JP2014067640A - 非水系二次電池用炭素材料、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用炭素材料、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】非水系電解液の分解による初期不可逆容量、ガス発生量、及び極板膨れが少なく、サイクル維持率に優れた非水系二次電池用炭素材料、当該炭素材料を用いて得られる非水系二次電池用負極及び当該負極を備える非水系二次電池を提供する。
【解決手段】等方的加圧処理された炭素活物質(A)と、イオン性基及びベーサル吸着基を有する有機化合物(B)とを含有する非水系二次電池用炭素材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、初期充放電効率に優れ、ガス発生が少なく、高いサイクル維持率を有し、電池用電極として用いた場合に、電解液の浸液性を損ねることなく、電極の膨れを抑制可能な非水系二次電池用炭素材料、当該炭素材料を用いて得られる非水系二次電池用負極及び当該負極を備える非水系二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、高容量の二次電池に対する需要が高まってきている。特に、ニッケル・カドミウム電池や、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度の高く、大電流充放電特性に優れた非水系二次電池が注目されてきている。
非372mAh/gに近い容量が得られ、さらに、このような炭素材はコスト・耐久性に水系二次電池の炭素材として黒鉛を使用することが知られている。特に、黒鉛化度の大きい黒鉛を非水系二次電池用の炭素材として用いると、黒鉛のリチウム吸蔵の理論容量であるも優れることから、負極用活物質として好ましいことが知られている。
さらに、例えば特許文献1には、高分子炭化物、コークス、石炭や石油ピッチの焼成物など、黒鉛よりも結晶性の低い炭素を負極用活物質として用いることが提案されている。特許文献2及び3には、非晶質部と結晶性の高い黒鉛質との多層構造を有する複合炭素質物を負極用活物質として用いることが記載されている。
これらのなかでも黒鉛ないしは結晶化度の高い黒鉛質の炭素は真密度が大きいので、これらを負極用活物質として用いれば、二次電池の体積エネルギー密度を大きくすることができると考えられる。
しかしながら、黒鉛ないしは結晶化度の高い黒鉛質の炭素を負極活物質として用いると、非水系電解液として広く用いられている種々のカーボネート化合物が、電池の充電時に分解してガスを発生し、電池の内圧が高まり、電池が破裂するなどの問題が起きる。
これに対する解決策として、例えば特許文献4では、炭素負極の表面を水溶性高分子やイオン伝導性高分子で被覆することが提案されている。しかし、炭素負極の表面を水溶性高分子等で被覆しただけでは、非水系電解液の分解を抑制するには不十分である。
そこで、特許文献5において、負極として水中で負に帯電する水溶性高分子物質で表面の少なくとも一部が被覆された炭素を負極活物質として含有するものを用い、かつ非水系電解液としてプロピレンカーボネートよりも高い電位で還元される化合物を含有するものを用いることを特徴とする非水系二次電池が提案された。
しかしながら当該技術においても、非水系電解液の分解によるガス発生の抑制は十分ではなく、電池安定性について改善の余地がある。
なお、特許文献4は、前記水溶性高分子としてスチレン−無水マレイン酸共重合体の加水分解物を挙げ、特許文献5は、前記水溶性高分子物質としてポリスチレンスルホン酸やマレイン酸が共重合されているポリスチレンスルホン酸が挙げられているが、これらの文献の実施例においては、これらの物質は全く検討されていない。
特開平4−237949号公報 特開平4−368778号公報 特開平4−370662号公報 特開平11−120992号公報 特開2002−134171号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、初期充放電効率に優れ、ガス発生が少なく、高いサイクル維持率を有し、電池用電極として用いた場合に、電解液の浸液性を損ねることなく、電極の膨れを抑制可能な非水系二次電池用炭素材料、当該炭素材料を用いて得られる非水系二次電池用負極及び当該負極を備える非水系二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、等方的加圧処理された炭素活物質(A)を含む炭素材料に、イオン性基と芳香環とを併せ持つ有機化合物を被覆することで前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は、等方的加圧処理された炭素活物質(A)と、イオン性基及びベーサル吸着基を有する有機化合物(B)とを少なくとも含有する非水系二次電池用炭素材料に存する。
本発明によれば、初期充放電効率に優れ、ガス発生が少なく、高いサイクル維持率を有し、電池用電極として用いた場合に、電解液の浸液性を損ねることなく、電極の膨れを抑制可能な非水系二次電池用炭素材料、当該炭素材料を用いて得られる非水系二次電池用負極及び当該負極を備える非水系二次電池が提供される。
以下、本発明の内容を詳細に述べる。なお、以下に記載する発明の構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨をこえない限り、これらの形態に特定されるものではない。
[非水系二次電池用炭素材料]
本発明の非水系二次電池用炭素材料は等方的加圧処理された炭素活物質(A)を含有する。炭素活物質(A)は、その骨格中にリチウムイオンを吸蔵・放出することができる炭素物質であって、非水系二次電池用炭素材料には少なくとも等方的加圧処理された炭素活物質(A)を含んでいれば特に制限されないが、等方的加圧処理された炭素活物質(A)の例としては、種々の黒鉛が挙げられる。
前記黒鉛の形状は特に制限されず、球状、薄片状、繊維状、不定形粒子などから適宜選択して用いることができるが、好ましくは球状である。
前記黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛の何れを用いてもよい。黒鉛としては、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
前記天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられる。前記鱗状黒鉛の産地は、主にスリランカであり、前記鱗片状黒鉛の産地は、マダガスカル、中国、ブラジル、ウクライナ、カナダ等であり、前記土壌黒鉛の主な産地は、朝鮮半島、中国、メキシコ等である。
これらの天然黒鉛の中で、土壌黒鉛は一般に粒径が小さいうえ、純度が低い。これに対して、鱗片状黒鉛や鱗状黒鉛は、黒鉛化度が高く不純物量が低い等の長所があるため、本発明において好ましく使用することができる。
また上記人造黒鉛としては、ピッチ原料を高温熱処理して製造した、コークス、ニードルコークス、高密度炭素材料等の黒鉛質粒子が挙げられる。
以上説明した天然黒鉛及び人造黒鉛のうち、低コストと電極作製のし易さの点で、天然黒鉛が本発明において好ましく用いられる。
前記天然黒鉛の中でも、本発明の効果を発揮する観点から、好ましくは球形化黒鉛であり、より好ましくは球形化天然黒鉛、更に具体的には、高純度化した鱗片状黒鉛に球形化処理を施した球形化天然黒鉛である。
球形化天然黒鉛は天然黒鉛を球形化することで得られるものであるが、その球形化処理に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し粒子に与える装置を用いることができる。
具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された天然黒鉛原料に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。
球形化処理を施すことにより、鱗片状の天然黒鉛が折りたたまれる、もしくは周囲エッジ部分が球形粉砕されることにより球状とされた母体粒子に、粉砕により生じた主に5μm以下の微粉が付着する。また、球形化処理後の天然黒鉛の表面官能基量O/C値が1%以上、4%以下となる条件で、球形化処理を行うことが好ましい。
この際には、機械的処理のエネルギーにより天然黒鉛表面の酸化反応を進行させ、天然黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で球形化処理を行うことが好ましい。例えば前述の装置を用いて処理する場合は、回転するローターの周速度を30〜100m/秒にすることが好ましく、40〜100m/秒にすることがより好ましく、50〜100m/秒にすることが更に好ましい。
次に、本発明の非水系二次電池用炭素材料の構成成分である炭素活物質(A)の各種特性について説明する。前記炭素活物質(A)は、これらの特性のうち、いずれか1つ以上を満たすことが好ましい。
(平均粒子径(d50))
炭素活物質(A)の平均粒子径(d50)は、通常50μm以下とすることができ、また、通常1μm以上とすることができる。この範囲であれば、負極製造の際に、極板化した際に、負極形成材料の筋引きなどの工程上の不都合が生ずることを防止することができる。平均粒子径(d50)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、また、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上である。
