JP2019089332A - 基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、十分な撥水性を有し、特に摩擦を繰り返し与えられた場合であっても、撥水性を維持できる基材を提供することを目的とする。【解決手段】表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、3000回、および4000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に80度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0096超である基材。【選択図】なし

Description

本発明は、基材、特に表面における撥水性の良好な基材に関する。
従来、表面における優れた撥水性を有する基材が、求められている。例えば、特許文献1には、表面における優れた撥水性を有する基材として、ある種のパーフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランで処理された基材が記載されている。
特開2016−204656号公報
特許文献1に記載のような表面処理基材は、例えばタッチパネル、携帯電話もしくはスマートフォンの操作画面などの用途において用いられているが、これらの用途では摩擦耐久性が求められ、近年その要求は高まっている。しかしながら、特許文献1に記載のような表面処理基材は、次第に高まる摩擦耐久性向上の要求に応えるには、もはや必ずしも十分とは言えない。本発明は、十分な撥水性を有し、特に摩擦を繰り返し与えられた場合であっても、撥水性を維持できる基材を提供することを目的とする。
本発明の第1の要旨によれば、本発明の基材は
表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、3000回、および4000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に80度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0096超である。
本発明の第2の要旨によれば、本発明の基材は、
表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の測定値が、80度以上である。
本発明の第3の要旨によれば、本発明の基材は
表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
波長300nm〜400nmの紫外線が、放射照度62W/mで300時間照射された表面において、21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、および3000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に測定値が50度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0222超である。
本発明によれば、十分な撥水性を有し、特に摩擦を繰り返し与えられた場合であっても、撥水性を維持できる基材が提供される。
以下、本発明の基材について説明する。
(態様1)
本態様の基材は、
表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、3000回、および4000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に80度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0096超である。
上記試験用布としては、リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEを用いる。上記試験用布は、一辺の長さが8cmであり、該一辺に直交する他辺の長さが5cmの矩形である。
上記INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEは、糸密度が、縦糸:270±10本/dm、横糸:270±10本/dm、かつ、糸番手が、縦糸:295±10dtx、横糸:295±10dtx、かつ、撚り数が、縦糸:295±10T/m、横糸:295±10T/m、かつ密度が170±10g/mのコットンからなり、IEC規格60456のA.3.1.2に記載の組成物により汚染された布である。
上記INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEの表面粗さ(Ra)は、14〜21μmであってもよく、16〜19μmであってもよい。
上記試験用布は、上記布に上記組成の人工汗が十分に浸透した状態にある。このような試験用布は、例えば、上記組成の人工汗に上記布を浸漬することによって得られる。上記布は、例えば、10秒〜10分間上記人工汗に浸漬される。なお、上記試験用布は、上記組成の人工汗に浸漬後の布を用いることができ、試験用布に付着している余分の人工汗の除去などを行う必要はない。
上記試験用布は、辺の長さが8cmおよび5cmの矩形に切断したものを用いる。上記の大きさの試験用布には、約1ml(例えば、0.5〜2.0ml)の人工汗が含まれ得る。
上記シリコーンは、試験用布を介して基材と接触する。即ち、上記摩擦子の基材と接触する面には、試験用布が存在する。上記試験用布と上記シリコーンとは、例えば、通常行われ得る手段(例えば接着剤、紐や輪ゴム)を用いて固定されていてもよい。但し、上記試験用布および上記シリコーンは、摩擦子と基材との接触面において凹凸部(例えば、試験用布の偏在により生じ得るシワ、たわみなど)は存在しないように固定されている。
上記試験用布で覆われたシリコーンよりなる摩擦子としては、例えば、直径2.5cmの半球状のものを用いることができる。この場合、試験において基材を摩擦するのは、上記半球状の突起部(凸部)である。
上記摩擦試験は、上記摩擦子を基材の表面に沿うように反復移動させて行う。具体的には、上記摩擦試験は、21℃および湿度65%の雰囲気下において、基材の表面に、上記試験用布で覆われた摩擦子を設置し、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で、所定の距離(例えば20mm)を往復させることによって行う。上記摩擦試験は、例えば、基材の表面が鉛直方向に沿って延在するように設置して行う。
上記摩擦試験に用いる機械としては、INNOWEP社製ABREX(登録商標)試験機(型式:standard ABREX(登録商標))を挙げることができる。
以下において、上記摩擦試験をより具体的に説明する。
まず、摩擦試験前の基材について、その表面における水の静的接触角の測定値(往復回数0回における水の静的接触角の測定値)を得る。
その後、基材の該表面において、摩擦試験を実施する。摩擦子の往復回数(即ち摩擦回数)1000回毎に、基材の表面における水の静的接触角を測定し、水の静的接触角の測定値が80度未満となるまで、摩擦試験を続ける。
より具体的には、摩擦子の往復回数が1000回となったときに、基材の表面における水の静的接触角の測定値を求める。上記1000回の測定値が80度未満である場合には、摩擦試験を中止する。上記1000回の測定値が80度以上である場合には、さらに摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数がさらに1000回(即ち、計2000回)となったときに、基材の表面における水の静的接触角の測定値を求める。上記2000回の測定値が80度未満の場合には、摩擦試験を中止する。上記2000回の測定値が80度以上の場合には、さらに摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数がさらに1000回(即ち、計3000回)の場合の水の静的接触角の測定値を求める。上記3000回の測定が80度未満の場合には、摩擦試験を中止する。上記3000回の測定値が80度以上の場合には、さらに摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数が4000回の場合の水の静的接触角の測定値を求める。以下、水の静的接触角が80度未満となるまで摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数1000回毎に水の静的接触角の測定値を求める。
次いで、上記の摩擦試験において得られた水の静的接触角の測定値と、摩擦子の往復回数との関係を求める。
一の態様において、摩擦子の往復回数が最大4000回における、摩擦子の往復回数x(回)と水の静的接触角の測定値との関係を求める。具体的には、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、3000回、および4000回での往復回数に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線F=ηx+θ(ηおよびθは定数)を求める。
ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に80度未満になった回数を最大とする。具体的には、摩擦子の往復回数1000回における水の静的接触角の測定値が80度未満である場合には、往復回数0回および1000回における水の静的接触角の測定値を用いて線形近似直線を形成する。摩擦子の往復回数1000回における水の静的接触角の測定値が80度以上であり、往復回数2000回における水の静的接触角の測定値が80度未満である場合には、往復回数0回、1000回、および2000回における水の静的接触角の測定値を用いて線形近似直線を形成する。摩擦子の往復回数2000回における水の静的接触角の測定値が80度以上であり、往復回数3000回における水の静的接触角の測定値が80度未満である場合には、往復回数0回、1000回、2000回および3000回の値を用いて線形近似直線を形成する。摩擦子の往復回数3000回における水の静的接触角の測定値が80度以上である場合には、往復回数0回、1000回、2000回、3000回および4000回における水の静的接触角の測定値を用いて線形近似直線を形成する。
本態様の基材においては、上記の線形近似直線の勾配ηが−0.0096超であり、好ましくは−0.0085以上であり、より好ましくは−0.0080以上、さらに好ましくは−0.0070以上、特に好ましくは−0.0060以上である。本態様の基材は、上記摩擦試験を行った後においても、その表面における水の静的接触角の低下が少なく、撥水性が低下しにくい。上記勾配ηの上限は特に限定されないが、例えば−0.0001未満であってもよい。
上記線形近似直線におけるθは、例えば80以上であり、具体的には90以上であり、より具体的には100以上であり、さらに具体的には110以上であり、114以上であってもよい。
別の態様において、摩擦子の往復回数が最大10000回における、摩擦子の往復回数x(回)と水の静的接触角の測定値との関係を求める。具体的には、該摩擦子の往復回数x(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線F”=η”x+θ”(η”およびθ”は定数)を求める。ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に80度未満になった回数を最大とする。摩擦試験、水の静的接触角の測定値については、上記と同意義である。
本態様の基材においては、上記の線形近似直線の勾配η”が、好ましくは−0.0096超であり、より好ましくは−0.0085以上であり、さらに好ましくは−0.0080以上であり、特に好ましくは−0.0070以上であり、さらに好ましくは−0.0060以上である。即ち、本態様の基材は、上記摩擦試験を行った後においても、その表面における水の静的接触角の低下が少なく、撥水性が低下しにくい。上記勾配η”の上限は特に限定されないが、例えば−0.0001未満であってもよい。
上記線形近似直線におけるθ”は、例えば80以上であり、具体的には90以上であり、より具体的には100以上であり、さらに具体的には110以上であり、114以上であってもよい。
本態様の基材は、摩擦試験前の静的接触角の測定値(即ち、往復回数0回の静的接触角の測定値)が高いことが好ましい。摩擦試験前の基材の接触角は、80度以上であることが好ましく、100度以上であることがより好ましく、105度以上であることが特に好ましく、110度以上であることがさらに好ましい。
本態様の基材は、摩擦試験において、摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の測定値が、好ましくは、80度以上であり、より好ましくは、84度以上であり、さらに好ましくは85度以上であり、特に好ましくは、90度以上である。このような基材では、基材の表面が摩擦された場合であっても、その表面における撥水性が良好である。すなわち、摩擦の生じ得る用途において、このような基材は特に有用であり得る。
摩擦子の往復回数0回の水の静的接触角の測定値に対する、摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の割合は、0.70以上にあってもよく、0.80以上にあってもよい。上記割合の上限値は、特に限定されないが、例えば1.00以下、具体的には0.98以下であってもよい。このような基材では、基材の表面が摩擦された場合であっても、その表面における撥水性を良好に維持できる。すなわち、摩擦の生じ得る用途において、このような基材は特に有用であり得る。
本態様の基材は、摩擦試験において、摩擦子の往復回数5000回における水の静的接触角の測定値が、好ましくは、75度以上であり、より好ましくは、80度以上であり、さらに好ましくは、85度以上である。このような基材では、基材の表面が摩擦された場合であっても、その表面における撥水性を特に良好に維持できる。すなわち、摩擦の生じ得る用途において、このような基材は特に有用であり得る。
本態様の基材において、ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.050未満であることが好ましく、0.035未満であることがより好ましい。
好ましい態様において、本態様の基材は、さらに、
波長300nm〜400nmの紫外線が、放射照度62W/mで300時間照射された表面において、21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(ここで、試験用布は、リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEである。)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、および3000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に測定値が50度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する紫外線照射後の水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0222超である。
紫外線(UV)の照射源としては、例えば、キセノンランプを用いることができる。上記UVの照射は、より具体的には、基材のブラックパネル温度を55度とし、ランプとUVの照射される基材の表面との距離を29cmとして行うことができる。
上記のようにUVを基材の表面に照射した後、摩擦試験前の該表面における水の静的接触角の測定値を求める。その後、該表面において摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数1000回毎に、基材の表面における水の静的接触角を測定し、水の静的接触角の測定値が50度未満となるまで、摩擦試験を続ける。
具体的には、UV照射試験後の摩擦試験は、以下のように行う。
まず、UV照射試験後の基材で有り、かつ、摩擦試験前の基材について、その表面における水の静的接触角の測定値(即ち、往復回数0回のときの水の静的接触角の測定値)を得る。
その後、UV照射試験後の基材の表面に対して、摩擦試験を実施する。摩擦子の往復回数1000回毎に、基材の表面における水の静的接触角を測定し、水の静的接触角の測定値が50度未満となるまで、摩擦試験を続ける。
より具体的には、摩擦子の往復回数が1000回となったときに、基材の表面における水の静的接触角の測定値を求める。上記1000回の測定値が50度未満である場合には、摩擦試験を中止する。上記1000回の測定値が50度以上である場合には、さらに摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数がさらに1000回(即ち、計2000回)となったときに、基材の表面における水の静的接触角の測定値を求める。上記2000回の測定値が50度未満の場合には、摩擦試験を中止する。上記2000回の測定値が50度以上の場合には、さらに摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数がさらに1000回(即ち、計3000回)の場合の水の静的接触角の測定値を求める。上記3000回の測定値が50度未満の場合には、摩擦試験を中止する。上記3000回の測定値が50度以上の場合には、さらに摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数が4000回の場合の水の静的接触角の測定値を求める。以下、水の静的接触角が50度未満となるまで摩擦試験を行い、摩擦子の往復回数1000回毎に水の静的接触角の測定値を求める。
