JP2023040662A - 積層体、積層体付光学部材および画像表示装置 - Google Patents

積層体、積層体付光学部材および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの指が水で濡れていても、ユーザの指が水で濡れていなくても、優れた滑り性を実現できる積層体、積層体付光学部材および画像表示装置を提供すること。【解決手段】本発明の実施形態による積層体は、基材と、基材の厚み方向一方側に配置されている機能層とを備えている。当該積層体は、バウデン法の面接触による特定の摩擦試験において、水で濡れた接触子を用いて測定される機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数が、ともに0.13以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、積層体付光学部材および画像表示装置に関する。
スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピューター(PC)などのタッチパネル型入力装置を兼ねる画像表示装置が広く普及している。そのような画像表示装置には、代表的には、用途に応じた機能層を含む積層体が用いられている。積層体として、例えば、透明基材フィルムの一面側にハードコート層を設けたハードコートフィルムが知られている(例えば、特許文献1)。
近年、タッチパネル型入力装置を兼ねる画像表示装置の使用環境が多様化している。例えば、スマートフォンを入浴中や手洗いの直後などに使用して、ユーザの指が水で濡れた状態で、スマートフォンが操作される場合がある。
しかし、特許文献1に記載のハードコートフィルムを画像表示装置の前面板に用いると、ユーザの指が水で濡れている場合およびユーザの指が濡れていない場合のいずれにおいても、指の滑り性の向上には限度があり、画像表示装置の操作性が不十分となるおそれがある。
特許第5157819号
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、ユーザの指が水で濡れていても、ユーザの指が水で濡れていなくても、優れた滑り性を実現できる積層体、積層体付光学部材および画像表示装置を提供することにある。
本発明の実施形態による積層体は、基材と;前記基材の厚み方向一方側に配置されている機能層と;を備えている。該積層体は、バウデン法の面接触による下記摩擦試験において、水で濡れた接触子を用いて測定される前記機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数が、ともに0.13以下である。
(摩擦試験)
上記積層体を自動摩擦摩耗解析装置にセットし;第1工程として、上記接触子を上記機能層の表面に200gの荷重で接触させ;第2工程として、上記接触子を1.7mm/sの速度で50mm移動させて、上記機能層の表面の静止摩擦力および動摩擦力を測定し;第3工程として、上記接触子を上記機能層の表面から離間させて初期位置に戻し;上記第1工程、上記第2工程および上記第3工程を順に5回繰り返して、上記機能層の表面の静止摩擦力から上記機能層の表面の静摩擦係数を算出し、上記機能層の表面の動摩擦力から上記機能層の表面の動摩擦係数を算出する。
1つの実施形態においては、上記積層体は、下記表面力試験で測定される表面力の絶対値が110μN以下である。
(表面力試験)
ポリジメチルシロキサンから形成される表面層を有するプローブを備える表面力測定装置に上記積層体をセットし;プローブを初期位置に配置して、上記表面層に上記機能層の表面を接触させる。プローブが機能層と接触すると、ポリジメチルシロキサンのような付着性の高い物質の場合、接触した時にプローブが下方向に引き込まれるといった現象(濡れ)が生じる。この濡れが生じた時点をサンプルとプローブが接触した判断基準とする。;次いで、プローブの引き込まれ変位量をゼロにしたのち、上記プローブを上記積層体から離れる方向に移動させて、上記表面層が上記機能層の表面から離れたときに前記プローブに加わった荷重の最小値から上記積層体の表面力の絶対値を算出する。
1つの実施形態においては、上記機能層の表面における炭素元素比率が50原子%以下であり、上記機能層の表面におけるフッ素元素比率が30原子%以上である。
1つの実施形態においては、上記機能層の表面をX線光電子分光分析によって測定したC1sスペクトルにおいて、293eV~295eVの範囲に位置するピークの面積の総和は、280eV~300eVの範囲に位置するピークの面積の総和に対して、30面積%以上であり、293eV~294eVの範囲に位置するピークの面積は、294eV~295eVの範囲に位置するピークの面積に対して、1.5以上2.5以下である。
1つの実施形態においては、下記摺動性試験前後の上記静摩擦係数の差の絶対値と、下記摺動性試験前後の上記動摩擦係数の差の絶対値とが、ともに0.03以下である。
(摺動性試験)
上記積層体を摺動性試験装置にセットし;上記機能層の表面を水で濡らして、ゴム材料から形成される接触子を上記機能層の表面に2kgの荷重で接触させ;次いで、該接触子を66.7mm/sの速度で50mmの範囲を1000回往復移動させる。
