JP2015105047A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵から、制御装置30による操舵への切り替えを、ユーザに違和感を与えることを抑制しつつ行うこと。
【解決手段】制御装置30では、プランナ32によって設定された目標進路に基づき、タイヤ角指令値θ*を算出し、これをステアリングギア比Rsによって変換することで、操舵角指令値θs*を算出する。制御装置30は、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵がなされているときにおいて、ステアリング10に対する入力操作による操舵角θsと操舵角指令値θs*との乖離度合いが小さい状態が継続することを条件に、タイヤ角θをタイヤ角指令値θ*に制御するために電動パワーステアリング14を操作する操舵制御に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ角を転舵制御するためのアクチュエータの操作量を車両の目標進路に基づき算出する車両用操舵制御装置に関する。
たとえば特許文献1に見られるように、ユーザによってステアリングの操舵角が所定以上とされることで自動操舵中に自動操舵から手動操舵に切り換えられた後、ステアリングの操舵角が所定未満となることを条件に、自動操舵に自動的に切り替える装置が提案されている。この装置では、ステアリングの操舵角が所定未満となった後、目標進路と車両の実際の進路との差が閾値以下となることで、自動的に自動操舵に切り替えている。
特開2012−51441号公報
発明者らは、ステアリングの操舵角が所定以上である場合に自動操舵に切り替えることを検討した。ステアリングの操舵角が所定以上であるときには、操舵角が変化することがあり、操舵角の変化に応じたタイヤ角の変化が車両の実際の向きに反映されるまでには時間を要する。このため、タイヤ角の変化が実際の進路に反映される前に目標進路と実際の車両の進路とを比較することで、それらの差が閾値以下であると判定される場合、自動操舵がユーザの意図するものと整合していないおそれがある。このため、ステアリングの操舵角が所定以上である状態において、上記自動操舵の実行条件として上記進路の差が閾値以下となる条件のみを採用した場合には、自動操舵処理の開始に伴って、車両の挙動がユーザに違和感を与えるおそれがある。
なお、上記装置では、タイヤ角を転舵制御するためのアクチュエータの操作がステアリングに対する入力操作に基づいてなされる場合と、ステアリングに対する入力操作とは独立に自動操舵によってなされる場合とを切り替えるものである。この場合、手動操舵から自動操舵への切り替えに伴って、自動操舵のために算出された操作量がアクチュエータの操作に寄与する割合である寄与率は、ゼロから100%に切り替えられる。ただし、こうした装置に限らず、たとえば、寄与率をゼロから100パーセントよりも小さい所定値に切り替えるもの等、寄与率を増大させる処理を実行するものにあっては、その実行条件によっては、車両の挙動がユーザに違和感を与えるおそれのある上記実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、目標進路に基づき算出される操作量がアクチュエータの操作に寄与する寄与率を増大させる処理を、ユーザに違和感を与えることを抑制しつつ実行することのできる車両用操舵制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
技術的思想1:タイヤ角を転舵制御するためのアクチュエータを操作する操作部と、前記アクチュエータの操作量を車両の目標進路に基づき算出する算出処理を行う算出処理部と、ステアリングの操舵角が所定以上であるとき、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵と、前記目標進路に基づく操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定する整合判定部と、前記操作部が少なくとも前記ステアリングに対する入力操作に基づいて前記アクチュエータを操作しているとき、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定されることを条件に、前記算出処理によって算出される操作量が前記操作部によってなされる前記アクチュエータの操作に寄与する割合である寄与率を増大させる寄与率増大部と、を備える車両用操舵制御装置。
上記装置では、整合判定部によって、ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵と、前記目標進路に基づく操舵とが所定以上の整合性を有すると判定されることを、寄与率を増大させる条件とする。ここで、所定以上の整合性を有すると判定される場合には、ステアリングの入力操作に応じた車両の操舵と、目標進路に基づく操舵とが整合しているために、寄与率を増大させたとしても、車両の挙動がユーザに違和感を与えることを好適に抑制することができる。
ところで、操舵角が変更される場合、操舵角が変更されてから車両の向きが変わるまでには遅れが生じうる。このため、操舵角が所定以上であるときに算出処理部によって算出される操作量の寄与率を増大させる処理によって車両の挙動がユーザに違和感を与えないようにするためには、ユーザが車両を直進させようとしているときに限って実行されるレーンキープアシスト処理と比較して、寄与率を増大させる条件をより慎重なものとする必要があると考えられる。したがって、ステアリングに対する所定以上の入力があるときに上記所定以上の整合性を有するか否かを判定する整合判定部は、寄与率を増大させる処理の実行条件の成立の有無を判定するものとしての利用価値が特に大きい。
技術的思想2:前記整合判定部は、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関するパラメータとして、前記ステアリングに対する入力操作による操舵角、該入力操作に応じたタイヤ角、および該入力操作に応じた操作量の少なくとも1つを入力として前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するものである技術的思想1記載の車両用操舵制御装置。
入力操作に応じた操舵角、タイヤ角、および操作量は、ユーザによるステアリングに対する入力操作に応じて定まる量である。この点、上記装置では、入力操作に応じた操舵角、タイヤ角、および操作量の少なくとも1つを所定以上の整合性を有するか否かを判定するための入力として用いることで、ユーザによるステアリングに対する入力操作に応じた操舵を簡易且つ高精度に把握しつつ所定以上の整合性を有するか否かを判定することができる。
技術的思想3:前記整合判定部は、前記算出処理によって生成される中間変数、および前記操作量のいずれかである演算パラメータを入力とし、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵と、前記算出処理によって算出される前記操作量が前記アクチュエータの実際の操作量に寄与する率である寄与率を増大させたと仮定した場合に実現される操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定するものである技術的思想1または2記載の車両用操舵制御装置。
上記演算パラメータは、算出処理部によって算出される操作量の寄与率を増大させることによって実現される操舵を特定するために適切なパラメータである。したがって、上記演算パラメータを入力とする整合判定部の上記判定によれば、寄与率を増大させることで車両の示す挙動がユーザに違和感を与えることを抑制できる条件を、寄与率を増大させる条件とすることができる。
技術的思想4:前記算出処理部は、前記中間変数として車両の進路を前記目標進路とするための制御量の指令値を設定し、前記制御量を前記指令値に制御すべく、前記アクチュエータの操作量を算出するものである技術的思想3記載の車両用操舵制御装置。
技術的思想5:前記制御量が、車両のヨー角、ヨーレート、車線における車両の進行方向に直交する方向のの速度の少なくとも1つを含む技術的思想4記載の車両用操舵制御装置。
車両のヨー角、ヨーレート、車線における車両の進行方向に直交する方向の速度は、車両の操舵制御にとって重要なパラメータである。このため、制御量として上記パラメータを採用することで、算出処理部を適切に構成することができる。
技術的思想6:前記整合判定部は、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関するパラメータとして、前記ステアリングに対する入力操作に応じた操舵角、該入力操作に応じたタイヤ角、および該入力操作に応じた操作量の少なくとも1つを入力として前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するものであり、前記整合判定部に入力される前記演算パラメータは、前記中間変数としての前記タイヤ角の指令値、前記中間変数としての操舵角の指令値、前記中間変数としての前記タイヤ角の指令値および前記操舵角の指令値のいずれかをステアリングギア比情報に基づき正規化したもの、ならびに前記操作量のうち、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関するパラメータとして入力されたものと同一の次元を有するものである技術的思想3〜5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、操舵角、タイヤ角、および操作量の少なくとも1つについての実際の値と、算出処理部による値とが、所定以上の整合性を有するか否かの判定に用いられる。ここで、上記操舵角や、タイヤ角、操作量は、算出処理部の出力側のパラメータであるため、アクチュエータの実際の動作を定めるパラメータであり、車両の挙動に直結しやすいパラメータである。このため、上記装置では、寄与率を増大させた場合の車両の挙動と入力操作に応じた車両の挙動とが所定以上の整合性を有するか否かを高精度に判定することができる。
技術的思想7:前記整合判定部は、前記中間変数としてのタイヤ角の指令値または操舵角の指令値と前記入力操作に応じた操舵角または前記入力操作に応じたタイヤ角とについての互いの大きさの単位を同一とする正規化が必要に応じてなされた際の乖離度合い、および前記ステアリングに対する入力操作に応じた操作量と前記算出処理によって算出される操作量との乖離度合いの少なくとも一方が所定以下となる期間が所定時間以上となることを条件に、所定以上の整合性を有すると判定する技術的思想6記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、上記少なくとも一方が所定以下となる状態が継続することを条件に、所定以上の整合性を有すると判定することで、上記少なくとも一方についての高階の微分値等によらず、上記判定を行うことができる。
技術的思想8:前記算出処理部は、フィードバック制御部を備え、前記フィードバック制御部は、フィードバック制御量についての現在のサンプリング値と所定個数以上の過去のサンプリング値とに基づき、その出力が決定される所定履歴反映制御部と、前記寄与率を増大する処理がなされていない場合、増大する処理がなされている場合と比較して、前記所定履歴反映制御部がその出力を決定する処理のゲインを低下させるゲイン低下処理部とを備え、前記整合判定部は、前記ゲイン低下処理部によってゲインの低下処理がなされている状態における前記算出処理部による前記演算パラメータを入力として前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するものであり、前記整合判定部に入力される前記演算パラメータは、前記所定履歴反映制御部よりも下流に位置するパラメータである技術的思想3〜7のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