なお、本願明細書において、平均粒子径(d50)は、体積基準のメジアン径を意味する。具体的には、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した値として得ることができる。
(タップ密度)
炭素活物質(A)のタップ密度は、通常0.7g/cm以上、1g/cm以上が好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.1g/cm以下が好ましい。タップ密度が低すぎると、非水系二次電池とした場合に高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、負極形成材料の圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、試料を落下させて、セ
ルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(BET法比表面積(SA))
炭素活物質(A)のBET法で測定した比表面積は、通常1m/g以上とすることができ、また、通常11m/g以下とすることができる。この範囲であれば、Liが出入りする部位が十分で、非水系二次電池とした場合に良好な高速充放電特性・出力特性が得られ、活物質の電解液に対する活性を制御し、初期不可逆容量を小さくし、高容量化を容易に図ることができる。比表面積は、好ましくは1.2m/g以上、より好ましくは、1.5m/g以上であり、また、好ましくは10m/g以下、より好ましくは9m/g以下、さらに好ましくは8m/g以下である。
なお、本願明細書において、BET法比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET5点法にて測定した値とする。
(X線パラメータ)
炭素活物質(A)のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)は、通常0.335nm以上であり、また、通常0.340nm未満であり、好ましくは0.339nm以下であり、より好ましくは0.337nm以下である。d002値が0.340nm未満であれば、適切な結晶性が得られ、非水系二次電池とした場合に初期不可逆容量の増加が抑制できる。一方、0.335nmは黒鉛の理論値である。
(ラマンR値)
炭素活物質(A)のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比R(R=I/I)を算出して定義する。その値は通常0.01以上である。また、通常1以下、0.6以下が好ましい。ラマンR値がこの範囲を下回ると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性の低下を招く傾向がある。一方、この範囲を上回ると、粒子表面の結晶が乱れ、電解液との反応性が増し、非水系二次電池とした場合に効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
ラマンスペクトルはラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
(等方的加圧処理された炭素活物質(A)の製造方法)
本発明の炭素活物質(A)は、等方的加圧処理された炭素活物質(A)である。そこで、等方的加圧処理の製造方法について、以下に好ましい製造方法を記載する。
等方的加圧処理された炭素活物質(A)を製造するためには、例えば、上述したような黒鉛粒子を等方的に加圧処理(CIP)して成型して製造することができる。なお、黒鉛粒子を等方的に加圧する処理することは、黒鉛粒子表面に凹凸を形成させて均一に粒子内空隙を減らすことで、所定の内部空隙率となるため好ましい。
加圧処理によって成型する方法は、特に限定されず、静水圧プレス機、ロールコンパクター、ロールプレス、プリケット機、及びタブレット機により、等方的に加圧処理することが好ましい。
また、必要があればロールに彫り込まれたパターンどおりに、黒鉛粒子を加圧と同時に成型することも可能である。また、黒鉛粒子間に存在する空気を排気し、真空プレスする方法も適用できる。
原料天然黒鉛粒子を加圧する圧力は、特に限定されるものではないが、通常50kgf/cm以上、好ましくは100kgf/cm、より好ましくは300kgf/cm以上、更に好ましくは500kgf/cm以上、特に好ましくは700kgf/cm以上である。また、加圧処理の上限は特に限定されないが、通常2000kgf/cm以下、好ましくは1800kgf/cm以下、より好ましくは1600kgf/cm以下、更に好ましくは1500kgf/cm以下である。
圧力が低すぎると、粒子内空隙量の減少、及び粒子表面における凹凸の形成が不十分になる傾向があり、圧力が高すぎると粉砕時に余計な力が必要となるため粒子が破壊され本来の特性を十分に発揮できなくなる傾向がある。
加圧する時間は、通常1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上、さらに好ましくは4分以上である。また、通常30分以下、好ましくは25分以下、より好ましくは20分以下、更に好ましくは15分以下である。時間が長すぎると、生産性が著しく低下してしまう傾向があり、時間が短すぎると十分に処理が施されない傾向がある。 必要に応じて、加圧処理された天然黒鉛を解砕する工程を行ってもよい。その形状は任意であるが、通常は平均粒径(d50)が2〜50μmの粒状とする。平均粒径が5〜35μm、特に8〜30μmとなるように粉砕・分級することが好ましい。
(等方的加圧処理された炭素活物質(A)の物性)
等方的加圧処理された炭素活物質(A)の物性は、以下の物性を持つことが好ましい。
(i)内部空隙率
等方的加圧処理された炭素活物質(A)の内部空隙率は通常1%以上、好ましくは3%以上、より好ましく5%以上、更に好ましくは7%以上である。また通常20%以下、好ましくは18%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは12%以下である。この内部空隙率が小さすぎると粒子内の液量が少なくなり、充放電特性が悪化する傾向があり、内部空隙率が大きすぎると、電池にした時の粒子間空隙が少なく液の拡散が不十分になる傾向がある。
内部空隙率の算出方法は、得られた細孔分布(積分曲線)を元に、接線を引き、接線と積分曲線の分岐点を求め、それよりも小さい細孔容積を粒子内細孔量(cm/g)として定義する。得られた粒子内細孔量と黒鉛の真密度から粒子内細孔量を算出した。算出に用いた黒鉛の真密度は一般的な黒鉛の真密度である2.26g/cmを用いた。算出式を式1に示した。
式1:内部空隙率=[粒子内細孔量/{粒子内細孔量+(1/黒鉛の真密度)]×100(ii)平均粒径(d50)に対する凹部分の直径Dの比率(凹部分の直径D/d50)
等方的加圧処理された炭素活物質(A)のd50に対する凹部分の直径Dの比率である(凹部分の直径D/d50)は通常0.15倍以上、好ましくは0.2倍以上、より好ましくは0.3倍以上である。また、通常7倍以下、好ましくは5倍以下、より好ましくは3倍以下である。凹部分の直径D/d50の比率が大きすぎると粒子が偏平になりやすくなり電極にした際に電極と平行方向に配向しやすくなる傾向にある。また等方的加圧処理された炭素活物質(A)の凹部分の直径D/d50の比率が小さすぎると、電極にした際に粒子同士の接触性が悪くなり十分なサイクル特性が得られない傾向にある。
等方的加圧処理された炭素活物質(A)の凹部分の直径DはSEM画像を用いて算出した。
まず、SEM画像の測定方法は株式会社キーエンス社製 VE−7800を用い、加速電圧5kVで測定する。
得られた等方的加圧処理された炭素活物質(A)のSEM画像の表面の凹を円であると仮定し、その時の直径を等方的加圧処理された炭素活物質(A)の凹部分の直径Dとした。そして下記測定方法で測定した等方的加圧処理された炭素活物質(A)のd50を用いて(凹部分の直径D/d50)を算出する。
凹部分の直径Dは、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは70μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。この直径Dが大きすぎると凹凸が大きすぎるため、偏平粒子になってしまい電極にした際に電極に対して並行に配向してしまう傾向があり、直径Dが小さすぎると粒子間の接触性が悪くなる傾向がある。
また、等方的加圧処理された炭素活物質(A)の平均粒径(d50)は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下である。平均粒径が小さすぎると、比表面積が小さくなり不可逆容量の増加を防ぎにくくなる傾向がある。また、平均粒径が大きすぎると、電解液と炭素質物被覆黒鉛(b)の粒子との接触面積が減ることによる急速充放電性の低下を防ぎにくくなる。
平均粒径d50の測定方法は、まず、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、Tween20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、サンプル0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「HORIBA製LA−920」に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、d50とする。
(iv)X線パラメータ
