JP2015168785A - パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物を含む組成物 - Google Patents

パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物を含む組成物 Download PDF

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健介 茂原
尚志 三橋
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尚志 三橋
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Abstract

【課題】撥水性、撥油性、防汚性を有し、かつ、高い表面滑り性を有する層を形成することのできる新規な表面処理剤を提供する。
【解決手段】(1)特定の構造式で表される、少なくとも1種のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物および、(2)特定の構造式で表される、少なくとも1種のポリシロキサン基含有シラン化合物、を含んでなる表面処理剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物と、ポリシロキサン基含有シラン化合物とを含んで成る表面処理剤に関する。
ある種の含フッ素シラン化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性などを提供し得ることが知られている。含フッ素シラン化合物を含む表面処理剤から得られる層(以下、「表面処理層」とも言う)は、いわゆる機能性薄膜として、例えばガラス、プラスチック、繊維、建築資材など種々多様な基材に施されている。
そのような含フッ素シラン化合物として、パーフルオロポリエーテル基を分子主鎖に有し、Si原子に結合した加水分解可能な基を分子末端または末端部に有するパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物が知られている(特許文献1〜2を参照のこと)。このパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含む表面処理剤を基材に適用すると、Si原子に結合した加水分解可能な基が基材との間および化合物間で反応することにより結合して、表面処理層を形成し得る。
特表2008−534696号公報 国際公開第97/07155号
近年、スマートフォンやタブレット型端末が急速に普及する中、タッチパネルの用途においては、ユーザが指でディスプレイパネルに触れて操作した際に優れた触感(使用感)を提供することが望まれている。
しかしながら、従来のパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含む表面処理剤から得られる層では、次第に高まる表面滑り性向上の要求に応えるには、もはや必ずしも十分とは言えない。
本発明は、撥水性、撥油性、防汚性を有し、かつ、高い表面滑り性を有する層を形成することのできる新規な表面処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物と、ポリシロキサン基含有シラン化合物とを併用することによって、撥水性、撥油性および防汚性に加え、優れた表面滑り性を有する表面処理層を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨によれば、(1)下記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)および(C2)のいずれかで表される少なくとも1種のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物:
Figure 2015168785
[式中:
Rfは、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、
PFPEは、それぞれ独立して、−(OC−(OC−(OC−(OCF−を表し、ここに、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
11は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
12は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
13は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し;
14は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表し;
15は、それぞれ独立して、フッ素原子または低級フルオロアルキル基を表し;
Xは、それぞれ独立して、2〜7価の有機基を表し、
Yは、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、加水分解可能な基、または炭化水素基を表し、
Qは、各出現において、それぞれ独立して、−Z−SiR 3−pを表し、
Zは、各出現において、それぞれ独立して、2価の有機基を表し:
は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し、
は、各出現において、それぞれ独立して、炭素数1〜22のアルキル基、またはQ’を表し、
Q’は、Qと同意義であり、
pは、各QおよびQ’において、それぞれ独立して、0〜3の整数であって、pの総和は1以上であり、
Q中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個であり、
xは、それぞれ独立して、1〜10の整数であり;
yは、それぞれ独立して、0または1であり;
zは、それぞれ独立して、0〜2の整数であり;
mは、αを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、0〜2の整数であり;
nは、αを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、1〜3の整数であり、
αは、それぞれ独立して、1〜6の整数である。]
および
(2)下記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)のいずれかで表される少なくとも1種のポリシロキサン基含有シラン化合物:
Figure 2015168785
[式中:
21は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
22は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
23は、各出現において、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6個のアルキル基を表し、
24は、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜6個のアルキル基を表し、
は、それぞれ独立して、2〜7価の有機基を表し、
は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、加水分解可能な基、または炭化水素基を表し、
は、各出現において、それぞれ独立して、−Z−SiR3a p’4a 3−p’を表し、
は、各出現において、それぞれ独立して、2価の有機基を表し:
3aは、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し、
4aは、各出現において、それぞれ独立して、炭素数1〜22のアルキル基、またはQ’を表し、
’は、Qと同意義であり、
p’は、各QおよびQ’において、それぞれ独立して、0〜3の整数であって、p’の総和は1以上であり、
中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個であり、
lは、2〜100の整数であり;
m’は、βを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、0〜2の整数である。
n’は、βを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、1〜3の整数であり、
βは、それぞれ独立して、1〜6の整数である。]
を含んでなる、表面処理剤が提供される。
本発明の第2の要旨によれば、基材と、該基材の表面に、上記本発明の表面処理剤より形成された層とを含む物品が提供される。
本発明のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物と、ポリシロキサン基含有シラン化合物とを含む表面処理剤によれば、撥水性、撥油性、防汚性を有し、かつ、優れた表面滑り性を有する表面処理層を形成することができる。
以下、本発明の表面処理剤について説明する。
本明細書において用いられる場合、「2〜7価の有機基」とは、炭素を含有する2〜7価の基を意味する。かかる2〜7価の有機基としては、特に限定されるものではないが、炭化水素基からさらに1〜6個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。例えば、2価の有機基としては、特に限定されるものではないが、炭化水素基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素および水素を含む基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つまたはそれ以上の環構造を含んでいてもよい。なお、かかる炭化水素基は、その末端または分子鎖中に、1つまたはそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有していてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子;1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10不飽和シクロアルキル基、5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6−10アリール基、5〜10員のヘテロアリール基等が挙げられる。
本発明は、(1)下記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)および(C2)のいずれかで表される少なくとも1種のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(以下、「パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)」または単に「化合物(1)」ともいう):
Figure 2015168785
および
(2)下記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)のいずれかで表される少なくとも1種のポリシロキサン基含有シラン化合物(以下、「ポリシロキサン基含有シラン化合物(2)」または単に「化合物(2)」ともいう):
Figure 2015168785
で表される少なくとも1種の化合物を含んでなる、表面処理剤を提供する(以下、「本発明の表面処理剤」ともいう)。
上記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)および(C2)中、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表す。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基における「炭素数1〜16のアルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のアルキル基である。
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されている炭素数1〜16のアルキル基であり、より好ましくはCFH−C1−15パーフルオロアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基である。
該炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、具体的には−CF、−CFCF、または−CFCFCFである。
上記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)および(C2)中、PFPEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−を表し、パーフルオロ(ポリ)エーテル基に該当する。ここに、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0または1以上の整数であって、a、b、cおよびdの和が少なくとも1であれば特に限定されるものではない。好ましくは、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数、例えば1以上200以下の整数であり、より好ましくは、それぞれ独立して0以上100以下の整数、例えば1以上100以下の整数である。さらに好ましくは、a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。また、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
一の態様において、PFPEは、−(OC−(式中、bは1以上200以下、好ましくは10以上100以下の整数である)であり、好ましくは−(OCFCFCF−(式中、bは上記と同意義である)である。
別の態様において、PFPEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−(式中、aおよびbは、それぞれ独立して0以上または1以上30以下、好ましくは0以上10以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは10以上100以下の整数である。a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であり、好ましくは−(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF−(式中、a、b、cおよびdは上記と同意義である)である。例えば、PFPEは、−(OCFCF−(OCF−(式中、cおよびdは上記と同意義である)であってもよい。