所定履歴反映制御部は、現在のサンプリング値に加えて所定個数以上の過去のサンプリング値に基づき、出力値を決定するために、現在のサンプリング値のみを用いたのでは実現できない制御を行うことが可能となる。ただし、寄与率が増大されていないときにおいて、増大されているときと所定履歴反映制御部のゲインを同一とする場合には、所定履歴反映制御部の出力値がアクチュエータの操作量に寄与する率が低いために、その出力値が不適切な値として時間発展するおそれがある。このため、ゲインを同一とする場合、所定履歴反映制御部の出力値の下流に位置することで出力値が反映される演算パラメータを整合判定部の入力とする場合、所定以上の整合性を有するか否かの判定精度が低下する懸念がある。この点、上記装置では、ゲイン低下処理部を備えることで、こうした懸念すべき事態の発生を好適に抑制することができる。
技術的思想9:前記整合判定部は、前記制御量としての車両のヨー角、ヨーレート、車線における車両の進行方向に直交する方向の位置、車両の進行方向に直交する方向の速度の少なくとも1つについての実際の値を、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関する入力するとともに、対応する前記制御量の指令値を前記中間変数として入力することで、前記所定以上の整合性を有するか否かを判定する技術的思想5記載の車両用操舵制御装置。
算出処理部による操舵は、制御量の指令値に応じて定まる。この点、上記装置では、算出処理部が制御量とするパラメータを入力することで、所定以上の整合性を有するか否かを判定するうえで、寄与率を増大させた場合の車両の挙動についての精度のよい情報を用いることができる。
技術的思想10:前記寄与率増大部は、前記寄与率を増大させる処理を、実際の操作量を、前記入力操作に応じた操作量から前記寄与率を増大させることで実現される操作量へと徐々に移行させることで行う漸増処理部を備える技術的思想1〜9のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、寄与率を増大させる場合、寄与率をステップ状に増大させるのではなく、漸増処理部により寄与率を徐々に増大させる。このため、寄与率をステップ状に増大させる場合と比較して寄与率の増大をより円滑に行うことができる。
技術的思想11:前記寄与率増大部による寄与率の増大処理の実行を許可するか否かの指示をユーザが入力する入力部を備え、前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記入力部に実行を許可する旨の入力がなされる条件が含まれる技術的思想1〜10のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、入力部に実行を許可する旨の入力がなされることを条件に寄与率を増大させるため、寄与率を増大させることをユーザが望まない場合に、寄与率を増大させる事態が生じることを好適に抑制することができる。
技術的思想12:前記入力部に前記実行を許可する入力操作がなされることを検知する検知部を備え、前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定された後に前記検知部によって前記入力操作が検知される条件が含まれる技術的思想11記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定された後に実行を許可する入力操作がなされることを寄与率を増大させる条件とすることで、ユーザが寄与率の増大処理を意図するか否かをより確実に把握しつつ、寄与率の増大処理を実行することができる。
技術的思想13:前記入力部に前記実行を許可する入力操作がなされることを検知する検知部と、前記整合判定部が前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するための入力パラメータを記録する記録部とを備え、前記整合判定部は、前記検知部によって前記入力操作が検知される場合、該検知される以前の所定時間において前記記録部によって記録された入力パラメータの時系列データに基づき、前記所定以上の整合性を有するか否かを判定する技術的思想11記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、入力部に実行を許可する旨の入力がなされることを条件に所定以上の整合性を有するか否かを判定するため、寄与率を増大させることをユーザが望まない場合に、寄与率を増大させる事態が生じることを好適に抑制することができる。
技術的思想14:前記入力部に前記実行を許可する入力操作がなされることを検知する検知部を備え、前記整合判定部は、車両の走行中に前記検知部によって前記入力操作が検知された後、前記所定以上の整合性を有するか否かの判定を実行する技術的思想11記載の車両用操舵制御装置。
上記装置では、車両の走行中に入力部に実行を許可する旨の入力がなされることを条件に所定以上の整合性を有するか否かを判定するため、車両の走行以前や前回の走行時に入力部に実行を許可する旨の入力がなされても、所定以上の整合性を有するか否かを判定しない。このため、寄与率を増大させることをユーザが望まない場合に、寄与率を増大させる事態が生じることを好適に抑制することができる。
技術的思想15:前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定される条件に加えて、(a)車線の認識の信頼度が所定以上である条件と、(b)前記算出処理によって算出される操作量、および該操作量に応じたタイヤ角の少なくとも一方が、マージンを所定以上有するものである条件と、の少なくとも1つが含まれる技術的思想1〜14のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
車線の認識の信頼度が低い場合には、算出処理部による操舵の信頼性が低くなることが懸念される。このため、ステアリングに対する入力操作による操舵の方が望ましいと考えられる。この点、上記(a)を条件とすることで、算出処理部による操舵の信頼性が低下する場合には、ステアリングに対する入力操作による操舵を優先することができる。
一方、一般に、制御器には、上限、下限等が設けられており、この事情は算出処理部にも該当しうる。また、アクチュエータの操作量、制御量にも限界がある。そして限界値(上限、下限)とのマージンが少ない場合には、算出処理部による制御を適切に行うことが困難となる事態も想定しうる。この点、上記(b)を条件とすることで、こうした事態が生じることを好適に抑制することができる。
技術的思想16:前記算出処理部は、フィードバック制御部を備え、前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定される条件に加えて、フィードバック制御部の出力の絶対値が所定以下である条件が含まれる技術的思想1〜15のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
フィードバック制御部の出力値が大きい場合には、小さい場合と比較して制御の安定性が低下する傾向がある。上記装置では、この点に鑑み、フィードバック制御部の出力の絶対値が所定以下である条件を寄与率を増大させる処理の実行条件に含めることで、寄与率を増大させた後の算出処理部による制御を安定させることが容易となる。
第1の実施形態にかかるブロック図。 同実施形態にかかるヨー角およびオフセットを示す図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる操舵制御スイッチの特性を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 (a)〜(d)は、同実施形態にかかる操舵制御開始処理の一例を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる操舵制御の評価処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかるブロック図。 第5の実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 第6の実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、第7の実施形態にかかる操舵制御スイッチの特性を示すタイムチャート。 第8の実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 第9の実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。 第10の実施形態にかかる操舵制御開始処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、車両用操舵制御装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
ステアリング10は、ロッド12、ピニオン16およびラックバー18を介して、車輪(操舵輪20)に機械的に連結されている。ラックバー18には、電動パワーステアリング14が接続されている。電動パワーステアリング14は、ステアリング10に対する入力操作をアシストするための操舵アシスト装置である。また、電動パワーステアリング14は、ステアリング10に対する入力操作の有無にかかわらず、タイヤ角θを制御量とし、これを転舵制御するためのアクチュエータでもある。ここで、タイヤ角θとは、操舵輪20の軸を法線とする面と、車両の任意の2点によって規定される所定方向とのなす角度である。本実施形態では、所定方向を車両の前後方向とする。
制御装置30は、電動パワーステアリング14に、タイヤ角θを制御する上での操作量として、操舵トルクTrqを出力することで、ステアリング10に対する入力操作に代えて、操舵制御を実行する機能を有する。ここで、操舵制御時の操舵トルクTrqとは、制御量であるタイヤ角θを実現するためのアクチュエータの操作量であり、タイヤ角θを実現するためのトルクのことである。次に、操舵制御について説明する。
制御装置30は、情報取得部50が出力する情報を入力する。ここで、情報取得部50は、レーダやカメラ等のセンサ類と、ナビゲーションシステム等を備えて構成されている。情報取得部50が出力する情報は、制御装置30において、プランナ32に入力される。
プランナ32は、入力された情報に基づき、車両の目標進路を生成する。ここでは、まず、カメラによって撮影された画像に基づき、車線を区画する白線等の区画線を認識する。また、レーダを照射した際の反射波を受信することで、先行車等を認識する。そして、認識された区画線に基づき自車両の走行する車線を特定し、目標進路を生成する。本実施形態では、目標進路の生成処理を、車両が走行しているときに車両の代表点(重心等)の描く軌跡(走行軌跡)を生成する処理を実行し、走行軌跡に沿った進路を目標進路とする処理とする。なお、代表点を車両の横方向中央とする場合、走行軌跡は、たとえば一対の区画線の中央の点の集合としてもよい。またこれに代えて、代表点のとりうる領域内において代表点を数点指定し、指定された代表点に基づくスプライン曲線やクロソイド曲線を走行軌跡としてもよい。
目標進路が生成されると、制御装置30では、これに基づき、電動パワーステアリング14の操作量である操舵トルクTrqを算出する。
すなわち、フィードフォワード制御部34では、プランナ32からの目標進路情報と、情報取得部50から入力される車両の走行速度(車速V)とに基づき、開ループ制御により、目標進路を走行するためのタイヤ角θについてのフィードフォワード量θffを算出する。ここでは、たとえば、目標進路情報から、車両が走行する際に代表点が描く曲線の曲率を把握し、この曲率にもっともフィットする定常円旋回をするタイヤ角θをフィードフォワード量θffとすればよい。
一方、指令値設定部36は、車両の進路を目標進路とするための制御量であって且つ、タイヤ角θを操作量とする制御量について、その指令値を設定する。この制御量には、図2に示すヨー角yawおよび横方向位置offsetが含まれる。すなわち、ヨー角yawは、車両の進行方向Dと区画線によって区画された車線の進む方向とのなす角度を示すパラメータである。本実施形態では、ヨー角yawを、車両の重心Gからおろした垂線と区画線Lとの交点Pにおける区画線Lの接線(一点鎖線)と、車両の進行方向Dとのなす角とする。一方、横方向位置offsetは、区画線と車両との間の距離を定めるためのパラメータである。本実施形態では、横方向位置offsetを、重心Gと点Pとの距離とする。
