JP2017160294A - 非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物及び非水系二次電池用被覆活物質 - Google Patents
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Abstract
Description
バインダーには活物質及び導電助剤との密着性、電解液との親和性並びに耐高電圧分解性等が必要であり、正極で用いられる耐高電圧分解性に優れたバインダーとしてはポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと略記する)があり、負極ではバインダーとしてスチレン・ブタジエンゴム(以下、SBRと略記する)及びカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する)が使用されている。
そのため電池の内部抵抗が小さくサイクル特性を良好に維持できる非水系二次電池が望まれている。
すなわち、本発明は、炭素数1〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)及びアニオン性単量体(a12)を含んでなる単量体組成物の重合体であり、酸価が30〜700である重合体を含んでなる非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物及び非水系二次電池用活物質(Y)の表面の少なくとも一部に前記非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物を含んでなる被覆層を有する非水系二次電池用被覆活物質である。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物は、炭素数1〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)[以下、エステル化合物(a11)と記載する]及びアニオン性単量体(a12)を含んでなる単量体組成物の重合体であり、酸価が30〜700である重合体を含んでなる非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物である。
なお、本願において(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。
なお、本明細書における非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物に含まれる重合体の酸価は、JIS K 0070−1992の方法で測定され、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物に含まれる重合体の酸価は単量体組成物に含まれるアニオン性単量体(a12)の含有量を調整することで前記の範囲とすることができる。
エステル化合物(a11)は炭素数1〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物であり、炭素数1〜12の1価の脂肪族アルコールとしては、炭素数1〜12の1価の分岐又は直鎖脂肪族アルコールが挙げられ、メタノール、エタノール、プロパノール(n−プロパノール、iso−プロパノール)、ブチルアルコール(n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール)、ペンチルアルコール(n−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール及びネオペンチルアルコール等)、ヘキシルアルコール(1−ヘキサノール、2−ヘキサノール及び3−ヘキサノール等)、ヘプチルアルコール(n−ヘプチルアルコール、1−メチルヘキシルアルコール及び2−メチルヘキシルアルコール等)、オクチルアルコール(n−オクチルアルコール、1−メチルヘプタノール、1−エチルヘキサノール、2−メチルヘプタノール及び2−エチルヘキサノール等)、ノニルアルコール(n−ノニルアルコール、1−メチルオクタノール、1−エチルヘプタノール、1−プロピルヘキサノール及び2−エチルヘプチルアルコール等)、デシルアルコール(n−デシルアルコール、1−メチルノニルアルコール、2−メチルノニルアルコール及び2−エチルオクチルアルコール等)、ウンデシルアルコール(n−ウンデシルアルコール、1−メチルデシルアルコール、2−メチルデシルアルコール及び2−エチルノニルアルコール等)、ラウリルアルコール(n−ラウリルアルコール、1−メチルウンデシルアルコール、2−メチルウンデシルアルコール、2−エチルデシルアルコール及び2−ブチルヘキシルアルコール等)等が挙げられる。
アニオン性単量体(a12)はラジカル重合性を有する重合性基とアニオン性基を有する単量体であり、ラジカル重合性基として好ましいものとしては、ビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、アニオン性基として好ましいものとしては、ホスホン酸基、スルホン酸基及びカルボキシル基等が挙げられる。
炭素数9のラジカル重合性不飽和芳香族モノカルボン酸としては、3−フェニルプロペン酸及びビニル安息香酸等が挙げられる。
炭素数2〜8のラジカル重合性不飽和脂肪族モノスルホン酸としては、ビニルスルホン酸(1−メチルビニルスルホン酸及び2−メチルビニルスルホン酸等の置換ビニルスルホン酸を含む)、アリルスルホン酸 (1−メチルアリルスルホン酸及び2−メチルアリルスルホン酸アニオン等の置換アリルスルホン酸を含む。)、ブテンスルホン酸(1−メチルブテンスルホン酸及び2−メチルブテンスルホン酸等の置換ブテンスルホン酸を含む。)、ペンテンスルホン酸(1−メチルペンテンスルホン酸及び2−メチルペンテンスルホン酸等の置換ペンテンスルホン酸を含む。)ヘキセンスルホン酸(1−メチルヘキセンスルホン酸及び2−メチルヘキセンスルホン酸等の置換ヘキセンスルホン酸を含む。)及びヘプテンスルホン酸(1−メチルヘプテンスルホン酸及び2−メチルヘプテンスルホン酸等の置換ヘプテンスルホン酸を含む。)等が挙げられる。
炭素数8のラジカル重合性不飽和芳香族モノスルホン酸としては、スチレンスルホン酸が挙げられる。
これらのアニオン性単量体は混合物であってもよい。
なお、アニオン性単量体を含有することで、靭性が向上し、充放電時のリチウムイオンの脱挿入反応に伴う正極活物質及び負極活物質の膨張収縮によるストレスを受けにくくなる。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物は、アニオン性単量体の塩(a13)を含有することで内部抵抗を低減することが出来る。
アニオン性単量体の塩(a13)を構成するアニオン性単量体のアニオンとしては、前記のアニオン性単量体(a12)で例示したものと同じアニオン性単量体のアニオンが挙げられ、ビニルスルホン酸アニオン、アリルスルホン酸アニオン、スチレンスルホン酸アニオン及び(メタ)アクリル酸アニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンが好ましい。
アニオン性単量体の塩(a13)を構成するカチオンとしては、1価の無機カチオンが挙げられ、アルカリ金属カチオン及びアンモニウムイオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンがより好ましく、リチウムイオンが更に好ましい。
アニオン性単量体の塩(a13)は1種類を用いても複数を併用しても良く、アニオン性単量体の塩(a13)が複数のアニオンを有する場合、カチオンはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンであることが好ましい。