1つの実施形態においては、上記摺動性試験前の上記動摩擦係数が、上記摺動性試験後の上記動摩擦係数よりも大きい。
1つの実施形態においては、上記機能層は、上記機能層の最表面に位置する指紋防止層を含み、該指紋防止層は、フッ素含有シラン化合物の蒸着膜からなる。
本発明の別の局面による積層体付光学部材は、上記積層体と;上記基材に対して上記機能層と反対側に配置される光学部材と;を備えている。
本発明のさらに別の局面による画像表示装置は、上記積層体を前面板として備えている。
本発明の実施形態によれば、ユーザの指が水で濡れていても、ユーザの指が水で濡れていなくても、優れた滑り性を実現できる。
図1は、本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図である。 図2は、本発明の別の実施形態による積層体の概略断面図である。 図3は、摩擦試験を説明するための説明図である。 図4(a)から図4(c)は、表面力試験を説明するための説明図であって、図4(a)は、プローブを初期位置に配置した状態を示し、図4(b)は、プローブを初期位置から上方に移動させている状態を示し、図4(c)は、プローブの表面層が機能層の表面から離れた状態を示す。 図5(a)および図5(b)は、摺動性試験を説明するための説明図であって、図5(a)は、接触子を往復移動させている状態を示し、図5(b)は、摺動性試験後の摩擦試験を示す。 図6は、乾燥した接触子を用いた摩擦試験の結果(摩擦係数)を示すグラフである。 図7は、水で濡れた接触子を用いた摩擦試験の結果(摩擦係数)を示すグラフである。 図8は、水を用いた摺動性試験前後の摩擦係数の差を示すグラフである。
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図であり;図2は、本発明の別の実施形態による積層体の概略断面図であり;図3は、摩擦試験を説明するための説明図である。
図示例の積層体1は、基材2と;基材2の厚み方向一方側に配置されている機能層3と;を備えている。機能層3における基材2と反対側の表面3aは、積層体1の最表面に位置している。
積層体1は、バウデン法の面接触による下記摩擦試験において、水で濡れた接触子を用いて測定される機能層の表面3aの静摩擦係数および動摩擦係数が、ともに0.13以下であり、好ましくは0.11以下である。
(摩擦試験)
積層体1を自動摩擦摩耗解析装置4にセットし;第1工程として、上記した接触子41を機能層の表面3aに200gの荷重で接触させ;第2工程として、接触子41を1.7mm/sの速度で50mm移動させて、機能層の表面3aの静止摩擦力および動摩擦力を測定し;第3工程として、接触子41を機能層の表面3aから離間させて初期位置に戻し;第1工程、第2工程および第3工程を順に5回繰り返して、機能層の表面3aの静止摩擦力から機能層の表面3aの静摩擦係数を算出し、機能層の表面3aの動摩擦力から機能層の表面3aの動摩擦係数を算出する。なお、摩擦試験の詳細については、後述する実施例において説明する。
このような積層体では、上記摩擦試験において、水で濡れた接触子を用いて測定される機能層の表面の静摩擦係数(以下、μs*水とする。)および動摩擦係数(以下、μk*水とする。)がともに上記上限以下である。そのため、ユーザの指が水で濡れている場合において優れた滑り性を実現できる。なお、μs*水およびμk*水のそれぞれの下限は、代表的には0.05以上である。
また、代表的には、上記摩擦試験において、乾燥した接触子を用いて測定される機能層の表面3aの静摩擦係数(以下、μs*無とする。)および動摩擦係数(以下、μk*無とする。)が、ともに0.15以下、好ましくは0.13以下、より好ましくは0.11以下である。そのため、ユーザの指が水で濡れていない場合においても優れた滑り性を実現できる。なお、μs*無およびμk*無のそれぞれの下限は、代表的には0.05以上である。
1つの実施形態において、μs*無に対するμs*水の比率(μs*水/μs*無)は、例えば0.7以上、好ましくは0.8以上であり、例えば1.3以下、好ましくは1.2以下である。μs*水/μs*無が上記の範囲であれば、ユーザの指が水で濡れていても、指が濡れていない場合と同等の滑り性を安定して実現できる。
1つの実施形態において、μk*無に対するμk*水の比率(μk*水/μk*無)は、例えば0.7以上、好ましくは0.8以上であり、例えば1.4以下、好ましくは1.3以下である。μk*水/μk*無が上記の範囲であれば、ユーザの指が水で濡れていても、指が濡れていない場合と同等の滑り性をより一層安定して実現できる。
図4(a)から図4(c)は、表面力試験を説明するための説明図である。
1つの実施形態において、積層体1は、下記表面力試験で測定される表面力の絶対値が110μN以下であり、好ましくは105μN以下である。
(表面力試験)
ポリジメチルシロキサンから形成される表面層51aを有するプローブ51を備える表面力測定装置5に積層体1をセットし;プローブ51を初期位置に配置して、表面層51aに機能層の表面3aを接触させ;次いで、プローブ51を積層体1から離れる方向に移動させて、表面層51aが機能層の表面3aから離れたときにプローブ51に加わった荷重の最小値から積層体の表面力の絶対値を算出する。なお、表面力試験の詳細については、後述する実施例において説明する。