指令値設定部36は、ヨー角yawおよび横方向位置offsetに加えて、ヨー角yawの変化速度であるヨーレートdyawと、横方向位置offsetの変化速度である横方向速度doffsetとを制御量とする。したがって、指令値設定部36は、ヨー角指令値yaw*、横方向位置指令値offset*、ヨーレート指令値dyaw*、および横方向速度指令値doffset*を設定する。ちなみに、これらヨー角指令値yaw*、横方向位置指令値offset*、ヨーレート指令値dyaw*、および横方向速度指令値doffset*は、目標進路に基づき可変設定される。
フィードバック制御部38は、情報取得部50が出力するフィードバック制御量としてのヨー角yawおよび横方向位置offsetと、それらから算出されるヨーレートdyawおよび横方向速度doffsetとを、上記指令値のそれぞれにフィードバック制御するための操作量であるフィードバック量θfbを算出する。ここで、フィードバック量θfbは、タイヤ角θに関する量である。本実施形態では、特に、フィードバック制御部38を、比例要素および積分要素によって構成する。ここでは、4つの制御量のそれぞれに、それぞれ比例要素および積分要素が割り振られることまでは想定していない。たとえば、横方向位置offsetおよび横方向位置指令値offset*の差のみが比例要素および積分要素の入力となり、残りの制御量およびその指令値の差については比例要素の入力となるようにしてもよい。なお、フィードバック量θfbは、比例要素の出力値および積分要素の出力値の和とすればよい。
2自由度加算部40は、フィードフォワード量θffと、フィードバック量θfbとを加算した値を出力する。ガード処理部42は、2自由度加算部40の出力値にガード処理を施したものをタイヤ角指令値θ*として出力する。ガード処理は、2自由度加算部40の出力値の大きさと、その変化速度の大きさに対して施される。図1には、出力値の大きさに対するガード値θ*gおよび変化速度の大きさに対するガード値dθ*gとして、車速Vが大きいほど小さい値に設定されるものを例示している。なお、2自由度加算部40の出力値の大きさがガード値θ*gよりも大きい場合や、出力値の変化速度の大きさがガード値dθ*gよりも大きい場合には、2自由度加算部40の出力値は、タイヤ角指令値θ*と相違する。
タイヤ角指令値θ*は、変換部44においてステアリングギア比Rsが乗算されることで、操舵角指令値θs*に変換される。ここで、操舵角指令値θs*は、実際のタイヤ角θがタイヤ角指令値θ*となる場合のステアリング10の操舵角θsである。操舵角指令値θs*は、EPS駆動部46に入力される。EPS駆動部46では、上記操舵制御が実行される場合には、回転角センサ56によって検出されるタイヤ角θを制御量とし、これを操舵角指令値θs*に対応するタイヤ角(タイヤ角指令値θ*)に制御するための操作量として、操舵トルクTrqを算出して電動パワーステアリング14に出力する。これにより、電動パワーステアリング14は、内蔵のモータ(図示略)の生成するトルクを操舵トルクTrqに制御する。なお、回転角センサ56は、実際には、上記モータの回転軸の回転角度を検出するセンサであってもよい。
なお、操舵トルクTrqは、制御量としてのヨー角yaw、横方向位置offset、ヨーレートdyaw、および横方向速度doffsetをそれらの各指令値に制御するための操作量ともなっている。この観点に立てば、タイヤ角指令値θ*は中間変数である。一方、タイヤ角指令値θ*に加えて、ヨー角指令値yaw*、横方向位置指令値offset*、ヨーレート指令値dyaw*、および横方向速度指令値doffset*は、目標進路とするための電動パワーステアリング14の操作量を算出するための中間変数と見ることもできる。
EPS駆動部46は、操舵制御が実行なされない場合には、ユーザがステアリング10を操作することでタイヤ角θを変位させるのをアシストする。なお、アシスト処理は、ステアリング10に対する操作によってロッド12に加わるトルク(ステアリングトルクTM)を検出するトルクセンサ52の出力値に基づき実行される。アシスト処理では、アシストトルクを、操舵トルクTrqとして、電動パワーステアリング14に出力する。この場合、ステアリング10に対する入力トルクと、アシストトルクとによって、タイヤ角θが実現される。すなわち、入力トルクとアシストトルクとによって、タイヤ角θを制御量とする場合の操作量が定まる。
切替制御部48は、上記操舵制御と、操舵のアシスト処理との切り替え制御を実行する。切替制御部48は、操舵制御を実行するか否かの指示をユーザが入力するための操舵制御スイッチ60の操作状態に応じた信号を取り込む。
図3に、本実施形態にかかる操舵制御スイッチ60の特性を示す。詳しくは、図3(a)に操舵制御スイッチ60に対する操作の推移を示し、図3(b)に、操舵制御指令が出される状態か否かの推移を示す。図3に示すように、本実施形態では、操舵制御スイッチ60が押下されてから再度押下されるまでの期間は、操舵制御指令が出される状態および出されない状態のいずれか一方の状態を保持する。これは、操舵制御スイッチ60を、2度押下することで初期状態に復帰するものを用いることで実現することができる。
操舵制御スイッチ60をこのように構成する場合、車両の走行に先立って、操舵制御スイッチ60が押下され、操舵制御指令が出される状態にされる場合、操舵制御スイッチ60を再度押下することなく、操舵制御に切り替えることが可能となる。切替制御部48では、この切り替えに伴ってユーザに違和感を与えることを抑制するために、操舵角指令値θs*と操舵角θsとを入力として、切り替え制御を実行する。以下、これについて図4に基づき説明する。
図4は、操舵制御の開始処理の手順を示す。図4に示す処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
図4に示す一連の処理において、制御装置30は、まず、電動パワーステアリング14によってステアリング10に対する入力操作がアシストされる手動運転状態であるか否かを判断する(S10)。そして制御装置30は、ステップS10において肯定判断する場合、情報取得部50から出力される周辺環境情報をプランナ32に入力する(S12)。続いてプランナ32は、取得した情報に基づき、進路計画が可能であるか、換言すれば、目標進路を生成可能であるか否かを判断する(S14)。ここで、目標進路を生成可能でない場合とは、たとえば、区画線を認識できない場合や、自車両の位置を特定できない場合等がある。
プランナ32は、目標進路を生成可能と判断する場合(S14:Yes)、目標進路を生成する(S16)。続いてプランナ32は、操舵角指令値θs*を算出する処理を実行する(S18)。ここでは、図1に示したブロック図に従って操舵角指令値θs*を算出する。
続いて制御装置30は、操舵制御を実行することが可能であるか否かを判断する(S20)。本実施形態では、図1に示した2自由度加算部40の出力値およびその変化速度がガード処理部42のガード値を超える場合に、操舵制御を実行できないと判断する。これは、ガード値を超える場合には、2自由度制御の出力値とタイヤ角指令値θ*とが相違するため、目標進路に制御することが困難となるおそれがあるためである。
制御装置30は、操舵制御が可能と判断する場合(S20:YES)、ユーザによるステアリング10に対する入力トルクが所定トルク値以下となる状態(以下、オーバーライドがない状態と称呼することもある)であるか否かを判断する(S24)。この処理は、ユーザが自車両を直進走行させようとしているか否かを判断するためのものである。そして、制御装置30は、オーバーライドがない状態であると判断する場合(S24:YES)、操舵制御指令が出されているか否かを判断する(S26)。そして制御装置30は、操舵制御指令が出されている状態であると判断する場合(S26:YES)、操舵制御を開始する(S28)。すなわち、EPS駆動部46は、操舵角指令値θs*に基づき操舵トルクTrqを算出し、操舵トルクTrqを電動パワーステアリング14に出力する。これにより、電動パワーステアリング14は、操舵トルクTrqに基づき内蔵モータの駆動電流を制御し、内蔵モータのトルクを操舵トルクTrqとする。これにより、タイヤ角θがタイヤ角指令値θ*に制御される。
切替制御部48は、ユーザによるステアリング10に対する入力トルクが所定トルク値以上となる状態(以下、オーバーライドがある状態と称呼することもある)であると判断する場合(S24:NO)、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が閾値Δθsth以下となる状態が所定時間Tth以上継続したか否かを判断する(S30)。この処理は、操舵制御による操舵と、ステアリング10に対する入力操作による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定するためのものである。ここで、図1に示した処理によって算出される操舵角指令値θs*と、操舵角θsとの乖離度が小さい場合、図1に示した処理によって実現される操舵制御による操舵は、ステアリング10に対する入力操作に整合するものであると判定できる。これは、操舵角θsが、ユーザによるステアリング10に対する入力操作によって定まる値であるため、操舵角θsに、ユーザの操舵の意思が反映されているためである。したがって、図1に示した処理によって算出される操舵角指令値θs*と操舵角θsとの乖離度が小さい場合、図1に示した処理によって実現される操舵制御による操舵は、ユーザの意思に整合すると判定できる。なお、切替制御部48の入力として、タイヤ角指令値θ*ではなく操舵角指令値θs*を採用したのは、操舵角θsとの乖離度合いを適切に判断するために、操舵角θsとの大小比較が可能な量に変換する処理(正規化処理)のなされたパラメータを用いるためである。
制御装置30は、ステップS30において肯定判断する場合、操舵制御による操舵と、ステアリング10に対する入力操作による操舵とが所定以上の整合性を有すると判定し、ステップS26に移行する。これにより、制御装置30は、操舵制御指令が出されている状態であれば(S26:YES)、操舵制御を開始する(S28)。なお、操舵制御を開始する場合、その旨をユーザに通知することが望ましい。これはたとえば、操舵制御の実行の有無を示すランプを点灯させるなどすることで実現することができる。
ここで、図5を用いて本実施形態の作用について説明する。
図5(a)は、ACC指令の推移を示し、図5(b)は、操舵制御指令の推移を示し、図5(c)は、操舵制御の実行の有無の推移を示し、図5(d)は、操舵角θsの推移を示す。
図5に示す例では、時刻t1に、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が閾値Δθsth以下となるものの、この状態は、時刻t2に解消する。そして、この間の時間T1(=t2−t1)は、所定時間Tthよりも短いため、操舵制御は開始されない。これに対し、時刻t3において操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が閾値Δθsth以下となり、この状態が所定時間Tthだけ継続した時刻t4において操舵制御が開始される。ここで、操舵制御の開始前においては、操舵角指令値θs*は、タイヤ角θを実現するための操作量(操舵トルク)に一切寄与していない。このため、寄与率はゼロである。これに対し、操舵制御が開始されると、タイヤ角θを実現するための操作量は、操舵角指令値θs*とするための操作量となる。ちなみに、操舵制御に切り替えられることで、ユーザによるステアリング10にトルクを加えなくても、所望の操舵角θsが実現できるようになる。すなわち、ステアリング10に対する入力操作が、タイヤ角θを実現する上での寄与率はゼロまで低下しうる。
なお、操舵制御が開始されると、車線変更等、ステアリング10に対する入力操作によって操舵角が大きく変更されるなどの事情が生じるまで、操舵制御が継続される。なお、操舵角が大きく変更されることによる操舵制御の停止判定も、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差に基づき実行してもよい。ただし、この場合、これらの差の絶対値に対する閾値は、上記閾値Δθsthよりも大きい値に設定することが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)操舵制御による操舵と、ステアリング10に対する入力操作による操舵とが所定以上の整合性を有することを条件に、操舵制御を実行した。これにより、操舵制御に切り替えることで車両の挙動がユーザに違和感を与える事態を、好適に抑制することができる。