次いで、上記の摩擦試験において得られたUV照射後の水の静的接触角の測定値と、摩擦子の往復回数との関係を求める。
一の態様において、摩擦子の往復回数が最大3000回における、摩擦子の往復回数x’(回)と水の静的接触角の測定値との関係を求める。具体的には、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、および3000回での往復回数(回)に対するUV照射試験後の水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線F’x’=η’x’+θ’(η’およびθ’は定数)を求める。
ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に測定値が50度未満になった回数を最大とする。具体的には、摩擦子の往復回数1000回における水の静的接触角の測定値が50度未満である場合には、往復回数0回および1000回における水の静的接触角の測定値を用いて線形近似直線を形成する。摩擦子の往復回数1000回における水の静的接触角の測定値が50度以上であり、2000回における水の静的接触角の測定値が50度未満である場合には、往復回数0回、1000回、および2000回の値を用いて線形近似直線を形成する。
本態様の基材においては、上記のUV照射試験後の線形近似直線の勾配η’が好ましくは−0.0222超であり、より好ましくは−0.0200以上であり、さらに好ましくは−0.0180以上である。このような基材は、上記摩擦試験を行った後においても、その表面における水の静的接触角の低下が少なく、撥水性が低下しにくい。上記勾配η’の上限は特に限定されないが、例えば−0.001未満であってもよい。
上記θ’は、例えば、98以上であり、より具体的には100以上である。
一の態様において、摩擦子の往復回数が最大6000回における、摩擦子の往復回数x’(回)と水の静的接触角の測定値との関係を求める。該摩擦子の往復回数(回)に対するUV照射試験後の水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線F'''x'=η'''x'+θ'''(η'''およびθ'''は定数)を求める。
上記線形近似直線においてη'''は、例えば、−0.0222超である。θ'''は、例えば、98以上であり、より具体的には100以上である。
本態様の基材は、上記UV照射試験後の摩擦試験において、摩擦子の往復回数3000回における水の静的接触角の測定値が、50度以上であることが好ましく、55度以上であることがより好ましく、60度以上であることがさらに好ましく、70度以上であることが特に好ましく、75度以上であることがさらに好ましい。
本態様の基材は、少なくとも1の表面において、表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する。即ち、本態様の基材は、表面処理剤層と、ベース層とを含むことが好ましい。
上記ベース層は、例えばガラス、樹脂(天然または合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよく、板状、フィルム、その他の形態であってよい)、金属(アルミニウム、銅、鉄等の金属単体または合金等の複合体であってよい)、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、任意の適切な材料で構成され得る。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、ベース層の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラスまたは透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、ベース層の表面(最外層)に何らかの層(または膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層および多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiOおよび/またはSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、ベース層(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、ベース層は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I−CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、および液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
好ましい態様において、ベース層はガラスを含む。
上記ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、クリスタルガラス、石英ガラスが挙げられる。
一の態様において、上記ガラスは、化学強化ガラス、例えば化学強化したソーダライムガラス、化学強化したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス、および化学強化したホウ珪酸ガラスであり得る。
好ましい態様において、上記化学強化ガラスは、SiO、およびAl、NaO、MgO、KO、CaO、BaO、SrO、およびBからなる群から選択される1つまたはそれ以上の酸化物を含む化学強化用ガラスを化学強化処理(典型的には、イオン交換)して得られるガラスであり得る。
好ましい態様において、上記化学強化用ガラスは、上記酸化物を、下記の割合(酸化物基準の重量百分率)で含有する。
SiO:60.0〜80.0%
Al:0.5〜12.0%
:0〜3.0%
MgO:0〜12.0%
CaO:0〜5.0%
SrO:0〜5.0%
BaO:0〜5.0%
NaO:3.0〜20.0%
O:0〜10.0%
化学強化処理は、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、化学強化処理においては、大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、Kイオン)を含む金属塩(例えば、硝酸カリウム)の融液に、浸漬などによってガラス板を接触させることにより、ガラス板中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、NaイオンまたはLiイオン)が大きなイオン半径の金属イオンと置換される。
一の態様において、上記化学強化ガラスの圧縮応力層の厚みは、好ましくは35μm以上、より好ましくは40μm以上、さらに好ましくは45μm以上であり得る。
上記化学強化ガラスの圧縮応力層の厚みは、化学強化用ガラスを化学強化する際の条件、化学強化用ガラスの組成等を調整することにより、適宜調整することができる。
ここに、圧縮応力層の厚みとは、ガラス板最表面を基準として圧縮応力が形成されている領域の深さである。かかる圧縮応力層の厚みは、表面応力計により測定することができる。例えば、圧縮応力層の厚みは、室温25℃、湿度60%の環境下、589nmのNa光源にて、折原製作所社製表面応力計FSM−6000を用いて測定することができる。
ベース層の形状は特に限定されない。また、表面処理剤からなる層(表面処理層)を形成すべきベース層の表面領域は、ベース層の表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途および具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
かかるベース層としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜または熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、ベース層に何らかの前処理を施すことにより、ベース層の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、ベース層の表面に水酸基を導入または増加させ得ると共に、ベース層の表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素−炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア−ブロジェット法)や化学吸着法等によって、ベース層の表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
またあるいは、かかるベース層としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi−H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
上記表面処理剤は、パーフルオロポリエーテル基(以下、「PFPE基」ともいう)含有化合物を含み、PFPE基含有シラン化合物を含むことが好ましい。
上記PFPE含有シラン化合物は、例えば、(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D1)または(D2)で表される化合物である。
Figure 2019089332
以下、上記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D1)および(D2)で表されるPFPE含有シラン化合物について説明する。
本明細書において用いられる場合、「2〜10価の有機基」とは、炭素を含有する2〜10価の基を意味する。かかる2〜10価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基からさらに1〜9個の水素原子を脱離させた2〜10価の基が挙げられる。2価の有機基としては、特に限定されるものではないが、炭化水素基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素および水素を含む基であって、分子から1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つまたはそれ以上の環構造を含んでいてもよい。尚、かかる炭化水素基は、その末端または分子鎖中に、1つまたはそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有していてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子;1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10不飽和シクロアルキル基、5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6−10アリール基および5〜10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
本明細書において、アルキル基およびフェニル基は、特記しない限り、非置換であっても、置換されていてもよい。かかる基の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
式(A1)および(A2):
Figure 2019089332
上記式中、Rfは、各出現において独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表す。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基における「炭素数1〜16のアルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のアルキル基である。
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されている炭素数1〜16のアルキル基であり、より好ましくはCFH−C1−15フルオロアルキレン基またはC1−16パーフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはC1−16パーフルオロアルキル基である。
該炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、具体的には−CF、−CFCF、または−CFCFCFである。
上記式中、PFPEは、各出現において独立して、
−(OC12−(OC10−(OC−(OC10 −(OC−(OCF
で表される基である。式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、0以上100以下の整数である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は5以上であり、より好ましくは10以上である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は200以下であり、より好ましくは100以下であり、例えば10以上200以下であり、より具体的には10以上100以下である。また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。X10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、好ましくは水素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
これら繰り返し単位は、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよいが、好ましくは直鎖状である。例えば、−(OC12)−は、−(OCFCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCFCF)−である。−(OC10)−は、−(OCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
一の態様において、上記PFPEは、−(OC−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。好ましくは、PFPEは、−(OCFCFCF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)または−(OCF(CF)CF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。より好ましくは、PFPEは、−(OCFCFCF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。
別の態様において、PFPEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−(式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、c、d、eおよびfの和は少なくとも5以上、好ましくは10以上であり、添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)である。好ましくは、PFPEは、−(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF−である。一の態様において、PFPEは、−(OC−(OCF−(式中、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、添字eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であってもよい。
さらに別の態様において、PFPEは、−(R−R−で表される基である。式中、Rは、OCFまたはOCであり、好ましくはOCである。式中、Rは、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。好ましくは、Rは、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記jは、2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、100以下、好ましくは50以下の整数である。上記式中、OC、OC、OC、OC10およびOC12は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、PFPEは、好ましくは、−(OC−OC−または−(OC−OC−である。