等方的加圧処理された炭素活物質(A)の学振法によるX線回折で求めた等方的加圧処理された炭素活物質(A)の結晶子サイズ(Lc)、(La)は、30nm以上であることが好ましく、中でも100nm以上であることが更に好ましい。結晶子サイズがこの範囲であれば、等方的加圧処理された炭素活物質(A)に充電可能なリチウム量が多くなり、高容量を得易いので好ましい。
(v)ラマンR値、ラマン半値幅
等方的加圧処理された炭素活物質(A)のラマンR値は、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトル法を用いて測定した値であり、通常0.01以上、好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.1以上であり、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.2以下、更に好ましくは1以下、特に好ましくは0.5以下である。
ラマンR値が小さすぎると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、充放電に伴ってLiが層間に入るサイトが少なくなる傾向がある。即ち、充電受入性が低下する場合がある。また、集電体に塗布した後、プレスすることによって負極を高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向しやすくなり、負荷特性の低下を招く場合がある。特に、ラマンR値が0.1以上であると、負極表面に好適な被膜を形成し、これにより保存特性やサイクル特性、負荷特性を向上させることができより好ましい。
一方、ラマンR値が大きすぎると、粒子表面の結晶性が低下し、非水系電解液との反応性が増し、効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
また、負極活物質の1580cm−1付近のラマン半値幅は特に制限されないが、通常
10cm−1以上、好ましくは15cm−1以上であり、また、通常100cm−1以下、好ましくは80cm−1以下、更に好ましくは60cm−1以下、特に好ましくは40cm−1以下である。
ラマン半値幅が大きすぎると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、充放電に伴ってLiが層間に入るサイトが少なくなる傾向がある。即ち、充電受入性が低下する場合がある。また、集電体に塗布した後、プレスすることによって負極を高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向しやすくなり、負荷特性の低下を招く傾向がある。一方、ラマン半値幅が大きすぎると、粒子表面の結晶性が低下し、非水系電解液との反応性が増し、効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
ラマンスペクトルの測定は、ラマン分光器(日本分光社製ラマン分光器)を用いて、試料を測定セル内へ自然落下させて充填し、セル内のサンプル表面にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、セルをレーザー光と垂直な面内で回転させることにより行なう。得られるラマンスペクトルについて、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比R(R=I/I)を算出する。該測定で算出されるラマンR値を、本発明の負極活物質のラマンR値と定義する。また、得られるラマンスペクトルの1580cm−1付近のピークPの半値幅を測定し、これを本発明の負極活物質のラマン半値幅と定義する。
また、上記のラマン測定条件は、次の通りである。
・アルゴンイオンレーザー波長 :514.5nm
・試料上のレーザーパワー :15〜25mW
・分解能 :10〜20cm−1
・測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
・ラマンR値、ラマン半値幅解析:バックグラウンド処理・スムージング処理
:単純平均、コンボリューション5ポイント
(vi)BET比表面積
等方的加圧処理された炭素活物質(A)のBET比表面積(SA)は、BET法を用いて測定した比表面積の値であり、通常0.1m/g以上、好ましくは0.7m/g以上、更に好ましくは1.0m/g以上、特に好ましくは1.5m/g以上であり、また、通常20m/g以下、好ましくは17m/g以下、更に好ましくは14m/g以下、特に好ましくは10m/g以下である。
BET比表面積の値が小さすぎると、充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなりやすく、リチウムが電極表面で析出しやすくなり、安定性が低下する傾向がある。一方、BET比表面積の値が大きすぎると、非水系電解液との反応性が増加し、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向がある。 BET法による比表面積の測定は、表面積計(大倉理研製全自動表面積測定装置)を用いて、試料に対して窒素流通下350℃で15分間、予備乾燥を行なった後、大気圧に対する窒素の相対圧の値が0.3となるように正確に調整した窒素ヘリウム混合ガスを用いて、ガス流動法による窒素吸着BET1点法によって行なう。該測定で求められる比表面積を、本発明の等方的加圧処理された炭素活物質(A)のBET比表面積と定義する。
(vii)タップ密度
等方的加圧処理された炭素活物質(A)のタップ密度は、通常0.1g/cm以上、好ましくは0.5g/cm以上、更に好ましくは0.7g/cm以上、特に好ましくは1g/cm以上であり、また、通常2g/cm以下、好ましくは1.8g/cm以下、更に好ましくは1.6g/cm以下である。タップ密度が小さすぎると、負極と
した場合に充填密度が上がり難く、高容量の電池を得にくくなる傾向がある。また、タップ密度が大きすぎると、電極中の粒子間の空隙が少なくなり過ぎ、粒子間の導電性が確保され難くなり、好ましい電池特性が得られにくい傾向がある。 タップ密度の測定は、目開き300μmの篩を通過させて、20cmのタッピングセルに試料を落下させてセルの上端面まで試料を満たした後、粉体密度測定器(例えば、セイシン企業社製タップデンサー)を用いて、ストローク長10mmのタッピングを1000回行なって、その時の体積と試料の質量からタップ密度を算出する。該測定で算出されるタップ密度を、本発明の等方的加圧処理された炭素活物質(A)のタップ密度として定義する。
(viii)配向比
等方的加圧処理された炭素活物質(A)の粉体の配向比は、通常0.005以上、好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.015以上であり、また、通常0.6以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下である。配向比が小さすぎる、上記範囲を下回ると、高密度充放電特性が低下する傾向場合がある。なお、上記範囲の通常の上限は、炭素質材料の配向比の理論上限値である。
配向比は、試料を加圧成型してからX線回折により測定する。試料0.47gを直径17mmの成型機に充填し58.8MN・m−2で圧縮して得た成型体を、粘土を用いて測定用試料ホルダーの面と同一面になるようにセットしてX線回折を測定する。得られた炭素の(110)回折と(004)回折のピーク強度から、(110)回折ピーク強度/(004)回折ピーク強度で表わされる比を算出する。該測定で算出される配向比を、本発明の等方的加圧処理された炭素活物質(A)の配向比と定義する。
X線回折測定条件は次の通りである。なお、「2θ」は回折角を示す。
・ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
・スリット :
発散スリット=0.5度
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=0.5度
・測定範囲及びステップ角度/計測時間:
(110)面:75度≦2θ≦80度 1度/60秒
(004)面:52度≦2θ≦57度 1度/60秒
(等方的加圧処理された炭素活物質(A)の形状)
本発明における等方的加圧処理された炭素活物質(A)は以下の形状を示すものが好ましい。等方的加圧処理された炭素活物質(A)は、表面に凹凸を有していることが好ましい。凸部分とは、球形化黒鉛の丸みをそのまま維持した部分のことであり、凹部分とは、加圧処理、好ましくはCIP処理により他黒鉛粒子によって圧縮された部分のことを意味する。これらの形状はSEM画像等を用いて確認することができる。
(被覆処理)
本発明に使用される炭素活物質(A)は、炭素質物でその表面の少なくとも一部が被覆されたものを用いてもよい。この被覆の態様はSEM画像等で確認することができる。
・炭素質物
なお、前記炭素質物としては、後述するその製造方法における加熱の温度の相違によって、非晶質炭素及び黒鉛化物が挙げられる。
具体的には、前記炭素質物は、その炭素前駆体を後述するように加熱処理することで得ることができる。前記炭素前駆体として、以下の(a)又は(b)に記載の有機化合物が好ましい。
(a)石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油、芳香族炭化水素、N環化合物、S環化合物、ポリフェニレン、有機合成高分子、天然高分子、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれた炭化可能な有機物
(b)炭化可能な有機物を低分子有機溶媒に溶解させたもの