(2)ステアリング10に対する入力トルクが所定トルク値以上となる状態のとき、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有することを条件に操舵制御に切り替えた(図4のステップS24:NO)。ここで、入力トルクが所定トルク値以上となる状態においては、ユーザが入力トルクを変更することで進行方向が変化し、しかも、入力トルクの変化に対して車両の向きの変化には遅れが生じうる。これに対し、ステアリング10に対する入力トルクが所定トルク値未満となる状態のときに限って、操舵制御に切り替える場合には、切替がなされるときに車両の向きが変化することはない。このため、ユーザが車両を直進させようとしているときに実行される操舵制御と比較して、操舵制御に切り替える際に車両の挙動がユーザに違和感を与えないようにするためには、操舵制御への切り替えをより慎重に行う必要があると考えられる。このため、上記所定以上の整合性を有するか否かの判定の利用価値が特に大きい。
(3)目標進路を入力とし操舵トルクTrqを算出するための中間変数に基づき、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定した。ここで、上記中間変数は、目標進路によって一義的に定まるものではなく、且つ、目標進路よりも操舵トルクTrqの算出処理過程において下流に位置するパラメータである。このため、中間変数は、目標進路と比較して、操舵制御による操舵をより高精度に特定することのできるパラメータである。したがって、中間変数を用いることで、所定以上の整合性を有するか否かの判定をより適切に行うことができる。なお、ここで、パラメータAがパラメータBの下流にあるとは、Aの算出処理に、BやBを用いて算出された値が用いられることをいう。
(4)ユーザによるステアリング10に対する入力操作をダイレクトに示す操舵角θsと、対応する操舵角指令値θs*とに基づき、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定した(図4のステップS30)。このため、所定以上の整合性を有するか否かを高精度に判定することができる。
(5)操舵角指令値θs*と操舵角θsとに基づき、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定した(図4のステップS30)。これにより、フィードバック制御部38の制御量とその指令値との乖離度合いに基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定する場合と比較して、判定精度を低下させることなく、所定以上の整合性を有すると判定される頻度を向上させることが容易となり、ひいては操舵制御の実行頻度を向上させることが容易となる。これは、フィードバック制御部38の制御量および指令値の差は多次元量であるのに対し、操舵角指令値θs*が一次元量であり、操舵角指令値θs*にはさらにフィードフォワード量θffが寄与することなどから、上記制御量および指令値の差と操舵角指令値θs*の間に1対1の対応関係がないためである。
ここで、操舵角指令値θs*と操舵角θsとに基づき、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定することで、操舵制御の実行頻度を向上させることが容易となる理由について、簡易な例を用いて説明する。今、横方向位置offsetと横方向位置指令値offset*とが一致し、横方向速度doffsetと横方向速度指令値doffset*とが一致し、フィードフォワード量θffにステアリングギア比Rsを乗算した値と操舵角θsとが一致すると仮定する。また、ヨー角yawおよびヨー角指令値yaw*の差Δ1と、ヨーレートdyawおよびヨーレート指令値dyaw*との差Δ2との双方が、フィードバック量θfbを正の値とするのに寄与する値であるとし、操舵角指令値θs*および操舵角θsの差Δ3が、閾値Δθsthに一致すると仮定する。この場合、ヨー角yawおよびヨー角指令値yaw*の差と、ヨーレートdyawおよびヨーレート指令値dyaw*の差とのそれぞれに所定以上の整合性を有するか否かの判定のための閾値として|Δ1|,|Δ2|以下の値を設定することで判定処理を実行することを考える。この場合、ステップS30の処理において整合性を有すると判定する場合以外には、整合性を有すると判定しない。しかし、たとえばヨーレートdyawおよびヨーレート指令値dyaw*の差がゼロとなる場合には、ヨー角yawおよびヨー角指令値yaw*の差の絶対値が|Δ1|よりも大きくても、上記ステップS30においては所定以上の整合性を有すると判定されることがあり得る。これに対し、上記閾値として|Δ1|,|Δ2|を設定したものによっては、整合性を有しないと判定される。以上より、操舵角指令値θs*および操舵角θsの差を用いる場合には、上記制御量および指令値を用いる場合と比較して、所定以上の整合性を有すると判定される場合の精度を同レベルとする場合に、所定以上の整合性を有すると判定される頻度を向上することが容易となる。
(6)操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が閾値Δθsth以下となる状態が所定時間Tth以上継続することで所定以上の整合性を有すると判定した。このように、継続に基づき所定以上の整合性を有すると判定することで、操舵角θsの推移を簡易に定量化でき、操舵角θsの高階の微分値等によることなく、ユーザの意思を特定することができる。
(7)操舵制御指令が出されていることを、操舵制御の開始の実行条件に加えた。これにより、操舵制御の開始を望まない場合に、操舵制御がなされる事態が生じることを好適に抑制することができる。
(8)2自由度加算部40の出力値やその変化速度にガード処理が施されないことを、操舵制御の実行条件に加えた(図4のステップS20)。これにより、目標進路とするうえで適切な値として算出される2自由度加算部40の出力値が直接採用されないときには、操舵制御がなされなくなるため、制御が適切になされないときに操舵制御が開始される事態を好適に抑制することができる。
(9)操舵制御スイッチ60を、操舵制御指令を出すための操作が一旦なされると、再度の操作がなされない限り、操舵制御指令が出される状態を維持するものとした。これにより、ユーザが車両を操舵しているときにおいて、ユーザの運転操作とは別の特別の操作を必要とすることなく、操舵制御に切り替えることができる。ただし、この場合、操舵制御への切替に伴って車両の挙動がユーザに違和感を与える事態を回避することが特に望まれる。このため、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有する条件を、操舵制御の実行条件として利用する価値が特に高い。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、手動運転時において、積分要素を停止させる。また、本実施形態では、操舵制御が実行される場合の操舵制御の信頼性を予め評価し、操舵制御の信頼性が低い場合には、これを実行しないようにする。
図6に、操舵制御の信頼性の評価処理の手順を示す。図6に示す処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
図6に示す一連の処理において、制御装置30は、まず、手動運転状態であるか否かを判断する(S40)。この処理は、手動運転から操舵制御に切り替わるに先だって、操舵制御の信頼性を評価するために設けられたものである。そして制御装置30は、ステップS40において肯定判断する場合、操舵制御が開始されると仮定した場合における操舵制御の信頼性を評価する。
すなわち、制御装置30は、認識された白線等の区画線の信頼度が低い場合(S42:YES)には、信頼性が低いと評価する(S48)。ここで、認識された区画線の信頼度については、周知の手法にて定量化すればよい。
また、制御装置30は、2自由度加算部40の出力値および出力値の変化速度の少なくとも一方とガード処理部42によって定められるガード値との差が所定以下である場合(S44:YES)、操舵制御の信頼性が低いと評価する(S48)。これは、操舵制御が開始されることで2自由度加算部40の出力値やその変化速度がガード値を超える場合、要求通りの制御ができないことから、操舵制御の信頼性が低下すると考えられることに鑑みたものである。さらに、制御装置30は、フィードバック量θfbの絶対値が閾値θfbth以上である場合(S46:YES)、操舵制御の信頼性が低いと評価する(S48)。これは、フィードバック量θfbが大きい場合、制御が不安定化することが懸念されることに鑑みたものである。
制御装置30は、ステップS42〜S46の全てにおいて否定判断する場合、操舵制御の信頼性が高いと判断する(S50)。なお、制御装置30は、ステップS48,S50の処理が完了する場合や、ステップS40において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図7に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。図7に示す処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図7に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
図7に示す一連の処理において、制御装置30は、ステップS16の処理が完了する場合、操舵角指令値θs*を算出する処理を実行する(S18a)。ただし、このステップS18aにおいては、フィードバック制御部38の積分要素についてはこれを停止させておく。これは、操舵角指令値θs*と1対1の対応関係にあるタイヤ角指令値θ*が実際のタイヤ角θに反映されないことに鑑みたものである。すなわち、積分要素は、入力される制御量とその指令値との差を逐次積算することで、それらの定常的な差を解消しようとするものであるものの、その出力値が実際のタイヤ角θに反映されない場合には、その絶対値が過度に大きくなる等、不都合を生じるおそれがある。
また、制御装置30は、ステップS26の処理において肯定判断する場合、図6に示した処理による操舵制御の評価結果が高いか否かを判断する(S60)。そして制御装置30は、評価結果が高いと判断する場合(S60:YES)、操舵制御を開始する(S28a)。なお、ステップS28aにおいては、操舵制御の開始に伴い、図1に示したフィードバック制御部38の積分要素の動作を開始する。
これに対し、制御装置30は、評価結果が低いと判断する場合(S60:NO)、操舵制御を実行しないこととし、その旨をユーザに通知し(S62)、この一連の処理を一旦終了する。たとえば、ステアリング10にユーザの加えている力に抗する微小な反力を加えたり、微小な振動を加えたりすることで注意を喚起すればよい。また、視覚情報や音声情報として通知してもよい。視覚情報や音声情報を用いる場合には、操舵制御を実行しない理由を通知することも可能である。たとえば、区画線の信頼性が低い場合、その旨を伝えればよい。さらに、理由の通知を、その理由が解消することで操舵制御が可能となる旨の案内通知とすることもできる。具体的には、たとえば、図6のステップS44において肯定判断することで操舵制御を実行しない場合には、車両を車線の中央に近づけることで操舵制御が可能となる旨通知すればよい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(10)区画線の信頼度が高いことを操舵制御の実行条件に加えることで、操舵制御の信頼性を高めることができる。
(11)2自由度加算部40の出力値やその変化速度とガード値との差が所定以上であることを操舵制御の実行条件とすることで、操舵制御の信頼性を高めることができる。
(12)フィードバック量θfbの絶対値が所定以下であることを操舵制御の実行条件とすることで、操舵制御の信頼性を高めることができる。