PFPEにおいて、fに対するeの比(以下、「e/f比」という)は、0.1以上10以下であり、好ましくは0.2以上5以下であり、より好ましくは0.2以上2以下であり、さらに好ましくは0.2以上1.5以下であり、さらにより好ましくは0.2以上0.85以下である。e/f比を10以下にすることにより、この化合物から得られる層の滑り性、摩擦耐久性および耐ケミカル性(例えば、人工汗に対する耐久性)がより向上する。e/f比がより小さいほど、上記層の滑り性および摩擦耐久性はより向上する。一方、e/f比を0.1以上にすることにより、化合物の安定性をより高めることができる。e/f比がより大きいほど、化合物の安定性はより向上する。
上記PFPE含有シラン化合物において、−PFPE−部分の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。上記数平均分子量は、19F−NMRにより測定される値とする。
別の態様において、−PFPE−部分の数平均分子量は、500〜30,000、好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは2,000〜15,000、さらにより好ましくは2,000〜10,000、例えば3,000〜6,000であり得る。
別の態様において、−PFPE−部分の数平均分子量は、4,000〜30,000、好ましくは5,000〜10,000、より好ましくは6,000〜10,000であり得る。
上記式中、R13は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。
上記「加水分解可能な基」とは、本明細書において用いられる場合、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解可能な基の例としては、−OR、−OCOR、−O−N=CR、−NR、−NHR、ハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基を示す)などが挙げられ、好ましくは−OR(即ち、アルコキシ基)である。Rの例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。水酸基は、特に限定されないが、加水分解可能な基が加水分解して生じたものであってよい。
上記式中、R14は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。
上記式中、R11は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子は、好ましくはヨウ素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
上記式中、R12は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表す。低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
上記式中、n1は、(−SiR13 n114 3−n1)単位毎に独立して、0〜3の整数であり、好ましくは1〜3であり、より好ましくは3である。式中、少なくとも1つのn1が1〜3の整数であり、即ち、すべてのn1が同時に0になることはない。換言すれば、式中、少なくとも1つはR13が存在する。
一の態様において、式(A1)および(A2)において、水酸基または加水分解可能な基に結合したSiが少なくとも2つ存在する。即ち、式(A1)および(A2)において、nが1以上である−SiR13 n114 3−n1構造(即ち、−SiR13部分)が少なくとも2つ存在する。
上記式中、Xは、それぞれ独立して、単結合または2〜10価の有機基を表す。当該Xは、式(A1)および(A2)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(即ち、Rf−PFPE部または−PFPE−部)と、基材との結合能を提供するシラン部(即ち、α1を付して括弧でくくられた基)とを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(A1)および(A2)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの有機基であってもよい。
別の態様において、Xは、Xであり得る。Xは、単結合または2〜10価の有機基を表し、好ましくは、単結合または−C−(すなわち−フェニレン−。以下、フェニレン基を示す。)、−CO−(カルボニル基)、−NR−および−SO−からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する2〜10価の有機基を表す。上記Rは、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、またはC1〜6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、好ましくは水素原子、またはメチル基である。上記の−C−、−CO−、−NR−または−SO−は、PFPE含有シラン化合物の分子主鎖中に含まれることが好ましい。ここで、分子主鎖とは、PFPE含有シラン化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表す。
は、より好ましくは、単結合または−C−、−CONR−、−CONR−C−、−CO−、−CO−C−、−SONR−、−SONR−C−、−SO−、および−SO−C−からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する2〜10価の有機基を表す。上記の−C−、−CONR−、−CONR−C−、−CO−、−CO−C−、−SONR−、−SONR−C−、−SO−、または−SO−C−は、PFPE含有シラン化合物の分子主鎖中に含まれることが好ましい。
上記式中、α1は1〜9の整数であり、α1’は1〜9の整数である。これらα1およびα1’は、Xの価数に応じて変化し得る。式(A1)においては、α1およびα1’の和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、α1およびα1’の和は10であり、例えばα1が9かつα1’が1、α1が5かつα1’が5、またはα1が1かつα1’が9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、α1およびα1’は1である。式(A2)においては、α1はXの価数から1を引いた値である。
上記Xは、好ましくは2〜7価であり、より好ましくは2〜4価であり、さらに好ましくは2価の有機基である。
一の態様において、Xは2〜4価の有機基であり、α1は1〜3であり、α1’は1である。
別の態様において、Xは2価の有機基であり、α1は1であり、α1’は1である。この場合、式(A1)および(A2)は、下記式(A1’)および(A2’)で表される。
Figure 2019089332
上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式:
−(R31p’−(Xq’
[式中:
31は、単結合、−(CHs’−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CHs’−であり、
s’は、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2であり、
は、−(Xl’−を表し、
は、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−S−、o−、m−もしくはp−フェニレン基、−C(O)O−、−Si(R33−、−(Si(R33O)m’−Si(R33−、−CONR34−、−O−CONR34−、−NR34−および−(CHn’−からなる群から選択される基を表し、
33は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表し、好ましくはフェニル基またはC1−6アルキル基であり、より好ましくはメチル基であり、
34は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、
m’は、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数であり、
n’は、各出現において、それぞれ独立して、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
l’は、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
p’は、0または1であり、
q’は、0または1であり、
ここに、p’およびq’の少なくとも一方は1であり、p’またはq’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である]
で表される2価の基が挙げられる。ここに、R31およびX(典型的にはR31およびXの水素原子)は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
好ましくは、上記Xは、−(R31p’−(Xq’−R32−である。R32は、単結合、−(CHt’−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CHt’−である。t’は、1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。ここに、R32(典型的にはR32中の水素原子)は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−R31−X−R32−、または
−X−R32
[式中、R31およびR32は、上記と同意義である。]
であり得る。なお、アルキレン基とは、−(Cδ2δ)−構造を有する基であり、置換または非置換であってよく、直鎖状または分枝鎖状であってもよい。
さらに好ましくは、上記Xは、
−X−、
−X−C1−20アルキレン基、
−X−(CHs’−X−、
−X−(CHs’−X−(CHt’
−X−X−、または
−X−X−(CHt’
である。式中、s’およびt’は、上記と同意義である。
上記式中、Xは、炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4、より好ましくは炭素原子数1〜2のアルキレン基、例えばメチレン基である。X中の水素原子は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、好ましくは置換されている。Xは、直鎖状または分枝鎖状であってもよく、好ましくは直鎖状である。
より好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−(CHs’−X−、
−(CHs’−X−(CHt’
−X−、または
−X−(CHt’
[式中、s’およびt’は、上記と同意義である。]
である。
上記式中、Xは、
−O−、
−S−、
−C(O)O−、
−CONR34−、
−O−CONR34−、
−Si(R33−、
−(Si(R33O)m’−Si(R33−、
−O−(CHu’−(Si(R33O)m’−Si(R33−、
−O−(CHu’−Si(R33−O−Si(R33−CHCH−Si(R33−O−Si(R33−、
−O−(CHu’−Si(OCHOSi(OCH−、
−CONR34−(CHu’−(Si(R33O)m’−Si(R33−、
−CONR34−(CHu’−N(R34)−、または
−CONR34−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R33
[式中、R33、R34およびm’は、上記と同意義であり、
u’は1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。]を表す。Xは、好ましくは−O−である。
上記式中、Xは、
−S−、
−C(O)O−、
−CONR34−、
−CONR34−(CHu’−(Si(R33O)m’−Si(R33−、
−CONR34−(CHu’−N(R34)−、または
−CONR34−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R33
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
を表す。
特に好ましくは、上記Xは、
−X−、
−X−C1−20アルキレン基、
−X−(CHs’−X−、
−X−(CHs’−X−(CHt’
−X−X−、または
−X−X−(CHt’
[式中、X、s’およびt’は、上記と同意義である。]
であり、
が、−O−、または−CONR34−、
が、−CONR34−、
34は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)を表す。]
で表される基である。
一の態様において、上記Xは、
−X−(CHs’−X−、
−X−(CHs’−X−(CHt’
−X−X−、または
−X−X−(CHt’
[式中、X、s’およびt’は、上記と同意義である。]
であり、
が、−CONR34−、
が、−CONR34−、
34は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)を表す。]
で表される基である。
より好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−(CHs’−X−(CHt’−、または
−X−(CHt’
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
であり得る。
さらにより好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−(CHs’−O−(CHt’−、
−(CHs’−(Si(R33O)m’−Si(R33−(CHt’−、
−(CHs’−O−(CHu’−(Si(R33O)m’−Si(R33−(CHt’−、または
−(CHs’−O−(CHt’−Si(R33 −(CHu’−Si(R33−(Cv2v)−
[式中、R33、m’、s’、t’およびu’は、上記と同意義であり、vは1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。]
である。
上記式中、−(Cv2v)−は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)−、−CH(CH)CH−であり得る。
上記X基は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基(好ましくは、C1−3パーフルオロアルキル基)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
一の態様において、X基は、−O−C1−6アルキレン基以外であり得る。
別の態様において、X基としては、例えば下記の基が挙げられる:
Figure 2019089332
Figure 2019089332
[式中、R41は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、またはC1−6アルコキシ基、好ましくはメチル基であり;
Dは、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、および
Figure 2019089332
(式中、R42は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6のアルキル基またはC1−6のアルコキシ基、好ましくはメチル基またはメトキシ基、より好ましくはメチル基を表す。)
から選択される基であり、
Eは、−(CHne−(neは2〜6の整数)であり、
Dは、分子主鎖のPFPEに結合し、Eは、PFPEと反対の基に結合する。]
上記Xの具体的な例としては、例えば:
単結合
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CHOCH(CHCHSi(OCHOSi(OCH(CHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CO−
−CONH−
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−S−(CH−、
−(CHS(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
Figure 2019089332
などが挙げられる。
上記の中では、Xは、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−OCH−、
−O(CH−、または
−OCFHCF−、
であることが好ましい。
上記の中では、より好ましくは、Xは、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
である。
