素系活物質の初回放電容量は、評価用電池の1回目の放電容量から、電極に用いた原料のうちリチウムイオンが挿入反応できる原料である導電助剤と炭素系負極活物質粒子が担った容量をそれぞれ除した値を電池作製に用いた珪素系活物質の重量で割ることで得た。
なお、評価用電池における導電助剤が担った容量は、実施例1における珪素系活物質の初回放電容量の計算と同様に算出し、炭素系負極活物質粒子が担った容量は導電助剤を炭素系負極活物質粒子に代え、導電助剤が担った容量と同様に算出した。
表1及び2における化合物名及び条件等の記載は以下のように対応している。
AB:デンカ製 デンカブラック Li-400
KB:ライオン製 ケッチェンブラック EC300J
PAA:和光純薬工業(株)製 PHA(非架橋タイプ) 酸価780 数平均分子量:約100万
PAA10%架橋体:和光純薬工業(株)製 10CLPAH 酸価740 数平均分子量:約100万
Poly.A:[凝集粒子造粒用結着樹脂の作製]により得られた凝集粒子造粒用結着樹脂
Poly.B:[凝集粒子造粒用結着樹脂の作製]により得られた凝集粒子造粒用結着樹脂
Poly.C:[凝集粒子造粒用結着樹脂の作製]により得られた凝集粒子造粒用結着樹脂
分級条件:[A<X<B]で表す場合、目開き[B]μmのメッシュを通過し、かつ、目開き[A]μmのメッシュを通過しないものであることを意味する。
(N-1):[一次粒子の作製]により得られた一次粒子である酸化珪素粒子(体積平均粒子径:6μm)
(N-2):リチウムイオン電池負極用ハードカーボン[JFEケミカル(株)製、 体積平均粒子径:20μm]
(N-3):(N-2)を用いて作製した炭素系被覆負極活物質粒子(体積平均粒子径:20μm)
(N-4):リチウムイオン電池負極用黒鉛[日立化成(株)製MAGD-20、体積平均粒子径20μm]
(N-5):一次粒子である酸化珪素粒子[Elkem製Silgrain e-Si、体積平均粒子径:2.1μm]
また表2~3の結果より、凝集粒子造粒用結着樹脂としてポリアクリル酸やポリアクリル酸以外の重合体を用いることができることもわかった。
10 負極集電体
20 負極活物質層
30 一次粒子
40 凝集粒子造粒用結着樹脂
50 空隙
60 凝集粒子
70 非水電解液
80 導電材
Claims (11)
- 珪素及び/又は珪素化合物からなる一次粒子が凝集し結着してなる凝集粒子を含む負極活物質層が負極集電体上に配置されてなるリチウムイオン電池用負極であって、
前記一次粒子の体積平均粒子径は0.1~20μmであり、
前記凝集粒子の体積平均粒子径は前記一次粒子の体積平均粒子径の200%以上、前記負極活物質層の厚さの50%以下であり、
前記凝集粒子は、前記一次粒子が凝集粒子造粒用結着樹脂により互いに結着されてなり、
前記負極活物質層は、前記凝集粒子同士が互いに結着していない非結着体であることを特徴とするリチウムイオン電池用負極。 - 前記凝集粒子の体積基準における粒子径累積分布曲線における累積10%粒子径が1μm以上である請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記凝集粒子造粒用結着樹脂が、酸価が500~800の(メタ)アクリル酸(共)重合体である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記凝集粒子の重量に対する前記凝集粒子造粒用結着樹脂の重量の割合が10~30重量%である請求項1~3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記凝集粒子は、前記一次粒子及び前記凝集粒子造粒用結着樹脂に加えてさらに導電助剤を有し、
前記凝集粒子の重量に対する前記導電助剤の重量の割合が10~50重量%である請求項1~4のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極。 - 前記導電助剤の体積平均粒子径が、前記凝集粒子を構成する一次粒子の体積平均粒子径の0.001~0.4倍である請求項5に記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記負極活物質層は、さらに、体積平均粒子径が1~40μmの炭素系負極活物質粒子を含む請求項1~6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記凝集粒子と前記炭素系負極活物質粒子との合計重量に基づく前記凝集粒子の重量の割合が2~50重量%である請求項7に記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記負極集電体は、樹脂集電体である請求項1~8のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極。
- 前記負極活物質層の厚さは、200~600μmである請求項1~9のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極。
- 請求項1~10のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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