(13)操舵制御を実行するか否かの判定をする際にフィードバック制御部38の積分要素を停止させた(図7のステップS18a)。これにより、積分要素の出力値が実際の制御に反映されないことに起因して、操舵角指令値θs*の絶対値が発散することのみが原因となって、ステアリング10に対する入力操作による操舵と操舵制御による操舵とが整合しないと判定する事態が生じることを回避することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、操舵制御の開始に伴って、操舵トルクTrqに対するステアリング10に対する入力操作に応じた寄与率を漸減させ、操舵角指令値θs*に応じた寄与率を漸増させる。
図8に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理において、制御装置30は、ステップS26において肯定判断する場合、操舵制御を開始する(S28b)。ここでは、重み係数α、βを用いて、操舵トルクTrqを、「α・Trq(θs*)+β・Trq(TM)」と算出する。ここで、「Trq(θs*)」は、操舵角指令値θs*に応じて定まる操舵トルクであり、「Trq(TM)」は、ステップS28bの処理が開始される時点における電動パワーステアリング14において生成されるアシストトルクである。
ここで、重み係数α,βは、それらの和が「1」に規格化されたものである。この規格化の条件を満たしつつ、重み係数αを「1」に漸増させるとともに、重み係数βを「0」に漸減させる。これにより、操舵制御へとより円滑に切り替えることができる。ここで、操舵制御の開始直後においては、重み係数βの値が比較的大きいために、操舵制御によって生成されるトルクは、操舵制御開始前のアシストトルクに近い値となる。このように、操舵制御の開始時における操舵トルクTrqの初期値をアシストトルクに近似した値とするのは、電動パワーステアリング14においては、タイヤ角θを実現するためのトルクが、アシストトルクとステアリング10に加えられるトルクとの和となるためである。なお、重み係数αが小さい期間には、積分要素は停止したままか、ゲインを低下させるかすることが望ましい。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵トルクと、タイヤ角指令値θ*に応じた操舵トルクとの乖離度に基づき、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定する。
図9に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図9において、図1に示した処理や部材に対応するものについては、便宜上、同一の符号を付している。
図9に示されるように、本実施形態では、ガード処理部42から出力されるタイヤ角指令値θ*は、偏差演算部70に入力される。偏差演算部70では、タイヤ角指令値θ*からタイヤ角θを減算した値を、タイヤ角フィードバック制御部72に出力する。タイヤ角フィードバック制御部72では、タイヤ角θをタイヤ角指令値θ*にフィードバック制御するための操作量として、操舵トルクTrq1を算出し、出力する。
一方、ステアリングトルク算出部74では、操舵制御が実行されない場合、ステアリング10に加えられるトルクTM等を入力として、ステアリング10に対する入力操作をアシストするためのアシストトルクTrqaを生成する。また、ステアリングトルク算出部74は、操舵制御が実行されない場合、ステアリングに加えられるトルクTM等を入力として、トルクTMを含め、タイヤ角θを実現するうえで実際に操舵輪20に作用している操舵トルクTrq2を算出する。
切替部76は、上記操舵トルクTrq1とアシストトルクTrqaとのいずれかを選択的にガード処理部78に出力する。ガード処理部78は、入力された値にガード処理を施したものを最終的な操舵トルクTrqとして、電動パワーステアリング14に出力する。
上記切替部76は、切替制御部48によって操作される。切替制御部48は、手動運転状態の場合、操舵トルクTrq1と操舵トルクTrq2との差の絶対値が閾値以下となる状態が所定時間継続することで、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有すると判定する。そしてこの判定をする場合、切替部76から操舵トルクTrq1が出力されるように切り替える。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1の実施形態の上記各効果に準じた効果を得ることができる。ちなみに、操舵トルクTrq2も、ユーザによるステアリング10に対する入力操作をダイレクトに反映した量であるため、所定以上の整合性を有するか否かを高精度に判定することができるパラメータである。したがって、上記(5)の効果と同等の効果についてもこれを奏することができる。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、タイヤ角指令値θ*とタイヤ角θとの乖離度合いを比較することで、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御に応じた操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定する。
図10に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。図10に示す処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図10に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
図10に示す一連の処理において、制御装置30は、ステップS16の処理が完了する場合、タイヤ角指令値θ*を算出する(S18b)。この際、フィードバック制御部38の積分要素を停止させることについては上記第1の実施形態と同様であるが、ここでは、操舵角指令値θs*を算出する処理は実行しない。
そして制御装置30は、ステップS24において否定判断する場合、タイヤ角指令値θ*とタイヤ角θとの差の絶対値が閾値Δθth以下となる状態が所定時間Tth以上継続するか否かを判断する(S30a)。この処理は、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御に応じた操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定するためのものである。そして制御装置30は、ステップS30aにおいて肯定判断する場合、ステップS26に移行する。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御に応じた操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定するために参照するパラメータを、フィードバック制御部38の制御量とする。
図11に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。図11に示す処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図11に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
図11に示す一連の処理において、制御装置30は、ステップS16の処理が完了する場合、ヨー角指令値yaw*、ヨーレート指令値dyaw*、横方向位置指令値offset*、および横方向速度指令値doffset*を算出する(S18c)。そして、制御装置30は、ステップS24において否定判断する場合、以下の状態(ア)〜(エ)が所定時間Tth以上継続するか否かを判断する。(S30b)。
(ア)ヨー角yawおよびヨー角指令値yaw*の差の絶対値が閾値Δyawth以下となる状態
(イ)ヨーレートdyawおよびヨーレート指令値dyaw*の差の絶対値が閾値Δdyawth以下となる状態
(ウ)横方向位置offsetおよび横方向位置指令値offset*の差の絶対値が閾値Δoffset以下となる状態
(エ)横方向速度doffsetおよび横方向速度指令値doffset*の差の絶対値が閾値Δdoffset以下となる状態
ここで、閾値Δyawth,Δdyawth,Δoffset,Δdoffsetは、いずれも、フィードフォワード量θffとタイヤ角θとの差に応じて可変設定される。これは、ガード処理部42による処理を無視すると、タイヤ角指令値θ*とタイヤ角θとの差のうち、フィードバック制御部38の出力に起因した量が、フィードフォワード量θffとタイヤ角θとの差となることに鑑みたものである。
なお、制御装置30は、ステップS30bにおいて肯定判断する場合、ステップS26の処理に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)、(6)〜(10)の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(14)閾値Δyawth,Δdyawth,Δoffset,Δdoffsetを、フィードフォワード量θffとタイヤ角θとの差に応じて可変設定した。これにより、所定以上の整合性を有すると判定される頻度を向上させることができ、ひいては操舵制御への切替頻度を向上させることができる。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、操舵制御スイッチ60の特性を変更し、押下されることで操舵制御指令が出されたとしても、押下されなくなると、指令が出された状態が解消するものを採用する。
図12に、本実施形態にかかる操舵制御スイッチ60の特性を示す。詳しくは、図12(a)に操舵制御スイッチ60に対する操作の推移を示し、図12(b)に、操舵制御指令が出される状態か否かの推移を示す。図12に示されるように、本実施形態では、操舵制御スイッチ60が押下されることで、操舵制御指令が出されるものの、押下状態から操舵制御スイッチ60が解放されることで、操舵制御指令が出されていない状態となる。
ここで、本実施形態では、制御装置30側でも操舵制御指令が出されたことを長期間記憶保持する処理を実行しない。このため、図4の処理において、制御装置30は、ステップS30において肯定判断した後に、操舵制御スイッチ60が押下されない限り、ステップS26において肯定判断することはない。このため、たとえばステップS30において肯定判断する場合等には、操舵制御への切替が可能である旨をユーザに通知することが望ましい。これは、たとえば操舵が開始可能であるか否かを示すランプを用いてこれを点灯させることで実現できる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(9)の効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
(15)操舵制御スイッチ60を、操作された際の情報を保持しないタイプのものとした。これにより、実際に操舵制御が可能となった際に操舵制御スイッチ60が操作されない限り、操舵制御が実行されない設定とすることが容易となり、ひいては操舵制御の開始がユーザの意思に沿わない場合に操舵制御が開始される事態を十分に抑制することが容易となる。
<第8の実施形態>
以下、第8の実施形態について、第7の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、第7の実施形態と同様の操舵制御スイッチ60を採用する。そして、本実施形態では、操舵制御スイッチ60が押下されることで所定以上の整合性を有するか否かの判定を実行する。
図13に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。図13に示す処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図13に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