なお、本明細書における非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物に含まれる重合体の重量平均分子量は、以下の条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCと略記する)により測定される。
<GPCの測定条件>
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
上記モノオールとしては、(i)炭素数13〜20の分岐又は直鎖脂肪族モノオール(トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等)、(ii)炭素数5〜20の脂環式モノオール(シクロヘキシルアルコール等)、(iii)炭素数7〜20の芳香脂肪族モノオール(ベンジルアルコール等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(c3−1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド化合物、例えばN,N−ジアルキル(炭素数1〜6)又はジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド等)及びジアセトンアクリルアミド。
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物、例えばN−メチル−N−ビニルアセトアミド、環状アミド[炭素数6〜13のピロリドン化合物(N−ビニルピロリドン等)]。
(i)ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びモルホリノエチル(メタ)アクリレート等]。
(ii)4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート{3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]をハロゲン化アルキル等の4級化剤を用いて4級化した4級化物等}。
炭素数7〜14のピリジン化合物(2−又は4−ビニルピリジン等)、炭素数5〜12のイミダゾール化合物(N−ビニルイミダゾール等)、炭素数6〜13のピロール化合物(N−ビニルピロール等)及び炭素数6〜13のピロリドン化合物(N−ビニル−2−ピロリドン等)。
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物[(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート等]。
炭素数8〜16のニトロ基含有ビニル化合物(ニトロスチレン等)等。
(c4−1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2〜18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)、炭素数4〜10又はそれ以上のジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)等。
炭素数4〜18又はそれ以上の環状不飽和化合物{シクロアルケン(シクロヘキセン等)、(ジ)シクロアルカジエン[(ジ)シクロペンタジエン等]、テルペン(ピネン、リモネン及びインデン等)}。
炭素数8〜20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物及びそれらの誘導体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン及びベンジルスチレン等)等。
(c5−1)ビニルエステル
脂肪族ビニルエステル[炭素数4〜15の脂肪族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート及びビニルメトキシアセテート等)等]。
芳香族ビニルエステル[炭素数9〜20の芳香族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(ビニルベンゾエート、ジアリルフタレート及びメチル−4−ビニルベンゾエート等)及び脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(アセトキシスチレン等)等]。
脂肪族ビニルエーテル[炭素数3〜15のビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニル2−エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル(ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル及びビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等]。
炭素数8〜20の芳香族ビニルエーテル(ビニルフェニルエーテル及びフェノキシスチレン等)。
炭素数4〜25の脂肪族ビニルケトン(ビニルメチルケトン及びビニルエチルケトン等)。
炭素数9〜21の芳香族ビニルケトン(ビニルフェニルケトン等)。
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル[ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基)及びジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖もしくは脂環式の基)
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等]、パーオキシド系開始剤(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド及びラウリルパーオキシド等)等}を使用して行うことができる。
重合開始剤の使用量は、単量体組成物に含まれる単量体成分の合計重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%である。
乳化重合又は懸濁重合における単量体組成物の濃度は通常5〜95重量%、重合開始剤の使用量は、単量体組成物の合計重量に基づいて通常0.01〜5重量%、粘着力及び凝集力の観点から好ましくは0.05〜2重量%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン及びn−ブチルメルカプタン等)及びハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素及び塩化ベンジル等)を使用することができる。使用量は単量体組成物に含まれる単量体成分の合計重量に基づいて通常2重量%以下、樹脂強度等の観点から好ましくは0.5重量%以下である。
なお、電池の内部抵抗等の観点から、前記被覆層は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物及び導電助剤(X)を含んでなることが好ましい。
導電助剤(X)として好ましいものとしては、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電助剤(X)は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、更に好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。
またこれらの導電助剤(X)としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤(X)のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
リチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができるものであれば特に限定されないが、好ましいものとしてはリチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO2、LiNiO2、LiAlMnO4、LiMnO2及びLiMn2O4等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO4、LiNi1−xCoxO2、LiMn1−yCoyO2、LiNi1/3Co1/3Al1/3O2及びLiNi0.8Co0.15Al0.05O2)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMaM’bM’’cO2(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4及びLiNiPO4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV2O5)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
リチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いることができるものであれば特に制限されないが、好ましいものとしては黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン、ポリキノリン及びポリピロール)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金)等が挙げられる。
非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物、非水系二次電池用活物質(Y)及び導電助剤(X)を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物と導電助剤(X)からなる樹脂組成物を非水系二次電池用活物質(Y)とさらに混合してもよいし、非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物、非水系二次電池用活物質(Y)及び導電助剤(X)を同時に混合してもよいし、非水系二次電池用活物質(Y)に非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物を混合し、さらに導電助剤(X)を混合してもよい。
また、集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレーターと積層してセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することでも得られる。
また、正極、負極を共に本発明の非水系二次電池用被覆活物質を含む電極としてリチウムイオン二次電池としてもよい。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<実施例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル9.5部、アクリル酸90.0部、スチレンスルホン酸リチウム0.5部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−1)を得た。共重合体(A−1)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、以下の条件で測定した共重合体の酸価は700であり、以下の条件のGPCで測定した共重合体の重量平均分子量は70,000であった。
装置:自動滴定装置 COM−1700(平沼産業社製)
JIS K 0070−1922に記載の電位差滴定法に準じて、自動滴定装置[COM−1700(平沼産業社製)]を用いて測定した。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン、DMF、THF
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PL g e l 10um,MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル21.0部、アクリル酸77.0部、スチレンスルホン酸ナトリウム2.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−2)を得た。共重合体(A−2)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は599であり、共重合体の重量平均分子量は66,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル13.0部、メタクリル酸85.0部、スチレンスルホン酸リチウム2.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−3)を得た。共重合体(A−3)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は554であり、共重合体の重量平均分子量は60,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸メチル22.0部、メタクリル酸ブチル20.0部、アクリル酸45.0部、ビニルスルホン酸2.0部、ビニルホスホン酸8.0部、アリルスルホン酸ナトリウム3.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−4)を得た。共重合体(A−4)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は444であり、共重合体の重量平均分子量は51,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ドデシル39.0部、メタクリル酸45.0部、ビニル安息香酸8.0部、ビニルホスホン酸7.0部、スチレンスルホン酸リチウム1.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−5)を得た。共重合体(A−5)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は407であり、共重合体の重量平均分子量は96,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル49.0部、メタクリル酸40.0部、ビニルスルホン酸6.0部、フェニルエテニルホスホン酸5.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.8部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−6)を得た。共重合体(A−6)に使用したエステル化合物(a11)及びアニオン性単量体(a12)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は322であり、共重合体の重量平均分子量は26,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル35.0部、メタクリル酸メチル15.0部、メタクリル酸35.0部、ビニル安息香酸3.0部、フェニルエテニルホスホン酸7.0部、スチレンスルホン酸リチウム5.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.2部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−7)を得た。