上記表面力試験で測定される積層体1の表面力が上記下限以上であれば、機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数を上記した範囲に安定して調整できる。なお、積層体の表面力の絶対値は、代表的には80μN以上である。
1つの実施形態において、機能層の表面3aにおける炭素元素比率は50原子%以下、好ましくは40原子%以下であり、機能層の表面3aにおけるフッ素元素比率は30原子%以上である。機能層の表面における元素比率は、X線光電子分光法(ESCA)によって測定できる。なお、元素比率測定の詳細については、後述する実施例において説明する。
機能層の表面3aにおける炭素元素比率が上記上限以下、かつ、フッ素元素比率が上記下限以上であれば、機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数を上記した範囲により安定して調整できる。なお、機能層の表面3aにおける炭素元素比率は代表的には20原子%以上であり、フッ素元素比率は代表的には50原子%以下である。
また、機能層の表面3aにおける窒素元素比率は、例えば1.5原子%未満、好ましくは1.3原子%以下であり、例えば0原子%以上である。機能層の表面3aにおける窒素元素比率が上記上限以下であれば、機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数を上記した範囲により一層安定して調整できる。
1つの実施形態において、機能層の表面3aをX線光電子分光分析によって測定したC1sスペクトルにおいて、293eV~295eVの範囲に位置するピークの面積の総和は、280eV~300eVの範囲に位置するピークの面積の総和に対して、30面積%以上であり、293eV~294eVの範囲に位置するピークの面積は、294eV~295eVの範囲に位置するピークの面積に対して、1.5以上2.5以下である。なお、C1sスペクトル波形解析の詳細については、後述する実施例において説明する。
C1sスペクトルにおける293eV~295eVの範囲に位置するピークの面積割合が上記下限以上、かつ、293eV~294eVのピークの面積/294eV~295eVのピークの面積が上記範囲であれば、機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数を上記した範囲により一層安定して調整できる。なお、C1sスペクトルにおける293eV~295eVの範囲に位置するピークの面積割合は、代表的には80原子%以下である。
図5(a)および図5(b)は、摺動性試験を説明するための説明図である。
1つの実施形態において、下記摺動性試験前後の上記静摩擦係数の差の絶対値と、下記摺動性試験前後の上記動摩擦係数の差の絶対値とが、ともに0.03以下であり、好ましくは0.02以下である。
(摺動性試験)
積層体1を摺動性試験装置6にセットし;機能層の表面3aを、水で濡らして、ゴム材料から形成される接触子61を機能層の表面3aに2kgの荷重で接触させ;次いで、接触子61を66.7mm/sの速度で50mmの範囲を1000回往復移動させる。
その後、自動摩擦摩耗解析装置4の接触子41を水で濡らして、上記摩擦試験を実施する。
摺動性試験前後の静摩擦係数の差の絶対値と動摩擦係数の差の絶対値とが上記上限以下であると、積層体が使用されて機能層の表面が指などで摺擦されても、機能層の表面の優れた滑り性を十分に確保することができる。なお、上記摺動性試験前後の静摩擦係数の差の絶対値と動摩擦係数の差の絶対値は、代表的には0.0010以上である。
また、摺動性試験前の動摩擦係数は、好ましくは摺動性試験後の動摩擦係数よりも大きい。このような構成によれば、積層体の使用に伴って機能層の表面の滑り性を向上し得る。
B.基材
基材2は、任意の適切な透明樹脂で構成され得る。透明樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
透明樹脂のなかでは、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂が挙げられる。
基材2の厚みは、例えば40μm以上、好ましくは50μm以上であり、例えば100μm以下、好ましくは80μm以下である。
C.機能層
機能層3は、積層体1の用途に応じて要求される性能に応じて適切に設けられる。機能層3は、機能層3の表面3aが上記した特性および/または構成を有していれば、特に制限されない。
機能層3として、例えば、ハードコート層、反射防止層、指紋防止層、導電層が挙げられる。機能層3は、単一層であってもよく、複数の層が積層されて構成されてもよい。
図1に示す機能層3は、ハードコート層31であり、ハードコート層31における基材2と反対側の表面が表面3aに相当する。