図13に示す処理において、制御装置30は、ステップS18aの処理が完了した場合、操舵角指令値θs*と、操舵角θsとの最新のサンプリング値を、たとえばRAM等の記憶装置に記録する(S20a)。ただし、これらの記録は所定時間Tthを超えたサンプリング値については消去する。そして制御装置30は、ステップS24において否定判断する場合、操舵制御指令が出されたか否かを判断する(S70)。そして制御装置30は、操舵制御指令が出されたと判断する場合(S70:YES)、ステップS20aの処理によって記録されている過去の所定時間Tthのサンプリング値について、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が全て閾値Δθsth以下となっているか否かを判断する(S72)。そして制御装置30は、ステップS72において肯定判断する場合、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御に応じた操舵とが所定以上の整合性を有すると判定し、ステップS28aに移行する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第7の実施形態の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(16)操舵制御スイッチ60が押下されることで所定以上の整合性を有するか否かの判定を実行することで、制御装置30の演算負荷を低減することが可能となる。
<第9の実施形態>
以下、第9の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、第7の実施形態と同様の操舵制御スイッチ60を採用する。そして、本実施形態では、操舵制御スイッチ60が押下された後、操舵制御への切替処理を実行するに先立ち、規定時間待機する。
図14に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図14に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
図14に示す一連の処理において、制御装置30は、ステップS30において肯定判断する場合、操舵制御指令が出されているか否かを判断する(S26)。そして、制御装置30は、ステップS26において肯定判断する場合、肯定判断されてから規定時間が経過したか否かを判断する(S80)。そして制御装置30は、規定時間が経過しないと判断する場合(S80:NO)、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が閾値Δθsth以下であるか否かを判断する(S82)。この処理は、ステアリング10に対する入力操作による操舵と、操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを引き続き判定するためのものである。そして、制御装置30は、ステップS82において否定判断する場合には、図14に示す一連の処理を一旦終了する。これに対し、制御装置30は、ステップS82において肯定判断する場合、ステップS80に戻る。そして制御装置30は、規定時間が経過したと判断する場合(S80:YES)、操舵制御を開始する(S28a)。
以上説明した本実施形態によれば、上記第7の実施形態の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(17)操舵制御指令が出されてから規定時間が経過するまでの期間、操舵制御を遅延させ、その間、ステアリング10に対する入力操作による操舵と、操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを引き続き判定した。これにより、操舵制御スイッチ60が操作された後、整合しない状態となっている場合に、操舵制御に切り替えられる事態が生じることを好適に抑制することができる。
ちなみに、図4の処理によれば、ステップS26において肯定判断した時点において、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差の絶対値が閾値Δθsth以下となっているとは限らないが、操舵制御に切り替えられる。
<第10の実施形態>
以下、第10の実施形態について、第1の実施形態等との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、第7の実施形態と同様の操舵制御スイッチ60を採用する。そして、本実施形態では、操舵制御スイッチ60が押下された後、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と、操舵制御に応じた操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定する。
図15に、本実施形態にかかる操舵制御の開始処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図15に示す処理において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
図15に示される一連の処理において、制御装置30は、ステップS20において肯定判断する場合、操舵制御指令が出されているか否かを判断する(S26)。そして制御装置30は、操舵制御指令が出されていると判断する場合(S26:YES)、オーバーライドがないと判断するか(S24:YES)、所定以上の整合性を有すると判定する場合(S30:YES)、操舵制御を開始する(S28a)。
<技術的思想と実施形態との対応>
以下、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載された技術的思想と、実施形態との代表的な対応関係を記載する。
技術的思想1:アクチュエータ…16,18、操作部…10,46、操作量…タイヤ角θを実現するためのトルク、算出処理部…図1の34〜46、図9の34〜42,70,72、ステアリング…10,整合判定部…S30,30a,S30b,S72、寄与率増大部…S28,28a,28b
技術的思想2:「入力操作に応じた操舵角」を入力とするものは、第1〜3,6〜10の実施形態、「入力操作に応じたタイヤ角」を入力とするものは、第5の実施形態、「入力操作に応じた操作量」を入力とするものは、第4の実施形態
技術的思想3:中間変数…yaw*,dyaw*,doffset*,θ*,θs*
技術的思想4:制御量の指令値…yaw*,dyaw*,doffset*
技術的思想5:図1のフィードバック制御部38等参照
技術的思想6:第1〜第10の実施形態参照、特に、操作量を演算パラメータとするものは、第4の実施形態(図9)参照、入力操作に応じた操舵角…θs、入力操作に応じたタイヤ角…θ、中間変数としてのタイヤ角の指令値…θ*、中間変数としての操舵角の指令値…θs*、
技術的思想7:乖離度合い…|θs*−θs|,|θ*−θ|、操作量を演算パラメータとするものは、第4の実施形態(図9)参照、なお、タイヤ角の指令値を中間変数と見なす場合、θs*はθsと大きさを同一とするために正規化されたものであるが、図1等においては、θs*自体を中間変数と見なすこともできる。
技術的思想8:フィードバック制御部…38、所定履歴反映制御部…積分要素、ゲイン低下処理部…S18aにおいて積分要素を停止させている点、下流に位置するパラメータ…θ*,操舵トルク
技術的思想9:第6の実施形態(図11)
技術的思想10:第3の実施形態(図3)のS28b
技術的思想11:入力部…60、入力部に実行を許可する旨の入力がなされる条件…S26,S70
技術的思想12:検知部…図12の特性を前提としたS26,S70、
技術的思想13:第8の実施形態(図13)参照、記録部…S18c、検知部…図12の特性を前提としたS70
技術的思想14:図15参照
技術的思想15:第2の実施形態(図6)のステップS42,S44
技術的思想16:第2の実施形態(図6)のステップS46
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「算出処理部について」
タイヤ角指令値θ*を、開ループ制御およびフィードバック制御の2自由度制御によって算出するものに限らない。たとえば、フィードバック制御部38を備えず、フィードフォワード制御部34によって算出されるフィードフォワード量θffをタイヤ角指令値θ*とするものであってもよい。またたとえば、フィードフォワード制御部34を備えず、フィードバック制御部38によって算出されるフィードバック量θfbをタイヤ角指令値θ*とするものであってもよい。
フィードバック制御部38としては、積分要素および比例要素を備えて構成されるものに限らない。たとえば、微分要素をさらに備えてもよく、またたとえば、比例要素のみから構成してもよい。フィードバック制御部38の制御量としては、ヨー角yaw、ヨーレートdyaw、横方向位置offset、および横方向速度doffsetに限らず、それらの一部であってもよい。また、フィードバック制御部38の操作量としては、タイヤ角指令値θ*に限らず、操舵トルクであってもよい。
なお、フィードバック制御量を入力としてタイヤ角θを制御するための操作量を算出する制御器としては、いわゆるPID制御器(P制御、I制御、D制御、PI制御、PD制御、ID制御、PID制御を行うもの)にも限らない。
また、フィードフォワード制御部34が、ヨー角yaw、ヨーレートdyaw、横方向位置offset、および横方向速度doffsetの少なくとも1つを制御量として開ループ制御するための量を算出するものであってもよい。そのほか、算出処理部の制御としては、「目標進路について」の欄にも記載がある。
・「所定履歴反映演算部、ゲイン低下処理部について」
たとえば上記第1の実施形態等においては、積分要素を停止させたがこれに限らない。たとえば、操舵制御を開始した後と比較して開始する前に、積分要素のゲインに対し、ゼロでない値で絶対値の大きさを小さくする低下処理を施してもよい。
たとえばフィードバック制御部38を微分要素を備えて構成し、所定履歴反映演算部を、積分要素および微分要素としてもよい。ただし、フィードバック制御部が積分要素および微分要素の双方を備える場合であっても、ゲイン低下処理部によるゲインを低下させる対象となる部分である所定履歴反映演算部に微分要素を含めなくてもよい。これは、微分要素が最新のサンプリング値よりも過去のサンプリング値として、直近のサンプリング値等、少数のサンプリング値を出力に反映させるにすぎないためである。すなわち、出力が実際の操作量(操舵トルク)に反映されていない場合や反映される率が小さい場合、反映されることによって判定精度に及ぶ影響が小さいと考えられる。
・「整合判定部について」
たとえば、手動操作時においてフィードバック制御部38の積分要素を動作させ、積分要素の出力値を、所定以上の整合性を有するか否かを判定するための入力としての演算パラメータとしてもよい。これは、所定以上の整合性を有する場合と比較して整合していない場合には、積分要素の出力値の絶対値の増加速度が大きくなると考えられることに鑑み、出力値の絶対値の変化速度に着目することで実行することができる。
一対のパラメータ同士の乖離度合いが所定以下となる期間に基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定するものとしては、操舵角指令値θs*および操舵角θsの差の絶対値が所定以下となる期間に基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定するもの等に限らない。たとえば、操舵角指令値θs*および操舵角θsの差の変化速度の絶対値が規定速度以下となる期間と、その状態にあるときの任意の時刻における上記差とに基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定するものであってもよい。またたとえば、操舵角指令値θs*の絶対値が所定値(>0)以上である場合、操舵角指令値θs*に対する操舵角θsの比「θs/θs*」を算出し、これと「1」との差の絶対値が所定以下となる期間に基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定してもよい。
なお、上記乖離度合いが所定以下となる期間に基づくものにも限らない。たとえば、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差についての現在の絶対値が所定以下であって且つ、操舵角指令値θs*および操舵角θsのそれぞれの現在の変化速度の絶対値がともに所定以下である場合に、所定以上の整合性を有すると判定するものであってもよい。