共重合体(A−7)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の配合量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は282であり、共重合体の重量平均分子量は48,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸メチル34.0部、メタクリル酸ドデシル20.0部、メタクリル酸20.0部、ビニル安息香酸10.0部、ビニルスルホン酸10.0部、アリルスルホン酸ナトリウム1.0部、スチレン5.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−8)を得た。共重合体(A−8)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)アニオン性単量体の塩(a13)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)の配合量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は239であり、共重合体の重量平均分子量は20,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル37.9部、メタクリル酸メチル15.2部、メタクリル酸27.9部、スチレンスルホン酸10.0部、スチレンスルホン酸リチウム10.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.08部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続した。次いで2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2部をDMF1.0部に溶解した開始剤溶液を追加で投入しさらに反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−9)を得た。共重合体(A−9)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は217であり、共重合体の重量平均分子量は61,900であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル15.0部、メタクリル酸メチル40.0部、メタクリル酸ドデシル10.0部、メタクリル酸28.0部、ビニルスルホン酸2.0部、スチレンスルホン酸リチウム1.0部、メタクリル酸リチウム4.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.4部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−10)を得た。共重合体(A−10)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は193であり、共重合体の重量平均分子量は41,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル40.0部、メタクリル酸メチル15.0部、ビニル安息香酸30.0部、ビニルスルホン酸10.0部、スチレンスルホン酸ナトリウム5.0部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−11)を得た。共重合体(A−11)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は165であり、共重合体の重量平均分子量は60,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル77.7部、アクリル酸10.0部、スチレンスルホン酸12.3部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.8部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−12)を得た。
共重合体(A−12)に使用したエステル化合物(a11)及びアニオン性単量体(a12)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は116であり、共重合体の重量平均分子量は76,300であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル87.7部、メタクリル酸5.0部、ビニルホスホン酸5.0部、スチレンスルホン酸リチウム2.3部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−13)を得た。共重合体(A−13)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は99であり、共重合体の重量平均分子量は80,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル94.9部、メタクリル酸4.0部、ビニルスルホン酸1.0部、スチレンスルホン酸リチウム0.1部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A−14)を得た。共重合体(A−14)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は31であり、共重合体の重量平均分子量は80,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル96.0部、メタクリル酸3.2部、スチレンスルホン酸リチウム0.8部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A’−1)を得た。共重合体(A’−1)に使用したエステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は21であり、共重合体の重量平均分子量は86,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、アクリル酸99.6部、スチレンスルホン酸リチウム0.4部及びDMF20部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の共重合体(A’−2)を得た。共重合体(A’−2)に使用したアニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の種類と量を表1に示す。また、実施例1と同様に測定した共重合体の酸価は775であり、共重合体の重量平均分子量は70,000であった。
<実施例15>
実施例1で作製した共重合体(A−1)2部及びDMF10.4部を配合して樹脂組成物を調製した。
その後、コーヒーミルにコバルト酸リチウム94部と上記樹脂組成物を投入し室温、1分間の混合攪拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]4部を投入し、さらに5分間の混合攪拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、本発明の被覆正極活物質(D−1)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
共重合体の種類及び使用量、並びにDMF、コバルト酸リチウム及びアセチレンブラックの使用量を表2に示した種類と部数に変更したほかは、実施例15と同様の手順で活物質を被覆し、実施例16〜28に係る本発明の被覆正極活物質(D−2)〜(D−14)を得た。各被覆正極活物質の組成を表2に示す。
共重合体(A−1)2部を、比較例1で作製した共重合体(A’−1)2部又は比較例2で作製した共重合体(A’−2)2部にそれぞれ変更して用いたほかは、実施例15と同様の方法で活物質を被覆し、被覆正極活物質(D’−1)及び被覆正極活物質(D’−2)をそれぞれ作製した。