ハードコート層31は、代表的には、ハードコート用コーティング剤を塗布して塗布層を形成し、塗布層に活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射して硬化させることにより形成される。ハードコート用コーティング剤は、ベース樹脂として活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートを含む。活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートとしては、例えば、紫外線硬化型(メタ)アクリレート、電子線硬化型(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、紫外線硬化型(メタ)アクリレートが挙げられる。紫外線硬化型(メタ)アクリレートは、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等を含む。紫外線硬化型(メタ)アクリレートは、紫外線重合官能基を好ましくは2個以上、より好ましくは3~6個有するモノマー成分およびオリゴマー成分を含む。代表的には、紫外線硬化型(メタ)アクリレートには、光重合開始剤が配合されている。硬化方式は、ラジカル重合方式であってもよく、カチオン重合方式であってもよい。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
ハードコート用コーティング剤は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤が挙げられる。含有される添加剤の種類、組み合わせ、含有量等は、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
活性エネルギー線(例えば、紫外線)の照射量(積算光量)は、例えば150mJ/cm~400mJ/cmである。必要に応じて、活性エネルギー線照射前に塗布層を加熱してもよい。加熱温度は、例えば70℃~160℃である。加熱時間は、例えば1分~4分である。
ハードコート層の厚みは、例えば3μm以上20μm以下である。
図2に示す機能層3は、ハードコート層31と、ハードコート層31に対して基材2の反対側に配置された反射防止層32と、反射防止層32に対して基材2の反対側に配置された指紋防止層33とを備えており、指紋防止層33における反射防止層32と反対側の表面が、機能層3の最表面に位置し、機能層3の表面3aに相当する。
反射防止層32の構成としては、任意の適切な構成が採用され得る。反射防止層32の代表的な構成としては、(1)光学膜厚が120nm~140nmである、屈折率1.35~1.55程度の低屈折率層の単一層;(2)中屈折率層と高屈折率層と低屈折率層とを有する積層体;(3)高屈折率層と低屈折率層との交互多層積層体;が挙げられる。
低屈折率層を形成し得る材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、フッ化マグネシウム(MgF)が挙げられる。低屈折率層の屈折率は、代表的には1.35~1.55程度である。高屈折率層を形成し得る材料としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(NbまたはNb)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、ZrO-TiOが挙げられる。高屈折率層の屈折率は、代表的には1.60~2.20程度である。中屈折率層を形成し得る材料としては、例えば、酸化チタン(TiO)、低屈折率層を形成し得る材料と高屈折率層を形成し得る材料との混合物(例えば、酸化チタンと酸化ケイ素との混合物)が挙げられる。中屈折率層の屈折率は、代表的には1.50~1.85程度である。低屈折率層、中屈折率層および高屈折率層の厚みは、反射防止層の層構造、所望の反射防止性能等に応じた適切な光学膜厚が実現されるように設定され得る。
反射防止層32は、代表的にはドライプロセスにより形成される。ドライプロセスの具体例としては、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。PVD法としては、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト法、スパッタリング法、イオンプレーティング法が挙げられる。CVD法としては、プラズマCVD法が挙げられる。反射防止層32を形成するドライプロセスは、好ましくは、スパッタリング法である。
反射防止層32の厚みは、例えば20nm~300nmである。
指紋防止層33の構成としては、任意の適切な構成が採用され得る。指紋防止層33は、代表的にはフッ素含有シラン化合物の蒸着膜からなる。フッ素含有シラン化合物として、例えば、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。指紋防止層33は、代表的には、上記した蒸着法により形成され、好ましくは、真空蒸着法により形成される。
指紋防止層33の厚みは、例えば1nm~50nmである。
D.積層体付光学部材および画像表示装置