操舵角指令値θs*および操舵角θsの差に基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定する代わりに、たとえばフィードフォワード量θffから定まる操舵角の指令値(θff・Rs)および操舵角θsの差に基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定してもよい。
操舵角指令値θs*および操舵角θsの差と、タイヤ角フィードバック制御部72の出力する操舵トルクTrq1およびステアリングトルク算出部74による操舵トルクTrq2の差とのいずれかに基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定する代わりに、それらの双方に基づき、所定以上の整合性を有するか否かを判定してもよい。なお、これにさらに、タイヤ角指令値θ*およびタイヤ角θの差を加味してもよく、また、操舵角指令値θs*および操舵角θsの差に代えてタイヤ角指令値θ*およびタイヤ角θの差を用いてもよい。
なお、タイヤ角や操舵角に基づき所定以上の整合性を有するか否かを判定する手法としては、他にも「正規化処理について」の欄に記載したものがある。
操舵角θsおよび操舵角指令値θs*と、タイヤ角θおよびタイヤ角指令値θ*と、タイヤ角フィードバック制御部72の出力する操舵トルクTrq1およびステアリングトルク算出部74による操舵トルクTrq2との少なくとも1つを用いないものとしては、第6の実施形態(図11)に例示したものに限らない。たとえば、所定以上の整合性を有するか否かに応じた2値の値を出力するマップを用いてもよい。ここで、マップとしては、次の5つのパラメータを入力とする5次元マップが考えられる。すなわち、ヨー角yawおよびヨー角指令値yaw*の差、ヨーレートdyawおよびヨーレート指令値dyaw*の差、横方向位置offsetおよび横方向位置指令値offset*の差、横方向速度doffsetおよび横方向速度指令値doffset*、ならびにフィードフォワード量θffおよびタイヤ角θの差のである。これによれば、第5の実施形態(図10)と同等の判定が可能となると考えられる。なぜなら図10のステップS30aの判定処理は、ガード処理部42によるガード処理を無視すれば、タイヤ角θとフィードフォワード量θffとの差とフィードバック量θfbとの和の絶対値が閾値Δθth以下であるか否かを判定する処理と見なせるからである。ちなみに、フィードバック量θfbは、上記5つのパラメータのうちのはじめの4つによって定まる。上記マップによる判定は、5つのパラメータのうちの1つの値に応じて他の値についての閾値を可変とするという処理を、全てのパラメータについて行うことでも実現される。なお、上記はじめの4つのパラメータのうちいくつかをマップの入力から削除することで、低次元マップを構築することも可能である。
所定以上の整合性を有するか否かの判定処理としては、他にもたとえば、車両の近未来の軌跡(予測軌跡)同士を比較することによって行うものであってもよい。すなわち、たとえば、実際のタイヤ角θや操舵角θsから予測される走行軌跡と、タイヤ角指令値θ*や操舵角指令値θs*から予測される走行軌跡との乖離度合いに基づき、所定以上の整合性を有するか否かを判定してもよい。ここで、予測処理は、タイヤ角や操舵角についての所定期間における平均値や、現在の値とその変化率等に基づき行うことができる。また、予測処理の入力パラメータとして、ヨー角yaw、ヨーレートdyaw、横方向位置offset、横方向速度doffsetや、それらの指令値を加味してもよい。
ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵に関するパラメータとして、タイヤ角θや、操舵角θs、入力操作に応じた操作量としての操舵トルクを用いて所定以上の整合性を有するか否かを判定するものにおいて、対応するタイヤ角指令値θ*や操舵角指令値θs*、操舵トルクの指令値を併せて入力すること自体必須ではない。たとえば、車両がプランナ32の設定する走行軌跡に対して左側にずれている状況が継続した後には、操舵制御では、車両を右側に旋回させようとすると考えられる。このため、このときにステアリング10が左側に回される場合、整合しないと判定することができる。この判定は、操舵角θs、タイヤ角θ、またはステアリング10に対する入力操作に応じた操舵トルクと、走行軌跡に基づき行うことができる。
ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵に関するパラメータとして、タイヤ角θや、操舵角θs、入力操作に応じた操作量としての操舵トルクを用いることも必須ではない。たとえば、ヨーレートdyawおよびその変化率の少なくとも一方に基づき、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵を定量評価してもよく、この際、さらに、横方向速度doffsetやその変化率を加味してもよい。
・「正規化処理について」
図1においては、EPS駆動部46の入力パラメータを操舵角指令値θs*としたために、操舵角指令値θs*は、操舵トルクTrqを算出するための中間変数であった。しかし、EPS駆動部46の入力パラメータをタイヤ角指令値θ*とする設定とするなら、操舵角指令値θs*は、操舵トルクTrqを算出するための中間変数ではない。この場合、操舵角指令値θs*は、中間変数としてのタイヤ角指令値θ*がステアリングギア比Rsによって正規化されたものとなる。ただし、図1においては、タイヤ角指令値θ*自体も操舵トルクTrqを算出するための中間変数となっているため、操舵角指令値θs*は、中間変数であるとともに、中間変数としてのタイヤ角指令値θ*がステアリングギア比Rsによって正規化されたものでもある。
たとえば、上記第1の実施形態等(図1、図4)等において、操舵角θsにステアリングギア比Rsの逆数を乗算することで、操舵角θsによって定まるタイヤ角に変換してもよい。この場合、変換された値とタイヤ角指令値θ*との乖離度合いに基づき、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と操作制御による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定することができる。なお、ここでの正規化処理は、上記実施形態において用いたもの(操舵角の大きさに変換する処理)とは相違し、タイヤ角の大きさに変換する処理である。すなわち、タイヤ角に関する値と、操舵角に関する値とのいずれか一方をステアリングギア比情報を用いて正規化するとは、大小比較を可能とするためにタイヤ角に関する値と操舵角に関する値とのいずれか一方を他方の量に変換することとすることができる。もっとも、他方の量に変換するものにも限らず、大小比較が可能なように双方の量を変換してもよい。
上記第5の実施形態(図10)において、タイヤ角θにステアリングギア比Rsの逆数を乗算することで正規化した値と、操舵角指令値θs*とを用いて所定以上の整合性を有するか否かを判定してもよい。
・「寄与率増大部について」
ステアリング10に対する入力操作に応じて操舵がなされる状態(手動運転状態)から、ステアリング10に対する入力操作の寄与率をゼロとすることが可能な操舵制御に移行する処理に限らない。たとえば、カーブを走行する上での基本的な操舵トルクについては、ステアリング10に対する入力操作に応じて生成しつつ、車両が区画線を越えないように、ステアリング10の入力操作に応じた操舵トルクを補正するためのアシスト処理(レーンキープ処理)の操舵トルクを生成する制御に移行するものであってもよい。この場合、寄与率は、「0%」から「100%」よりも小さい率まで増大されることとなる。
また、このアシスト処理を実行しているときに、ステアリング10に対する入力操作の寄与率をゼロとすることが可能な自動操舵制御に移行する処理を実行してもよい。この場合であっても、操舵角指令値θs*と操舵角θsとの差等に基づき、ステアリング10に対する入力操作に応じた操舵と操舵制御による操舵とが所定以上の整合性を有することを条件に上記移行する処理を実行することは有効である。
ちなみに、寄与率を、レーンキープ処理、および自動操舵制御の2段階で増大させるものは、上記操舵角指令値θs*から定まる操舵トルクTrq1と、操舵角θsから定まる操舵トルクTrq2との加重平均値(α・Trq1+β・Trq2)を、最終的な操舵トルクTrqとし、その重み係数α,βを可変とすることで実現することができる。すなわち、たとえば、レーンキープ処理においては、車両が白線を越えそうになることで、これを妨げるのに必要最小限の操舵トルクTrq1の補正量を得るべく、α,βを設定すればよい。もっとも、この手法にも限らない。たとえば「目標進路について」の欄に記載したように、車両が走行可能領域から逸脱したり逸脱しようとするのを解消する制御を行う制御系と、図1に例示したように走行軌跡に制御するための制御系との双方を備え、レーンキープ処理を実行する場合には、上記解消する制御に関する操作量のみを実際の操作量に反映させるようにしてもよい。この際、所定以上の整合性を有するか否かの判定は、上記第1の実施形態等において例示したものを用いることもできる。
・「寄与率を増大させる条件(整合判定部による判定以外の条件)について」
上記第2の実施形態(図7)において、ステップS60の処理と、ステップS20の処理とを統一して1つの処理としてもよい。
図7のステップS44の処理と同様の趣旨から、操舵角指令値θs*に応じたトルクや変化速度とEPS駆動部46によるガード値との差が所定以下である場合、信頼性が低いと評価し、ここで信頼性が低いと評価されないことを、操舵制御の実行条件としてもよい。
・「漸増処理部について」
上記第3の実施形態(図8)においては、入力操作に応じた操舵トルクから操舵制御に応じた操舵トルクに徐々に移行させるに際し、入力操作に応じた操舵トルクとして、操舵制御の開始直前におけるアクチュエータの操作量(アシストトルク)を採用したが、これに限らない。たとえば、重み係数βが「1」に移行することで、移行処理が完了するまでの期間において、入力操作に応じた操舵トルクとして、ステアリング10に入力されるトルクに応じて定まる都度の操舵トルク(アシストトルク)を採用してもよい。
・「算出処理について」
上記実施形態では、操舵制御を開始する以前については、操舵制御の開始の判断に用いるためのパラメータの算出よりも下流側(操舵トルクの算出側)のパラメータについてはその算出処理を実行しなかったがこれに限らない。たとえば第1の実施形態において、操舵制御の開始以前においても、操舵角指令値θs*に応じた操舵トルクを算出する処理を実行してもよい。
・「オーバーライド判定について」
ステアリング10に対する入力トルクが所定トルク値以上である場合にオーバーライドであると判定する代わりに、ステアリング10の回転量の絶対値(操舵角θsの絶対値)が所定値以上である場合にオーバーライドであると判定してもよい。
たとえば図4等においては、制御装置30は、オーバーライド状態でないと判断する場合、操舵制御指令が出されていることを条件に操舵制御を開始したが、これに限らず、オーバーライド状態であると判定される場合とは相違する操舵制御の実行条件をさらに加えてもよい。もっとも、操舵制御開始に際してオーバーライド判定は必須ではない。たとえば図4において、ステップS24の処理を削除してもよい。この場合であっても、ステップS30の処理において肯定判断される条件は、操舵制御を開始する条件として適切な条件である。
・「制御開始直前におけるユーザの意思確認手法について」
操舵制御スイッチ60を、一旦なされた操作の履歴を保持する機能を有しないもの(図12)とするものに限らない。たとえば、操舵制御スイッチ60を上記履歴を保持するもの(図3)とし、制御開始に際して、別の手法にてユーザの意思を確認してもよい。これは、たとえば、操舵制御スイッチ60がオンされた状態で図4のステップS30において肯定判断される場合、制御開始可能である旨をユーザに通知し、これに対しユーザがステアリング10から手を離した場合に、操舵制御を開始することで実現することができる。ここでは、手を離す行為が、制御装置30による操舵制御の実行についてのユーザの意思表示となる。またたとえば、操舵制御スイッチ60がオンされた状態で図4のステップS30において肯定判断される場合、操舵制御の開始を通知し、所定期間内にキャンセルする意思が表示されない場合に、操舵制御を開始することで実現することもできる。この場合、キャンセルする意思は、操舵制御スイッチ60をオフすることで表明可能である。
