JP6465232B2 - パーフルオロポリエーテル基含有化合物を含む表面処理剤 - Google Patents

パーフルオロポリエーテル基含有化合物を含む表面処理剤 Download PDF

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Description

本発明は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を含む表面処理剤に関する。
ある種の含フッ素化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性などを提供し得ることが知られている。含フッ素化合物を含む表面処理剤から得られる層(以下、「表面処理層」とも言う)は、いわゆる機能性薄膜として、例えばガラス、プラスチック、繊維、建築資材など種々多様な基材に施されている。
そのような含フッ素化合物として、パーフルオロポリエーテル基を分子主鎖に有する化合物が知られている。例えば、特許文献1には、分子末端に、−P(O)(OH)、−OP(O)(OH)、または−NR87 (R87は水素原子または低級アルキル基)等を含む化合物が記載されている。
特開2016−052779号公報
表面処理層には、所望の機能を基材に対して長期に亘って提供するべく、高い耐久性が求められる。パーフルオロポリエーテル基を有する化合物を含む表面処理剤から得られる層は、上記のような機能を薄膜でも発揮し得ることから、光透過性ないし透明性が求められるメガネやタッチパネルなどの光学部材に好適に利用されている。
しかし、上記のようなパーフルオロポリエーテル基を有する化合物を含む表面処理剤では、次第に高まる摩擦耐久性向上の要求に応えるには、必ずしも十分とは言えない。
したがって、本発明は、摩擦耐久性のより良好な表面処理層の形成に適した新規な表面処理剤を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、特定の構造を有するパーフルオロポリエーテル化合物を含む表面処理剤を用いることにより、表面処理層の摩擦耐久性がより向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の要旨によれば、
式(1A)または式(1B)で表されるパーフルオロポリエーテル基含有化合物を含む表面処理剤が提供される。
Figure 0006465232
[式中:
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
PFPEは、各出現においてそれぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
(a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり;
PFPEは、PFPEと同意義であり;
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、(O−Rf11m2を表し;
Rf11は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり;
m2は、0〜4の整数であり、m2が2〜4の整数の場合(O−Rf11m2は2種以上のO−Rf11からなるものであってもよく;
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、(O−Rf21m3を表し;
Rf21は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり;
m3は、0〜4の整数であり、m3が2〜4の整数の場合(O−Rf21m3は2種以上のO−Rf21からなるものであってもよく;
Xは、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2〜10価の有機基を表し;
α1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜9の整数であり;
α2は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜9の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、以下の式で表される基であり;
Figure 0006465232
Mは、各出現においてそれぞれ独立して、配位結合可能な金属原子であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、Xとの結合手を有する単座配位子を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、Xとの結合手を有する多座配位子を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、単座配位子を表し;
は、各出現においてそれぞれ独立して、多座配位子を表し;
kは、0〜2の整数であり;
lは、0〜2の整数であり;
mは、0以上の整数であり;
nは、0以上の整数であり;
但し、kとlとの和は1〜4であり、lにRの配座数を乗じた値、nにRの配座数を乗じた値、kおよびmの和は、Mの配位数である。]
本発明の第2の要旨によれば、上記表面処理剤を含有するペレットが提供される。
本発明の第3の要旨によれば、基材、および、該基材の表面に、上記表面処理剤より形成された層を含む物品が提供される。
本明細書において用いられる場合、「1〜10価の有機基」とは、炭素を含有する1〜10価の基を意味する。かかる1価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基が挙げられる。かかる2〜10価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基からさらに1〜9個の水素原子を脱離させた2〜10価の基が挙げられる。2価の有機基としては、特に限定されるものではないが、カルボニル基、または、炭化水素基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素および水素を含む基であって、炭化水素から1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、炭素数1〜20の炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つまたはそれ以上の環構造を含んでいてもよい。尚、かかる炭化水素基は、その末端または分子鎖中に、1つまたはそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有していてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子;1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10不飽和シクロアルキル基、5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6−10アリール基および5〜10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
本明細書において、アルキル基およびフェニル基は、特記しない限り、非置換であっても、置換されていてもよい。かかる基の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基およびC2−6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
本明細書において、「錯体」とは、中心金属原子またはイオンをいくつかの配位子が取囲んでいるような化学種を表す。本明細書において、「配位子」とは、単独でもイオンまたは分子として存在し得る化学種を表す。配位子に含まれる配位原子としては、酸素および窒素からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。
[表面処理剤]
以下、本発明のパーフルオロポリエーテル基(以下、「PFPE」と称することがある。)含有化合物を含む表面処理剤について説明する。
上記PFPE含有化合物は、式(1A)または式(1B)で表される。
Figure 0006465232
上記(1A)および(1B)中、Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表す。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基における「炭素数1〜16のアルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のアルキル基である。
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されている炭素数1〜16のアルキル基であり、より好ましくはCFH−C1−15パーフルオロアルキレン基またはC1−16パーフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはC1−16パーフルオロアルキル基である。なお、アルキレン基とは、−(Cβ2β)−構造を有する基である。
該炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、具体的には−CF、−CFCF、または−CFCFCFである。
上記(1A)中、PFPEは、各出現においてそれぞれ独立して、式:
−(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
で表される基である。
式中、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、0以上100以下の整数である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は5以上であり、より好ましくは10以上である。好ましくは、a、b、c、d、eおよびfの和は200以下であり、より好ましくは100以下であり、例えば10以上200以下であり、より具体的には10以上100以下である。また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
これら繰り返し単位は、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよいが、好ましくは直鎖状である。例えば、−(OC12)−は、−(OCFCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCFCF)−である。−(OC10)−は、−(OCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
一の態様において、上記PFPEは、−(OC−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。好ましくは、PFPEは、−(OCFCFCF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)または−(OCF(CF)CF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。より好ましくは、PFPEは、−(OCFCFCF−(式中、dは1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である)である。
別の態様において、PFPEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−(式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、c、d、eおよびfの和は少なくとも5以上、好ましくは10以上であり、添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)である。好ましくは、PFPEは、−(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF−である。一の態様において、PFPEは、−(OC−(OCF−(式中、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、添字eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であってもよい。
一の態様において、PFPEは、−(OC−(OCF−(式中、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、添字eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であってもよい。