・被覆処理
被覆処理においては、例えば上述した等方的に加圧処理した黒鉛粒子を核黒鉛とし、炭素質物を得るための炭素前駆体を被覆原料として用い、これらを混合、焼成することで、炭素質物で被覆された炭素活物質(A)が得られる。また、等方的加圧していない黒鉛粒子を核黒鉛とし、炭素質物を得るための炭素前駆体を被覆原料として用い、これらを混合した後に、等方的に加圧処理した後焼成してもよいし、焼成後に等方的に加圧処理を行ってもよい。
焼成温度を、通常600℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは900℃以上、通常2000℃以下、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下とすると炭素質物として非晶質炭素が得られ、通常2000℃以上、好ましくは2500℃以上、通常3200℃以下で熱処理を行うと炭素質物として黒鉛化物が得られる。前記非晶質炭素とは結晶性の低い炭素であり、前記黒鉛化物とは結晶性の高い炭素である。
<有機化合物(B)>
次に、本発明の非水系二次電池用炭素材料の構成成分である有機化合物(B)について説明する。
有機化合物(B)は、イオン性基及びベーサル吸着性基を有する化合物である。有機化合物(B)は本発明の炭素材料において、炭素活物質(A)を効果的に被覆するものと考えられ、非水系二次電池とした場合に、通常、充放電時に生じる炭素活物質(A)と非水系電解液との反応を抑制し、初期不可逆容量及び、ガスの発生を効果的に抑制する。
前記イオン性基とは、水中でアニオン又はカチオンを生じうる基であり、その例としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びこれらの塩が挙げられる。前記塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、非水系二次電池とした場合の初期不可逆容量の観点から、スルホン酸基及びそのリチウム塩もしくはナトリウム塩が好ましい。
また前記ベーサル吸着基とは、ベーサル面に親和性を有する化合物であり、π−π相互作用及び、または、疎水性相互作用を有した化合物である。
このようなベーサル吸着基としては、芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、複素芳香族化合物、不飽和炭化水素、長鎖アルキルが挙げられる。具体的には、フラン、ピロール、イミダゾール、チオフェン、ホスホール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾホスホール、ベンゾイミダゾール、プリン、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフタレン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、アントラセン、ピレン、アルケン、アルカン、長鎖アルキル等が挙げられる。
これらの中でも、化合物の合成、入手のし易さ及び、吸着性の観点から、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましい。
また、有機化合物(B)は低分子化合物であっても、ポリマー形態の高分子化合物であってもよいが、ガスの発生を効果的に抑制する観点からは、高分子化合物であることが好ましい。
前記低分子化合物の例としては、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸リチウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、アントラセンスルホン酸、アントラセンスルホン酸リチウム、アントラセンスルホン酸ナトリウム、その他、ベーサル吸着基として芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、複素芳香族、不飽和炭化水素構造を有し、電解液への溶解しにくい化合物であれば限定されるものではない。
また、前記高分子化合物の重量平均分子量は特に制限されないが、通常200以上、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、更に好ましくは2500以上である。一方前記重量平均分子量は、通常100万以下、好ましくは50万以下、より好ましくは30万以下、更に好ましくは20万以下である。なお、本明細書において重量平均分子量とは、溶媒THFのGPCにより測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量あるいは、溶媒が水系あるいはDMFあるいはDMSOのGPCにより測定した標準ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
このような高分子化合物の例としては、スチレン-マレイン酸の共重合体、スチレン-マレイン酸ナトリウムの共重合体、スチレン-マレイン酸リチウムの共重合体、スチレン−
アクリル酸の共重合体、スチレン−アクリル酸ナトリウムの共重合体、スチレン−アクリル酸リチウムの共重合体、スチレン−メタクリル酸の共重合体、スチレン−メタクリル酸リチウムの共重合体、スチレン−ビニルスルホン酸の共重合体、スチレン−ビニルスルホン酸ナトリウムの共重合体、スチレン−ビニルスルホン酸リチウムの共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−スチレンスルホン酸の共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウムの共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸リチウムの共重合体等が挙げられ、ガスの発生を効果的に抑制する観点から、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸リチウム及びポリスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく、中でもポリスチレンスルホン酸リチウム及びポリスチレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
また、本発明の炭素材料において有機化合物(B)は、炭素活物質(A)100質量部に対して通常0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部含有されている。0.1質量部未満では炭素活物質(A)を効果的に被覆することが困難な場合があり、一方5質量部を超えると、炭素活物質(A)と被覆層との界面抵抗が上がってしまう場合がある。
以上説明した有機化合物(B)は、市販されており、また公知の方法により合成することもでき、本発明において1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(非水系二次電池用炭素材料中の等方的加圧処理された炭素活物質(A))
本発明では、非水系二次電池用炭素材料中に、少なくとも等方的加圧処理された炭素活物質(A)が含有されていればよく、含有割合には特に制限はないが、通常、非水系二次電池用炭素材料に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは、0.1質量%以上、特に好ましくは、0.2質量%以上である。また、通常炭素活物質に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは、3質量%以下、特に好ましくは、2質量%以下である。この範囲内にあれば、被覆による初期充放電効率の改善や、ガス発生抑制効果が得られ、且つ、大きな界面抵抗の上昇が抑えられる傾向がある。
また、本発明では、非水系二次電池用炭素材料中に等方的加圧処理された炭素活物質(A)が2種類以上含有されてもよい。その場合は、等方的加圧処理された炭素活物質(A)中の各等方的加圧処理された炭素活物質の割合には特に制限はないが、通常、全炭素活
物質に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは、4質量%以上、特に好ましくは、5質量%以上である。また、通常、全炭素活物質に対して、99質量%以下、好ましくは98質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは、97質量%以下、特に好ましくは、96質量%以下である。この範囲内にあれば、初期充放電効率の改善や、電極膨れ抑制効果が得られながら、且つサイクル特性に優れた負極材料となる傾向がある。
<非水系二次電池用炭素材料の製造方法>
本発明の非水系二次電池用炭素材料(以下、本発明の炭素材料ともよぶ)は、以上説明した炭素活物質(A)及び有機化合物(B)を混合し、炭素活物質(A)に有機化合物(B)を添着(被覆)させることで得られる。なお、添着した後は、上述した被覆処理のように有機化合物(B)が炭素化又は黒鉛化するような焼成工程はしないことが好ましい。
ここで、前記混合を容易にするため、有機化合物(B)を溶媒に溶解して溶液の形態とし、これに炭素活物質(A)を投入し、有機化合物(B)が炭素活物質(A)と均一に混合され、また付着するようによく攪拌する。そして十分に混合した後、濾過または加熱により溶媒を除去し、本発明の炭素材料を得ることができる。