上記式(A1)、(A2)、(B1)および(B2)中、R11は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。
上記式(A1)、(A2)、(B1)および(B2)中、R12は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。
上記「加水分解可能な基」とは、本明細書において用いられる場合、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解可能な基の例としては、−OR、−OCOR、−O−N=C(R)、−N(R)、−NHR、ハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基を示す)などが挙げられ、好ましくは−OR(アルコキシ基)である。Rの例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。水酸基は、特に限定されないが、加水分解可能な基が加水分解して生じたものであってよい。
上記式(A1)、(A2)、(B1)および(B2)中、mは、0〜2の整数であり、好ましくは0である。
上記式(A1)および(A2)中、R13は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子は、好ましくはヨウ素原子、塩素原子、フッ素原子である。
上記式(A1)および(A2)中、R14は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表す。低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。
上記式(A1)および(A2)中、R15は、各出現において、それぞれ独立して、フッ素原子または低級フルオロアルキル基を表す。低級フルオロアルキル基は、例えば炭素数1〜3のフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、より好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、更に好ましくはトリフルオロメチル基である。
上記式(A1)および(A2)中、xは、各出現において、それぞれ独立して、1〜10の整数であり、yは、各出現において、それぞれ独立して、0または1であり、zは、各出現において、それぞれ独立して、0〜2の整数である。
一の具体例において、R15はフッ素原子であり、yは1である。
上記式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)中、Xは、各出現において、それぞれ独立して、2〜7価の有機基を表す。当該X基は、式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(Rf−部または−Rf−部)と、加水分解して基材との結合能を提供するシラン部(−SiR11 12 3−m部または−SiQ3−n部)とを連結するリンカーと解される。したがって、当該X基は、式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの2〜7価の有機基であってもよい。また、X基の価数に応じて、式中のαは、1〜6の整数となり、例えば、Xが2価の有機基の場合、αは1であり、Xが7価の有機基の場合、αは6である。
好ましい態様において、Xは2〜4価の有機基であり、αは1〜3であり、より好ましくは、Xは2価の有機基であり、αは1である。
上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式:
−(R31−(X−R32
[式中:
31は、−(CH−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CH−であり、
32は、−(CH−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CH−であり、
は、−(X−を表し、
は、各出現において、それぞれ独立して、−O−、−S−、o−、m−もしくはp−フェニレン基、−C(O)O−、−CONR34−、−O−CONR34−、−NR34−、−Si(R33−、−(Si(R33O)−Si(R33−および−(CH−からなる群から選択される基を表し、
33は、各出現において、それぞれ独立して、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、好ましくはC1−6アルキル基、より好ましくはメチル基であり、
34は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、
mは、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数であり、
nは、各出現において、それぞれ独立して、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
sは、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2であり、
tは、1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数であり、
rは、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
pは、0または1であり、
qは、0または1である。]
で表される基が挙げられる。
好ましくは、上記Xは、
1−20アルキレン基、
−R31−X−R32−、または
−X−R32
[式中、R31およびR32は、上記と同意義である。]
であり得る。
より好ましくは、上記Xは、
1−20アルキレン基、
−(CH−X−(CH−、または
−X−(CH
[式中、sおよびtは、上記と同意義である。]
である。
上記式中、Xは、
−O−、
−S−、
−C(O)O−、
−CONR34−、
−O−CONR34−、
−Si(R33−、
−(Si(R33O)−Si(R33−、
−O−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−、
−CONR34−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−、
−CONR34−(CH−N(R34)−、または
−CONR34−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R33
[式中、R33、R34、mおよびvは、上記と同意義であり、
uは1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。]を表す。Xは、好ましくは−O−である。
上記式中、Xは、
−S−、
−C(O)O−、
−CONR34−、
−CONR34−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−、
−CONR34−(CH−N(R34)−、または
−CONR34−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R33
を表す。
より好ましくは、上記Xは、
1−20アルキレン基、
−(CH−X−(CH−、または
−X−(CH
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
であり得る。
さらにより好ましくは、上記Xは、
1−20アルキレン基、
−(CH−O−(CH−、
−(CH−(Si(R33O)−Si(R33−(CH−、
−(CH−O−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−(CH−、または
−(CH−O−(CH−Si(R33 −(CHu−Si(R33−(Cv2v)−
[式中、各記号は、上記と同意義であり、vは1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。]
である。
上記式中、−(Cv2v)−は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)−、−CH(CH)CH−であり得る。
上記X基は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基(好ましくは、C1−3パーフルオロアルキル基)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記Xの具体的な例としては、例えば:
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−S−(CH−、
−(CHS(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH
−C(O)O−(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−CH(CH)−、
−CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
Figure 2015168785
などが挙げられる。
また、別のX基の例としては、例えば下記の基が挙げられる:
Figure 2015168785
Figure 2015168785
[式中、Dは、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、および
Figure 2015168785
から選択される基であり、
Eは、−(CH−(nは2〜6の整数)であり、
Dは、式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)の分子主鎖のPFPEに結合し、Eは、Si原子に結合する。]
さらに別のX基の例として、下記の基が挙げられる:
Figure 2015168785
[式中、各X基において、Tのうち任意の1つは、式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)の分子主鎖のPFPEに結合する以下の基:
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、または
Figure 2015168785
であり、別のTの少なくとも1つは、式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)の分子主鎖のSi原子に結合する−(CH−(nは2〜6の整数)であり、存在する場合、残りは、それぞれ独立して、メチル基またはフェニル基である。
上記式(C1)および(C2)中、Yは、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、加水分解可能な基、または炭化水素基を表す。加水分解可能な基は、上記R12に関する記載と同様のものが挙げられる。水酸基は、特に限定されないが、加水分解可能な基が加水分解して生じたものであってよい。
上記Yは、好ましくは、水酸基、−OR(式中、RはC1−12アルキル基、好ましくはC1−6アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を表す)、C1−12アルキル基、C2−12アルケニル基、C2−12アルキニル基、またはフェニル基であり、より好ましくは、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH)である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記式(C1)および(C2)中、Qは、各出現において、それぞれ独立して、−Z−SiR 3−pを表す。
上記Zは、各出現において、それぞれ独立して、2価の有機基を表す。
上記Zは、好ましくは、式(C1)または式(C2)における分子主鎖の末端のSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。
上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CHs’−O−(CHt’−(式中、s’は、1〜6の整数であり、t’は、1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHu’−(式中、u’は、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記Rは、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。好ましくは、Rは、−OR(式中、Rは、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基を表す)である。
上記Rは、各出現において、それぞれ独立して、C1−22アルキル基、またはQ’を表す。
上記Q’は、Qと同意義である。
上記pは、各QおよびQ’において、それぞれ独立して、0〜3から選択される整数であり、pの総和は1以上である。各QまたはQ’において、上記pが0である場合、そのQまたはQ’中のSiは、水酸基および加水分解可能な基を有しないことになる。このような水酸基および加水分解可能な基が存在しない場合、基材との接着力が低く、耐久性が低くなる。したがって、QまたはQ’中の少なくとも1つのSiは、少なくとも1つの水酸基または加水分解可能な基を有している必要がある。還元換言すれば、上記pの総和は、少なくとも1以上でなければならない。
パーフルオロポリエーテル基を有する分子主鎖の末端のSi原子に結合する、−Q−Q’0−5鎖の末端のQ’(Q’が存在しない場合、Q)において、上記pは、好ましくは2以上、例えば2または3であり、より好ましくは3である。
上記QにおけるRの少なくとも1つがQ’である場合、Q中にZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子が2個以上存在する。かかるZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は最大で5個である。なお、「Q中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」とは、Q中において直鎖状に連結される−Z−Si−の繰り返し数と等しくなる。
例えば、下記にQ中においてZ基を介してSi原子が連結された一例を示す。
Figure 2015168785