PFPEにおいて、fに対するeの比(以下、「e/f比」という)は、0.1以上10以下であり、好ましくは0.2以上5.0以下であり、より好ましくは0.2以上2.0以下であり、さらに好ましくは0.2以上1.5以下である。e/f比を上記範囲にすることにより、この化合物から得られる硬化物の撥水性、撥油性、および耐ケミカル性(例えば、塩水、酸又は塩基性水溶液、アセトン、オレイン酸又はヘキサンに対する耐久性)がより向上し得る。e/f比がより小さいほど、上記硬化物の撥水性、撥油性、耐ケミカル性より向上する。一方、e/f比を0.1以上にすることにより、化合物の安定性をより高めることができる。e/f比がより大きいほど、化合物の安定性はより向上する。
さらに別の態様において、PFPEは、−(R61−R62−で表される基である。式中、R61は、OCFまたはOCであり、好ましくはOCである。式中、R62は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。好ましくは、R62は、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記jは、2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、100以下、好ましくは50以下の整数である。上記式中、OC、OC、OC、OC10およびOC12は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、PFPEは、好ましくは、−(OC−OC−または−(OC−OC−である。
Rf−PFPE−部分の平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。
別の態様において、Rf−PFPE部分の数平均分子量は、500〜30,000、好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは2,000〜15,000である。
別の態様において、Rf−PFPE−部分または−PFPE−部分の数平均分子量は、4,000〜30,000、好ましくは5,000〜10,000であり得る。
上記式(1B)中、PFPEは、PFPEと同意義である。PFPEは、好ましくは、分岐構造を有しない。
上記式(1B)中、Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、(O−Rf11m2を表す。
上記Rf11は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり、炭素数2〜6のフルオロアルキレン基であることが好ましく、特に炭素数2のフルオロアルキレン基であることが好ましい。Rf11に含まれる水素原子の数は、1〜4が好ましく、特に1または2であることが好ましい。(O−Rf11)としては、(O−CHFCF)および(O−CHCF)が好ましい。なお、本明細書において、フルオロアルキレン基とは、アルキレン基の水素原子の1つ以上がフッ素原子に置換された基を意味する。
上記m2は、0〜4の整数であり、m2が2〜4の整数の場合(O−Rf11O)m2は2種以上のO−Rf11からなるものであってもよい。
上記式(1B)中、Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、(O−Rf21m3を表す。
上記Rf21は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり、炭素数2〜6のフルオロアルキレン基であることが好ましい。Rf21に含まれる水素原子の数は、1〜4が好ましく、特に1または2であることが好ましい。
上記m3は、0〜4の整数であり、m3が2〜4の整数の場合(O−Rf21m3は2種以上のO−Rf21からなるものであってもよい。m3は、0〜2の整数であることが好ましい。
一の態様において、(O−Rf21m3の中のX(Xが単結合の場合、R)と結合する(O−Rf21)は、(O−Rf21’CH)で表される基であり得る。Rf21’は、Rf21よりも炭素数が1個少ない基であって、パーフルオロアルキレン基または水素原子を有するフルオロアルキレン基である。Rf21’はパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。具体的な(O−Rf21’CH)としては、(O−CFCH)、(O−CFCFCH)、(O−CFCFCFCH)、(O−CFCFCFCFCH)等が好ましい。この場合、m3は1であることが好ましい。
上記PFPEにおいて、好ましくは、a、b、c、d、e、f、m2およびm3の和は5以上であり、より好ましくは10以上である。好ましくは、a、b、c、d、e、f、m2およびm3の和は200以下であり、より好ましくは100以下であり、例えば10以上200以下であり、より具体的には10以上100以下である。
別の態様において、a、b、c、d、e、f、m2およびm3の和は2〜210の範囲にある。
上記式(1A)および(1B)中、Xは、単結合、酸素原子または2〜10価の有機基を表す。当該Xは、式(1A)または(1B)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(即ち、Rf−PFPE部、またはRf−Rf−PFPE−Rf部)と、Rとを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(1A)または(1B)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの有機基であってもよい。
上記Xにおける2〜10価の有機基は、好ましくは2〜7価、より好ましくは2〜4価、さらに好ましくは2価の有機基である。
上記式中、α1は1〜9の整数であり、α2は1〜9の整数である。これらα1およびα2は、Xの価数に応じて変化し得る。式(1A)および(1B)においては、α1およびα2の和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、α1およびα2の和は10であり、例えばα1が9かつα2が1、α1が5かつα2が5、またはα1が1かつα2が9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、α1およびα2は1である。
一の態様において、Xは単結合または2〜4価の有機基であり、α1は1〜3の整数であり、α2は1である。
別の態様において、Xは単結合または2価の有機基であり、α1は1であり、α2は1である。この場合、式(1A)は、下記式(1A’)で表され、式(1B)は、下記式(1B’)で表される。
Figure 0006465232
一の態様において、Xは、単結合または2〜10価の有機基を表し、好ましくは、単結合、アルキレン基または−C−(即ち−フェニレン−。以下、フェニレン基を示す。)、−CO−(カルボニル基)、−NR−および−SO−からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する2〜10価の有機基を表す。上記Rは、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、またはC1〜6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、好ましくは水素原子、またはメチル基である。上記の−C−、−CO−、−NR−または−SO−は、PFPE含有化合物の分子主鎖中に含まれることが好ましい。ここで、分子主鎖とは、PFPE含有化合物の分子中で相対的に最も長いPFPEを含む結合鎖を表す。
本態様において、Xは、より好ましくは、単結合、アルキレン基または−C−、−CONR−、−CONR−C−、−CO−、−CO−C−、−SONR−、−SONR−C−、−SO−、および−SO−C−からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する2〜10価の有機基を表す。上記の−C−、−CONR−、−CONR−C−、−CO−、−CO−C−、−SONR−、−SONR−C−、−SO−、または−SO−C−は、PFPE含有化合物の分子主鎖中に含まれることが好ましい。
本態様において、X中、PFPE部(即ち、式(1A)または(1B)においてα2でくくられた基)とR基(即ち、式(1A)または(1B)においてα1でくくられた基)を連結する原子の数は、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは6以下であり得る。尚、一のPFPE部と一のR基を連結する経路が複数存在する場合、上記「PFPE部とR基を連結する原子の数」とは、PFPE部とR基間を最短で結ぶ原子の数を意味する。
別の態様において、上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式:
−(R81p’−(Xq’
[式中:
81は、単結合、−(CHs’−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CHs’−であり、
s’は、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらにより好ましくは1または2であり、
は、−(Xl’−を表し、
は、各出現においてそれぞれ独立して、−O−、−S−、o−、m−もしくはp−フェニレン基、−C(O)O−、−Si(R83−、−(Si(R83O)m’−Si(R83−、−CONR84−、−O−CONR84−、−NR84−および−(CHn’−からなる群から選択される基を表し、
83は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表し、好ましくはフェニル基またはC1−6アルキル基であり、より好ましくはメチル基であり、
84は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、
m’は、各出現において、それぞれ独立して、1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数であり、
n’は、各出現において、それぞれ独立して、1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
l’は、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数であり、
p’は、0または1であり、
q’は、0または1であり、
ここに、p’およびq’の少なくとも一方は1であり、p’またはq’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である]
で表される2価の基が挙げられる。ここに、R81およびX(典型的にはR81およびXの水素原子)は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
好ましくは、上記Xは、−(R81p’−(Xq’−R82−である。R82は、単結合、−(CHt’−またはo−、m−もしくはp−フェニレン基を表し、好ましくは−(CHt’−である。t’は、1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。ここに、R82(典型的にはR82の水素原子)は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−R81−X−R82−、または
−X−R82
[式中、R81およびR82は、上記と同意義である。]
であり得る。
より好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−(CHs’−X−、
−(CHs’−X−(CHt’−、
−X−、または
−X−(CHt’
[式中、s’およびt’は、上記と同意義である。]
である。
上記式中、Xは、
−O−、
−S−、
−C(O)O−、
−CONR84−、
−O−CONR84−、
−Si(R83−、
−(Si(R83O)m’−Si(R83−、
−O−(CHu’−(Si(R83O)m’−Si(R83−、
−O−(CHu’−Si(R83−O−Si(R83−CHCH−Si(R83−O−Si(R83−、
−O−(CHu’−Si(OCHOSi(OCH−、
−CONR84−(CHu’−(Si(R83O)m’−Si(R83−、
−CONR84−(CHu’−N(R84)−、または
−CONR84−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R83
[式中、R83、R84およびm’は、上記と同意義であり、
u’は1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。]を表す。Xは、好ましくは−O−である。
上記式中、Xは、
−S−、
−C(O)O−、
−CONR84−、
−CONR84−(CHu’−(Si(R83O)m’−Si(R83−、
−CONR84−(CHu’−N(R84)−、または
−CONR84−(o−、m−またはp−フェニレン)−Si(R83