上記A項~C項に記載の積層体は、光学部材の視認側に配置されて用いられ得る。したがって、本発明の1つの実施形態は、積層体と光学部材とを備えている積層体付光学部材も包含する。光学部材は、基材に対して機能層と反対側に配置される。光学部材の代表例としては、偏光板、位相差板が挙げられる。
また、そのような積層体付光学部材は、画像表示装置に適用され得る。したがって、本発明の1つの実施形態は、そのような積層体付光学部材を用いた画像表示装置も包含する。画像表示装置は、代表的にはタッチパネル型入力装置を兼ねる。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機EL表示装置が挙げられる。本発明の実施形態による画像表示装置は、代表的には、上記積層体を前面板として備える。画像表示装置は、画像表示パネルを含む。画像表示パネルは、画像表示セルを含む。なお、画像表示装置を光学表示装置と称する場合があり、画像表示パネルを光学表示パネルと称する場合があり、画像表示セルを光学表示セルと称する場合がある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)摩擦試験
図3に示すように、各実施例および各比較例で得られた積層体1を、自動摩擦摩耗解析装置4(協和界面科学社製、商品名TSf-503、測定方法;バウデン法の面接触)にセットした。詳しくは、積層体1を、機能層の表面3aが上面となるように、自動摩擦摩耗解析装置4が有するステージ(図示せず)上に、水平に配置した。
次いで、自動摩擦摩耗解析装置4が有する接触子41(アンティコン、CONTEC社製、商品名アンティコンゴールドスーパーソーブ 9インチ角 バルクパック(AP))に、水64μLを浸み込ませるか、あるいは、水を浸み込ませずに乾燥状態を維持した(表1における無)。接触子41の材料は、ポリエステル繊維であり、接触子41の密度は、23.5g/cm、接触子41のサイズは、縦1cm×横1cm×厚み0.56mmであった。
次いで、第1工程として、接触子41(水で濡れた接触子41または乾燥した接触子41)を機能層の表面3aに200gの荷重で接触させた。詳しくは、自動摩擦摩耗解析装置4が有する保持具42に接触子41を保持させて、接触子41を保持具42と機能層の表面3aとの間に挟みこみ、保持具42によって、接触子41を機能層の表面3aに上記荷重で押し付けた。
次いで、第2工程として、接触子41を、機能層の表面3aに押し付けた状態で、積層体1の長辺方向に1.7mm/sの速度で50mm移動させて、機能層の表面3aの静止摩擦力および動摩擦力を測定した。
次いで、第3工程として、保持具42を上方に移動させ、接触子41を機能層の表面3aから離間させて、第1工程前の初期位置に戻した。
その後、第1工程、第2工程および第3工程を順に5回繰り返して、第2工程で測定した機能層の表面3aの静止摩擦力の平均値から機能層の表面3aの静摩擦係数μsを算出し、第2工程で測定した機能層の表面の動摩擦力の平均値から機能層の表面3aの動摩擦係数μkを算出した。
また、第2工程で測定した機能層の表面の動摩擦力から、最大摩擦係数μkmaxおよび最小摩擦係数μkminを算出し、最大摩擦係数μkmaxと最小摩擦係数μkminとの差μkwを算出した。
また、乾燥した接触子を用いた場合の静摩擦係数μs*無に対する、水で濡れた接触子を用いた場合の静摩擦係数μs*水の比率、および、乾燥した接触子を用いた場合の動摩擦係数μk*無に対する、水で濡れた接触子を用いた場合の動摩擦係数μk*水の比率を算出した。それらの結果を表1に示す。
さらに、摩擦試験結果(μs、μk、μkmax、μkminおよびμkw)に関して、乾燥した接触子を用いた場合を図6に示し、水で濡れた接触子を用いた場合を図7に示す。
なお、摩擦試験における環境条件は、30℃50%RHであった。
(2)表面力試験
図4に示すように、各実施例および各比較例で得られた積層体1を、表面力測定装置5(ELIONIX社製、商品名ENT-NEXUS)にセットした。詳しくは、積層体1を、機能層の表面3aが上面となるように、表面力測定装置5が有するステージ52上に、水平に配置した。表面力測定装置5は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から形成される表面層51aを有するプローブ51を備えている。プローブ51は、上下方向に移動可能である。プローブ51は、直径1mmの金属球(SUJ2)を有機溶媒(アセトン)中で10分間超音波洗浄して、その後純水でリンス、中性洗剤水溶液中で10分間超音波洗浄、純水でリンス、の順で洗浄したのち、ポリジメチルシロキサンである一液性無溶剤脱アルコール型のシリコーン接着剤(スリーボンド社製、電気・電子用シリコーン接着シール剤)を、金属球の表面に塗布することで作製した。表面層51aは、弾性を有しており、表面層51aの引張強度E´は2.2MPa、硬さ(デュロメータA)F´は20である。表面層51aの厚みは、1μmである。
次いで、図4(a)に示すように、プローブ51を初期位置に配置して、表面層51aに機能層の表面3aを、実質的に荷重は加えずに接触させた。
次いで、図4(b)および図4(c)に示すように、プローブ51を積層体1から離れる方向(具体的には上方)に、50μN/sの速度で移動させて、表面層51aが機能層の表面3aから離れたときにプローブ51に加わった荷重の最小値から表面力の絶対値を算出した。