前記溶媒としては、水や、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒が挙げられるが、入手が容易でまた環境負荷も少ないことから、水が好ましい。また前記加熱は、通常60〜120℃程度である。溶媒を除去した後、炭素材料を減圧下で乾燥する場合、その温度は300℃以下とすることができ、また、50℃以上とすることができる。この範囲であれば、乾燥効率が十分であり、かつ溶媒残存による電池性能の低下が避けられ、かつ有機化合物(B)の分解防止や、炭素活物質(A)と有機化合物(B)との相互作用が弱くなることによる効果の低減防止を容易に図ることができる。乾燥温度は、好ましくは250℃以下であり、また、好ましくは100℃以上である。
このようにして得られる本発明の炭素材料においては、有機化合物(B)が炭素活物質(A)を効果的に強固に被覆していると考えられ、当該炭素材料を非水系電解液に浸して75℃で3日保存した場合、その非水系電解液への有機化合物(B)の溶出量は、炭素材料中の有機化合物(B)全体(100質量%)の通常3質量%以下であり、好ましくは2質量%以下である。
また、本発明の炭素材料の平均粒子径(d50)は、通常50μm以下とすることができ、また、1μm以上とすることができる。この範囲であれば、負極製造の際に、極板化した際に、負極形成材料の筋引きなどの工程上の不都合が生ずることを防止することができる。平均粒子径(d50)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、また、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上である。なお、平均粒子径(d50)の測定方法は、前述した通りである。また、本発明の炭素材料のd50は、その原料である炭素活物質(A)のd50を変更することによって、調整することができる。
<その他の成分>
本発明の非水系二次電池用炭素材料には、等方的加圧処理された炭素活物質(A)を含む炭素活物質(A)と、イオン性基及び芳香環を有する有機化合物(B)とを含有する非水系二次電池用炭素材料以外にも、有機化合物(B)が被覆されていて等方的加圧処理されていない炭素活物質、有機化合物(B)が被覆されていなく等方的加圧処理されている炭素活物質等々を本発明の効果を損なわない程度に含有させることができる。これらの炭素活物質は、公知の炭素材料を用いることができ、例えば、人造黒鉛、非晶質被覆炭素材料、黒鉛質被覆炭素材料、非晶質炭素、球形化天然黒鉛、鱗状天然黒鉛等々が挙げられる。
なお、有機化合物(B)が被覆されていない炭素材料は、炭素材料の断面SEM写真等々
で見分けることが可能である。
これらの中でも、有機化合物(B)が被覆されていて等方的加圧処理されていない炭素活物質が含有されていることがより好ましく、上述した公知の炭素材料の中でも、球形化天然黒鉛が更に好ましい。
その他の炭素材料が含有されていた場合の含有割合は、(非水系二次電池用炭素材料中の等方的加圧処理された炭素活物質(A))の項の記載に準じた割合であることが好ましい。
また、負極の導電性を向上させるために、導電剤を含有させてもよい。導電剤は、特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などを使用することができる。前記導電剤の添加量は、本発明の非水系二次電池用炭素材料に対して、10質量%以下であることが好ましい。
[非水系二次電池用負極]
本発明の非水系二次電池用負極は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを備え、かつ活物質層が少なくとも本発明の非水系二次電池用炭素材料を含有するものとすることができる。前記活物質層は、好ましくは、さらにバインダを含有する。
前記バインダは、特に限定されないが、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものが好ましい。その具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
このような分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダと、本発明の非水系二次電池用炭素材料とを組み合わせて用いることにより、負極板の強度を高くすることができる。負極板の強度が高いと、充放電による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命を長くすることができる。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダは、分子量及び/又は不飽和結合の割合が大きいものが好ましい。分子量としては、重量平均分子量を1万以上とすることができ、また、100万以下とすることができる。この範囲であれば、機械的強度及び可撓性の両面を良好な範囲に制御できる。重量平均分子量は、好ましくは5万以上であり、また、好ましくは30万以下の範囲である。
不飽和結合の割合については、全バインダの1g当たりのオレフィン性不飽和結合のモル数を2.5×10−7以上とすることができ、また、5×10−6以下とすることができる。この範囲であれば、強度向上効果が十分に得られ、可撓性も良好である。前記モル数は、好ましくは8×10−7以上であり、また、好ましくは1×10−6以下である。
また、オレフィン性不飽和結合を有するバインダについては、その不飽和度を、15%以上とすることができ、また、90%以下とすることができる。不飽和度は、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また、好ましくは80%以下である。本願明細書において、不飽和度とは、ポリマーの繰り返し単位数に対する二重結合の割合(%)を表す。
バインダとして、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、使用することができる。分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダにオレフィン性不飽和結合を有さないバインダを併用することによって、本発明の炭素材料及びバインダを含有する負極形
成材料の塗布性の向上等が期待できる。オレフィン性不飽和結合を有するバインダ100質量%とした場合、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、活物質層の強度の低下を抑制するため、150質量%以下とすることができ、好ましくは120質量%以下である。
前記オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸、あるいは或いはこれらポリマーの金属塩、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー及びこれらの共重合体などが挙げられる。
本発明の負極は、本発明の非水系二次電池用炭素材料及びバインダ、場合により導電剤を分散媒に分散させてスラリー(負極形成材料)とし、これを集電体に塗布して集電体上に活物質層を設けることにより形成することができる。前記分散媒としては、アルコールなどの有機溶媒や、水を用いることができる
前記バインダは、本発明の炭素材料100質量部に対して通常は0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上用いる。バインダの割合を前記炭素材料100質量部に対して0.1質量部以上とすることで、炭素材料相互間や炭素材料と集電体との結着力が十分となり、負極から炭素材料が剥離することによる電池容量の減少およびリサイクル特性の悪化を防ぐことができる。
また、バインダは本発明の炭素材料100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましく、7質量部以下とすることがより好ましい。バインダの割合を前記炭素材料100質量部に対して10質量部以下とすることにより、負極の容量の減少を防ぎ、かつリチウムイオンの炭素材料への出入が妨げられるなどの問題を防ぐことができる。
これらの構成成分を混合した後、必要に応じて脱泡を行い、負極形成材料であるスラリーを得る。
上記負極集電体としては、従来この用途に用い得ることが知られている、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタンおよび炭素などを用いることができる。前記集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたもの、ネットおよびパンチングメタルなどを用いるものも好ましい。
活物質層の密度は、用途により異なるが、車載用途やパワーツール用途などの入出力特性を重視する用途においては、1.1g/cm3以上とすることができ、また、1.65
g/cm3以下とすることができる。この範囲であれば、密度が低すぎることによる粒子
同士の接触抵抗の増大を回避することができ、一方、密度が高すぎることによるレート特性の低下も抑制することができる。前記密度は、好ましくは1.2g/cm3以上、さら
に好ましくは1.25g/cm3以上である。
一方携帯電話やパソコンといった携帯機器用途などの容量を重視する用途では、活物質層の密度は1.45g/cm3以上とすることができ、また、1.90g/cm以下と
することができる。この範囲であれば、密度が低すぎることによる単位体積あたりの電池の容量低下を回避することができ、一方、密度が高すぎることによるレート特性の低下も抑制することができる。前記密度は、好ましくは1.55g/cm3以上、さらに好まし
くは1.65g/cm3以上、特に好ましくは1.7g/cm3以上である。
[非水系二次電池]