上記式において、*は、主鎖のSiに結合する部位を意味し、…は、ZSi以外の所定の基が結合していること、即ち、Si原子の3本の結合手がすべて…である場合、ZSiの繰り返しの終了箇所を意味する。また、Siの右肩の数字は、*から数えたZ基を介して直鎖状に連結されたSiの出現数を意味する。即ち、SiでZSi繰り返しが終了している鎖は「Q中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が2個であり、同様に、Si、SiおよびSiでZSi繰り返しが終了している鎖は、それぞれ、「Q中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が3、4および5個である。なお、上記の式から明らかなように、Q中には、ZSi鎖が複数存在するが、これらはすべて同じ長さである必要はなく、それぞれ任意の長さであってもよい。
本発明の好ましい態様において、下記に示すように、「Q中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」は、すべての鎖において、1個(左式)または2個(右式)である。
Figure 2015168785
一の態様において、Q中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は1個(すなわち、Q中にSi原子は1個のみ存在する)または2個、好ましくは1個である。
上記式(C1)および(C2)中、nは、1〜3から選択される整数であり、好ましくは2以上、より好ましくは3である。nを3とすることにより、基材との結合が強固となり、高い摩擦耐久性を得ることができる。
一の具体例において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、式(A1)または式(A2)のいずれかで表される化合物である。
一の具体例において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、式(B1)または式(B2)のいずれかで表される化合物である。
一の具体例において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、式(C1)または式(C2)のいずれかで表される化合物である。
一の態様において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、QにおけるRが、C1−22アルキル基である式(C1)または式(C2)で表される化合物である。
一の態様において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、QにおけるRの少なくとも1つがQ’である式(C1)または式(C2)で表される化合物である。
上記式で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Rf−PFPE部分および−PFPE−部分の平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。
上記式で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、特に限定されるものではないが、5×10〜1×10の平均分子量を有し得る。かかる範囲のなかでも、2,000〜30,000、より好ましくは2,500〜12,000の平均分子量を有することが、摩擦耐久性の観点から好ましい。なお、本発明において「平均分子量」は数平均分子量を言い、「平均分子量」は、19F−NMRにより測定される値とする。
式(A1)、(A2)、(B1)および(B2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、公知の方法、例えば特許文献1および特許文献2に記載の方法により製造することができる。
Xが2価である式(C1)または式(C2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物は、下記工程:
工程(1):式(C1−1)または式(C2−1):
Figure 2015168785
(式中、RfおよびPFPEは上記と同意義であり、X’は2価の有機基を表す。)
で表される化合物を、HSiM(式中、Mは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1−6アルコキシ基である)と反応させて、式(C1−2)または式(C2−2):
Figure 2015168785
(式中、Rf、PFPE、X’およびMは、上記と同意義である。)
で表される化合物を得る工程;
工程(2):上記式(C1−2)または式(C2−2)で表される化合物を、
式:Hal−J−Z’−CH=CH(式中、Z’は結合または2価のリンカー基を表し、Jは、Mg、Cu、PdまたはZnを表し、Halはハロゲン原子を表す。)
で表される化合物、および、所望により
式:YL(式中、Yは上記と同意義であり、Lは、Yと結合可能な基を表し、hは1〜3の整数である。)
で表される化合物と反応させて、式(C1−3)または式(C2−3):
Figure 2015168785
(式中、Rf、PFPE、X’、YおよびZ’は、上記と同意義であり、n’は1〜3の整数である。)
で表される化合物を得る工程;および
工程(3):式(C1−3)または式(C2−3)で表される化合物を、HSiM(式中、Mは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1−6アルコキシ基である)および、所望により
式:R L’(式中、Rは上記と同意義であり、L’は、Rと結合可能な基を表し、iは1〜3の整数である。)
で表される化合物、および/または
式:R4’ L”(式中、R4’は、C1−22アルキル基を表し、L”は、R4’と結合可能な基を表し、jは1〜3の整数である。)
で表される化合物と反応させる工程、
を含む方法により製造することができる。
別法として、工程(2)を、下記工程(2’)に置換してもよい。
工程(2’):
上記式(C1−2)または式(C2−2)で表される化合物を、
式:G−Z’−CH=CH(式中、Z’は結合または2価の有機基を表し、Gは、Li、NaまたはKを表す。)
で表される化合物、および、所望により
式:YL(式中、Yは請求項1の記載と同意義であり、Lは、Yと結合可能な基を表し、hは1〜3の整数である。)
で表される化合物と反応させて、式(C1−3)または式(C2−3):
Figure 2015168785
(式中、Rf、PFPE、X’、YおよびZ’は、上記と同意義であり、n’は1〜3の整数である。)
で表される化合物を得る工程。
上記式(S1)および(S2)中、R21は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。
上記式(S1)および(S2)中、R22は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。好ましくは、R22は、−OR(即ち、アルコキシ基)である。Rの例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
上記式(S1)および(S2)中、m’は、0〜2の整数であり、好ましくは0である。
上記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)中、R23は、各出現において、それぞれ独立して、炭素数1〜6個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくはメチル基を表す。
上記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)中、R24は、各出現において、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜6個のアルキル基を表す。R24は、好ましくは、炭素数1〜6個のアルキル基であり、より好ましくは、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
上記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)中、Xは、各出現において、それぞれ独立して、2〜7価の有機基を表す。当該X基は、式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)で表される化合物において、シロキサン部と、加水分解して基材との結合能を提供するシラン部とを連結するリンカーと解される。したがって、当該X基は、式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの2〜7価の有機基であってもよい。また、X基の価数に応じて、式中のβは、1〜6の整数となり、例えば、Xが2価の有機基の場合、βは1であり、Xが7価の有機基の場合、βは6である。
好ましい態様において、Xは2価の有機基であり、βは1である。
当該X基は、上記した式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)中のX基と同様のものであり得る。
好ましくは、Xは、−(R31−(X−R32
[式中:
31は、−(CH−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CH−であり、
32は、−(CH−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CH−であり、
は、−(X−を表し、
は、各出現において、それぞれ独立して、−O−、−S−、o−、m−もしくはp−フェニレン基、−C(O)O−、−CONR34−、−O−CONR34−、−NR34−、−Si(R33−、−(Si(R33O)−Si(R33−および−(CH−からなる群から選択される基を表し、
33は、各出現において、それぞれ独立して、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、好ましくはC1−6アルキル基、より好ましくはメチル基であり、
34は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、
mは、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数であり、
nは、各出現において、それぞれ独立して、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
sは、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2であり、
tは、1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数であり、
rは、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
pは、0または1であり、
qは、0または1である。]
で表される基が挙げられる。
当該X基は、酸素原子、OH、炭素数1〜6のアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記Xの具体的な例としては、例えば:
−CO−CHCH(OH)CH−NH−C
−CO−C
−CO−CHCH(OH)CHO−C
−CO−CONH−C
−C−CONH−C
−C−COO−C
−C−NHCHCH(OH)CHO−C
−C−NHCO−C
−C
−CO−CO−C
−CO−CHCH(OH)CH−NH−C−NH−C
−CO−CONH−C−NH−C
−C−CONH−C−NH−C
が挙げられる。
さらに別のX基の例として、下記の基が挙げられる:
Figure 2015168785
[式中、各X基において、Tのうち任意の1つは、式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)の分子主鎖のシロキサン基に結合する以下の基:
−CO−CHCH(OH)CH−NH−C
−CO−C
−CO−CHCH(OH)CHO−C
−CO−CONH−C
−C−CONH−C
−C−COO−C
−C−NHCHCH(OH)CHO−C
−C−NHCO−C
−(CH2
−(CH23
−(CH24
−CO−CO−C
−CO−CHCH(OH)CH−NH−C−NH−C
−CO−CONH−C−NH−C
−C−CONH−C−NH−C
であり、別のTの少なくとも1つは、式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)の分子主鎖の末端Si原子に結合する−(CH−(nは2〜6の整数)であり、存在する場合、残りは、それぞれ独立して、メチル基またはフェニル基である。]
上記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)中、lは、2〜100の整数であり、好ましくは10〜100の整数である。
上記式(S3)および(S4)中、Yは、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、加水分解可能な基、または炭化水素基であり得、好ましくは、水酸基、−OR(式中、RはC1−12アルキル基、好ましくはC1−6アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を表す)、C1−12アルキル基、C2−12アルケニル基、C2−12アルキニル基、またはフェニル基であり、より好ましくは、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH)である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記式(S3)および(S4)中、Qは、各出現において、それぞれ独立して、−Z−SiR3a p’4a 3−p’を表す。
上記Zは、各出現において、それぞれ独立して、2価の有機基を表す。
上記Zは、好ましくは、式(S3)および(S4)における分子主鎖の末端のSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。
上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CHs’−O−(CHt’−(式中、s’は、1〜6の整数であり、t’は、1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHu’−(式中、u’は、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記R3aは、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。好ましくは、R3aは、−OR(式中、Rは、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基を表す)である。
上記R4aは、各出現において、それぞれ独立して、C1−22アルキル基、またはQ’を表す。