上記表面力試験を3回繰り返した(n1~n3)。その結果を表2に示す。
なお、表面力試験における環境条件は、30℃50%RHであった。
(3)官能基定量測定
各実施例および各比較例で得られた積層体1を10mm角に切り出し、走査型X線光電子分光装置(ULVAC-PHI社製、商品名Quantum 2000)に固定した後、試料最表面についてワイドスキャン測定(X線源:モノクロAlKα、Xray Setting:200μmφ[15kV,30W]、光電子取り出し角:試料表面に対して45度、結合エネルギーの補正:C1sスペクトルのC-C結合由来のピークを285.0eVに補正、中和条件:中和銃とArイオン銃(中和モード)の併用)し、定性分析を行った。また、表2に示した元素について、ワイドスキャン測定と同様の条件にて、ナロースキャン測定を行い、元素比率(原子%)の算出を行った。
上記官能基定量測定を2回繰り返した(n1およびn2)。その結果を表2に示す。
(4)C1sスペクトル波形解析
上記した(3)にて算出したC1sスペクトルに対して、表2に示したピークで波形解析を行った。
得られたC1sスペクトルにおいて、結合エネルギー値280eV~300eVの範囲に、表2に示すピーク1~7が確認された。結合エネルギー値に基づいて、ピーク1~7に対応する構成官能基成分を、表2に示すように同定した。また、280eV~300eVの範囲に位置するピークの面積の総和(ピーク1~7の面積の総和)に対する、各ピークの面積%と、ピーク7の面積に対するピーク6の面積割合とを表2に示す。
(5)摺動性試験
図5(a)に示すように、上記した摩擦試験後の各実施例および各比較例で得られた積層体1を、摺動性試験装置6(小川精機社製、商品名10連ペン試験機)にセットした。詳しくは、積層体1を、機能層の表面3aが上面となるように、摺動性試験装置6が有するステージ(図示せず)上に、水平に配置した。摺動性試験装置6は、ゴム材料から形成される接触子61(minoan社製、商品名RUBBER STICK、製品コード4004005007)と、接触子61を保持する保持具62とを備えている。
次いで、機能層の表面3aを、水で濡らして、接触子61を機能層の表面3aに2kgの荷重で接触させた。
次いで、接触子61を、機能層の表面3aに押し付けた状態で、積層体1の長辺方向に66.7mm/sの速度で50mmの範囲を1000回往復移動させた。なお、摺動性試験における環境条件は、25℃50%RHであった。
次いで、図5(b)に示すように、摺動性試験後の積層体1を、接触子41が摺動跡61aに接触するように、自動摩擦摩耗解析装置4にセットし、上記摩擦試験と同様にして、摺動性試験後の機能層の表面3aの静摩擦係数μs、動摩擦係数μk、最大摩擦係数μkmaxおよび最小摩擦係数μkminを算出した。摺動性試験前後の静摩擦係数の差Δμs、動摩擦係数の差Δμk、最大摩擦係数の差Δμkmax、最小摩擦係数の差Δμkminと、Δμkwとを表3に示す。
また、摺動性試験前後の摩擦試験結果(Δμs、Δμk、Δμkmax、ΔμkminおよびΔμkw)を図8に示す。
[実施例1]
<ハードコート用コーティング剤Aの調製>
ベース樹脂としての多官能アクリレート(アイカ工業社製、商品名Z-850-27ALL)100質量部、レベリング剤(DIC社製、商品名GRANDIC PC-4100)0.5質量部、および、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名イルガキュア907)3.9質量部を混合し、固形分濃度が40質量%となるように、メチルイソブチルケトンで希釈することにより、ハードコート用コーティング剤Aを調製した。
<ハードコート用コーティング剤Bの調製>
ベース樹脂としての多官能アクリレート(アイカ工業社製、商品名Z-850-16ALL)100質量部、レベリング剤(信越化化学社製、商品名KY-1203)0.15質量部、および、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名イルガキュア127)3質量部を混合し、固形分濃度が50質量%となるように、メチルイソブチルケトンで希釈することにより、ハードコート用コーティング剤Bを調製した。
<積層体の作製>
基材として透明ポリイミドフィルム(KOLON社製、商品名CPITMC_80、厚み80μm)の片面に、コーティング剤Aを塗布して塗布層を形成し、塗布層を透明ポリイミドフィルムとともに120℃で1分間加熱した。次いで、塗布層に高圧水銀ランプを用いて紫外線を積算光量200mJ/cmで照射することにより、機能層としてのハードコート層(HC)Aを形成した。ハードコート層Aの厚みは、5μmであった。
次いで、ハードコート層Aの上に、コーティング剤Bを塗布して塗布層を形成し、塗布層を透明ポリイミドフィルムとともに85℃で1分間加熱した。次いで、塗布層に高圧水銀ランプを用いて紫外線を積算光量250mJ/cmで照射することによりハードコート層(HC)Bを形成した。ハードコート層Bの厚みは、5μmであった。