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
を表す。
より好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、
−(CHs’−X−(CHt’−、または
−X−(CHt’
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
であり得る。
さらにより好ましくは、上記Xは、
単結合、
1−20アルキレン基、特に好ましくはC1−10アルキレン基、
−(CHs’−O−(CHt’−、
−(CHs’−(Si(R83O)m’−Si(R83−(CHt’−、
−(CHs’−O−(CHu’−(Si(R83O)m’−Si(R83−(CHt’−、または
−(CHs’−O−(CHt’−Si(R83−(CHu’−Si(R83−(Cv2v)−
[式中、R83、m’、s’、t’およびu’は、上記と同意義であり、vは1〜20の整数、好ましくは2〜6の整数、より好ましくは2〜3の整数である。]
である。
上記式中、−(Cv2v)−は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)−、−CH(CH)CH−であり得る。
一の態様において、Xは、−(O)t1−(Rf1O)t2−Rf2−(C(=O)N(Rf3))t3−Rf4−で表される基であり得る。
上記t1は、0または1である。
上記Rf1は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基である。Rf1は、C2−6フルオロアルキレン基であることが好ましい。Rf1に含まれる水素原子の数は、1〜4の範囲にあることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
上記(Rf1O)t2において、2種以上のRf1Oが存在する場合、各(Rf1O)の存在順序は式中において任意である。
上記t2は、0〜4の整数であり、0〜2の整数であることがより好ましい。
上記Rf2は、単結合、分岐構造を有しないパーフルオロアルキレン基、または、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基である。上記パーフルオロアルキレン基、またはフルオロアルキレン基は、1〜10の炭素原子を含むことが好ましい。
上記Rf3は、水素原子、または、アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基)である。
上記t3は、0または1である。
t3が0の場合、Rf2は単結合であることが好ましい。この場合(すなわち、(Rf1O)t2およびRf4が直接結合している場合)、(Rf1O)t2の中のRf4と結合する(Rf1O)は(Rf5CHO)で表される基であることが好ましい。Rf5は、Rf1よりも炭素数が1個少ない基であって、パーフルオロアルキレン基、または、1以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基である。Rf5はパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。(Rf5CHO)は、(CFCHO)、(CFCFCHO)、(CFCFCFCHO)、(CFCFCFCFCHO)等が好ましい。この場合、t2は1であることが好ましい。
t3が1の場合、t2は0〜2であり、かつ、Rf2はパーフルオロアルキレン基、または、1以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基であることが好ましく、パーフルオロアルキレン基であることがより好ましく、C1−6パーフルオロアルキレン基であることが特に好ましい。
上記Rf4は、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のアルキレン基の末端(ただし、式(1A)または(1B)においてα1でくくられた基と結合する側の末端。)にエーテル性酸素原子を有する基、炭素数2〜10のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基、または炭素数2〜10のアルキレン基の末端(ただし、式(1A)または(1B)においてα1でくくられた基と結合する側の末端。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。エーテル性酸素原子を有する基としては、例えば、−CHCH−O−、−CHCH−O−CH−等が挙げられる。
上記Rf4は、単結合、または、C1−4アルキレン基であることが好ましく、単結合、または、C1−2アルキレン基であることがより好ましい。
上記Xは、例えば、
−(O)t1−(Rf1O)t2−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−CHO−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−CHOCH−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−CHO−(CH−O−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−CHO−(CH−O−CH−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−Rf2−C(O)NH−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−Rf2−C(O)NHCH−、
−(O)t1−(Rf1O)t2−Rf2−C(O)NH(CH−、
−(O)t1−(Rf6CHO)−CH−、
−(O)t1−(Rf6CHO)−CH−O−CH−、
−C(O)NH−Rf4−、または
−(O)t1−Rf6CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−Rf4−(例えば、−(O)t1−CFCHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−Rf4−)
等を挙げることができる。Rf1、Rf2、Rf4、t1およびt2は、上記と同意義である。t1は好ましくは1である。Rf6は、分岐構造を有しないパーフルオロアルキレン基である。
上記X基は、フッ素原子、C1−3アルキル基およびC1−3フルオロアルキル基(好ましくは、C1−3パーフルオロアルキル基)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
別の態様において、X基としては、例えば下記の基が挙げられる:
Figure 0006465232
Figure 0006465232
[式中、R41は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、またはC1−6アルコキシ基、好ましくはメチル基であり;
Dは、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、および
Figure 0006465232
(式中、R42は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6のアルキル基またはC1−6のアルコキシ基、好ましくはメチル基またはメトキシ基、より好ましくはメチル基を表す。)
から選択される基であり、
Eは、−(CHne−(neは2〜6の整数)であり、
Dは、分子主鎖のPFPEに結合し、Eは、PFPEと反対の基に結合する。]
上記Xの具体的な例としては、例えば:
単結合、
−CHOCH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−(CH−Si(CH−(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CHO(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−CHOCFCHFOCF−、
−CHOCFCHFOCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF−、
−CHOCHCFCFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCFCHFOCFCFCF−C(O)NH−CH−、
−CHOCHCHFCFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCFCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCF−、
−CHOCHCHFCFOCF(CF)CFOCFCFCF−、
−CHOCH(CHCHSi(OCHOSi(OCH(CHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHOSi(OCH(CH−、
−CHOCHCHCHSi(OCHCHOSi(OCHCH(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−CO−、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CONH−(CHNH(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−CHO−CONH−(CH−、
−S−(CH−、
−(CHS(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHOSi(CHOSi(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)10Si(CH(CH−、
−CONH−(CHSi(CHO(Si(CHO)20Si(CH(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−C(O)O−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−(CH−、
−CH−O−(CH−Si(CH−(CH−Si(CH−CH(CH)−CH−、
−OCH−、
−O(CH−、
−OCFHCF−、
Figure 0006465232
などが挙げられる。
別の好ましい態様において、Xは、単結合、炭素数1〜6のアルキレン基、−R85−C−R86−、−R85−CONR−R86−、−R85−CONR−C−R86−、−R85−CO−R86−、−R85−CO−C−R86−、−R85−SONR−R86−、−R85−SONR−C−R86−、−R85−SO−R86−、または−R85−SO−C−R86−である。R85およびR86は、それぞれ独立して、単結合または炭素数1〜6のアルキレン基を表し、好ましくは単結合または炭素数1〜3のアルキレン基である。Rは上記と同意義である。上記アルキレン基は、置換または非置換であり、好ましくは非置換である。上記アルキレン基の置換基としては、例えばハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を挙げることができる。上記アルキレン基は、直鎖状または分枝鎖状であり、直鎖状であることが好ましい。
本態様において、Xは、さらに好ましくは、
単結合、
炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基、
−C−R86’−、
−CONR8’−R86’−、
−CONR8’−C−R86’−、
−CO−R86’−、
−CO−C−R86’−、
−SONR8’−R86’−、
−SONR8’−C−R86’−、
−SO−R86’−、
−SO−C−R86’−、
−R85’−C−、
−R85’−CONR8’−、
−R85’−CONR8’−C−、
−R85’−CO−、
−R85’−CO−C−、
−R85’−SONR8’−、
−R85’−SONR8’−C−、
−R85’−SO−、
−R85’−SO−C−、
−C−、
−CONR8’−、
−CONR8’−C−、
−CO−、
−CO−C−、
−SONR8’−、
−SONR8’−C−、
−SO−、または
−SO−C
(式中、R85’およびR85’は、それぞれ独立して、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の直鎖のアルキレン基であり、
8’は、水素原子またはメチルである。)
であり得る。
本態様において、Xの具体例としては、例えば、
単結合、
炭素数1〜6のアルキレン基、
−CONH−、
−CONH−CH−、
−CONH−(CH−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−、
−CON(CH)−CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CH−CONH−、