上記Q’は、Qと同意義である。
上記p’は、各QおよびQ’において、それぞれ独立して、0〜3から選択される整数であり、p’の総和は1以上である。各QまたはQ’において、上記p’が0である場合、そのQまたはQ’中のSiは、水酸基および加水分解可能な基を有しないことになる。したがって、上記p’の総和は、少なくとも1以上でなければならない。
分子主鎖の末端のSi原子に結合する、−Q−Q0−5鎖の末端のQ’(Q’が存在しない場合、Q)において、上記p’は、好ましくは2以上、例えば2または3であり、より好ましくは3である。
上記QにおけるR4aの少なくとも1つがQ’である場合、Q中にZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子が2個以上存在する。かかるZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は最大で5個である。なお、「Q中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」とは、Q中において直鎖状に連結される−Z−Si−の繰り返し数と等しくなる。
上記式(S3)および(S4)中、n’は、1〜3から選択される整数であり、好ましくは2以上、より好ましくは3である。n’を3とすることにより、基材との結合が強固となり、高い摩擦耐久性を得ることができる。
一の具体例において、ポリシロキサン基含有シラン化合物(2)は、式(S1)および(S2)のいずれかで表される化合物である。
一の具体例において、ポリシロキサン基含有シラン化合物(2)は、式(S3)および(S4)のいずれかで表される化合物である。
上記ポリシロキサン基含有シラン化合物の平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。かかる範囲とすることにより、より優れた摩擦耐久性および表面滑り性を得ることができる。なお、本発明において「平均分子量」は数平均分子量を言い、「平均分子量」は、H−NMRにより測定される値とする。
上記式(S1)および(S2)で示されるポリシロキサン基含有シラン化合物は、公知の方法により製造することができる。また、当業者であれば、上記式(S3)および(S4)で示されるポリシロキサン基含有シラン化合物は、公知の方法および上記式(C1)または式(C2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物の製造方法を参照することにより製造することができる。
一の態様において、本発明の表面処理剤中、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)は、質量比で、1:50〜50:1、好ましくは1:4〜4:1、さらに好ましくは1:2〜4:1、より好ましくは1:1〜2:1で含まれる。かかる範囲とすることにより、より優れた表面滑り性を得ることができる。
本発明の表面処理剤は、溶媒で希釈されていてもよい。このような溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば:
パーフルオロヘキサン、CFCFCHCl、CFCHCFCH、CFCHFCHFC、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、COCH、COC、CFCHOCFCHF、C13CH=CH、キシレンヘキサフルオリド、パーフルオロベンゼン、メチルペンタデカフルオロヘプチルケトン、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、HCFCFCHOH、メチルトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロ酢酸およびCFO(CFCFO)(CFO)CFCF[式中、mおよびnは、それぞれ独立して0以上1000以下の整数であり、mまたはnを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、但しmおよびnの和は1以上である。]、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,2−トリクロロ―3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンからなる群から選択されるフッ素原子含有溶媒、および
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1−ブタノール、2−ブタノール、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選択される炭化水素系溶媒
等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上の混合物として用いることができる。好ましい溶媒としては、COCH、COC、CFCHOCFCHF、C13CH=CH、キシレンヘキサフルオリド、ならびに、COCとキシレンヘキサフルオリドの混合溶媒等が挙げられる。
本発明の表面処理剤は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)に加え、他の成分を含んでいてもよい。かかる他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、含フッ素オイルとして理解され得る(非反応性の)フルオロポリエーテル化合物、好ましくはパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(以下、「含フッ素オイル」と言う)、シリコーンオイルとして理解され得る(非反応性の)シリコーン化合物(以下、「シリコーンオイル」と言う)、触媒などが挙げられる。
上記含フッ素オイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(3)で表される化合物(パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物)が挙げられる。
41−(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’−R42 ・・・(3)
式中、R41は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基)を表し、R42は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基)、フッ素原子または水素原子を表し、R41およびR42は、より好ましくは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。
a’、b’、c’およびd’は、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表わし、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a’、b’、c’およびd’の和は少なくとも1、好ましくは1〜300、より好ましくは20〜300である。添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
上記一般式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の例として、以下の一般式(3a)および(3b)のいずれかで示される化合物(1種または2種以上の混合物であってよい)が挙げられる。
41−(OCFCFCFb’’−R42 ・・・(3a)
41−(OCFCFCFCFa’’−(OCFCFCFb’’−(OCFCFc’’−(OCFd’’−R42 ・・・(3b)
これら式中、R41およびR42は上記の通りであり;式(3a)において、b’’は1以上100以下の整数であり;式(3b)において、a’’およびb’’は、それぞれ独立して1以上30以下の整数であり、c’’およびd’’はそれぞれ独立して1以上300以下の整数である。添字a’’、b’’、c’’、d’’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。
上記含フッ素オイルは、1,000〜30,000の平均分子量を有していてよい。これにより、高い表面滑り性を得ることができる。
本発明の表面処理剤中、含フッ素オイルは、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の合計100質量部(それぞれ、2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0〜500質量部、好ましくは0〜400質量部、より好ましくは25〜400質量部で含まれ得る。
一般式(3a)で示される化合物および一般式(3b)で示される化合物は、それぞれ単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。一般式(3a)で示される化合物よりも、一般式(3b)で示される化合物を用いるほうが、より高い表面滑り性が得られるので好ましい。これらを組み合わせて用いる場合、一般式(3a)で表される化合物と、一般式(3b)で表される化合物との質量比は、1:1〜1:30が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。かかる質量比によれば、表面滑り性と摩擦耐久性のバランスに優れた表面処理層を得ることができる。
一の態様において、含フッ素オイルは、一般式(3b)で表される1種またはそれ以上の化合物を含む。かかる態様において、表面処理剤中のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の合計と、式(3b)で表される化合物との質量比は、4:1〜1:4であることが好ましい。
好ましい態様において、真空蒸着法により表面処理層を形成する場合には、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の平均分子量よりも、含フッ素オイルの平均分子量を大きくしてもよい。このような平均分子量とすることにより、より優れた摩擦耐久性と表面滑り性を得ることができる。
また、別の観点から、含フッ素オイルは、一般式Rf’−F(式中、Rf’はC5−16パーフルオロアルキル基である。)で表される化合物であってよい。また、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーであってもよい。Rf’−Fで表される化合物およびクロロトリフルオロエチレンオリゴマーは、RfがC1−16パーフルオロアルキル基である上記式パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)で表される化合物と高い親和性が得られる点で好ましい。
含フッ素オイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記シリコーンオイルとしては、例えばシロキサン結合が2,000以下の直鎖状または環状のシリコーンオイルを用い得る。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
本発明の表面処理剤中、かかるシリコーンオイルは、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の合計100質量部(2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0〜300質量部、好ましくは0〜200質量部で含まれ得る。
シリコーンオイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えばアンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn等)等が挙げられる。
触媒は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の加水分解および脱水縮合を促進し、表面処理層の形成を促進する。
他の成分としては、上記以外に、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等も挙げられる。
本発明の表面処理剤は、1つの溶液(または懸濁液もしくは分散液)の形態であってもよく、あるいは、別個のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)の溶液と、ポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の溶液とを使用直前に混合する形態であってもよい。
本発明の表面処理剤は、多孔質物質、例えば多孔質のセラミック材料、金属繊維、例えばスチールウールを綿状に固めたものに含浸させて、ペレットとすることができる。当該ペレットは、例えば、真空蒸着に用いることができる。
次に、本発明の物品について説明する。
本発明の物品は、基材と、該基材の表面に本発明の表面処理剤より形成された層(表面処理層)とを含む。この物品は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、基材を準備する。本発明に使用可能な基材は、例えばガラス、樹脂(天然または合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよく、板状、フィルム、その他の形態であってよい)、金属(アルミニウム、銅、鉄等の金属単体または合金等の複合体であってよい)、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、任意の適切な材料で構成され得る。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラスまたは透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面(最外層)に何らかの層(または膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層および多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiOおよび/またはSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、基材(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I−CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、および液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