より好ましい態様において、Xは、Xe’を表す。Xe’は、単結合、炭素数1〜6のアルキレン基、−R51−C−R52−、−R51−CONR−R52−、−R51−CONR−C−R52−、−R51−CO−R52−、−R51−CO−C−R52−、−R51−SONR−R52−、−R51−SONR−C−R52−、−R51−SO−R52−、または−R51−SO−C−R52−である。R51およびR52は、それぞれ独立して、単結合または炭素数1〜6のアルキレン基を表し、好ましくは単結合または炭素数1〜3のアルキレン基である。Rは上記と同意義である。上記アルキレン基は、置換または非置換であり、好ましくは非置換である。上記アルキレン基の置換基としては、例えばハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を挙げることができる。上記アルキレン基は、直鎖状または分枝鎖状であり、直鎖状であることが好ましい。
さらに好ましい態様において、Xe’は、
単結合、
−X−、
炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基
−X−C1−6アルキレン基、好ましくは−X−C1−3アルキレン基、より好ましくは−X−C1−2アルキレン基、
−C−R52’−、
−CONR4’−R52’−、
−CONR4’−C−R52’−、
−X−CONR4’−R52’−、
−X−CONR4’−C−R52’−、
−CO−R52’−、
−CO−C−R52’−、
−SONR4’−R52’−、
−SONR4’−C−R52’−、
−SO−R52’−、
−SO−C−R52’−、
−R51’−C−、
−R51’−CONR4’−、
−R51’−CONR4’−C−、
−R51’−CO−、
−R51’−CO−C−、
−R51’−SONR4’−、
−R51’−SONR4’−C−、
−R51’−SO−、
−R51’−SO−C−、
−C
−CONR4’−、
−CONR4’−C−、
−X−CONR4’−、
−X−CONR4’−C−、
−CO−、
−CO−C−、
−SONR4’−、
−SONR4’−C
−SO−、または
−SO−C
(式中、R51’およびR52’は、それぞれ独立して、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の直鎖のアルキレン基であり、上記したように、上記アルキレン基は、置換または非置換であり、上記アルキレン基の置換基としては、例えばハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を挙げることができる。
4’は、水素原子またはメチルである。)
であり得る。
上記の中で、Xe’は、好ましくは、
−X−、
炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜3のアルキレン基、
−X−C1−6アルキレン基、好ましくは−X−C1−3アルキレン基、より好ましくは−X−C1−2アルキレン基、
−CONR4’−R52’−、
−CONR4’−C−R52’−、
−X−CONR4’−R52’−、
−X−CONR4’−C−R52’−、
−R51’−CONR4’−、
−R51’−CONR4’−C−、
−CONR4’−、
−CONR4’−C−、
−X−CONR4’−、
−X−CONR4’−C−、
−R51’−CONR4’−、または
−R51’−CONR4’−C−、
であり得る。式中、X、R4’、R51’およびR52’は、それぞれ上記と同意義である。
上記の中で、Xe’は、より好ましくは、
−CONR4’−R52’−、
−CONR4’−C−R52’−、
−X−CONR4’−R52’−、
−X−CONR4’−C−R52’−、
−R51’−CONR4’−、
−R51’−CONR4’−C−、
−CONR4’−、
−CONR4’−C−、
−X−CONR4’−、または
−X−CONR4’−C−、
であり得る。
本態様において、Xe’の具体例としては、例えば、
単結合、
炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン基(例えば、−CF−、−(CF−等)、
炭素数1〜6のアルキレン基、
−CF−C1−6アルキレン基、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH
−CONH−(CH−、
−CF−CONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−、
−CON(CH)−CH−、
−CON(CH)−(CH
−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−、
−CF−CON(CH)CH−、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CH−CONH−、
−CH−CONH−CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CF−CH−CONH−、
−CF−CH−CONH−CH−、
−CF−CH−CONH−(CH−、
−CF−CH−CONH−(CH−、
−CONH−C−、
−CON(CH)−C−、
−CH−CON(CH)−CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−C−、
−CF−CONH−C−、
−CF−CON(CH)−C−、
−CF−CH−CON(CH)−CH−、
−CF−CH−CON(CH)−(CH−、
−CF−CH−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−C−、
−CO−、
−CO−C−、
−C−、
−SONH−、
−SONH−CH−、
−SONH−(CH−、
−SONH−(CH−、
−SONH−C−、
−SON(CH)−、
−SON(CH)−CH−、
−SON(CH)−(CH−、
−SON(CH)−(CH−、
−SON(CH)−C−、
−SO−、
−SO−CH−、
−SO−(CH−、
−SO−(CH−、または
−SO−C
などが挙げられる。
上記列挙の中で、好ましいXe’としては、
炭素原子数1〜6のアルキレン基、
炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン基(例えば、−CF−、−(CF−等)、
−CF−C1−6アルキレン基、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−、
−CON(CH)−CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−、
−CF−CON(CH)CH−、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CH−CONH−、
−CH−CONH−CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CF−CH−CONH−、
−CF−CH−CONH−CH−、
−CF−CH−CONH−(CH−、
−CF−CH−CONH−(CH−、
−CONH−C−、
−CON(CH)−C−、
−CH−CON(CH)−CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−C
−CF−CONH−C−、
−CF−CON(CH)−C−、
−CF−CH−CON(CH)−CH−、
−CF−CH−CON(CH)−(CH−、
−CF−CH−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−C−、
などが挙げられる。
上記列挙の中で、より好ましいXe’としては、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−、
−CON(CH)−CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−、
−CF−CON(CH)CH−、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CH−CONH−、
−CH−CONH−CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CF−CH−CONH−、
−CF−CH−CONH−CH−、
−CF−CH−CONH−(CH−、
−CF−CH−CONH−(CH−、
−CONH−C−、
−CON(CH)−C−、
−CH−CON(CH)−CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−C
−CF−CONH−C−、
−CF−CON(CH)−C−、
−CF−CH−CON(CH)−CH−、
−CF−CH−CON(CH)−(CH−、
−CF−CH−CON(CH)−(CH−、または
−CF−CON(CH)−C−、
などが挙げられる。
一の態様において、Xe’は、単結合である。本態様において、PFPEと基材との結合能を有する基(即ち、(A1)および(A2)においては、α1を付して括弧でくくられた基)とが直接結合している。
さらに別の態様において、Xは、式:−(R16−(CFR17−(CH−で表される基である。式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、x、yおよびzの和は1以上であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
上記式中、R16は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子、フェニレン、カルバゾリレン、−NR18−(式中、R18は、水素原子または有機基を表す)または2価の有機基である。好ましくは、R16は、酸素原子または2価の極性基である。
上記「2価の極性基」としては、特に限定されないが、−C(O)−、−C(=NR19)−、および−C(O)NR19−(これらの式中、R19は、水素原子または低級アルキル基を表す)が挙げられる。当該「低級アルキル基」は、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピルであり、これらは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい。
上記式中、R17は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または低級フルオロアルキル基であり、好ましくはフッ素原子である。当該「低級フルオロアルキル基」は、例えば、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、より好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、さらに好ましくはトリフルオロメチル基である。
この態様において、Xは、好ましくは、式:−(O)−(CF−(CH−(式中、x、yおよびzは、上記と同意義であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である)で表される基である。
上記式:−(O)−(CF−(CH−で表される基としては、例えば、−(O)x’−(CHz”−O−[(CHz’’’−O−]z””、および−(O)x’−(CFy”−(CHz”−O−[(CHz’’’−O−]z””(式中、x’は0または1であり、y”、z”およびz’’’は、それぞれ独立して、1〜10の整数であり、z””は、0または1である)で表される基が挙げられる。なお、これらの基は左端がPFPE側に結合する。
別の好ましい態様において、Xは、−O−CFR20−(CFe’−である。
上記R20は、それぞれ独立して、フッ素原子または低級フルオロアルキル基を表す。ここで低級フルオロアルキル基は、例えば炭素数1〜3のフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、より好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、更に好ましくはトリフルオロメチル基である。
上記e’は、それぞれ独立して、0または1である。
一の具体例において、R20はフッ素原子であり、e’は1である。
さらに別の態様において、X基の例として、下記の基が挙げられる:
Figure 2019089332
[式中、
41は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、またはC1−6アルコキシ基、好ましくはメチル基であり;
各X基において、Tのうち任意のいくつかは、分子主鎖のPFPEに結合する以下の基:
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、または
Figure 2019089332
[式中、R42は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6のアルキル基またはC1−6のアルコキシ基、好ましくはメチル基またはメトキシ基、より好ましくはメチル基を表す。]
であり、別のTのいくつかは、分子主鎖のPFPEと反対の基に結合する−(CHn”−(n”は2〜6の整数)であり、存在する場合、残りのTは、それぞれ独立して、メチル基、フェニル基、C1−6アルコキシ基またはラジカル捕捉基もしくは紫外線吸収基であり得る。
ラジカル捕捉基は、光照射で生じるラジカルを捕捉できるものであれば特に限定されないが、例えばベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、またはトリアジン類の残基が挙げられる。
紫外線吸収基は、紫外線を吸収できるものであれば特に限定されないが、例えばベンゾトリアゾール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、置換および未置換安息香酸もしくはサリチル酸化合物のエステル類、アクリレートまたはアルコキシシンナメート類、オキサミド類、オキサニリド類、ベンゾキサジノン類、ベンゾキサゾール類の残基が挙げられる。
好ましい態様において、好ましいラジカル捕捉基または紫外線吸収基としては、
Figure 2019089332

が挙げられる。
この態様において、X(および、下記するX、XおよびX)は、3〜10価の有機基であり得る。
上記式中、Xは、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または2価の有機基を表す。Xは、好ましくは、炭素数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくは、−(CH−(式中、uは、0〜2の整数である)である。
上記式中、tは、それぞれ独立して、1〜10の整数である。好ましい態様において、tは1〜6の整数である。別の好ましい態様において、tは2〜10の整数であり、好ましくは2〜6の整数である。
好ましい式(A1)および(A2)で示される化合物は、下記式(A1’)および(A2’):
Figure 2019089332
[式中:
PFPEは、それぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
(式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり;
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
13は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
14は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
11は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し;
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表し;
n1は、1〜3の整数であり、好ましくは3であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、−O−CFR20−(CFe’−であり;
20は、各出現においてそれぞれ独立して、フッ素原子または低級フルオロアルキル基であり;
e’は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
は、−(CH−であり;
uは、各出現においてそれぞれ独立して、0〜2の整数であり;
tは、各出現においてそれぞれ独立して、2〜10の整数である。]
で表される化合物である。
上記式(A1)および(A2)で表される化合物は、例えば、Rf−PFPE−部分に対応するパーフルオロポリエーテル誘導体を原料として、末端にヨウ素を導入した後、−CHCR12(X−SiR13 n114 3−n1)−に対応するビニルモノマーを反応させることにより得ることができる。
式(B1)および(B2):
Figure 2019089332
上記式(B1)および(B2)中、Rf、PFPE、R13、R14およびn1は、上記式(A1)および(A2)に関する記載と同意義である。