−CH−CONH−CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CH−CONH−(CH−、
−CONH−C−、
−CON(CH)−C−、
−CH−CON(CH)−CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CH−CON(CH)−(CH−、
−CON(CH)−C−、
−CO−、
−CO−C−、
−C−、
−SONH−、
−SONH−CH−、
−SONH−(CH−、
−SONH−(CH−、
−SONH−C−、
−SON(CH)−、
−SON(CH)−CH−、
−SON(CH)−(CH−、
−SON(CH)−(CH−、
−SON(CH)−C−、
−SO−、
−SO−CH−、
−SO−(CH−、
−SO−(CH−、
−SO−C
などが挙げられる。
一の態様において、Xは、単結合である。
さらに別の態様において、X基の例として、下記の基が挙げられる:
Figure 0006465232
[式中、
41は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、またはC1−6アルコキシ基、好ましくはメチル基であり;
各X基において、Tのうち任意のいくつかは、分子主鎖のPFPEに結合する以下の基:
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、または
Figure 0006465232
[式中、R42は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6のアルキル基またはC1−6のアルコキシ基、好ましくはメチル基またはメトキシ基、より好ましくはメチル基を表す。]
であり、別のTのいくつかは、分子主鎖のPFPEと反対の基に結合する−(CHn”−(n”は2〜6の整数)であり、存在する場合、残りのTは、それぞれ独立して、メチル基、フェニル基、C1−6アルコキシ基またはラジカル捕捉基もしくは紫外線吸収基であり得る。
ラジカル捕捉基は、光照射で生じるラジカルを捕捉できるものであれば特に限定されないが、例えばベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、安息香酸エステル類、サリチル酸フェニル類、クロトン酸類、マロン酸エステル類、オルガノアクリレート類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類、またはトリアジン類の残基が挙げられる。
紫外線吸収基は、紫外線を吸収できるものであれば特に限定されないが、例えばベンゾトリアゾール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、置換および未置換安息香酸もしくはサリチル酸化合物のエステル類、アクリレートまたはアルコキシシンナメート類、オキサミド類、オキサニリド類、ベンゾキサジノン類、ベンゾキサゾール類の残基が挙げられる。
好ましい態様において、好ましいラジカル捕捉基または紫外線吸収基としては、
Figure 0006465232

が挙げられる。
この態様において、Xは、3〜10価の有機基であり得る。
一の態様において、Xは、−X11(OH)j1(X123−j1または−X11(OX12j1(X123−j1で表される。X11は、炭素原子である。X12は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または2〜6価の炭化水素基であり、ケイ素原子および/またはシロキサン結合を有していてもよい。OX12またはX12は、X11および−R間を連結する。j1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜3の整数であり、好ましくは1である。
上記式(1A)および(1B)中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、以下の式で表される基である。
Figure 0006465232
上記式中、Mは、各出現においてそれぞれ独立して、配位結合可能な金属原子である。上記Mは、好ましくはアルミニウム原子、亜鉛原子、チタン原子、ジルコニウム原子、クロム原子、鉄原子、コバルト原子、ニッケル原子、銅原子等の遷移金属原子であり、より好ましくは、アルミニウム原子、チタン原子、またはジルコニウム原子であり、さらに好ましくはアルミニウム原子、またはチタン原子であり、特に好ましくはアルミニウム原子である。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、Xとの結合手を有する単座配位子を表す。即ち、Rを介して、X(Xが単結合の場合には、式(1A)においてはPFPE、式(1B)においてはRf)およびMが連結する。
は、好ましくは、−R11−O−、または−R11N(R12)−である。上記Rにおいて、酸素原子、または窒素原子がMと配位する。上記Rにおいて、R11が、X(Xが単結合の場合には、式(1A)においてはPFPE、式(1B)においてはRf)と結合する。
式中、R12は、水素原子または1価の有機基である。R12は、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基、より好ましくは、水素原子またはメチル基である。
式中、R11は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または2価の有機基である。
上記R11は、例えば、
単結合、
カルボニル基、
1〜10アルキレン基、より好ましくは、C1〜6アルキレン基、
−(CHk1−C(=O)−、
−C(=O)−O−(CHk1’−、
−(CHk1C(=O)−O−(CHk1’−、または
−(CHk1−O−(CHk1’
を挙げることができる。k1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜10の整数であり、k1’は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜10の整数である。好ましくは、k1は、1〜6の整数であり、k1’は、1〜6の整数である。
上記Rとしては、例えば、
−O−、
−NR12−、
−C(=O)−O−、
−C(=O)−NR12−、
−(CHk1−O−、
−(CHk1−NR12−、
−(CHk1−C(=O)−O−、
−(CHk1−C(=O)−NR12−、
−C(=O)−O−(CHk1’−O−、
−C(=O)−O−(CHk1’−NR12−、
−(CHk1C(=O)−O−(CHk1’−O−、
−(CHk1C(=O)−O−(CHk1’−NR12−、
−(CHk1−O−(CHk1’−O−、または
−(CHk1−O−(CHk1’−NR12
を挙げることができる。なお、上記において、末端部分に存在する酸素原子、または窒素原子が配位原子である。R12、k1およびk1’は、上記と同意義である。
上記Rは、より好ましくは、−R11−O−である。
は、より具体的には、
−O−、
−CH−O−、
−(CH−O−、
−C(=O)−O−、
−CH−C(=O)−O−、または
−(CH−C(=O)−O−
である。なお、上記式の末端部分に存在する酸素原子が配位原子である。
上記式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、Xとの結合手を有する多座配位子を表す。即ち、Rを介して、X(Xが単結合の場合には、式(1A)においてはPFPE、式(1B)においてはRf)およびMが連結する。
好ましくは、Rは、二座配位子である。
より好ましくは、Rは、下記化合物(1−1)〜(1−6)のいずれか1つが配位したものである。なお、下記式のR21以外の基(例えば、式(1−1)においては、C(=O)(CHl1−C(=O)−R22)をR23と称することがある。即ち、Rは、R21−R23で表され得る化合物が配位したものである。
Figure 0006465232
式中、l1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜6の整数である。l1は、各出現においてそれぞれ独立して、好ましくは、0〜4の整数であり、より好ましくは1〜2である。
式中、*は配位原子を示す。例えば、上記式(1−1)〜(1−6)で表される化合物は、以下の(1−1’)〜(1−6’)のようにそれぞれMと配位する。
Figure 0006465232
より具体的には、式(1−1)で表される化合物は、l1が1の場合、Mと以下のように配位する。
Figure 0006465232
式中、R21は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基である。上記Rにおいて、R21が、X(Xが単結合の場合には、式(1A)においてはPFPE、式(1B)においてはRf)と結合する。
好ましくは、R21は、
−O−、
−C(=O)−O−、
1〜6アルキレン基、または
−(CHl2−O−
である。なお、上記式の末端部分に酸素原子が存在する場合、酸素原子がR23と結合する。l2は、1〜6の整数である。
式中、R22は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または1価の有機基である。R22は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または、フェニル基であり、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)である。
好ましい態様において、Rは、ケトエノール転移が可能な構造を含むことが好ましい。より好ましくは、Rは、式(1−1)で表される基であり、式中、l1が、1であり、R21が、酸素原子であり、R22が、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)である。式中、*は配位原子を示す。
Figure 0006465232
別の態様において、Rは、Mと共に4〜12員環のキレート環を形成し得、好ましくは4〜6員環のキレート環を形成する。
上記(1A)および(1B)中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、単座配位子を表す。Rは、Mのみに結合し、Xとは直接結合しない単座配位子を表す。
は、好ましくは、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、および1価の有機基からなる群より選ばれる少なくとも1つである。上記ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子を挙げることができる。上記1価の有機基としては、R31−O−、またはR31N(R32)−を挙げることができる。上記1価の有機基において、酸素原子、または窒素原子がMと配位する。
上記R31は、炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。上記R32は、水素原子、または1価の有機基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくは、水素原子またはメチル基である。
上記Rは、好ましくは、R31−O−である。R31は、上記と同意義であり、R31−O−は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基である。
上記(1A)および(1B)中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、多座配位子を表す。Rは、Mのみに結合し、Xとは直接結合しない多座配位子を表す。
好ましくは、Rは、二座配位子である。
より好ましくは、Rは、下記化合物(2−1)〜(2−6)からなる群より選ばれる少なくとも1つが結合したものである。
Figure 0006465232
式中、n1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜6の整数である。n1は、各出現においてそれぞれ独立して、好ましくは、0〜4の整数であり、より好ましくは1である。
式中、*は配位原子を示す。例えば、上記式(2−1)〜(2−6)で表される化合物は、以下の(2−1’)〜(2−6’)のようにそれぞれMと配位する。
Figure 0006465232
より具体的には、式(2−1)で表される化合物は、n1が1の場合、Mと以下のように配位する。
Figure 0006465232
式中、R43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または1価の有機基である。
好ましくは、R43は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または、炭素数1〜6のアルコキシ基である。より好ましくは、R43は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基である。