基材の形状は特に限定されない。また、表面処理層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途および具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
かかる基材としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜または熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、基材に何らかの前処理を施すことにより、基材の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、基材表面に水酸基を導入または増加させ得ると共に、基材表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア−ブロジェット法)や化学吸着法等によって、基材表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
またあるいは、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi−H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
次に、かかる基材の表面に、上記の本発明の表面処理剤の膜を形成し、この膜を必要に応じて後処理し、これにより、本発明の表面処理剤から表面処理層を形成する。
本発明の表面処理剤の膜形成は、上記の表面処理剤を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法および乾燥被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングおよび類似の方法が挙げられる。
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVDおよび類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビームおよび類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ−CVD、光学CVD、熱CVDおよび類似の方法が挙げられる。
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
湿潤被覆法を使用する場合、本発明の表面処理剤は、溶媒で希釈されてから基材表面に適用され得る。本発明の表面処理剤の安定性および溶媒の揮発性の観点から、次の溶媒が好ましく使用される:炭素数5〜12のパーフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン);ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、C13CHCH(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AC−6000)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオローラ(登録商標)H);ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7000)、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7100)、パーフルオロブチルエチルエーテル(COC)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7200)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(CCF(OCH)C)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7300)などのアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基およびアルキル基は直鎖または分枝状であってよい)、あるいはCFCHOCFCHF(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AE−3000))、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製のバートレル(登録商標)サイオン)など。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上を組み合わせて混合物として用いることができる。さらに、例えば、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物(1)およびポリシロキサン基含有シラン化合物(2)の溶解性を調整する等のために、別の溶媒と混合することもできる。
乾燥被覆法を使用する場合、本発明の表面処理剤は、そのまま乾燥被覆法に付してもよく、または、上記した溶媒で希釈してから乾燥被覆法に付してもよい。
膜形成は、膜中で本発明の表面処理剤が、加水分解および脱水縮合のための触媒と共に存在するように実施することが好ましい。簡便には、湿潤被覆法による場合、本発明の表面処理剤を溶媒で希釈した後、基材表面に適用する直前に、本発明の表面処理剤の希釈液に触媒を添加してよい。乾燥被覆法による場合には、触媒添加した本発明の表面処理剤をそのまま蒸着(通常、真空蒸着)処理するか、あるいは鉄や銅などの金属多孔体に、触媒添加した本発明の表面処理剤を含浸させたペレット状物質を用いて蒸着(通常、真空蒸着)処理をしてもよい。
触媒には、任意の適切な酸または塩基を使用できる。酸触媒としては、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などを使用できる。また、塩基触媒としては、例えばアンモニア、有機アミン類などを使用できる。
次に、必要に応じて、膜を後処理する。この後処理は、特に限定されないが、例えば、水分供給および乾燥加熱を逐次的に実施するものであってよく、より詳細には、以下のようにして実施してよい。
上記のようにして基材表面に本発明の表面処理剤を膜形成した後、この膜(以下、「前駆体膜」とも言う)に水分を供給する。水分の供給方法は、特に限定されず、例えば、前駆体膜(および基材)と周囲雰囲気との温度差による結露や、水蒸気(スチーム)の吹付けなどの方法を使用してよい。
前駆体膜に水分が供給されると、本発明の表面処理剤中の化合物(1)および化合物(2)のSiに結合した加水分解可能な基に水が作用し、当該化合物を速やかに加水分解させることができると考えられる。
水分の供給は、例えば0〜500℃、好ましくは100℃以上で、300℃以下の雰囲気下にて実施し得る。このような温度範囲において水分を供給することにより、加水分解を進行させることが可能である。このときの圧力は特に限定されないが、簡便には常圧とし得る。
次に、該前駆体膜を該基材の表面で、60℃を超える乾燥雰囲気下にて加熱する。乾燥加熱方法は、特に限定されず、前駆体膜を基材と共に、60℃を超え、好ましくは100℃を超える温度であって、例えば500℃以下、好ましくは300℃以下の温度で、かつ不飽和水蒸気圧の雰囲気下に配置すればよい。このときの圧力は特に限定されないが、簡便には常圧とし得る。
このような雰囲気下では、本発明のPFPE含有シラン化合物間では、加水分解後のSiに結合した基(上記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(S1)、(S2)、(S3)および(S4)のいずれかで表される化合物においてR12、R22、YおよびYが水酸基である場合にはその水酸基である。以下も同様)同士が速やかに脱水縮合する。また、かかる化合物と基材との間では、当該化合物の加水分解後のSiに結合した基と、基材表面に存在する反応性基との間で速やかに反応し、基材表面に存在する反応性基が水酸基である場合には脱水縮合する。この結果、化合物(1)および化合物(2)間で結合が形成され、また、当該化合物と基材との間で結合が形成される。
上記の水分供給および乾燥加熱は、過熱水蒸気を用いることにより連続的に実施してもよい。
過熱水蒸気は、飽和水蒸気を沸点より高い温度に加熱して得られるガスであって、常圧下では、100℃を超え、一般的には500℃以下、例えば300℃以下の温度で、かつ、沸点を超える温度への加熱により不飽和水蒸気圧となったガスである。前駆体膜を形成した基材を過熱水蒸気に曝すと、まず、過熱水蒸気と、比較的低温の前駆体膜との間の温度差により、前駆体膜表面にて結露が生じ、これによって前駆体膜に水分が供給される。やがて、過熱水蒸気と前駆体膜との間の温度差が小さくなるにつれて、前駆体膜表面の水分は過熱水蒸気による乾燥雰囲気中で気化し、前駆体膜表面の水分量が次第に低下する。前駆体膜表面の水分量が低下している間、即ち、前駆体膜が乾燥雰囲気下にある間、基材の表面の前駆体膜は過熱水蒸気と接触することによって、この過熱水蒸気の温度(常圧下では100℃を超える温度)に加熱されることとなる。従って、過熱水蒸気を用いれば、前駆体膜を形成した基材を過熱水蒸気に曝すだけで、水分供給と乾燥加熱とを連続的に実施することができる。
以上のようにして後処理が実施され得る。かかる後処理は、摩擦耐久性を一層向上させるために実施され得るが、本発明の物品を製造するのに必須でないことに留意されたい。例えば、本発明の表面処理剤を基材表面に適用した後、そのまま静置しておくだけでもよい。
上記のようにして、基材の表面に、本発明の表面処理剤の膜に由来する表面処理層が形成され、本発明の物品が製造される。これにより得られる表面処理層は、高い表面滑り性と高い摩擦耐久性の双方を有する。また、この表面処理層は、高い摩擦耐久性に加えて、使用する表面処理剤の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
すなわち本発明はさらに、前記硬化物を最外層に有する光学材料にも関する。
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例、TV、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイまたはそれらのディスプレイの保護板、またはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
本発明によって得られる表面処理層を有する物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD−R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバーなど。
また、本発明によって得られる表面処理層を有する物品は、医療機器または医療材料であってもよい。
表面処理層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、表面処理層の厚さは、1〜30nm、好ましくは1〜15nmの範囲であることが、光学性能、表面滑り性、摩擦耐久性および防汚性の点から好ましい。
以上、本発明の表面処理剤を使用して得られる物品について詳述した。なお、本発明の表面処理剤の用途、使用方法ないし物品の製造方法などは、上記で例示したものに限定されない。
本発明の表面処理剤について、以下の実施例を通じてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、パーフルオロポリエーテルを構成する4種の繰り返し単位(CFO)、(CFCFO)、(CF(CF)CFO)、(CFCFCFO)および(CFCFCFCFO)の存在順序は任意である。
・パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物の合成
・合成例1
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、平均組成CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCHOCHCH=CHで表されるパーフルオロポリエーテル変性アリルオキシ体20g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン20g、トリアセトキシメチルシラン0.06g、トリクロロシラン1.36gを仕込み、窒素気流下、5℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.094ml加えた後、60℃まで昇温させ、この温度にて5時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリクロロシランを有する下記式のパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(A)19gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(A):
CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)20CF2CF2CH2OCH2CH2CH2SiCl3
・合成例2
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例1にて合成した末端にトリクロロシランを有するパーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(A)19g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン20gを仕込み、窒素気流下、5℃で30分間撹拌した。続いて、アリルマグネシウムブロマイドを0.7mol/L含むジエチルエーテル溶液を26.4ml加えた後、室温まで昇温させ、この温度にて10時間撹拌した。その後、5℃まで冷却し、メタノールを5ml加えた後、室温まで昇温させて不溶物をろ過した。続いて、減圧下で揮発分を留去した後、不揮発分をパーフルオロヘキサンで希釈し、分液ロートでメタノールによる洗浄操作(より詳細には、パーフルオロヘキサン相(フルオラス相)にフルオロ系化合物を維持し、メタノール相(有機相)に非フルオロ系化合物を分離除去する操作)を3回行った。続いて、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にアリル基を有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有アリル体(B)20gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有アリル体(B):
CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)20CF2CF2CH2OCH2CH2CH2Si(CH2CH=CH2)3
・合成例3
還流冷却器、温度計、撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例2にて合成した末端にアリル基を有するパーフルオロポリエーテル基含有アリル体(B)15g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン15g、トリアセトキシメチルシラン0.05g、トリクロロシラン3.15gを仕込み、窒素気流下、5℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.141ml加えた後、60℃まで昇温させ、この温度にて5時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリクロロシランを有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(C)16gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(C):
CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)20CF2CF2CH2OCH2CH2CH2Si(CH2CH2CH2SiCl3)3
・合成例4
還流冷却器、温度計、撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例3にて合成した末端にトリクロロシランを有するパーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(C)16g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン15gを加え、窒素気流下、50℃で30分間撹拌した。続いて、メタノール0.78gとオルソギ酸トリメチル36gの混合溶液を加えた後、65℃まで昇温させ、この温度にて3時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリメチルシリル基を有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(D)17gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(D):
CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)20CF2CF2CH2OCH2CH2CH2Si[CH2CH2CH2Si(OCH3)3]3
・合成例5
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、平均組成CF3O(CF2CF2O)15(CF2O)16CF2CH2OH(ただし、混合物中には(CF2CF2CF2CF2O)および/または(CF2CF2CF2O)の繰り返し単位を微量含む化合物も微量含まれる)で表されるパーフルオロポリエーテル変性アルコール体30g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン20g、NaOH0.8gを仕込み、65℃で4時間撹拌した。続いて、アリルブロマイド2.4gを加えた後、65℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、パーフルオロヘキサン20g加えて不溶物をろ過し、分液ロートで3N塩酸による洗浄操作(より詳細には、パーフルオロヘキサン相(フルオラス相)にフルオロ系化合物を維持し、塩酸層(水相)に非フルオロ系化合物を分離除去する操作)を3回行った。続いて、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にアリル基を有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有アリルオキシ体(E)24gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有アリル体(E):
CF3O(CF2CF2O)15(CF2O)16CF2CH2OCH2CH=CH2
・合成例6
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例5にて合成した末端にアリルオキシ基を有するパーフルオロポリエーテル基含有アリルオキシ化合物(E)20g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン20g、トリアセトキシメチルシラン0.06g、トリクロロシラン1.80gを仕込み、窒素気流下、5℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.10ml加えた後、60℃まで昇温させ、この温度にて5時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリクロロシランを有する下記式のパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(F)20gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(F):
CF3O(CF2CF2O)15(CF2O)16CF2CH2OCH2CH2CH2SiCl3
・合成例7
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例6にて合成した末端にトリクロロシランを有するパーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(F)20g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン20gを仕込み、窒素気流下、5℃で30分間撹拌した。続いて、アリルマグネシウムブロマイドを0.7mol/L含むジエチルエーテル溶液を35.2ml加えた後、室温まで昇温させ、この温度にて10時間撹拌した。その後、5℃まで冷却し、メタノールを5ml加えた後、室温まで昇温させて不溶物をろ過した。続いて、減圧下で揮発分を留去した後、不揮発分をパーフルオロヘキサンで希釈し、分液ロートでメタノールによる洗浄操作(より詳細には、パーフルオロヘキサン相(フルオラス相)にフルオロ系化合物を維持し、メタノール相(有機相)に非フルオロ系化合物を分離除去する操作)を3回行った。続いて、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にアリル基を有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有アリル体(G)18gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有アリル体(G):
CF3O(CF2CF2O)15(CF2O)16CF2CH2OCH2CH2CH2Si(CH2CH=CH2)3
・合成例8
還流冷却器、温度計、撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例7にて合成した末端にアリル基を有するパーフルオロポリエーテル基含有アリル体(M)15g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン15g、トリアセトキシメチルシラン0.05g、トリクロロシラン4.2g仕込み、窒素気流下、5℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.15ml加えた後、60℃まで昇温させ、この温度にて5時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリクロロシランを有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(H)16gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(H):
CF3O(CF2CF2O)15(CF2O)16CF2CH2OCH2CH2CH2Si(CH2CH2CH2SiCl3)3
・合成例9
還流冷却器、温度計、撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、合成例8にて合成した末端にトリクロロシランを有するパーフルオロポリエーテル基含有トリクロロシラン化合物(H)16g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン15gを加え、窒素気流下、50℃で30分間撹拌した。続いて、メタノール1.04gとオルソギ酸トリメチル48gの混合溶液を加えた後、65℃まで昇温させ、この温度にて3時間撹拌した。その後、室温まで冷却させて不溶物をろ過し、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリメチルシリル基を有する下記のパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(J)16gを得た。
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(J):
CF3O(CF2CF2O)15(CF2O)16CF2CH2OCH2CH2CH2Si[CH2CH2CH2Si(OCH3)3]3
(なお、平均組成としては、(CF2CF2CF2CF2O)の繰り返し単位が0.17個および(CF2CF2CF2O)の繰り返し単位が0.18個含まれていたが、微量のため省略した。)
・ポリシロキサン基含有シラン化合物の合成
・合成例10
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、平均組成CHCHCHCHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHで表されるポリシロキサン基含有エポキシ化合物25g、エチルアルコール9.86g、アミノプロピルトリエトキシシラン2.01gを仕込み、窒素気流下、60℃で8時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリエチルシリル基を有する下記式のポリシロキサン基含有シラン化合物(O)27gを得た。
・ポリシロキサン基含有シラン化合物(O)
C4H9Si(CH3)2O(Si(CH3)2O)20Si(CH3)2-C3H6OCH2CH(OH)CH2NHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
・合成例11
還流冷却器、温度計および撹拌機を取り付けた100mLの4つ口フラスコに、平均組成CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHで表されるポリシロキサン基含有エポキシ化合物20g、エチルアルコール7.89g、アミノプロピルトリエトキシシラン4.42gを仕込み、窒素気流下、60℃で8時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にトリエチルシリル基を有する下記式のポリシロキサン基含有シラン化合物(P)24gを得た。
・ポリシロキサン基含有シラン化合物(P)
(Si(CH3)2O)20[Si(CH3)2-C3H6OCH2CH(OH)CH2NHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3]2
実施例1
上記合成例4で得たパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(D)および合成例10で得たポリシロキサン基含有シラン化合物(O)を、質量比2:1で、ノベック7200(スリーエム社製)/1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン/エチルアルコール(質量比60:38:2)の混合溶媒に溶解させて、濃度10wt%になるように、表面処理剤1を調製した。
上記で調製した表面処理剤1を化学強化ガラス(コーニング社製、「ゴリラ」ガラス、厚さ0.7mm)上に真空蒸着した。真空蒸着の処理条件は、圧力3.0×10−3Paとし、まず、電子線蒸着方式により二酸化ケイ素を7nmの厚さで、この化学強化ガラスの表面に蒸着させて二酸化ケイ素膜を形成し、続いて、化学強化ガラス1枚(55mm×100mm)あたり、表面処理剤24mg(即ち、化合物(D)を0.26mgおよび化合物(O)を0.13mg含有)を蒸着させた。その後、蒸着膜付き化学強化ガラスを、温度20℃および湿度65%の雰囲気下で24時間静置した。これにより、蒸着膜が硬化して、表面処理層が形成された。
実施例2〜21
下記表に示すように、化合物(1)として、化合物(D)、合成例9で得たパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(J)、下記の構造を有するパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(L)、化合物(M)または化合物(N)を用い、化合物(2)として、化合物(O)または化合物(P)を用い、下記表に示す配合比としたこと以外は、実施例1に記載のように、実施例2〜21の表面処理層を形成した。
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(L)
CF3CF2CF2O(CF(CF3)CF2O)20CF(CF3)C(O)NHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(M)
CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)20CF2CF2[CH2CH(Si(OCH3)3)]3H
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(N)
CF3O(CF2CF2O)17(CF2O)18CF2CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
Figure 2015168785
比較例1〜7