以上によって、透明ポリイミドフィルム(基材)と、ハードコート層AおよびBとを備える積層体を作製した。
[実施例2]
<積層体の作製>
基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名50U48、厚さ50μm)の片面に、ハードコート用コーティング剤Aを塗布して塗膜を形成した。次に、この塗膜を、加熱により乾燥させた後、紫外線照射により硬化させた。加熱の温度は90℃とし、加熱の時間は60秒間とした。紫外線照射では、光源として高圧水銀ランプを使用し、波長365nmの紫外線を用い、積算照射光量を300mJ/cmとした。これにより、PETフィルム上に厚さ5μmのハードコート層(HC)を形成した。
次に、ロールトゥロール方式のプラズマ処理装置により、HC層付きPETフィルムのHC層表面を、1.0Paの真空雰囲気下でプラズマ処理した。このプラズマ処理では、不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、放電電力を780Wとした。
次に、プラズマ処理後のHC層付きPETフィルムのHC層上に、反射防止層を形成した。具体的には、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置により、HC層付きPETフィルムのHC層上に、密着層としての厚さ2.0nmのインジウムスズ酸化物(ITO)層と、無機酸化物下地層としての厚さ165nmのSiO層とを、順次に形成した。密着層の形成では、ITOターゲットを用い、不活性ガスとしてのアルゴンガスと、アルゴンガス100体積部に対して10体積部の反応性ガスとしての酸素ガスとを用い、放電電圧を350Vとし、成膜室内の気圧(成膜気圧)を0.4Paとし、MFACスパッタリングによってITO層を成膜した。無機酸化物下地層の形成では、Siターゲットを用い、100体積部のアルゴンガスおよび30体積部の酸素ガスを用い、放電電圧を350Vとし、成膜気圧を0.3Paとし、MFACスパッタリングによってSiO層を形成した。
次に、反射防止層上に指紋防止層を形成した。具体的には、パーフルオロポリエーテル基含有のアルコキシシラン化合物を蒸着源として用いた真空蒸着法により、厚さ6nmの指紋防止層を、無機酸化物下地層上に形成した。蒸着源は、信越化学工業社製の「KY1903-1」(パーフルオロポリエーテル基含有アルコキシシラン化合物、固形分濃度20質量%)を乾燥して得た固形分である。また、真空蒸着法における蒸着源の加熱温度は260℃とした。
以上によって、PETフィルム(基材)と、ハードコート層と、反射防止層(密着層および無機酸化物下地層)と、指紋防止層とを備える積層体を作製した。
[比較例1]
<ハードコート用コーティング剤Cの調製>
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマーおよびオリゴマーの混合物が酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC社製、商品名ユニディック17-806、固形分濃度80質量%)に、その溶液中の固形分100質量部当たり、光重合開始剤(BASF社製、商品名IRGACURE906)5質量部、レベリング剤(DIC社製、商品名GRANDIC PC4100)0.01部を添加した。上記溶液中の固形分濃度が36質量%となるように、上記配合液にシクロペンタノンとプロピレングリコールモノメチルエーテルを45:55の比率で加えた。このようにしてハードコート用コーティング剤Cを作製した。
<積層体の作製>
次いで、ハードコート用コーティング剤Cを、基材としての透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー社製、商品名KC4UY、厚さ40μm、屈折率1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコート層(HC)の厚みが7.8μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
以上によって、セルローストリアセテートフィルム(基材)と、ハードコート層とを備える積層体を作製した。
[比較例2]
<防眩層形成材料の調製>
防眩層形成材料に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DIC社製、商品名ユニディック17-806、固形分80質量%)100重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100質量部あたり、防眩層形成粒子としてスチレン架橋粒子(綜研化学社製、商品名MX-350H、重量平均粒径3.5μm、屈折率1.59)14質量部、チキソトロピー付与剤として有機粘度である合成スメクタイト(クニミネ工業社製、商品名スメクトンSAN)2.5質量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名OMNIRAD907)5重量部、および、レベリング剤(DIC社製、商品名メガファックF-556、固形分100質量%)0.5重量部を混合した。この混合物を固形分濃度が30質量%となるように、トルエン/酢酸エチル混合溶媒(重量比90/10)で希釈して、防眩層形成材料(塗工液)を調製した。