式中、R44は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または1価の有機基である。
好ましくは、R44は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または、炭素数1〜6のアルコキシ基である。より好ましくは、R44は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基である。
一の態様において、R43は、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)であり、および、R44は、炭素数1〜3のアルキル基(例えばエチル基)である。
一の態様において、R43は、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)であり、および、R44は、炭素数1〜3のアルコキシ基(例えばエトキシ基)である。
別の態様において、Rは、Mと共に4〜12員環のキレート環を形成し得、好ましくは4〜6員環のキレート環を形成する。
式(1A)および式(1B)中、kは、0〜2の整数であり;lは、0〜2の整数であり;mは、0以上の整数であり;nは、0以上の整数である。但し、kとlとの和は1〜4であり、lにRの配座数を乗じた値、nにRの配座数を乗じた値、kおよびmの和は、Mの配位数である。例えば、Mがアルミニウム原子、チタン原子、またはジルコニウム原子である場合、Mの配位数は、4または6である。
一の態様において、kが、0または1であり;lが、0または1であり;mが、0以上の整数であり;nが、0以上の整数である。但し、kとlとの和は1であり、lにRの配座数を乗じた値、nにRの配座数を乗じた値、kおよびmの和は、Mの配位数である。
一の態様において、kが1であり;lが0である。
一の態様において、kが0であり;lが1である。
一の態様において、kが1であり;lが0であり;mが1であり;nが1である。本態様において、好ましくは、Rが、二座配位子であり、より好ましくは、Mがアルミニウム原子またはチタン原子(より好ましくはアルミニウム原子)である。
一の態様において、kが0であり;lが1であり;mが0であり;nが2である。本態様において、好ましくは、Rが、二座配位子であり、より好ましくは、Mがアルミニウム原子またはチタン原子(より好ましくはアルミニウム原子)である。
好ましい態様において、Rは、
Mが、アルミニウム原子またはチタン原子(より好ましくはアルミニウム原子)であり;
が、−R11−O−で表され(式中、R11は、2価の有機基であり、好ましくは、カルボニル基である);
が、1価の有機基であり、好ましくは、R31−O−で表され(式中、R31は、炭素数1〜6のアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、例えばイソプロピル基);
が、二座配位子であり、好ましくは式(2−1)で表され(式中、*は配位原子を表し、n1が、1であり、R43が、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R44は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基である。);
Figure 0006465232
kが、1であり;
lが、0であり;
mが、1であり;
nが、1である。
本態様において、Rの一例は、以下の式で表され得る。以下の式において、R11は、上記と同意義であって、具体的にはC(=O)基であり;R31は、上記と同意義であり、具体的には、イソプロピル基であり;R43は、上記と同意義であり、具体的には、メチル基であり;R44は、上記と同意義であり、具体的には、エチル基である。**は、Xに結合する部位を表す。
Figure 0006465232
別の好ましい態様において、Rは、
Mが、アルミニウム原子またはチタン原子(より好ましくはアルミニウム原子)であり;
が、二座配位子であり、好ましくは式(1−1)で表され(式中、*は配位原子を示し、l1が、1であり、R21が、酸素原子であり、R22が、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)である);
Figure 0006465232
が、二座配位子であり、好ましくは式(2−1)で表され(式中、*は配位原子を表し、n1が、1であり、R43が、各出現においてそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R44は、各出現においてそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基である。)
Figure 0006465232
kが、0であり;
lが、1であり;
mが、0であり;
nが、2である。
本態様において、Rの一例は、以下の式で表され得る。以下の式において、R22は、上記と同意義であり、具体的には、メチル基であり;R43およびR44は、各出現においてそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、またはエトキシ基である。例えば、以下の式において、R43はメチル基、R44は一方がエチル基、もう一方がエトキシ基であってもよい。**は、Xと結合する部位を表す。
Figure 0006465232


式(1A)および(1B)で表されるPFPE含有化合物は、末端に金属原子を含むため、金属表面や金属酸化表面に密着しやすい効果がある。
式(1A)および(1B)で表されるPFPE含有化合物は、Rf−PFPEで表される基またはRf−Rf−PFPE−Rfで表される基を有するため、撥水性、および撥油性の特に良好な表面処理層の形成に寄与できる。これは、Rfの末端部分に含まれるCF基は極めて低い表面自由エネルギーを示し、この基が最表面に配向するためである。
より良好な撥水性および撥油性を有する表面処理剤を提供する観点からは、式(1A)で表されるPFPE含有化合物を用いることが好ましい。
上記式(1A)または(1B)で表されるPFPE含有化合物は、例えば、下記式(2A)または(2B)で表されるPFPE化合物および式(3)で表される錯体から、YおよびYを反応させRを形成する工程、または、YおよびY2’を反応させRを形成する工程を含む方法により製造することができる。
Figure 0006465232
式(2A)、(2B)および(3)中、Rf、PFPE、PFPE、Rf、Rf、α1、α2、X、M、R、R、およびk〜nは、上記と同意義である。
は、反応可能な基を含む。
上記反応可能な基としては、例えば、OR10、またはNR1012’等を挙げることができ、これらの中では、OR10が好ましい。R10は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。R12’は、好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
上記Yは、例えば、
−R19−OR10、または
−R19−NR10
で表される。R10は、上記と同意義である。R19は、単結合または2価の有機基である。
上記R19としては、例えば、
単結合、
カルボニル基、
1〜10アルキレン基(より好ましくは、C1〜6アルキレン基)、
−(CHl3−C(=O)−、
−C(=O)−O−(CHl3’−、
−(CHl3C(=O)−O−(CHl3’−、または
−(CHl3−O−(CHl3’
を挙げることができる。l3は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜12の整数であり、l3は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜12の整数である。好ましくは、l3は、1〜6の整数であり、l3’は、1〜6の整数である。
上記Yとしては、例えば、
−OH、
−C(=O)OH、
−(CHl3−OH、
−(CHl3−C(=O)−OH、
−C(=O)−O−(CHl3’−OH、
−C(=O)−O−(CHl3’−C(=O)OH、
−(CHl3C(=O)−O−(CHl3’−OH、
−(CHl3C(=O)−O−(CHl3’−C(=O)OH、
−(CHl3−O−(CHl3’−OH、または
−(CHl3−O−(CHl3’−C(=O)−OH
を挙げることができる。l3は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜12の整数であり、l3は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜12の整数である。好ましくは、l3は、1〜6の整数であり、l3’は、1〜6の整数である。
好ましくは、上記Yは、−R19−OR10である。R19およびR10は上記と同意義である。特に好ましくは、Yは、
−OH、
−C(=O)OH、
−(CHl3”−OH、または
−(CHl3”−C(=O)−OH
である。l3”は、1〜3の整数であり、好ましくは1である。
上記Yは、反応可能な基Y21を含む。
上記反応可能な基Y21としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C(=O)OR10’、またはOR10’等を挙げることができ、これらの中では、OR10’が好ましい。R10’は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基(即ち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはイソプロピル基)である。
上記Y2’は、反応可能な基Y21’を含む。Y21’は、Y21と同意義である。
好ましくは、上記反応可能な基Y21は、Rに代えてMに配位された基である。好ましくは、上記反応可能な基Y21’は、R21に代えてR23に導入された基である。
より具体的には、上記Yは、Y21が配位したものである。
より具体的には、上記Y2’は、下記化合物が配位したものである。

Figure 0006465232
式中、*は配位原子を表し、Y21’、R22、およびl1は、上記と同意義である。
好ましい態様において、上記YおよびYは、Yが−C(=O)−OHであり、Yが−OR10’(R10’は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基)である。
別の好ましい態様において、上記YおよびY2’は、Yが−(CHl3'''−OHであり(l3'''は、1〜3の整数、好ましくは1)であり、Y2’が下記式で表される基である。式中、*は配位原子を表し;Y21’はOR10’であり、l1は1であり、R22は炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)である。R10’は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基(即ち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、またはイソプロピル基)である。
Figure 0006465232
本発明の表面処理剤は、上記PFPE含有化合物を、表面処理剤100質量部に対し、好ましくは0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜30質量部含む。
本発明の表面処理剤は、撥水性、撥油性、防汚性、表面滑り性、摩擦耐久性を基材に対して付与することができ、特に限定されるものではないが、防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として好適に使用され得る。
本発明の表面処理剤は、溶媒で希釈されていてもよい。このような溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば:
パーフルオロヘキサン、CFCFCHCl、CFCHCFCH、CFCHFCHFC、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン((ゼオローラH(商品名)等)、COCH、COC、CFCHOCFCHF、C13CH=CH、キシレンヘキサフルオリド、パーフルオロベンゼン、メチルペンタデカフルオロヘプチルケトン、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、HCFCFCHOH、メチルトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロ酢酸およびCFO(CFCFO)m1(CFO)n1CFCF[式中、m1およびn1は、それぞれ独立して0以上1000以下の整数であり、m1またはn1を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、但しm1およびn1の和は1以上である。]、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,2−トリクロロ―3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンからなる群から選択されるフッ素原子含有溶媒等が挙げられる。