ポリシロキサン基含有シラン化合物(2)を用いずに、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(D)、(J)、(L)、(M)または(N)をそれぞれ単独で用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜5の表面処理層を形成した。また、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(1)を用いずに、ポリシロキサン基含有シラン化合物(O)または(P)を単独で用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例6〜7の表面処理層を形成した。
試験例1
・表面滑り性評価(動摩擦係数(COF)の測定)
上記の実施例1〜21および比較例1〜7にて基材表面に形成された表面処理層について、動摩擦係数を測定した。具体的には、表面性測定機(Labthink社製 FPT−1)を用いて、摩擦子として紙を使用し、ASTM D4917に準拠し、動摩擦係数(−)を測定した。具体的には、表面処理層を形成した機材を水平配置し、摩擦紙(2cm×2cm)を表面処理層の露出上面に接触させ、その上に200gfの荷重を付与し、その後、荷重を加えた状況で摩擦紙を500mm/秒の速度で平衡移動させて動摩擦係数を測定した。結果を表2に示す。
試験例2
触感評価
上記の実施例1〜21および比較例1〜7にて基材表面に形成された表面処理層について、触感を評価した。具体的には、20代〜50代の被験者50名に、23±2℃、30〜40RH%環境下において、自身の指先で基材表面に形成された表面処理層を触り、標品としてパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(N)を5点とした際の触感の位置づけを0〜10点で評価し、その集計結果の平均点を算出した。評価基準は、下記の通りである。
◎…7.5以上10以下、
○…5以上7.5未満、
△…2.5以上5未満、
×…0以上2.5未満
結果を表2に示す。
試験例3
初期静的接触角
上記の実施例1〜21および比較例1〜7にて基材表面に形成された表面処理層について、水およびn−ヘキサデカンの初期接触角を測定した。具体的には、初期静的接触角は、接触角測定装置(協和界面科学社製)を用いて、水およびn−ヘキサデカンそれぞれ1μLにて実施した。結果を表2に示す。
Figure 2015168785
表2の結果から理解されるように、本発明の表面処理剤を用いた実施例1〜21の表面処理層は、優れた撥水撥油性に加え、優れた表面滑り性(低い動摩擦係数)を示すことが確認された。特に、実施例5および6では、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(J)単独の比較例2およびポリシロキサン基含有シラン化合物(O)単独の比較例6よりも低い動摩擦係数となっており、相乗効果が確認された。同様に、実施例20および21でも、比較例2およびポリシロキサン基含有シラン化合物(P)単独の比較例7よりも低い動摩擦係数となっており、相乗効果が確認された。本発明はいかなる理論によっても拘束されないが、これは、基材表面上に、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物とポリシロキサン基含有シラン化合物の両方が結合し、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物の密度が適度に下がったため、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物のパーフルオロポリエーテル部分の運動性が向上し、その結果、優れた表面滑り性が得られたと考えられる。
試験例4
・摩擦耐久性評価
上記の実施例1、2、4および5および比較例1および2にて基材表面に形成された表面処理層について、消しゴム摩擦耐久試験により、摩擦耐久性を評価した。具体的には、表面処理層を形成したサンプル物品を水平配置し、消しゴム(コクヨ株式会社製、KESHI−70、平面寸法1cm×1.6cm)を表面処理層の表面に接触させ、その上に500gfの荷重を付与し、その後、荷重を加えた状態で消しゴムを20mm/秒の速度で往復させた。往復回数1000回毎に水の静的接触角(度)を測定した。接触角の測定値が100度未満となった時点で評価を中止した。最後に接触角が100度を超えた時の往復回数を、表3に示す。なお、実施例4および5は、10,000回の時点で試験を中止した。
Figure 2015168785
実施例1、2、4および5では、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(D)または(J)あるいはポリシロキサン基含有シラン化合物(O)単独の比較例1、2および6よりも、高い消しゴム耐久となっており、顕著な相乗効果が確認された。
本発明は、種々多様な基材、特に透過性が求められる光学部材の表面に、表面処理層を形成するために好適に利用され得る。

Claims (32)

  1. (1)下記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)および(C2)のいずれかで表される少なくとも1種のパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物:
    Figure 2015168785
    [式中:
    Rfは、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、
    PFPEは、それぞれ独立して、−(OC−(OC−(OC−(OCF−を表し、ここに、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    11は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
    12は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
    13は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し;
    14は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表し;
    15は、それぞれ独立して、フッ素原子または低級フルオロアルキル基を表し;
    Xは、それぞれ独立して、2〜7価の有機基を表し、
    Yは、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、加水分解可能な基、または炭化水素基を表し、
    Qは、各出現において、それぞれ独立して、−Z−SiR 3−pを表し、
    Zは、各出現において、それぞれ独立して、2価の有機基を表し:
    は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し、
    は、各出現において、それぞれ独立して、炭素数1〜22のアルキル基、またはQ’を表し、
    Q’は、Qと同意義であり、
    pは、各QおよびQ’において、それぞれ独立して、0〜3の整数であって、pの総和は1以上であり、
    Q中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個であり、
    xは、それぞれ独立して、1〜10の整数であり;
    yは、それぞれ独立して、0または1であり;
    zは、それぞれ独立して、0〜2の整数であり;
    mは、αを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、0〜2の整数であり;
    nは、αを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、1〜3の整数であり、
    αは、それぞれ独立して、1〜6の整数である。]
    および
    (2)下記式(S1)、(S2)、(S3)および(S4)のいずれかで表される少なくとも1種のポリシロキサン基含有シラン化合物:
    Figure 2015168785
    [式中:
    21は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
    22は、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
    23は、各出現において、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6個のアルキル基を表し、
    24は、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜6個のアルキル基を表し、
    は、それぞれ独立して、2〜7価の有機基を表し、
    は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、加水分解可能な基、または炭化水素基を表し、
    は、各出現において、それぞれ独立して、−Z−SiR3a p’4a 3−p’を表し、
    は、各出現において、それぞれ独立して、2価の有機基を表し:
    3aは、各出現において、それぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し、
    4aは、各出現において、それぞれ独立して、炭素数1〜22のアルキル基、またはQ’を表し、
    ’は、Qと同意義であり、
    p’は、各QおよびQ’において、それぞれ独立して、0〜3の整数であって、p’の総和は1以上であり、
    中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個であり、
    lは、2〜100の整数であり;
    m’は、βを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、0〜2の整数である。
    n’は、βを付して括弧でくくられた単位毎に独立して、1〜3の整数であり、
    βは、それぞれ独立して、1〜6の整数である。]
    を含んでなる、表面処理剤。
  2. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Rfが、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基である、請求項1に記載の表面処理剤。
  3. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、PFPEが下記式(a)または(b):
    (a)−(OC
    (式(a)中、bは1以上200以下の整数である);
    (b)−(OC−(OC−(OC−(OCF
    (式(b)中、aおよびbは、それぞれ独立して、0以上30以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して、1以上200以下整数であり、a、b、cおよびdの和は、10以上200以下であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)
    である、請求項1または2に記載の表面処理剤。
  4. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、PFPEにおいて:
    −(OC−が、−(OCFCFCFCF−であり、
    −(OC−が、−(OCFCFCF−であり、
    −(OC−が、−(OCFCF−である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理剤。
  5. 式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)において、Xが2〜4価の有機基であり、αが1〜3である、請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理剤。
  6. 式(B1)、(B2)、(C1)および(C2)において、Xが2価の有機基であり、αが1である、請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理剤。
  7. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Xが、−(R31−(X−R32
    [式中:
    31は、−(CH−(式中、sは、1〜20の整数である)またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、
    32は、−(CH−(式中、tは、1〜20の整数である)またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、
    は、−(X−(式中、rは、1〜10の整数である)を表し、
    は、各出現において、それぞれ独立して、−O−、−S−、o−、m−もしくはp−フェニレン基、−C(O)O−、−Si(R33−、−(Si(R33O)−Si(R33−(式中、mは1〜100の整数である)、−CONR34−、−O−CONR34−、−NR34−および−(CH−(式中、nは1〜20の整数である)からなる群から選択される基を表し、
    33は、それぞれ独立して、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、
    34は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、
    pは、0または1であり、
    qは、0または1であり、
    31、R32およびXは、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。]
    で表される基である、請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理剤。
  8. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Xが、C1−20アルキレン基、−R31−X−R32−、または−X−R32
    [式中、Xは、−O−、−S−、−C(O)O−、−CONR34−、−O−CONR34−、−Si(R33−、−(Si(R33O)−Si(R33−(式中、mは1〜100の整数である)、−O−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−(式中、mは1〜100の整数であり、uは1〜20の整数である)、−CONR34−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−(式中、mは1〜100の整数であり、uは1〜20の整数である)、−CONR34−(CH−N(R34)−(式中、nは1〜20の整数である)、または−CONR34−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R33−を表し、