上記式中、Xは、それぞれ独立して、単結合または2〜10価の有機基を表す。当該Xは、式(B1)および(B2)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(即ち、Rf−PFPE部または−PFPE−部)と、基材との結合能を提供するシラン部(具体的には、−SiR13 n114 3−n1)とを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(B1)および(B2)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの有機基であってもよい。
別の態様において、Xは、Xを表す。Xは、上記と同意義である。
上記式中のβ1は、1〜9の整数であり、β1’は、1〜9の整数である。これらβ1およびβ1’は、Xの価数に応じて変化し得る。式(B1)において、β1およびβ1’の和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、β1およびβ1’の和は10であり、例えばβ1が9かつβ1’が1、β1が5かつβ1’が5、またはβ1が1かつβ1’が9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、β1およびβ1’は1である。式(B2)において、β1はXの価数の値から1を引いた値である。
上記Xは、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは2価の有機基である。
一の態様において、Xは2〜4価の有機基であり、β1は1〜3であり、β1’は1である。
別の態様において、Xは2価の有機基であり、β1は1であり、β1’は1である。この場合、式(B1)および(B2)は、下記式(B1’)および(B2’)で表される。
Figure 2019089332
[式中:
PFPEは、それぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
(式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。添字a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり;
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
13は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
14は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
n1は、1〜3の整数であり、好ましくは3であり;
は、−CHO(CH−、−CHO(CH−または−CHO(CH−である]
で表される化合物である。
上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、Xに関して記載したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましい具体的なXは、
単結合、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CHOCH(CHCHSi(OCHOSi(OCH(CHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CO−
−CONH−
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−S−(CH−、
−(CHS(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
Figure 2019089332
などが挙げられる。
上記の中では、Xは、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CF−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
であることが好ましい。
上記の中では、より好ましくは、Xは、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CF−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
である。
別の好ましい態様において、Xは、Xe’を表す。Xe’は、上記と同意義である。
一の態様において、Xe’は、単結合である。本態様において、PFPEと基材との結合能を有する基(即ち、(B1)および(B2)においては、β1を付して括弧でくくられた基)とが直接結合している。
一の態様において、式(B1)および(B2)において、水酸基または加水分解可能な基に結合したSiが少なくとも2つ存在する。即ち、式(B1)および(B2)において、SiR13の構造が少なくとも2つ存在する。
好ましい式(B1)および(B2)で示される化合物は、下記式(B1’)および(B2’):
Figure 2019089332
[式中:
PFPEは、それぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
(式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。添字a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり;
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
13は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表し;
14は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表し;
n1は、1〜3の整数であり、好ましくは3であり;
は、−CHO(CH−、−CHO(CH−または−CHO(CH−である。]
で表される化合物である。
上記式(B1)および(B2)で表される化合物は、公知の方法、例えば特開2013−117012号公報に記載の方法またはその改良方法により製造することができる。
式(C1)および(C2):
Figure 2019089332
上記式(C1)および(C2)中、RfおよびPFPEは、上記式(A1)および(A2)に関する記載と同意義である。
上記式中、Xは、それぞれ独立して、単結合または2〜10価の有機基を表す。当該Xは、式(C1)および(C2)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(即ち、Rf−PFPE部または−PFPE−部)と、基材との結合能を提供するシラン部(具体的には、−SiR k1 l1 m1基)とを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(C1)および(C2)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの有機基であってもよい。
別の態様において、Xは、Xを表す。Xは、上記と同意義である。
上記式中のγ1は、1〜9の整数であり、γ1’は、1〜9の整数である。これらγ1およびγ1’は、Xの価数に応じて変化し得る。式(C1)において、γ1およびγ1’の和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、γ1およびγ1’の和は10であり、例えばγ1が9かつγ1’が1、γ1が5かつγ1’が5、またはγ1が1かつγ1’が9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、γ1およびγ1’は1である。式(C2)において、γ1はXの価数の値から1を引いた値である。
上記Xは、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは2価の有機基である。
一の態様において、Xは2〜4価の有機基であり、γ1は1〜3であり、γ1’は1である。
別の態様において、Xは2価の有機基であり、γ1は1であり、γ1’は1である。この場合、式(C1)および(C2)は、下記式(C1’)および(C2’)で表される。
Figure 2019089332
上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、Xに関して記載したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましい具体的なXは、
単結合、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CHOCH(CHCHSi(OCHOSi(OCH(CHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CO−
−CONH−
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−S−(CH−、
−(CHS(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH
−C(O)O−(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
Figure 2019089332
などが挙げられる。
上記の中では、Xは、好ましくは、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CF−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
であることが好ましい。
上記の中では、より好ましくは、Xは、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CF−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
である。
別の好ましい態様において、Xは、Xe’を表す。Xe’は、上記と同意義である。
一の態様において、Xe’は、単結合である。本態様において、PFPEと基材との結合能を有する基(即ち、(C1)および(C2)においては、γ1を付して括弧でくくられた基)とが直接結合している。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、−Z−SiR71 p172 q173 r1を表す。
式中、Zは、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表す。
上記Zは、好ましくは、2価の有機基であり、式(C1)または式(C2)における分子主鎖の末端のSi原子(Rが結合しているSi原子)とシロキサン結合を形成するものを含まない。
上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CH−O−(CH−(式中、gは、1〜6の整数であり、hは、1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CH−(式中、iは、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。紫外線耐久性が特に良好な観点からは、上記Zは、より好ましくは、直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基であり、さらに好ましくは直鎖状のアルキレン基である。上記Zのアルキレン基を構成する炭素数は、好ましくは1〜6の範囲にあり、より好ましくは1〜3の範囲にある。なお、アルキレン基については上記のとおりである。
式中、R71は、各出現においてそれぞれ独立して、Ra’を表す。Ra’は、Rと同意義である。
中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個である。即ち、上記Rにおいて、R71が少なくとも1つ存在する場合、R中にZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子が2個以上存在するが、かかるZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は最大で5個である。なお、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」とは、R中において直鎖状に連結される−Z−Si−の繰り返し数と等しくなる。
例えば、下記にR中においてZ基を介してSi原子が連結された一例を示す。
Figure 2019089332
上記式において、*は、主鎖のSiに結合する部位を意味し、…は、ZSi以外の所定の基が結合していること、即ち、Si原子の3本の結合手がすべて…である場合、ZSiの繰り返しの終了箇所を意味する。また、Siの右肩の数字は、*から数えたZ基を介して直鎖状に連結されたSiの出現数を意味する。即ち、SiでZSi繰り返しが終了している鎖は「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が2個であり、同様に、Si、SiおよびSiでZSi繰り返しが終了している鎖は、それぞれ、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が3、4および5個である。なお、上記の式から明らかなように、R中には、ZSi鎖が複数存在するが、これらはすべて同じ長さである必要はなく、それぞれ任意の長さであってもよい。
好ましい態様において、下記に示すように、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」は、すべての鎖において、1個(左式)または2個(右式)である。
Figure 2019089332
一の態様において、R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は1個または2個、好ましくは1個である。
式中、R72は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。「加水分解可能な基」は、上記と同意義である。
好ましくは、R72は、−OR(式中、Rは、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基を表す)である。
式中、R73は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
式中、p1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;q1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、(−Z−SiR71 p172 q173 r1)毎において、p1、q1およびr1の和は3である。
好ましい態様において、R中の末端のR’(R’が存在しない場合、R)において、上記q1は、好ましくは2以上、例えば2または3であり、より好ましくは3である。
好ましい態様において、Rの末端部の少なくとも1つは、−Si(−Z−SiR72 q173 r1または−Si(−Z−SiR72 q173 r1、好ましくは−Si(−Z−SiR72 q173 r1であり得る。式中、(−Z−SiR72 q173 r1)の単位は、好ましくは(−Z−SiR72 )である。さらに好ましい態様において、Rの末端部は、すべて−Si(−Z−SiR72 q173 r1、好ましくは−Si(−Z−SiR72 であり得る。
上記式(C1)および(C2)においては、少なくとも1つのq1が1〜3の整数であり、すなわち、少なくとも1つのR72が存在する。
一の態様において、式(C1)および(C2)においては、水酸基または加水分解可能な基に結合したSiが少なくとも2つ存在する。即ち、SiR72および/またはSiRの構造が少なくとも2つ存在する。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。
上記Rは、好ましくは、水酸基、−OR、−OCOR、−O−N=C(R)、−N(R)、−NHR、ハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基を示す)であり、より好ましくは−ORである。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。水酸基は、特に限定されないが、加水分解可能な基が加水分解して生じたものであってよい。より好ましくは、Rは、−OR(式中、Rは、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基を表す)である。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
式中、k1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;l1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;m1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、(SiR k1 l1 m1)毎において、k1、l1およびm1の和は、3である。
一の態様において、k1は、1〜3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