上記溶媒としては、C13OCHを用いてもよい。
一の態様において、上記溶媒中に含まれる水分含有量は、質量換算で20ppm以下である。上記水分含有量は、カールフィッシャー法を用いて測定することができる。このような水分含有量であることによって、表面処理剤の保存安定性が向上し得る。
本発明の表面処理剤は、さらに他の成分を含んでいてもよい。かかる他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、他の表面処理化合物、含フッ素オイルとして理解され得る(非反応性の)フルオロポリエーテル化合物、好ましくはパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(以下、「含フッ素オイル」と言う)、シリコーンオイルとして理解され得る(非反応性の)シリコーン化合物(以下、「シリコーンオイル」と言う)、アルコール、触媒、白金、ルテニウム、ロジウム等の遷移金属、ハロゲン化物イオン、分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物などが挙げられる。
上記含フッ素オイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(4)で表される化合物(パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物)が挙げられる。
Rf−(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’−Rf ・・・(4)
式中、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16アルキル基(好ましくは、C1―16のパーフルオロアルキル基)を表し、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16アルキル基(好ましくは、C1−16パーフルオロアルキル基)、フッ素原子または水素原子を表し、RfおよびRfは、より好ましくは、それぞれ独立して、C1−3パーフルオロアルキル基である。
a’、b’、c’およびd’は、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a’、b’、c’およびd’の和は少なくとも1、好ましくは1〜300、より好ましくは20〜300である。添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
上記一般式(4)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の例として、以下の一般式(4a)および(4b)のいずれかで示される化合物(1種または2種以上の混合物であってよい)が挙げられる。
Rf−(OCFCFCFb’’−Rf ・・・(4a)
Rf−(OCFCFCFCFa’’−(OCFCFCFb’’−(OCFCFc’’−(OCFd’’−Rf ・・・(4b)
これら式中、RfおよびRfは上記の通りであり;式(4a)において、b’’は1以上100以下の整数であり;式(4b)において、a’’およびb’’は、それぞれ独立して1以上30以下の整数であり、c’’およびd’’はそれぞれ独立して1以上300以下の整数である。添字a’’、b’’、c’’、d’’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。
上記含フッ素オイルは、1,000〜30,000の平均分子量を有していてよい。これにより、高い表面滑り性を得ることができる。
本発明の表面処理剤中、含フッ素オイルは、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物および上記カルボン酸エステル化合物の合計100質量部(それぞれ、2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0〜500質量部、好ましくは0〜400質量部、より好ましくは5〜300質量部で含まれ得る。
一般式(4a)で示される化合物および一般式(4b)で示される化合物は、それぞれ単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。一般式(4a)で示される化合物よりも、一般式(4b)で示される化合物を用いるほうが、より高い表面滑り性が得られるので好ましい。これらを組み合わせて用いる場合、一般式(4a)で表される化合物と、一般式(4b)で表される化合物との質量比は、1:1〜1:30が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。かかる質量比によれば、表面滑り性と摩擦耐久性のバランスに優れた表面処理層を得ることができる。
一の態様において、含フッ素オイルは、一般式(4b)で表される1種またはそれ以上の化合物を含む。かかる態様において、表面処理剤中の上記PFPE含有化合物と、式(4b)で表される化合物との質量比は、10:1〜1:10であることが好ましく、4:1〜1:4であることがより好ましい。
一の態様において、式(4a)で表される化合物の平均分子量は、2,000〜8,000であることが好ましい。
一の態様において、式(4b)で表される化合物の平均分子量は、8,000〜30,000であることが好ましい。
別の態様において、式(4b)で表される化合物の平均分子量は、3,000〜8,000であることが好ましい。
好ましい態様において、真空蒸着法により表面処理層を形成する場合には、PFPE含有化合物の数平均分子量よりも、含フッ素オイルの数平均分子量を大きくしてもよい。例えば、PFPE含有化合物の数平均分子量よりも、含フッ素オイルの数平均分子量を、2,000以上、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上大きくしてもよい。このような数平均分子量とすることにより、より優れた摩擦耐久性と表面滑り性を得ることができる。
また、別の観点から、含フッ素オイルは、一般式Rf’−F(式中、Rf’はC5−16パーフルオロアルキル基である。)で表される化合物であってよい。また、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーであってもよい。Rf’−Fで表される化合物およびクロロトリフルオロエチレンオリゴマーは、RfがC1−16パーフルオロアルキル基である上記PFPE含有化合物と高い親和性が得られる点で好ましい。
含フッ素オイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記シリコーンオイルとしては、例えばシロキサン結合が2,000以下の直鎖状または環状のシリコーンオイルを用い得る。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
本発明の表面処理剤中、かかるシリコーンオイルは、上記PFPE含有化合物100質量部(2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0〜300質量部、好ましくは0〜200質量部で含まれ得る。
シリコーンオイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えばアンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn等)等が挙げられる。
触媒は、上記PFPE含有化合物の加水分解および脱水縮合を促進し、表面処理層の形成を促進する。
他の成分としては、上記以外に、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等も挙げられる。
上記ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン等が挙げられる。
上記分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物は、窒素原子、酸素原子、リン原子および硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの原子を含むことが好ましく、硫黄原子、または窒素原子を含むことがより好ましい。
上記分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物は、分子構造内に、アミノ基、アミド基、スルフィニル基、P=O基、S=O基およびスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を含むことが好ましく、P=O基およびS=O基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を含むことがより好ましい。
上記分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物は、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、リン酸アミド化合物、アミド化合物、尿素化合物およびスルホキシド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましく、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン類、リン酸アミド、尿素化合物およびスルホキシド化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることがより好ましく、スルホキシド化合物、脂肪族アミン化合物および芳香族アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが特に好ましく、スルホキシド化合物であることがさらに好ましい。
上記脂肪族アミン化合物としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。上記芳香族アミン化合物としては、例えば、アニリン、ピリジン等を挙げることができる。上記リン酸アミド化合物としては、例えば、ヘキサメチルホスホルアミド等を挙げることができる。上記アミド化合物としては、例えば、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。上記尿素化合物としては、テトラメチル尿素等を挙げることができる。上記スルホキシド化合物としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラメチレンスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等を挙げることができる。これらの化合物の中で、ジメチルスルホキシド、またはテトラメチレンスルホキシドを用いることが好ましい。
他の成分としては、上記以外に、例えば、炭素数1〜6のアルコール化合物が挙げられる。
[ペレット]
本発明の表面処理剤は、多孔質物質、例えば多孔質のセラミック材料、金属繊維、例えばスチールウールを綿状に固めたものに含浸させて、ペレットとすることができる。当該ペレットは、例えば、真空蒸着に用いることができる。
本発明の表面処理剤は、撥水性、撥油性、防汚性、防水性、高い摩擦耐久性および耐UV性を基材に対して付与することができることから、表面処理剤として好適に使用される。具体的には、本発明の表面処理剤は、特に限定されるものではないが、防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として好適に使用され得る。
[物品]
次に、本発明の物品について説明する。
本発明の物品は、基材と、該基材の表面に本発明の表面処理剤より形成された層(表面処理層)とを含む。この物品は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、基材を準備する。本発明に使用可能な基材は、例えばガラス、樹脂(天然または合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよく、板状、フィルム、その他の形態であってよい)、金属(アルミニウム、銅、鉄等の金属単体または合金等の複合体であってよい)、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、任意の適切な材料で構成され得る。
上記ガラスとしては、サファイアガラス、ソーダライムガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、クリスタルガラス、石英ガラスが好ましく、化学強化したソーダライムガラス、化学強化したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス、および化学結合したホウ珪酸ガラスが特に好ましい。
樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネートが好ましい。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラスまたは透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面(最外層)に何らかの層(または膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層および多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiOおよび/またはSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、基材(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I−CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、および液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
基材の形状は特に限定されない。また、表面処理層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途および具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
かかる基材としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜または熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、基材に何らかの前処理を施すことにより、基材の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、基材表面に水酸基を導入または増加させ得ると共に、基材表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素−炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア−ブロジェット法)や化学吸着法等によって、基材表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
またあるいは、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi−H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
特に、基材としては、アルマイト、サファイアガラス、またはジルコニア等の基材表面に金属原子が存在する基材を用いることが好ましい。基材に含まれる金属と、式(1A)または(1B)で表されるPFPE含有化合物に含まれる金属原子との親和性が特に高くなり得ることから、形成された表面処理層と基材との結合がより強固になり得る。従って、形成された表面処理層の撥水性が特に良好になり、さらに耐摩擦性も向上する。
次に、かかる基材の表面に、上記の本発明の表面処理剤の膜を形成し、この膜を必要に応じて後処理し、これにより、本発明の表面処理剤から表面処理層を形成する。
本発明の表面処理剤の膜形成は、本発明の表面処理剤を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法および乾燥被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングおよび類似の方法が挙げられる。
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVDおよび類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビームおよび類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ−CVD、光学CVD、熱CVDおよび類似の方法が挙げられる。
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
湿潤被覆法を使用する場合、本発明の表面処理剤は、溶媒で希釈されてから基材表面に適用され得る。本発明の表面処理剤の安定性および溶媒の揮発性の観点から、次の溶媒が好ましく使用される:C5−12のパーフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン);ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、C13CHCH(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AC−6000)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオローラ(登録商標)H);ハイドロフルオロカーボン(HFC)(例えば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc));ハイドロクロロフルオロカーボン(例えば、HCFC−225(アサヒクリン(登録商標)AK225));ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7000)、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7100)、パーフルオロブチルエチルエーテル(COC)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7200)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(CCF(OCH)C)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標名)7300)などのアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基およびアルキル基は直鎖または分枝状であってよい)、あるいはCFCHOCFCHF(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AE−3000))、1,2−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製のバートレル(登録商標)サイオン)など。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上を組み合わせて混合物として用いることができる。さらに、例えば、PFPE含有化合物の溶解性を調整する等のために、別の溶媒と混合することもできる。
乾燥被覆法を使用する場合、本発明の表面処理剤は、そのまま乾燥被覆法に付してもよく、または、上記した溶媒で希釈してから乾燥被覆法に付してもよい。
膜形成は、膜中で本発明の表面処理剤が、加水分解および脱水縮合のための触媒と共に存在するように実施することが好ましい。簡便には、湿潤被覆法による場合、本発明の表面処理剤を溶媒で希釈した後、基材表面に適用する直前に、本発明の表面処理剤の希釈液に触媒を添加してよい。乾燥被覆法による場合には、触媒添加した本発明の表面処理剤をそのまま蒸着(通常、真空蒸着)処理するか、あるいは鉄や銅などの金属多孔体に、触媒添加した本発明の表面処理剤を含浸させたペレット状物質を用いて蒸着(通常、真空蒸着)処理をしてもよい。
触媒には、任意の適切な酸または塩基を使用できる。酸触媒としては、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などを使用できる。また、塩基触媒としては、例えばアンモニア、有機アミン類などを使用できる。
次に、必要に応じて、膜を後処理する。この後処理は、特に限定されないが、例えば、水分供給および乾燥加熱を逐次的に実施するものであってよく、より詳細には、以下のようにして実施してよい。
上記のようにして基材表面に本発明の表面処理剤を膜形成した後、この膜(以下、「前駆体膜」とも言う)に水分を供給する。水分の供給方法は、特に限定されず、例えば、前駆体膜(および基材)と周囲雰囲気との温度差による結露や、水蒸気(スチーム)の吹付けなどの方法を使用してよい。
水分の供給は、例えば0〜250℃、好ましくは60℃以上、さらに好ましくは100℃以上とし、好ましくは180℃以下、さらに好ましくは150℃以下の雰囲気下にて実施し得る。このような温度範囲において水分を供給することにより、加水分解を進行させることが可能である。このときの圧力は特に限定されないが、簡便には常圧とし得る。
次に、該前駆体膜を該基材の表面で、60℃を超える乾燥雰囲気下にて加熱する。乾燥加熱方法は、特に限定されず、前駆体膜を基材と共に、60℃を超え、好ましくは100℃を超える温度であって、例えば250℃以下、好ましくは180℃以下の温度で、かつ不飽和水蒸気圧の雰囲気下に配置すればよい。このときの圧力は特に限定されないが、簡便には常圧とし得る。
上記の水分供給および乾燥加熱は、過熱水蒸気を用いることにより連続的に実施してもよい。
以上のようにして後処理が実施され得る。かかる後処理は、摩擦耐久性を一層向上させるために実施され得るが、本発明の物品を製造するのに必須でないことに留意されたい。例えば、本発明の表面処理剤を基材表面に適用した後、そのまま静置しておくだけでもよい。
上記のようにして、基材の表面に、本発明の表面処理剤の膜に由来する表面処理層が形成され、本発明の物品が製造される。これにより得られる表面処理層は、良好な耐UV性を有する。また、この表面処理層は、良好な耐UV性に加えて、使用する組成物の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)、高い摩擦耐久性などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
即ち本発明はさらに、前記硬化物を最外層に有する光学材料にも関する。
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例、TV、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイまたはそれらのディスプレイの保護板、またはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
本発明によって得られる表面処理層を有する物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD−R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバーなど。
また、本発明によって得られる表面処理層を有する物品は、医療機器または医療材料であってもよい。
表面処理層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、表面処理層の厚さは、1〜50nm、より好ましくは1〜30nm、特に好ましくは1〜15nmの範囲であることが、光学性能、表面滑り性、摩擦耐久性および防汚性の点から好ましい。
別の形態としては、基材の表面に別途層を形成した後、その層の表面に本発明によって得られる表面処理層の膜を形成してもよい。
以上、本発明の表面処理剤を使用して得られる物品について詳述した。なお、本発明の表面処理剤の用途、使用方法ないし物品の製造方法などは、上記で例示したものに限定されない。
本発明の表面処理剤について、以下の実施例を通じてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、パーフルオロポリエーテルを構成する繰り返し単位(OCFCF)、および(OCFCFCF)の存在順序は任意である。
・合成例1
温度計および撹拌機を取り付けた30mLの3つ口フラスコに、平均組成CFCFCF(OCFCFCF20OCFCFCOHで表されるパーフルオロポリエーテル変性カルボン酸体2.4g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン3g、下記化合物(A)で示されるアルミニウムキレート化合物0.4gを仕込み、窒素気流下、室温で16時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にアルミニウムキレートを有する下記式のパーフルオロポリエーテル基含有アルミニウム化合物(B)2.7gを得た。
・アルミニウムキレート化合物(A):
Figure 0006465232
・パーフルオロポリエーテル基含有アルミニウム化合物(B):
Figure 0006465232
・合成例2