以下、本発明の炭素材料を含む本発明の非水系二次電池用負極を用いた非水系二次電池に関する部材の詳細を例示するが、使用し得る材料やそれらの作製の方法等は以下の具体例に限定されるものではない。
本発明の非水系二次電池の基本的構成は、従来公知の非水系二次電池と同様であり、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる正極及び負極、並びに非水系電解液(電解質を含む)等を備え、前記負極は本発明の非水系二次電池用負極である。以下、これらの各構成要素等について説明する。なお、前記非水系電解液を有機高分子化合物等によりゲル状、ゴム状、固体シート状にしてもよい。
<正極>
前記正極は、正極活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
・正極活物質
前記正極活物質としては、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物などが挙げられる。金属カルコゲン化合物としては、バナジウムの酸化物、モリブデンの酸化物、マンガンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの酸化物、タングステンの酸化物などの遷移金属酸化物、バナジウムの硫化物、モリブデンの硫化物、チタンの硫化物、CuSなどの遷移金属硫化物、NiPS、FePS等の遷移金属のリン−硫黄化合物、VSe、NbSeなどの遷移金属のセレン化合物、Fe0.250.752、Na0.1CrSなどの遷移金属の複合酸化物、LiCoS、LiNiSなどの遷移金属の複合硫化物等が挙げられる。
中でも、V、V13、VO、Cr、MnO、TiO、MoV、LiCoO、LiNiO、LiMn、TiS、V、Cr0.250.752、Cr0.50.52などが好ましく、特に好ましいのはLiCoO、LiNiO、LiMnや、これらの遷移金属の一部を他の金属で置換したリチウム遷移金属複合酸化物である。これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
バインダは、特に限定されず、公知のものを任意に選択して用いることができる。例としては、シリケート、水ガラス等の無機化合物や、テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の不飽和結合を有さない樹脂などが挙げられる。中でも好ましいのは、酸化反応時に分解しにくいため、不飽和結合を有さない樹脂である。バインダの重量平均分子量は、1万以上とすることができ、また、300万以下とすることができる。重量平均分子量は、好ましくは10万以上であり、また、好ましくは100万以下である。
正極活物質層中には、正極の導電性を向上させるために、導電剤を含有させてもよい。導電剤としては、特に限定されず、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。
本発明において正極は、上述したような負極の製造方法と同様にして、活物質、場合によりバインダ、導電剤を分散媒に分散させてスラリーとし、これを集電体に塗布することにより形成することができる。正極の集電体は、特に限定されず、その例としてアルミニウム、ニッケル、SUSなどが挙げられる。
<電解質>
本発明の非水系二次電池における非水系電解液に用いられる電解質には制限はなく、電解質として用いられる公知のものを任意に採用して含有させることができる。電解質としてはリチウム塩が好ましい。電解質の具体例としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオ
ロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート、フルオロスルホン酸リチウム等が挙げられる。これらの電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
リチウム塩の非水系電解液中の濃度は任意であるが、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.6mol/L以上、より好ましくは0.8mol/L以上、また、通常3mol/L以下、好ましくは2mol/L以下、より好ましくは1.5mol/L以下の範囲である。リチウム塩の総モル濃度が上記範囲内にあることにより、非水系電解液の電気伝導率が十分となり、一方、粘度上昇による電気伝導度の低下、電池性能の低下を防ぐことができる。
<非水系溶媒>
非水系電解液が含有する非水系溶媒は、電池として使用した際に、電池特性に対して悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に制限されないが、通常使用される非水系溶媒の例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートやエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートなどのカーボネート化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル、エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、メタンスルホン酸メチル、スルホラン、ジメチルスルホン等の含硫黄化合物等が挙げられ、これら化合物においては、水素原子が一部ハロゲン原子で置換されていてもよい。
これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよいが、2種以上の化合物を併用することが好ましい。例えば、環状カーボネートや環状カルボン酸エステル等の高誘電率溶媒と、鎖状カーボネートや鎖状カルボン酸エステル等の低粘度溶媒とを併用することが好ましい。
黒鉛ないしは結晶化度の高い黒鉛質の炭素は真密度が大きいので、これを負極用活物質として用いれば、二次電池の体積エネルギー密度を大きくすることができると考えられるが、これらを負極活物質として用いると、非水系電解液として広く用いられている種々のカーボネート化合物が、電池の充電時に分解してガスを発生し、電池の内圧が高まり、電池が破裂しやすいなどの問題が起きていた。
これに対する解決策として従来、炭素負極の表面を水溶性高分子やイオン伝導性高分子で被覆する、及び、または非水系電解液としてプロピレンカーボネートよりも高い電位で還元される化合物を含有する技術が提案されていたが(特許文献4、5)、これらの技術においても、電解液の分解によるガス発生の抑制は十分ではなく、電池安定性について改善の余地があった。
本発明では、イオン性基及び芳香環を有する特定の有機化合物(B)を等方的加圧処理された炭素活物質(A)と併せて使用することによって、初期不可逆容量及び、ガス発生、極板膨れの抑制効果がより高くなっており、非水系電解液の分解によるガスや電池として繰り返し使用する際に生じるガスの発生が起こりにくい、安定な非水系二次電池を提供することができる。
<助剤>
非水系電解液には、上述の電解質、非水系溶媒以外に、目的に応じて適宜助剤を配合し
てもよい。負極表面に皮膜を形成するため、電池の寿命を向上させる効果を有する助剤としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート等の不飽和環状カーボネート、フルオロエチレンカーボネート等のフッ素原子を有する環状カーボネート、4−フルオロビニレンカーボネート等のフッ素化不飽和環状カーボネート、下記一般式(1)で表されるイソシアネート化合物等が挙げられる。中でも、ガス抑制の点から、ビニレンカーボネート、下記一般式(1)で表されるイソシアネート化合物が好ましい。
Figure 2014067640
上記式中、Aは、水素原子、ハロゲン原子、ビニル基、イソシアネート基、又はC〜C2 0の一価の脂肪族炭化水素基(ヘテロ原子を有していてもよい)又はC〜C20
の一価の芳香族炭化水素基(ヘテロ原子を有していてもよい)を表す。Bは、酸素原子、SO、又は、C〜C20の二価の脂肪族炭化水素基(ヘテロ原子を有していてもよい)、又はC〜C20の二価の芳香族炭化水素基(ヘテロ原子を有していてもよい)を表す。
一般式(1)で表されるイソシアネート化合物の例としては、次のような化合物などが挙げられる。ジイソシアナトスルホン、ジイソシアナトエーテル、トリフルオロメタンイソシアネート、ペンタフルオロエタンイソシアネート、トリフルオロメタンスルホニルイソシアネート、ペンタフルオロエタンスルホニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、p-トルエンスルホニルイソシアネート、4−フルオロベンゼンスルホニルイソシアネート、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナト−2−フルオロプロパン、1,4−ジイソシアナトブタン、1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、1,4−ジイソシアナト−2−フルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,5−ジイソシアナト−2−ペンテン、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、