共重合体(A−1)2部を、ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製)2部に変更して用いたほかは、実施例1と同様の方法で被覆正極活物質(D’−3)を作製した。
<実施例29>
実施例1で作製した共重合体(A−1)2部及びDMF17.6部をそれぞれ配合し樹脂組成物を調製した。
コーヒーミルに黒鉛粉末[日本黒鉛工業(株)製]88部、上記樹脂組成物を投入し室温、1分間の混合撹拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]10部を投入しさらに5分間の混合撹拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、実施例29に係る本発明の被覆負極活物質(E−1)を得た。
共重合体の種類及び量、並びにDMF及び黒鉛粉末の使用量を表3に示した種類と部数に変更したほかは、実施例29と同様の手順で活物質を被覆し、実施例30〜42に係る本発明の被覆負極活物質(E−2)〜(E−14)を得た。各被覆負極活物質の組成を表3に示す。
共重合体(A−1)2部を比較例1及び2で得られた共重合体(A’−1)2部及び共重合体(A’−2)2部にそれぞれ変更して用いたほかは、実施例29と同様の方法で活物質を被覆し、被覆負極活物質(E’−1)及び被覆負極活物質(E’−2)をそれぞれ作製した。
共重合体(A−1)2部を、ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製)2部に変更して用いたほかは、実施例29と同様の方法で被覆負極活物質(E’−3)を作製した。
<製造例1〜17、比較製造例1〜3>
以下の方法でリチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池用負極及びこれらを用いたリチウムイオン二次電池を作製し、それぞれについてサイクル特性試験を行った際のサイクル初期及びサイクル終期の内部抵抗の値を測定して表4に記載した。
実施例15〜28及び比較例3〜5でそれぞれ作製した被覆正極活物質(D−1)〜(D−14)及び(D’−1)〜(D’−3)10部をそれぞれジエチルカーボネート5部と乳鉢中で混練することで正極スラリーを得た。得られた正極スラリーを大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に250μmの厚みで塗布し、50℃で15分間乾燥させた後、さらに120℃、0.01MPaで12時間減圧乾燥を行い15mmφに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用正極を作製した。
実施例29〜42及び比較例6〜8でそれぞれ作製した被覆負極活物質(E−1)〜(E−14)、(E’−1)〜(E’−3)10部をそれぞれジエチルカーボネート5部と乳鉢中で混練することで負極スラリーを得た。得られた負極スラリーを大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅電解箔上の片面に330μmの厚みで塗布し、50℃で15分間乾燥させた後、さらに120℃、0.01MPaで12時間減圧乾燥を行い15mmφに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用負極を作製した。
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極とリチウムイオン二次電池用負極とを表4に記載の組み合わせとなるように組み合わせて負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置し、更に正極と負極との間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)に混合溶媒に対して0.5重量%濃度で1,3−プロパンスルトン(PS)を溶解した非水溶媒にLiPF6を1mol/Lの割合で溶解させて得たリチウムイオン電池用電解液を用いた。
室温(25℃)下、充放電測定装置「バッテリーアナライザ1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて4.2Vまで、定電流定電圧充電を行った。10分間の休止後、0.1Cの電流値で2.5Vまで放電を行った。2サイクル目は0.2Cの電流で放電し、3サイクル目は0.5Cの電流で放電した。その後は1Cの電流での放電を197サイクル目までの194サイクル行い、198サイクル目は0.5Cの電流で、199サイクル目は0.2Cの電流で、200サイクル目は0.1Cの電流で放電を行った。
1〜4サイクル目におけるそれぞれの[「放電開始時の電圧」と「放電して10秒後の電圧」との差(ΔV)]と各サイクルの電流値(I)とから[降下電圧(ΔV)−電流(I)]のグラフを作成し、最小二乗法を用いてΔV=RIとなる抵抗値Rを算出し、サイクル初期の内部抵抗とした。
同様の手順で、197〜200サイクル目のΔVとIから算出したRをサイクル終期の内部抵抗とした。測定した結果を表4に記載した。
また、本発明により得られる非水系二次電池用被覆活物質は、特に、携帯電話、ウェアラブル機器、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の活物質として有用である。
Claims (7)
- 炭素数1〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)及びアニオン性単量体(a12)を含んでなる単量体組成物の重合体であり、酸価が30〜700である重合体を含んでなる非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物。
- 前記アニオン性単量体(a12)が、炭素数3〜9のラジカル重合性不飽和カルボン酸、炭素数2〜8のラジカル重合性不飽和スルホン酸及び炭素数2〜9のラジカル重合性不飽和ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物。
- 前記単量体組成物が、更にアニオン性単量体の塩(a13)を含む請求項1又は2に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物。
- 前記アニオン性単量体の塩(a13)が、ビニルスルホン酸アニオン、アリルスルホン酸アニオン、スチレンスルホン酸アニオン又は(メタ)アクリル酸アニオンとリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンとの塩である請求項3に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物。
- 前記単量体組成物中に含まれるアニオン性単量体(a12)の重量割合が、エステル化合物(a11)、アニオン性単量体(a12)及びアニオン性単量体の塩(a13)の合計重量に基づいて10〜90重量%である請求項3又は4に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物。
- 重量平均分子量が20,000〜96,000である請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物。
- 非水系二次電池用活物質(Y)の表面の少なくとも一部に請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂組成物を含んでなる被覆層を有する非水系二次電池用被覆活物質。
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