上記式(C1)および(C2)で表される化合物は、例えば、Rf−PFPE−部分に対応するパーフルオロポリエーテル誘導体を原料として、末端に水酸基を導入した後、末端に不飽和結合を有する基を導入し、この不飽和結合を有する基とハロゲン原子を有するシリル誘導体とを反応させ、さらにこのシリル基に末端に水酸基、次いで不飽和結合を有する基を導入し、最後に導入した不飽和結合を有する基とシリル誘導体とを反応させることにより得ることができる。例えば、国際公開第2014/069592号に記載のように合成することができる。
式(D1)および(D2):
Figure 2019089332
上記式(D1)および(D2)中、RfおよびPFPEは、上記式(A1)および(A2)に関する記載と同意義である。
上記式中、Xは、それぞれ独立して、単結合または2〜10価の有機基を表す。当該Xは、式(D1)および(D2)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(即ち、Rf−PFPE部または−PFPE−部)と、基材との結合能を提供する部(即ち、δ1を付して括弧でくくられた基)とを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(D1)および(D2)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの有機基であってもよい。
別の態様において、Xは、Xを表す。Xは、上記と同意義である。
上記式中、δ1は1〜9の整数であり、δ1’は1〜9の整数である。これらδ1およびδ1’は、Xの価数に応じて変化し得る。式(D1)においては、δ1およびδ1’の和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、δ1およびδ1’の和は10であり、例えばδ1が9かつδ1’が1、δ1が5かつδ1’が5、またはδ1が1かつδ1’が9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、δ1およびδ1’は1である。式(D2)においては、δ1はXの価数から1を引いた値である。
上記Xは、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは2価の有機基である。
一の態様において、Xは2〜4価の有機基であり、δ1は1〜3であり、δ1’は1である。
別の態様において、Xは2価の有機基であり、δ1は1であり、δ1’は1である。この場合、式(D1)および(D2)は、下記式(D1’)および(D2’)で表される。
Figure 2019089332
上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、Xに関して記載したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましい具体的なXは、
単結合、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CHOCH(CHCHSi(OCHOSi(OCH(CHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CO−、
−CONH−
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−S−(CH−、
−(CHS(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
Figure 2019089332
などが挙げられる。
上記の中で、より好ましい具体的なXは、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CF−CH−O−CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CF−CH−O−(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CF−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CF−、
−(CF−、
−CF−CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CF−(CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
であることが好ましい。
上記の中では、より好ましくは、Xは、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CF−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CFCONH−、
−CFCONHCH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CFCONH(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CF−CON(CH)−(CH−、
−CF−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
である。
より好ましい態様において、Xは、Xe’を表す。Xe’は、上記と同意義である。
一の態様において、Xe’は、単結合である。本態様において、PFPEと基材との結合能を有する基(即ち、(D1)および(D2)においては、δ1を付して括弧でくくられた基)とが直接結合している。このような構造を有することによって、PFPEとδ1を付して括弧でくくられた基との結合力がより強くなると考えられる。また、PFPEと直接結合する炭素原子(即ち、δ1を付して括弧でくくられた基においてR およびRと結合する炭素原子)は電荷の偏りが少なく、その結果、上記炭素原子において求核反応等が生じにくく、当該化合物は基材と安定に結合すると考えられる。このような構造は、PFPEシラン化合物により形成される層の摩擦耐久性をより向上させることができrので、有利である。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、−Z−CR81 p282 q283 r2を表す。
式中、Zは、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基を表す。
上記Zは、好ましくは、C1−6アルキレン基、−(CH−O−(CH−(式中、gは、0〜6の整数、例えば1〜6の整数であり、hは、0〜6の整数、例えば1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CH−(式中、iは、0〜6の整数である)であり、より好ましくはC1−3アルキレン基である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
式中、R81は、各出現においてそれぞれ独立して、Rd’を表す。Rd’は、Rと同意義である。
中、Z基を介して直鎖状に連結されるCは最大で5個である。即ち、上記Rにおいて、R81が少なくとも1つ存在する場合、R中にZ基を介して直鎖状に連結されるC原子が2個以上存在するが、かかるZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数は最大で5個である。なお、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数」とは、R中において直鎖状に連結される−Z−C−の繰り返し数と等しくなる。
好ましい態様において、下記に示すように、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数」は、すべての鎖において、1個(左式)または2個(右式)である。
Figure 2019089332
一の態様において、RのZ基を介して直鎖状に連結されるC原子の数は1個または2個、好ましくは1個である。
式中、R82は、各出現においてそれぞれ独立して、−Y−SiR85 n286 3−n2を表す。
Yは、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基を表す。
好ましい態様において、Yは、C1−6アルキレン基、−(CHg’−O−(CHh’−(式中、g’は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数であり、h’は、0〜6の整数、例えば1〜6の整数である)または、−フェニレン−(CHi’−(式中、i’は、0〜6の整数である)である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
一の態様において、Yは、C1−6アルキレン基または−フェニレン−(CHi’−であり得る。Yが上記の基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
上記R85は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解可能な基を表す。
上記「加水分解可能な基」とは、式(C1)および(C2)と同様のものが挙げられる。
好ましくは、R85は、−OR(式中、Rは、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはエチル基またはメチル基、特にメチル基を表す)である。
上記R86は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
n2は、(−Y−SiR85 n286 3−n2)単位毎に独立して、0〜3の整数を表し、好ましくは1〜3の整数、より好ましくは2または3、特に好ましくは3である。
上記R83は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
式中、p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、(−Z−CR81 p282 q283 r2)毎において、p2、q2およびr2の和は3である。
好ましい態様において、R中の末端のR’(R’が存在しない場合、R)において、上記q2は、好ましくは2以上、例えば2または3であり、より好ましくは3である。
好ましい態様において、Rの末端部の少なくとも1つは、−C(−Y−SiR85 n286 3−n2または−C(−Y−SiR85 n286 3−n2、好ましくは−C(−Y−SiR85 n286 3−n2であり得る。式中、(−Y−SiR85 n286 3−n2)の単位は、好ましくは(−Y−SiR85 )である。さらに好ましい態様において、Rd1の末端部は、すべて−C(−Y−SiR85 n286 3−n2、好ましくは−C(−Y−SiR85 であり得る。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、−Y−SiR85 n286 3−n2を表す。ここに、Y、R85、R86およびn2は、上記R82における記載と同意義である。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
式中、k2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;l2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数であり;m2は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜3の整数である。ただし、k2、l2およびm2の和は3である。
一の態様において、少なくとも1つのk2は2または3であり、好ましくは3である。
一の態様において、k2は2または3であり、好ましくは3である。
一の態様において、l2は2または3であり、好ましくは3である。
上記式(D1)および(D2)において、−Y−SiR85で表される基が2以上存在する。より好ましくは、2以上の−Y−SiR85に結合した炭素原子が1以上存在する。即ち、−C−(Y−SiR85 n286 3−n2で表される基が1以上存在することが好ましい(式中、n2は1〜3の整数である。)。
上記式(D1)および(D2)中、n2は1〜3の整数であり、および、少なくとも1つのq2は2または3であるか、あるいは、少なくとも1つのl2は2または3である。即ち、式中、少なくとも2つの−Y−SiR85 n286 3−n2基が存在する。
式(D1)または式(D2)で表されるPFPE含有シラン化合物は、公知の方法を組み合わせることにより製造することができる。例えば、Xが2価である式(D1’)で表される化合物は、限定するものではないが、以下のようにして製造することができる。
HO−X−C(YOH)(式中、XおよびYは、それぞれ独立して、2価の有機基である。)で表される多価アルコールに、二重結合を含有する基(好ましくはアリル)、およびハロゲン(好ましくはブロモ)を導入して、Hal−X−C(Y−O−R−CH=CH(式中、Halはハロゲン、例えばBrであり、Rは二価の有機基、例えばアルキレン基である。)で表される二重結合含有ハロゲン化物を得る。次いで、末端のハロゲンと、RPFPE−OH(式中、RPFPEは、パーフルオロポリエーテル基含有基である。)で表されるパーフルオロポリエーテル基含有アルコールとを反応させて、RPFPE−O−X−C(Y−O−R−CH=CHを得る。次いで、末端の−CH=CHと、HSiClおよびアルコールまたはHSiR85 と反応させて、RPFPE−O−X−C(Y−O−R−CH−CH−SiR85 を得ることができる。
上記したPFPE含有シラン化合物は、特に限定されるものではないが、5×10〜1×10の数平均分子量を有し得る。かかる範囲のなかでも、2,000〜30,000、より好ましくは2,500〜12,000、さらに好ましくは3,000〜6,000の数平均分子量を有することが、摩擦耐久性の観点から好ましい。なお、本発明において、数平均分子量は、19F−NMRにより測定される値とする。
好ましくは、上記PFPE含有シラン化合物は、上記式(C1)、(C2)、(D1)または(D2)のいずれかで表される化合物である。
上記表面処理剤は、溶媒で希釈されていてもよい。このような溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば:
パーフルオロヘキサン、CFCFCHCl、CFCHCFCH、CFCHFCHFC、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン((ゼオローラH(商品名)等)、COCH、COC、CFCHOCFCHF、C13CH=CH、キシレンヘキサフルオリド、パーフルオロベンゼン、メチルペンタデカフルオロヘプチルケトン、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、HCFCFCHOH、メチルトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロ酢酸およびCFO(CFCFO)m1(CFO)n1CFCF[式中、m1およびn1は、それぞれ独立して0以上1000以下の整数であり、m1またはn1を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、但しm1およびn1の和は1以上である。]、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,2−トリクロロ―3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンからなる群から選択されるフッ素原子含有溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上の混合物として用いることができる。
上記溶媒中に含まれる水分含有量は、20質量ppm以下であることが好ましい。上記水分含有量は、カールフィッシャー法を用いて測定することができる。このような水分含有量であることによって、表面処理剤の保存安定性が向上し得る。
上記表面処理剤は、上記PFPE含有シラン化合物に加え、他の成分を含んでいてもよい。かかる他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、含フッ素オイルとして理解され得る(非反応性の)フルオロポリエーテル化合物、好ましくはパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(以下、「含フッ素オイル」と言う)、シリコーンオイルとして理解され得る(非反応性の)シリコーン化合物(以下、「シリコーンオイル」と言う)、触媒、低級アルコール、遷移金属、ハロゲン化物イオン、分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物などが挙げられる。
上記含フッ素オイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物(パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物)が挙げられる。