1,6−ジイソシアナト−2−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−フルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,4−ジフルオロヘキサン、1,7−ジイソシアナトヘプタン、1,8−ジイソシアナトオクタン、1,12−ジイソシアナトデカン、1−イソシアナトエチレン、イソシアナトメタン、1−イソシアナトエタン、1−イソシアナト−2−メトキシエタン、3−イソシアナト−1−プロペン、イソシアナトシクロプロパン、2−イソシアナトプロパン、1−イソシアナトプロパン、1−イソシアナト−3−メトキシプロパン、1−イソシアナト−3−エトキシプロパン、2−イソシアナト−2−メチルプロパン、1−イソシアナトブタン、2−イソシアナトブタン、1−イソシアナト−4−メトキシブタン、1−イソシアナト−4−エトキシブタン、メチルイソシナトホルメート、イソアナトシクロペンタン、1−イソシアナトペンタン、1−イソシアナト−5−メトキシペンタン、1−イソシアナト−5−エトキシペンタン、2−(イソシアナトメチル)フラン、イソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナトヘキサン、1−イソシアナト−6−メトキシヘキサン、1−イソシアナト−6−エトキシヘキサン、エチルイソシアナトアセテート、イソシアナトシクロペンタン、イソシアナトメチル( シクロヘキサン)、1−イソシアナトヘプタン、エチル3−イソシ
アナトプロパノエート、イソシアナトシクロオクタン、2−イソシアナトエチル−2−メチルアクリレート、1−イソシアナトオクタン、2−イソシアナト−2,4,4−トリメチルペンタン、ブチルイソシアナトアセテート、エチル4−イソシアナトブタノエート、1−イソシアナトノナン、1−イソシアナトアダマンタン、1−イソシアナトデカン、エチル6−イソシアナトヘキサノエート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ
ン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1−イソシアナトウンデカン、ジイソシ
アナトベンゼン、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、エチルジイソシアナトベンゼン、トリメチルジイソシアナトベンゼン、ジイソシアナトナフタレン、ジイソシアナトビフェニル、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2−ビス(イソシアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、アリルイソシアネート、ビニルイソシアネートが挙げられる。
中でも、下記の式(2)で示される構造を有するジイソシアネート化合物は、充放電に伴う電極の膨張・収縮の物理的変形に対する耐性を効果的に高めることができるため好ましい。これは鎖状のメチレン基が皮膜及び/又は電極構造中に取り込まれることで、そうした構造体に適度な弾性を付与する為である。従って、この目的においてはメチレン基の長さが重要であって、式中、xは4〜12の整数が好ましく、さらに好ましくは4〜8の
整数である。具体的には、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,7−ジイソシアナトヘプタン、1,8−ジイソシアナトオクタン等が好ましい。
Figure 2014067640
本発明において、非水系電解液の組成中における上記助剤の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、また、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下の範囲である。上記範囲であれば、電池内の化学的及び物理的安定性を十分に高めることができるとともに、皮膜形成による過度な抵抗増加を抑制することができる。
電池が過充電等の状態になった際に電池の破裂・発火を効果的に抑制する過充電防止剤として、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、t−ブチルベンゼン、t−ペンチルベンゼン、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート等の芳香族化合物等が挙げられる。
電池のサイクル特性や低温放電特性を向上させる助剤として、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート等のリチウム塩等が挙げられる。
高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させることができる助剤として、エチレンサルファイト、プロパンスルトン、プロペンスルトン等の含硫黄化合物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のカルボン酸無水物、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル等のニトリル化合物が挙げられる。
<セパレータ>
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、以上説明した非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
セパレータの材料や形状については特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、非水系電解液に対し安定な材料で形成された、樹脂、ガラス繊維、無機物等が用いられ、保液性に優れた多孔性シート又は不織布状の形態のもの等を用いることが好ましい。
樹脂、ガラス繊維セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、芳香族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ガラスフィルター等を用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、さらに好ましくはポリオレフィンである。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
セパレータの厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がさらに好ましく、また、通常50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
一方、無機物の材料としては、例えば、アルミナや二酸化ケイ素等の酸化物、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、各種評価等は下記に示す方法により行った。
<平均粒子径(d50)>
以下における平均粒子径(d50)は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料0.01gを懸濁させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名:HORIBA製LA−920)に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した値である。
<極板作製>
銅箔(厚さ18μm)をテスター産業製Auto Film Applicatorにのせ、陰圧により吸着させた。実施例及び比較例で作製した炭素材料スラリーを銅箔上に適量のせ、テスター産業製フィルムアプリケータを10mm/secの速さで掃引させることにより、前記スラリーを塗布した。
炭素材料スラリーを塗布した銅箔をイナートオーブン(EPEC−75,株式会社いす
ゞ製作所製)中で乾燥させて、銅箔上に活物質層を形成した(90℃,50min,窒素気流10L/min)。
その後、極板をプレス機(3tメカ式精密ロールプレス)に通して活物質層を圧縮し、活物質層の密度が1.60±0.03g/cmになるよう調整し、電極シートを得た。
銅箔の炭素材料スラリーが塗布された部分を、打抜きパンチ(φ=12.5mm,SN
G,株式会社野上技研製)によって打抜き、重量測定及び膜厚計(IDS−112,株式会社ミツトヨ製)による膜厚測定を行い、目付と前記活物質層の密度を算出した。
<コインセル作製>
全ての作業はグローブボックス(OMNI−LAB,Vacuum atmosphe
res社製,Arを充填,酸素濃度0.2ppm以下、水分濃度0.5ppm)の中で行
った。また、コインセルの部材等は真空乾燥機(Vos−451SD,東京理化器械株式
会社製)を用いて12時間以上乾燥させた後にグローブボックスに搬入した。
<極板作製>にて作製した電極シートを直径12.5mmの円板状に打ち抜き、リチウム金属箔を直径14mmの円板状に打ち抜き対極とした。両極の間には、非水系電解液(
エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=3/7(体積比)に1.0mol/Lの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させたもの)を含
浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、前記電解液を使用した2016コイン型電池を作製した。
<コインセルの充放電評価>
下記表1に示した充放電プログラムを用いて充放電評価を行った。
Figure 2014067640
初期充放電効率(%)を、下記式から算出した。