・「入力部について」
実行を許可するか否かをユーザが入力する入力部(操舵制御スイッチ60)は、必須ではない。換言すれば、たとえば、入力部を設けることなく、図4のステップS30の処理において肯定判断される条件等を満たすことで、操舵制御が開始されるようにすることも可能である。
・「操作量について」
上記実施形態では、電動パワーステアリング14が操舵トルクTrqを入力とし、このトルクを生成するように内蔵モータが制御される部分をブラックボックスとすることで、操舵制御時において操舵トルクTrqをタイヤ角θを制御量とする操作量としたがこれに限らない。たとえば、内蔵されるモータの駆動電流値を操作量としてもよい。ちなみに、この電流値は、操舵トルクTrqを生成するための電流値である。なお、第4の実施形態において操作量として駆動電流値を用いる場合、アクチュエータとしては、ステアバイワイヤ等を用いることが望ましい。
・「目標進路について」
代表点の軌跡を設定するものに限らない。たとえば車線を区画する一対の区画線のそれぞれと車両との間に規定のマージンを設定することで、車両の走行可能領域(走行方向に直交する方向の長さが車幅よりも大きい領域)を設定してもよい。この場合、算出処理部による制御としては、走行可能領域から逸脱する場合にこれを解消する制御や逸脱しようとする場合にこれを解消する制御が考えられる。
・「アクチュエータについて」
操舵角θsとタイヤ角θとの間に1対1の固定した対応関係を有する電動パワーステアリング14に限らない。たとえば、電動パワーステアリング14とステアリング10との間に可変ギア比ステアリング装置(VGRS)を備えてもよい。これにより、操舵角θsに対するタイヤ角θの比を可変とすることができる。また、操舵角θsに対するタイヤ角θの比を可変とする装置としては、これに限らず、たとえばステアバイワイヤ等であってもよい。
なお、操舵角θsに対するタイヤ角θの比を可変とするものにあっては、操舵角θsに対するタイヤ角θの比を所定値に設定している場合であっても、アクチュエータの応答遅れのために、厳密には上記比が所定値に対してずれる期間が存在しうる。この点に鑑みれば、ユーザの意思に応じた操舵と制御装置30による操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定するうえでは、タイヤ角θを用いるよりも、操舵角θsを用いることがより適切とも考えられる。ただし、この場合であれ、タイヤ角指令値θ*とタイヤ角θとの差を用いることも可能である。
・「操舵制御の実行条件について」
操舵制御の実行条件に、上記実施形態で例示したものにさらにいくつかの条件を加えてもよい。たとえば、上記ステップS10の処理において、手動運転状態であることとアクティブクルーズ制御中であることの論理積が真である場合に、肯定判断されるようにしてもよい。アクティブクルーズ制御とは、ユーザのアクセル操作に頼ることなく、車両を一定速度で自動走行させる制御のことである。アクティブクルーズ制御は、高速道路等、信号機および交差点が設けられない道路を所定以上の車速で走行しているときに、専用のスイッチが押下されてアクティブクルーズ制御を実行する旨の指令が入力されることで実行される。
10…ステアリング、12…ロッド、14…電動パワーステアリング、16…ピニオン、18…ラックバー、20…操舵輪、30…制御装置、40…2自由度加算部、44…変換部、52…トルクセンサ、56…回転角センサ、60…操舵制御スイッチ、62…ACCスイッチ、70…偏差演算部、72…タイヤ角フィードバック制御部、74…ステアリングトルク算出部、76…切替部、78…ガード処理部。

Claims (16)

  1. タイヤ角を転舵制御するためのアクチュエータを操作する操作部と、
    前記アクチュエータの操作量を車両の目標進路に基づき算出する算出処理を行う算出処理部と、
    ステアリングの操舵角が所定以上であるとき、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵と、前記目標進路に基づく操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定する整合判定部と、
    前記操作部が少なくとも前記ステアリングに対する入力操作に基づいて前記アクチュエータを操作しているとき、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定されることを条件に、前記算出処理によって算出される操作量が前記操作部によってなされる前記アクチュエータの操作に寄与する割合である寄与率を増大させる寄与率増大部と、
    を備える車両用操舵制御装置。
  2. 前記整合判定部は、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関するパラメータとして、前記ステアリングに対する入力操作による操舵角、該入力操作に応じたタイヤ角、および該入力操作に応じた操作量の少なくとも1つを入力として前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するものである請求項1記載の車両用操舵制御装置。
  3. 前記整合判定部は、前記算出処理によって生成される中間変数、および前記操作量のいずれかである演算パラメータを入力とし、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵と、前記算出処理によって算出される前記操作量が前記アクチュエータの実際の操作量に寄与する率である寄与率を増大させたと仮定した場合に実現される操舵とが所定以上の整合性を有するか否かを判定するものである請求項1または2記載の車両用操舵制御装置。
  4. 前記算出処理部は、前記中間変数として車両の進路を前記目標進路とするための制御量の指令値を設定し、前記制御量を前記指令値に制御すべく、前記アクチュエータの操作量を算出するものである請求項3記載の車両用操舵制御装置。
  5. 前記制御量が、車両のヨー角、ヨーレート、車線における車両の進行方向に直交する方向の速度の少なくとも1つを含む請求項4記載の車両用操舵制御装置。
  6. 前記整合判定部は、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関するパラメータとして、前記ステアリングに対する入力操作に応じた操舵角、該入力操作に応じたタイヤ角、および該入力操作に応じた操作量の少なくとも1つを入力として前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するものであり、
    前記整合判定部に入力される前記演算パラメータは、前記中間変数としての前記タイヤ角の指令値、前記中間変数としての操舵角の指令値、および前記操作量のうち、前記ステアリングに対する入力操作に応じた車両の操舵に関するパラメータとして入力されたものと同一の次元を有するものである請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  7. 前記整合判定部は、前記中間変数としてのタイヤ角の指令値または操舵角の指令値と前記入力操作に応じた操舵角または前記入力操作に応じたタイヤ角とについての互いの大きさの単位を同一とする正規化が必要に応じてなされた際の乖離度合い、および前記ステアリングに対する入力操作に応じた操作量と前記算出処理によって算出される操作量との乖離度合いの少なくとも一方が所定以下となる期間が所定時間以上となることを条件に、所定以上の整合性を有すると判定する請求項6記載の車両用操舵制御装置。
  8. 前記算出処理部は、フィードバック制御部を備え、
    前記フィードバック制御部は、フィードバック制御量についての現在のサンプリング値と所定個数以上の過去のサンプリング値とに基づき、その出力が決定される所定履歴反映制御部と、前記寄与率を増大する処理がなされていない場合、増大する処理がなされている場合と比較して、前記所定履歴反映制御部がその出力を決定する処理のゲインを低下させるゲイン低下処理部とを備え、
    前記整合判定部は、前記ゲイン低下処理部によってゲインの低下処理がなされている状態における前記算出処理部による前記演算パラメータを入力として前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するものであり、
    前記整合判定部に入力される前記演算パラメータは、前記所定履歴反映制御部よりも下流に位置するパラメータである請求項3〜7のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  9. 前記整合判定部は、前記中間変数である前記制御量の指令値としての車両のヨー角の指令値、ヨーレートの指令値、車線における車両の進行方向に直交する方向の速度の指令値の少なくとも1つと、対応する前記制御量についての実際の値とを入力することで、前記所定以上の整合性を有するか否かを判定する請求項5記載の車両用操舵制御装置。
  10. 前記寄与率増大部は、前記寄与率を増大させる処理を、実際の操作量を、前記入力操作に応じた操作量から前記寄与率を増大させることで実現される操作量へと徐々に移行させることで行う漸増処理部を備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  11. 前記寄与率増大部による寄与率の増大処理の実行を許可するか否かの指示をユーザが入力する入力部を備え、
    前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記入力部に実行を許可する旨の入力がなされる条件が含まれる請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  12. 前記入力部に前記実行を許可する入力操作がなされることを検知する検知部を備え、
    前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定された後に前記検知部によって前記入力操作が検知される条件が含まれる請求項11記載の車両用操舵制御装置。
  13. 前記入力部に前記実行を許可する入力操作がなされることを検知する検知部と、
    前記整合判定部が前記所定以上の整合性を有するか否かを判定するための入力パラメータを記録する記録部とを備え、
    前記整合判定部は、前記検知部によって前記入力操作が検知される場合、該検知される以前の所定時間において前記記録部によって記録された入力パラメータの時系列データに基づき、前記所定以上の整合性を有するか否かを判定する請求項11記載の車両用操舵制御装置。
  14. 前記入力部に前記実行を許可する入力操作がなされることを検知する検知部を備え、
    前記整合判定部は、車両の走行中に前記検知部によって前記入力操作が検知された後、前記所定以上の整合性を有するか否かの判定を実行する請求項11記載の車両用操舵制御装置。
  15. 前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定される条件に加えて、(a)車線の認識の信頼度が所定以上である条件と、(b)前記算出処理によって算出される操作量、および該操作量に応じたタイヤ角の少なくとも一方が、マージンを所定以上有するものである条件と、の少なくとも1つが含まれる請求項1〜14のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  16. 前記算出処理部は、フィードバック制御部を備え、
    前記寄与率増大部が前記寄与率を増大させる条件には、前記整合判定部によって所定以上の整合性を有すると判定される条件に加えて、フィードバック制御部の出力の絶対値が所定以下である条件が含まれる請求項1〜15のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
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