<積層体の作製>
次いで、基材として透明プラスチックフィルム基材(TACフィルム、富士フィルム社製、商品名TG60UL、厚さ60μm)を準備した。透明プラスチックフィルム基材の片面に、防眩層形成材料(塗工液)を、バーコータを用いて塗膜を形成した。そして、この塗膜が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、110℃で1分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、塗膜を硬化処理して厚み5.0μmの防眩層を形成した。
以上によって、TACフィルム(基材)と、防眩層とを備える積層体を作製した。
Figure 2023040662000002
Figure 2023040662000003
Figure 2023040662000004
本発明の積層体は、積層体付光学部材、画像表示装置(代表的には、液晶表示装置、有機EL表示装置)に好適に用いられ得る。
1 積層体
2 基材
3 機能層
3a 機能層の表面
4 自動摩擦摩耗解析装置
41 接触子
5 表面力測定装置
51 プローブ
51a 表面層
6 摺動性試験装置

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材の厚み方向一方側に配置されている機能層と、を備え、
    バウデン法の面接触による下記摩擦試験において、水で濡れた接触子を用いて測定される前記機能層の表面の静摩擦係数および動摩擦係数が、ともに0.13以下である、積層体:
    (摩擦試験)
    前記積層体を自動摩擦摩耗解析装置にセットし;
    第1工程として、前記接触子を前記機能層の表面に200gの荷重で接触させ;
    第2工程として、前記接触子を1.7mm/sの速度で50mm移動させて、前記機能層の表面の静止摩擦力および動摩擦力を測定し;
    第3工程として、前記接触子を前記機能層の表面から離間させて初期位置に戻し;
    前記第1工程、前記第2工程および前記第3工程を順に5回繰り返して、前記機能層の表面の静止摩擦力から前記機能層の表面の静摩擦係数を算出し、前記機能層の表面の動摩擦力から前記機能層の表面の動摩擦係数を算出する。
  2. 下記表面力試験で測定される前記積層体の表面力の絶対値が110μN以下である、請求項1に記載の積層体:
    (表面力試験)
    ポリジメチルシロキサンから形成される表面層を有するプローブを備える表面力測定装置に前記積層体をセットし;
    前記プローブを初期位置に配置して、前記表面層に前記機能層の表面を接触させ;
    次いで、前記プローブを前記積層体から離れる方向に移動させて、前記表面層が前記機能層の表面から離れたときに前記プローブに加わった荷重の最小値から前記積層体の表面力の絶対値を算出する。
  3. 前記機能層の表面における炭素元素比率が50原子%以下であり、
    前記機能層の表面におけるフッ素元素比率が30原子%以上である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記機能層の表面をX線光電子分光分析によって測定したC1sスペクトルにおいて、
    293eV~295eVの範囲に位置するピークの面積の総和は、280eV~300eVの範囲に位置するピークの面積の総和に対して、30面積%以上であり、
    293eV~294eVの範囲に位置するピークの面積は、294eV~295eVの範囲に位置するピークの面積に対して、1.5以上2.5以下である、請求項3に記載の積層体。
  5. 下記摺動性試験前後の前記静摩擦係数の差の絶対値と、下記摺動性試験前後の前記動摩擦係数の差の絶対値とが、ともに0.03以下である、請求項1から4のいずれかに記載の積層体:
    (摺動性試験)
    上記積層体を摺動性試験装置にセットし;
    前記機能層の表面を水で濡らして、ゴム材料から形成される接触子を前記機能層の表面に2kgの荷重で接触させ;
    次いで、前記接触子を66.7mm/sの速度で50mmの範囲を1000回往復移動させる。
  6. 前記摺動性試験前の前記動摩擦係数が、前記摺動性試験後の前記動摩擦係数よりも大きい、請求項5に記載の積層体。
  7. 前記機能層は、前記機能層の最表面に位置する指紋防止層を含み、
    前記指紋防止層は、フッ素含有シラン化合物の蒸着膜からなる、請求項1から6のいずれかに記載の積層体。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の積層体と、
    前記基材に対して前記機能層の反対側に配置される光学部材と、を備える、積層体付光学部材。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の積層体を前面板として備える、画像表示装置。
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