温度計および撹拌機を取り付けた30mLの3つ口フラスコに、平均組成CFCFCF(OCFCFCF20OCFCFCHOHで表されるパーフルオロポリエーテル変性アルコール体2.8g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン2g、下記化合物(C)で示されるアルミニウムキレート化合物0.3gを仕込み、窒素気流下、室温で16時間撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にアルミニウムキレートを有する下記式のパーフルオロポリエーテル基含有アルミニウム化合物(D)3.0gを得た。
・アルミニウムキレート化合物(C):
Figure 0006465232

・パーフルオロポリエーテル基含有アルミニウム化合物(D):
Figure 0006465232
・実施例1
上記合成例1で得られた化合物(B)を、濃度0.2wt%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE7200)に溶解させて、表面処理剤1を調製した。
上記で調製された表面処理剤1を用いて、アルマイト(株式会社東陽理化学研究所製、100mm×100mm×0.8mm)の表面上に、30mm/秒の引き上げ速度で、ディプ処理した。その後、ディップ処理後のアルマイトを、温度150℃で1時間静置させた。その後室温まで冷却することで、表面処理層を形成した。
・実施例2
実施例1で調製された表面処理剤1を用いて、SUS304(日本テストパネル製、BA仕上げ、90mm×60mm×1mm)の表面上に、30mm/秒の引き上げ速度で、ディプ処理した。その後、ディップ処理後のSUS304を、温度150℃で1時間静置した。その後室温まで冷却することで、表面処理層を形成した。
・実施例3および4
化合物(B)に代えて、上記合成例2で得られた化合物(D)を用いたこと以外は実施例1または2と同様にして、表面処理層を形成した。
・比較例1および2
化合物(B)に代えて、下記対照化合物1を用いたこと以外は、実施例1または2と同様にして、表面処理層を形成した。
・対照化合物1
CF3CF2CF2(OCF2CF2CF2)20OCF2CF2CH2OP(O)(OH)2
(評価)
・静的接触角の測定
上記の実施例1〜4および比較例1〜2で得られた表面処理層の水の静的接触角を測定した。水の静的接触角の測定は、接触角測定装置(協和界面科学社製)を用いて、水1μLにて21℃、65%湿度の環境下で実施した。
・摩擦耐久性評価
上記の実施例1〜4および比較例1〜2にて基材表面に形成された表面処理層について、まず、初期評価として、その表面を、エタノールを含ませたコットンで拭いた後、表面処理層の水の静的接触角を測定した。
上記の実施例1〜4および比較例1〜2にて基材表面に形成された表面処理層について、消しゴム摩擦耐久試験により、摩擦耐久性を評価した。具体的には、表面処理層を形成したサンプル物品を水平配置し、消しゴム(コクヨ株式会社製、KESHI−70、平面寸法1cm×1.6cm)を表面処理層の表面に接触させ、その上に500gfの荷重を付与し、その後、荷重を加えた状態で消しゴムを20mm/秒の速度で往復させた。往復回数100回後に、水の静的接触角(度)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006465232
表1の結果から理解されるように、実施例1〜4の表面処理層は、優れた撥水性と優れた耐摩擦性を示すことが確認された。実施例1〜4の表面処理層に含まれるPFPE含有化合物に由来するアルミニウムキレート基、および、基材表面には、ともに金属が含まれるため、特に親和性が良好であると考えられる。その結果、表面処理層と基材との結合がより強固になり、初期の撥水性だけでなく、耐摩擦性も向上したと考えられる。
本発明は、種々多様な基材、特に透過性が求められる光学部材の表面に、表面処理層を形成するために好適に利用され得る。

Claims (21)

  1. 式(1A)または式(1B)で表されるパーフルオロポリエーテル基含有化合物を含む表面処理剤。
    Figure 0006465232
    [式中:
    Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し;
    PFPEは、各出現においてそれぞれ独立して、式:
    −(OC12−(OC10−(OC−(OC−(OC−(OCF
    (a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
    で表される基であり;
    PFPEは、PFPEと同意義であり;
    Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、(O−Rf11m2を表し;
    Rf11は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり;
    m2は、0〜4の整数であり、m2が2〜4の整数の場合(O−Rf11m2は2種以上のO−Rf11からなるものであってもよく;
    Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、(O−Rf21m3を表し;
    Rf21は、1以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり;
    m3は、0〜4の整数であり、m3が2〜4の整数の場合(O−Rf21m3は2種以上のO−Rf21からなるものであってもよく;
    Xは、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2〜10価の有機基を表し;
    α1は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜9の整数であり;
    α2は、各出現においてそれぞれ独立して、1〜9の整数であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、以下の式で表される基であり;
    Figure 0006465232
    Mは、各出現においてそれぞれ独立して、配位結合可能な金属原子であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、Xとの結合手を有する単座配位子を表し;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、Xとの結合手を有する二座配位子を表し;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、単座配位子を表し;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、多座配位子を表し;
    kは、0〜2の整数であり;
    lは、0〜2の整数であり;
    mは、0以上の整数であり;
    nは、0以上の整数であり;
    但し、kとlとの和は1〜4であり、lにRの配座数を乗じた値、nにRの配座数を乗じた値、kおよびmの和は、Mの配位数である。]
  2. 〜Rに含まれる配位原子が、酸素および窒素からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の表面処理剤。
  3. が、−R11−O−、または−R11N(R12)−である、請求項1または2に記載の表面処理剤。
    [式中、R11は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または2価の有機基であり、R12は、水素原子または1価の有機基である。]
  4. が、下記配位子(1−1’’)〜(1−6’’)のいずれか1つである、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
    Figure 0006465232

    [式中:
    #は、Mに配位する部分を示し;
    21、Xと結合し得る基であり、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基であり;
    22は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または1価の有機基であり;
    l1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜6の整数である。]
  5. が、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、および1価の有機基からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  6. が、二座配位子である、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  7. が、下記配位子(2−1’’)〜(2−6’’)からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
    Figure 0006465232
    [式中:
    #は、Mに配位する部分を示し;
    43は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または1価の有機基であり;
    44は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または1価の有機基であり;
    n1は、各出現においてそれぞれ独立して、0〜6の整数である。]
  8. kが1であり、lが0である、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  9. kが0であり、lが1である、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  10. nが1または2である、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  11. Mが、アルミニウム原子、亜鉛原子または遷移金属原子である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  12. Mが、アルミニウム原子、チタン原子、またはジルコニウム原子である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  13. Mが、アルミニウム原子である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  14. Xが2価の有機基であり、α1が1、およびα2が1である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  15. パーフルオロポリエーテル基含有化合物が式(1A)で表される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  16. PFPEが、各出現において独立して、下記式(a)、(b)または(c):
    −(OC− (a)
    [式中、dは1〜200の整数である。]
    −(OC−(OC−(OC−(OCF− (b)
    [式中、cおよびdは、それぞれ独立して、0以上30以下の整数であり;
    eおよびfは、それぞれ独立して、1以上200以下の整数であり;
    c、d、eおよびfの和は、10以上200以下の整数であり;
    添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
    −(R−R− (c)
    [式中、Rは、OCFまたはOCであり;
    は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から選択される2または3つの基の組み合わせであり;
    jは、2〜100の整数である。]
    である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  17. 含フッ素オイル、シリコーンオイル、アルコール、触媒、遷移金属、ハロゲン化物イオン、分子構造内に非共有電子対を有する原子を含む化合物から選択される1種またはそれ以上の他の成分をさらに含有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の表面処理剤を含有するペレット。
  19. 基材、および、該基材の表面に、請求項1〜17のいずれか1項に記載の表面処理剤より形成された層を含む物品。
  20. 物品が、光学部材である、請求項19に記載の物品。
  21. 物品が、ディスプレイである、請求項19または20に記載の物品。
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