・初期充放電効率(%)=第4サイクルにおける放電容量/(第4サイクルにおける放電容量+第2・3・4サイクルにおける容量ロス)×100(%)
・容量ロス(mAh/g)=第2サイクル(充電容量−放電容量)+第3サイクル(充電容量−放電容量)+第4サイクル(充電容量−放電容量)
<ラミネートセル作製>
正極活物質としては、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)を用い、これに導電剤とバインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を混合してスラリー化した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミ箔に塗布して乾燥し、プレス機で圧延したものを、正極活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40mm及び集電用の未塗工部を有する形状に切り出して正極とした。正極活物質層の密度は2.6g/cmであった。
負極は、上記<極板作製>で作製した電極シートを活物質層のサイズとして幅32mm、長さ42mm及び集電部タブ溶接部として未塗工部を有する形状に切り出し、負極とした。この時の負極の活物質層の密度は1.6g/cmであった。
正極1枚と負極1枚をそれぞれの活物質面が対向するように配置し、電極の間に多孔製ポリエチレンシートのセパレータが挟まれるようにした。この際、正極活物質面が負極活物質面内から外れないよう対面させた。
この正極と負極それぞれについての未塗工部に集電タブを溶接して電極体としたものを、ポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用いて、内面側に前記ポリプロピレンフィルムがくるようにしてラミネートシートではさみ、電解液を注入するための一辺を除いて、電極のない領域をヒートシールした。
その後、活物質層に非水系電解液(エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=3/7(体積比)に1.0mol/Lの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)とビニルカーボネート(VC)1質量%を溶解させたもの)を200μL注入して、電極に充分浸透させ、密閉して、ラミネートセルを作製した。
<ラミネートセルのコンディショニングと初期ガス量測定>
25℃環境下で、電圧範囲4.2〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて初期コンディショニングを行った。ラミネートセルのコンディショニング前後に体積測定を行い、その変化量を初期ガス量とみなした。なおラミネートセルの体積測定には、EtOHを浸漬液としてアルキメデス法を用いた。
<ラミネートセルの保存ガス量測定>
85℃1日の条件下でラミネートセルの高温保存を行い、保存後のガス発生量を評価した
。ガスについては、保存前後のラミネートセルの体積変化量をガス発生量とみなし、体積測定には、EtOHを浸漬液としてアルキメデス法を用いた。
<セル膨れ測定>
ラミネートセルのサイクル試験開始前、100サイクル充放電後の厚みをマイクロメーターにより測定し、100サイクル充放電後のラミネートセル厚みから、サイクル試験開始前のラミネートセル厚みを差し引いた値をセル膨れとした。
〔実施例1〕
<等方的加圧処理した球形化黒鉛の製造方法>
球形化黒鉛を日本研究開発工業株式会社製の静水圧粉末成型装置を用いて処理を行なった。球形化黒鉛をゴム容器に充填しオイルによる加圧処理を行った。条件は加圧圧力を1000または300kgf/cm、加圧時間を5分間とし、成型物を得た。得られた成型物をハンマーミルにて、粒径が元の球形化黒鉛と同等になるまで解砕し、等方的加圧処理された炭素活物質(A)を得た。
得られた等方的加圧処理された炭素活物質(A)の内部空隙率、凹部分の直径(D)は上記方法により測定をおこなった。内部空隙率、凹部分の直径(D)/d50の値を表1にまとめた。
<非水系二次電池非水系二次電池用炭素材料Aの調製>
炭素活物質(A)として平均粒子径(d50)=26μm、及びd50=16μmの粒径の異なる二種類の等方的加圧処理された球形化天然黒鉛と等方的加圧処理されていない球形化天然黒鉛d50=10μmの炭素材料をそれぞれ全炭素材に対して、20質量%、60質量%、20質量%混合した炭素材料50gを、有機化合物(B)の水溶液1(アルドリッチ製ポリスチレンスルホン酸リチウム30%水溶液(重量平均分子量:75000)0.8333gに超純水49.1667gを添加して希釈したもの)をフラスコに入れ、有機化合物(B)の水溶液と黒鉛粒子をなじませた。十分に馴染ませた後に、フラスコをオイルバスで95℃に加温して、攪拌しながら、溶媒を留去し、粉末状の炭素材料Aを得た。
<スラリー調製>
上記で調製した炭素材料A20gとカルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%)20.2gを混合し、混練機(あわとり練太郎,株式会社シンキー製)によって混練した後(混
練:2000rpm,5min;脱泡:2200rpm,1min)、スチレン−ブタジ
エンゴム水性ディスパージョン(40質量%)0.5gを加え、再び上記と同様の条件で混練を行って炭素材料スラリーAを調製した。
〔比較例1〕
炭素活物質(B)として平均粒子径(d50)=26μm、及びd50=16μm、及びd50=10μmの粒径の異なる三種類の等方的加圧処理されていない球形化天然黒鉛をそれぞれ全炭素材に対して、20質量%、60質量%、20質量%混合した炭素材料20gを用いて、スラリーを調製する以外は、実施例1と同様にして炭素材料スラリーBを調製した。
〔比較例2〕
炭素活物質(C)として平均粒子径(d50)=26μm、及びd50=16μm、及びd50=10μmの粒径の異なる三種類の等方的加圧処理されていない球形化天然黒鉛をそれぞれ全炭素材に対して、20質量%、60質量%、20質量%混合した炭素材料50gを、有機化合物(B)の水溶液1(アルドリッチ製ポリスチレンスルホン酸リチウム30%水溶液(重量平均分子量:75000)0.8333gに超純水49.1667gを添加して希釈したもの)をフラスコに入れ、有機化合物(B)の水溶液と黒鉛粒子をなじませた。十分に馴染ませた後に、フラスコをオイルバスで95℃に加温して、攪拌しながら、溶媒を留去し、粉末状の炭素材料Cを得た。混合した炭素材料20gを用いて、スラリーを調製する以外は、実施例1と同様にして炭素材料スラリーCを調製した。
以上、調製した炭素材料スラリーA〜Cを使用し、作成した負極極板を用いてコインセルの充放電評価、ラミネートセルのサイクル維持率、セル膨れ測定、初期ガス量測定及び保存ガス量測定の結果を下記表2にまとめて示す。
Figure 2014067640
*「有機化合物(B)量(対炭素活物質(A))」は、炭素活物質(A)100質量部に対する有機化合物(B)の量(質量部)を示す。
等方的加圧処理された炭素活物質(A)に有機化合物(B)を被覆した非水系二次電池非水系二次電池用炭素材料(実施例1)は、等方的加圧処理されていない黒鉛を用いた比較例1、2の非水系二次電池非水系二次電池用炭素材料と比較して、セル膨れが大幅に低減されていることが分かる。これは、等方的加圧処理により、極板に対して平行に配向したグラファイト層が減少することで、充放電による極板の膨張収縮を分散可能になることから、セル膨れが抑制されていると考えられる。さらに、有機化合物(B)の効果によって、高い初期充放電効率、ガス発生抑制効果に加えて、セル膨れが抑制されていることが分かる。これは、等方的加圧処理によって黒鉛内部の空隙が潰されていることと、黒鉛表面が被覆されることにより、バインダが黒鉛内部に入り込みにくくなることから、活物質間の接着強度が上昇し、セル膨れ(極板膨れ)を抑制したためと考えられる。

Claims (6)

  1. 等方的加圧処理された炭素活物質(A)と、イオン性基及びベーサル面吸着性を有する有機化合物(B)とを含有する非水系二次電池非水系二次電池用炭素材料。
  2. 等方的加圧処理された炭素活物質(A)を含む炭素材料100質量部に対して、前記有機化合物(B)が0.1〜5質量部含まれる、請求項1に記載の非水系二次電池用炭素材料。
  3. 前記有機化合物(B)が有するイオン性基が、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の非水系二次電池用炭素材料。
  4. 前記有機化合物(B)が有するベーサル面吸着性基が、芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、複素芳香族化合物、不飽和炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料。
  5. 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備え、該活物質層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料を含むことを特徴とする、非水系二次電池用負極。
  6. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備える非水系二次電池であって、前記負極が、請求項5に記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池。
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