Rf−(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’−Rf ・・・(1)
式中、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16アルキル基(好ましくは、C1―16のパーフルオロアルキル基)を表し、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16アルキル基(好ましくは、C1−16パーフルオロアルキル基)、フッ素原子または水素原子を表し、RfおよびRfは、より好ましくは、それぞれ独立して、C1−3パーフルオロアルキル基である。
a’、b’、c’およびd’は、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a’、b’、c’およびd’の和は少なくとも1、好ましくは1〜300、より好ましくは20〜300である。添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
上記一般式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の例として、以下の一般式(1a)および(1b)のいずれかで示される化合物(1種または2種以上の混合物であってよい)が挙げられる。
Rf−(OCFCFCFb’’−Rf ・・・(1a)
Rf−(OCFCFCFCFa’’−(OCFCFCFb’’−(OCFCFc’’−(OCFd’’−Rf ・・・(1b)
これら式中、RfおよびRfは上記の通りであり;式(1a)において、b’’は1以上100以下の整数であり;式(1b)において、a’’およびb’’は、それぞれ独立して1以上30以下の整数であり、c’’およびd’’はそれぞれ独立して1以上300以下の整数である。添字a’’、b’’、c’’、d’’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。
上記含フッ素オイルは、1,000〜30,000の数平均分子量を有していてよい。特に、式(1a)で表される化合物の数平均分子量は、2,000〜8,000であることが好ましい。かかる数平均分子量を有することにより、高い表面滑り性を得ることができる。一の態様において、式(1b)で表される化合物の数平均分子量は、3,000〜8,000である。別の態様において、式(1b)で表される化合物の数平均分子量は、8,000〜30,000である。
上記表面処理剤中、含フッ素オイルは、上記PFPE含有シラン化合物100質量部に対して、例えば0〜500質量部、好ましくは0〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは1〜5質量部で含まれ得る。
また、別の観点から、含フッ素オイルは、一般式Rf’−F(式中、Rf’はC5−16パーフルオロアルキル基である。)で表される化合物であってよい。また、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーであってもよい。Rf’−Fで表される化合物およびクロロトリフルオロエチレンオリゴマーは、RfがC1−16パーフルオロアルキル基である上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有シラン化合物と高い親和性が得られる点で好ましい。
含フッ素オイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記シリコーンオイルとしては、例えばシロキサン結合が2,000以下の直鎖状または環状のシリコーンオイルを用い得る。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
上記表面処理剤中、かかるシリコーンオイルは、上記PFPE含有シラン化合物100質量部(2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0〜50質量部、好ましくは0〜5質量部で含まれ得る。
シリコーンオイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えばアンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn等)等が挙げられる。
触媒は、上記含フッ素シラン化合物の加水分解および脱水縮合を促進し、表面処理層の形成を促進する。
上記他の成分としての低級アルコールとしては、炭素数1〜6のアルコール化合物が挙げられる。
上記遷移金属としては、白金、ルテニウム、ロジウム等が挙げられる。
上記ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン等が挙げられる。
上記分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物しては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラメチレンスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等を挙げられる。これらの化合物の中で、ジメチルスルホキシド、またはテトラメチレンスルホキシドを用いることが好ましい。
他の成分としては、上記以外に、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等も挙げられる。
一の態様において、上記表面処理剤は、上記他の成分である含フッ素オイル、シリコーンオイル、触媒、低級アルコール、遷移金属、ハロゲン化物イオン、分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物を含まない。
上記表面処理剤は、多孔質物質、例えば多孔質のセラミック材料、金属繊維、例えばスチールウールを綿状に固めたものに含浸させて、ペレットとすることができる。当該ペレットは、例えば、真空蒸着に用いることができる。
上記表面処理剤からなる層とベース層とを含む基材の形成は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、ベース層を準備する。ベース層については上記のとおりである。
ベース層の表面(最外層)に何らかの層(または膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成される場合、これらの層(または膜)は、これらの層(または膜)の形成される表面(本段落において、被処理層と称する)の表面をイオンクリーニング後に形成されることが好ましい。上記イオンクリーニングは、例えば、酸素ガス、および/または不活性ガス(例えば、アルゴン、キセノン、窒素など)を用いてイオンビームを被処理層の表面に照射することによって行い得る。上記照射にはイオン銃を用いることができる。イオンクリーニングすることにより、被処理層の表面から有機物などが除去され、反射防止層が被処理層に、より強固に接着し得る。
上記イオンクリーニングは、例えば、酸素ガスとアルゴンガスの混合ガスを用いて行い得る。上記混合ガスとしては、酸素ガスを5〜100cc/分、およびアルゴンガスを5〜100cc/分含むガスを用いることが好ましく、酸素ガスを20〜50cc/分、およびアルゴンガスを10〜40cc/分含むガスを用いることがより好ましく、酸素ガスを30〜40cc/分、およびアルゴンガスを10〜20cc/分含むガスを用いることがさらに好ましい。
上記イオンビームの照射は、10〜600秒間照射することが好ましく、50〜400秒間照射することがより好ましく、200〜300秒間照射することがさらに好ましい。
好ましい態様において、上記イオンクリーニングは、酸素ガスを30〜40cc/分、およびアルゴンガスを10〜20cc/分含むガスを用いて、イオンビームを200〜300秒間照射する。
ベース層の表面に反射防止層が形成される場合、反射防止層は(例えばガラスなどの表面に)蒸着(例えば、真空蒸着)により形成されたものであり得る。上記反射防止層(例えば二酸化ケイ素膜)の厚みは、例えば10nm未満とすることができ、具体的には3〜8nm、より具体的には4.5nmとすることができる。このような厚みとすることによって、より摩擦耐久性の良好な表面処理層を有する基材を形成し得る。
その後、ベース層の表面をイオンクリーニングする。イオンクリーニングは、例えば、酸素ガス、および/または不活性ガス(例えば、アルゴン、キセノン、窒素など)を用いてイオンビームをベース層の表面に照射することによって行い得る。上記照射にはイオン銃を用いることができる。イオンクリーニングすることにより、ベース層の表面から有機物などが除去され、表面処理剤からなる層がベース層に、より強固に接着し得る。
上記ベース層の表面のイオンクリーニングは、例えば、酸素ガスとアルゴンガスの混合ガスを用いて行い得る。上記混合ガスとしては、酸素ガスを5〜100cc/分、およびアルゴンガスを5〜100cc/分含むガスを用いることが好ましく、酸素ガスを20〜50cc/分、およびアルゴンガスを10〜40cc/分含むガスを用いることがより好ましく、酸素ガスを25〜40cc/分、およびアルゴンガスを15〜30cc/分含むガスを用いることがさらに好ましい。
上記ベース層の表面のイオンクリーニングにおいて、上記イオンビームの照射は、1〜200秒間照射することが好ましく、1〜100秒間照射することがより好ましく、5〜40秒間照射することがさらに好ましい。
好ましい態様において、上記ベース層の表面のイオンクリーニングは、酸素ガスを25〜40cc/分、およびアルゴンガスを15〜30cc/分含むガスを用いて、イオンビームを5〜40秒間照射する。
イオンクリーニング後のベース層の表面に、上記表面処理剤の膜を形成し、この膜を必要に応じて後処理し、これにより、上記表面処理剤から表面処理層を形成する。
上記表面処理剤の膜形成は、上記の表面処理剤をベース層の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法および乾燥被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングおよび類似の方法が挙げられる。
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVDおよび類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビームおよび類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ−CVD、光学CVD、熱CVDおよび類似の方法が挙げられる。
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
その後、加熱処理を行う。
上記加熱処理は、60℃以上で行うことが好ましく、100℃以上で行うことがより好ましく、140℃以上で行うことがさらに好ましい。上記加熱処理は、300℃以下で行うことが好ましく、250℃以下で行うことがより好ましく、200℃以下で行うことがさらに好ましい。
上記加熱処理は、60〜300℃の範囲の温度で行うことが好ましく、80〜200℃の範囲の温度で行うことがより好ましく、100〜180℃の範囲の温度で行うことがさらに好ましい。
上記加熱処理は、5分以上行うことが好ましく、15分以上行うことがより好ましく、30分以上行うことがさらに好ましい。上記加熱処理は、600分以下行うことが好ましく、300分以下行うことがより好ましく、90分以下行うことがさらに好ましく、70分以下行ってもよい。
上記加熱処理は、5〜300分間行うことが好ましく、15〜120分間行うことがより好ましく、30〜90分間行うことがさらに好ましい。
上記加熱処理は、60〜200℃の範囲の温度において5〜200分間行うことが好ましく、100〜180℃の範囲の温度において15〜90分間行うことがより好ましい。
好ましい態様においては、ベース層のイオンクリーニングを、酸素ガスを20〜40cc/分、およびアルゴンガスを10〜30cc/分含むガスを用いて、10〜40℃の範囲の温度で、イオンビームを10〜300秒間照射し、その後、表面処理剤からなる層を形成し、加熱処理を100〜180℃の範囲の温度において15〜90分間行う。
その後、形成された膜の表面処理を行うことが好ましい。表面処理は、エタノールを用いて行うことが好ましい。具体的には、キムワイプ(登録商標)ワイパーS−200(日本製紙クレシア株式会社製)にエタノールをしみ混ませたもの(具体的には、キムワイプ1枚(120mm×215mm)あたりエタノールを1〜2mlしみ混ませたもの)を用いて、形成された膜の表面を拭く。より具体的には、形成された膜の表面を、上記エタノールをしみ混ませたキムワイプを用いて20往復させ拭く。その後、別途用意したキムワイプ(登録商標)ワイパーS−200を用いて、膜の表面をから拭きする。このような処理を行うことにより、本発明の基材は、耐摩擦性の向上に寄与し得る。
上記のようにして、ベース層の表面に、上記表面処理剤の膜に由来する表面処理層が形成される。これにより得られる表面処理層は、帯電性が低い。また、この表面処理層は、低帯電性であることに加えて、使用する表面処理剤の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、防水性(電子部品等への水の浸入を防止する)、表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)、摩擦耐久性、透明性などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
すなわち本態様の基材は、表面処理層を最外層に有する光学材料にも用い得る。
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例えば、TV、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイ又はそれらのディスプレイの保護板、またはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
本態様によって得られる表面処理層を有する物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシートまたはそのカバーガラス;ブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD−R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバー;時計の表示面など。
また、本態様によって得られる表面処理層を有する物品は、医療機器または医療材料であってもよい。
表面処理層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、表面処理層の厚さは、1〜50nm、好ましくは1〜30nm、より好ましくは1〜15nmの範囲であることが、光学性能、表面滑り性、摩擦耐久性および防汚性の点から好ましい。
上記表面処理剤から形成される表面処理層を有する物品は、好ましくは1012Ω以下、より好ましくは1010Ω以下、さらに好ましくは10Ω以下、例えば10Ω以下の表面抵抗値を有し得る。表面抵抗値を低くすることにより、物品の帯電性を低減することができる。また、上記表面処理剤から形成される表面処理層を有する物品は、好ましくは10Ω以上、より好ましくは10Ω以上、さらに好ましくは10Ω以上の表面抵抗値を有し得る。表面抵抗値を大きくすることにより、例えば静電容量方式のタッチパネルなどにおいて、タッチパネルの動作を担保することができる。好ましい態様において、上記表面処理剤から形成される表面処理層を有する物品は、10Ω以上1012Ω以下、より好ましくは10Ω以上1010Ω以下の表面抵抗値を有し得る。
(態様2)
本態様の基材は、
表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(ここで、試験用布は、リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEである。)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の測定値が、80度以上である。
本態様の説明において、摩擦試験、および水の静的接触角等、態様1の記載と重複する記載は省略することがある。
本態様の基材は、摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の測定値が、好ましくは84度以上であり、より好ましくは85度以上であり、さらに好ましくは、90度以上である。このような基材では、基材の表面が摩擦された場合であっても、その表面における撥水性が良好である。すなわち、摩擦の生じ得る用途において、このような基材は特に有用であり得る。
本態様の基材は、摩擦試験前の接触角の測定値が高いことが好ましい。摩擦試験前の基材の接触角は、80度以上であることが好ましく、100度以上であることがより好ましく、105度以上であることが特に好ましく、110度以上であることがさらに好ましい。