    は、−S−、−C(O)O−、−CONR34−、−CONR34−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−(式中、mは1〜100の整数であり、uは1〜20の整数である)、−CONR34−(CH−N(R34)−(式中、nは1〜20の整数である)、または−CONR34−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R33−を表し、
    31、R32、R33およびR34は、請求項7の記載と同意義である。]
    である、請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理剤。
  9. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Xが、C1−20アルキレン基、−(CH−O−(CH−、−(CH−(Si(R33O)−Si(R33−(CH−、−(CH−O−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−(CH−、または−(CH−O−(CH−Si(R33 −(CHu−Si(R33−(C2v)−
    [式中、R33は、請求項7の記載と同意義であり、
    mは、それぞれ独立して、1〜100の整数であり、
    sは、それぞれ独立して、1〜20の整数であり、
    tは、それぞれ独立して、1〜20の整数であり、
    uは、それぞれ独立して、1〜20の整数であり、
    vは、それぞれ独立して、1〜20の整数である。]
    である、請求項1〜8のいずれかに記載の表面処理剤。
  10. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Xが:
    −CHO(CH−、
    −CHO(CH−、
    −CHO(CH−、
    −CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
    −CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
    −CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
    −CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
    −CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
    −CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
    −(CH−、
    −(CH−、
    −(CH−、
    −(CH−、
    −CONH−(CH−、
    −CON(CH)−(CH−、
    −CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
    −CONH−(CH−、
    −CON(CH)−(CH−、
    −CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
    −CONH−(CHNH(CH−、
    −CONH−(CHNH(CH−、
    −CHO−CONH−(CH−、
    −CHO−CONH−(CH−、
    −S−(CH−、
    −(CHS(CH−、
    −CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
    −CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
    −CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)2Si(CH(CH−、
    −CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
    −CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
    −CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH
    −C(O)O−(CH−、
    −C(O)O−(CH−、
    −CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−(CH−、
    −CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−CH(CH)−、
    −CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−(CH−、
    −CH−O−(CH−Si(CH −(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
    Figure 2015168785
    からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の表面処理剤。
  11. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Yにおいて、加水分解可能な基が−OR(式中、RはC1−12アルキル基を表す)である、請求項1〜10のいずれかに記載の表面処理剤。
  12. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Q中、pが3である、請求項1〜11のいずれかに記載の表面処理剤。
  13. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物において、Rfが、C1−16パーフルオロアルキル基であり、
    PFPEが下記式(a)または(b):
    (a)−(OC
    (式中、bは1以上200以下の整数である);
    (b)−(OC−(OC−(OC−(OCF
    (式中、aおよびbは、それぞれ独立して、0以上30以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して、1以上200以下整数であり、a、b、cおよびdの和は、10以上200以下であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)
    であり、
    Xが、C1−20アルキレン基、−(CH−O−(CH−、−(CH−(Si(R33O)−Si(R33−(CH−、−(CH−O−(CHu−(Si(R33O)−Si(R33−(CH−、または−(CH−O−(CH−Si(R33 −(CHu−Si(R33−(C2v)−
    [式中、R33は、各出現において、それぞれ独立して、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、
    mは、それぞれ独立して、1〜100の整数であり、
    sは、それぞれ独立して、1〜20の整数であり、
    tは、それぞれ独立して、1〜20の整数であり、
    uは、それぞれ独立して、1〜20の整数であり、
    vは、それぞれ独立して、1〜20の整数である。]
    であり、
    nが3であり、
    pが3である、
    請求項1〜12のいずれかに記載の表面処理剤。
  14. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物が、式(A1)および(A2)のいずれかで表される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理剤。
  15. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物が、式(B1)および(B2)のいずれかで表される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜10のいずれかに記載の表面処理剤。
  16. パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物が、式(C1)および(C2)のいずれかで表される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜13のいずれかに記載の表面処理剤。
  17. ポリシロキサン基含有シラン化合物において、n’が3であり、p’が3である、請求項1〜16のいずれかに記載の表面処理剤。
  18. ポリシロキサン基含有シラン化合物において、Xが2価の有機基であり、βが1である、請求項1〜17のいずれかに記載の表面処理剤。
  19. ポリシロキサン基含有シラン化合物において、Xが、−(R31−(X−R32
    [式中:
    31は、−(CH−(式中、sは、1〜20の整数である)またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、
    32は、−(CH−(式中、tは、1〜20の整数である)またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、
    は、−(X−(式中、rは、1〜10の整数である)を表し、
    は、各出現において、それぞれ独立して、−O−、−S−、o−、m−もしくはp−フェニレン基、−C(O)O−、−Si(R33−、−(Si(R33O)−Si(R33−(式中、mは1〜100の整数である)、−CONR34−、−O−CONR34−、−NR34−および−(CH−(式中、nは1〜100の整数である)からなる群から選択される基を表し、
    33は、各出現において、それぞれ独立して、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、
    34は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基を表し、
    pは、0または1であり、
    qは、0または1であり、
    31、R32およびXは、酸素原子、OH、炭素数1〜6のアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。]
    で表される基である、請求項1〜18のいずれかに記載の表面処理剤。
  20. ポリシロキサン基含有シラン化合物が、式(S1)および(S2)のいずれかで表される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜19のいずれかに記載の表面処理剤。
  21. (1)パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物と、(2)ポリシロキサン基含有シラン化合物との質量比が、1:50〜50:1である、請求項1〜20のいずれかに記載の表面処理剤。
  22. (1)パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物と、(2)ポリシロキサン基含有シラン化合物との質量比が、1:4〜4:1である、請求項1〜21のいずれかに記載の表面処理剤。
  23. 含フッ素オイル、シリコーンオイル、および触媒から選択される1種またはそれ以上の他の成分をさらに含有する、請求項1〜22のいずれかに記載の表面処理剤。
  24. 含フッ素オイルが、式(3):
    41−(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’−R42
    ・・・(3)
    [式中:
    41は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
    42は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基、フッ素原子または水素原子を表し;
    a’、b’、c’およびd’は、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表わし、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a’、b’、c’およびd’の和は少なくとも1であり、添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
    で表される1種またはそれ以上の化合物である、請求項23に記載の表面処理剤。
  25. 含フッ素オイルが、式(3a)または(3b):
    41−(OCFCFCFb’’−R42 ・・・(3a)
    41−(OCFCFCFCFa’’−(OCFCFCFb’’−(OCFCFc’’−(OCFd’’−R42 ・・・(3b)
    [式中:
    41は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
    42は、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基、フッ素原子または水素原子を表し;
    式(3a)において、b’’は1以上100以下の整数であり;
    式(3b)において、a’’およびb’’は、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、c’’およびd’’は、それぞれ独立して1以上300以下の整数であり;
    添字a’’、b’’、c’’またはd’’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
    で表される1種またはそれ以上の化合物である、請求項23または24に記載の表面処理剤。
  26. さらに溶媒を含む、請求項1〜25のいずれかに記載の表面処理剤。
  27. 防汚性コーティング剤として使用される、請求項1〜26のいずれかに記載の表面処理剤。
  28. 真空蒸着用である、請求項1〜27のいずれかに記載の表面処理剤。
  29. 請求項1〜28のいずれかに記載の表面処理剤を含有するペレット。
  30. 基材と、該基材の表面に、請求項1〜28のいずれかに記載の表面処理剤より形成された層とを含む物品。
  31. 前記物品が光学部材である、請求項30に記載の物品。
  32. 前記物品がディスプレイである、請求項30に記載の物品。
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