摩擦子の往復回数0回の水の静的接触角の測定値に対する、摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の割合は、0.70以上にあってもよく、0.80以上にあってもよい。上記割合の上限値は、特に限定されないが、例えば1.00以下、具体的には0.98以下であってもよい。このような基材では、基材の表面が摩擦された場合であっても、その表面における撥水性を良好に維持できる。すなわち、摩擦の生じ得る用途において、このような基材は特に有用であり得る。
本態様の基材において、ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.050未満であることが好ましく、0.035未満であることがより好ましい。
好ましい態様において、本態様の基材は、さらに、
波長300nm〜400nmの紫外線が、放射照度62W/mで300時間照射された表面において、21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(ここで、試験用布は、リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEである。)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、および3000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に測定値が50度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する紫外線照射後の水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0222超である。
UVの照射試験については、上記態様1に記載のとおりである。
本態様の基材は、少なくとも1の表面において、表面処理剤からなる層を含み得る。即ち、本態様の基材は、表面処理剤からなる層と、ベース層とを含むことが好ましい。表面処理層、ベース層については、上記態様1に記載のとおりである。
(態様3)
本態様の基材は、
表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
波長300nm〜400nmの紫外線が、放射照度62W/mで300時間照射された表面において、21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(ここで、試験用布は、リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINEである。)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、および3000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に測定値が50度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する紫外線照射後の水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0222超である。
本態様の説明において、摩擦試験、および水の静的接触角等、態様1の記載と重複する記載は省略することがある。
本態様の基材は、上記UV照射試験後の摩擦試験において、摩擦子の往復回数3000回における水の静的接触角の測定値が、50度以上であることが好ましい。
本態様の基材は、摩擦試験前の接触角の測定値が高いことが好ましい。摩擦試験前の基材の接触角は、80度以上であることが好ましく、100度以上であることがより好ましく、105度以上であることが特に好ましく、110度以上であることがさらに好ましい。
UV照射試験後の基材において、摩擦子の往復回数0回の水の静的接触角の測定値に対する、摩擦子の往復回数3000回における水の静的接触角の割合は、0.35以上にあってもよく、0.50以上にあってもよい。上記割合の上限値は、特に限定されないが、例えば1.00以下、具体的には0.98以下であってもよい。このような基材では、基材の表面が摩擦された場合であっても、その表面における撥水性を良好に維持できる。すなわち、摩擦の生じ得る用途において、このような基材は特に有用であり得る。
本態様の基材において、ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.050未満であることが好ましく、0.035未満であることがより好ましい。
本態様の基材は、少なくとも1の表面において、表面処理剤からなる層を含み得る。即ち、本態様の基材は、表面処理剤からなる層と、ベース層とを含むことが好ましい。表面処理層、ベース層については、上記態様1に記載のとおりである。
本発明について、以下の実施例を通じてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、パーフルオロポリエーテルを構成する繰り返し単位(CFO)、および(CFCFO)の存在順序は任意である。また、以下に示される化学式はすべて平均組成を示す。
実施例および比較例で用いるPFPE含有シラン化合物は以下のとおりである。
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(A):
CF3O(CF2CF2O)20(CF2O)28CF2CH2CH2CH2Si[CH2CH2Si(OCH3)3]3
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(B):
CF3O(CF2CF2O)20(CF2O)16CF2CH2CH2CH2Si[CH2CH2Si(OCH3)3]3
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(C):
CF3O(CF2CF2O)19(CF2O)28CF2CONHCH2C[CH2CH2CH2Si(OCH3)3]3
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(D):
CF3O(CF2CF2O)20(CF2O)16CF2CONHCH2C[CH2CH2CH2Si(OCH3)3]3
・パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(E):
CF3O(CF2CF2O)20(CF2O)16CF2CH2CH2CH2Si[CH2CH2CH2Si(OCH3)3]3
(実施例1)
化合物(A)を、濃度20wt%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE7200)に溶解させて、表面処理剤1を調製した。
上記表面処理剤1を化学強化ガラス(コーニング社製、「ゴリラ」ガラス、厚さ0.7mm)上に真空蒸着した。真空蒸着の処理条件は、まず、圧力7.0×10−4Paで、この化学強化ガラス表面を、240秒間イオンクリーニング(Oガス/Arガス=35/15cc/分)処理し、続いて、圧力3.0×10−3Paとし、二酸化ケイ素を4.5nmの厚さで、この化学強化ガラスの表面に蒸着させて二酸化ケイ素膜を形成した。次に、その表面を20秒間イオンクリーニング(Oガス/Arガス=30/20cc/分)処理し、その後、化学強化ガラス1枚(68mm×142mm)あたり、表面処理剤1を4mg(即ち、化合物(A)を0.8mg含有)蒸着させた。その後、蒸着膜付き化学強化ガラスを、温度150℃で60分間加熱処理し、最後に、エタノールで表面処理することで、表面処理層を形成し、表面に表面処理層を有する基材を形成した。
(実施例2〜5)
化合物(A)に代えて、化合物(B)〜化合物(E)を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面処理層を形成し、表面に表面処理層を有する基材を形成した。
(比較例1)
上記表面処理剤1を化学強化ガラス(コーニング社製、「ゴリラ」ガラス、厚さ0.7mm)上に真空蒸着した。真空蒸着の処理条件は、まず、圧力7.0×10−4Paで、この化学強化ガラス表面を、240秒間イオンクリーニング(Oガス/Arガス=35/15cc/分)処理し、続いて、圧力3.0×10−3Paとし、二酸化ケイ素を4.5nmの厚さで、この化学強化ガラスの表面に蒸着させて二酸化ケイ素膜を形成した。次に、その表面に化学強化ガラス1枚(68mm×142mm)あたり、表面処理剤1を4mg(即ち、化合物(A)を0.8mg含有)蒸着させた。その後、蒸着膜付き化学強化ガラスを、温度21℃および湿度65%の雰囲気下で24時間静置し、最後に、エタノールで表面処理することで、表面処理層を形成し、表面に表面処理層を有する基材を形成した。
(比較例2〜5)
化合物(A)に代えて、化合物(B)〜化合物(E)を用いた以外は、比較例1と同様にして、表面処理層を形成し、表面に表面処理層を有する基材を形成した。
実施例および比較例で得られた表面処理層の評価は以下のように行った。
・水の静的接触角の測定
水の静的接触角の測定は、接触角測定装置(協和界面科学社製)を用いて、水2μLにて21℃、65%湿度の環境下で実施した。
・摩擦耐久性試験
摩擦耐久性試験は以下のように行った。
まず、初期評価として、表面処理層形成後、その表面に未だ何も触れていない状態で、表面処理層の水の静的接触角を測定した(摩擦回数0回)。
次いで、INNOWEP社製ABREX(登録商標)試験機(型式:standard ABREX(登録商標))に、上記の実施例または比較例にて得られた表面に表面処理層を有する基材を取り付けた。ABREX(登録商標)試験機に備え付けのシリコーン摩擦子の表面を試験用布で覆った。試験用布としては、INNOWEP社製 ABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)を、以下の組成の人工汗に浸漬したものを用いた。上記摩擦子に5Nの荷重を付与し、荷重を加えた状態で摩擦子を速度40mm/秒、摩擦距離20mmで往復させた。摩擦子の往復回数(摩擦回数)1000回毎に、水の静的接触角の測定値が80度未満となるまで摩擦試験を行い、それぞれにおいて水の静的接触角の測定値を測定した。
・人工汗の組成
リン酸三ナトリウム:5.5g
塩化ナトリウム:10g
乳酸:3.1g
リシン:5g
蒸留水:100ml
実施例および比較例で得られた静的接触角の測定結果を、表1に示す(表中、記号「−」は測定せず)。
Figure 2019089332
表1の静的接触角の測定値および摩擦回数に基づいて、摩擦回数と水の静的接触角の測定値との関係を求めた。摩擦回数が最大4000回のときの、摩擦子の往復回数xに対する、水の静的接触角の測定値Fの関係を表す線形近似直線(ηおよびθは定数)、および、摩擦回数が最大10000回のときの、摩擦子の往復回数xに対する、水の静的接触角の測定値F”の関係を表す線形近似直線F”=η”x+θ”(η”およびθ”は定数)の式を表2にそれぞれ示す。
Figure 2019089332
・表面滑り性評価(動摩擦係数の測定)
実施例にて形成された表面に表面処理層を有する基材について、表面性測定機(Labthink社製 FPT−1)を用いて、摩擦子として紙を使用し、ASTM D4917に準拠して、動摩擦係数(−)を測定した。具体的には、実施例および比較例で形成された基材を水平に配置し、摩擦子である紙(2cm×2cm)を基材の表面の露出上面に接触させ、その上に200gfの荷重を付与した。その後、荷重を加えた状態で、摩擦子である紙を200mm/秒の速度で平行移動させて、動摩擦係数を測定した。結果を、表3に示す。
Figure 2019089332
上記のように、実施例1〜5で形成された基材は、優れた滑り性を有することが分かった。
・UV照射試験およびUV照射後の摩耗耐久性試験
上記の実施例および比較例にて形成された表面に表面処理層を有する基材に、スーパーキセノンウェザーメーター 型式SX75(スガ試験機株式会社)を用いて、7.5kwの水冷式キセノンランプを300時間照射した。照射条件は、波長300nm〜400nmにおいて放射照度62W/m、基材のブラックパネル温度は、55度で、ランプと基材の表面との距離は、29cmとした。
その後、UV照射後の基材について、その表面に未だ何も触れていない状態で、表面処理層の水の静的接触角を測定した(摩擦回数0回)。
次いで、INNOWEP社製ABREX(登録商標)試験機(型式:standard ABREX(登録商標))に、上記実施例および比較例にて得られた表面に表面処理層を有する基材であって、その後UV照射試験を行った基材を取り付けた。ABREX(登録商標)試験機に備え付けのシリコーン摩擦子の表面を、上記した組成の人工汗に浸漬した試験用布(INNOWEP社製 ABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆った。上記摩擦子に5Nの荷重を付与し、荷重を加えた状態で摩擦子を速度40mm/秒、摩擦距離20mmで往復させた。摩擦子の往復回数(摩擦回数)1000回毎に、水の静的接触角の測定値が50度未満となるまで摩擦試験を行い、それぞれにおいて水の静的接触角の測定値を測定した。結果を表4に示す(表中、記号「−」は測定せず)。
Figure 2019089332
表4の静的接触角の測定値および摩擦回数に基づいて、摩擦回数最大3000回のときの摩擦子の往復回数xに対する、水の静的接触角の測定値F’の関係を表す線形近似直線F’=η’x+θ’(η’およびθ’は定数)、および、摩擦回数最大6000回のときの摩擦子の往復回数xに対する、水の静的接触角の測定値F'''の関係を表す線形近似直線F'''=η'''x+θ'''(η'''およびθ'''は定数)を求めた。線形近似直線の式を表5に示す。
Figure 2019089332
本発明の基材は、基材の表面において撥水性が求められる様々な分野に用い得る。

Claims (9)

  1. 表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
    21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、3000回、および4000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に80度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0096超である基材。
  2. 表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
    21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で表面上を往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数4000回における水の静的接触角の測定値が、80度以上である、基材。
  3. 往復回数4000回における水の静的接触角の測定値が、80度以上である、請求項1に記載の基材。
  4. ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.050未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の基材。
  5. ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.035未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の基材。
  6. 表面にパーフルオロポリエーテル基含有化合物から形成された表面処理層を有する基材であって、
    波長300nm〜400nmの紫外線が、放射照度62W/mで300時間照射された表面において、21℃および湿度65%の雰囲気下において、試験用布(リン酸三ナトリウム5.5g、塩化ナトリウム10g、乳酸3.1g、リシン5gおよび蒸留水100mlからなる人工汗を浸漬させた、INNOWEP社製のABREX(登録商標) standard cotton soiling textile FINE)で覆われたシリコーンよりなる摩擦子に、基材に対して5Nの荷重がかかるように、負荷をかけながら、該摩擦子を40mm/秒の速度で往復する摩擦試験における、該摩擦子の往復回数0回、1000回、2000回、および3000回(ただし、該往復回数は、水の静的接触角の測定値が最初に測定値が50度未満になった回数を最大とする。)での往復回数(回)に対する水の静的接触角の測定値(度)に基づいて作成される線形近似直線の勾配が−0.0222超である基材。
  7. 往復回数3000回における水の静的接触角の測定値が、50度以上である、請求項6に記載の基材。
  8. ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.050未満である、請求項6または7に記載の基材。
  9. ASTM D4917に準拠して測定される動摩擦係数が、0.035未満である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の基材。
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